JP3633058B2 - 画像処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やプリンタ等に用いて好適な画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真プロセスを用いる複写機、プリンタ等にあっては、画素値がアナログ信号に変換された後パターン信号(一般的には三角波)と比較され、この比較結果によってレーザダイオードが点滅制御される。また、画像のスムージングを行うために、複数のパターン信号(例えば180°の位相差を有する「2」系統の三角波)を準備するとともに画像のエッジを検出し、エッジ検出結果に応じたパターン信号を選択する技術も知られている。
【0003】
エッジ検出を行う場合、注目画素を中心とする複数のマトリクス(例えば3×3と5×5)を用い、一方のマトリクスでエッジ方向を検出し、他方でエッジ強度を検出すると好適である。これらの検出は、マトリクス内の画素値の積和演算によって実現できる。このように、目的に応じた複数のマトリクスを用い、各々において積和演算を行うことにより、エッジ検出の精度を高めることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、複数のマトリクスに対して積和演算を行うと、演算回路が大規模化するとともに演算時間も増大する。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、小規模な回路で高速かつ高精度なエッジ検出を行うことができる画像処理装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため請求項1記載の構成にあっては、注目画素を中心とする第1の領域と、この第1の領域を囲む第2の領域とに属する画素値を記憶する記憶手段と、前記記憶手段のうち前記第1の領域に属する画素値に基づいて、エッジ方向を算出するための途中経過である途中演算結果を出力する前段演算回路と、前記途中演算結果を用いて前記注目画素におけるエッジ方向を求めるエッジ方向検出手段と、前記途中演算結果と、前記第2領域に属する画素値とを用いて前記注目画素におけるエッジ強度を求めるエッジ強度検出手段とを具備することを特徴とする。
【0006】
また、請求項2記載の構成にあっては、請求項1記載の画像処理装置において、前記第1の領域は注目画素を中心とするN行N列(但しNは3以上の奇数)の領域であり、前記第2の領域はM行M列(但しMはNを超える奇数)の領域のうち前記第1の領域を除いた部分であり、前記エッジ方向と前記エッジ強度とに基づいて前記注目画素の表示信号を生成する表示信号生成手段とを具備することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
[ 実施形態の構成 ]
A.実施形態の全体構成
次に、図1を参照し本発明の第1実施形態の複合機の全体構成を説明する。
図において401は画像読取り装置であり、原稿を読取り、その結果を画像データとして出力する。この画像データは、「0」〜「255」の値によって表現される「256」階調の多値画像データである。601はプリンタ・インターフェースであり、ホストコンピュータ(図示せず)から供給されたプリントデータを受信する。
【0008】
このプリントデータは、「256」階調の多値画像データまたは二値画像データである。プリントデータが二値画像データである場合は、画素値は「0」または「255」によって表現される。602はセレクタであり、入力セレクト信号INSELに基づいて、画像読取り装置401またはプリンタ・インターフェース601から出力された画像データのうち一方を選択する。なお、入力セレクト信号INSELは、画像読取り装置401を選択すべき場合に“0”、プリンタ・インターフェース601を選択すべき場合に“1”になる。402は入力階調補正部であり、この選択された画像データの階調補正を行う。
【0009】
409はCPUであり、デジタイザ等の入力装置によって指定された領域データに基づいて、画像の種別を指定する種別検出信号STYPEを出力する。403はエッジ補正処理部であり、入力階調補正部402で補正された画像データに対してエッジ強調等の処理を施し、その結果を画像データCD0として出力する。また、エッジ補正処理部403は、波形制御信号ATB1(詳細は後述する)を出力する。404は出力階調補正部であり、画像データCD0の出力階調補正を行い、その結果を画像データCD1として出力する。
【0010】
次に、603は二値エッジ判定部であり、プリントデータの注目画素が二値画像データのエッジを構成するか否かを判定し、その結果を二値エッジ判定信号EGHとして出力する。この二値エッジ判定信号EGHは、二値画像データのエッジが検出されると“1”、それ以外の場合に“0”になる信号である。また、604は二値用スムージング処理部であり、プリントデータが二値画像データであると仮定して、スムージング処理を行う。そして、二値用スムージング処理部604は、スムージングの施された(多値化された)画像データCD2と、波形制御信号ATB2とを出力する。
【0011】
605はデコーダ回路であり、入力セレクト信号INSELと二値エッジ判定信号EGHとの論理和を出力セレクト信号OUTSELとして出力する。すなわち、出力セレクト信号OUTSELは、入力セレクト信号INSELによってプリンタ・インターフェース601が選択され、かつ、二値エッジ判定部603によって二値画像データのエッジが検出された場合に“1”になり、それ以外の場合は“0”になる。
【0012】
次に、606,607はセレクタであり、出力セレクト信号OUTSELが“0”である場合は画像データCD1,波形制御信号ATB1を選択し、“1”である場合は画像データCD2,波形制御信号ATB2を選択し、選択した信号を各々画像データCD,波形制御信号ATBとして出力する。405は波形制御スクリーン生成部であり、スクリーン信号(三角波)と上記画像データCDとを比較することにより、該画像データCDをパルス幅変調する。
【0013】
406は画像出力装置であり、波形制御スクリーン生成部405から出力されたパルス幅変調信号によってレーザダイオードの点滅状態を制御し、周知の電子写真プロセスによって、用紙に画像を出力する。すなわち、画像データCDに応じた大きさのドットが出力される。408は制御装置であり、上述した各構成要素を制御する。407は操作・表示パネルであり、ユーザによって適宜操作され、複合機の動作モード等を設定する。
【0014】
上述した各構成要素のうち、符号番号が「600」以上のものはオプションである。すなわち、プリントデータを出力するための構成要素は、それが必要なユーザに対してのみ提供されることになる。オプションを装着しない場合は、画像読取り装置401から出力された画像データは入力階調補正部402に直接供給されることになる。同様に、画像データCD1は画像データCDとして、波形制御信号ATB1は信号ATBとして、波形制御スクリーン生成部405に直接供給される。
