JP3633052B2 - 生ごみ分解処理装置用充填材を用いた生ごみ分解処理装置 - Google Patents

生ごみ分解処理装置用充填材を用いた生ごみ分解処理装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は一般家庭や飲食店等から排出される残飯や調理屑等の生ごみを微生物により分解処理する生ごみ分解処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の生ごみを微生物により分解処理する生ごみ分解処理装置としては、コンポスト化装置のように生ごみを容器内に長期間放置して、分解、堆肥化する装置が一般に良く知られているが、最近、実開平6−34784に見られるように、おがに微生物を着床させて高速で分解させる生ごみ処理装置が考案されている。この種の生ごみ処理装置は図9に示すような構成になっている。図9において1は発酵分解槽で充填材であるおが2が充填されている。3は発酵分解槽1内に横設された撹拌羽根である。4は撹拌羽根3を回転させるためのモータ、5はモータ4の回転を撹拌羽根3に伝達するチェーンである。6は発酵分解槽1内に空気の吸引及び排出を行うファン、7は排気口である。
【0003】
上記構成において、上面手前側に設けられたゴミ投入口(図示せず)から、生ごみを投入して投入口の蓋を閉めると、モータ4が回転し、チェーン5によって撹拌羽根3を回転させる。この撹拌羽根3により投入された生ごみはおが2内に撹拌、混合される。撹拌は一定時間間隔で所定時間行い、また、ファン6によって空気を発酵分解槽1内に供給することにより、微生物をおが2内に繁殖させて分解を行い、生ごみを処理するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の構成では撹拌によっておが2は摩耗し、粒子が小さくなって、おが2の発酵分解槽1内での見かけ比重が増加する。つまり、見かけのおが2の容量が減少する。このような場合、新しいおが屑2を追加補充して使用するが、見かけ比重が増加し空隙が少なくなるので、おが内部への空気供給が十分でなくなり、好気性微生物の繁殖が阻害され、分解能力が低下する場合があった。また、見かけ比重が増加するためモータ4に大きなエネルギーが必要となる。さらに、摩耗して微粉砕されたおが屑はファン6によって装置外に放出される場合があった。また、おが2が粉砕されると、微生物のすみかであるおが2自体の多孔性組織が破壊され、微生物の繁殖が阻害されるため、生ごみの分解能力が低下する場合があった。さらに、微粉砕されたおが屑は水分が多すぎると大きく塊状に固まりやすく、塊の内部への空気供給が不十分となって、部分的に嫌気性菌が繁殖し、臭気を発生する場合があった。また、このような嫌気状態を防ぐため、撹拌と空気供給を過剰に行う必要があった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するもので、微生物のすみかとなる充填材の内部への空気供給を容易にするとともに、充填材の摩耗を防止することによって、発酵分解槽内を微生物の繁殖しやすい環境に保持し、長期間安定して生ごみの分解処理が可能な生ごみ分解処理装置の充填材およびそれを用いた生ごみ分解処理装置を得ることを目的としたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するため、発酵分解槽と、前記発酵分解槽の上部に設けられた生ごみの投入口と、前記発酵分解槽内に設けられた撹拌手段と、前記撹拌手段を回転させる回転手段と、前記発酵分解層内へ空気の吸引及び排出を行う送風手段と、見かけ比重の小さい多孔質有機物粒子と見かけ比重の大きい多孔質有機物粒子の混合物からなる充填剤と、一日あたりの生ごみ分解処理量に応じて前記充填剤の前記見かけ比重の小さい多孔質有機物粒子と前記見かけ比重の大きい多孔質有機物粒子の混合率を設定し、その混合率に応じて前記回転手段もしくは前記送風手段の少なくとも一方の能力設定を切り替える切り替え手段を有した生ごみ分解処理装置としている。
