JP3633046B2 - 車両用空調制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷気及び暖気を混合してなる空調用エアを複数の吹出口から車室内に供給する際の空調状態をアクチュエータの制御位置に応じて変化させるようにした車両用空調制御装置に関し、特にアクチュエータの制御位置を検出する検出手段の故障時の対策に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の空調制御装置では、一般に、エアを冷却する冷却用熱交換器と、エアを加熱する加熱用熱交換器と、これら熱交換器からの冷暖気が所定の割合で混合されてなる空調用エアを車室内に吹き出す複数の吹出口と、予め設定された複数の制御位置にそれぞれ位置付けられるように作動しかつ該制御位置に応じて空調状態を変化させるアクチュエータとを有してなる空調装置に対し、上記アクチュエータの制御位置を検出する位置検出手段と、外気温等に基づき、上記アクチュエータを位置検出手段により検出される制御位置に位置付けられるように作動させつつ車内温度が設定温度に近付くように上記空調装置を制御する制御手段とが備えられている。そして、上記アクチュエータとしては、冷暖気の混合割合を変化させるエアミックスアクチュエータや、吹出モードを切り換えるモード切換アクチュエータ等がある。
【0003】
例えば、上記エアミックスアクチュエータの場合では、上記冷却用熱交換器の下流側にある加熱用熱交換器のエア入口側に配置されたエアミックスダンパの開度を無段階に変化させるように作動する。つまり、冷却用熱交換器に対しエアミックスダンパが全閉となる開度θ=1のときには、該冷却用熱交換器からのエアの全てを加熱用熱交換器に供給する一方、全開となる開度θ=0のときにはエアの全てが加熱用熱交換器を迂回するようになる。したがって、エアミックスアクチュエータが制御位置に応じてエアミックスダンパの開度θを0〜1の範囲で変化させることにより、空調用エアの吹出温度を調整することができる。
【0004】
その際に、上記エアミックスアクチュエータには、該アクチュエータの制御位置を検出するエアミックスポテンショメータが連設されており、このポテンショメータの検出信号に基づいて所定の制御位置に位置付けられるようにその作動が制御される。したがって、上記アクチュエータ自体が故障した場合でも、またポテンショメータが故障した場合でも、適正な吹出温度の制御は困難になる。
【0005】
ところで、例えば特開平2−162117号公報に記載されているように、位置検出手段により検出されたアクチュエータの制御位置と、上記位置検出手段を含む入力手段群からの信号に基づいて演算された目標位置との差値の絶対値が所定量を超えている状態が所定時間に亘って継続された場合に、上記アクチュエータが故障しているとの判定を行うようにする技術は知られている。
【0006】
一方、上記位置検出手段が故障した場合の従来の対策としては、アクチュエータをその現在の制御位置から変化させないように固定することもあるが、一般には、最悪の事態を考慮して、寒さから乗員を守ることができるように全暖房状態の制御位置にアクチュエータを駆動制御するようになされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の対策では、車内温度が低下するような環境状態に対応することはできる反面、例えば夏季等、車内温度の高くなる環境状態の下では、空調性は大幅に悪化することになり、実際には全く使用することができないという問題がある。
【0008】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、モード切換アクチュエータが複数の制御位置にそれぞれ位置付けられるように作動することで、その制御位置に応じて空調状態を変化させる車両用空調制御装置において、上記モード切換アクチュエータの制御位置を検出する位置検出手段が故障した場合に、上記アクチュエータを適正に駆動制御することで、車内温度に影響する環境要因の状態に応じた最低限の空調性を保持できるようにすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明では、モード切換アクチュエータの制御位置を検出できない場合でも、その両作動端にある制御位置に強制的に位置付けることは可能であるとの知見に基づき、モード切換アクチュエータが上記各制御位置にそれぞれ位置付けられたときの空調性を互いに比較した上で、外気温等の環境状態に適した側の作動端の制御位置に位置付けられるようにモード切換アクチュエータを作動させることとした。