以下、上述した構成のうち主要部分の詳細構成を説明する。
【0015】
A.波形制御スクリーン生成部405
次に、波形制御スクリーン生成部405の構成を図9を参照し説明する。
図において160はD/A変換回路であり、画像データCDをアナログ信号に変換して出力する。また、161はパターン発生部であり、200dpiに相当する周期を有する三角波であるパターン信号SAを出力する。また、162は他のパターン発生部であり、パターン信号SAに対して「180°」位相の異なる三角波であるパターン信号SBを出力する。また、163もパターン発生部であり、400dipに相当する周期を有する三角波であるパターン信号SCを出力する。
【0016】
164はセレクタであり、これらパターン信号SA,SB,SCのうち何れかを波形制御信号ATBに基づいて選択する。165はコンパレータであり、アナログ信号に変換された画像データCDと、選択されたパターン信号とを比較し、前者のレベルが後者のレベル以上になる場合に“1”、それ以外の場合に“0”になるパルス幅変調信号を出力する。
【0017】
ここで、「3」種類のパターン信号SA,SB,SCを切り換えて使用する技術は従来より知られているものであるが、その理由について図10を参照して簡単に説明しておく。まず、画像データCDが同図(a)に示すような多値画像データであった場合、パターン信号SAのみを用いてパルス幅変調信号を生成すると、同図(b)に示すように画像が跡切れ、「2線ボケ」と称される不具合が生じる。
【0018】
そこで、同図(c)に示すように、画像が跡切れないようにパターン信号SA,SBのうち一方を選択することにより、「2線ボケ」を防止することができる。このように、200dpiの信号としては、「180°」位相の異なる二系統の信号を用いるべきである。また、400dipのパターン信号SCのみを用いてパルス幅変調信号を生成した場合の例を同図(d)に示す。
【0019】
この図においては、画像は両端のエッジで跡切れているように見えるが、実際は電子写真プロセスの再現特性により狭い空白部分は埋められ、出力画像に跡切れは生じない。さらに、400dipのパターン信号SCを用いることにより、出力画像の解像度を高くすることができる。しかし、パターン信号SCのみを用いると、階調度の再現性が悪化するという問題が生じる。従って、画像の状態等に応じて、200dpiおよび400dipのパターン信号のうち好適なものを選択し、これによって出力すべきドットの種類を変更すべきである。
以上が、「3」種類のパターン信号SA,SB,SCを切り換えて使用すべき理由である。
【0020】
なお、200dpiのパターン信号を用いるべき場合、波形制御信号ATBは、パターン信号SA,SBの区別を直接指令するのではなく、「右エッジ」、「左エッジ」または「エッジ無し」を指令する。従って、セレクタ164は、指示されたエッジ方向(またはエッジの有無)と、その時点におけるパターン信号SA,SBの位相に基づいて、パターン信号SA,SBのうち何れかを選択することになる。
【0021】
ところで、パターン発生部161,162の具体的構成として、パターン発生部161,162を独立したパルス発振器で実現し、両者に位相ロックをかけて「180°」の位相差を維持する構成が考えられる。しかし、かかる構成では2台のパルス発振器とPLL回路とが必要になり、装置が高価になるという欠点がある。そこで、一方のみを独立したパルス発振器として構成しておき、他方は直流電圧から該パルス電圧を減算する減算器として実現する構成が一般的に採られている。
【0022】
ここで、パターン発生部161が独立したパルス発振器であって、パターン信号SAが理想的な波形を有していれば、その結果としてパターン信号SBも理想的な波形を有することになる。しかし、充分に高精度な三角波を発生するパルス発振器は高価であり、そのようなものを用いることは技術的には可能であっても実現性に乏しい。
【0023】
すなわち、パターン発生部161は可能な限り簡易な回路で実現されるから、パターン信号SAは、理想的な三角波と比較すると歪を有することになる。さらに、かかる歪と逆方向の歪がパターン信号SBにも生ずることになる。その結果、画像データCDのレベルが一定であったとしても、パターン信号SA,SBのうち何れを用いるかによって濃度差が生じることになる。この点はパターン信号SCについても同様である。ここで、パターン信号SA,SB,SCに応じて相違したスクリーン特性の一例を図11(a)に示す。
【0024】
A.出力階調補正部404
次に、出力階調補正部404について説明する。出力階調補正部404は波形制御スクリーン生成部405の前段に設けられることにより、上述したスクリーン特性の相違を補償するものである。すなわち、出力階調補正部404には、パターン信号SA,SB,SCに各々対応するテーブルが設けられ、画像データCD0の同一の濃度に対してほぼ同一の出力画像濃度Doutが得られるように、画像データCD1の濃度を設定する。このテーブルの特性の一例を図11(b)に示す。
【0025】
ところで、本実施形態にあっては、入力画像の種類(文字、写真、文字+写真、または地図)に応じて各種のパラメータが変更される。従って、出力階調補正部404には、「4」種類の入力画像と「3」種類のパターン信号とに対応して、「12」種類のテーブルが設けられている。そして、階調補正制御信号MTSELに基づいて、使用すべきテーブルが選択される。
【0026】
A.二値エッジ判定部603
次に、二値エッジ判定部603の構成を図13を参照し説明する。図において280,281はFIFOバッファであり、主走査方向の1ライン相当分だけプリントデータを遅延させて出力する。従って、FIFOバッファ280の入力データおよび出力データと、FIFOバッファ281の出力データとによって、「3」ライン分のプリントデータが得られる。
【0027】
282は3×3マトリクス回路であり、「8」ビットのフリップフロップ「9個」を3行3列(座標値:(0,0)〜(2,2))に配列して成るものである。次に、284は「255」判定/カウンタであり、3×3マトリクス回路282内の各画素値のうち「255」の値を有するものが存在すると、その座標値を出力する。また、285は「0」判定/カウンタであり、3×3マトリクス回路282内の各画素値のうち「0」の値を有するものが存在すると、その座標値を出力する。
【0028】
次に、286は論理回路であり、「255」判定/カウンタ284および「0」判定/カウンタ285から出力された座標値に基づいて、3×3マトリクス内に二値エッジが存在するか否かを判定し、その結果を表す二値エッジ判定信号EGHを出力する。すなわち、論理回路286は、主走査方向または副走査方向に隣接し「255」および「0」の画素値を有する2つ画素が存在するか否かを判定し、存在する場合は“1”に、存在しない場合は“0”に、二値エッジ判定信号EGHを設定する。
【0029】