【0007】
また、充填材を繊維状有機物と粒状多孔質有機物の混合物から構成している。
【0008】
また、充填材を平均粒径の大きい多孔質有機物と平均粒径の小さい多孔質有機物の混合物から構成している。
【0009】
また、充填材を疎水性多孔質有機物と親水性多孔質有機物粒子の混合物から構成している。
【0010】
【作用】
本発明は、充填材を見かけ比重の小さい多孔質有機物と見かけ比重の小さい多孔質有機物の混合物から構成しているので、見かけ比重の小さい多孔質有機物の優れた通気性により発酵分解槽に充填された充填材の内部まで分解に必要な空気を十分に供給することができる。一方、見かけ比重の大きい多孔質有機物は、微生物のすみかとなる多孔質壁面を多く有しているので見かけ比重の小さい多孔質有機物に比べ多くの微生物が棲息することができる。また、生ごみの処理量に応じて微生物の棲息状態と運転条件を設定することができる。
【0011】
また、充填材を繊維状有機物と粒状多孔質有機物の混合物から構成しているので、粒状多孔質有機物内に微生物を多く棲息させ、繊維状有機物内に分散させて、繊維の絡み合いによって通気空間を多く確保することにより、発酵分解槽に充填された充填材の内部まで空気を供給することができる。また、生ごみの処理量に応じて微生物の棲息状態と運転条件を設定することができる。
【0012】
また、充填材を平均粒径の大きい多孔質有機物と平均粒径の小さい多孔質有機物の混合物から構成しているので、平均粒径の小さい粒子に単位体積あたりの微生物の棲息数を多くし、平均粒径の大きい粒子の周囲に通気空間を多く確保することにより、発酵分解槽に充填された充填材の内部まで空気を供給することができる。また、生ごみの処理量に応じて微生物の棲息状態と運転条件を設定することができる。
【0013】
また、充填材を疎水性多孔質有機物と親水性多孔質有機物の混合物から構成しているので、親水性多孔質有機物内に微生物を多く棲息させ、疎水性多孔質有機物内に空気を保有させることにより、発酵分解槽に充填された充填材の内部まで空気を供給することができる。また、生ごみの処理量に応じて微生物の棲息状態と運転条件を設定することができる。
【0014】
【実施例】
以下本発明の一実施例を図1を参照して説明する。
【0015】
図1において、(a)は正面断面図、(b)は側面断面図である。8は発酵分解槽でケース9内に収納されている。10は発酵分解槽内に充填されている充填材で、見かけ比重の異なる多孔質有機物の混合物よりなる。11は発酵分解槽上部前方に設けられた生ごみ投入口で、上部に開閉自在の蓋12が設けられている。13は発酵分解槽内に横設されたシャフトで撹拌手段である撹拌羽根14が固定されている。ケース9上部後方には回転手段であるモータ15が格納されており、その回転力をチェーン16に伝達してシャフト13、および撹拌羽根14を回転させる。17は送風手段であるファンで、ケース9と蓋12の隙間から空気を吸引し、発酵分解槽8内の空気を吸気口18を通して排気口19から大気中へ放出する。20は装置全体の制御を行う制御装置、21は充填材10の取り出し口である。
【0016】
上記構成において、発酵分解槽8上部前方に設けられた生ごみの投入口11の蓋12を開けて、生ごみを投入し、再度蓋12を閉めると、モータ15が回転し、回転力をチェーン16によってシャフト13に伝え、撹拌羽根14により発酵分解槽8内を撹拌して、生ごみと充填材10を均一に混合する。モータ15は一定時間毎に所定時間回転し、生ごみを破砕しながら均一に混合するとともに充填材10に空気を供給する。充填材10内に均一に分散した生ごみは、微生物により分解され、二酸化炭素と水としてファン17によってケース9外に放出される。一方、排気と同時に発酵分解槽8内に空気が供給されるので、微生物(好気性菌)の増殖に適した環境を維持することができる。
