JP3631806B2 - 鏡餅容器 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は鏡餅容器に係り、特に餅の取り出しが容易であるとともに、外観の良好な鏡餅容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
鏡餅の黴発生やひび割れを防止して鏡餅を長期間保存するために、鏡餅を充填包装する鏡餅容器が使用されている。従来の鏡餅容器は、樹脂シートを鏡餅形状に成形してなる容器体部と、この容器体部に餅を充填した後、容器体部を密封する底シートから構成されていた。
【0003】
上記のような鏡餅容器から餅を取り出すには、包丁等で容器体部ごと餅を切断することが行われていたが、容器体部はある程度の肉厚と硬度とを有しており、しかも容器体部の外面が平滑であるため、包丁等による容器体部の切断は容易ではないという問題があった。
【0004】
このような鏡餅容器の開封時の問題を解決するために、容器体部に薄肉部や切込を設け、手で容易に引き裂けるようにした鏡餅容器が提案されている(特開平4−308722号、特開平4−308725号)。しかし、容器体部を手で容易に引き裂いて餅を取り出すことができても、餅が固化しているために容易に餅を区分けすることができないという問題もあった。
【0005】
このため、容器体部内に中仕切り板を装嵌し、容器体部内に充填された搗きたての餅を任意の個数に分割して仕切り、固化した餅を鏡餅容器から取り出した際、容易に餅の区分けをすることのできる鏡餅容器が提案されている(特開平2−127259号等)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の容器体部内に中仕切り板を装嵌してなる鏡餅容器においては、中仕切り板が容器体部の内面と接触した状態にあると、外部から中仕切り板の存在が認識され、鏡餅の商品価値が大幅に低下するという問題があった。
【0007】
一方、充填された餅内に中仕切り板が内包されるようにすると、中仕切り板と容器体部の内面との接触は防止されるが、中仕切り板の装嵌を手作業としたり、あるいは自動装嵌の制御が煩雑となり、作業性が低下して自動包装の高速化に支障を来すという問題があった。
【0008】
また、容器体部を成形するための樹脂シートに無機フィラーを含有させて単に白色化させた容器体部を用いた鏡餅容器では、容器体部とこれに充填される餅との間に気泡が生じた場合、鏡餅容器の外観が、一見、餅に黴が発生したように見えるという問題があった。
【0009】
本発明は上述のような実情に鑑みてなされたものであり、外観が極めて良好であり、しかも作業効率が高く自動包装化が可能な鏡餅容器を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本願発明の鏡餅容器はポリプロピレン100重量部に対して無機フィラーを40〜150重量部および隠蔽性付与剤を1〜50重量部の割合で含有する組成物からなるポリプロピレンシートを鏡餅形状に成形した容器体部と、該容器体部を密封するための底シートと、前記容器体部に充填された餅を2以上に分割して仕切るための中仕切り板とを備え、該中仕切り板は、単一あるいは複数の支点を中心として、仕切り板が少なくとも3枚以上に延設されるが如くに形成されてなり、かつ該仕切り板の前記支点近傍において、仕切り板の高さ方向略全長に亘って肉薄部を設け、仕切り板を折り曲げ可能とし、前記支点のうちの少なくとも1以上の支点の底部にさらに板状体を設けたような構成とした。
【0011】
【作用】
鏡餅容器を構成する容器体部はポリプロピレンシートを鏡餅形状に成形したものであり、上記のポリプロピレンシートはポリプロピレン100重量部に対して無機フィラーを40〜150重量部および隠蔽性付与剤を1〜50重量部の割合で含有する組成物からなるため、容器体部内に備えられる中仕切り板が容器体部の内面に接触していても、容器体部に含有される隠蔽性付与剤の作用により中仕切り板の存在は外部から完全に隠蔽され、また、容器体部とこれに充填される餅との間に気泡が生じたとしても、餅に黴が発生したような外観を呈することが防止され、さらに、容器体部に含有される無機フィラーの作用により容器体部は手で容易に引き裂くことができ、開封が容易となる。