次に、283は比較器であり、注目画素(3×3マトリクス内の座標値(1,1)の画素)は「255」に等しいか否かを判定し、等しい場合に“1”に、等しくない場合に“0”になる二値エッジ信号PD0を出力する。ところで、上述したように、プリンタ・インターフェース601から二値エッジ判定部603に供給される画像データは、「256」階調の多値画像データ、または、「0」または「255」の画素値を有する二値画像データである。
【0030】
前者の多値画像データが二値エッジ判定部603に供給された場合は、二値エッジ信号PD0は特に意味の無い信号になる。一方、後者の二値画像データが供給された場合は、二値エッジ信号PD0は、該二値画像データを一般的な形式(画素値を「0」または「1」で表現する二値画像データ)に変換したものになる。
【0031】
A.二値用スムージング処理部604
次に、二値用スムージング処理部604の構成を図14を参照し説明する。図において290はFIFOバッファであり、主走査方向の1ライン相当分づつ、「8」回に渡って二値エッジ信号PD0を遅延させ出力する。従って、遅延されていない二値エッジ信号PD0自体と、このFIFOバッファ290の各出力信号とに基づいて、「9」ライン分の二値エッジ信号PD0が得られる。
【0032】
291は窓化回路であり、「1」ビットのフリップフロップ「81個」を9行9列に配列し、9×9マトリクス(座標値:(0,0)〜(8,8))を成すものである。292は論理回路であり、窓化回路291の出力信号(9×9マトリクスの各値)に基づいて、注目画素値(座標値:(4,4)〜(8,8))を多値化して成る多値画像データCD2と、波形制御信号ATB2とを出力する。
【0033】
ここで、二値用スムージング処理部604によるスムージング処理の一例を図15に示す。同図(a)は、二値用スムージング処理部604に入力された二値エッジ信号PD0であり、同図(b)は画像データCD2を示す。画像データCD2は二値エッジ信号PD0を多値化し、エッジ部分を中間濃度にしたものになる。また、同図(c)は、この画像データCD2と上記波形制御信号ATB2とに基づいて、波形制御スクリーン生成部405で生成されるパルス幅変調信号を示す。
【0034】
同図(c)においては、中間濃度部分のレーザダイオードの点灯タイミングは、各画素領域の右寄り、または中央に設定されている。前者は波形制御信号ATB2によって「200dpi右寄せ」が指令されたことによるものであり、後者は「400dip」が指令されたことによるものである。このような画像データCD2および波形制御信号ATB2を出力する具体的手法としては、例えば特開平4−186486号公報、特開平5−6438号公報、または特開平5−46002号公報等に開示された技術を用いるとよい。
【0035】
B.エッジ補正処理部403
次に、エッジ補正処理部403の概要を図2を参照し説明する。
図において410はマトリクス回路であり、セレクタ602を介して入力された画像データに基づいて、注目画素を中心とする5×5マトリクスを生成する。420は空間デジタルフィルタ回路であり、該5×5マトリクスに対する線形フィルタリング処理により、エッジの強調を行う。
【0036】
430はエッジ検出フィルタ回路であり、5×5マトリクスの各値に対して効率的に加減算等を行い、後段の回路に供給するデータを生成する。450、460および500は、エッジ強度判定回路、エッジ方向検出回路およびエッジ方向判定ロジック回路であり、上記波形制御信号ATB1を生成する。また、510はTRCタグ生成ルックアップテーブルであり、波形制御信号ATB1等に基づいて、階調補正制御信号MTSELを出力する。
【0037】
480は非線形フィルタ回路であり、空間デジタルフィルタ回路420から出力された画像データに対して、さらに急峻なエッジ強調を行う。この非線形フィルタ回路480におけるエッジ強調は、エッジ強度判定回路450から出力されるフィルタ切換信号FCXによりオン/オフ制御される。
以下、エッジ補正処理部403の各部を詳細に説明する。
【0038】
B−1.マトリクス回路410等
次に、マトリクス回路410等の構成を図3を参照し説明する。図においてマトリクス回路410は、「8」ビットのフリップフロップを5×5マトリクス状に配列して構成されている。これらフリップフロップを、図上右から左に向かって、および上から下に向かって、アルファベット順にA〜Yの記号で表す。また、これらフリップフロップの出力信号(「8」ビット×「25」系統)をマトリクス信号MTXという。
【0039】
5×5マトリクス上で最左列のフリップフロップE,J,O,TおよびYには、所定のクロックに同期して、画像データ中で副走査方向に隣接する「5」画素の濃度信号CDI0〜CDI4が供給される。これら濃度信号は各画素の濃度を「256」階調(「8」ビット)で表現するものである。供給された濃度信号はフリップフロップE,J,O,TおよびYにラッチされる。また、それ以前に各フリップフロップにラッチされていた内容は、図上右方向にシフトされる。ここで、フリップフロップMに係る画素はエッジ強調等の処理対象となる注目画素である。
【0040】
また、10はCPUバスコントローラであり、制御装置408から供給された制御信号に基づいて、後述する各種のレジスタに必要なデータを書込む。11はタイミング・コントローラであり、供給されたクロック信号等に基づいて、各種の制御信号を出力する。
【0041】
B−2.エッジ検出フィルタ430
次に、エッジ検出フィルタ回路430の構成を図4を参照し説明する。図において21〜28,33〜44は加算器、29〜32,45〜48は減算器である。加算器21は、フリップフロップG,H,Iの出力信号を加算し、加算器22はフリップフロップQ,R,Sの出力信号を加算し、減算器29は前者の加算結果x1から後者の加算結果x2を減算し減算結果e5を出力する。
【0042】
ここで、かかる演算の意義について説明しておく。まず、5×5マトリクスの内部で注目画素を中心とする3×3マトリクスを想定する。上記演算は3×3マトリクスの第1行(最上行)および第3行(最下行)の強度の差を求めたものである。これは、注目画素が上エッジを構成する傾向にあるのか、あるいは下エッジを構成する傾向にあるのかを判定する指標になる。
【0043】
同様に、加算器23は、フリップフロップG,L,Qの出力信号を加算し、加算器24はフリップフロップI,N,Sの出力信号を加算し、減算器30は前者の加算結果y1から後者の加算結果y2を減算し減算結果e6を出力する。この減算結果e6は、注目画素が左エッジを構成する傾向にあるのか、あるいは右エッジを構成する傾向にあるのかを判定する指標になる。
【0044】
次に、加算器25〜28,33〜44は、5×5マトリクスの各行および列毎の出力信号の加算結果を出力する。ここで、第1行〜第5行の加算結果をc1〜c5,第1列〜第5列(列番号は、図1のマトリクス回路410内で右側から数える)の加算結果をr1〜r5とする。加算器33〜38は奇数行および奇数列に対応し、その対応する行または列に属する「5」個のフリップフロップの出力信号がそのまま加算されることにより、各加算結果が求められる。