【0010】
具体的には、請求項1の発明では、図1に示すように、エアを冷却する冷却部12と、エアを加熱する加熱部14と、各々、これら冷却部12及び加熱部14からの冷暖気が混合されてなる空調用エアを車室内に吹き出すベント吹出口5、フット吹出口6及びデフロスタ吹出口7と、予め設定された複数の制御位置にそれぞれ位置付けられるように作動して吹出モードを切り換え、かつ一方の作動端にある制御位置に位置付けられたときに空調用エアが上記ベント吹出口5から吹き出されるベントモードに切り換える一方、他方の作動端にある制御位置に位置付けられたときに空調用エアが上記デフロスタ吹出口7から吹き出されるデフロストモードに切り換えるモード切換アクチュエータ20とを有してなる空調手段Aと、外気温を検出する外気温検出手段25と、上記モード切換アクチュエータ20の制御位置を検出する位置検出手段50と、上記外気温検出手段25の検出結果に基づき、上記モード切換アクチュエータ20を位置検出手段50により検出される所定の制御位置に位置付けられるように作動させつつ車内温度が設定温度に近付くように上記空調手段Aを制御する制御手段22とを備えた車両用空調制御装置が前提である。
【0011】
そして、上記制御手段22は、上記位置検出手段50の故障を判定する故障判定手段44と、上記位置検出手段50が故障したと判定されたときに、外気温検出手段25の検出結果に基づいて上記モード切換アクチュエータ20をベントモード及びデフロストモードの一方の制御位置に位置付けられるように作動させるフェイルセーフ手段45とを備えているものとする。
【0012】
上記の構成では、故障判定手段44により、位置検出手段50が故障したと判定されたとき、モード切換アクチュエータ20は、フェイルセーフ手段45により、外気温検出手段25の検出結果に基づいて、該アクチュエータ20の両作動端にある各制御位置の一方に位置付けられるように作動する。
【0013】
請求項2の発明では、上記フェイルセーフ手段45は、上記外気温検出手段25により検出された外気温が第1の所定値を超えていることを判定する第1判定手段47と、上記外気温検出手段25により検出された外気温が、上記第1の所定値よりも低い第2の所定値以下であることを判定する第2判定手段48とを有していて、上記第1判定手段47により外気温が第1の所定値を超えていると判定されたときに、ベントモードの制御位置に位置付けられるようにモード切換アクチュエータ20を作動させる一方、上記第2判定手段48により外気温が第2の所定値以下であると判定されたときに、デフロストモードの制御位置に位置付けられるようにモード切換アクチュエータ20を作動させる構成とされているものとする。
【0014】
上記の構成では、第1判定手段47により、上記外気温が第1の所定値を超えていることを判定され、超えていると判定されたときには、モード切換アクチュエータ20はベントモードの制御位置に位置付けられるように作動する。よって、位置検出手段50が故障した場合でも、外気温が第1の所定値を超えているときには、冷風がベント吹出口5から乗員の顔に向かって吹き出されるようにでき、冷房時の空調性が維持される。
【0015】
一方、第2判定手段48により、上記外気温が上記第1の所定値よりも低い第2の所定値以下であることを判定され、以下であると判定されたときには、モード切換アクチュエータ20はデフロストモードの制御位置に位置付けられるように作動する。よって、位置検出手段50が故障した場合でも、外気温が第1の所定値よりも低い第2の所定値以下のときには、空調用エアがデフロスタ吹出口7から吹き出すことで、フロントガラス面のデフロストが行われる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。図2は、本発明の実施例に係る車両用空調制御装置の全体構成を示し、この空調制御装置に備えられた車両用の空調装置Aは、空調用エアを車室内に導く通風ダクト1を有する。
【0017】
上記通風ダクト1の上流側には、外気を導入するための外気導入口2と、車室内のエアを導入するための内気導入口3と、上記外気導入口2及び内気導入口3を選択的に開閉する内外気切換ダンパ4とが配設されている。一方、通風ダクト1の下流側には、ベント吹出口5と、フット吹出口6と、デフロスタ吹出口7とが設けられているとともに、モード切換ダンパ8,9,10が所定位置に配置されている。このモード切換ダンパ8〜10は、上記各吹出口5〜7に連通するダクト部分を選択的に開閉することにより、各吹出口5〜7から車室内に導出される空調用エアの吹出量を調節するようになされている。
