JP3630774B2 - カメラ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、フィルムに具備された磁気記録部に記録された磁気情報を再生する磁気再生手段を備えたカメラの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、フィルム給送速度の制御をフィルム給送用モータへの通電の有無によって行うといったものが特開平5−341365号にて開示されている。
【0003】
また、フィルムに具備された磁気記録部に記録された情報を正確に再生する為に、カメラに磁気再生回路のフィルタ定数を変える構成のものが特開平4−258943号にて開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平5−341365号の従来例においては、フィルム給送用モータの通電切換えのタイミング(PWM周波数)に関しては何ら開示がなされていなかった。
【0005】
又、従来はPWM周波数を可聴音領域以外の20KHz程度に設定していた為、磁気再生ヘッドにフィルム給送用モータの磁束変化分がノイズとして重畳してしまい、正しい磁気情報の再生ができないものであった。
【0006】
また、特開平4−258943号の従来例においては、磁気再生回路にフィルタ定数切換回路の追加を必要とする為、回路構成が複雑となり、実装面積の増大を招いていた。
【0007】
(発明の目的)
本発明の目的は、複雑な回路構成にすることなく、ノイズの無い、安定した磁気再生信号を得ることのできるカメラを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の本発明は、フィルムの給送速度を検出するフィルム給送速度検出手段と、フィルム給送用モータと、該フィルム給送用モータへの通電状態を変更する通電状態変更手段と、フィルムに具備された磁気記録部に記録された磁気情報を再生する磁気再生手段とを備えたカメラにおいて、前記フィルム給送速度検出手段の出力に基づいて、前記通電状態変更手段の通電状態変更周波数を設定する変更周波数設定手段を設け、前記通電状態変更手段の通電状態変更周波数が、磁気再生信号周波数よりも高く設定されるようにして、通電状態変更周波数が磁気再生信号周波数に干渉しない様にすると共に、帯域の狭い磁気再生信号のみを通過させるようにしている。
【0010】
また、上記目的を達成するために、請求項2記載の本発明は、フィルムの給送速度を検出するフィルム給送速度検出手段と、フィルム給送用モータと、該フィルム給送用モータへの通電状態を変更する通電状態変更手段と、フィルムに具備された磁気記録部に記録された磁気情報を再生する磁気再生手段とを備えたカメラにおいて、前記フィルム給送速度検出手段の出力に基づいて、前記通電状態変更手段の通電状態変更周波数を設定する変更周波数設定手段を設け、前記通電状態変更手段の通電状態変更周波数が、前記フィルム給送用モータの漏れ磁束周波数よりも高く設定されるようにして、フィルム給送用モータからの漏れ磁束を低減するようにしている。
【0011】
【実施例】
以下、本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
【0012】
図1〜図6は本発明の第1の実施例におけるカメラに係る図であり、図1はカメラの要部構成を示す斜視図である。
【0013】
図1において、1はフィルム、2(2a,2b,2c…)はフィルム1に備わったパーフォレーション、3はフィルム1に具備された磁気記録部、4はフィルムカートリッジ、5はフィルムカートリッジ4の可動遮光窓開閉駆動部である。6はフィルムカートリッジ4に収納されたフィルム1が“露光済”か“未露光”か等の状態を表示するフィルム露光状態表示部であり、白黒のパターンにより表示する。7はフィルムカートリッジ4の可動遮光窓であり、前記可動遮光窓開閉駆動部6により駆動されて開閉する。8はフィルムカートリッジ4のスプール軸であり、該スプール軸8がフィルム1をフィルムカートリッジ4に巻戻す方向に回転することにより、フィルム1がフィルムカートリッジ4内に巻き込まれる。9はフィルムカートリッジ4の表示窓であり、ここを通して後述の検出手段によりフィルム露光状態表示部6の状態検出が行われる。
【0014】
