JP3630382B2 - 写真フイルムカートリッジの製造方法及びサイドプリント装置 - Google Patents

写真フイルムカートリッジの製造方法及びサイドプリント装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カートリッジケース及びその中に収納された写真フイルムストリップの両者に共通のID番号が付与された写真フイルムカートリッジの製造方法に関し、さらに写真フイルムストリップにID番号を付与するためのサイドプリント装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近実用化されたアドバンスト・フォト・システム(Advanced Photo−System) では、型式名IX240の写真フイルムカートリッジが用いられる。この写真フイルムカートリッジは、プラスチック製のカートリッジケースに写真フイルムストリップを収納したもので、カメラに装填する前あるいは取り出した状態では写真フイルムストリップがその先端も含めてカートリッジケース内に巻き込まれており、カートリッジケースに組み込まれた遮光蓋によってフイルム通路が閉じられている。写真フイルムストリップはカートリッジケース内でスプールに巻かれており、遮光蓋を開いた状態ではスプールを外部から回転させてやることによって、写真フイルムストリップの送り出しと巻込みができるようになっている。そしてこのカートリッジケースは、内蔵されたスプールとともに現像後の写真フイルムストリップの収納容器としても用いられる。
【0003】
現像所では、フイルム現像のためにカートリッジケースから写真フイルムストリップを一旦取り外し、そして所定の現像処理を終えた後に再び元のカートリッジケースと組み合わせてその中に巻き込む。そして、以後のプリント処理についてはカートリッジケースごとプリンタで取り扱うようにしている。このとき、カートリッジケースと写真フイルムストリップとの整合を確実にするために、カートリッジケースと写真フイルムストリップとの両者に共通のID番号が付されている。なお、ID番号は数字のみならずアルファベット等の文字を含むコード形態のものでもよい。
【0004】
写真フイルムストリップにID番号を付すにあたっては、写真フイルムストリップの製造時にそのエッジ部分に沿ってサイドプリントが行われ、目視確認用の例えば9桁の数字列と、この数字列に対応したバーコードとが潜像として記録される。これらのID番号はフイルム現像によって顕在化し、目視及びバーコードリーダでの自動読み取りが可能となる。一方、カートリッジケースには同一の数字列とバーコードとを印刷したラベルが貼付されており、目視やバーコードリーダによってその読み取りが行われ、写真フイルムストリップのID番号との照合を行うことができる。
【0005】
上記のID番号は、現像所で単にカートリッジケースと写真フイルムストリップとの照合に用いられるだけでなく、フイルムメーカーでは写真フイルムカートリッジの製造情報管理用にも利用している。そして、未現像状態ではカートリッジケースからID番号が特定され、現像後ではカートリッジケースあるいは写真フイルムストリップのいずれかからでもID番号が特定されれば、その写真フイルムカートリッジの製造履歴情報が分るようにしてある。
【0006】
製造履歴情報としては、例えば写真フイルムカートリッジの製造年月日,製造ロット番号、写真フイルムストリップの乳剤番号やフイルムベースのロット番号あるいはフイルム種別、さらにはカートリッジケースを構成しているプラスチック部品個々についての製造ロット番号や成形条件などが含まれる。したがって、市場あるいは流通過程で発生したクレーム品のID番号に基づいて、同時期あるいは同一ロット品として製造された製品のID番号も検索することができ、これらに対しても迅速な対応をとることができるようになる。
【0007】
こうした事情から、写真フイルムカートリッジの製造段階では、写真フイルムストリップにサイドプリントされるID番号と、カートリッジケースに付されるID番号とを完全に一致させておくことが要請され、これに適用可能な従来の類似技術として以下のものがある。特公平3−36203号公報に記載された発明では、ディスクフイルム収納用のカートリッジケースを製造する段階で予めID番号を付与しておき、ディスクフイルムと組み合わせるときにカートリッジケースからID番号を読み出し、これをディスクフイルムにサイドプリントした後に両者を組み合わせるようにしている。
【0008】
また、特公平4−59627号公報記載の発明では、感光材料の包装工程において、包装材料に予め付された識別標識(フイルムの種別を表す標識)と写真フイルムストリップにサイドプリントされる識別標識との不一致を防ぐために、サイドプリントを行う前に包装材料から識別標識を読み取り、これに基づいてサイドプリントを行う識別標識を決めるようにしている。さらに特開平8−54710号公報記載の発明では、写真フイルムストリップとカートリッジケースとを組み合わせる工程中に印刷工程を含ませ、カートリッジケースに貼付されるラベルにID番号を印刷するとともに、これと同じID番号を写真フイルムストリップにサイドプリントで付与している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特公平3−36203号公報記載の手法では、ID番号がカートリッジケースの製造段階でのみ適宜に付与されてしまうため、例えばカートリッジケースを複数の製造設備を用いて並行して製造したり、またカートリッジケースそのものに不良が発生してこれを除去すると、そのID番号が欠番となったりすることを考慮すると、工場から製品を出荷する段階でID番号の割り付けに統一性を持たせることがきわめて困難になる。そして欠番が多量に発生したときには、限られた桁数のID番号では同じものを再度使用せざるを得なくなり、品質管理上、問題が生じやすい。さらに、カートリッジケースのラベルから読み込んだID番号をサイドプリントしてから、これを対応するカートリッジケースに組み合わせるまでの工程数が多く、その間でのトラッキングが煩雑になりやすいという欠点もある。
【0010】
特公平4−59627号公報記載の発明が対象としている情報は、フイルムの種別情報に類する識別標識であり、フイルムの種別ごとに共通した情報となっている。したがって、製品一個一個で異なるID番号と比較して情報量が少なくて済み、その範囲では特に処理の高速化は要求されないが、このシステムでID番号を取り扱うようにした場合には高速化処理が難しく量産適性に欠ける。しかも、サイドプリントされた識別標識と包装材料に付された識別標識との照合については全く顧慮されていないため、サイドプリント工程でエラーが発生したときには迅速な対応をとることができない。
【0011】
特開平8−54710号公報記載の手法は、カートリッジケースと写真フイルムストリップとの組み合わせ工程中にカートリッジケースのラベルにID番号を印刷する工程を含ませたものであるが、ID番号の利用形態を考慮すると、高品位かつ耐久性のある印刷が必要になるため、印刷工程に時間がかかって製造効率の低下が避けられない。その改善のために印刷工程中で複数台の印刷機を並列して利用すると、これらの印刷機に統一的なID番号の割り付けが困難になるだけでなく、印刷後のラベル搬送と写真フイルムストリップの搬送との同期制御も面倒になり、設備のコストアップ、複数個所での印刷品質の管理など、別の問題が生じてくる。また、カートリッジケースに付与されたID番号と写真フイルムストリップにサイドプリントされたID番号との再照合は全く行われていない。
【0012】
本発明は上記従来技術を考慮してなされたもので、その目的は、本出願人が特願平8−66939号で提案した写真フイルムカートリッジの製造方法を基本とし、その製造ラインを複雑化させることなく、カートリッジケースと写真フイルムストリップとの両者に共通に付与されるID番号が両者間で不一致になることを確実に回避することにあり、しかも潜像としてサイドプリントされるID番号の内容がカートリッジケースに付されたID番号と一致しているか否かの照合をも可能とした写真フイルムカートリッジの製造方法を提供し、さらに的確にID番号のサイドプリントが行われたか否かを確認することができる検知機能を備えたサイドプリント装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、長尺写真フイルムと組立済みのカートリッジケースの供給を受け、ID番号のサイドプリントを行って撮影コマ数に応じた長さに切断された写真フイルムストリップをカートリッジケースに巻き込む巻込み機の作動を巻込み機管理コンピュータによって管理,制御するとともに、供給されたカートリッジケースにID番号が予め付与されたラベルを貼付するラベル貼り装置についても巻込み機管理コンピュータの管理下に置く。
【0014】
写真フイルムカートリッジの製造に際しては、トータル的に写真フイルムカートリッジの生産を管理している生産情報管理コンピュータから予め巻込み機管理コンピュータにID番号を送信しておき、巻込み機管理コンピュータによって制御されるサイドプリント装置は、この受信したID番号にしたがってサイドプリントを行う。さらに、ラベル貼り装置によってカートリッジケースに貼られたラベルからID番号が読み取られ、そのカートリッジケースに組み合わせて巻き込まれる写真フイルムストリップに付与されたID番号との照合が巻込み機管理コンピータによって行われ、カートリッジケースと写真フイルムストリップの各々に付与されたID番号の不一致を防ぐことができる。
【0015】
また、請求項2記載のように、サイドプリントを行う前にカートリッジケースのラベルからID番号を読み取り、このID番号を生産情報管理コンピュータから受信したID番号と照合してその一致を確認した上でID番号のサイドプリントを行ってもよい。この場合には、誤ったID番号をサイドプリントしてしまうことを事前に回避することが可能となる。なお、サイドプリント工程を行う際には、生産情報管理コンピュータから受信した標準データ、例えば写真イルムの種別、感度、撮影可能枚数などのデータをID番号と組み合わせてサイドプリントを行うことも可能である。
