JP3630914B2 - 加工機における長尺材の芯矯正および両端保持方法 - Google Patents

加工機における長尺材の芯矯正および両端保持方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、長尺材の外周および面を加工して短尺製品を作製する加工機において、長尺材を芯矯正した後に両端保持する方法関するものである。
【0002】
【従来の技術】
長尺材の外周および面を加工した後に所定の長さに切断して短尺製品を連続的に作製する従来の加工機においては、長尺材の先端部にセンター穴を予め穿設する工程を入れ、そのセンター穴へ芯押しセンターを当接させて、長尺材を両端保持して加工する方法が一般的であるけれども、芯押しセンターによって長尺材の先端部を保持する際に、長尺材の曲りや長尺材を繰り出した後の軸芯の位置ずれが生じるために、図13の(a)に示すように、長尺材のセンター穴と芯押しセンターがずれて両端保持が正確にできないケースが多くあった。
【0003】
また、前記のような芯押しセンターに代えて、長尺材の先端部に当接する面に同一円周上を3等分して配置した3個の鋭角状の突起で長尺材の端面にくさびを打つようにくい込ませて長尺材を支持する部材を用いることによって、長尺材の先端部にセンター穴を穿設する工程を省略するとともに長尺材の軸芯と芯押し部材とのずれを解消しようとする方法も提案されている。
【0004】
さらに、図13の(b)に示すように、長尺材の突き出し量を少しづつ数回に分けて突き出すようにして、その長尺材を片持ち状態にして加工を数回に分けて全体を加工する方法も行なわれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、突き出し量を少なくして片持ち状態で数回に分けて加工する場合には、加工毎に段差が発生する可能性があり、長尺材の均一でない曲りによっては加工量が一定にならないという欠点があり、加工残りが発生する場合もあった。
【0006】
また、前記のような長尺材の両端保持方法では、長尺材の素材の曲りや長尺材を繰り出した後の軸芯の位置ずれがあるために、長尺材と加工機の軸芯がずれたまま支持されるケースが多く、加工量を大きくしないと加工残りが発生し、また加工量を大きくすると、切削抵抗が大きく加工中に加工面のビビリや変形が発生しやすくなる。さらに長尺材が曲げられて支持されていると、加工後の応力変形が発生するという問題もあった。このような問題点があるために、長尺材を両端保持して加工する自動加工を連続的に精度良く行なうことは困難であった。
【0007】
そこで、本発明は、上記従来技術の有する未解決な課題に鑑みてなされたものであって、長尺材の外周および面を加工して短尺製品を作製する加工機において、長尺材の芯矯正を行なった後に正確に両端保持するようにして、加工精度を向上させることができる長尺材の芯矯正および両端保持方法提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の加工機における長尺材の芯矯正および両端保持方法は、長尺材を加工部へ繰り出して両端保持した後に、長尺材の外周および面を加工して短尺製品を作製する加工機において、前記長尺材に突き当たる面に複数の鋭角状の突起を有する芯押し部材を用い、前記長尺材繰り出して該長尺材の先端面を前記芯押し部材に突き当て、その状態で前記長尺材を回転させて前記芯押し部材とともにその角度を変更させて、その後に、前記芯押し部材を前記長尺材から切り離して、前記長尺材の角度を元に復帰させ、そして、芯矯正手段によって前記長尺材の先端部近傍において前記長尺材の芯矯正を行ない、その状態で主軸コレットチャックにより前記長尺材クランプさせた後に前記芯押し部材を再度前記長尺材の先端部の新たな位置に突き当てて前記長尺材を保持させることによって前記長尺材を両端保持し、その後に、前記長尺材の外周および面の加工を行なうことを特徴とする。
【0009】
【作用】