【0045】
一方、加算器25〜28は偶数行および偶数列に対応する。これら加算器にあっては、先に3×3マトリクスについて求められた加算結果x1,x2,y1,y2が流用されることにより、加算結果が求められる。例えば、加算器25にあっては、加算結果x1(フリップフロップG,H,Iの出力信号の合計)に対して、さらにフリップフロップF,Jの出力信号が合計され、これによって第2行の加算結果c2が得られる。
【0046】
ここに本実施形態の一つの特徴がある。すなわち、本実施形態にあっては、3×3マトリクスにおける加算結果を流用して5×5マトリクスにおける加算結果を得ることができる。これにより、後者の演算処理量を削減でき、簡易な回路を用いて演算を高速に行うことが可能になる。
【0047】
次に、加算器41は加算結果c1,c2を加算して加算結果c7を出力する。すなわち、加算結果c7は、5×5マトリクス内で注目画素の属する行(第3行)の上方向に位置する全ての画素濃度の総和になる。同様に、加算器42は加算結果c4,c5を加算して加算結果c8を出力する。すなわち、加算結果c8は、注目画素の属する行(第3行)の下方向に位置する全ての画素濃度の総和になる。次に、減算器47は、両加算結果c7,c8の差を出力する。
【0048】
ここで、減算器47の減算結果は、5×5マトリクスの列方向すなわち副走査方向の濃度勾配の平均値に比例する量になる。そこで、この減算結果を「副走査方向1階微分値e3」と呼ぶ。また、加算器43,44および減算器48にあっては、各列の加算結果r1,r2,r4,r5に対して上述したのと同様の演算が行われ、減算器48の減算結果は行方向すなわち主走査方向の濃度勾配の平均値に比例する量になる。そこで、この減算結果を「主走査方向1階微分値e4」と呼ぶ。
【0049】
次に、加算器39は、加算結果c1,c5の各「1/2」の値を加算し、加算結果c6を出力する。そして、減算器45は、第3行の加算結果c3から加算結果c6を減算し、その結果を出力する。換言すれば、減算器45からは、加算結果c1,c3,c5に対して各々「−1/2」,「1」,「−1/2」の重み付けを行った後、これらを加算した結果が出力される。なお、各種値の「1/2」は、単にその値の最下位ビットを無視すれば得られるから、特に除算回路やシフト回路等を設ける必要はない。
【0050】
さて、減算器45における減算結果は、副走査方向の濃度勾配が一定である場合は「0」になり、濃度勾配に変化が生じた場合はその変化量に応じた値になる。すなわち、減算器45から出力される値は、5×5マトリクス内の副走査方向の濃度勾配の勾配に比例する値になる。従って、この値を「副走査方向2階微分値e1」と呼ぶ。また、加算器40および減算器46においては、各列の加算結果r1,r3,r5に対して同様の演算が行われ、減算器46からは主走査方向の濃度勾配の勾配に比例する値になる。従って、この値を「主走査方向2階微分値e2」と呼ぶ。
【0051】
次に、減算器31は、注目画素値(フリップフロップMの出力信号)からフリップフロップA,Yの各出力信号の「1/2」を減算する。この値は、注目画素を通る右上がりの斜線(フリップフロップA,Yを通る線)に沿った、濃度の2階微分値に対応する値になる。そこで、この値を「傾斜方向2階微分値DI1」と呼ぶ。同様に、減算器32は、注目画素値からフリップフロップE,Uの各出力信号の「1/2」を減算する。そこで、この減算結果を「傾斜方向2階微分値DI2」と呼ぶ。
【0052】
B−3.エッジ強度判定回路450およびエッジ方向検出回路460
図5において60〜67は絶対値回路であり、上述した各演算結果e1〜e6,DI1およびDI2の絶対値を出力する。また、絶対値回路65は、減算結果e6の符号を符号信号e6sとして出力する。70は比較器であり、副走査方向2階微分値e1の絶対値と主走査方向2階微分値e2の絶対値との大小関係を比較する。71はセレクタであり、この比較結果に基づいて、大きい方の値(以下、値max(|e1|,|e2|)という)を出力する。
【0053】
次に、80は閾値レジスタであり、原画像の種別(文字、写真、文字+写真、および地図)に対応した「4」種類の閾値ETH1を記憶する。そして、種別指令信号STYPE’(詳細は後述する)に基づいて、これら「4」種類の閾値ETH1の中から何れかを選択して出力する。100は比較器であり、値max(|e1|,|e2|)が閾値ETH1以上である場合に“1”、それ以外の場合に“0”となる比較結果FC1を出力する。
【0054】
また、81は閾値レジスタであり、「4」種類の閾値ETH2を記憶する。また、セレクタ91および比較器101は、セレクタ90および比較器100と同様に構成されている。従って、比較器101は、値max(|e1|,|e2|)が閾値ETH2以上である場合に“1”、それ以外の場合に“0”となる比較結果WC1を出力する。
【0055】
また、比較器72、セレクタ73、閾値レジスタ82,83、セレクタ92,93および比較器102,103から成る部分は、上述した部分と同様に構成されている。従って、比較器102は、副走査方向1階微分値e3の絶対値および主走査方向1階微分値e4の絶対値のうち大きい方の値(以下、値max(|e3|,|e4|)という)が閾値ETH3以上である場合に“1”になる比較結果FC2を出力する。同様に、比較器103は、値max(|e3|,|e4|)が閾値ETH4以上である場合に“1”になる比較結果WC2を出力する。
【0056】
また、比較器74、セレクタ75、閾値レジスタ84、セレクタ94および比較器104から成る部分も同様に構成されている。従って、比較器102は、減算結果e5の絶対値および減算結果e6の絶対値のうち大きい方の値(以下、値max(|e5|,|e6|)という)が閾値ETH5以上である場合に“1”になる比較結果WC3を出力する。
【0057】
さらに、比較器77、セレクタ78、閾値レジスタ86、セレクタ96および比較器107から成る部分も同様に構成されている。従って、比較器107は、傾斜方向2階微分値DI1の絶対値および傾斜方向2階微分値DI2の絶対値のうち大きい方の値(以下、値max(|DI1|,|DI2|)という)が閾値ETH7以上である場合に“1”になる比較結果FWC1を出力する。
【0058】
次に、76は加算器であり、減算結果e5,e6の絶対値の平均値(平均値e7)を出力する。また、95はセレクタであり、種別指令信号STYPE’に基づいて閾値ETH6を選択し出力する。減算器108は、上記平均値e7から閾値ETH6を減算し、閾値e8として出力する。105,106は比較器であり、減算結果e5,e6の各絶対値と閾値e8とを比較し、対応する減算結果が閾値e8以上である場合は“1”になり、それ以外の場合は“0”になる比較結果MI2,MI3を各々出力する。
【0059】
