JP3630969B2 - 温度計 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、低温ショーケースや冷蔵庫、温蔵庫等に取り付けられる温度計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来よりこの種低温ショーケースに取り付けられる温度計は、例えば特公平6−7810号公報(A47F3/04)に示される如く、ショーケースの前上側に設けられたキャノピーに取り付けられている。この温度計106は、図6及び図7に示す如く電気回路基板107に図示しない貯蔵室内の温度を表示するためのデジタル式の温度表示器108が設けて構成されており、合成樹脂で成形された横長の本体109の四隅にネジ座117・・・が設けられ、このネジ座117・・・に前記電気回路基板107をネジ122・・・で締め付け固定している。
【0003】
また、本体109の表側には支持壁110が設けられており、この支持壁110に窓孔111が形成され、この窓孔111に温度表示器108が嵌合して取り付けられる。また、支持壁110の前面となる温度表示器108の表面には防水用の透明シート120が取り付けられる。これにより、シート120を介して温度表示器108を表示可能に構成されると共に、ゴミや水が表面から本体109内に侵入してしまうのを防止している。
【0004】
また、温度計106の本体109は上壁112、下壁113、左右の側壁115、115を備え、表側に設けられた支持壁110によって後面に開口109Aを有した容器状とされている。そして、両側壁115、115が所定の形状に切り欠かれて可撓性の爪部118、118が形成されており、この爪部118、118をショーケースのキャノピーに係合させて温度計106は取り付けられる。
【0005】
この爪部118は内側に傾倒してキャノピーに係合するため、両爪部118、118の周囲の側壁115、115には切欠121Aが形成されると共に、その内側にはこの切欠121Aに連通する隙間121Bが構成されている。即ち、本体109内外はこれら切欠121Aと隙間121Bによって連通していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そのため、従来の温度計106では本体109に形成された両爪部118、118の周囲の切欠121A及び隙間121Bを通して温度計本体109内に容易に水が侵入してしまう。これによって、電気回路基板107の配線パターン及び電気部品等が浸水してしまい、温度計が故障してしまう問題があった。
【0007】
また、温度計106は本体109の内側四隅に設けられたネジ座122・・・に電気回路基板107を4本のネジで締め付け固定していたため、多数のネジを締め付けなければならず、組立作業性が悪く、コストアップとなってしまう問題もあった。
【0008】
本発明は、係る従来技術の課題を解決するために成されたものであり、故障率を低減させた温度計を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
即ち、請求項1の発明の温度計は、電気回路基板と、この電気回路基板を収納する容器状の本体と、この本体の内側四隅に形成され、電気回路基板が固定されるネジ座と、本体の左右側面を切り欠くことにより形成された取付用の可撓性爪部とを備えたものであって、左右における上下一対のネジ座間に渡り、爪部の内側に間隔を存して形成された区画壁を備えたものである。
【0010】
また、請求項2の発明の温度計は上記において、本体は少なくとも後面が開口しており、電気回路基板はこの開口より本体内に挿入されると共に、その状態で開口を閉塞する蓋を設け、この蓋は電気回路基板を後方より押圧するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、図面に基づき本発明の実施形態を詳述する。図1は本発明の温度計6を取り付けた実施例としてのオープンショーケース1の斜視図、図2は本発明の温度計6の正面図、図3は本発明の温度計6の側面図、図4は本発明の温度計6の組立手順を示す側面図、図5は本発明の温度計6の分解斜視図である。
【0012】
温度計6は例えばスーパーマーケットなどの店舗に据え付けられる縦型の冷凍或いは冷蔵タイプのオープンショーケース1の前面に取り付けられている。このオープンショーケース1は、断面略コ字状の断熱壁2と、断熱壁2の両側に取り付けられた側板2A、2Aとから構成されており、断熱壁2の内側は貯蔵室2Bとされている。
【0013】