10はフィルム1に具備された磁気記録部3に情報を記録,再生する為の磁気ヘッドである。11は磁気ヘッド10と対向して配置され、予め決められた力でフィルム1を挟むパッドであり、該パッド11と磁気ヘッド10とにより生じる力で磁気ヘッド10をフィルム1上の磁気記録部3に密着させている。12,13はフォトリフレクタであり、フィルム露光状態表示部6の状態やフィルム情報の検出手段を成している。15は可動遮光窓開閉部材であり、この回転により前記可動遮光窓開閉駆動部5を介して可動遮光窓7を開閉する。16は可動遮光窓開閉部材15上の前記可動遮光窓開閉駆動部5への継合部である。17は可動遮光窓開閉部材15上の電極部材であり、可動遮光窓開閉部材15の回転により可動遮光窓開閉検出スイッチ18,19が導通,非導通の状態となる(ここでは、可動遮光窓7が開成となる事により、導通状態となる)。20はギアユニットであり、可動遮光窓開閉用モータ21の駆動力をギア22を介して可動遮光窓開閉部材15を駆動する。23,24はフィルムカートリッジ在否検知スイッチであり、フィルムカートリッジ4が不図示のカメラ本体内のカートリッジ室に挿入されると導通する。
【0015】
25は給送用継合部材であり、この回転によりフィルム1をフィルムカートリッジ4内より押し出したり、巻戻したりすることができる。26はギアユニットであり、フィルム給送用モータ27の駆動力をギア28を介して給送用継合部材25と不図示のフィルム巻取り部材に伝達する。29,30はフィルム1に備わったパーフォレーション(2a,2b,2c…)を検出するフォトリフレクタである。
【0016】
上記構成において、フィルムの巻上げ時には、フィルム給送用モータ27の駆動力がギアユニット26を介して給送用継合部材25及び不図示のフィルム巻取り部材に伝わり、給送用継合部材25はフィルム1をフィルムカートリッジ4内から押し出す方向に回転し、不図示のフィルム巻取り部材はフィルム1を巻取る方向に回転する。これにより、フィルム1がフィルムカートリッジ4内から押し出され、不図示のフィルム巻取り部材に巻き取られるようになり、その後、フィルム巻取り部材の巻取り力が給送用継合部材25により生じる押出し力よりも優勢となると、ギアユニット26内の遊星ギヤが外れて給送用継合部材25の駆動力がなくなる。よって、フィルム巻取り時のフィルム給送用モータ27の給送負荷を減ずることができる。
【0017】
また、フィルム1の巻戻し時は、フィルム給送用モータ27は逆回転し、給送用継合部材25はフィルム1をフィルムカートリッジ4に巻込む方向に回転し、フィルム1をフィルムカートリッジ4内に巻込むことができる。
【0018】
次に、フィルム給送時の前記フォトリフレクタ29,30の働きについて説明する。
【0019】
フィルム1が移動し、フォトリフレクタ29の前をパーフォレーション2(例えば2b)が通過すると、該フォトリフレクタ29にパルス信号が発生し、このパルス信号の立上りと立下り(パーフォレーション2aのスタートエッジとエンドエッジ)に応答してフィルム1の移動速度に応じた記録周波数の信号が磁気ヘッド10に印加され、磁気記録がなされる。次にフォトリフレクタ30の前をパーフォレーション2(2b)が通過し、該フォトリフレクタ30にパルス信号が発生すると、後述の制御回路によってフィルム給送用モータ27への通電が時分割とされ、該フィルム1が停止し易いように減速される。そして、次のパーフォレーション2(2c)がフォトリフレクタ29の位置を通過することにより、この瞬間にフィルム給送用モータ27の両端電極がGND電位にとされ、ブレーキがかけられてフィルム1が停止される。
【0020】
図2はフィルム1へ磁気ヘッド10により磁気情報の記録を行う際の様子を示す図である。
【0021】
図2において、14a〜14eはフィルム1上の露光部であり、14a〜14cは露光済駒を、14d〜14eは未露光駒を、それぞれ示している。その他の部分は前述した通りである。
【0022】
図3は上記のカメラの電気的構成を示すブロック図であり、図1と同じ部分は同一符号を付してある。
【0023】
図3において、31は制御回路、32はオートフォーカス制御(AE),自動露出量制御(AE),シャッタ制御(SH)等その他の制御回路、33はLCD等による表示部、34は発音体、35,36は可動遮光窓開閉用モータ21,フィルム給送用モータ27を駆動するドライバ回路、37は前記磁気ヘッド10を駆動して情報の記録を行ったり、情報の再生を行う磁気記録再生部である。
【0024】
SW1は不図示のレリーズボタンの第1ストロークによりONするスイッチ、SW2は不図示のレリーズボタンの第2ストロークによりONするスイッチ、SW3はフィルムを途中で巻戻する際に使用する巻戻しスイッチである。SW4は前記可動遮光窓開閉検出スイッチ18,19に相当する可動遮光窓開閉検出スイッチ、SW5は前記フィルムカートリッジ在否検知スイッチ23,24に相当するフィルムカートリッジ在否検知スイッチ、SW6はカートリッジ室蓋閉検知スイッチである。
【0025】
