JP3632321B2 - 電子部品実装方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品実装方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子部品実装装置には、間欠回転し移載ヘッドを昇降自在に保持する回転体を備えたタイプがある。このものでは、基板を位置決めするXYテーブル、直線状に往復移動する部品供給部、移載ヘッドを備えた回転体という複数の構成要素が協調して動作することにより、正しい部品実装が行えるようになっている。
【0003】
ここで、実装時間を短縮するためには、回転体を、可能な限り最高のタクトタイムで間欠回転させる必要がある。
【0004】
一方、XYテーブルや部品供給部は、回転体の間欠回転が完了する前に、その動作を完了していなければならない。なぜなら、回転体の間欠動作が完了したら移載ヘッドが下降してXYテーブル上の基板や部品供給部に接触するが、この接触時に基板や部品供給部が移動していると、基板や部品供給部の正しい位置からずれた位置に移載ヘッドが接触し搭載ミスやピックアップミスを生じてしまうからである。
【0005】
ところが、XYテーブルや部品供給部の移動に長い時間を要する場合もある。このような場合、回転体のタクトタイムを最高のタクトタイムとすると、上述したミスを生じてしまうので、回転体側を減速(一時停止も含む)させる必要がある。
【0006】
次に図6を参照しながら、従来の電子部品実装装置における動作を説明する。図6において、各段の縦軸は速度又は位置を、横軸は時間を示す。そして、第1サイクルと第2サイクルの2つのサイクルを表示してある。
【0007】
さて上述したように、X,Y,Uの各軸モータは、回転体の間欠回転中(インデックス時間中)に動作を完了させなければならない。第1サイクルでは、各軸モータの動作範囲が狭いため、各軸モータの計算上の動作時間TX1 ,TY1 ,TU1 は比較的小さく、間欠回転を最高のタクトタイムで行ってもこれらの動作時間TX1 ,TY1 ,TU1 はインデックス時間TI1 中におさまっている。このため、従来の電子部品実装装置では、計算上の動作時間TX1 ,TY1 ,TU1 をそのまま実際の各軸モータの動作時間としていた。
【0008】
また第2サイクルでは、X軸モータの移動範囲が広く、その動作時間TX2 は最高のタクトタイムによるインデックス時間TI1 を上回っている。そこで、第2サイクルでは、メイン軸側を減速してインデックス時間をTI2 に延長して対処している。そして、この場合も計算上の動作時間TX2 ,TY2 ,TU2 がそのまま実際の各軸モータの動作時間とされていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の電子部品実装装置では、各軸モータの動作時間を短縮することのみに着目していたので、第1サイクル、第2サイクルに示したように、メイン軸の減速の有無にかかわらず、各軸の計算上の動作時間を実際の動作時間としてそのまま用いていた。
【0010】
しかしながら、このようにすると、必要以上に大きな加速度で作動することとなり、騒音・振動が大きくなって、設置環境に悪い影響を及ぼすという問題点があった。即ち、第1サイクルにおける時間(TI1 −TX1 )や時間(TI2 −TU2 )などの時間を各軸モータは無駄に消費しているのである。
【0011】
そこで本発明は、騒音・振動等を抑制できる電子部品実装方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の電子部品実装方法は、基板を位置決めするXYテーブルと、前記XYテーブルを駆動するX軸モータ及びY軸モータと、部品を供給する部品供給部と、前記部品供給部を駆動するU軸モータと、前記部品供給部から部品をピックアップし前記XYテーブルに位置決めされた基板に部品を搭載する移載ヘッドと、前記移載ヘッドを保持する回転体と、前記回転体を駆動するメイン軸モータとを備えた電子部品実装装置による電子部品実装方法であって、NCデータから前記X軸モータと前記Y軸モータと前記U軸モータの計算上の動作時間のうち最も長い最長時間を求めるステップと、前