そして、貯蔵室2B内には複数段の棚4・・・が架設され、貯蔵室2Bの外側には図示しないダクトが形成されている。このダクト内には図示しない冷却装置を構成する送風機と冷却器が設置されており、送風機が運転されると底部のダクト内の空気は、冷却器と熱交換した後、開口上縁部の図示しない吐出口から開口下縁部の図示しない吸込口に向けて吹き出される。
【0014】
これによって、貯蔵室2Bの開口に冷気エアーカーテンが形成されると共に、この冷気エアーカーテンによって、開口から貯蔵室2B内への外気の侵入が阻止若しくは抑制される。そして、冷気エアーカーテンの一部は貯蔵室2B内に循環して貯蔵室2B内は冷却され、これによって棚4・・・上の図示しない販売商品を冷却しながら展示する。そして、前記温度計6はオープンショーケース1の前面上部のキャノピー5に形成された図示しない係合孔に取り付けられている。
【0015】
この温度計6は容器状の本体9と、この本体9内に取り付けられた電気回路基板7と、蓋19などから構成されている。これら本体9と蓋19とは硬質合成樹脂で成形されており、本体9は上壁12と、下壁13と、左右側壁15、15と、表側(前面)に設けられた支持壁10とから容器状に形成されている。この本体9は横長矩形状に形成され、支持壁10裏側の各壁12、13、15、15のつくる内側四隅にはネジ座17・・・がそれぞれ立設されている。
【0016】
以上により、本体9は後面に開口9Aを有した容器状とされていると共に、本体9四隅の一方の対角位置となるネジ座17、17(図2の左上と右下のネジ座17、17)にはネジ22、22を締め付けるためのネジ孔17A、17Aが形成されている。
【0017】
また、支持壁10の所定位置には窓孔11が形成されており、この窓孔11は支持壁10を前後に貫通すると共に、窓孔11は後述する電気回路基板7の電気部品側に設けられた温度表示器8が嵌合可能とされる。また、窓孔11の側方には所定の間隔を存して可撓性のスイッチ用切欠14が複数(この場合2箇所。図2では省略。)設けられている。
【0018】
また、本体9の左右側面には可撓性爪部18、18が形成されており、この爪部18、18の周囲は切り欠かれて切欠21Aが形成され、爪部18の開口9A側が側壁15に連続している。これにより、各爪部18、18は内側に傾倒可能となり、爪部18、18の支持壁10側に形成された係合部18A、18Aが前記キャノピー5に設けられた係合孔に係合することにより、温度計6はオープンショーケース1に取り付けられるように構成されている。
【0019】
また、両可撓性爪部18、18の内側には間隔を存してそれぞれ区画壁16、16が形成されている。各区画壁16、16は本体9の両側上下に設けられた一対のネジ座17、17間に渡って形成されると共に、両ネジ座17、17と同じ高さとされている。即ち、本体9の支持壁10裏面には、上壁12、下壁13と、両側の区画壁16、16とによって囲繞され、後方に開放した隙間の無い空間が形成され、その両側外方に間隔を存して可撓性爪部18、18がそれぞれ形成される。
【0020】
また、電気回路基板7は本体9内に収納されて四隅及び両側がネジ座17・・・と区画壁16、16に密着する大きさを呈していると共に、この電気回路基板7には液晶或いは7セグメントのLED等からなる温度表示器8が取り付けられている。そして、温度表示器8と所定の間隔を存して複数(この場合2個)の押しボタン式のスイッチ23、23が設けられると共に、図示しない集積回路等により所定の電子回路が構成されている。係る電気回路基板7には貯蔵室2B内の温度を検出する図示しないセンサーが接続され、その検出値を温度表示器8に表示可能とされている。
【0021】
一方、蓋19は本体9後面に形成された開口9Aを閉塞可能に構成されており、本体9の上壁12と下壁13に係合される。そして、蓋19の内面には所定形状の押圧部19A、19Aが設けられており、この押圧部19A、19Aは本体9の内側方向に突出して設けられている。また、両押圧部19A、19Aは蓋19の対角位置に設けられると共に、対角位置のネジ座17、17(図2の左下と右上のネジ座17、17)に対応して設けられている。即ち、蓋19に設けられた両押圧部19A、19Aはネジ孔17A、17Aが設けられていないネジ座17、17に対応して設けられている。
【0022】
そして、電気回路基板7が対角するネジ座17・・・にネジ22、22で締め付け固定された状態で、電気回路基板7は蓋19に設けられた押圧部19A、19Aによって、残りのネジ座17、17に押圧され、保持固定されるように構成されている。尚、蓋19には図示しない係合爪が設けられており、本体9の上壁12、下壁13の縁部に係合され、これにより蓋19が本体9に取り付けられるように構成されている。
【0023】