ここで、比較結果MI2,MI3の意義について説明しておく。まず、上述したように、減算結果e5は、3×3マトリクス内の注目画素が上エッジを構成する傾向にあるのか、あるいは下エッジを構成する傾向にあるのかを判定する指標である。従って、その絶対値は、注目画素が主走査方向のエッジ(上下エッジ)を構成する傾向の強さを示すことになる。同様に、減算結果e6は、注目画素が副走査方向のエッジ(左右エッジ)を構成する傾向の強さを示すことになる。
【0060】
従って、比較結果MI2,MI3の値によって、エッジ方向を判別することが可能である。すなわち、比較結果MI2,MI3が“1”,“0”である場合は注目画素は主走査方向のエッジを構成する傾向が強く、“0”,“1”である場合は副走査方向のエッジを構成する傾向が強いことになる。また、これらの値が“0”,“0”または“1”,“1”である場合は、注目画素が主走査方向および副走査方向のエッジを構成する傾向は同様であることなる。なお、減算結果e5,e6の絶対値が近接している場合(両者の差が±|ETH6|以下である場合)、比較結果MI2,MI3は“0”,“0”または“1”,“1”になる。このうち何れになるかは、閾値ETH6の符号(+または−)に基づく。
【0061】
B−4.エッジ方向判定ロジック回路500およびTRCタグ生成ルックアップテーブル510
図6において120はOR回路であり、比較結果FC1,FC2,FWC1の論理和を演算し、その結果をフィルタ切換信号FCXとして出力する。なお、フィルタ切換信号FCXの用途については後述する。142はOR回路であり、比較結果WC1〜WC3,FWC1の論理和を演算し、その結果をエッジ存否判定信号MI1として出力する。
【0062】
144,145はレジスタであり、波形制御信号ATB1の候補となりうる4種類の値を記憶する。そして、エッジ判定ロジック・マルチプレクサ143は、エッジ存否判定信号MI1、比較結果MI2,MI3および符号信号e6sが供給されると、下表に基づいて、レジスタ144,145に記憶された値のうち一つを選択し出力する。
【0063】
【表1】
【0064】
表1において、エッジ存否判定信号MI1が“0”である場合(エッジが検出されなかた場合)は、他の信号に拘らず、200dpiの単独の三角波が選択されるように、波形制御信号ATB1が“00”に設定される。また、エッジ存否判定信号MI1が“1”であって比較結果MI3が“0”である場合(副走査方向のエッジを構成する傾向が弱い場合)は、400dipの三角波を選択すべく、波形制御信号ATB1が“11”に設定される。
【0065】
そして、これ以外の場合は、右寄せあるいは左寄せが行われるように、波形制御信号ATB1が“01”または“10”に設定される。この波形制御信号ATB1は、タイミング合せのために遅延回路146を介して所定時間(レジスタ147によって指定された時間)だけ遅延され、波形制御スクリーン生成部405に供給される。
【0066】
次に、121〜136はレジスタであり、階調補正制御信号MTSELの候補となる「16」種類のデータを記憶する。137は出力階調補正ロジック・マルチプレクサであり、セレクタ140を介して供給された「2」ビットのデータと、上記波形制御信号ATB1(「2」ビット)とを合せた計「4」ビットのデータを選択信号とし、上述した「16」種類のデータのうち何れかを選択し、選択したデータを階調補正制御信号MTSELとして出力する。
【0067】
この階調補正制御信号MTSELは、遅延回路138を介して所定時間(レジスタ139によって指定された時間)だけ遅延され、出力階調補正部404に供給される。また、上述したセレクタ140には、種別指令信号STYPE’と、他の信号(STRC)とが供給され、タグ制御レジスタ141の内容に基づいて、そのうち一方が出力階調補正ロジック・マルチプレクサ137に供給される。通常の使用状態では、種別指令信号STYPE’が選択されるように、タグ制御レジスタ141の内容が設定される。
【0068】
B−5.空間デジタルフィルタ回路420
次に、空間デジタルフィルタ回路420の構成を図7を参照し説明する。
図において265は種別指令レジスタであり、ユーザより指定された原稿画像の種別(文字、写真、文字+写真、または地図)を表す「2」ビットのデータが書込まれる。このデータは、セレクタ266の一端に供給される。また、セレクタ266の他端には、CPU409から「2」ビットの種別検出信号STYPEが供給される。
【0069】
セレクタ266は、レジスタ267に記憶されたデータに基づいて、種別指令レジスタ265の内容、あるいは種別検出信号STYPEのうち一方を選択し、選択した信号を種別指令信号STYPE’として出力する。次に、260〜264は加算回路である。加算回路260は、マトリクス信号MTX内のフリップフロップA,E,U,Yの出力信号を加算し、加算結果S1を出力する。
【0070】
同様に、加算回路261はフリップフロップB,D,F,J,P,T,V,Xの出力信号を加算して加算結果S2を出力し、加算回路262はフリップフロップC,K,O,Wの出力信号を加算して加算結果S3を出力し、加算回路263はフリップフロップG,I,Q,Sの出力信号を加算して加算結果S3を出力し、加算回路264はフリップフロップH,L,N,Rの出力信号を加算して加算結果S5を出力する。
【0071】
170〜175はレジスタであり、係数g1〜g6を記憶する。これら係数g1〜g6は、原稿種別に対応して「4」種類づつ記憶されている。180〜185はセレクタであり、種別指令信号STYPE’に対応した係数g1〜g6を各々選択して出力する。190〜195は乗算回路であり、加算結果S1〜S5および注目画素値dMに対して選択された係数g1〜g6を各々乗算し、乗算結果S1’〜S5’を出力する。
【0072】
次に、200〜205はレジスタであり、各々シフト量SG1〜SG6を記憶する。これらシフト量SG1〜SG6も画像種別に対応して「4」種類づつ記憶されている。210〜215はセレクタであり、種別指令信号STYPE’に対応したシフト量SG1〜SG6を各々選択して出力する。220〜225はシフト回路であり、シフト量SG1〜SG6で指定された桁数だけ乗算結果S1’〜S5’をシフトし、乗算結果S1”〜S5”として出力する。
【0073】
226は加算回路であり、乗算結果S1”〜S5”を加算し、その結果を修正注目画素値dM’として出力する。すなわち、修正注目画素値dM’は、マトリクス信号MTXを成す5×5マトリクスの各値に対して下表2に示す重み付けを行って積和演算した結果になる。
【0074】
【表2】
【0075】
表2において、H1〜H6は重み付け係数である。本実施例にあっては、マトリクス信号MTX中で同一の重み付け係数が乗算される信号は、予め加算回路260〜264において加算される。これにより、乗算回数が減少し、回路の小規模化と演算の高速化を達成することが可能になる。ところで、重み付け係数Hn(但しn=1,2,・・・・,6)は、「gn×2SGn」に等しい。換言すれば、本実施形態にあっては、加算結果S1〜S5に重み付け係数H1〜H6を乗算するという動作が、乗算回路190〜195における乗算とシフト回路220〜225におけるシフト動作との2段階に分けて実行されることになる。