記最長時間と前記回転体が最高タクトタイムでインデックス回転した場合の計算上のインデックス時間とを比較するステップとを含み、前記インデックス時間が前記X軸モータと前記Y軸モータと前記U軸モータの計算上の動作時間の最長時間よりも長い場合は、前記X軸モータと前記Y軸モータと前記U軸モータの動作時間を延長し、また前記X軸モータと前記Y軸モータと前記U軸モータの計算上の動作時間の最長時間が前記インデックス時間よりも長い場合は、前記インデックス時間及び最長時間である当該軸モータ以外の他の軸モータの動作時間を延長する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の電子部品実装方法は、基板を位置決めするXYテーブルと、XYテーブルを駆動するX軸モータ及びY軸モータと、部品を供給する部品供給部と、部品供給部を駆動するU軸モータと、部品供給部から部品をピックアップしXYテーブルに位置決めされた基板に部品を搭載する移載ヘッドと、移載ヘッドを保持する回転体と、回転体を駆動するメイン軸モータとを備えた電子部品実装装置による電子部品実装方法であって、NCデータから前記X軸モータと前記Y軸モータと前記U軸モータの計算上の動作時間のうち最も長い最長時間を求めるステップと、前記最長時間と前記回転体が最高タクトタイムでインデックス回転した場合の計算上のインデックス時間とを比較するステップとを含み、前記インデックス時間が前記X軸モータと前記Y軸モータと前記U軸モータの計算上の動作時間のうち最長時間よりも長い場合は、前記X軸モータと前記Y軸モータと前記U軸モータの
動作時間を延長し、また前記X軸モータと前記Y軸モータと前記U軸モータの計算上の動作時間のうち最長時間が前記インデックス時間よりも長い場合は、前記インデックス時間及び最長時間である当該軸モータ以外の他の軸モータの動作時間を延長する。
【0015】
したがって、X,Y,Uの各軸モータは、有効な時間を活用して可能な限りゆっくりと動作する。このため加速度を小さくして振動・騒音等を抑制することができる。
【0016】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施の形態における電子部品実装装置の概略機構図である。
【0017】
図1に示すように、基板1はXYテーブル2に保持され、XYテーブル2はX軸モータ3及びY軸モータ4により駆動される。したがって、X軸モータ3、Y軸モータ4を作動させれば、基板1をXY方向に位置決めできる。
【0018】
XYテーブル2の奥には、部品供給部5が配置されている。部品供給部5は、それぞれ種々の部品を供給する複数のパーツフィーダ6と、パーツフィーダ6を支持する移動テーブル7と、移動テーブル7をX方向に往復移動させるU軸モータ8とから構成される。
【0019】
ここで、基板1の搭載位置やパーツフィーダ6のピックアップ位置は、XYZ座標系において常に一定であり、これらの一定位置に基板1の特定の箇所や特定のパーツフィーダ6を合わせるようになっている。このため、実装の途中で基板1や移動テーブル7を大きく移動させねばならぬ場面があると、X軸モータ3、Y軸モータ4、U軸モータ8の動作完了タイミングが通常より大幅に遅れてしまうことがあるのである。
【0020】
さてXYテーブル2と部品供給部5の中間の上方には、インデックス機構部9が配置される。インデックス機構部9には、メイン軸モータ12が設けられ、このメイン軸モータ12は、垂直下方に延びる第1の出力軸(メイン軸)10とインデックス機構部9の側面から突出する第2の出力軸11とを同期的に回軸させる。
【0021】
第1の出力軸10の下端部には、円筒状をなす回転体13が同軸的に軸着されている。そして、回転体13の周面には、複数の支持板14が昇降自在に取付けられ、各支持板14の下部には移載ヘッド15が固定されている。また、16は支持板14の上部に突設されるドグである。
【0022】
一方、第2の出力軸11には、プーリ17が軸着され、第2の出力軸11の回転力は、タイミングベルト19、プーリ20を介してシャフト18へ伝達される。
【0023】
シャフト18の両端部には、カム21,22が固着されており、カム21,22によりXYテーブル2側のリンク機構23と部品供給部5側のリンク機構24が駆動される。