【0017】
ここで、微生物による生ごみの分解は充填材10の状態に大きく依存する。充填材10は使用しているうちに撹拌によって摩耗し、粒子が小さくなって充填材10の発酵分解槽8内での見かけ比重が増加する。つまり、発酵分解槽8内での充填材10の充填密度が増加するので、充填材10への空気供給が十分でなくなり、微生物の繁殖が阻害され、分解能力が低下する。また、見かけ比重が増加するためモータ15に大きなエネルギーが必要となる。さらに、摩耗して微粉砕された充填材10がファン17によって装置外に放出される場合があった。また、充填材10が粉砕されると、微生物のすみかである多孔性組織が破壊され、微生物の繁殖が阻害されるため、生ごみの分解能力が低下する場合があった。さらに、微粉砕された充填材10は逆に水分が多すぎると大きく塊状に固まりやすく、塊の内部への空気供給が不十分となって、部分的に嫌気性菌が繁殖し、臭気を発生する場合があった。
【0018】
本実施例では、充填材10を見かけ比重の小さい多孔質有機物粒子と見かけ比重の大きい多孔質有機物粒子の混合物から構成しているので、上記問題を解決することができる。図2は本実施例の充填材10を模式的に示した拡大図である。22は充填材10の中で見かけ比重の大きい多孔質有機物粒子、23は見かけ比重の小さい多孔質有機物粒子である。充填材10としては、おから、もみがら、おが、泥炭化した水苔、椰子の中果皮の破砕物またはこれを泥炭化したもの、ポリビニルアルコールの低ホルマール化物などの有機化合物の三次元網目構造体などの混合物や、針葉樹と落葉樹のおがなど密度の異なる木材のおがの混合物、同一材料でも空隙率の異なる多孔質有機物粒子の混合物などが使用できる。多孔質有機物粒子は粒子内部に連続した多くの空隙を有し、微細な三次元構造をなしている。したがって見かけ比重の大きい多孔質有機物粒子22はその構造の中に微生物のすみかとなる壁面24を見かけ比重の小さい多孔質有機物粒子23より多く有しているので、多くの微生物を棲息させることができる。一方、見かけ比重の小さい多孔質有機物粒子23は、その構造の中に多くの空隙25を有しているので、分解に必要な空気を多く含むことができる。したがって、両者の混合物を充填材10として発酵分解槽8内に充填することにより、図1における充填材10内部まで空気を十分供給して、通気性を確保するので、微生物の棲息に好条件を維持することができる。また、充填材10内の通気性が向上するので発酵分解槽8内の換気量や撹拌混合の頻度を下げられるとともに、撹拌のためのモータ15への負荷を低減できるので省電力化を図ることができる。
【0019】
図1の実施例では見かけ比重の大きい多孔質有機物粒子22として見かけ比重が0.16〜2.0程度のおがを用い、見かけ比重の小さい多孔質有機物粒子23として見かけ比重が0.09〜0.12程度の椰子の中果皮の破砕物を用いて上述の効果が得られた。したがって最低でもこの程度の見かけ比重の差が必要である。ただし、あまり見かけ比重の軽いものはファン17によって装置外に放出される場合があるので使用には適さない。
【0020】
図3は他の実施例を模式的な拡大図で示したもので、充填材10を粒状多孔質有機物26と繊維状有機物27の混合物から構成している。粒状多孔質有機物26としては、おから、もみがら、おが、ポリビニルアルコールの低ホルマール化物などの有機化合物の三次元網目構造体など、また、繊維状有機物27としては椰子の中果皮の破砕物、棕櫚の樹皮、松葉、繊維状有機化合物などが使用できる。粒状多孔質有機物26は、多孔質構造となっているのでその構造の中に多くの微生物を棲息させることができる。一方繊維状有機物27は繊維同士の絡み合いの中に多くの空隙25を有しているので、通気空間を多く確保することができる。