【0016】
量産効率を高めるには、サイトプリント工程とサイドプリント後の写真フイルムストリップをカートリッジケースに巻き込む巻込み工程とを並行して行うのが有利である。このため、巻込み工程で処理されている写真フイルムストリップに後続する別の写真フイルムストリップに対しては、これに対応した別のID番号のサイドプリントが行われることになる。したがって、巻込み工程に送られる前のカートリッジケースのラベルからID番号の読み取りが行われ、かつこのカートリッジケースと組み合わされる写真フイルムストリップにサイドプリントすべく生産管理情報コンピュータから送信されたID番号との照合は、巻込み工程以前に行っておくのがよい。
【0017】
サイドプリント工程を行うときに、生産情報管理コンピュータから送信されてきたID番号と、カートリッジケースのラベルから読み取ったID番号との照合が行われ、写真フイルムストリップに付与されるID番号の確認が行われるが、さらにサイドプリント後の写真フイルムストリップを巻込み工程に送って対応するカートリッジケースに巻込みする際にも、両者のID番号を再度照合してその一致を確認するのがよい。
【0018】
本発明に用いられるサイドプリント装置は、複数の発光素子を写真フイルムストリップの搬送方向に対して略直交する向きに並べたプリントヘッドを有しており、生産情報管理コンピュータから受信したID番号をドットパターンに展開した後に、前記複数の発光素子を写真フイルムストリップの搬送に同期して選択的に駆動してドット単位でID番号のサイドプリントを実行する。このサイドプリント工程中、各発光素子の点灯/非点灯を発光検知手段で検知することにより、複数の発光素子による発光パターンデータが得られる。そして、この発光パターンデータと、複数の発光素子を選択的に駆動するために受信したID番号から展開されたドットパターンのデータとを比較することによって、指示どおりのサイドプリントが行われたか否かを確認することが可能となる。
【0019】
そして、ID番号のサイドプリントが適正に行われたことが確認されたときに、受信したID番号とカートリッジケースのラベルから読み取ったID番号との照合が行われる。この結果、受信したID番号とカートリッジケースのラベルから読み取ったID番号との一致確認により、サイドプリント工程そのものも適切に作動したことが確認されるようになる。
【0020】
プリントヘッドに用いられている複数の発光素子からの光は、発光素子ごとに個別に設けられたライトガイドを通して写真フイルムストリップに導かれる。個々の発光素子に各々のライトガイドの入射端面が正対するように、ライトガイドの入射端面は端子板によって機械的に保持される。発光素子に正対している端子板の面を反射面とし、発光素子を点灯させたときの光の一部をこの反射面で反射させ、この反射光を光センサで受光する構成にすることによって、発光素子の個々が点灯したか否かを的確かつ簡便に検知することができ、各々の光センサからの信号により発光パターンデータが得られ、上記したようにID番号を展開したドットパターンのデータとの照合を行うことが可能となる。上記端子板を用いるのに代えてライトガイドに分岐路を設けておき、この分岐路から入射光の一部を射出させてこれを光センサで検知するようにしても同様の機能を達成することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1にアドバンスト・フォト・システムで用いられるIX240型式の写真フイルムカートリッジを示す。写真フイルムストリップ2は、標準化された一定幅にスリットされ、また撮影可能コマ数に応じた長さに切断されている。パーフォレーション2aは1コマあたり2個形成され、撮影に使用したときには2点鎖線で示す位置に1コマ分の露光が行われる。後端には、係止穴3と一対の引っ掛け穴4とが形成されている。
【0022】
写真フイルムストリップ2はカートリッジケース5に光密に収納される。カートリッジケース5は、それぞれプラスチック一体成形品として作られた上ケース5a及び下ケース5bと、その内部に回転自在に組み込まれたスプール6,遮光蓋7,ディスク板8、さらにはフイルム送り出し機構やスプールロック機構を構成する他の部品が組み込まれている。
【0023】
遮光蓋7はフイルム出入口9を開閉する。暗室内で遮光蓋7を開放し、写真フイルムストリップ後端の引っ掛け穴4に薄板状のインサータに設けられた爪を引っ掛け、インサータをフイルム出入口9から挿入すると、スプール6に形成された係止爪に係止穴3が係合する。これにより写真フイルムストリップ2の後端がスプール6に係止され、インサータを引き抜いてからスプール6を反時計方向に回転させることによって、写真フイルムストリップ2はカートリッジケース5内に巻き込まれる。写真フイルムストリップ2をその先端まで完全に巻き込んだ後に遮光蓋7が閉じられ、内部は光密状態になる。なお、上記インサータについては、特開平7−120889号公報に詳しく記載されている。
【0024】
カートリッジケース5の表面にはラベル15が貼付されており、このラベル15には内部に収納した写真フイルムストリップの種類、例えばカラー/モノクロの別、ISO感度、撮影可能コマ数等の複数の情報を6桁の数字で表した標準コード(DXコード)と、このカートリッジケース5のID番号を9桁の数字で表したカートリッジID番号とを組み合わせた合計15桁のコード表示16が記され、また前記DXコード,カートリッジID番号のそれぞれを2進化コードで表したバーコード17,18が記されている。コード表示16は目視確認のために用いられ、バーコード17,18はハンディ型あるいは設置型のバーコードリーダで自動読み取りするときに用いられる。
【0025】
写真フイルムストリップ2の製造工程中にはサイドプリント工程が含まれ、写真フイルムストリップ2のエッジに沿って数字列やバーコードが潜像として記録される。便宜的に図1及び図2に示すように、写真フイルムストリップ2の後端側の非撮影領域に数桁の文字及び数字からなる製造ロット番号20と、9桁の数字で表されたフイルムID番号21と、このフイルムID番号を2進化コードで表したバーコード22がサイドプリントされている。なお、図では省略してあるが、写真フイルムストリップ2の先端側にも上記製造ロット番号20,フイルムID番号21,バーコード22がサイドプリントされている。また、撮影領域内の各コマ位置ごとには、コマ番号を表す数字とそのバーコード及び、DXコードを2進化コードで表したバーコードがサイドプリントされている。
【0026】
写真フイルムストリップ2の後端側及び先端側に、それぞれ製造ロット番号20,フイルムID番号21,バーコード22をサイドプリントする際には、これらのプリント位置は写真フイルムストリップ2の先端,後端から所定の距離範囲内に収まるようにしてある。このため、図2に後端側について示すように、長尺写真フイルムを写真フイルムストリップ2に切断するときの基準位置Xから、製造ロット番号20は距離L1(90mm程度)、フイルムID番号21及びバーコード22は距離L2(120mm程度)となるように管理されている。
【0027】
なお、図2において斜線を施した部分は、長尺写真フイルムを写真フイルムストリップ2に切断するときに同時に除去されるトリミング範囲を表し、このトリミング形状は切断刃の形状によって決めることができる。そして、これにより先行する写真フイルムストリップ2の先端形状と、これに続く写真フイルムストリップ2の後端形状、さらには上記係止穴3,引っ掛け穴4も同時に形成されることになる。
【0028】
図3に上記写真フイルムカートリッジの製造から出荷までの流れを概略的に示す。マスターロールは、広幅のフイルムベースをロール状にした原反ロールに所定の乳剤を塗布することによって製造される。マスターロールの製造時には、その製造ロット番号や使用した乳剤の乳剤番号を表す情報が、バーコード表示あるいは磁気記録の形態で巻芯やロールの先端部に付与される。マスターロールは裁断機25に供給され、製品となる写真フイルムストリップ2と同じ幅となるようにスリットされ、それぞれスリットロールとして各々の巻芯に巻き取られる。各々のスリットロールの巻芯及び/あるいはスリットロールの先端部分には、マスターロールの製造ロット番号や乳剤番号の他に、マスターロールの幅方向のどの位置から得られたスリットロールであるかを表すスリット番号を磁気または印字により記録したラベルが付され、遮光機能をもった自走式の搬送車にマスターロール単位で収容され、暗室状態に保たれている保管庫に集積される。
【0029】
カートリッジケース5の製造のために、成形機26,27に樹脂ペレットからなる原材料が供給され、上ケース5a,下ケース5bが一体成形される。これらの上下ケース5a,5b、そしてスプール6,遮光蓋7,ラベル15などの他の部品がカートリッジケース組立機28に供給され、カートリッジケース5の組み立てが行われる。これらの構成部品は製造ロットごとにトレイに収容され、トレイ単位でカートリッジケース組立機28に供給され、また組み立てられたカートリッジケース5は一定個数ずつ専用のトレイに収容され、集積される。
【0030】
図4に示すように、個々のトレイ29には固有のID番号(トレイID番号)を付した表示板30が設られており、部品ごとの製造ロット番号と対応づけて管理されている。したがって、写真フイルムストリップ2が巻き込まれる前の段階では、カートリッジケース5の製造履歴、すなわちカートリッジケース5がどのような製造ロット番号の部品を結合したものであるかをトレイ単位でトレースすることができる。
【0031】
