JP3632419B2 - ウエザストリップのコーナ部取付構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車体のドア開口縁に沿って取付けられるウエザストリップ、特にそのコーナ部取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図3に示すように、車体のドア開口縁1には、これに沿ってウエザストリップ3が取付けられている。図4に示すように、ウエザストリップ3は、ドア開口縁1のフランジ11に沿って係止される取付基部31と、その車外側の側面に形成されてドア2の外周縁(図例ではドアフレーム)21が押付けられる中空状のシール部32を備え、取付基部31には取付強度を上げるために芯材33が埋設されている。芯材33はウエザストリップ長手方向に分離された多数の芯材片からなり、取付基部31を屈曲可能としている。ウエザストリップ3は一般に、取付基部31とシール部32を一体押出成形して製造される。
【0003】
ウエザストリップ3をドア開口縁1に沿って取付けるには、ドア開口縁1のコーナ部(例えば図3のC部)に対応する部分をコーナ形状に湾曲させる必要がある。ところがウエザストリップ3をコーナ形状に湾曲させると、スポンジゴムからなるシール部32の断面形状が不規則に変形してシール性能を低下させる。そこでウエザストリップのコーナ部の成形には従来一般に次の手段がとられている。
【0004】
すなわち、押出成形されたウエザストリップ3のコーナ部となるべき部分でシール部32を切除する。そしてこの部分の取付基部31を車体のドア開口縁のコーナ部に合致するように湾曲せしめ、この状態で上記部分を金型内にセットする。そして金型にシール部成形材料を注入してシール部が切除された個所に型成形でシール部32Bを形成する。
【0005】
ところで、ウエザストリップのコーナ部に金型でシール部を成形するには中子が用いられる。従って図5に示すように、型成形シール部32Aには中子抜き穴320が口開きし、シール部32Bの先端縁322と取付基部31との間は分離されている。このように分離されたままでも、図例のように先端縁322を車体のドア開口縁1まわりのボデーパネル10に押込むことで、シール部32Bは一応、形状が保持され得る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ドア閉時にドアの外周縁(ドアフレーム)21によりシール部32Bが押込まれるたびにボデーパネル10に接する先端縁322が位置ずれするので、シール部32Aの形状は安定でない。このため、一般に、シール部32Bの先端縁322を取付基部31側のシール部の切除端321に接着剤で接着して連結している。しかし、接着時に両者を突き合せる作業は可成り面倒であり、かつ両者間にずれが生じて完全に接着されない部分が生じ、また位置ずれしたまま接着されることがあり、シール部32Bの断面形状が部分的に不均一となる。
【0007】
そこで、本発明は型成形され、その先端縁が取付基部と分離しているウエザストリップのコーナ部における型成形シール部の先端縁を作業性良好に、かつ正確な位置で取付基部に連結させて車体のドア開口縁に取付けることができるウエザストリップのコーナ部取付構造を提供することを課題としてなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、取付基部と、取付基部の側面に形成された中空状のシール部を備え、車体のドア開口縁1に沿って一連に取付けられる押出成形のウエザストリップであって、ウエザストリップのコーナ部でシール部を切除して取付基部をコーナ状に湾曲させ、コーナ部を金型にセットしてコーナ部の取付基部の側面に湾曲外径側の先端縁が取付基部から分離した型成形シール部を成形し、上記先端縁を取付基部の側面に結合して、コーナ部に押出成形のシール部に連なる中空状の型成形シール部を形成してなるウエザストリップのコーナ部を上記ドア開口縁のコーナ部に取付けるウエザストリップのコーナ部取付構造において、シール部が切除されたウエザストリップの取付基部を上記ドア開口縁のコーナ部よりも曲率の小さいコーナ状に湾曲させて型成形シール部を形成し、該型成形シール部は上記先端縁を該シール部の他の部分よりも厚肉で取付基部の側面と対向する内面に断面ほぼV字形の溝を有する形状に成形するとともに、取付基部の側面には上記溝と対向する位置に上記溝と合致する断面形状の型成形の突起部を成形し、ウエザストリップのコーナ部を上記ドア開口縁のコーナ部の曲率に合致するまで湾曲させて型成形シール部の先端縁の上記溝を上記型成形の突起部に嵌合せしめ、ウエザストリップのコーナ部をドア開口縁のコーナ部に取付けることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、ウエザストリップのコーナ部の型成形シール部の先端縁を取付基部の側面に作業性容易かつ位置ずれなく嵌着することができ、この状態で上記溝と突起部を接着剤で接着することでコーナ部が所定形状の中空状のシール部を形成することができる。