【0012】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【0013】
図1および図2は、それぞれ本発明の鏡餅容器の一例を示す側面図および斜視図である。図1および図2において、本発明の鏡餅容器1は、内部に餅2が充填されている容器体部3と、この容器体部3のフランジ部3bに固着され容器体部3を密封している底シート4と、充填されている餅2を2以上に分割(図示例では4分割)する中仕切り板5とを備えている。
【0014】
本発明の鏡餅容器1を構成する容器体部3は、ポリプロピレンシートを真空成形および/または圧空成形により鏡餅形状に成形したものであり、下部に開口部3aとフランジ部3bを有している。
【0015】
容器体部3の成形に用いるポリプロピレンシートは、ポリプロピレンに無機フィラーおよび隠蔽性付与剤を配合した組成物からなるポリプロピレンシートである。
【0016】
ポリプロピレンシートに配合される無機フィラーとしては、食品の包装用に使用可能なものであれば特に制限はないが、特に好ましいのはケイ酸マグネシウム(MgSiO4 )である。ここで、ケイ酸マグネシウムは、酸化マグネシウムと二酸化ケイ素と水とが種々の割合で結合したような組成の物質の総称であり(共立出版刊「化学大事典」第3巻、310頁)、実用的にはタルクを用いることが好ましい。
【0017】
この無機フィラーの配合割合は、ポリプロピレン100重量部に対して40〜150重量部、好ましくは60〜145重量部である。無機フィラーの配合割合が40重量部未満であると、容器体部3を手で引き裂くことが容易ではなくなることがある。また、150重量部を超えると、組成物をシート状に成形することが困難となり好ましくない。
【0018】
また、上記の無機フィラーとともにポリプロピレンシートに配合される隠蔽性付与剤としては、無機顔料が特に好適に用いられる。具体的には、例えば、二酸化チタン、チタンイエロー、赤色酸化鉄、カーボンブラック、酸化コバルトおよびこれらの混合物等が挙げられる。
【0019】
この隠蔽性付与剤の配合割合は、ポリプロピレン100重量部に対して1〜50重量部、好ましくは20〜45重量部である。隠蔽性付与剤の配合割合が1重量部未満であると、後述するような鏡餅容器の外観悪化の防止効果が充分に得られず、また、50重量部を超えると、容器体部3の外観が食品らしさを損なったり、容器体部3のガスバリヤ性の低下を生じて好ましくない。
【0020】
尚、容器体部3を形成するポリプロピレンシートは、単層構造あるいは積層構造のいずれであってもよい。積層構造の場合、例えば、ポリプロピレン/ポリビニルアルコール/ポリプロピレンの3層構造等が好ましいが、このような積層構造のポリプロピレンシートを用いる場合には、容器体部3に良好な易開封性が付与されるように、ポリプロピレンシートを構成する各層に無機フィラーを配合することが好ましい。
【0021】
また、開封時における容器体部3と餅2との剥離性の向上を図ることを目的として、ポリプロピレンシートにステアリン酸等の高級脂肪酸を配合してもよい。ただし、上記のような積層構造のポリプロピレンシートを使用する場合には、容器体部3に成形され餅2と接することになる層に高級脂肪酸を配合すればよい。高級脂肪酸の配合割合は、ポリプロピレンシートに対して0.1〜5重量%程度が好ましい。
【0022】
このようなポリプロピレンシートの厚さは、容器体部3に充填される餅2の重量に応じて適宜設定することがでる。具体的には、容器体部3に充填される餅2の重量は、通常、160g〜8kg程度であることから、ポリプロピレンシートの厚さは、0.2〜1.5mm程度とすることができる。この厚さが0.2mm未満であると、餅2の充填時に容器体部3の形状を鏡餅形状に維持することが困難になるとともに、強度の低下を招くことがある。一方、厚さが1.5mmを超えると、ポリプロピレンシートを真空成形する場合にヒーターによるシートの軟化が困難となり好ましくない。
【0023】