したがって、両者の混合物を充填材10として発酵分解槽8内に充填することにより、図1における充填材10内部まで空気を十分供給して、通気性を確保するので、微生物の棲息に好条件を維持することができる。また、撹拌に際しては繊維状有機物27が緩衝材になるため摩耗も起こりにくく、ファン17によって装置外に放出されるのを防ぐことができる。さらに、充填材10内の通気性が向上するので発酵分解槽8内の換気量や撹拌混合の頻度を下げられるとともに、撹拌のためのモータ15へ負荷を低減できるので省電力化を図ることができる。また、撹拌状態が悪いと発酵分解槽8の四隅など部分的に撹拌できない部分ができて空気供給が不十分となり、嫌気性菌が繁殖して臭気を発生する場合があるが、図3の実施例の構成によれば、撹拌羽根14が接触する部分だけでなく、繊維状有機物27がお互いに絡み合って、撹拌羽根14の周囲の充填材10も撹拌混合し、撹拌が発酵分解槽8全体で効率よく行わるので、充填材10に十分に空気を供給できるので、部分的に空気が不足して嫌気的雰囲気になることがなく、臭気発生も抑えることができる。さらに、撹拌効率が良いので、撹拌羽根14も簡単な構造のもので良い。
【0021】
図4は他の実施例を模式的な拡大図で示したもので、充填材10を平均粒径の小さい多孔質有機物28と平均粒径の大きい多孔質有機物29の混合物から構成している。図4の実施例では図2、図3の実施例で示した充填材10の材料のうち平均粒径の異なる異種材料の混合物でも同一材料の混合物でも良い。平均粒径の小さい多孔質有機物28に平均粒径の大きい多孔質有機物29が混入すると、平均粒径の大きい多孔質有機物29の回りには空隙25が形成され通気空間を多く確保することができる。したがって、両者の混合物を充填材10として発酵分解槽8内に充填することにより、図1における充填材10内部まで空気を十分供給して、通気性を確保するので、微生物の棲息に好条件を維持することができる。さらに、充填材10内の通気性が向上するので、発酵分解槽8内の換気量や撹拌混合の頻度を下げられるとともに、撹拌のためのモータ15への負荷を低減できるので、省電力化を図ることができる。
【0022】
平均粒径の小さな多孔質有機物28として0.5mm目のふるいを通過しておがを用い、平均粒径の大きな多孔質有機物29として1〜4mmのおがを用いて上記効果が得られた。したがって、この程度の平均粒径の差があれば十分である。ただし、0.1mm以下の微粒子になるとファン17によって装置外に放出されたり、水分が多くなったときに団粒化しやすくなるので使用には適さない。また、平均粒子径があまり大きすぎると、平均粒径の小さな粒子との混合分散が悪くなったり、発酵分解槽8内での攪拌状態が悪くなる。一般家庭で用いる生ごみ分解処理装置であれば10mm程度以下が適当である。
【0023】
図5は他の実施例を模式的な拡大図で示したもので、充填材10を親水性多孔質有機物粒子30と疎水性多孔質有機物31の混合物の混合物から構成している。疎水性多孔質有機物31は粒状であっても繊維状成型品であっても良い。親水性多孔質有機物粒子30はその構造の中に水分を保有できるので多くの微生物32を棲息させることができる。疎水性多孔質有機物31は水分を保有しないので微生物は棲息しないが、構造の中に多くの空隙25を有しているので、分解に必要な空気を多く含むことができる。したがって、両者の混合物を充填材10として発酵分解槽8内に充填することにより、図1における充填材10内部まで空気を十分供給して、通気性を確保するので、微生物の棲息に好条件を維持することができる。また、疎水性多孔質有機物31は構造の中に多くの空隙25を有しているので、この空隙25が緩衝材となって撹拌による摩耗も起こりにくく、長期間の使用が可能となる。さらに、充填材10内の通気性が向上するので発酵分解槽8内の換気量や撹拌混合の頻度を下げられるとともに、撹拌のためのためのモータ15への負荷を低減できるので省電力化を図ることができる。