次に、上記構成のカメラ(制御回路31)の動作について、図4のフローチャートにより説明する。
【0026】尚、図4のフローにおいては、フィルム露光状態表示部6をEI(Exposuer Indicator) とし、その表示状態が“全駒露光済”であることをE(Exposed)、“現像済”であることをPr(Processed)、“部分露光済”であることをPa(Partially exposed)、“未露光駒”であることをF(Flesh )と、それぞれ略記している。また、可動遮光窓7をLL(Light Look)と略記している。
【0027】
カメラに電源が投入されると、ステップS101を介してステップS102において、カートリッジ室蓋が閉か否かをカートリッジ室蓋閉検知スイッチSW6の状態より検出する。もしカートリッジ室蓋が開状態ならばこのステップに留まる。その後、カートリッジ室蓋の閉を検知することによりステップS103へ進み、ここではフィルムカートリッジ在否検知スイッチSW5の状態よりフィルムカートリッジ4の在否を検出する。もしフィルムカートリッジ4が装填されていなければステップS102へ戻り、同様の動作を繰り返す。又フィルムカートリッジ4が装填されていればステップS104へ進む。
【0028】
ステップS104においては、ドライバ回路35により可動遮光窓開閉用モータ21を駆動し、可動遮光窓開閉部材15を介してフィルムカートリッジ4の可動遮光窓開閉駆動部5を回転させ、可動遮光窓7の開動作を開始する。そして、可動遮光窓開閉検出スイッチSW4が導通状態になったら、前記可動遮光窓開閉用モータ21を停止する。これにより可動遮光窓7が開き、フィルムカートリッジ4のスプール軸8が回動可能となる。よって、今度は制御回路31はドライバ回路36によりフィルム給送用モータ27を駆動し、給送用継合部材25を回転させてフィルムカートリッジ4内よりフィルム1の押し出しを開始する。
【0029】
次のステップS105においては、前記フィルム給送に連動してフィルム露光状態表示部6が回転するが、その表面に白黒パターンにて記録された各種の情報、つまり露光可能なフィルム規定駒数,フィルム感度(ISO),フィルム種類等のフィルム情報をフォトリフレクタ12,13によって読み取る。又この際、フィルム露光状態表示部6の状態をも読み取る。
【0030】
そして、ステップS106において、上記フォトリフレクタ12,13にて読み取ったフィルム露光状態表示部6の状態を判別する。この結果、フィルム全露光の状態である“全駒露光済”又は“現像済”であることを判別した場合にはステップS119へ進み、“未露光”であることを検出した場合にはステップS107へ進み、“部分露光済”であることを検出した場合にはステップS120へ進む。
【0031】
まず、“未露光”であることを判別したとして、ステップS107へ進んだ場合の動作について説明する。
【0032】
ステップS107からステップS109までにおいては、ドライバ回路36によりフィルム給送用モータ27を駆動し、フィルムカートリッジ4内よりフィルム1の押し出しを開始し、このフィルムの給送において、パーフォレーション2を検出するフォトリフレクタ29及び30の出力信号を監視しつつ、撮影駒数Kの値を「0」にし、やがてフィルム1の第1駒(フレーム)が撮影可能位置に達すると上記フィルム給送用モータ27への通電を停止しすると共に、前記撮影駒数を「1」に設定する。
【0033】
次のステップS110においては、不図示のレリーズボタンが押されてスイッチSW1がONしたか否かを検知し、ONしていなければONするまでこのステップに留まる。その後、該スイッチSW1がONするとステップS111へ進み、制御回路32を用いて公知の測光及び測距動作を行い、かつ、得られる測距情報に基づいてオートフォーカス制御を行う。
【0034】
次のステップS112においては、さらに前記レリーズボタンが押されてスイッチSW2がONしたか否かを検知し、ONしていなければ上記ステップS111へ戻って同様の動作を繰り返す。その後、該スイッチSW2がONするとステップS113へ進み、再び制御回路32を用いて上記の測光動作により得られた測光情報に基づいてシャッタを開閉制御を行う。そして、ステップS114において、ドライバ回路36を介してフィルム給送用モータ27を駆動してフィルムの1駒巻上げを行う。この際、パーフォレーション検出用のフォトリフレクタ29の出力に基づいて記録周波数を決定し、磁気ヘッド10を駆動してフィルム1に具備された磁気記録部3に日付,シャッタ速度等の撮影情報の記録を行う。
【0035】