主軸支持台に設けられたコレットチャックを回転割出し可能として、複数の鋭角状の突起を有する芯押し部材を長尺材の先端面に突き当てた状態でコレットチャックを回転させて、前記長尺材の角度を芯押し部材とともに変更させた後、芯押し部材を前記長尺材から切り離し、コレットチャックの逆回転により前記長尺材の角度を元に復帰させた後に、前記長尺材の芯矯正を行ない、再度前記長尺材先端部の新たな位置に前記芯押し部材を突き当てて前記長尺材を保持するようにしたことにより、長尺材の先端部に予めセンター穴を穿設することなく、長尺材を正確に保持することができるようになり、高精度の加工が可能となる。
【0010】
さらに、自動による連続加工を精度良く行なうことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
図1は、工機における長尺材の芯矯正および両端保持装置の第1参考例を概略的に図示する構成図であり、図2は、図1におけるA−A方向から見た概略的な構成図である。
【0013】
図1および図2において、1は断面矩形状の長尺材である加工物(以下、ワークという。)であり、主軸支持台3に支持されたコレットチャック2はワーク1に対してクランプ可能に設けられており、コレットチャック2は、その開状態においてワーク1を図1において右方向からコレットチャック2を介して加工部へ繰り出し、そして所定長さのワーク1が繰り出された後にワーク1をクランプするように構成されている。4はワーク1の先端部に当接して保持する芯押しストッパーであり、芯押しストッパー4は芯押し支持台5によって支持され、また芯押し支持台5に設けられた伸縮機構6によって軸線方向(x軸方向)に移動し得るように設けられている。7、7はそれぞれワーク1を切削するフェースカッター8を取り付けたフェーススピンドルであり、加工機の主軸支持台3と芯押しストッパー4の軸線方向(x軸方向)に対して直角に(図においてはy軸方向に)相対向して配置されて、それぞれフェーススピンドル支持台(スライダー)9、9に回転可能に支持されている。このフェーススピンドル支持台9、9およびフェーススピンドル7、7は、それぞれ図示しないモーターにより上記軸線方向(x軸方向)に対して直交する横軸方向(y軸方向)および縦軸方向(z軸方向)に移動可能に設けられている。また、フェーススピンドル支持台9、9のそれぞれの上面側には芯矯正装置10が固定されている。この芯矯正装置10は、フェーススピンドル支持台9に取り付けられた矯正板保持部材11と、この矯正板保持部材11の下方側に固着されて、ワーク1の下面および側面に当接してワーク1の下面側の位置と側面側の位置を規制するようにL字形状に形成された面を有する下面および側面矯正板12と、矯正板保持部材11の上方側に上下2枚の板ばね14、14を介して取り付けられて、ワーク1の上面に当接してその上面の位置を規制する上面矯正板13とからなり、上面矯正板13は板ばね14によって上下方向(z軸方向)に移動可能に設けられている。一対の芯矯正装置10、10は、図2に明瞭に示されているように、ワーク1を挟んで対称的に位置して、下面および側面矯正板12はワーク1の両側面と下面に対向し、上面矯正板13はワーク1の上面に対向する。また、ワーク1の軸芯に対して上方に、ワーク切断用のメタルソー18を回転可能に支持するメタルソースピンドル支持台(スライダー)17が図示しないモーターにより縦軸方向(z軸方向)に移動可能に配置され、その下面に上面矯正板13を上方から押圧するための押圧板16が取り付けられている。なお、19はワーク1を搬送する際のガイドである。
【0014】