上述のようなポリプロピレンシートを用いて容器体部3を形成することにより、容器体部3内に備えられる中仕切り板5が容器体部3の内面に接触していても、容器体部3に含有される隠蔽性付与剤の作用により中仕切り板5の存在は外部から完全に隠蔽される。また、容器体部3とこれに充填される餅2との間に気泡が生じたとしても、隠蔽性付与剤の作用により餅2に黴が発生したような外観を呈することが防止される。さらに、容器体部3に含有される無機フィラーの作用により容器体部3は手で容易に引き裂くことができ、開封が容易となる。
【0024】
容器体部3の開口部3aを密封するための底シート4としては、容器体部3に対してイージーピール性を有するものであればよく、種々のプラスチックを用いることができるが、特にポリプロピレン、ポリエチレン等の単層シート、あるいはそれらとポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、アルミニウム箔等とを積層した積層シートを用いることができる。この底シート4の厚さは、通常、50〜300μm程度である。また、底シート4の大きさ及び形状は、少なくとも容器体部3の開口部3aを完全に覆うことができる形状であればよいが、容器体部3のフランジ部3bの周縁と底シート4の周縁とがほぼ一致するような形状が好ましい。
【0025】
本発明の鏡餅容器は、例えば次にようにして製造することができる。
【0026】
まず、上述のポリプロピレンシートを製造し、次に、このポリプロピレンシートを用いて真空成形および/または圧空成形を行う。この真空成形、圧空成形は常法にしたがって行うことができる。例えば、真空成形の場合には、ポリプロピレンシートをヒータ等により加熱軟化し、必要に応じて加圧しながら所望の形状となるような雌型側から吸引することにより、雄型に押しつけて成形すればよい。また、圧空成形の場合、ポリプロピレンシートをヒータ等により加熱軟化し、雄型側からエアー等により圧力をかけ、所望の形状となるように雌型に押しつけて成形すればよい。
【0027】
成形の条件は、真空成形の場合、ポリプロピレンシートの加熱温度を150〜180℃とし、減圧度を600〜650mmHgとするのが好ましい。また、圧空成形の場合、ポリプロピレンシートの加熱温度を150〜180℃とし、シートが変形するのに充分な圧力をかければよい。
【0028】
このようにして鏡餅形状の容器体部3を形成した後、この容器体部3内に、その開口部3aからまず搗きたての餅2を充填し、その後、中仕切り板5をホッパー等から供給して、容器体部3の開口部3aから柔らかい状態にある餅2に貫入しながら容器体部3に装嵌する。あるいは、予め中仕切り板5を容器体部3内に載置しておき、その後に容器体部3内へ搗きたての餅を充填してもよい。
【0029】
次に、この容器体部3の開口部3aを覆うように、底シート4で容器体部3を密閉し、鏡餅容器1を得る。
【0030】
そして、このように成形包装された鏡餅容器1を、お供え後、食用に供するために餅2を取り出すときは、まず、容器体部3から底シート4を剥離する。次に、容器体部3のフランジ部3bの両側部を手で保持して、該両側部を外側に引っ張れば、容器体部3を容易に引き裂くことができる。これにより、容器体部3から餅2を取り出すことができる。そして、固化している取り出した餅2は、後述するような中仕切り板5の仕切り板によって仕切られている部分を手指などによって外側方向に軽く押圧することにより、仕切られた各餅片毎に極めて簡単に、しかも確実に分割される。このようにして分割された各餅片をさらに細かく分割したいときは、形状自体が細くなっているので、包丁をたてても極めて容易に分割することができる。
【0031】
次に、本発明の鏡餅容器に用いることのできる中仕切り板について説明する。図3および図4は、それぞれ本発明の鏡餅容器に用いることのできる中仕切り板の一例を示す斜視図および平面図である。図3および図4において、中仕切り板5aは、段重ね部をもつ所定形状の仕切り板12、12’ が支点11aを中心として延設されるが如くに形成され、一体的に成形されている。そして、仕切り板12の上記支点11a近傍には、該支点11aに沿うように、仕切り板の高さ方向全長に亘って肉薄部12a、12bが形成されていて、この肉薄部12a、12bにて仕切り板12が折り曲げ可能となっている。
【0032】