巻込み機32には、スリットロール33とカートリッジケース5、さらにラベルロール34とが供給される。ラベルロール34は、図1に示すラベル15を離型紙に一連に配列した帯状シートをロール形態にしたもので、ラベル15には予めコード表示16やバーコード17,18が記されており、ラベルロール一本について、DXコードを表すコード表示16の上位6桁の数字とバーコード17とは共通となっている。
【0032】
巻込み機32は、ラベル貼り装置,穿孔装置,サイドプリント装置,切断装置などを含んでおり、スリットロール33から送られてくる長尺写真フイルムにパーフォレーション2aを穿孔し、サイドプリントを行い、また撮影可能コマ数に応じた長さに切断して写真フイルムストリップ2を作る。さらに、ラベルロール34から1枚ずつラベル15を剥がして、カートリッジケース5に貼付する。そして、ラベル15が貼付されたカートリッジケース5は所定の巻込み位置にセットされ、写真フイルムストリップ2が後端側から搬送される。
【0033】
インサータが作動して写真フイルムストリップ2の後端がスプール6に係止され、その後、スプール6を駆動して写真フイルムストリップ2を先端も含めてカートリッジケース5内に巻き込む。遮光蓋7を閉じることによって、製品となる写真フイルムカートリッジが完成する。図3に示すように、完成した写真フイルムカートリッジは外装機35に送られ、防湿性プラスチックケース(Pケース)への収容、そして紙製の小箱による包装が行われる。小箱詰めの写真フイルムカートリッジは梱包工程で一定個数ずつセロファンシートでラップされ、あるいは一定個数ずつダンボール箱に詰めて出荷される。
【0034】
上記のようにして写真フイルムカートリッジが製造され出荷されるが、それぞれの工程において生産指示に対応して適切な原材料や部品などのマテリアルを使用して効率的に製造を行い、しかも製品が完成した後には製品ごとに割り当てられた個別のID番号を元にして製造履歴を的確に把握できるように、それぞれ製造設備として用いられている裁断機25、成形機26,27、カートリッジケース組立機28、巻込み機32、外装機35の各々は、図4及び図5に示すように生産情報管理コンピュータによって統括的に管理されている。
【0035】
図5において、成形機管理コンピュータ38,組立機管理コンピュータ39,巻込み機管理コンピュータ40は、上述したそれぞれの製造設備を個別的に制御する設備管理コンピュータである。例えば下ケース5bの成形に用いられる成形機26を稼働させるには、原材料の供給,加熱,注入,冷却,離型など、複数の加工工程を順次に行わせる必要がある。これらの工程が適切な条件で行われるように、それぞれプロセスコントローラ38a,38b,38c,・・・が用いられており、原材料の供給量,温度,注入圧,冷却時間,離型時の金型移動速度などが成形機管理コンピュータ38からの指令に基づいて制御される。
【0036】
また、カートリッジケース組立機28では、成形機26から供給された下ケース5bが同組立機内で循環するパレットに一個ずつ載置される。このパレットを循環させる過程で、スプール6や遮光蓋7の組み付け工程、成形機27から供給された上ケース5aの組み付け工程などの複数の工程が順次に行われる。プロセスコントローラ39a,39b,39c,・・・は、これらの工程が適切に実行されるように組立機管理コンピュータ39から指令に基づいて、パレットの移動速度を制御し、あるいはロボットアームのアクチュエータとして用いられているモータ,エアシリンダ装置,油圧シリンダ装置などの駆動を制御する。
【0037】
巻込み機32では、セットされたスリットロールから長尺写真フイルムを一定の搬送速度で引出しながら、穿孔装置(パーフォレータ)に通して穿孔を行い、引続きサイドプリントを行った後、切断工程によって写真フイルムストリップ2を作る。さらに、すでに組み立て済みのカートリッジケース5にラベル15を順次に貼付し、そのカートリッジケース5をターレットにセットする。インサータを作動させて写真フイルムストリップ2をスプール6に係止する工程を行い、スプール6への巻込み工程などを行う。そしてこれらの各工程は、巻込み機管理コンピュータ40からの指令に基づいて各プロセスコントローラ40a,40b,40c・・・によって制御される。
【0038】
このように、設備管理用のコンピュータ38,39,40は、それぞれ担当する製造設備内で各々のプロセスコントローラ(PLC)とともに工程内ネットワークを構築しており、製造設備内での各工程が適切に遂行されるように管理する。また、それぞれのプロセスコントローラから得られる実績データ、例えば製品や半製品の組立個数データ,良品あるいは不良品の個数データ、検査工程管理用のプロセスコントローラからの検査データなどはそれぞれ対応する設備管理コンピュータにフィードバックされ、それぞれのメモリ38x,39x,40xに記憶される。これにより、設備管理用のコンピュータ38,39,40の各々にアクセスすることによって、それぞれ担当する製造設備内での各工程がどのような条件で稼働しているかの情報を任意に把握することができる。
【0039】
製造設備ごとに設置されたそれぞれの設備管理用コンピュータは、生産情報管理コンピュータ42によって統括して管理され、工場内ネットワークが構築されている。生産情報管理コンピュータ42は、各設備管理用コンピュータにそれぞれ個別に生産指示情報を提供し、また各製造設備内で行われる加工あるいは検査工程の条件設定を行うための指示を与える。このため、生産情報管理コンピュータ42には生産計画データと、マテリアル(原材料,部品)の入出庫計画あるいは入出庫実績に関するデータが入力される。生産計画データの入力は、生産情報管理コンピュータ42のキーボード入力あるいは磁気ディスクなどの記憶媒体からの読み取りによって行われ、それぞれメモリ42xに格納される。マテリアル入出庫データの入力は、上記と同様に行うことができる他、設備管理用コンピュータからも入力可能となっている。
【0040】
さらに、生産情報管理コンピュータ42のメモリ42xには、生産される写真フイルムカートリッジの種類ごとに準備された処方テーブルが格納されている。これらの処方テーブルの各々には製品の種類を表す製品略称が割り当てられ、それぞれその種類の写真フイルムカートリッジを製造するために必要なマテリアルの種類、製造条件、検査条件などの処方データが対応づけられている。
【0041】
生産情報管理コンピュータ42は、生産計画データの入力を受けると生産指示テーブルを作成する。この様子を図6に概念的に示す。生産計画データは、オーダー番号,生産対象とする製品の種類に対応づけた製品略称,製品の仕向地,計画数量などからなる。生産情報管理コンピュータ42は、生産計画データの製品略称に基づいて処方テーブルを検索し、該当する製品略称が割り当てられた処方テーブルから全ての処方データを読み込む。これにより、製品略称「AAAA」の製品を製造するために必要な処方タイプ、マテリアルのタイプ及びマテリアル名、各々の製造設備を稼働させるときの製造条件,検査条件が得られる。
【0042】
生産に必要なマテリアルのタイプ及びマテリアル名が識別されると、生産情報管理コンピュータ42はマテリアル入出庫データにアクセスし、モニタ画面上に在庫データの表示を行い、計画数量分の製造を行うに足るマテリアルの種類及び数量が在庫として準備されているか否かを確認する。仮にいずれかのマテリアルに在庫数量の不足があると、モニタ画面には生産計画データとともに、現状で最大何個の製造が可能であるか、そして計画数量に対してどのマテリアルがどの程度不足しているのかが表示される。なお、処方テーブル中に用意されたヘッダー情報は製品の補助情報を表し、例えば生産計画データ中の計画数量に対し、不良品の発生率や営業係数を考慮してどの程度の増分を見込んで製造すればよいかなどの付加データを含む。
【0043】
マテリアルの在庫が充分であることが確認されると、生産情報管理コンピュータ42は図示した形態の生産指示テーブルを作成する。生産指示テーブルは、オーダー番号及び製品略称に対し、処方タイプ,生産数量,使用マテリアル名,製造条件,検査条件を割り当てたもので、その項目中には製品の種類が決まると一義的に決まる固定項目と、変更が可能な任意項目とがある。固定項目としては、製品の種類によって使い分けされるマテリアル名や個数などがあり、これらは自動的に設定される。
【0044】
さらに、固定項目中にはこれから生産される写真フイルムカートリッジに対して割り付けられるID番号とDXコードとがある。ID番号は、カートリッジケース5のラベル15に表記されたカートリッジID番号と、写真フイルムストリップ2にサイドプリントされるフイルムID番号との両方に共通するID番号である。このID番号の割り付けのために、生産情報管理コンピュータ42はメモリ42xからこれまでの製造実績データを読み込んで使用済みのID番号を確認し、さらにマテリアル入出庫データを参照してカートリッジID番号を付与してあるラベルロール34の在庫状況を確認する。
【0045】
ラベルロール34には一本ごとに識別コードが割り当てられ、生産情報管理コンピュータ42はこの識別コードによって在庫下にあるラベルロール34の種類を識別する。すなわち、個々の識別コードに基づいて、そのラベルロールに付されたDXコードと、そのラベルロール1本について使用されているカートリッジID番号の範囲を確認することができるようになっている。したがって、生産計画データによって製品略称,仕向地,数量が決まると、DXコードが特定されると同時にカートリッジID番号の使用個数も決まるから、この製造にあたって一連のカートリッジID番号を割り当てるために使用できるラベルロールを選定することができるようになる。こうしてラベルロールの選定が行われ、カートリッジID番号の使用範囲が決定されると、生産指示テーブルにはDXコードと、これからの製造に使用するフイルムID番号の先頭番号「ID番号(S)」及び終端番号「ID番号(L)」とが割り付けられることになる。