【0018】
また、上記空調装置Aは、通風ダクト1の上流側に配設された可変風量式の送風機11と、その下流側に配設された冷却部としての冷却用熱交換器12と、その下流側に配設されたエアミックスダンパ13及び加熱部としての加熱用熱交換器14とを有している。上記送風機11は、外気導入口2ないし内気導入口3から通風ダクト1内にエアを取り入れてそれを上記各吹出口5〜7から車室内に吹き出すようになされている。また、上記冷却用熱交換器12は、エバポレータとしての機能を有し、コンプレッサ15、コンデンサ16及びレシーバ17を有する冷媒循環回路Xに接続されている。上記コンプレッサ15は、後述する電磁クラッチのON/OFF制御によってエンジン18の回転要素に対し選択的に締結及び解放がなされるようになっている。上記加熱用熱交換器14は、ヒータコアとして構成され、エンジン18の冷却水循環路に接続されている。この加熱用熱交換器14に通水される熱源としてのエンジン冷却水の流量は、エアミックスダンパ13と関連して制御される図外の開閉制御弁によって制御される。
【0019】
上記加熱用熱交換器14の通風量は、上記冷却用熱交換器12と加熱用熱交換器14との間に配設されたエアミックスダンパ13の開度に応じて制御されるようになっている。このエアミックスダンパ13は、冷却用熱交換器12を通過した空調用エアを選択的に加熱用熱交換器14に案内し、該エアミックスダンパ13の位置制御に応じて加熱用熱交換器14で加熱されるエアと、加熱用熱交換器14を迂回するエアとの混合比を調節するようになされている。すなわち、上記エアミックスダンパ13は、空調用エアの全てを加熱用熱交換器14を通さずに上記各吹出口5〜7に送る図2に実線で示す全閉位置と、空調用エアの全てを加熱用熱交換器14を通して上記各吹出口5〜7に送る同図に仮想線で示す全開位置とに選択的に設定し得るとともに、空調用エアの一部を加熱用熱交換器14を通して上記各吹出口5〜7に送る中間位置に設定し得るようになっている。そして、上記エアミックスダンパ13は、空調用エアの全てが上記加熱用熱交換器14に供給される全閉位置(θ=1)と、空調用エアの全てが上記加熱用熱交換器14を迂回する全開位置(θ=0)との間で、開度θが無段階に調節されており、このことで、空調用エアの吹出温度Tを開度θ=1にて得られる最高温度と、開度θ=0にて得られる最低温度との範囲内で上記空調用エアの混合比に応じて無段階に調節するようになされている。上記エアミックスダンパ13の開度θは、次式によって、
θ=(T−Te)/(Kw・Tw−Te)
与えられる。尚、上記式において、Teは冷却用熱交換器12のエア出口温度、Twはエンジン冷却水の温度、Kwは該冷却水温度Twを加熱用熱交換器14のエア出口温度に換算するための係数である。
【0020】
また、上記車両用空調制御装置には、内外気切換ダンパ4を駆動する電動モータからなる内外気切換アクチュエータ19、モード切換ダンパ8〜10を駆動する電動モータからなるモード切換アクチュエータ20、及び上記エアミックスダンパ13を駆動するサーボモータからなるエアミックスアクチュエータ21等、各種ダンパの駆動手段と、上記各モータ19〜21の作動状態及び送風機11の送風量を制御する制御手段としての制御部22と、車室内の設定温度Tset 等の空調条件をマニュアル設定するための操作部23とが備えられている。
【0021】
上記モード切換アクチュエータ20には、モード切換ダンパ8〜10の開閉位置に対応する該アクチュエータ20のストロークを検出する位置検出手段としてのモードポテンショメータ50が取り付けられている。このポテンショメータ50は、図3に示すように、各モード切換ダンパ8〜10の開閉位置に応じて10〜90%の範囲で検出信号が得られるようになっていて、その検出信号は上記制御部22に入力されるようになっている。
【0022】
一方、上記エアミックスアクチュエータ21には、上記エアミックスダンパ13の開度を検出する位置検出手段としてのエアミックスポテンショメータ29が取り付けられている。このポテンショメータ29は、図4に示すように、エアミックスダンパ13の開度θに応じて10〜90%の範囲で検出信号が得られるようになっており、その検出信号は上記モードポテンショメータ20の場合と同じく制御部22に入力されるようになされている。