以上のような芯矯正装置を備えた加工機における長尺材の芯矯正および両端保持方法を、図3に基づいて説明すると、先ず、同図(a)に示すように、主軸支持台3のコレットチャック2を開状態にして、ワーク1を突き出すように繰り出し搬送し、芯押しストッパー4へ突き当てる。ワーク1が芯押しストッパー4に突き当たった時点で、ワーク1の繰り出しを止め、そして芯押しストッパー4を後退させてワーク1の先端部から逃がす(同図(b)参照)。そして、予めワーク1の素材寸法と芯矯正装置10の各矯正板12、12および13、13の位置関係を測定しておき、主軸中心位置(座標y=0、z=0)に対するワーク1の寸法から設定される位置へ、芯矯正装置10、10の各矯正板12、12および13、13を移動させる。下面および側面矯正板12、12をワーク1の両側面と下面へそれぞれ当接させ、そして、メタルソースピンドル支持台17の押圧板16を下方に移動させて、上面矯正板13、13に当接させ、さらに上面矯正板13、13を設定された量だけ下方へ移動させる。かくして、ワーク1はその上下左右が正規の位置に保持される(同図(c)参照)。この状態において、コレットチャック2を閉じてワーク1をクランプさせ、そして芯押しストッパー4を進出させてワーク1の先端部に押し付け、芯押しストッパー4をワーク1の先端面に予め穿設されているセンター穴に合致させて、ワーク1をその軸芯位置で支持する(同図(d)参照)。その後に、芯矯正装置10、10および押圧板16を移動させて、同図(e)に示すように、各矯正板12、12、13、13をワーク1から離間させる。このようにして、ワーク1は、矯正板12、12、13、13によって矯正された正規の位置に支持された状態で、コレットチャック2によりクランプされ、そして芯押しストッパー4により保持されるので、ワーク1は確実かつ正確に両端保持され、ワーク1の外周面の切削加工を精度良く行なうことができる。また、ワーク1は矯正板により矯正された状態でコレットチャック2によりクランプされるため、コレットチャック2のクランプによる無理な曲げ応力が発生することがなく、ワーク保持を確実に行なうことができる。そして、加工終了後ワーク1をメタルソー18で切断することによりワークの処理が完了し、次のワークに対する処理を同様に繰り返すことができる。
【0015】
次に、参考例の変形例を図4に図示する。前述した第1参考例においては、押圧板16を長尺材の切断用メタルソー18とともにメタルソースピンドル支持台17に設けているために、メタルソー18とワーク1の干渉を防止するように、上面矯正板13を芯矯正装置10の矯正板保持部材11に取り付けて、押圧板16により上面矯正板13を押し下げるように構成しているけれども、メタルソーとワークの干渉がない場合やメタルソーが不要の場合には、図4に示すように、押圧板16aが直接ワークに当接するようにして、下面および側面矯正板12aに対向してワーク1の上面位置を矯正するように構成することもできる。このような構成とすることによって、芯矯正装置10における矯正板保持部材11および上面矯正体13(図1および図2参照)を省略して、下面および側面矯正板12aをスピンドル支持台9に直接取り付けることができ、構造上簡単な構成とすることができる。
【0016】
また、前述した第1参考例においては、ワークとしての長尺材の形状を断面矩形状の角材として説明したけれども、丸棒材等においても同様にその芯矯正を行なうことができる。図5において、丸棒材のワークに対してy軸方向およびz軸方向の4点で当接するように、下面および側面矯正板のうち一方の矯正板12bに断面円形のワーク1の最下部と側部に当接する面を形成し、他方の矯正板12cにワーク1の側部に当接する面を形成し、そして上面矯正板13にワーク1の最上部に当接する面を形成することによって、前述した実施例と同様に、長尺丸棒材の芯矯正を行なうことができる。
【0017】
そして、ークのサイズが異なる場合でも、各矯正板の移動量、すなわち各矯正板を取り付けた各種支持台の送り量、をワークのサイズに応じて変動させることによって対応することができる。
【0018】
また、前述した芯矯正および両端保持方法(図3)において、ワークの繰り出しに先立って、各矯正板を予め所定の芯矯正位置に接近させておき、ワークを繰り出す際に、各矯正板をワークの案内ガイドとして機能させ、そして、ワークが所定量繰り出された後に、前述したと同様にワークの芯矯正を行なうようにすることもできる。
【0019】