【0024】
図6は充填材10の通気特性を示したものである。見かけ比重の大きい多孔質有機物22としておがを見かけ比重の小さい多孔質有機物23として椰子の中果皮の破砕物を用い両者の混合物からなる充填材10について、一定容量の容器に充填材10を充填し、一定流量の空気を供給した場合の容器内圧を測定した。横軸に見かけ比重の小さい多孔質有機物23の容積混合率、縦軸に容器内圧を示す。混合率が増加するに従って充填材10内の通気性が向上するので、内圧は減少する。混合率が10%で減少傾向が現れ、ほぼ20%で顕著になる。また、70%以上では、内圧の変化が緩やかになり80%以上ではほとんど変わらない。したがって上記効果を得るには混合率は10%以上80%以下であり、好ましくは20%以上70%以下である。混合する材料の種類が変わると、内圧の絶対値は変化するが、図3とほぼ同様の挙動の特性が得られる。また、図3の実施例における繊維状有機物27、図4の実施例における粒径分布の大きい多孔質有機物29、図5の実施例における疎水性多孔質有機物31も充填材10の通気性を向上させる目的で混合されるものであり、これらの混合率についても同様である。
【0025】
図7は上記図2、図3、図4、図5で示した実施例の充填材10を用いた生ごみ分解処理装置の一実施例である。図1の実施例と異なる点のみ説明すると、33は制御装置21に設けられた切り替え手段で、見かけ比重の大きい多孔質有機物粒子22と見かけ比重の小さい多孔質有機物粒子23の混合率に応じてモータ15もしくはファン17の運転モードの設定を複数段階もしくは無段階に切り替え、もしくは調節できるようになっている。モータ15は回転時間もしくはON/OFFの時間間隔、ファン17は回転数もしくは作動時間で調節する。充填材10は図6で示したように混合率によって通気性能が変化するが、生ごみ分解処理装置としての処理性能も変化する。
【0026】
図8は、生ごみ分解処理装置を用いて、所定量の生ごみを一定環境下で処理させた場合の24時間後の処理率(重量減少率)を示したもので、横軸に充填材10内に占める見かけ比重の小さい多孔質有機物粒子23の容積混合率、縦軸に処理率を示した。混合率が増大するにしたがって処理率は低下する。これは比重の小さい多孔質有機物粒子23の比率が増大するにしたがって充填材10内の通気性が増大する一方、空隙率が増加して分解のための微生物の棲息密度が減少するためである。図8中には切り替え手段33によってモータ15とファン17の能力設定を強、中、弱の3段階に切り替えた場合の処理性能も示した。充填材10が混合率20%(見かけ比重の大きい多孔質有機物粒子22の方が多い)では強運転時ほぼ100%の処理性能を示す。混合率20%で弱運転にすると混合率80%(見かけ比重の小さい多孔質有機物粒子23が多い場合)で強運転した場合と同程度の処理率となるが、混合率20%で弱運転の場合は充填材10内への空気供給が不十分となって臭気が発生する(図中の斜線領域)。混合率80%では弱運転で約60%の処理性能となる。モータ15、ファン17の能力設定を変えた場合のa、b、c点での消費電力をa点を100%として図8内に示した。混合率を多くした場合は処理性能は悪くなるが消費電力を大幅に低減することができる。したがって、充填材10の混合率に対応して運転モードを切り替えることによって、生ごみの処理量は少ないが消費電力の少ないものと、消費電力はかかるが生ごみの処理量の多いもの、もしくはその中間段階の性能のものを得ることができる。たとえば家族数が少なく生ごみの量が少ない家庭には処理量が少なく省電力タイプの機種を、生ごみの量が多い家庭には大処理量タイプの機種を供給することができる。すなわち、生ごみの処理量に応じて充填材10の混合率を設定し、その混合率によってモータ15、ファン17の能力設定を切り替え手段33で行うことにより、同一形状で異なった仕様(処理能力)の生ごみ分解処理装置を供給することができ、使用者側にとっても製造者側にとってもメリットが大きい。