【0024】
リンク機構23のうち、支点26とカム21に周接するカムフォロワ27を備えたL字状の第1レバー25は矢印N1方向に揺動する。この揺動によって、第1レバー25に対してピン29で枢支される第2レバー28は、矢印N2方向に昇降する。さらに、支点31を持ち、ピン30により第2レバー28に枢支される第3レバー32は、矢印N3方向に揺動する。また、第3レバー32の先端部は、上述したドグ16に当接している。リンク機構24もリンク機構23と同じ構成となっている。
【0025】
したがって、メイン軸モータ12を駆動すると、回転体13を矢印M方向に間欠回転させると共に、XYテーブル2上あるいは部品供給部5上で、移載ヘッド15を昇降させ得るにようになっている。
【0026】
次に、図2を参照しながら、電子部品実装装置の制御手段について説明する。図2において、33は部品の搭載座標データやパーツフィーダ6の各取付位置データなどを含むNCデータを記憶するNCデータ記憶部、34はメイン軸モータ12をドライブするメイン軸モータ駆動部35とX軸モータ3をドライブするX軸モータ駆動部36と、Y軸モータ4をドライブするY軸モータ駆動部37と、U軸モータ8をドライブするU軸モータ駆動部38とに、それぞれ速度パターンVM,VX,VY,VUを出力する制御部である。
【0027】
次に図3を参照しながら制御部34について詳述する。ここで、制御部34は、次の構成によって、X軸モータ3とY軸モータ4とU軸モータ8の計算上の動作時間TX,TY,TUのうち最も長い最長時間と、回転体13が最高タクトタイムで間欠回転した場合の計算上のインデックス時間TIとを比較して長い方の時間を、回転体13のインデックス時間と決定する。そして、このインデックス時間に適合するようにメイン軸モータ12の速度パターンVMを決定し、このインデックス時間以内で、X軸モータ3とY軸モータ4とU軸モータ8の動作時間を延長するものである。
【0028】
さて、制御部34には、NCデータが入力されるが、このNCデータからX軸モータ動作時間計算手段39、Y軸モータ動作時間計算手段40、U軸モータ動作時間計算手段41は、それぞれX,Y,U軸モータ3,4,8の計算上の動作時間TX,TY,TUを算出する。すると、最長時間選択手段42が、これら計算上の動作時間TX,TY,TUのうち最も長い最長時間TMaxを比較手段43へ出力する。
【0029】
一方、比較手段43は、メイン軸モータ12を最高のタクトタイム用の速度パターンで動作させたときの回転体13の計算上のインデックス時間TIを求め、この計算上のインデックス時間TIと最長時間TMaxとのうち、長い方の時間を、回転体13のインデックス時間TIに代入する。そして、代入後のインデックス時間TIを、メイン軸モータ動作パターン発生手段44、X軸モータ動作パターン発生手段45、Y軸モータ動作パターン発生手段46及びU軸モータ動作パターン発生手段47へ出力する。
【0030】
すると、メイン軸モータ動作パターン発生手段44は、代入後のインデックス時間TIに適合する速度パターンVMをメイン軸モータ駆動部35へ出力し、このパターンVMによってメイン軸モータ12が動作する。ここで、計算上のインデックス時間TIが最長時間TMaxよりも長ければ、速度パターンVMは最高のタクトタイム用のものとなり、メイン軸モータ12の減速は行われない。一方、そうでなければ、最長時間TMaxに合わせてメイン軸モータ12が減速することになる。
【0031】
また、X軸モータ動作パターン発生手段45、Y軸モータ動作パターン発生手段46及びU軸モータ動作パターン発生手段47では、代入後のインデックス時間TIを、極力フルに使う速度パターンVX,VY,VUが生成され、このパターンVX,VY,VUに従ってX軸モータ3、Y軸モータ4及びU軸モータ8が動作する。これにより、加速度を極力小さくして、振動・騒音を抑制できる。
【0032】
次に、図4に沿って、図5の各サイクルの動作を説明する。なお、図5は、従来技術を示す図6と同様の実装を行う場合を示している。
【0033】