以上のように、参考例においては、加工切削刃を取り付けたスピンドル支持台に矯正板を取り付けたことにより、各矯正板自体の移動により位置決めすることができ、そして、各矯正板によりワークの四方向で当接し押さえることができる構成としたことにより、ワークの軸芯がいかなる方向に湾曲し移動していても、確実に正規の位置へ修正することが可能である。また、ワークの加工面の加工部先端付近を押さえ芯矯正する構成としたことにより芯矯正の効果は大きく、ワークの軸線上での両端保持を確実に行なうことができる。
【0020】
なお、芯矯正寸法を設定する際に、ワークを押し付けすぎないようにワーク素材寸法のバラツキに応じた余裕をもたせるべく、ワークの全周に0.02mm程度の隙間が存在するように設定することが好ましい。この隙間を設けたことにより、切削量が0.02mm増加しても、効率上ならびに精度上それほど問題はない。また、矯正板の押す部分の面積を極力少なくすることにより、切削加工時における切粉の付着を少なくすることができ、さらにクーラントを矯正板に向けて吹きつけるようにすると、切粉除去の効果がある。
【0021】
以上に述べた参考例においては、芯押しストッパーとして、その中心に単一の突起を有するものを用いており、長尺材であるワークの先端面に予めセンター穴を穿設して、このセンター穴に芯押しストッパーの突起を挿入して保持するものであるが、ワークの先端面に予めセンター穴を穿設する工程を必要とするために、全体の加工時間を長くして経済的でなく、また生産効率上好ましいものではなかった。そのために、センター穴を穿設することなくワークを保持し得るように、芯押しストッパーとして、その表面に複数の鋭角状の突起、例えば同一円周上に等間隔に配置した3個の鋭角状の突起、を有する芯押しストッパー(以下、これをケンザン状芯押しストッパーともいう。)を用い、この芯押しストッパーの複数の鋭角状の突起をワーク先端面にくさびを打つように食い込ませてワークを保持する方法も提案されている。
【0022】
そこで、この種のケンザン状芯押しストッパーを用いて、参考例のようにワークの芯矯正および両端保持を行なう工程を図6に図示する。しかし、ケンザン状芯押しストッパー31によって長尺材のワーク1を保持する際に、ワーク1を繰り出したときにワーク1の先端面がケンザン状芯押しストッパーに当接してできたくさび状に食い込んだ穴1cが軸芯からずれて形成され(図6の(b)参照)、芯矯正(同図(c)参照)した後にケンザン状芯押しストッパー31を進出させて保持させる(同図(d)および(e)参照)際に、ケンザン状芯押しストッパー31の複数の突起が軸芯からずれて形成されている穴1cにならって入り込み、その状態でワーク1を保持してしまう場合が発生し、芯矯正したにも拘らず、ワーク1を軸芯からずれた状態で保持することとなり、加工残りが発生したり、加工後の応力変形が発生するという問題が生じる。
【0023】
そこで、ケンザン状芯押しストッパーを用いても正確にワークの芯矯正および両端保持を行なうことができるようにした参考例について、図7および図8に基づいて説明する。
【0024】
図7および図8は、前述した図1および図2に相応する図面であり、この実施例においては、芯押しストッパーとしてケンザン状芯押しストッパー31を用いているが、ワークの所定量の繰り出しを、ケンザン状芯押しストッパー31に突き当てるのではなく、各矯正板における主軸支持台(およびコレットチャック)に対向する面に設けた当接面に当てることによって行なう点で前述の第1参考例のものや図6に図示した処理工程のものと相違している。なお、その他の構成においては、第1参考例のものと同じであり、同一部材には同一符号を付してある。
【0025】
以下、参考例に基づく処理工程を説明する。先ず、各矯正板12、12、13、13のコレットチャック1に対向する当接面がコレットチャック2から所定の距離をもって離間するように、そして各矯正板の間隔位置をワーク1の寸法より小さくなるように、すなわち、各矯正板の当接面がワーク1の先端面に当接しうるように、各矯正板のそれぞれの送り量を予め設定しておく。ワーク1の繰り出しに先立って、各矯正板12、12、13、13を前記の送り量にしたがって移動させる。そして、図7および図8に図示するように、ワーク1をコレットチャック2を介して繰り出し、その先端部を各矯正板の当接面に当接させる。