次に、ステップS115において、途中取出しスイッチSW3の状態を調べ、もしONしていたならばフィルムの途中取出しを行う為にステップS124へ進み、ドライバ回路36を介してフィルム給送用モータ27を逆転させてフィルムの巻戻しを開始し、パーフォレーション検出用のフォトリフレクタ29より信号が発生しなくなることにより、前記フィルム給送用モータ27の駆動を停止する。そして、次のステップS125において、パーフォレーション検出用のフォトリフレクタ29より信号が発生しなくなってから一定時間後、前記フィルム給送用モータ27をフォトリフレクタ12,13の信号に応じて再び駆動制御し、フィルム露光状態表示部6の回転位置を“部分露光済”の状態に合わせる。
【0036】
次に、ステップS126において、ドライバ回路35を介して可動遮光窓開閉用モータ21を駆動して可動遮光窓7を閉じ、次のステップS127において、フィルムカートリッジ取出し可能の表示を表示部33に行う。そして、ステップS128において一連の動作を終了する。
【0037】
また、上記ステップS115において途中取出しスイッチSW3がOFFであった場合には、ステップS116へ進み、ここで撮影駒数Kが規定駒数(最終フレーム)に達しているかどうかを調べ、達していなければステップS109へ戻り、撮影駒数Kの値を「+1」する。そして、前述のステップS110以降の動作を行う。
【0038】
その後、前記ステップS116において撮影駒数Kが規定駒数に達したことを検出した場合には、ステップS117へ進み、ドライバ回路36を介してフィルム給送用モータ27を逆転させてフィルムの巻戻しを開始し、パーフォレーション検出用のフォトリフレクタ29より信号が発生しなくなることにより、前記フィルム給送用モータ27の駆動を停止する。そして、次のステップS118において、パーフォレーション検出用のフォトリフレクタ29より信号が発生しなくなってから一定時間後、前記フィルム給送用モータ27をフォトリフレクタ12,13の信号に応じて再び駆動制御し、フィルム露光状態表示部6の回転位置を“露光済”の状態に合わせる。
【0039】
その後は前述したステップS126へ進み、ドライバ回路35を介して可動遮光窓開閉用モータ21を駆動して可動遮光窓7を閉じ、次のステップS127において、フィルムカートリッジ取出し可能の表示を表示部33に行い、ステップS128において一連の動作を終了する。
【0040】
次に、上記ステップS106において、フィルム露光状態表示部6の状態が“露光済”もしくは“現像済”であることを検出した場合について説明する。
【0041】
この場合はスプール軸8が回転してフィルム露光状態表示部6の位置が変ってしまう場合があり、また、露光済の場合は可動遮光窓7が開状態では感光してしまうので、ステップS106からステップS119へ進み、フィルム給送用モータ27をフォトリフレクタ12,13の出力信号に応じて駆動制御してフィルム露光状態表示部6を元の状態に合せる。そして、前述のステップS126へ進み、ドライバ回路35を介して可動遮光窓開閉用モータ21を駆動して可動遮光窓7を閉じ、次のステップS127において、フィルムカートリッジ取出し可能の表示を表示部33に行い、ステップS128において一連の動作を終了する。
【0042】
次に、上記ステップS106において、フィルム露光状態表示部6の状態が“部分露光済”であることを検出した場合について説明する。
【0043】
この場合はステップS106からステップS120へ進み、ドライバ回路36によりフィルム給送用モータ27を駆動し、給送用継合部材25を回転させてフィルムカートリッジ4内よりフィルム1の押し出しを開始する。なお、ここでの動作は本発明において重要であるので、図5のフローチャートを用いて詳細は後述する。
【0044】
そして、次のステップS121において、前記フィルム給送に連動してフィルム露光状態表示部6が回転するが、その表面に白黒パターンにて記録された各種の情報(露光可能なフィルム規定駒数,フィルム感度,フィルム種類等の情報)をフォトリフレクタ12,13によって読み取る。次いでステップS122において、フィルム給送用モータ27を駆動してフィルム1の給送制御を行い、Kフレームを撮影可能な位置に合せる。この際、K−1フレームまで磁気記録情報であるディジタル信号を検出し、Kフレームでディジタル信号を検出できない時は、フィルム1を巻戻し、再度K−1フレームのディジタル信号を検出する。K−1フレームでディジタル信号が再度検出されたならば、磁気ヘッド10にゴミの付着がないと考えられることからKフレームは「未露光」と判別できるので、上記の様にKフレームを撮影可能な位置に合せる。
【0045】
次いでステップ123において、途中取出しフィルムカートリッジの再セット完了の表示を表示部33に行い、これにより撮影準備が整ったことになるので、前述のステップS110へ進み、スイッチSW1のON待機の状態に入る。
