JP3630391B2 - 金属化プラスチックフィルムコンデンサの端面電極用素材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウム(Al)等の蒸着されたポリプロピレン(PP),ポリエチレンテレフタレート(PET)等の誘導体フィルムを巻回および積層等した金属化プラスチックフィルムコンデンサの端面に対して、溶射技術により端面電極を形成するメタリコン材となる端面電極用素材に係る技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、金属化プラスチックフィルムコンデンサの端面電極用素材としては、電気的特性,耐久性等の面から、Zn−Sn−Pb合金系のものが広範に使用されてきている。
【0003】
然しながら、最近Pbの毒性による環境汚染等が問題になり、Pbを含まないいわゆる無鉛合金が各種開発されるようになってきている(例えば、Zn−Al合金系の特開平57−187926号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述の従来の金属化プラスチックフィルムコンデンサの端面電極用素材では、電気的特性,耐久性等について充分な効果が得られていないという問題点がある。
【0005】
本発明は、このような問題点を考慮してなされたもので、無鉛合金であって電気的特性,耐久性等について充分な効果が得られる金属化プラスチックフィルムコンデンサの端面電極用素材を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するため、本発明に係る金属化プラスチックフィルムコンデンサの端面電極用素材は、次のような手段を採用する。
【0007】
即ち、請求項1に記載のように、Sn78〜82重量%、Zn16.5〜20.5重量%、Cu0.2〜0.8重量%、Sb1〜4重量%からなる合金であって、誘導体フィルムに溶射して端面電極を形成するメタリコン材となる。
【0008】
この手段では、無鉛合金であるにもかかわらず、特に電流特性について有効な効果が得られる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る金属化プラスチックフィルムコンデンサの端面電極用素材の実施の形態を説明する。
【0010】
本発明に係る金属化プラスチックフィルムコンデンサの端面電極用素材の実施の形態は、Alの蒸着された誘導体フィルムを巻回および積層等した金属化プラスチックフィルムコンデンサの端面に対して、溶射技術により端面電極を形成する線状のメタリコン材となるものを挙げている。
【0011】
実施の形態(1)
Sn94重量%,Zn3重量%,Cu2重量%,Sb1重量%の合金からなる。
【0012】
この実施の形態は、特にポリエチレンテレフタレートからなる誘導体フィルムについて有効である。そして、Sn92〜96重量%,Zn1〜5重量%,Cu1〜3重量%,Sb0.5〜2.0重量%の範囲で有効性を発揮する。
【0013】
この合金は、ある程度の大きさのビレットに鋳込まれた後、長さを揃えてからプレス装置により5.0mm程度の線径になるように押出されて、線状の溶射用のメタリコン材に形成される。
【0014】
この実施の形態は、固相温度228℃,液相温度311℃,比重7.315,硬度12.0Hv,伸び47.5%,抗張力3.83Kg/mm2,電気比抵抗12.8μΩcm,電導率13.5%の物理特性を有する。
【0015】
実施の形態(2)
Sn80重量%,Zn18.5重量%,Cu0.5重量%,Sb1重量%からなる。
【0016】
この実施の形態は、特にポリプロピレンからなる誘導体フィルムについて有効である。そして、Sn78〜82重量%,Zn16.5〜20.5重量%,Cu0.2〜0.8重量%,Sb1〜4重量%の範囲で有効性を発揮する。
【0017】
この合金は、ある程度の大きさのビレットに鋳込まれた後、長さを揃えてからプレス装置により5.0mm程度の線径になるように押出されて、線状の溶射用のメタリコン材に形成される。
【0018】
この実施の形態は、固相温度199.8℃,液相温度265℃,比重7.280,硬度16.8Hv,伸び42.5%,抗張力9.21Kg/mm2,電気比抵抗11.0μΩcm,電導率15.7%の物理特性を有する。
【0019】
【実施例】
実施の形態(1)(S1),(2)(S2)について、電流試験,耐食性試験を行うために、以下のように無外装のサンプル2を作成した。
【0020】
【0021】
さらに、比較すべき鉛合金(S3)として、本出願人の製造販売に係る商品名「アルミメタルTM−105」を採用した。この鉛合金についても前記と同様の無外装のサンプル2を作成した。