このようにワーク1は各矯正板12、12、13、13の当接面に当接して、所定長さが繰り出され、このときワーク1の先端面にケンザン状芯押しストッパー31の突起が食い込むことがない。なお、各矯正板はワーク1の繰り出しにより突き当てられ押圧されるために、50〜200kgの押圧力に負けない剛性をもたせておく必要がある。その後に、各矯正板はワーク先端面から離間して、ワーク1の先端部近傍に移動するとともにワーク1に対する正規の芯矯正位置へ移動させ、ワーク1の軸芯を矯正する。そして、それ以降は図6の(d)および(e)に示すものと同様に、コレットチャック2を閉じてワーク1をクランプさせる。次に、ケンザン状芯押しストッパー31を進出させてワーク1の先端面に押し付けて、複数の突起をワーク1に食い込ませて保持する。かくして、ワーク1は曲りやずれのない状態で両端が保持される。その後に、芯矯正装置10、10を移動させて、各矯正板12、12、13、13をワーク1から離間させる。このようにして、ワーク1は、矯正板12、12、13、13により矯正された位置で、コレットチャック2およびケンザン状芯押しストッパー31によって両端が確実に保持され、ワーク1の外周面の切削加工を精度良く行なうことができる。そして、加工終了後ワーク1をメタルソー18で切断することによりワークの処理が完了し、次のワークに対する処理を同様に繰り返すことができる。
【0026】
次に、本発明の施例について、図9ないし図12に基づいて説明する。本実施例においては、第2参考例と同様に芯押しストッパーとしてケンザン状芯押しストッパーを用い、ワークの先端面にセンター穴を穿設することなく、ワークの先端保持を可能とするとともに、ケンザン状芯押しストッパーに、ワークの先端部のストッパーとワークの保持の両機能をもたせるものである。
【0027】
図9において、51は断面矩形状の長尺材であるワークであり、主軸支持台53に支持されたコレットチャック52はワーク51に対してクランプ可能に設けられており、コレットチャック52は、その開状態において、ワーク51を図9において右方向からコレットチャック52を介して加工部へ繰り出し、所定の長さのワーク51が繰り出された後にコレットチャック52がワーク51をクランプするように構成されている。そして、70はコレットチャック52に連結された回転台であって、コレットチャック52の回転割出しを行なう。71はコレットチャック52の開閉および回転させるための油圧装置(図示しない)に接続された油圧配管である。54はワーク51の先端部に当接して保持するケンザン状芯押しストッパーで、その先端部に複数(例えば3個)の鋭角状の突起が等間隔に形成されており、芯押し支持台55に支持されている。また、ケンザン状芯押しストッパー54は、芯押し支持台55に保持されて、油圧により駆動される伸縮機構56のプッシャー57によって軸芯方向に押し戻し可能に移動するように設けられている。
【0028】
図10は、コレットチャック52に連結された回転台70を、図9において右方向から見た図であって、72はコレットチャック52の開閉を近接センサー73で判別させるコレットチャック開閉用板であり、74はコレットチャック52の回転に連動して移動する回転用板であり、近接センサー75は回転用板74が回転していない基準位置(0度の位置)にあることを検知し、回転位置近接センサー76はコレットチャック52の回転に連動して回転用板74が30度回転したことを検知するようにそれぞれ構成されており、77は油圧によって駆動され、回転台70に対して進退自在に設けられた位置決めピンで、コレットチャック52に対して進出して押圧し、その回転をロックする作用をする。また、78は回転装置で、ギヤーを介してコレットチャック52を回転させる構造となっている。なお、図9には切削刃や切断ソーおよび芯矯正装置を図示していないけれども、切削刃や切断ソーおよび芯矯正装置は、図1、図2および図7に示す参考例のものと同様にコレットチャック52と芯押しストッパー54の間に配置されている。
【0029】