【0076】
これにより、本実施形態にあっては、乗算回路190〜195における被乗数の桁数を揃えることができ、乗算回路190〜195を固定小数点型の乗算器として実現することができる。固定小数点型の乗算器は浮動小数点型のものより高速化できるから、本実施形態にあっては、修正注目画素値dM’を一層高速に計算することが可能になる。
【0077】
ここで、重み付け係数H1〜H6は、注目画素値dMのエッジを強調するように設定される。例えば、注目画素値dMが主走査方向の座標値xに対して図12(a)の特性A1に示すように山状に変化する場合、修正注目画素値dM’は、同図の特性A2に示すように、山状の頂部付近は高く、裾野部分は低くなる。
【0078】
ここで、空間デジタルフィルタ回路420のフィルタリング特性の一例について若干説明しておく。まず、空間デジタルフィルタ回路420は、巨視的な画像濃度を変更しないように、空間周波数が「0」である場合はゲインが「0dB」になるように設定される。そして、空間周波数が若干高い領域(例えば100dpi程度)では、エッジ強調を行うために、ゲインは「0dB」を超えるようになる。しかし、さらに高い空間周波数(例えば200dpi以上)にあっては、モアレを防止するため、ゲインは「0dB」未満の値になる。すなわち、空間デジタルフィルタ回路420は、バンド強調型のフィルタ特性を有することになる。
【0079】
B−6.非線形フィルタ回路480
次に、非線形フィルタ回路480の構成を図8を参照し説明する。図において240〜243はフリップフロップであり、注目画素値dMおよび修正注目画素値dM’のタイミングを合せるために、注目画素値dMを遅延させて出力する。244は減算回路であり、修正注目画素値dM’から遅延された注目画素値dMを減算し、減算結果「dM’−dM」を出力する。この減算結果は、図12(a)の例にあっては、特性A3に示すようになる。
【0080】
この減算結果「dM’−dM」を注目画素値dMに対する第2のフィルタリング結果と考え、その周波数特性を検討してみる。上述したように、空間周波数が「0」である場合の修正注目画素値dM’は注目画素値dMに等しいから、かかる場合は減算結果「dM’−dM」は「0」になる。すなわち、ゲインは「−∞」になる。
【0081】
また、高い空間周波数(モアレを防止するために減衰させている領域)では、減算結果「dM’−dM」は「0」未満になるから、やはりゲインは「−∞」になる。そして、両者の中間部分(エッジ強調の行われている領域)では、ゲインは有限値になる。換言すれば、減算結果「dM’−dM」は、注目画素値dMの中間部分の周波数成分を抽出したものになる。
【0082】
このように、空間デジタルフィルタ回路420と減算回路244とを合わせて、バンドパスフィルタの特性が実現されている。次に、245はレジスタであり、画像種別に対応して「4」種類の定数em_pを記憶する。246はセレクタであり、種別指令信号STYPE’に基づいて、対応する定数em_pを選択して出力する。
【0083】
247は乗算器であり、上記減算結果「dM’−dM」に対して選択された定数em_pを乗算し、乗算結果を修正量dMXとして出力する。すなわち、修正量dMXは、例えば図12(a)の特性A4に示すようになる。次に、248および249はレジスタであり、所定の閾値th_pおよびth_mを各々記憶する。250は比較器であり、減算結果「dM’−dM」が閾値th_p以上になる場合に“1”信号、それ以外の場合に“0”信号を出力する。
【0084】
一方、比較器251は、減算結果「dM’−dM」が閾値th_m以下になる場合に“1”信号、それ以外の場合に“0”信号を出力する。252はセレクタであり、減算結果「dM’−dM」の符号ビットが供給されると、これに応じて比較器250,251の出力信号のうち一方を選択して出力する。すなわち、セレクタ252は、減算結果「dM’−dM」が「0」以上である場合は比較器250の出力信号を、「0」未満である場合は比較器251の出力信号を選択する。
【0085】
254はセレクタであり、制御装置408から供給される制御信号MMS.CNTに基づいて、注目画素値dMまたは修正注目画素値dM’のうち一方を選択し出力する。253はセレクタであり、セレクタ252の出力信号が“1”である場合は修正量dMX、“0”である場合は値「0」を選択して出力する。255は加算器であり、セレクタ253,254で各々選択された信号を加算し、加算結果dM1を出力する。
【0086】
次に、図12(a),(b)を参照して、減算回路244〜加算器255までの部分の動作を説明する。なお、セレクタ254にあっては修正注目画素値dM’が選択されていることとする。同図(a)において座標値xが座標値x11未満である区間にあっては、減算結果「dM’−dM」が「0」未満であるから、セレクタ252にあっては比較器251の出力信号が選択される。ここで、減算結果「dM’−dM」は閾値th_m以下ではないから、セレクタ252を介して、比較器251からセレクタ253に“0”信号が供給される。
【0087】
従って、セレクタ253にあっては「0」が選択され、加算器255の一入力端に供給される。一方、セレクタ254を介して修正注目画素値dM’が他入力端に供給される。従って、加算結果dM1は、修正注目画素値dM’と等しくなる。次に、座標値xがx11〜x12の区間にあっては、減算結果「dM’−dM」が閾値th_m以下になるから、セレクタ252を介して、比較器251からセレクタ253に“1”信号が供給される。
【0088】
これにより、乗算器247からセレクタ253を介して、修正量dMXが加算器255に供給される。ここで、修正量dMXは負値であるから、図12(b)に示すように、加算結果dM1は修正注目画素値dM’よりも低くなる。その後、座標値x12において減算結果「dM’−dM」が閾値th_mを超えると、比較器251から再度“0”信号が出力されるから、セレクタ253において値「0」が選択され、加算結果dM1は修正注目画素値dM’と等しくなる。
【0089】
その後、座標値xがx12,x13のほぼ中間値になると、減算結果「dM’−dM」の符号が正に転換され、セレクタ252においては比較器250の出力信号が選択される。しかし、この時点では該減算結果は閾値th_p未満であるから、比較器250からは“0”信号が出力されている。従って、加算結果dM1は、引続き、修正量dMXに等しくなる。
【0090】
次に、座標値xがx13の区間にあっては、減算結果「dM’−dM」が閾値th_p以上になるから、セレクタ252を介して、比較器250からセレクタ253に“1”信号が供給され、このセレクタ253を介して加算器255に修正量dMXが供給される。ここで、修正量dMXは正値であるから、図12(b)に示すように、加算結果dM1は修正注目画素値dM’よりも高くなる。