まず、第1サイクルでは、ステップ1にて、各軸モータ3,4,8の計算上の動作時間TX1 ,TY1 ,TU1 が計算され、このうちの最長時間TMaxが選択される(ステップ2)。第1サイクルでは、TMax=TX1 (=TY1 =TU1 )となる。
【0034】
次にステップ3で、最高タクトタイム時の計算上のインデックス時間TI1 (移載ヘッドの致着タイミング)が求められ、TI1 とTMax(動作完了タイミング)が比較される(ステップ4)。第1サイクルでは、TI1 >TMaxであるので、代入後のインデックス時間は計算上のそれと同じくTI1 となり、メイン軸モータ12の速度パターンVMは、最高のタクトタイム用のものとなる(ステップ5)。
【0035】
また、各軸3,4,8側では、代入後のインデックス時間TI1 をフルに使うように、計算上の動作時間TX1 ,TY1 ,TU1 (鎖線)から延長した動作時間の速度パターン(実線)VX,VY,VUが使用される(ステップ7,8)。図5の実線と鎖線を比べれば明らかなように、加速度(傾き)は大幅に小さくなっており、振動・騒音が抑制される。
【0036】
第2サイクルでは、TMax=TX2であり、またTMax>TI1である。したがって、ステップ4からステップ6へ移行し、代入後のインデックス時間TI2=TMax(=TX2)となるようにインデックス時間をTI 2 に延長する。即ち、最高のタクトタイム用の速度パターンに減速をした速度パターンVMが出力される。
【0037】
また、TMaxとなるX軸モータ3は減速されないが、最長時間TMaxである当該軸モータ(本例ではX軸モータ3)以外の軸モータであるY軸モータ4及びU軸モータ8は、計算上の動作時間TY2,TU2 (鎖線)から延長された動作時間(実線)が適用され、加速度が小さくなり振動・騒音が抑制されるものである。
【0038】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、動作時間の加速度を低減し、振動・騒音を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における電子部品実装装置の概略機構図
【図2】本発明の一実施の形態における制御手段のブロック図
【図3】本発明の一実施の形態における制御手段のブロック図
【図4】本発明の一実施の形態における電子部品実装方法のフローチャート
【図5】本発明の一実施の形態におけるタイミングチャート
【図6】従来の電子部品実装装置のタイミングチャート
【符号の説明】
2 XYテーブル
3 X軸モータ
4 Y軸モータ
5 部品供給部
8 U軸モータ
12 メイン軸モータ
13 回転体
15 移載ヘッド
Claims (1)
- 基板を位置決めするXYテーブルと、前記XYテーブルを駆動するX軸モータ及びY軸モータと、部品を供給する部品供給部と、前記部品供給部を駆動するU軸モータと、前記部品供給部から部品をピックアップし前記XYテーブルに位置決めされた基板に部品を搭載する移載ヘッドと、前記移載ヘッドを保持する回転体と、前記回転体を駆動するメイン軸モータとを備えた電子部品実装装置による電子部品実装方法であって、NCデータから前記X軸モータと前記Y軸モータと前記U軸モータの計算上の動作時間のうち最も長い最長時間を求めるステップと、前記最長時間と前記回転体が最高タクトタイムでインデックス回転した場合の計算上のインデックス時間とを比較するステップとを含み、
前記インデックス時間が前記X軸モータと前記Y軸モータと前記U軸モータの計算上の動作時間の最長時間よりも長い場合は、前記X軸モータと前記Y軸モータと前記U軸モータの動作時間を延長し、
また前記X軸モータと前記Y軸モータと前記U軸モータの計算上の動作時間の最長時間が前記インデックス時間よりも長い場合は、前記インデックス時間及び最長時間である当該軸モータ以外の他の軸モータの動作時間を延長することを特徴とする電子部品実装方法。
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JP25413796A JP3632321B2 (ja) | 1996-09-26 | 1996-09-26 | 電子部品実装方法 |
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