【0046】
図5は、上記ステップ120において行われる“部分露光済”のフィルムカートリッジ4が装填されている際のフィルム給送時の動作を示すフローチャートであり、以下これに従って説明する。
【0047】
図4のステップ120へ動作が移行すると、図5のステップS201を介してステップS202の動作を開始する。ステップS202においては、ドライバ回路36によりフィルム給送用モータ27を駆動し、フィルムカートリッジ4内よりフィルム1の押し出しを開始する。次のステップS203においては、フィルム給送中のフィルム1に具備されたパーフォレーション2のスタートエッジをフォトリフレクタ29によって検出できたか否かを判別し、検出できない場合はステップS203へ戻り、同様の動作を繰り返す。
【0048】
その後、フォトリフレクタ29によってパーフォレーション2のスタートエッジを検出できるとステップS204へ進み、フィルム速度検出タイマTFSをスタートさせ、次のステップS205において、フォトリフレクタ29によって上記パーフォレーション2のエンドエッジを検出できるまでこのステップに留まる。そして、パーフォレーション2のエンドエッジが検出できるとステップS206へ進み、上記フィルム速度検出タイマTFSをストップさせる。これにより、あるパーフォレーション2がフォトリフレクタ29の前を通過し終えるまでのタイマ値が得られることになる。
【0049】
次のステップS207においては、あらかじめ決められたフィルム給送用モータ27に通電するパルス幅変調のパルス幅(フル充電時のフィルム速度検出タイマTFSによりあらかじめ実験的に求められたパルス幅変調のパルス幅)を上記フィルム速度検出タイマTFSにより切り換える。これは、フィルム給送速度を一定に保持する為である。通電パターンとしては、通電とショートの繰り返しが望まれる。しかし、通電パターンとして、通電とオープンの繰り返しでも良い。
【0050】
以上の動作を終了すると、ステップS208を経てこのフローをリターンし、図4のステップS121へ進む。
【0051】
図6は、フィルム給送用モータ27の駆動時のパルス幅変調のパルスクロックと磁気記録再生部37の周波数特性を示す図である。
【0052】
本実施例では、図6に示す様に、フィルム給送用モータ27の駆動時におけるパルス幅変調のパルスクロックを、磁気記録再生部37の再生周波数領域外(高い周波数)に設定するようにしている。よって、磁気再生信号にパルス幅変調のノイズが重畳することがなくなり、常に磁気情報の再生を適正に行うことができる。
【0053】
尚、フィルム給送速度がパルス幅変調により低下するので、磁気記録再生部37の再生領域幅を狭くすることができる。磁気ヘッド10,磁気記録再生部37が生じる雑音は周波数帯域に応じて増大するので、再生帯域を狭くすることにより雑音出力を減少させることができる。
【0054】
上記第1の実施例によれば、フィルム給送速度を一定にする様にしている為、安定した磁気再生信号を得ることができる。
【0055】
また、フィルム給送用モータ27の通電切換え周波数を磁気再生信号の周波数よりも高く設定する様にしている為、ノイズの無い磁気再生信号を得ることができる。
【0056】
(第2の実施例)
図7は本発明の第2の実施例におけるカメラに係る図であり、図2のドライバ回路36,フィルム給送用モータ27の内部構成を示す回路図である。
【0057】
図7において、40はモータドライバIC、41は電源、42はモータ駆動用電源、43,44,45はコンデンサであり、これらによりドライバ回路36を構成している。46はコンデンサ、47はモータであり、これらによりフィルム給送用モータ27を構成している。
【0058】
上記の構成において、フィルム給送用モータ27に通電,ショートを繰り返すパルス幅変調制御の周波数(PWM周波数)を印加し、その周波数を変えていくと、フィルム給送用モータ27の発生する漏れ磁束は図8の様な周波数特性を示す。この特性は、モータ47のインダクタンスLとコンデンサ46の容量Cにより主に決定される。
【0059】
又、付加するコンデンサ46の容量Cの値によりモータ47の駆動の立上り,停止の制御性が変わる。よって、制御性に影響のない範囲内で大きくすることにより、漏れ磁束周波数特性を図8中のA→Bの低周波方向へ移動でき、パルス幅変調周波数の特性範囲を拡大できる。
【0060】例えば、モータ47のインダクタンスLを「100μH」とし、コンデンサ46の容量Cを「0.1 μF」とすると、パルス幅変調周波数fは
となり、パルス幅変調周波数を50KHz以上とする。
【0061】