【0010】
またシール部が切除されたコーナ部の取付基部を、車体のドア開口縁のコーナ部よりも曲率の小さい湾曲形状として型成形シール部を成形しておき、ウエザストリップ取付け時に上記コーナ部をドア開口縁のコーナ部の曲率と合致するまで湾曲させると、湾曲外径側となる型成形シール部の先端縁は取付基部側に倒れ込み、型成形シール部の溝が取付基部の突起部に嵌合し、上記先端縁の押付け力で接着剤を用いることなく嵌合状態が保持され得る。
【0011】
【発明の実施の形態】
ウエザストリップのコーナ部構造を、その成形方法と併せて説明する。図4に示すようにウエザストリップ3は従来のウエザストリップと同様に一体押出成形体で、断面U字形で自動車のドア開口縁1に沿うトリムを形成する取付基部31と、取付基部31の車外側の側面に形成された中空状のシール部32を備えている。取付基部31はソリッドゴムからなり、ウエザストリップ長手方向に互いに分離する多数の芯材片33が埋設されている。シール部32はスポンジゴムからなる。取付基部31には内部対向面から保持リップ34が伸び出しておりウエザストリップ3は、取付基部31内に挿入したドア開口縁1のフランジ11を保持リップ34で挟むことにより上記ドア開口縁1に沿って取付けられる。なお、図4において、21はドアフレーム、20はドアウェザストリップである。
【0012】
ドア開口縁1のコーナ部と対応するウエザストリップ3のコーナ部は次のようにして形成される。
【0013】
押出成形されたウエザストリップ3は、コーナ部を形成すべき部分で、そのシール部32を切除する。そしてシール部32が切除された取付基部31の部分をコーナ状に湾曲させ、該部分を金型にセットする。この場合、ウエザストリップ3のコーナ部をはさむ両側の直線部のなす角度が、車体のドア開口縁のコーナ部をはさむ両側の直線部のなす角度よりも大きくなるように、車体のドア開口縁のコーナ部よりも小さい曲率で湾曲させる。
【0014】
図2はセット状態を示すもので、金型5は下型5A,5B,中型5C,5D,上型5Eおよび中子5Fからなり、湾曲せしめた取付基部31を挿置するキャビテイ51と、シール部成形材料(スポンジゴム)を注入して型成形シール部を成形するキャビティ52が設けてある。キャビティ52は、挿置された取付基部31の一方の側面の端末から該側面に沿うように延び、更に断面C字形に湾曲して延びている。またキャビティ52は、上記側面の端末からC字部とは反対方向に延びる延出部521を有している。
【0015】
C字部の先端は、キャビティ深さが一般部よりも大きくしてあり、取付基部31の側面と対向する側に断面V字状のくびれ部522がキャビティ全長にわたって形成してある。一方、キャビティ52の取付基部31の側面に沿う部分には、押出成形のシール部の切除端位置に、該切除端321よりも幅が広く、上端がくびれ部522と合致する断面形状の突出部523がキャビティ全長にわたって設けてある。また金型5には上記延出部521の先端位置に材料供給路54とキャビティ52とをつなぐゲート55が形成してある。
【0016】
ウエザストリップ3の湾曲コーナ部を挿置した金型5のキャビティ52にゲート55から成形材料を注入する。材料はキャビティ52のC字部の先端側へと流れてキャビティ52を充填する。このようにして型成形シール部を成形した後、型開きをし、中子5Fを抜き取ることでコーナ部が成形される。キャビティ52の延出部521で成形された部分はこれを切除する。
【0017】
図1(A),(B),(C)は型成形シール部32Aを備えたウエザストリップ3のコーナ部を示すものである。図1(A),(B)に示すように、上記シール部32Aは、基端が取付基部31の側面に接続し、左右両端が押出成形のシール部32に接続し、湾曲外径側の先端縁322は取付基部31と分離して中子抜き穴320が口開きしている。先端縁322は一般部よりも厚肉でその内面側に断面V字形の溝325が形成され、取付基部31の側面には上記溝325と対向して上端が溝325と合致する突起部326が形成されている。
【0018】
ウエザストリップ3を車体のドア開口縁に取り付けるに際しては、湾曲しているコーナ部を、ドア開口縁のコーナ部の曲率と合致するようにU字形の取付基部31を底面を内径側として更に湾曲させる。すると断面C字形の型成形シール部32Aには先端縁側に張力が作用し、先端縁322は図1(B)において矢印で示す方向に取付基部31側に倒れ込む。図1(C)に示すように型成形シール部32Aの先端縁の上記溝325と取付基部31の上記突起部326とは上記先端縁322が倒れ込んだときに溝325が突起部326に嵌合する位置関係に設定してあり、上記先端縁322の倒れ込みによる押付け力で溝325は突起部326に嵌着保持され、ウエザストリップ3のコーナ部には、両側の押出成形のシール部32と連通する中空状のシール部32Aが形成される。