この中仕切り板5aは、射出成形等によって一体的に成形されてなり、成形可能なすべての合成樹脂部材を用いて形成することができるが、なかでも無機フィラー入りポリプロピレンが環境問題等の点から最も好適に用いられる。そして、このように一体的に成形されてなることにより、使用時に組み立て等の余分な手作業をすることなくそのまま用いることができることから、能率的かつ衛生的に容器体部3に装嵌することができる。
【0033】
中仕切り板5aを構成する仕切り板12は、上記肉薄部12a、12bにて折り曲げることができることから、図5に示すように、一方の仕切り板12を他方の仕切り板12’に沿うように略平行に折りたたむことができる。これにより、1個の中仕切り板5aにつき、仕切り板12の厚さ2枚分と仕切り板12’ の厚さ1枚分とを合計した厚みよりわずかに厚い厚みL1 を収納幅としての収納が可能となる。そのため、複数枚の中仕切り板を、仕切り板12を折り曲げたコンパクトな状態で互いに平行に整然と重ね置きすることができ、保管時、従来に比してはるかに効率的な収納が可能となる。特に自動包装ラインにおいて、ホッパー内へ一度に多量の中仕切り板を収納しておくことができることから、作業途中での中仕切り板の補給作業回数を大幅に低下させることができる。しかも上記要領で重ね置きできるため、整列収納が可能となり、ホッパーからの供給もスムーズに行うことができ、作業効率上の効果が極めて大きい。
【0034】
なお、肉薄部12a、12bの形成方法は、上記部位で仕切り板12が折り曲げ可能となるような薄さで形成されていれば、その形成方法は特に限定されない。図3〜5では、仕切り板12の同一側面に断面椀状の切欠部を設けているが、これに限らず、一方の肉薄部を仕切り板12の一側面に、他方の肉薄部を仕切り板12の他側面に設けてもよい。さらに、肉薄部の断面形状も、折り曲げ機能を有するものであれば、例えば図6に示すように、断面形状が略台形をなすもの(図6(b)、(c))や、それ以外の任意の断面形状のものでもいいことはもちろんである。また、肉薄部(例えば肉薄部12aに関して)を仕切り板12の一側面に限らず、図6(a)、図6(b)に示すように両側面に肉薄部12a1 、12a2 として設けてもよい。
【0035】
さらに、仕切り板12のみならず、仕切り板12’ にも同時に設けてもよい。仕切り板12’ にも設けることにより、仕切り板12若しくは12’ のいずれかを任意に選択して折り曲げることができるため、特に自動包装ラインにおいて中仕切り板の方向性を考慮することなくホッパー内へ整列収納させることが可能となる。
【0036】
なお、上記実施例においては、中仕切り板5が4分割の場合について説明したが、中仕切り板5はこれに限定されるものではなく、2分割用の単一板状体を含めて、何分割のものでも本発明に用いることができる。
【0037】
図7は8分割の場合の中仕切り板の例を示し、中仕切り板5bは、段重ね部をもつ所定形状の仕切り板22、22’ 、22’’、22’’’ が3個の支点21a、21a’ 、21a’’を中心として延設されるが如くに形成され、一体成形されている。
【0038】
そして、仕切り板22’ 、22’’、22’’’ の上記支点21a、21a’ 、21a’’近傍には、各支点に沿うように仕切り板の高さ方向全長に亘って、肉薄部22’ a、22’ b(支点21a近傍位置)、肉薄部22’’a、22’’b(支点21a’ 近傍位置)、肉薄部22’’’ a、22’’’ b(支点21a’’近傍位置)がそれぞれ形成されていて、これら肉薄部22’ a、22’ b、22’’a、22’’b、22’’’ a、22’’’ bにおいて仕切り板22’ 、22’’、22’’’ がそれぞれ折り曲げ可能となっている。そして、図8に示すように、仕切り板22’ 、22’’、22’’’ を仕切り板22に沿うように略平行に折りたたむことができる。これにより、上記の4分割の場合と同様に、複数枚の仕切り板22’ 、22’’、22’’’ を折り曲げたコンパクトな状態で互いに平行に整然と重ね置きすることができ、保管時、従来に比してはるかに効率的な収納が可能となり、自動包装ラインにおける作業効率の向上が極めて大きい。
【0039】
なお、この場合も、肉薄部の形成方法は、上記部位で仕切り板22’ 、22’’、22’’’ が折り曲げ可能となるような薄さで形成されていれば、その形成方法は特に限定されないのは、上述した通りである。
【0040】