【0023】
上記操作部23には、乗員によって操作される各種スイッチ類、例えば空調の自動制御及びマニュアル制御を選択するためのオートスイッチ23aと、乗員が要求する車室内温度の設定値Tset をマニュアル設定するための車室内温度設定スイッチ23bと、内外気の導入割合をマニュアル設定するための内外気切換スイッチ23cと、吹出モードを選択するための吹出モード切換スイッチ23dと、デフロスタ吹出口7の開度をマニュアル設定するためのデフロスタスイッチ23eとが設けられている。上記車室内温度設定スイッチ23bは、制御目標室温度Tset を18℃〜32℃の範囲内で入力するようになされている。
【0024】
上記制御部22は、図5に示すように、安定化電源32に接続され、操作部23に表示データを出力するCPU30(マイクロプロセッサ)を有している。このCPU30は、ドライバ35〜37を介して上記各モータ19〜21を駆動させるとともに、ドライバ38を介して上記コンプレッサ15の電磁クラッチ31を締結及び解放するようになされている。すなわち、この制御部22は、上記アクチュエータ19,20を作動させることで空調モードを切り換えるとともに、エアミックスアクチュエータ21を作動させることでエアミックスダンパ13の開度θを調節するようになっている。また、制御部22は、送風機11のブロアモータ11aを駆動するD/A変換器33及びドライバ34を有し、上記ブロアモータ11aの作動及び停止を制御するとともに、ブロアモータ11aに対する印加電圧を制御することにより、送風機11の送風量を調節して空調装置Aの吹出風量Vを制御するようになされている。
【0025】
さらに、上記空調制御装置には、環境条件を検出する各種センサ類、例えば通風ダクト1内に導入された内気温度等に基づいて車室内温度Trを検出する室温センサ24と、外気温度Taを検出する外気検出手段としての外気温センサ25と、日射量Tsを検出する日射センサ26と、冷却用熱交換器12のエア出口温度Teを検出するダクトセンサ27と、エンジン冷却水の温度Twを検出する水温センサ28とが配設されていて、これらのセンサ24〜28の検出信号も上記制御部22に入力されるようになっている。
【0026】
上記制御部22では、上記各センサ24〜28及びポテンショメータ29,50の検出信号に応じ、空調装置Aの熱交換能力と、車体に作用する熱負荷との熱バランスを制御して車室内温度Trを上記設定温度Tset に維持するための基本条件、つまり空調装置Aの吹出温度Tと、吹出風量Vつまり送風機11の送風量との相関関係を求める図外の演算回路が設けられている。例えば、空調装置Aの熱交換能力をQA 、外気温度Taと車室内温度Trとの温度差による伝熱負荷をQU 、日射による熱負荷をQS 、乗員の人体発熱による熱負荷をQM 、エンジン等の車両機器類から発生する熱負荷をQE とすると、冷房運転時の熱収支は、下記の熱バランス式1)により、
QA =QU −QS −QM −QE …1)
但し、QA =Cp・γ・V(T−Tr)
QU =K・A(Tr−Ta)
QS =Ks・Ts
定義される。尚、上記式1)において、Cpは空気定圧比熱、γは空気の比重、Kは熱通過率、Aは伝熱面積、Ksは日射−伝熱変換係数、Tsは日射量の温度換算値である。
【0027】
また、上記式1)において、乗員の人体発熱による熱負荷QM 及びエンジン等の車両機器類から発生する熱負荷QE は近似的に一定であるとみなし、これを定数Cに置き換えると、上記の式1)を下記の熱バランス式2)により、
Cp・γ・V(T−Tr)=K・A(Tr−Ta)−Ks・Ts−C …2)
表現することができる。そして、上記式2)において、車室内温度Trと、マニュアル設定された制御目標室温度Tset とが実質的に等しいと仮定すると、上記の式2)を下記の熱バランス式3)により、
Cp・γ・V(T−Tset )=K・A(Tset −Ta)−Ks・Ts−C …3)
表現することができる。したがって、上記式3)に基づいて空調用エアの吹出温度Tと吹出風量Vとの相関関係を求めることができる。
【0028】
−基本制御動作−
ここで、上記制御部22における基本制御動作を、図6のフローチャートに基づいて説明する。
【0029】