【0019】
しかして、ドア開口縁に取り付けられたウエザストリップ3のコーナ部では、型成形シール部32Aの溝325と取付基部31の突起部326とはくさび状に嵌着結合されているから、型成形シール部32Aがドアフレームにより押付けられても、上記結合ははずれない。
【0020】
上記実施形態では、押出成形されたウエザストリップと、そのコーナ部で取付基部を車体のドア開口縁のコーナ部よりも小さい曲率で湾曲させて金型内にセットし、型成形シール部を成形したが、ドア開口縁のコーナ部と合致する曲率で湾曲させて金型にセットし、型成形シール部を成形してもよい。ただしこの場合は、取付基部から分離している型成形シール部の先端縁を取付基部側に倒し込み、予め上記先端縁の溝または取付基部の突起部に塗布した接着剤で両者を嵌合接着させる。このシール部結合構造は接着剤を必要とするが、予めコーナ部の型成形シール部を中空状に形成しておき、そのまま直ちに車体のドア開口縁に取付けることができる。
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、ウエザストリップのコーナ部において、型成形されて先端縁が取付基部の側面との間で口開きするシール部の該先端縁を、作業性容易に、かつ正確な位置で結合することができ、コーナ部を含むウエザストリップの側面の長手方向全長に、連続する中空状のシール部を備えたウエザストリップを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)は、シール部が型成形された本発明のウエザストリップのコーナ部の側面図、図1(B)は図1(A)のIB−IB線断面図、図1(C)はシール部の先端縁が取付基部と結合された状態における図1(A)のIB−IB線に沿う位置での断面図である。
【図2】本発明のウエザストリップのコーナ部にシール部を形成する金型の断面図である。
【図3】車体のドア開口にウエザストリップが装着された自動車の側面図である。
【図4】図3のIVーIV線に沿う位置での断面図である。
【図5】シール部が口開きしたウエザストリップのコーナ部の図3のVーV線に沿う位置での断面図である。
【符号の説明】
1 ドア開口縁
2 ドアフレーム
3 ウエザストリップ
31 取付基部
32 シール部
32A 型成形シール部
325 溝
326 突起部
5 金型
52 キャビティ
Claims (1)
- 取付基部31と、取付基部31の側面に形成された中空状のシール部32を備え、車体のドア開口縁1に沿って一連に取付けられる押出成形のウエザストリップであって、ウエザストリップ3のコーナ部でシール部32を切除して取付基部31をコーナ状に湾曲させ、コーナ部を金型にセットしてコーナ部の取付基部31の側面に湾曲外径側の先端縁322が取付基部31から分離した型成形シール部32Aを成形し、上記先端縁322を取付基部31の側面に結合して、コーナ部に押出成形のシール部に連なる中空状の型成形シール部32Aを形成してなるウエザストリップのコーナ部を上記ドア開口縁1のコーナ部に取付けるウエザストリップのコーナ部取付構造において、シール部32が切除されたウエザストリップの取付基部31を上記ドア開口縁1のコーナ部よりも曲率の小さいコーナ状に湾曲させて型成形シール部32Aを形成し、該型成形シール部32Aは上記先端縁322を該シール部32Aの他の部分よりも厚肉で取付基部31の側面と対向する内面に断面ほぼV字形の溝を有する形状に成形するとともに、取付基部の側面には上記溝と対向する位置に上記溝と合致する断面形状の型成形の突起部326を成形し、ウエザストリップのコーナ部を上記ドア開口縁1のコーナ部の曲率に合致するまで湾曲させて型成形シール部32Aの先端縁322の上記溝325を上記型成形の突起部326に嵌合せしめ、ウエザストリップのコーナ部をドア開口縁1のコーナ部に取付けることを特徴とするウエザストリップのコーナ部取付構造。
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JP36701897A JP3632419B2 (ja) | 1997-12-24 | 1997-12-24 | ウエザストリップのコーナ部取付構造 |
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JPH11180160A JPH11180160A (ja) | 1999-07-06 |
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JP2016190523A (ja) * | 2015-03-31 | 2016-11-10 | アイシン精機株式会社 | サンルーフ装置のウエザストリップ |
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