【0027】
また、以上の実施例では充填材10を2つの材料の混合物である場合で示したが、2つ以上の材料の混合物であっても良い。
【0028】
また、図7の実施例では切り替え手段33を制御装置21に設けたが、使用者が設定を変えられるように、装置本体の上面などに設定しても良い。これにより、通常の生ごみの処理量よりも多いごみを処理する必要がある場合には、使用者が切り替え手段の設定を変更して処理能力を向上させることができる。逆に処理量が少ない場合は処理能力を抑えることもできる。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、見かけ比重の小さい多孔質有機物の優れた通気性により発酵分解槽に充填された充填材の内部まで空気を供給することができる。また、見かけ比重の大きい多孔質有機物は、微生物のすみかとなる多孔質壁面を多く有しているので、見かけ比重の小さい多孔質有機物に比べ多くの微生物が棲息することができる。また、充填材内の通気性が向上するので発酵分解槽内の換気量や撹拌混合の頻度を下げられるとともに、撹拌のためのモータへの負荷を低減できるので省電力化を図ることができる。さらに、充填材の混合率により回転手段もしくは送風手段の能力を変えることができ、同一形状で処理能力の異なる生ごみ処理機を得ることができる。したがって、使用者の要求に応じた処理能力の生ごみ分解処理装置を供給することができる。また、処理能力の違いによって異なった形状の生ごみ分解処理装置をいくつもそろえる必要がないので生産コストも削減することができ、結果的には低価格化を図ることができる。
【0030】
また本発明によれば、粒状多孔質有機物内に微生物を多く棲息させ、繊維状有機物内に分散させて、繊維の絡み合いによって通気空間を多く確保することにより、発酵分解槽に充填された充填材の内部まで空気を供給し、通気性を確保するので、微生物の棲息条件を維持することができる。また、撹拌時は繊維状多孔質有機物が緩衝材になるため摩耗も起こりにくく、送風手段によって充填材が装置外に放出されるのを防ぐことができる。さらに、充填材の通気性が向上するので発酵分解槽内の換気量や撹拌混合の頻度を下げられるとともに、撹拌のための回転手段への負荷を低減できるので省電力化を図ることができる。また、撹拌は撹拌手段が接触する部分だけでなく、繊維状の多孔質有機物がお互いに絡み合って、周囲の充填材も撹拌混合するので撹拌が発酵分解槽全体で効率よく行われ、臭気発生も抑えることができる。また、撹拌効率が良いので、撹拌手段も簡単な構造のもので良い。
【0031】
また本発明によれば、平均粒径の小さい粒子に単位体積あたりの微生物の棲息数を多くし、平均粒径の大きい粒子の周囲に通気空間を多く確保することにより、発酵分解槽に充填された充填材の内部まで空気を供給し、通気性を確保するので、微生物の棲息条件を維持することができる。さらに、充填材内の通気性が向上するので発酵分解槽内の換気量や撹拌混合の頻度を下げられるとともに、撹拌のための回転手段への負荷を低減できるので省電力化を図ることができる。
【0032】
また本発明によれば、親水性多孔質有機物内に微生物を増殖させ、疎水性多孔質有機物内に空気を保有させることにより、発酵分解槽に充填された充填材の内部まで空気を供給し、通気性を確保するので、微生物の棲息条件を維持することができる。また、疎水性多孔質有機物は構造の中に多くの空隙を有しているので撹拌による摩耗も起こりにくく、長期間の使用が可能となる。さらに、充填材内の通気性が向上するので発酵分解槽内の換気量や撹拌混合の頻度を下げられるとともに、撹拌のための回転手段への負荷を低減できるので省電力化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の一実施例における生ごみ分解処理装置用充填材を用いた生ごみ分解処理装置の正面断面図