この様に、フィルム給送用モータ27の通電切換え周波数を該モータの漏れ磁束発生周波数よりも高くすることにより、フィルム給送モータ27からの磁束漏れを無くすことが実験的にも確認できており、ノイズの無い磁気再生信号を得ることができる。
【0062】
(発明と実施例の対応)
本実施例において、磁気ヘッド10及び磁気記録再生部37が本発明の磁気再生手段に相当し、フォトリフレクタ29,30が本発明のフィルム給送速度検出手段に相当し、ドライバ回路36が本発明の通電状態変更手段に相当し、制御回路31が本発明の変更周波数設定手段に相当する。
【0063】
以上が実施例の各構成と本発明の各構成の対応関係であるが、本発明は、これら実施例の構成に限定されるものではなく、請求項で示した機能、又は実施例がもつ機能が達成できる構成であればどのようなものであってもよいことは言うまでもない。
【0064】
(変形例)
本発明は、フォトリフレクタによりパーフォレーションを検出することでフィルムの給送速度を検出する様にしていたが、回転するパルス板を用いて行う方法等、他のどのような方法であっても本発明は適用できるものである。
【0065】
また、本発明は、一眼レフカメラ,レンズシャッタカメラ等、何れのカメラにも適用できるものである。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、通電状態変更手段の通電状態変更周波数を磁気再生信号周波数よりも高く設定し、通電状態変更周波数が磁気再生信号周波数に干渉しない様にすると共に、帯域の狭い磁気再生信号のみを通過させるようにしている。
【0068】
また、本発明によれば、通電状態変更手段の通電状態変更周波数をフィルム給送用モータの漏れ磁束周波数よりも高く設定するようにし、フィルム給送用モータからの漏れ磁束を低減するようにしている。
【0069】
よって、複雑な回路構成にすることなく、ノイズの無い、安定した磁気再生信号を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例におけるカメラの要部構成を示す斜視図である。
【図2】図1のカメラにおいてフィルムへ磁気ヘッドにより磁気情報の記録を行う際の様子を示す図である。
【図3】図1のカメラの電気的構成を示すブロック図である。
【図4】図1のカメラの動作を示すフローチャートである。
【図5】図4のステップ120におけるフィルム給送動作を示すフローチャートである。
【図6】図1の磁気再生回路の周波数特性とフィルム給送用モータのパルス幅変調周波数特性の関係を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施例における主要部分の構成を示す回路図である。
【図8】図7のフィルム給送用モータの漏れ磁束周波数特性について説明する為の図である。
【符号の説明】
1 フィルム
2 パーフォレーション
3 磁気記録部
4 フィルムカートリッジ
10 磁気ヘッド
12,13 フォトリフレクタ
27 フィルム給送用モータ
31 制御回路
35 ドライバ回路
37 磁気記録再生部
Claims (2)
- フィルムの給送速度を検出するフィルム給送速度検出手段と、フィルム給送用モータと、該フィルム給送用モータへの通電状態を変更する通電状態変更手段と、フィルムに具備された磁気記録部に記録された磁気情報を再生する磁気再生手段とを備えたカメラにおいて、前記フィルム給送速度検出手段の出力に基づいて、前記通電状態変更手段の通電状態変更周波数を設定する変更周波数設定手段を設け、前記通電状態変更手段の通電状態変更周波数は、磁気再生信号周波数よりも高く設定されるようにしたことを特徴とするカメラ。
- フィルムの給送速度を検出するフィルム給送速度検出手段と、フィルム給送用モータと、該フィルム給送用モータへの通電状態を変更する通電状態変更手段と、フィルムに具備された磁気記録部に記録された磁気情報を再生する磁気再生手段とを備えたカメラにおいて、前記フィルム給送速度検出手段の出力に基づいて、前記通電状態変更手段の通電状態変更周波数を設定する変更周波数設定手段を設け、前記通電状態変更手段の通電状態変更周波数は、前記フィルム給送用モータの漏れ磁束周波数よりも高く設定されるようにしたことを特徴とするカメラ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15670095A JP3630774B2 (ja) | 1995-06-01 | 1995-06-01 | カメラ |
Applications Claiming Priority (1)
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