【0091】
以後、上述した動作と逆の順序で加算結果dM1が変化する。すなわち、座標値xがx14〜x15の区間に入ると加算結果dM1は修正注目画素値dM’に等しくなり、x15〜x16の区間に入ると加算結果dM1は修正注目画素値dM’よりも低くなる。なお、上述した動作はセレクタ254で修正注目画素値dM’が選択された場合について説明したが、注目画素値dMが選択された場合であっても同様の動作が行われる。
【0092】
図12(b)において修正注目画素値dM’と加算結果dM1とを比較すると、エッジを強調する傾向(山状の頂部付近を高く、裾野部分を低くする傾向)は、加算結果dM1において一層強くなっていることが解る。すなわち、本実施形態にあっては、一般的な線形の空間デジタルフィルタ回路420に僅かな回路(減算回路244〜加算器255の部分)を追加することにより、線形の空間デジタルフィルタ回路では到底為し得なかった急峻なエッジ強調を行うことが可能になる。
【0093】
図8に戻り、230〜232はフリップフロップであり、修正注目画素値dM’を順次遅延させる。フリップフロップ230,231の出力信号は加算器233において加算される。また、234はレジスタであり、所定の定数(例えば「0.25」)を記憶する。乗算器236は上記加算結果と該定数とを乗算して出力する。また、レジスタ235には他の定数(例えば、「0.5」)が記憶されている。
【0094】
フリップフロップ231の出力信号は乗算器237に供給され、ここで上記他の定数が乗算される。乗算器236,237の乗算結果は加算器238において加算され、その結果は加算結果dM2として出力される。従って、この加算結果dM2は、修正注目画素値dM’を平滑化したものになる。256はセレクタであり、フィルタ切換信号FCX(図6参照)に基づいて、加算結果dM1,dM2のうち一方を選択し、選択した結果を画像データCD0として出力する。
【0095】
すなわち、比較結果FC1,FC2,FWC1のうち何れかが“1”になると(エッジが検出されると)フィルタ切換信号FCXが“1”になる。これにより、加算結果dM1が選択され、急峻なエッジ強調の行われた結果が画像データCD0として出力される。一方、フィルタ切換信号FCXが“0”である場合は、注目画素値dMに対して若干エッジの強調された加算結果dM2が画像データCD0として出力されることになる。
【0096】
[ 実施形態の動作 ]
A.複写モード
ユーザが操作・表示パネル407において所定の操作(例えばコピースタートボタンの押下)を行うと、複合機の動作モードが複写モードに設定され、入力セレクト信号INSELが“0”に設定される。これにより、出力セレクト信号OUTSELも“0”に設定される。次に、画像読取り装置401において原稿の内容が読取られると、セレクタ602、入力階調補正部402を介してエッジ補正処理部403に画像データが供給される。その際、CPU409にあっては、原稿画像の種別を示す種別検出信号STYPEが出力される。
【0097】
マトリクス回路410内の5×5マトリクスにおいてエッジが存在しない場合は、比較結果WC1〜WC3,FWC1(図5参照)が何れも“0”になるからエッジ存否判定信号MI1も“0”になる。これにより、波形制御信号ATB1は“00”に固定され、波形制御スクリーン生成部405のセレクタ164にあっては、パターン信号SAが選択される。
【0098】
次に、5×5マトリクス内で主走査方向または副走査方向に沿ってある程度強いエッジが発生すると、比較結果WC1〜WC3のうち何れかが“1”になり、エッジ存否判定信号MI1も“1”になる。従って、表1に示すように、比較結果MI2,MI3に基づいて波形制御信号ATB1が選択される。これにより、波形制御スクリーン生成部405(図9参照)にあっては、パターン信号SA,SB,SCが適宜切り換えられ、エッジ方向に応じた三角波が選択される。
【0099】
しかし、比較結果FC1,FC2,FWC1のうち何れかが“1”になる程度までエッジが強くなければ、フィルタ切換信号FCXは“0”になる。これにより、セレクタ256(図8参照)にあっては、エッジをやや強調した加算結果dM2が画像データCD0として選択され、波形制御スクリーン生成部405に供給される。
【0100】
一方、出力階調補正ロジック・マルチプレクサ137においては、上記パターン信号に対応した階調補正制御信号MTSELが選択される。これにより、出力階調補正部404にあっては、画像データCD0に対してパターン信号SA,SB,SCに応じたスクリーン特性が付与され、その結果が画像データCD1として出力される。波形制御スクリーン生成部405にあっては、この画像データCD1と波形制御信号ATB1とに基づいてパルス幅変調信号が生成される。この結果、画像出力装置406においては、ややエッジの強調された画像が用紙に出力される。
【0101】
次に、5×5マトリクス内で主走査方向、副走査方向または傾斜方向に沿ってさらに強いエッジが発生すると、比較結果FC1,FC2,FWC1のうち何れかが“1”になり、フィルタ切換信号FCXも“1”になる。これにより、セレクタ256にあっては、エッジを相当に強調した加算結果dM1が画像データCD0として選択され、波形制御スクリーン生成部405に供給される。これにより、出力階調補正部404、波形制御スクリーン生成部405および画像出力装置406を介して、相当にエッジの強調された画像が用紙に出力される。
【0102】
B.プリントモード
ホストコンピュータからプリンタ・インターフェース601にプリントデータが供給されると、複合機の動作モードはプリントモードに設定され、入力セレクト信号INSELは“1”に設定される。これにより、供給されたプリントデータは、二値エッジ判定部603および入力階調補正部402の双方に供給され、双方で並列にスムージング処理が行われることになる。
【0103】
ここで、プリントデータが多値画像データである場合は、一般的には、二値エッジ判定信号EGHは“0”になる。これにより、セレクタ606,607にあっては、画像データCD1および波形制御信号ATB1が選択される。すなわち、かかる場合は、画像データCD2および波形制御信号ATB2は無視され、複写モードにおいて説明したのと同様の処理が実行されることになる。
【0104】
一方、プリントデータとして二値画像データが供給されると、二値エッジ判定信号EGHが“1”になり、出力セレクト信号OUTSELも“1”になる。これにより、二値用スムージング処理の結果である画像データCD2と波形制御信号ATB2とが、セレクタ606,607を介して波形制御スクリーン生成部405に供給される。これにより、二値画像データに適するスムージング処理の施された画像が画像出力装置406を介して出力される。
【0105】
ここで、プリントデータとして、二値画像データと多値画像データとを混在させたものが考えられる。例えば写真と文字とを合成した画像や、文字に適宜網かけを施した画像等である。このようなプリントデータが供給されると、3×3マトリクス回路282(図13参照)内の状態に応じて、セレクタ606,607が画素毎に切り換えられ、各部分に適したスムージング処理が施されることになる。