上記制御動作がスタートすると、まずステップS1において初期設定を行った後、ステップS2において、操作部23の車室内温度設定スイッチ23bにより設定された車室内温度の設定データ、各センサ24〜28の検出信号、モードポテンショメータ50の検出データPm、及びエアミックスポテンショメータ29の検出データPaをそれぞれ入力する。
【0030】
次に、ステップS3において、車室内温度の設定値T set 及び上記各センサ24〜28により検出された種々の環境状態に基づき、空調用エアの吹出温度T及び吹出風量Vの制御値を演算する。
【0031】
ステップS4では、モードポテンショメータ50の検出データPmが、モード切換アクチュエータ20のストロークに対応する値であるか否かを判断する。すなわち、検出データPmが各モード切換ダンパ8〜10の開閉位置に応じた10〜90の範囲内にあるか否かを判断し、範囲内(10%≦Pm≦90%)であればモードポテンショメータ50は正常であると判定し、通常の制御動作であるステップS5に進む。一方、範囲外(Pm<10%、又は90%<Pm)であったときには、ポテンショメータ50の故障と判定し、ステップS6のモードポテンショメータフェイルセーフ制御に進む。
【0032】
上記正常判定のときには、ステップS5において、ステップS3で求められた制御値に基づいて各モード切換ダンパ8〜10の開閉位置を決定した後、ステップS7において、上記検出データPmに基づき、モード切換アクチュエータ20のストロークが、決定した各モード切換ダンパ8〜10の開閉位置と合致するようにモード切換アクチュエータ20を駆動制御する。
【0033】
そして、ステップS8では、エアミックスポテンショメータ29の検出データPaが、エアミックスダンパ13の開度θに対応する値であるか否かを判断する。すなわち、上記検出データPaがエアミックスダンパ13の開度θに応じた10〜90%の範囲内にあるか否かを判断し、範囲内(10%≦Pa≦90%)であればポテンショメータ29は正常であると判定し、通常の制御動作であるステップS9に進む。一方、上記検出データPaが範囲外(Pa<10%、又は90%<Pa)であったときには、エアミックスポテンショメータ29の故障と判定し、ステップS10に進む。
【0034】
また、上記正常判定のときには、ステップS9において、上記ステップS3で求められた制御値に基づいてエアミックスダンパ13の開度θを決定した後、ステップS11において、検出データPaを基に、エアミックスアクチュエータ21のストロークが、決定したエアミックスダンパ13の開度θと合致するようにエアミックスアクチュエータ21を作動させる。
【0035】
次いで、ステップS12において、内外気切換ダンパ4の開閉位置を調節することにより、内外気の導入割合を制御する内外気制御を実行した後、ステップS13において、コンプレッサ15の作動状態をON/OFF制御するコンプレッサ制御を実行する。
【0036】
上記モードポテンショメータ50の故障と判定したときのステップS6における制御動作を、図7のフローチャートに基づいて詳しく説明する。
【0037】
まず、ステップS101において、検出された外気温度Taが基準温度Ta1(本実施例ではTa1=15℃)以上であるか否か(Ta≧Ta1)を判定する。そして、判定がYESのときには、ステップS102において、モード切換ダンパ8〜10がベント吹出口5を開とする方向に駆動された状態にあるか否かを判定する。ここで、NOと判定されたときにはステップS103に進み、ベント吹出口5が開となる方向に所定時間だけモード切換アクチュエータ20を作動させる。一方、YESと判定されたときには、前回の制御処理において既に本フェイルセーフ制御が行われたと見做し、上記アクチュエータ20を作動させずにステップS6を抜ける。
【0038】
一方、上記ステップS101での判定がNOのときには、ステップS104において、モード切換ダンパ8〜10がデフロスタ吹出口7を開とする方向に駆動された状態にあるか否かを判定する。ここで、NOと判定されたときにはステップS105に進み、デフロスタ吹出口7が開となる方向に所定時間だけモード切換アクチュエータ20を作動させる。一方、YESと判定されたときには、上記ステップS102でYESと判定された場合と同様に、前回の制御処理において既に本フェイルセーフ制御が行われたと見做し、上記アクチュエータ20を作動させずにステップS6を抜ける。
【0039】
次に、上記エアミックスポテンショメータ29が故障していると判定したときのステップS10における制御動作を、図8のフローチャートに基づいて詳しく説明する。
【0040】