【0046】
一方、生産指示テーブルの任意項目には、マテリアルの製造ロット番号や、一部の製造条件,検査条件などがあり、これらは在庫状況を確認のうえ生産情報管理コンピュータ42により自動的に設定することも可能であるが、外部入力によって適宜に設定することもできるようになっている。これにより、マテリアルの製造履歴などを考慮して適切な製造ロット番号のものを選択して製造に用いることができ、品質の安定化のために柔軟な対処をとることが可能となる。なお、上記任意項目については、設備管理用コンピュータからも設定することができる。設備管理用コンピュータで任意項目の設定が行われた場合には、その設定データは生産情報管理コンピュータ35にフィードバックされる。
【0047】
こうして作成された生産指示テーブルは生産情報管理コンピュータ42のメモリ42xに一括して記憶される。さらに、生産指示テーブル内の使用マテリアル名とその製造ロット番号、製造条件,検査条件の各データは、生産情報管理コンピュータ42によって製造設備ごとに分類された後、それぞれオーダー番号,製品略称,処方タイプ,生産数量とともに該当する製造設備の管理を行っている設備管理用コンピュータに送信される。したがって、各々の製造設備はその管理用コンピュータからの指令によって生産計画データに則った稼働を行う。
【0048】
例えば巻込み機32の稼働を管理する巻込み機管理コンピュータ40に対しては、使用するスリットロール33の製造ロット番号やスリットナンバーに対応して付されたスリットID番号、サイドプリント装置でプリントを行う際のID番号及びDXコード、スリットロール33から引き出された長尺写真フイルムの搬送速度などのデータを含む個別生産指示テーブルが入力される。この個別生産指示テーブルは巻込み機管理コンピュータ40のモニタ画面に表示され、また巻込み機32内で各工程の稼働を制御しているプロセスコントローラ40a,40b,・・・には制御指令が送られ、これに基づいて各工程が実行される。
【0049】
巻込み機管理コンピュータ40に送信される個別生産指示テーブルには、巻込み機32に供給すべきラベルロール34の識別コードも含まれる。ラベルロール34は、写真フイルムカートリッジの製造に必要なマテリアルの一つであるが、上述したように、ラベル15には生産管理や製造履歴情報を管理するためのコード表示16やバーコード17,18が印刷されるため、生産情報管理コンピュータ42によって管理されたラベルロール製造設備によって作られる。
【0050】
ラベルロール34を製造する際には、離型紙上に配列保持された白紙のラベルに対し、コード表示16やバーコード17,18を除く共通印刷部分からまず印刷が行われ、次に生産情報管理コンピュータ42で指定されたコード表示16及びバーコード17,18が印刷される。そして、ラベルロールを1ラベル分ピッチ送りして同様の印刷処理を繰り返す。ラベルロール34は、1個当り5000〜10000枚のラベルを有しており、ラベルロール一本について上記印刷を行うとき、DXコードに対応するコード表示16の上位6桁の数字とバーコード17については一律に付される。また、カートリッジID番号に対応するコード表示16の下位9桁の数字とバーコード18については、ラベル一枚ごとに順次にID番号が「1」ずつ増えるように印刷が行われる。
【0051】
こうして製造されたラベルロール34は一本ずつケースに収納され、在庫マテリアルとして保管庫に保存される。このとき、各々のケースにはそのラベルロールに印刷されたDXコードとカートリッジID番号の使用範囲に対応した追番付きの識別コードが付され、生産情報管理コンピュータ42は、この識別コードとカートリッジID番号とを対応させたラベルロール在庫データをメモリ42xに保存する。そして、前述のように生産計画データの入力時にはこの識別コードにしたがって生産に使用するラベルロールを選定することになる。
【0052】
図7を参照して巻込み機32の全体的な構成の概略及び作用について説明する。巻込み機管理コンピュータ40のモニタ画面に表示された個別生産指示テーブルを確認し、オペレータは指示されたスリットロール33,ラベルロール34,カートリッジケース5を巻込み機32に供給する。個別生産指示テーブル中には、これから使用すべき各種のマテリアルの製造ロット番号や識別コードなどが含まれているため、オペレータはこれを確認して所定のマテリアルを選定する。なお、カートリッジケース5については、トレイID番号に基づいて図4に示すトレイ単位での指示がなされる。
【0053】
巻込み機管理コンピュータ40にスタート信号が入力されると、プロセスコントローラ40aの制御下にモータ45及びフィードローラ46からなる送出装置が作動し、スリットロール33から長尺写真フイルム48が引き出され、搬送が開始される。このとき、長尺写真フイルムの先端に貼付されたラベルのバーコードがバーコードリーダ49によって読み取られ、スリットロール33の製造履歴情報がプロセスコントローラ40aを介して巻込み機管理コンピュータ40に入力され、これから処理されるスリットロール33の製造履歴(乳剤番号,マスターロールの製造ロット番号,スリット番号など)が生産情報管理コンピュータ42からの指示どおりのものであるかの照合が行われる。
【0054】
モータ45の駆動により搬送経路内に設置された適宜の送りローラが回転し、スリットロール33から引き出された長尺写真フイルム48はまず穿孔装置50に送られる。プロセスコントローラ40aは、測長ローラ51により長尺写真フイルム48の搬送長を監視しながら穿孔装置50の作動を制御し、個別生産指示テーブルで指定された製品の種類に対応して撮影可能コマ数分のパーフォレーション2aを長尺写真フイルム48に穿孔する。
【0055】
引続き長尺写真フイルム48はサクションドラム52に送られる。サクションドラム52は周面にエアー吸引孔を開けたもので、長尺写真フイルム48をエアーの吸引によって密着させながらスリップを生じさせないように搬送する。サクションドラム52で支持された長尺写真フイルム48の乳剤面に対面してプリントヘッド55が設けられている。プリントヘッド55は、長尺写真フイルム48の搬送方向に対して直交する向きにライン状に配列された多素子発光部と、これらからの光を長尺写真フイルム48のエッジ部分に縮小して結像させる光学系とから構成され、プロセスコントローラ40bに含まれる制御回路とともにサイドプリント装置を構成している。そして、このサイドプリント装置は生産管理情報コンピュータ42,巻込み機管理コンピュータ40を介して送られてくるプリントデータにしたがってサイドプリントを行う。
【0056】
サクションドラム52にはロータリーエンコーダ56が併設され、サイドプリントを行う際には長尺写真フイルム48の搬送長が計測され、プロセスコントローラ40bにフィードバックされる。なお、プリントヘッド55及びプロセスコントローラ40bを含むサイドプリント装置の具体例としては特開平6−130548号公報,特開平8−22080号公報記載のものがある。これらの装置は、写真フイルム一本毎に、桁数が多くそれぞれ異なったフイルムID番号をプリントする際に、高速処理を実現する上で有効なものである。
【0057】
このサイドプリントにより、長尺写真フイルム48には図1及び図2に示す製造ロット番号20,フイルムID番号21,バーコード22がサイドプリントされるほか、各コマ位置ごとにはコマ番号とこれに対応したバーコード、さらにはDXコードに対応したバーコード、製造メーカー名がサイドプリントされる。これらのサイドプリントデータのうち、特にフイルムID番号21及びそのバーコード22は、詳しくは後述するように、カートリッジケース5に貼付されるラベル15のカートリッジID番号との照合が行われ、また適正なサイドプリントが行われたときにはフイルムID番号を含むプリントデータが巻込み機管理コンピュータ32を経て生産管理コンピュータ42にフィードバックされ、実績データとして保存される。
【0058】
サイドプリントが行われた長尺写真フイルム48は切断装置58に送られる。切断装置58は可動刃と固定刃とからなり、プロセスコントローラ40bからの指令によって撮影規定枚数に応じた長さに長尺写真フイルム48を切断し、撮影可能コマ数に応じた所定の長さの写真フイルムストリップ2にする。なお、ロータリーエンコーダ56からの測長信号はプロセスコントローラ40bを経てプロセスコントローラ40aにも送信され、切断装置58の作動時にはモータ45が一時的に停止される。切断装置56は、長尺写真フイルム48の切断と同時に、図2に斜線を施して表したように、切り離された写真フイルムストリップ2の後端の加工と、次に作成される写真フイルムストリップ2の先端の加工を行う。
【0059】
第1フィードローラ対60と第2フィードローラ対61との間には、上部ガイド板62aと下部可動ガイド板62bとからなるフイルムシュートが設けられている。下部可動ガイド板62bは2枚のフラップからなり、写真フイルムストリップ2の送り方向と平行な回動軸を中心に開閉自在であり、フイルムループ室63の入口ドアとして機能する。そして、写真フイルムストリップ2の送り方向の先端が第2フィードローラ対61まで達した後に下部可動ガイド板62bが開放され、写真フイルムストリップ2はフイルムループ室63内にループ状に収納される。フイルムループ室63内にはループセンサ(図示省略)が設けられており、一定のフイルムループが形成されたことを検知する。
【0060】
第2フィードローラ対61はモータ64で駆動される。第2フィードローラ対61の下流には、赤外光を利用した反射型の第1フォトセンサ65が設けられている。この第1フォトセンサ65よりも更に下流には、同様の第2フォトセンサ66が設けられている。これらの第1,第2フォトセンサ65,66は、写真フイルムストリップ2からの反射光を検知したときに「L」レベル、反射光を検知しないときに「H」レベルの出力信号をプロセスコントローラ40cに入力する。プロセスコントローラ40cは、第1,第2フォトセンサ65,66の各々の出力信号がそれぞれ「L」レベルから「H」レベルに反転したときに、写真フイルムストリップ2の終端(図2における右端)がその位置を通過したことを識別する。