【0022】
なお、この鉛合金は、Zn37〜39重量%,Sb0.5〜1.5重量%,Cu0.05〜0.10重量%,Pb53.90〜57.95重量%からなる。また、この鉛合金の物理特性は、固相温度170℃,液相温度224℃,比重9.120,硬度15.4Hv,伸び24.0%,抗張力2.80Kg/mm2,電気比抵抗13.7μΩcm,電導率12.5%である。
【0023】
【試験例】
▲1▼電流試験
図1に示す回路にて、スイッチ1を2秒/回の開閉頻度で各電流値20回を1ステップとするステップアップ方法で評価した。図1に示す回路は、スイッチ1,サンプル2,直流電源3,放電用コンデンサ(40μF)4,充電抵抗(50Ω)5,放電抵抗(1Ω)6で構成されている。なお、電流は、パルス電流とした。判断基準となるピーク電流値は、電流プローブにて波高値を測定し電源電圧にて調整した。
【0024】
この試験結果は、図2に示す表に示されている。なお、表中の分母は、試験したサンプル2の数である。また、表中の分子は、試験後に異常のなかったサンプル2の数である。異常条件は、初期容量の±3%以上の変化のあったとき(容量)、1KHzにおいて0.7%,10KHzにおいて2.0%をこえたとき(tanδ)、3000MΩ以下のものとなったもの(1R)とした。
【0025】
この試験結果では、試験電流値が220AをこえるとS3の半数以上が異常となる。また、S1については、試験電流値が260Aまで異常が認められない。また、S2については、試験電流値が280Aまで異常が認められない。
【0026】
▲2▼耐食性試験
サンプル2を恒温恒湿設備で40℃×95RHの雰囲気下に放置してtanδの変化を調べた。異常条件は、1KHzにおいて0.7%,10KHzにおいて2.0%をこえたときとした。
【0027】
この試験結果は、図3に示す表に示されている。○は、異常なし。×は、異常あり。△は、送風機の風当たり条件等により判断不明瞭である。
【0028】
この試験結果では、S1,S2,S3に差が認められなかった。
【0029】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る金属化プラスチックフィルムコンデンサの端面電極用素材は、環境汚染等の問題を引起こすことのない無鉛合金であるにもかかわず、電気的特性,耐久性等について充分な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る金属化プラスチックフィルムコンデンサの端面電極用素材の実施の形態の試験回路を示す構成図である。
【図2】本発明に係る金属化プラスチックフィルムコンデンサの端面電極用素材の実施の形態の電流試験の結果を示す表である。
【図3】本発明に係る金属化プラスチックフィルムコンデンサの端面電極用素材の実施の形態の耐食性試験の結果を示す表である。
【符号の説明】
1 スイッチ
2 サンプル
S1 サンプル
S2 サンプル
S3 サンプル
Claims (1)
- Sn78〜82重量%、Zn16.5〜20.5重量%、Cu0.2〜0.8重量%、Sb1〜4重量%からなる合金であって、誘導体フィルムに溶射して端面電極を形成するメタリコン材となる金属化プラスチックフィルムコンデンサの端面電極用素材。
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JP22318498A JP3630391B2 (ja) | 1998-08-06 | 1998-08-06 | 金属化プラスチックフィルムコンデンサの端面電極用素材 |
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JP22318498A JP3630391B2 (ja) | 1998-08-06 | 1998-08-06 | 金属化プラスチックフィルムコンデンサの端面電極用素材 |
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JP22318498A Expired - Lifetime JP3630391B2 (ja) | 1998-08-06 | 1998-08-06 | 金属化プラスチックフィルムコンデンサの端面電極用素材 |
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- 1998-08-06 JP JP22318498A patent/JP3630391B2/ja not_active Expired - Lifetime
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