まず、ステップS201において、検出された外気温度Taが基準温度Ta1(本実施例ではTa1=15℃)以上であるか否か(Ta≧Ta1)を判定する。そして、判定がYESのときには、ステップS202において、空調用エアの全てが加熱用熱交換器14を迂回する全開位置(θ=0)となる方向にエアミックスダンパ13が駆動された状態にあるか否かを判定する。ここで、NOと判定されたときにはステップS203に進み、θ=0となる方向に所定時間だけエアミックスアクチュエータ21を作動させる。一方、YESと判定されたときには、前回の制御処理において既に本フェイルセーフ制御が行われたと見做し、上記アクチュエータ21を作動させずにステップS10を抜ける。
【0041】
一方、上記ステップS201での判定がNOのときには、ステップS204において、空調用エアの全てが加熱用熱交換器14に供給される全閉位置(θ=1)となる方向にエアミックスダンパ13が駆動された状態にあるか否かを判定する。ここで、NOと判定されたときにはステップS205に進み、θ=1となる方向に所定時間だけエアミックスアクチュエータ21を作動させる。一方、YESと判定されたときには、上記ステップS202でYESと判定された場合と同様に、前回の制御処理において既に本フェイルセーフ制御が行われたと見做し、上記アクチュエータ21を作動させずにステップS10を抜ける。
【0042】
したがって、本実施例によれば、モードポテンショメータ50のフェイルセーフ制御により、このポテンショメータ50が故障した場合に、環境状態を最低限考慮した吹出口から空調用エアを導出させることができる。すなわち、外気温度Taが高くて冷房を要するような場合には、冷風を乗員の顔の側に吹き出せるベント吹出口5に切り換えることができ、これとは逆に、外気温度Taが低くて窓が曇り易くなる状況においては、フロントガラス面に風を吹き出すデフロスタ吹出口7に切り換えることができる。
【0043】
また、エアミックスポテンショメータ29のフェイルセーフ制御により、このポテンショメータ29が故障した場合においても、環境状態を最低限考慮したエアミックス開度とすることができる。すなわち、外気温度Taが高くて冷房を要するような場合には、冷却用熱交換器12からの冷気を加熱用熱交換器14を迂回させることで空調用エア温度を低くすることができる一方、逆に外気温度Taが低い状況においては空調用エアの全てを加熱用熱交換器14を通過させることで空調用エア温度を高くすることができる。
【0044】
尚、上記実施例では、エアミックスポテンショメータ29の故障判定時におけるエアミックス開度制御を、環境状態としての外気温度Taに基づいて行うようにしているが、上記環境状態はこれに限られるものではなく、例えば、外気温度Taと車室内温度Trとの間の温度差による伝熱負荷や日射による熱負荷等により車両熱負荷を求め、その車両熱負荷に基づいて制御を行うようにすることもできる。
【0045】
また、上記実施例では、外気温度Taが単一の基準温度Ta1以上であるか否かにより制御判定するようにしているが、外気温度Taが基準温度Ta1と略同じであって動作チャタリングが生じるような場合には、図9及び図10に示す本発明の他の実施例のように、第1の所定値Ta2と、この第1の所定値Ta2よりも低い第2の所定値Ta3とをそれぞれ設定しておき、一方(例えばθ=1)から他方(例えばθ=0)の位置に駆動するようにアクチュエータを作動させる場合には、第1の所定値Ta2で制御動作を行い、逆(例えばθ=0からθ=1)の場合には第2の所定値Ta3で制御動作を行うよう、ヒステリシスを持たせて制御することも勿論可能である。
【0046】
また、上記実施例では、モードポテンショメータ50及びエアミックスポテンショメータ29の両方の故障判定とフェイルセーフ制御とを行うようにしているが、必ずしもその必要はなく、モードポテンショメータ50のみフェイルセーフ制御を行うようにすることもできる。
【0047】
また、上記実施例では、モードポテンショメータ50及びエアミックスポテンショメータ29の両方の故障判定とフェイルセーフ制御を行い、何れもフェイルセーフ制御における判定基準として外気温度に対する同じ基準温度Ta1により制御を行うようにしているが、必ずしもその必要はなく、モードポテンショメータ50のみフェイルセーフ制御を行うようにしても、又はモードポテンショメータ50とエアミックスポテンショメータ29とで異なる基準温度を用いるようにすることもできる。
【0048】