【0061】
プロセスコントローラ40cはさらにインサータ68の作動を制御する。インサータ68は、写真フイルムストリップ2の後端を巻込み位置(ST1)で待機しているカートリッジケース5のフイルム出入口9から挿入してスプール6に係止する作用を行う。プロセスコントローラ40cは、さらにモータ69の駆動を制御する。モータ69は、巻込み位置にセットされたカートリッジケース5のスプール6をフイルム巻込み方向に駆動するためのもので、スプール6に写真フイルムストリップ2の後端が係止された後、フイルムループ室63内に一定のフイルムループが形成されたときに高速で駆動される。
【0062】
スプール6を高速駆動して写真フイルムストリップ2をカートリッジケース5に巻き込んでゆく過程で、第1フォトセンサ65が写真フイルムストリップ2の終端の通過を検知した時点でモータ69の駆動が低速駆動に切り換えられる。そして、第2フォトセンサ66が写真フイルムストリップ2の終端通過を検知した時点から予め設定された回転数だけモータ69を低速回転させた後に、モータ69を停止させる。この回転数は、第2フォトセンサ66の位置から、巻込み位置にセットされたカートリッジケース5内に、写真フイルムストリップ2を終端まで全て巻き込むのに必要なスプール6の回転数となっている。
【0063】
なお、第2フォトセンサ66が写真フイルムストリップ2の終端通過を検出した後、この終端がカートリッジケース内に巻き込まれるまでの時間を基準にしてモータ69の停止制御を行ってもよい。また、スプール6上のフイルム巻き径は写真フイルムストリップ2が長くなるほど太くなり、一回転あたりの巻き取り量が増える。したがって、最も少ない撮影可能コマ数の写真フイルムストリップ2を対象にして、第2フォトセンサ66が写真フイルムストリップ2の終端通過を検知した時点を基準にモータ69の停止タイミング(回転数,時間のいずれでも可)を決めておけば、どの様な撮影可能コマ数の写真フイルムストリップでも、その終端まで確実に巻込みを行うことができるようになる。
【0064】
第1フォトセンサ65と第2フォトセンサ66との間のフイルム通路は、フラップ式に開閉自在な下側ガイド板70によって開放することができるようになっている。そして、欠陥のある写真フイルムストリップ2やフイルムの断片が送られてきたときには、プロセスコントローラ40cの指令によって下側ガイド板70が開放され、これを振り分けてシュート71に排出させる。
【0065】
ターレット73は中心軸の回りに回動自在であり、プロセスコントローラ40dで制御されるモータ74により180度づつ間欠回転する。このターレット73には、図示のようにカートリッジケース5を保持する2個のカートリッジホルダが設けられている。第2ステーション(ST2)の位置は、巻込み機32に供給されてくる空のカートリッジケース5の装着と、写真フイルムストリップ2が巻き込まれ、製品となる写真フイルムカートリッジの取り出しとが行われる着脱ステーションとなっており、これらの着脱は、プロセスコントローラ40dで駆動制御される着脱機構75によって行われる。
【0066】
空のカートリッジケース5は供給スタッカ76から順次にターレット73の第2ステーションに送られるが、第2ステーションに送られる直前の位置でラベル貼り装置77によってラベル15が貼付される。ラベル貼り装置77にはバーコードリーダが組み込まれており、ラベル15を貼付した直後にこのラベル15から適切にカートリッジID番号が読み取れるか否かを確認する。これにより最終的なラベル15の印字品質がチェックされるとともに、ラベル貼り工程が適切に行われたか否かが確認される。さらに、こうして読み取られたカートリッジID番号はプロセスコントローラ40eを介して巻込み機管理コンピュータ40にフィードバックされ、生産情報管理コンピュータ42から送信されているID番号の使用範囲内のものであるかがチェックされる。
【0067】
さらに、ラベル貼付後のカートリッジケース5が第2ステーションに送られると、バーコードリーダ78によってバーコード17,18が読み取られる。この読み取り情報はプロセスコントローラ40eに送られ、バーコード17,18によってDXコード,カートリッジID番号が識別される。こうして識別されたDXコード,カートリッジID番号は巻込み機管理コンピュータ40にフィードバックされ、詳しくは後述するように、次に写真フイルムストリップ2にサイドプリントされるプリントデータとの照合が行われる。なお、ラベル貼り装置77については、特願平7−67947号に記載されている。
【0068】
第1ステーション(ST1)でのフイルム巻込みが終了すると、遮光蓋駆動軸(図示省略)が作動して遮光蓋7を閉じる。その後、モータ74の駆動によりターレット73が180°回転し、製品となる写真フイルムカートリッジが第2ステーションに、空のカートリッジケース5が第1ステーションに移動する。カートリッジケース5が第1ステーションに移動すると、モータ69によって駆動されるスプール駆動軸(図示省略)がカートリッジケース5のスプール6に係合し、スプール6が一定の回転位置に位置決めされる。また、遮光蓋7に遮光蓋駆動軸が係合する。なお、空のカートリッジケース5は、遮光蓋7を開放した状態のまま第2ステーションに供給されており、第1ステーションにおいてもそのまま開き状態となっている。そしてインサータ68が作動して写真フイルムストリップ2の後端がスプール6に係止され、フイルム巻込み工程が終わった時点で遮光蓋7が閉じられる。
【0069】
写真フイルムストリップ2が巻き込まれた写真フイルムカートリッジが第2ステーションに移動してくると、着脱機構75が作動して写真フイルムカートリッジを取り出して良品スタッカ80に移載する。このとき、バーコードリーダ(図示省略)によってカートリッジID番号が読み取られ、実績データとしてプロセスコントローラ40dに送信される。この実績データは生産情報管理コンピュータ42に入力され、保存される。その後、着脱機構75は供給スタッカ76からラベル15が貼付された空のカートリッジケース5を取り出して第2ステーションのカートリッジホルダに装着する。
【0070】
上記巻込み工程内で不良が発生したときには、着脱機構75はその写真フイルムカートリッジを排除シュート81に送る。このとき、バーコードリーダ(図示省略)によってカートリッジID番号が読み取られ、やはり実績データとして巻込み機管理コンピュータ40を経て生産情報管理コンピュータ42に送られ、保存される。
【0071】
巻込み機32で製造された写真フイルムカートリッジは、一定個数ずつトレイに収容され保管される。このトレイにも図4に示すトレイ29と同様に、固有のトレイID番号が付されたものが用いられ、生産情報管理コンピュー42は上記のようにして得た実績データと、このトレイID番号を対応づけて管理する。そして、以後の外装,梱包工程ではトレイ単位で処理が行われ、外装体や梱包用のダンボールに付したバーコードがトレイID番号と対応づけて保存される。
【0072】
次に、上記巻込み機32に用いられているサイドプリント装置及びそのプリント工程について説明する。プリントヘッド55は、図8に示すように、写真フイルムストリップ2の搬送方向に複数個の発光素子83a,83b,・・・・,83gを並べた多素子発光部83と、発光素子ごとに個別に設けたライトガイド84と、各々のライトガイドから射出された光を写真フイルムストリップ2に縮小して結像させるレンズ85とを有する。それぞれの発光素子83a,83b,・・・は、写真フイルムストリップ2の搬送に同期してプロセスコントローラ40bから駆動信号を受け、個別に点灯してドットパターンでサイドプリントを行う。なお、各々のライトガイドは光入射端面は円形をしているが射出端面は矩形に整形してあり、全ての発光素子83a〜83gを点灯させたときにはエッジが鮮明な直線が結像されるようにしてある。
【0073】
図9(A)に発光素子83aについて例示するように、発光素子83a〜83gの各々はその発光面に3個の緑色発光ダイオード(G−LED)86aと一つの赤色発光ダイオード(R−LED)86bとを備えており、写真フイルムストリップ2に黄色光で1ドット分の露光を与える。これは、写真フイルムストリップ2がカラーネガフイルムであることを前提として、現像したときに確認しやすい青色の発色を得るためである。そして、写真フイルムストリップ2の搬送に同期して多素子発光部83に1コラム分ずつの発光データを入力して発光素子83a〜83gを選択的に駆動することによって、ドットパターン配列による文字やマーク,バーコードのプリントが可能となる。
【0074】
なお、以下の説明では、1ドット分の光源となる発光素子83a〜83gを駆動するときには、全てG−LED86aとR−LED86bとを同時に発光させることを前提にしているが、写真フイルムストリップ2のISO感度に応じた輝度を得るため、あるいはサイドプリントの色調を変えるために、例えば特開平8−22080号公報記載のようにして、G−LED86a,R−LED86bを適宜の組み合わせで個別に発光させることもできる。また、多素子発光部83を構成するにあたり、発光素子を2列以上並べたり、あるいは一列当りの発光素子の数を適宜増減させてもよい。
【0075】
さらに、発光素子の各々にはフォトダイオード86cが組み込まれている。発光素子83a〜83gは図8に示すように、各ライトガイド84の光入射端側を整列して保持した端子板87に組み付けられる。図9(B)に示すように、端子板87の、発光素子83aに対面した側には鏡面87aにしてあり、発光素子83aを点灯させたときに、ライトガイド84の入射端面から外れた位置に向かった光は鏡面87aで反射される。前記フォトダイオード83cはこの鏡面87aからの反射光を受け、その光量に対応したレベルの受光信号を出力する。したがって、フォトダイオード83cからの受光信号を監視することによって、発光素子の駆動確認を行うことができる。