発明の施例における芯矯正および両端保持方法を、そのフローを図示する図11、ならびにコレットチャック、芯押しストッパーおよびワークの回転位置関係を図示する図12に基づいて説明する。
【0030】
先ず、主軸支持台のコレットチャック52を開状態にして、ワーク51を繰り出すように搬送し、ケンザン状芯押しストッパー54へ突き当てる。このとき、ケンザン状芯押しストッパー54がワーク51の先端面に当って、3個の突起が食い込み、ワーク先端面に突起に対応する3個の穴51aが形成されてしまう(ステップ1、図12の(a)参照)。ワーク51がケンザン状芯押しストッパー54に当接した時点で、ワーク51の繰り出しを止め、コレットチャック52を閉めてワーク51をクランプする(ステップ2)。そして、回転台70の回転位置決めピン77を解除して、回転装置78を作動させて、コレットチャック52を30度回転させる。このとき、コレットチャック52にクランプされているワーク51およびワーク51の先端面に突起が食い込んでいるケンザン状芯押しストッパー54も同時に30度回転する(図12の(b)参照)。そして、回転位置近接センサー76がコレットチャック52の回転に連動して回転用板74が30度回転したことを検知した時点でその回転を停止し、回転位置決めピン77を作動させ、コレットチャック52の回転をロックする(ステップ3)。その後に、油圧による伸縮機構56を作動させてプッシャー57を引き込ませて、ケンザン状芯押しストッパー54を後退させて、ワーク51の先端面から離間させる(ステップ4)。そして、回転位置決めピン77の解除および回転装置78の作動によりコレットチャック52を元の基準位置へ30度逆回転させ、近接センサー75の検知により回転を停止し、回転位置決めピン77を作動させる。この結果、コレットチャック52とワーク51は元の位置に戻るけれども、ケンザン状芯押しストッパー54は30度回転した位置にある(ステップ5、図12の(c)参照)。次に、コレットチャック52を開き、ワーク51をフリーの状態にする(ステップ6)。この状態において、前述の第1参考例に関連して説明したと同様に、芯矯正装置を作動させて、各矯正板をワーク51の上下左右に当接させて押し付け、ワーク51の軸芯を矯正する(ステップ7)。そして、ワーク51はその上下左右が正規の位置に保持されている状態で、コレットチャック52を閉じてワーク51をクランプさせ(ステップ8)、ケンザン状芯押しストッパー54を進出させてワーク51の先端部に押圧させ、その突起をワーク51の先端面に打ち込む(このときに生じる3個の穴を51bとして示す。図12の(d)参照)。この結果、ケンザン状芯押しストッパー54は、ワーク51を繰り出した際にワーク端面に当接してできた3個の穴51aでワーク51を支持することなく、3個の穴51aから30度位相がずれた位置に当接して穴51aと干渉することなく新たに3個の穴51bを形成してワーク51を剛性高く確実に保持することができる。穴51aと穴51bが干渉すると、ワークの芯がずれたり、保持が不安定になるけれども、穴51aと穴51bは干渉することがなく、ワーク51は、その軸芯が曲りやズレのない正しい位置で、両端保持されることになり、強制的に保持した後に芯矯正するようなものに比べて加工後の応力変形を抑制することができる(ステップ9)。その後に、芯矯正装置を移動させて、各矯正板をワーク51から離間させる(ステップ10)。このようにして、ワーク51は、各矯正板によって矯正された正規の位置に両端保持された状態で確実に支持されており、ワーク51の外周面の切削加工を精度良く行なうことができる(ステップ11)。そして、加工終了後ワーク51の端面加工切断し、排出することによりワークの処理が完了する(ステップ12)。そして、次のワークに対する処理を同様に繰り返すことができる。
【0031】
なお、本実施例において、芯押しストッパーは、前記ステップ3において、コレットチャックおよびワークの回転に応じて同時に回転するようにしたけれども、コレットチャックおよびワークの回転に先立って、芯押しストッパーを後退させてワークから離間させた後、コレットチャックおよびワークを回転させるようにして、芯押しストッパーの突起の当接箇所を干渉しない位置に代えるようにしてもよい。また、コレットチャックの回転角度を30度として説明したけれども、コレットチャックの回転角度は30度に限定されるものではない。