係る温度計6を組み立てる場合、先ず開口9A側から電気回路基板7を本体9内に挿入し、支持壁10に設けられた窓孔11に温度表示器8を嵌合する(図5矢印)。次に、左上と右下のネジ座17、17のネジ孔17A、17Aにネジ22、22を締め付けて、後方から電気回路基板7を両ネジ座17、17に固定する。これにより、電気回路基板7は上壁12と下壁13の内側と両ネジ座17、17及び区画壁16、16の端面上に密接して取り付けられる。
【0024】
そして、蓋19が上壁12と下壁13に係合されて本体9裏側の開口9Aが閉塞される。係る、蓋19の押圧部19A、19Aで電気回路基板7は両ネジ座17・・・に押圧され、これによって電気回路基板7の電気部品側(支持壁10側)は、上壁12、下壁13とネジ座17、17間に渡って形成された両区画壁16、16とによって密閉される。また、本体9の表側には透明のシート20が設けられており、このシート20は図示しない接着剤によって支持壁10表面に貼り付けられる。尚、シート20には各スイッチ23、23名、温度表示器8名等が印刷されている。
【0025】
このように、後面開口9Aから電気回路基板7を本体9内に挿入して取り付けたの後、蓋19によって開口9Aを閉塞すと共に、電気回路基板7を蓋19の対角位置に設けた押圧部19A、19Aで押圧しているので、電気回路基板7の四隅をネジ止めする必要が無くなり、組立作業を簡素化することが可能となる。これによって、電気回路基板7を蓋19によって安定的に保持しつつ、組立作業性を大幅に向上させることができるようになる。
【0026】
また、本体9の左右側面に設けられた可撓性爪部18、18の周囲の切欠21から水が侵入した場合でも、爪部18、18の内側にネジ座17、17間に渡って区画壁16、16を形成しているので、この区画壁16、16で電気回路基板7の電気部品側への浸水を堰き止めることができるようになる。また、本体9内部へも水が侵入し難くなるので、一層電気回路基板7の故障率を低減させることができるようになる。
【0027】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明によれば、電気回路基板と、この電気回路基板を収納する容器状の本体と、この本体の内側四隅に形成され、電気回路基板が固定されるネジ座と、本体の左右側面を切り欠くことにより形成された取付用の可撓性爪部とを備えた温度計において、左右における上下一対のネジ座間に渡り、爪部の内側に間隔を存して区画壁を形成したので、爪部の周囲から本体内に侵入しようとする水はこの区画壁によって堰き止められるかたちとなる。
【0028】
これにより、爪部からの浸水を効果的に防止若しくは抑制することができるようになり、電気回路基板の故障率を低減させて、温度計の寿命を延長することが可能となるものである。
【0029】
請求項2の発明によれば、上記に加えて本体の少なくとも後面を開口させ、電気回路基板をこの開口より本体内に挿入すると共に、その状態で開口を閉塞する蓋を設け、この蓋により電気回路基板を後方より押圧するよう構成したので、電気回路基板のネジ止め箇所を削減しても蓋によって安定的に保持されるようになり、組立作業性の改善とコストの削減を図ることができるようになるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の温度計を取り付けたオープンショーケースの斜視図である。
【図2】本発明の温度計の透視正面図である。
【図3】本発明の温度計の側面図である。
【図4】本発明の温度計の組立手順を示す側面図である。
【図5】本発明の温度計の分解斜視図である。
【図6】従来の温度計の透視正面図である。
【図7】従来の温度計の組立手順を示す側面図である。
【符号の説明】
1 オープンショーケース
5 キャノピー
6 温度計
7 電気回路基板
8 温度表示器
9 本体
9A 開口
10 支持壁
11 窓孔
12 上壁
13 下壁
15 側壁
16 区画壁
17 ネジ座
18 爪部
19 蓋
19A 押圧部
21 切欠
Claims (2)
- 電気回路基板と、この電気回路基板を収納する容器状の本体と、この本体の内側四隅に形成され、前記電気回路基板が固定されるネジ座と、前記本体の左右側面を切り欠くことにより形成された取付用の可撓性爪部とを備えた温度計において、
左右における上下一対のネジ座間に渡り、前記爪部の内側に間隔を存して形成された区画壁を備えたことを特徴とする温度計。 - 本体は少なくとも後面が開口しており、電気回路基板はこの開口より前記本体内に挿入されると共に、その状態で開口を閉塞する蓋を設け、この蓋は前記電気回路基板を後方より押圧することを特徴とする請求項1の温度計。
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