【0076】
図10に発光素子の発光確認回路の一例を示す。フォトダイオード86cからの受光信号はオペアンプ88により一定のゲインで増幅され、電圧信号としてコンパレータ89の反転入力端子に供給される。コンパレータ89の非反転入力端子には参照電圧Vが与えられ、したがってフォトダイオード86cが規定レベル以上の光を受光するとコンパレータ89の出力端にハイレベル信号が現れるようになり、このハイレベル信号を発光素子の発光確認信号として用いることができる。もちろん、参照電圧Vの値を調節することによって、前記規定レベルを適宜に設定することも可能である。
【0077】
図11は駆動確認用のフォトダイオード86cを発光素子83a〜83gと別体に設けた例を示す。発光素子83a〜83gからの光は、細径の光ファイバーを多数本束ねた個別のファイバーバンドル90によりレンズ85に導かれる。ファイバーバンドル90を構成している光ファイバーの一部は分岐路90aとなってフォトダイオード86cに光を導く。このような構成でも発光素子の点灯確認を行うことができる。なお、このようにファイバーバンドル90を用いる場合でも、その光射出端側で光ファイバーを矩形状に整列しておくことによって、輪郭が鮮明なプリントを行うことができる。
【0078】
サイドプリント工程では、文字やマーク、さらにはバーコードをプリントする際にも写真フイルムストリップ2の搬送に同期して1コラム単位でプリントが行われる。このため、多素子発光部83を構成している各発光素子83a〜83gを選択的に点灯,消灯させるための発光データは1コラム単位で扱われる。そこで、1コラム分のサイドプリントが適切に行われたか否かを確認するために、プリントヘッド55には図10に示す発光確認回路とともに、駆動パターン確認回路が組み込まれている。
【0079】
図12に前記駆動パターン確認回路を含む発光制御回路の一例を示す。サイドプリントすべきフイルムID番号が決まると、そのプリントパターンがドットパターンに展開されプロセスコントローラ40bに設けられたドットパターン格納メモリに書き込まれる。そして、写真フイルムストリップ2の搬送に同期し、ドットパターン格納メモリから1コラム分のドットパターンによる発光データが読み出され、インターフェース回路92を介してプリントヘッド55側に設けられたシリアルイン−パラレルアウト型のシフトレジスタ93に送られる。
【0080】
シフトレジスタ93は発光素子83a〜83gの個数に対応して7ビット分のメモリセルを有しており、各々のメモリセルからパラレルに引き出された信号線は、ナンド回路94と、メモリセルごとに設けられた排他的論理和素子95の一方の入力端に接続されている。ナンド回路94は簡略化して図示してあるが、シフトレジスタ93の各々のメモリセルごとに設けられており、それぞれのナンド回路94の他方の入力端にはプロセスコントローラ40bから送信されてくる発光指令パルスが入力され、発光指令パルスが入力されたタイミングで発光素子が選択的に駆動される。すなわち、シストレジスタ93の各ビット位置ごとのメモリセルはそれぞれ発光素子83a〜83gに対応しており、発光データとして「1」が書き込まれているビット位置に対応した発光素子が点灯する。
【0081】
各々の排他的論理和素子95の他方の入力端には、図10に示すコンパレータ89からの出力、すなわち発光素子ごとの発光確認信号が入力される。排他的論理和素子95は、シフトレジスタ93からの発光データとコンパレータ89からの出力とがともに「1」または「0」の共通のときにだけ「0」を出力する。したがって、排他的論理和素子95からの出力が「0」であることをもって、発光素子が発光データどおりに発光または消灯していたことが確認できる。排他的論理和素子95からの出力は、遅延回路96からのラッチ信号によってパラレルイン−シリアルアウトのシフトレジスタ97に駆動確認データとしてラッチされる。遅延回路96は、発光指令パルスの入力を受けた後、発光素子が実際に駆動されるまでのタイミングを調節して上記ラッチ信号を出力する。
【0082】
シフトレジスタ97にラッチされた駆動確認データは、転送クロックパルスの入力ごとにインターフェース回路92を介してプロセスコントローラ40bに出力される。そして、シフトレジスタ96の全てのビット位置で「0」であることが確認された場合には1コラム分の発光素子が全て発光データどおりに正常動作したことが確認でき、いずれかのビット位置でデータ「1」が検知された場合には、そのビット位置で異常発光または異常消灯していたことが分る。
【0083】
巻込み機管理コンピュータ40は、基本的に生産情報管理コンピュータ42から送信されたフイルムID番号にしたがってサイドプリント装置を駆動してサイドプリントを実行する。したがってサイドプリント工程ではカートリッジID番号とは無関係に順次にフイルムID番号を含むサイドプリントが行われることになるが、これらのID番号の共通化を図るために、図13に示すID番号の照合処理が行われる。
【0084】
巻込み機管理コンピュータ42のモニタ画面に表示された個別生産指示テーブルにしたがい、オペレータは指定されたスリットロール33,カートリッジケース5,ラベルロール34を巻込み機32に供給する。これにより、ラベルロール34の先頭ラベルに付されたカートリッジID番号と、個別生産指示テーブルで指示された「ID番号(S)」と一致させことができる。そして、ラベル貼り工程,サイドプリント工程,フイルム巻込み工程において特に異常が発生しなければ、各々の工程が消化するごとにフイルムID番号,カートリッジID番号を「1」ずつインクリメントしてゆけば、カートリッジケース5及び写真フイルムストリップ2のそれぞれに、共通でしかも一連に連続したID番号を順次に付与してゆくことができる。
【0085】
なお、ラベルロール1本あたりのラベル枚数が5000枚であるとすると、10万個の生産数量に対しては20本のラベルロールが必要となるが、個別生産指示テーブルで指示された識別コードの追番順にラベルロールをセットしてゆけば、カートリッジID番号が不連続に使用されることはない。また、ラベル貼り装置77にエラーが生じてラベル15がロスした場合には、そのラベルに付されたカートリッジID番号は欠番となり、この情報はプロセスコントローラ40dを経由して巻込み機管理コンピュータ40にフィードバックされる。さらにこの情報はプロセスコントローラ40bに送信され、サイドプリントに際してもこのカートリッジID番号に対応したフイルムID番号は欠番となる。
【0086】
巻込み機32の稼働が開始されると、巻込み機管理コンピュータ40から生産情報管理コンピュータ42にサイドプリントデータの送信要求が出され、これに応答して生産情報管理コンピュータ42は巻込み機管理コンピュータ40にサイドプリントデータを送信する。このサイドプリントデータの中には、製造ロット番号データ及びDXコードとフイルムID番号とが含まれている。巻込み機管理コンピュータ40はこうして受信したサイドプリントデータをプロセスコントローラ40bに入力する。
【0087】
プロセスコンドスーラ40bは、サイドプリントデータをドットパターンデータに展開して所定のドットパターンメモリに格納し、ロータリエンコーダ56から得られる長尺写真フイルム48の搬送信号に同期して1コラム分ずつプリントヘッド55に送る。これにより長尺写真フイルム48のエッジ部分には、1コラム分ずつサイドプリントが行われ、製造ロット番号20,フイルムID番号21及びそのバーコード22が順次にサイドプリントされ、また各コマ位置ごとにDXコード及びそのバーコードがサイドプリントされる。
【0088】
このサイドプリント工程では、図10及び図12に示す回路により、発光素子83a〜83gがサイドプリントデータどおりの駆動を行ったか否かが1コラムごとに確認される。そして、これらの一致が写真フイルムストリップ1本分について確認された場合には、このときにサイドプリントされたフイルムID番号がプロセスコントローラ40bから巻込み機管理コンピュータ40に送信される。サイドプリント後の写真フイルムストリップ2は、ターレット73の第2ステーションにセットされているカートリッジケース5に巻き込まれることになるが、第2ステーションではカートリッジケース5のラベル15からカートリッジID番号が読み取られ、ここで巻込み機管理コンピュータ40によってフイルムID番号とカートリッジID番号との照合が行われる。それぞれのID番号が一致していることが確認されると、そのカートリッジケース5にサイドプリント後の写真フイルムストリップ2を巻き込む巻込み工程が行われる。
【0089】
サイドプリント工程において、発光データどおりに実際のサイドプリントが実行されなかった場合には、そのサイドプリント後の写真フイルムストリップ2はシュート71を経て不良品として処理される。そして、次に送られてくる写真フイルムストリップ2に対して再度同じフイルムID番号のサイドプリントが行われ、正常なサイドプリントが行われた場合には前述した巻込み工程へと移行する。なお、再びプリントエラーが生じた場合には、プリントヘッド55に異常が生じている可能性が高いので、巻込み機管理コンピュータ42は長尺写真フイルム48の搬送を一端停止させた後、プロセスコントローラ40bにサイドプリントの確認処理指令を送信する。プロセスコントローラ40bは、予め準備されたテストパターンで多素子発光部を駆動し、プリントヘッド55の異常確認が行われる。この異常確認の表示には、巻込み機管理コンピュータ42のモニタ画面が利用される。
【0090】