(b)本発明の一実施例における生ごみ分解処理装置用充填材を用いた生ごみ分解処理装置の側面断面図
【図2】本発明の一実施例における生ごみ分解処理装置用充填材の拡大図
【図3】本発明の他の実施例における生ごみ分解処理装置用充填材の拡大図
【図4】本発明の他の実施例における生ごみ分解処理装置用充填材の拡大図
【図5】本発明の他の実施例における生ごみ分解処理装置用充填材の拡大図
【図6】本発明の一実施例における生ごみ分解処理装置用充填材の特性図
【図7】本発明の他の実施例における生ごみ分解処理装置の断面図
【図8】図7の実施例における生ごみ分解処理装置の特性図
【図9】従来の生ごみ分解処理装置の断面図
【符号の説明】
8 発酵分解槽
10 充填材
11 投入口
14 撹拌手段
15 回転手段
17 送風手段
22 見かけ比重の大きい多孔質有機物粒子
23 見かけ比重の小さい多孔質有機物粒子
24 壁面
25 空隙
26 粒状多孔質有機物
27 繊維状有機物
28 平均粒径の小さい多孔質有機物
29 平均粒径の大きい多孔質有機物
30 親水性多孔質有機物粒子
31 疎水性多孔質有機物
33 切り替え手段

Claims (4)

  1. 発酵分解槽と、前記発酵分解槽の上部に設けられた生ごみの投入口と、前記発酵分解槽内に設けられた撹拌手段と、前記撹拌手段を回転させる回転手段と、前記発酵分解層内へ空気の吸引及び排出を行う送風手段と、見かけ比重の小さい多孔質有機物粒子と見かけ比重の大きい多孔質有機物粒子の混合物からなる充填剤と、一日あたりの生ごみ分解処理量に応じて前記充填剤の前記見かけ比重の小さい多孔質有機物粒子と前記見かけ比重の大きい多孔質有機物粒子の混合率を設定し、その混合率に応じて前記回転手段もしくは前記送風手段の少なくとも一方の能力設定を切り替える切り替え手段を有した生ごみ分解処理装置。
  2. 発酵分解槽と、前記発酵分解槽の上部に設けられた生ごみの投入口と、前記発酵分解槽内に設けられた撹拌手段と、前記撹拌手段を回転させる回転手段と、前記発酵分解層内へ空気の吸引及び排出を行う送風手段と、繊維状有機物粒子と粒状多孔質有機物の混合物からなる充填剤と、一日あたりの生ごみ分解処理量に応じて前記充填剤の前記繊維状有機物と粒状多孔質有機物の混合率を設定し、その混合率に応じて前記回転手段もしくは前記送風手段の少なくとも一方の能力設定を切り替える切り替え手段を有した生ごみ分解処理装置。
  3. 発酵分解槽と、前記発酵分解槽の上部に設けられた生ごみの投入口と、前記発酵分解槽内に設けられた撹拌手段と、前記撹拌手段を回転させる回転手段と、前記発酵分解層内へ空気の吸引及び排出を行う送風手段と、平均粒径の大きい多孔質有機物粒子と平均粒径の小さい多孔質有機物粒子の混合物からなる充填剤と、一日あたりの生ごみ分解処理量に応じて前記充填剤の前記平均粒径の大きい多孔質有機物粒子と前記平均粒径の小さい多孔質有機物粒子の混合率を設定し、その混合率に応じて前記回転手段もしくは前記送風手段の少なくとも一方の能力設定を切り替える切り替え手段を有した生ごみ分解処理装置。
  4. 発酵分解槽と、前記発酵分解槽の上部に設けられた生ごみの投入口と、前記発酵分解槽内に設けられた撹拌手段と、前記撹拌手段を回転させる回転手段と、前記発酵分解層内へ空気の吸引及び排出を行う送風手段と、疎水性多孔質有機物粒子と親水性多孔質有機物粒子の混合物からなる充填剤と、一日あたりの生ごみ分解処理量に応じて前記充填剤の前記疎水性多孔質有機物粒子と前記親水性多孔質有機物粒子の混合率を設定し、その混合率に応じて前記回転手段もしくは前記送風手段の少なくとも一方の能力設定を切り替える切り替え手段を有した生ごみ分解処理装置。
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