図9は3分割の中仕切り板の例を示し、中仕切り板5cは、段重ね部をもつ所定形状の3枚の仕切り板32、32’ 、32’’’ が支点31aを中心として延設されるが如くに形成され、一体成形されている。
【0041】
そして、これら仕切り板のうち、例えば2枚の仕切り板32、32’ の上記支点31a近傍には、該支点31aに沿うように仕切り板の高さ方向全長に亘って、肉薄部32a、32’ aがそれぞれ形成されていて、これら肉薄部32a、32’ aにおいて仕切り板32、32’ が折り曲げ可能となっている。そして、肉薄部32a、32’ aにおいて仕切り板32、32’ を互いに重ね合わせるようにして所定角度折り曲げ、これら重ね合わさった仕切り板32、32’ のなす面が残りの他の仕切り板32’’のなす面と略同一平面をなすようにすることができる。これにより、上記の4分割の場合と同様に、複数(3枚)の仕切り板を有する中仕切り板5をコンパクトに収納することができる。
【0042】
なお、この場合も、肉薄部を3枚すべての仕切り板につき形成してもよく、あるいは、仕切り板1枚にのみ形成してもよい。3枚の仕切り板につき形成した場合は、それぞれを肉薄部にて適当な角度ずつ折り曲げて3枚を一緒に重ね合わせるようにし、この状態で収納することができる。1枚の仕切り板にのみ形成した場合は、それを隣合ういずれか一方の他の仕切り板に沿わせるように略平行に折り曲げることにより、中仕切り板5cを緩やかな逆V字形にて収納することができる。
【0043】
なお、この場合も、肉薄部の形成方法は、仕切り板が折り曲げ可能となるような薄さで形成されていれば、その形成方法は特に限定されないのは、上述した通りである。
【0044】
なお、以上の中仕切り板の例においては、図示のように、中仕切り板をなす各仕切り板の形状については、その外縁が形づくる形状が容器体部3の内側面がなす形状とほぼ同一形状のものの場合について説明したが、これに限定されるものではない。
【0045】
さらに本発明においては、中仕切り板として、上記の支点のうちの少なくとも1以上の支点の底部にさらに板状体を一体成形して設けたような構成としてもよい。
【0046】
例えば図10、11に示すように、中仕切り板5dは、所定形状の仕切り板42、42’ が支点41aを中心として延設されるが如くに形成されるとともに、該支点41aの底部にはさらに板状体43が一体成形されて設けられている。この板状体43はストッパーとしての役目を果たすもので、中仕切り板41を、容器体部3内に装嵌する際、板状体43の底面が充填されている餅2の表面と略同一になるような深さまで貫入させることを目安に装嵌することにより、中仕切り板41が包装容器内に深く入りすぎることを防ぐためのものである。したがって、板状体43は、このような作用効果が得られるものであれば、その形状、大きさ等は特に限定されず、任意のものが用いられ得る。
【0047】
この中仕切り板5dは、例えば図12に示すように、容器体部3内に、その開口部3aからまず搗きたての餅2をノズル等から充填し、その後、ホッパーから供給される中仕切り板5dを容器体部3の開口部3aからこの柔らかい餅2に貫入しながら、容器体部3に装嵌する。このとき、中仕切り板5dの底部に一体成形されて設けられた板状体43の底面が餅表面と略同一になるような深さまで貫入させることを目安に装嵌することにより、中仕切り板5dが餅内に深く貫入しすぎることを防ぐことができ、容易にその位置決めをすることができる。そしてこの後、この容器体部3の開口部3aを覆うように、底シート(図示せず)で容器体部3を密閉し、鏡餅容器を得ることができる。
【0048】
また、上記板状体の所定箇所には切欠部を設けてもよい。すなわち、例えば図13に示すように、中仕切り板5eは、所定形状の仕切り板52、52’ が支点51aを中心として延設されるが如くに形成されており、各仕切り板の支点近傍底部には切欠部59、59’が形成されている。そして、支点51aの底部にはさらに板状体53が一体成形されて、前記切欠部59、59’内に納まるように設けられている。
【0049】