また、フイルムID番号とカートリッジID番号との不一致が検出されたときにはエラー処理が行われる。このエラー処理にあたっては、巻込み機32の稼働を一時中断し、巻込み機32にセットされたラベルロール34が指示通りのものであるかが確認され、また巻込み機管理コンピュータ40によって決められたフイルムID番号が生産情報管理コンピュータ42で指定された範囲内のものであるかが確認される。
【0091】
サイドプリントが正常に行われ、カートリッジID番号とフイルムID番号との一致が確認されると、このフイルムID番号が有効に使用されたことを表す信号が巻込み機管理コンピュータ40から生産情報管理コンピュータ42にフィードバックされる。そして、生産情報管理コンピュータ42はそのフイルムID番号に対して各種のマテリアルの履歴情報を対応づけた上で実績データとして保存する。しかる後に、生産情報管理コンピュータ42は新たなサイドプリントデータを巻込み機管理コンピュータ40に送信する。このサイドプリントデータは、前回送信したサイドプリントデータ中のフイルムID番号だけを更新したものとなっており、更新されたフイルムID番号は前回のフイルムID番号「1」だけインクリメントさせた値となっている。そして、以後は同様の処理手順にしたがいって写真フイルムカートリッジの製造が継続される。
【0092】
ところで、図7に示す巻込み機32においては、図14に示すように、サイドプリント位置と切断装置58の基準位置Xとの間に、長さLpの長尺写真フイルム48が存在する。この長さLpを図2に示す距離L1(90mm程度)以下に設定することができれば、最初の切断工程が行われた後、次の切断工程が行われるまでの間の長尺写真フイルム48の搬送中に、写真フイルムストリップ一本単位ごとに連続したサイドプリントを行ってゆくことが可能となる。しかし、サイドプリント位置で長尺写真フイルム48をバタツキなく安定に走行させるために、図14に示すように直径が200mm程度のサクションドラム52を用いると、前記長さLpは280mm程度までに達する。
【0093】
この結果、写真フイルムストリップ一本分のサイドプリントを行う途中で一旦連続写真フイルム48の搬送を停止して切断装置58を作動させ、しかる後に再びサイドプリントを続行させなくてはならない。また、切断装置58を作動させた後には、すでにサイドプリント済みとなっている先行の写真フイルムストリップ2に対して巻込み工程が開始されることになる。このようなシーケンスで作動する巻込み機32では、図15に示すタイミングチャートにしたがってID番号の照合が行われる。
【0094】
切断装置58を作動させるために長尺写真フイルム48の搬送を停止させたタイミングで、プロセスコントローラ40bは巻込み機管理コンピュータ40bからフイルムID番号(FID)▲1▼を受信する。プロセスコントローラ40bは、受信したフイルムID番号に対応し、9桁の数字とバーコードとの画像をドットパターンに展開して各々のドットパターンメモリに格納する。これらの画像ビット情報は2KB以上に達するので、処理時間を考慮するとこの処理は長尺写真フイルム48の搬送が停止している間に行うのが有利である。そして、この画像ビット情報は、現在サイドプリント継続中の写真フイルムストリップの次に後続して送られてくる写真フイルムストリップ2にサイドプリントを行うときに利用されることになる。
【0095】
切断装置58によって長尺写真フイルム48の切断が行われ、再び長尺写真フイルム48の搬送が開始される。これとともに、先行する写真フイルムストリップ2として切断される前の長尺写真フイルム48に対し、途中まで行っていたサイドプリントが続行される。このサイドプリントが完了すると、長尺写真フイルム48の搬送が継続されたまま次のサイドプリントのプリントスタート信号がプロセスコントローラ40bに入力され、前述のようにしてすでにドットパターンメモリに用意されていたフイルムID番号▲1▼のサイドプリントが開始される。
【0096】
フイルムID番号▲1▼のプリント途中で長尺写真フイルム48の搬送が停止し、切断装置58によって先行する写真フイルムストリップ2が切断される。また、この時点で、先行する写真フイルムストリップ2を巻き込むためのカートリッジケース5がターレット73の回転によって第1ステーションに移動してくる。このとき、第2ステーションでは写真フイルムストリップ2が巻き込まれた完成品が着脱機構75によって取り出され、その後、現在フイルムID番号▲1▼のプリント途中である写真フイルムストリップ2を巻き込むための空のカートリッジケース5が装着される。
【0097】
新たなカートリッジケース5が第2ステーションに装着されると、バーコードリーダ78によってカートリッジID番号(CID)▲1▼の読み取りが行われる。読み取られたカートリッジID番号▲1▼は、プロセスコントローラ40eを経て巻込み機管理コンピュータ40に送信,保存される。同時に、この時点でカートリッジID番号▲1▼と現在プリント続行中のフイルムID番号▲1▼と一致しているか否かを確認することができる。
【0098】
長尺写真フイルム48の搬送が中断している間に、次の写真フイルムストリップに対応するフイルムID番号▲2▼の送信が行われ、同様にしてそのドットパターンが作成,保存される。引続き長尺写真フイルム48の搬送が再開され、フイルムID番号▲1▼のサイドプリントが継続して行われる。その搬送途中でフイルムID番号▲1▼のサイドプリントが完了し、続いてフイルムID番号▲2▼のサイドプリントが行われる。
【0099】
フイルムID番号▲1▼のサイドプリントが完了した時点で、その一本分のサイドプリントが適正な発光パターンのもとで行われたか否かが図12に示す駆動確認データによって確認される。エラーがなければ、プロセスコントローラ40bから巻込み機管理コンピュータ42に発光パターン確認信号が送信される。この発光パターン確認信号を受信した後、巻込み機管理コンピュータ42はプロセスコントローラ40b,40eから返信されてくるフイルムID番号▲1▼とカートリッジID番号▲1▼との照合を行う。
【0100】
こうして照合されるフイルムID番号▲1▼は実際のサイドプリントに用いられたフイルムID番号であり、同様にカートリッジID番号▲1▼はターレット73の第1ステーションに送られてきたカートリッジケース5のラベルから読み取られたカートリッジID番号となっている。そして、これらの一致が確認された後に、前述のフイルム巻込み工程が実行される。したがって、フイルムID番号とカートリッジID番号との対応を確実に保つことが可能となる。
【0101】
なお、上の例では第2ステーションでカートリッジID番号の読み取りが行われるようにしてあるが、カートリッジケース5が第1ステーションに送られてきた時点でカートリッジID番号の読み取りを行うことも可能である。さらには、供給スタッカ76上での読み取りも可能で、この場合にはターレット73や着脱機構75の稼働を監視しながらカートリッジケース5の移動をトラッキングし、そのカートリッジケース5が第1ステーションに移動してきた時点で、カートリッジID番号とフイルムID番号との照合を行えばよい。
【0102】
また、写真フイルムストリップ2の巻込み後に、第2ステーションに移動してきた写真フイルムカートリッジからカートリッジID番号を読み取り、このカートリッジID番号と、実際にサイドプリントされたフイルムID番号との照合を行うことも可能である。この場合には、サイドプリント後の写真フイルムストリップはすでにカートリッジケース内に巻き込まれているので、各々のID番号が不一致であるときにはエラーとなり、その写真フイルムカートリッジは排出シュート81に送られることになる。
【0103】
図14及び図15に示す系では、ターレット73の第2ステーションに新たに供給されてきたカートリッジケース5からカートリッジID番号を読み取った時点で、すでにこのカートリッジケース5と組み合わされる写真フイルムストリップ2の一部にはサイドプリントが済んでいる。すなわち、互いに組み合わされるカートリッジケース5と写真フイルムストリップ2との取り扱いが個別に並行して行われている。このように、カートリッジケース5の供給工程とサイドプリント工程とを部分的にオーバーラップさせることによって、効率的かつ連続的に写真フイルムカートリッジを製造してゆくことが可能となる。
【0104】
さらに上記のような系を採用することによって、カートリッジID番号の読み取り位置から実際の写真フイルムストリップ巻込み位置までのステップ数を減らすことができるようになり、設備内においてカートリッジケースと写真フイルムストリップとの対応がとりやすくなると同時に、設備トラブル等が発生したときに設備内に滞留しているカートリッジケースの個数を減らして部品の損失を最小限に抑えることができるようになる。しかも、並行して行われるカートリッジケース5の供給工程とサイドプリント工程とは、いずれも共通の生産情報管理コンピュータ42によって管理されているから、カートリッジID番号とフイルムID番号との一致はもとより、基本的な生産計画に則った製品の製造が行われるようになる。
【0105】
なお、図16に示すように、サイドプリント位置と切断装置58の基準位置Xとの間に存在する長尺写真フイルム48の長さLpを短くすることによって、切断装置58を作動させるために長尺写真フイルム48の搬送を停止するタイミングに同期してフイルムID番号を含むサイドプリント情報の更新を行うことができる。図16に示す系では、サクションドラム52と切断装置58との間に細径(30〜50mm程度)のプリントローラ100が設けられ、このプリントローラ100上でサイドプリントが行われる。サクションドラム52は長尺写真フイルム48の搬送のために用いられ、長尺写真フイルム48の搬送長はロータリエンコーダ56によってサクションドラム52の回転に基づいて監視される。
【0106】