さらに、上記実施例では、故障と判定したときに一定のフェイルセーフ制御に入るようにした例について説明したが、例えば、ポテンショメータ故障状態で空調制御を起動した場合には上記実施例のフェイルセーフ制御を行い、空調制御中にポテンショメータが故障したときにはその位置でアクチュエータの作動を停止する等、上記実施例のフェイルセーフ制御に加えて別のフェイルセーフ制御を持たせ、故障状態に応じて選択するようにすることもできる。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明によれば、エアを冷却する冷却部と、エアを加熱する加熱部と、各々、該冷却部及び加熱部からの冷暖気が混合されてなる空調用エアを車室内に吹き出すベント吹出口、フット吹出口及びデフロスタ吹出口と、予め設定された複数の制御位置にそれぞれ位置付けられるように作動して吹出モードを切り換え、かつ一方の作動端にある制御位置に位置付けられたときに空調用エアが上記ベント吹出口から吹き出されるベントモードに切り換える一方、他方の作動端にある制御位置に位置付けられたときに空調用エアが上記デフロスタ吹出口から吹き出されるデフロストモードに切り換えるモード切換アクチュエータとを有してなる空調手段と、外気温を検出する外気温検出手段と、上記モード切換アクチュエータの制御位置を検出する位置検出手段と、上記外気温検出手段の検出結果に基づき、上記モード切換アクチュエータを位置検出手段により検出される所定の制御位置に位置付けられるように作動させつつ車内温度が設定温度に近付くように上記空調手段を制御する制御手段とを備えた車両用空調制御装置において、上記制御手段に、上記位置検出手段の故障を判定する故障判定手段と、上記位置検出手段が故障したと判定されたときに、外気温検出手段の検出結果に基づいて上記モード切換アクチュエータをベントモード及びデフロストモードの一方の制御位置に位置付けられるように作動させるフェイルセーフ手段とを備えさせ、さらに、上記フェイルセーフ手段において、上記外気温が基準温度以上であるときには、ベントモードの制御位置に位置付けられるようにモード切換アクチュエータを作動させる一方、上記基準温度未満あるときには、デフロストモードの制御位置に位置付けられるようにモード切換アクチュエータを作動させるようにしたので、上記外気温に基づいた吹出モードの切換えを適正に行うことができ、位置検出手段の故障に伴う空調性の悪化を小さく抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用空調制御装置を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例に係る車両用空調制御装置を示す全体構成図である。
【図3】モードポテンショメータの検出値と吹出モードとの関係を示す特性図である。
【図4】エアミックスポテンショの検出信号とエアミックスダンパの開度との関係を示す特性図である。
【図5】車両用空調制御装置を示す電気回路図である。
【図6】制御部における基本制御動作を示すフローチャート図である。
【図7】基本制御動作のうちのモードポテンショメータのフェイルセーフ制御の動作を示すフローチャート図である。
【図8】基本制御動作のうちのエアミックスポテンショメータのフェイルセーフ制御の動作を示すフローチャート図である。
【図9】本発明の他の実施例に係るエアミックス開度変更時の第1及び第2の所定値を示す特性図である。
【図10】本発明の他の実施例に係る吹出モード切換時の第1及び第2の所定値を示す特性図である。
【符号の説明】
5 ベント吹出口
6 フット吹出口
7 デフロスタ吹出口
12 冷却用熱交換器(冷却部)
14 加熱用熱交換器(加熱部)
20 モード切換アクチュエータ
22 制御部(制御手段)
25 外気温センサ(外気温検出手段)
44 故障判定手段
45 フェイルセーフ手段
47 第1判定手段
48 第2判定手段
50 モードポテンショメータ(位置検出手段)
A 空調装置(空調手段)
Tr 車内温度
Tset 設定温度
Ta 外気温
T a1 基準温度
Ta2 第1の所定値
Ta3 第2の所定値
Claims (2)