この板状体53には切欠部53’が設けられている。この切欠部53’の両脇部531 、532 は、図14(a)に示すようにやや山高状に盛り上がったリブを形成している。そして中仕切り板5eの使用時、仕切り板52の肉薄部52a、52bにて折り曲げた状態から上記リブ531 、532 を乗り越えるようにして開いたとき、この仕切り板52の底部が板状体53の切欠部53’内に納まり、しかもリブ531 、532 によって係止される。したがって、容易に所定の角度にて仕切り板52の位置を定めることができ、作業性が良好となる。
【0050】
なお、上記板状体53の切欠部53’は、その両脇部531 、532 を、図14(b)に示すように、上下方向に互いに逆向きに傾斜をつけるようにしてもよい。このようにすることにより、上記と同様に、中仕切り板51の使用時、仕切り板52を折り曲げた状態から開いたとき、この仕切り板52が板状体53の切欠部53’内に納まり、しかも両脇部531 、532 によって係止され、容易に所定の角度にて仕切り板の位置を定めることができる。
【0051】
なお、上記の例では切欠部53’が板状体53を貫通する形のものについて説明したが、上記のような作用効果を有するものであれば、特にその形状等については限定されない。
【0052】
本発明の鏡餅容器は、上述のような態様に限定されるものではなく、例えば、容器体部3に線状の薄肉部を設けたものや、容器体部3のフランジ部3bに切込を設けたものであってもよい。
【0053】
次に、実験例を示して本発明を更に詳細に説明する。
(実験例)
無機フィラーとしてタルク(ケイ酸マクネシウム)を40重量%の割合で含有するポリプロピレン組成物100重量部に対して、隠蔽性付与剤として以下の組成のマスターバッチ(ピグメント社製、PPF−C−01852 )を3重量部の割合で配合してポリプロピレンシート用の組成物を調製した。
【0054】
マスターバッチ組成
ベースレジン(ポリプロピレン) … 75重量部
酸化チタン … 20重量部
チタンイエロー … 4重量部
赤色酸化鉄 …0.03重量部
カーボンブラック …0.02重量部
ポリエチレンワックス、その他 … 微量
次に、上記のポリプロピレンシート用の組成物を用いて、厚さ0.55mmのポリプロピレンシートを製造した。
【0055】
上記のポリプロピレンシートを、鏡餅形状の雌型を有する枠上に載置し、ヒーター温度180℃、減圧度600mmHgの条件で真空成形することにより鏡餅形状の容器体部を作成した。
【0056】
一方、上記のポリプロピレン組成物を用いて図3に示されるような4分割の中仕切り板を作成した。この中仕切り板は、その外縁が形づくる形状が容器体部内側面がなす形状と同一形状のものとした。
【0057】
次に、上記の容器体部に搗きたての餅550gを充填し、その後、上記の中仕切り板を餅に貫入しながら容器体部に装嵌した。冷却後、容器体部のフランジ部に開口部を覆うように底シート(PET12 /LMD /NY15/LMD /CMPS、東セロ化学(株)製 013C80、厚さ107μm)をヒートシールし、フランジ部の形状が一辺の長さ150mmの正方形の鏡餅容器を製造した。
【0058】
この鏡餅容器は、中仕切り板が容器体部の内面に接触した状態であったことが開封後に確認されたが、開封前は中仕切り板の存在は外部から完全に隠蔽されて外観が良好であった。また、容器体部と餅との間に生じた気泡部分は白色ではなく、このため餅に黴が発生したような外観を呈することがなく、外観が良好であった。さらに、容器体部は手で容易に引き裂くことができ、開封が容易であり、開封された後、餅は中仕切り板に仕切られた各餅片毎に容易に分割することができた。
【0059】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば容器体部内に装嵌された中仕切り板が容器体部の内面に接触していても、中仕切り板の存在は外部から完全に隠蔽され、また、容器体部とこれに充填される餅との間に気泡が生じも、餅に黴が発生したような外観を呈することが防止され、外観が極めて良好となり、さらに、容器体部が手で容易に引き裂けるので、開封が容易であるとともに、固化した餅を取り出した際の餅の区分けが容易であるという効果を奏する。
【0060】