【0106】
なお、プリントデータが多値画像データであったとしても、「0」および「255」の画素値を有する画素が隣接する可能性は否定できない。かかる場合は、プリントデータが多値画像データであるにもかかわらず二値画像データであると判定され、二値画像データ用のスムージング処理が多値画像データに施されることになる。しかし、かかる状況が発生する可能性は僅かであり、画像全体に及ぼす影響は些細なものに過ぎない。
【0107】
[ 変形例 ]
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように種々の変形が可能である。
▲1▼上記実施形態にあっては、プリントデータが二値画像データであるか多値画像データであるかの判定は、主走査方向または副走査方向に隣接し「255」および「0」の画素値を有する2つ画素が存在するか否かに基づいて行われた。しかし、かかる判定は、他の条件に基づいて行ってもよい。例えば、3×3マトリクス回路282内の画素値として「255」および「0」が共に存在し、かつ、それ以外の画素値が存在しない場合にのみ二値画像データであると判定してもよい。
【0108】
▲2▼上記実施形態は本発明をモノクロ複合機に適用した例を説明したが、上述した各処理を各原色(シアン、マゼンタ、イエロー、黒)毎に行うことにより、本発明をカラー複合機に適用できることは言うまでもない。
【0109】
▲3▼上記実施形態にあっては、修正注目画素値dM’にフィルタリング処理を施して加算結果dM2を生成したが、加算結果dM2に代えて修正注目画素値dM’をそのままセレクタ256に供給してもよい。
【0110】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、エッジ強度検出手段は、エッジ方向を算出するための途中経過である途中演算結果を用いてエッジ強度を求めるから、小規模な回路で高速かつ高精度なエッジ検出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による複合機の全体構成を示すブロック図である。
【図2】エッジ補正処理部403の概略構成を示すブロック図である。
【図3】マトリクス回路410等のブロック図である。
【図4】エッジ検出フィルタ回路430のブロック図である。
【図5】エッジ強度判定回路450およびエッジ方向検出回路460のブロック図である。
【図6】エッジ方向判定ロジック回路500およびTRCタグ生成ルックアップテーブル510のブロック図である。
【図7】空間デジタルフィルタ回路420のブロック図である。
【図8】非線形フィルタ回路480のブロック図である。
【図9】波形制御スクリーン生成部405のブロック図である。
【図10】画像データのスムージング処理の説明図である。
【図11】出力階調補正部404の補正特性を示す図である。
【図12】非線形フィルタ回路480の動作説明図である。
【図13】二値エッジ判定部603のブロック図である。
【図14】二値用スムージング処理部604のブロック図である。
【図15】二値用スムージング処理部604の動作説明図である。
【符号の説明】
21〜24 加算器(前段演算回路)
25〜28 加算器(エッジ強度検出手段)
29,30 減算器(エッジ方向検出手段)
47,48 減算器(エッジ強度検出手段)
410 マトリクス回路(記憶手段)
500 エッジ方向判定ロジック回路(表示信号生成手段)
Claims (2)
- 注目画素を中心とする第1の領域と、この第1の領域を囲む第2の領域とに属する画素値を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段のうち前記第1の領域に属する画素値に基づいて、エッジ方向を算出するための途中経過である途中演算結果を出力する前段演算回路と、
前記途中演算結果を用いて前記注目画素におけるエッジ方向を求めるエッジ方向検出手段と、
前記途中演算結果と、前記第2領域に属する画素値とを用いて前記注目画素におけるエッジ強度を求めるエッジ強度検出手段と
を具備することを特徴とする画像処理装置。 - 前記第1の領域は注目画素を中心とするN行N列(但しNは3以上の奇数)の領域であり、
前記第2の領域はM行M列(但しMはNを超える奇数)の領域のうち前記第1の領域を除いた部分であり、
前記エッジ方向と前記エッジ強度とに基づいて前記注目画素の表示信号を生成する表示信号生成手段と
を具備することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25869595A JP3633058B2 (ja) | 1995-10-05 | 1995-10-05 | 画像処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP25869595A JP3633058B2 (ja) | 1995-10-05 | 1995-10-05 | 画像処理装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH09102876A JPH09102876A (ja) | 1997-04-15 |
JP3633058B2 true JP3633058B2 (ja) | 2005-03-30 |
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Family Applications (1)
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JP25869595A Expired - Fee Related JP3633058B2 (ja) | 1995-10-05 | 1995-10-05 | 画像処理装置 |
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JP (1) | JP3633058B2 (ja) |
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JP5605214B2 (ja) * | 2010-12-24 | 2014-10-15 | コニカミノルタ株式会社 | 画像処理装置及び画像処理方法 |
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1995
- 1995-10-05 JP JP25869595A patent/JP3633058B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH09102876A (ja) | 1997-04-15 |
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