- エアを冷却する冷却部と、エアを加熱する加熱部と、各々、該冷却部及び加熱部からの冷暖気が混合されてなる空調用エアを車室内に吹き出すベント吹出口、フット吹出口及びデフロスタ吹出口と、予め設定された複数の制御位置にそれぞれ位置付けられるように作動して吹出モードを切り換え、かつ一方の作動端にある制御位置に位置付けられたときに空調用エアが上記ベント吹出口から吹き出されるベントモードに切り換える一方、他方の作動端にある制御位置に位置付けられたときに空調用エアが上記デフロスタ吹出口から吹き出されるデフロストモードに切り換えるモード切換アクチュエータとを有してなる空調手段と、
外気温を検出する外気温検出手段と、
上記モード切換アクチュエータの制御位置を検出する位置検出手段と、
上記外気温検出手段の検出結果に基づき、上記モード切換アクチュエータを位置検出手段により検出される所定の制御位置に位置付けられるように作動させつつ車内温度が設定温度に近付くように上記空調手段を制御する制御手段とを備えた車両用空調制御装置において、
上記制御手段は、
上記位置検出手段の故障を判定する故障判定手段と、
上記位置検出手段が故障したと判定されたときに、外気温検出手段の検出結果に基づいて上記モード切換アクチュエータをベントモード及びデフロストモードの一方の制御位置に位置付けられるように作動させるフェイルセーフ手段とを備え、
上記フェイルセーフ手段は、
上記外気温検出手段により検出された外気温が基準温度以上であるときに、ベントモードの制御位置に位置付けられるようにモード切換アクチュエータを作動させる一方、上記外気温検出手段により検出された外気温が基準温度未満であるときに、デフロストモードの制御位置に位置付けられるようにモード切換アクチュエータを作動させる構成とされている
ことを特徴とする車両用空調制御装置。 - 請求項1に記載の車両用空調制御装置において、
基準温度は、第1の所定値と、該第1の所定値よりも低い第2の所定値とからなり、
フェイルセーフ手段は、
外気温検出手段により検出された外気温が上記第1の所定値を超えていることを判定する第1判定手段と、
上記外気温検出手段により検出された外気温が、上記第2の所定値以下であることを判定する第2判定手段とを有し、
上記第1判定手段により外気温が第1の所定値を超えていると判定されたときに、ベントモードの制御位置に位置付けられるようにモード切換アクチュエータを作動させる一方、上記第2判定手段により外気温が第2の所定値以下であると判定されたときに、デフロストモードの制御位置に位置付けられるようにモード切換アクチュエータを作動させる構成とされている
ことを特徴とする車両用空調制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20565895A JP3633046B2 (ja) | 1995-08-11 | 1995-08-11 | 車両用空調制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20565895A JP3633046B2 (ja) | 1995-08-11 | 1995-08-11 | 車両用空調制御装置 |
Publications (2)
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JPH0948231A JPH0948231A (ja) | 1997-02-18 |
JP3633046B2 true JP3633046B2 (ja) | 2005-03-30 |
Family
ID=16510549
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20565895A Expired - Fee Related JP3633046B2 (ja) | 1995-08-11 | 1995-08-11 | 車両用空調制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3633046B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006273007A (ja) * | 2005-03-28 | 2006-10-12 | Calsonic Kansei Corp | 回路異常診断装置 |
-
1995
- 1995-08-11 JP JP20565895A patent/JP3633046B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0948231A (ja) | 1997-02-18 |
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