また、中仕切り板の支点近傍において、仕切り板の高さ方向略全長に亘って肉薄部を設けることにより、この肉薄部にて仕切り板を折り曲げることができ、このような折り曲げた状態で重ね置きすることにより、保管時、コンパクトな収納が可能となり、特に自動包装ラインにおいて、ホッパー内へコンパクトに整列収納させることができるようになり、ホッパーからの中仕切り板の供給がスムーズに行え、作業効率が高められるという効果を奏する。また、一体成型されることにより、使用時に組み立て等の余分な手作業をする必要がなく、能率的かつ衛生的に収容容器に装着することができ、自動包装化への対応が可能となる。
【0061】
さらに、上記構成において、前記支点のうちの少なくとも1以上の支点の底部にさらに板状体を一体成形にて設けることにより、容器体部内に搗きたての餅を充填し、次いでこの充填された餅の中に中仕切り板を貫入して仕切る際、上記板状体がストッパー役を果たし、包装用中仕切り板が餅の中に深く入り込みすぎないよう位置決めがされる。
【0062】
さらに、該板状体の所定箇所に切欠部を形成することにより、折り曲げ状態で収納していた中仕切り板を開いて使用するとき、開いた仕切り板がこの切欠部にて係止されるので、容易に所定の位置に仕切り板を定めることができ、作業性が良好となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の鏡餅容器の一例を示す側面図である。
【図2】中仕切り板を鏡餅容器内に装嵌した状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の鏡餅容器に使用できる中仕切り板の一例を示す斜視図である。
【図4】図3の中仕切り板の平面図である。
【図5】図3の中仕切り板の折り曲げ収納状態を示す説明図である。
【図6】中仕切り板の肉薄部の形成態様を示す図である。
【図7】本発明の鏡餅容器に使用できる中仕切り板の他の例を示す斜視図である。
【図8】図7の中仕切り板の折り曲げ収納状態を示す説明図である。
【図9】本発明の鏡餅容器に使用できる中仕切り板の他の例を示す斜視図である。
【図10】本発明の鏡餅容器に使用できる中仕切り板の他の例を示す斜視図である。
【図11】図10の中仕切り板のA−A断面矢視図である。
【図12】図10の中仕切り板を容器体部に装嵌した状態を示す説明図である。
【図13】本発明の鏡餅容器に使用できる中仕切り板の他の例を示す斜視図である。
【図14】図13の中仕切り板の板状体の形成態様を示す説明図である。
【符号の説明】
1…鏡餅容器
2…餅
3…容器体部
3a…開口部
3b…フランジ部
4…底シート
5、5a、5b、5c、5d、5e…中仕切り板
12、12’ 、22、22’ 、22’’、22’’’ 、32、32’ 、32’’、42、42’ 、52、52’ …仕切り板
11a、21a、21a’ 、21a’’、31a、41a、51a…支点
12a(12a1 、12a2 )、12b、22’ a、22’ b、22’’a、22’’b、22’’’ a、22’’’ b、32a、32’ a、42a、42b、52a、52b…肉薄部
53…板状体
53’…板状体切欠部
Claims (2)
- ポリプロピレン100重量部に対して無機フィラーを40〜150重量部および隠蔽性付与剤を1〜50重量部の割合で含有する組成物からなるポリプロピレンシートを鏡餅形状に成形した容器体部と、該容器体部を密封するための底シートと、前記容器体部に充填された餅を2以上に分割して仕切るための中仕切り板とを備え、該中仕切り板は、単一あるいは複数の支点を中心として、仕切り板が少なくとも3枚以上に延設されるが如くに形成されてなり、かつ該仕切り板の前記支点近傍において、仕切り板の高さ方向略全長に亘って肉薄部を設け、仕切り板を折り曲げ可能とし、前記支点のうちの少なくとも1以上の支点の底部にさらに板状体を設けたことを特徴とする鏡餅容器。
- 前記板状体に、前記肉薄部にて折り曲げ可能な仕切り板を非折り曲げ状態にて係止し得る切欠部を形成してなることを特徴とする請求項1に記載の鏡餅容器。
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JP12729695A JP3631806B2 (ja) | 1995-04-27 | 1995-04-27 | 鏡餅容器 |
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