【0032】
【発明の効果】
本発明は、上述のように構成されているので、次に記載するような効果を奏する。
長尺材の先端部に予めセンター穴を穿設することなく、長尺材を正確に保持することができるようになり、高精度の加工が可能となる。また、長尺材はその軸芯が曲りやズレのない正しい位置で、両端保持されることになり、強制的に保持した後に芯矯正するようなものに比べて加工後の応力変形を抑制することができる。
【0033】
さらに、長尺材の軸芯を矯正した後に、長尺材を両端保持することができるために、加工精度を向上させることができ、また加工後の応力変形が少なく、さらに切削加工量を多くする必要がなく、そのため加工時間を短縮することができるとともに切粉の量を押さえられる。しかも、自動による連続加工を精度良く行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】工機における長尺材の芯矯正および両端保持装置の第1参考例を概略的に図示する構成図である。
【図2】図1におけるA−A方向から見た概略的な構成図である。
【図3】参考例における芯矯正および両端保持方法を工程順に示す工程図である。
【図4】参考例の変形例を図示する概略構成図である。
【図5】参考例の他の変形例を図示する概略構成図である。
【図6】ケンザン状の芯押しストッパーを用いて芯矯正および両端保持を行なった場合の各工程を示す工程図である。
【図7】工機における長尺材の芯矯正および両端保持装置の第2参考例を概略的に図示する構成図である。
【図8】第2参考例における芯矯正および両端保持装置の図2に対応する概略的な構成図である。
【図9】本発明の加工機における長尺材の芯矯正および両端保持装置実施例を概略的に図示する構成図である。
【図10】本発明実施例におけるコレットチャックに連結されている回転台の概略図である。
【図11】本発明実施例における芯矯正および両端保持方法のフローを図示する工程フロー図である。
【図12】本発明実施例におけるコレットチャック、芯押しストッパーおよびワークの回転位置関係を模式的に図示する図面である。
【図13】従来の自動加工機における長尺材の加工態様を図示する概略図である。
【符号の説明】
1、51 長尺材(ワーク)
2、52 コレットチャック
3、53 主軸支持台
4、54 芯押し部材(芯押しストッパー)
5、55 芯押し支持台
8 フェースカッター
9 フェーススピンドル支持台
10 芯矯正装置
11 矯正板保持部材
12(12a、12b、12c) 下面および側面矯正板
13 上面矯正板
16(16a) 押圧板
17 メタルソースピンドル支持台
18 メタルソー
31 ケンザン状芯押しストッパー
70 回転台

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  1. 長尺材を加工部へ繰り出して両端保持した後に、該長尺材の外周および面を加工して短尺製品を作製する加工機において、前記長尺材に突き当たる面に複数の鋭角状の突起を有する芯押し部材を用い、前記長尺材を繰り出して該長尺材の先端面を前記芯押し部材に突き当て、その状態で前記長尺材回転させて前記芯押し部材とともにその角度を変更させて、その後に、前記芯押し部材を前記長尺材から切り離して、前記長尺材の角度を元に復帰させ、そして、芯矯正手段によって前記長尺材の先端部近傍において前記長尺材の芯矯正を行ない、その状態で主軸コレットチャックにより前記長尺材をクランプさせた後に前記芯押し部材を再度前記長尺材の先端部の新たな位置に突き当てて前記長尺材を保持させることによって前記長尺材を両端保持し、その後に、前記長尺材の外周および面の加工を行なうことを特徴とする加工機における長尺材の芯矯正および両端保持方法。
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