上記の系では、長さLpを100〜110mm程度まで短くすることが可能となり、図17に示すように切断装置56を作動させるために長尺写真フイルム48の搬送を停止させるごとにフイルムID番号を更新することが可能となる。すなわち、図2に示すように、フイルムID番号21及びそのバーコード22のサイドプリント開始位置は、切断装置56の基準位置XからL2(120mm)となっているから、切断装置56で長尺写真フイルム48を切断してから新たに更新されたフイルムID番号のサイドプリントを行う。
【0107】
そして図17のタイミングチャートに示すように、ターレット73の第1ステーションにセットされたカートリッジケース5から、フイルムID番号▲1▼のサイドプリントを開始する前にカートリッジID番号▲1▼を読み取ることができ、事前にカートリッジID番号▲1▼とフイルムID番号▲1▼との照合が可能となる。この結果、カートリッジID番号▲1▼と不適合なフイルムID番号▲1▼のサイドプリントを避けることが可能となる。なお、製造ロット番号20はフイルムID番号21よりも先端側にサイドプリントしておく必要があるため、長尺写真フイルム48の搬送を停止させる前にサイドプリントされることになるが、製造ロット番号20はフイルムID番号とは異なり、連続的に製造される同一製造ロット品については共通である。
【0108】
こうしてサイドプリントが行われた後、実際のサイドプリントがドットパターン格納メモリに展開された発光データどおりに行われたか否かが図12の駆動パターン確認回路によって検出される。そして、その確認の後、サイドプリント後の写真フイルムストリップ2の搬送が開始され、第1ステーションのカートリッジケース5に巻込まれることになる。この系では、サイドプリントローラ100を細径にしてあるためサイドプリント位置におけるフイルム面の安定化に難があり、また写真フイルムストリップ1本当たりの製造サイクルが長くなる難点はあるが、カートリッジID番号と一致しないフイルムID番号のサイドプリントを事前に避けることができる。
【0109】
以上のように、フイルムID番号を「1」ずつインクリメントし、また追番式にカートリッジID番号を付与されたラベル15が貼付されたカートリッジケース5とを組み合わせながら写真フイルムカートリッジの製造が継続されるが、フイルム巻込み工程でエラーが発生したり、ラベル15の貼り付け貼り付け不良が発生したような場合には、製造終了時点でロール単位でラベルロール34が使用済みなるとは限らない。
【0110】
こうした場合には、使いかけのラベルロール34のリーダー部を残して離型紙ごとラベルロール34を切断し、その先頭のラベル15のカートリッジID番号とそのラベルロール34の識別コードとを巻込み機管理コンピュータ40に入力しておく。この情報は生産情報管理コンピュータ42にフィードバックされ、ラベルロール34の使用実績データとして保存される。したがって、次の生産計画データが生産情報管理コンピュータ42に入力された時点でラベルロール34の使用実績データを参照し、残されたラベルロール34の先頭に残っているラベル15のカートリッジID番号を確認することによって、これに対応したフイルムID番号を新たに付与するフイルムID番号の先頭番号に設定することができ、残りのラベルロール34も有効に利用することが可能となる。
【0111】
通常、製造対象となる写真フイルムカートリッジに使用される写真フイルムの品種、ISO感度,撮影可能枚数,仕向地を表すDXコードが決まると、このDXコードに対して割り振られるフイルムID番号及びカートリッジID番号が追番式に決められる。したがって、共通のDXコードをもつ写真フイルムカートリッジに対しては、ラベル15に表記される15桁のコード表示16の表記は必ず異なったものとなる。これは、一定期間、同一地域に出荷される写真フイルムカートリッジに同一のコード表示16をもつものがないようにするためで、これによりメーカー側での製造情報の管理がしやすくなるという利点がある。
【0112】
また、同一のDXコードが付与される製品を短期間に大量に製造する際には、複数の製造設備が並行して用いられることになる。こうした場合には、製造設備ごとにフイルムID番号及びカートリッジID番号が連番となるように割り振って製造が行われ、トータル的にID番号が欠番なく連続して使用されるように管理される。なお、製造設備ごとの加工工程でラベル不良その他でID番号に欠番が生じたときには、製造設備ごとにその欠番データを取り込んだ後、トータル的に付与されたオーダー番号にその欠番データを対応づけて保存する。
【0113】
カートリッジID番号とフイルムID番号との共通化を図るための別の手法として、フイルムID番号についてはカートリッジケース5のラベルから読み取ったカートリッジID番号にしたがってサイドプリントを行うことも可能である。すなわち、サイドプリントされる情報の中で、DXコードについては生産情報管理コンピュータ42から送信されてくるデータでサイドプリントを行い、フイルムID番号については、バーコードリーダ78からの読み取りデータに基づいてサイドプリントを行う。そしてサイドプリントを行った後に、図12に示す駆動パターン確認回路によって、実際にサイドプリントされた発光パターンの確認を行えばよい。
【0114】
IX240型式の写真フイルムカートリッジでは、図2に示すように、スプール6にディスク板8が固定されている。このディスク板8の表面には、箔押しと称される熱転写方式によって、そのカートリッジケース5に収納さている写真フイルムストリップの品種,ISO感度,撮影可能枚数など、写真撮影に際して必要な情報を表すバーコードが付与されている。このバーコードは、写真フイルムカートリッジをカメラに装填して使用するときに、カメラに組み込まれたバーコードリーダで読み取られ、カメラ側で適宜に利用することができるようにしてある。
【0115】
ディスク板8へのバーコードの付与は、カートリッジケース組立機28内で行われる。そして、カートリッジケース組立機28が上述した巻込み機32に直結されている場合には、これらの稼働を生産情報管理コンピュータ42で同時並行的に監視することによって、ディスク板8のバーコードで表されたDXコードと、カートリッジケースのラベル15のDXコード,長尺写真フイルムにサイドプリントされるDXコードとの不一致は容易に避けることができる。
【0116】
一方、カートリッジケース組立機28が巻込み機32とは別に稼働され、カートリッジケース5を適宜に量産して保管しておき、その中からカートリッジケース5を巻込み機32に供給する製造ラインにした場合には、ディスク板8のバーコードで表されたDXコードと、カートリッジケース5に貼付されたラベル15のDXコードあるいは写真フイルムストリップにサイドプリントされるDXコードとを確実に一致させておく必要がある。このためには、ID番号付きのトレイ29(図4)を利用することによって、次のようにしてディスク板8のDXコードとラベル15及び写真フイルムストリップのDXコードとの一致を維持することができる。
【0117】
カートリッジケース組立機28でカートリッジケース5を量産してゆく際に、ディスク板8に付与されるバーコードをその製造ロットごとに共通化しておき、完成したカートリッジケース5をトレイ29に収納していったときに、そのトレイID番号とバーコードとの対応づけを行って産情報管理コンピュータ42に送信し、保存しておく。そして、生産情報管理コンピュータ42に生産計画データが入力され、製造対象となる写真フイルムカートリッジのDXコードが決まったとき、これに対応したバーコードが付されたカートリッジケースをトレイ単位で選択すればよい。こうして選択されたトレイID番号を巻込み機管理コンピュータ40に送信される生産指示テーブルに加えておけば、オペレータはこれを確認してトレイ単位で適切なカートリッジケース5を巻込み機32に供給することができるようになる。
【0118】
さらに、ID番号付きのトレイ29を用いれば、カートリッジケース組立機28内にラベル貼り装置77を組み込み、カートリッジケース5に予めカートリッジID番号を付与したラベル15を貼付しておくことも可能となる。この場合には、トレイID番号に対してさらにカートリッジID番号が対応づけられ、これを生産情報管理コンピュータ42に送信して保存しておけばよい。なお、巻込み機32におけるカートリッジID番号とフイルムID番号との照合については、前述した実施形態と同様にして行えばよい。
【0119】
巻込み機32は製品となる写真フイルムカートリッジの最終的な製造工程を受け持っているため、巻込み機32にはさらに製品の品質保証を確実にするための適宜の検査装置を組み込むことも有効である。例えば、スプール6の回転により写真フイルムストリップの頭出しを行うときのトルク検査、遮光蓋7を開閉動作させるときのトルク検査、遮光蓋7の閉じ位置及び開き位置の確認、遮光蓋7の開閉に連動して行われるスプール6に対するロック及びロック解除動作の確認、ラベル15の貼付位置検査、さらには写真フイルムストリップの長さ検査やパーフォレーションの個数確認などを行えばよい。
【0120】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、写真フイルムカートリッジの製造工程をトータル的に管理する生産情報管理コンピュータでフイルムID番号の設定を行い、これに基づいて写真フイルムストリップにサイドプリントを実行し、そして前記フイルムID番号とは別個にカートリッジID番号が付与されたカートリッジケースにサイドプリント後の写真フイルムストリップを組み合わせて巻き込むような製造形態をとりながらも、フイルムID番号とカートリッジID番号との不一致を確実に防ぐことができるようになる。
【0121】
また、フイルムID番号及びカートリッジID番号は、基本的に生産情報管理コンピュータによって追番式に設定されるようになるため、写真フイルムカートリッジを構成している各種マテリアルの製造履歴をも含め、その製造情報をより的確に管理することができるようになる。
【0122】
そして本発明のサイドプリント装置では、フイルムID番号のサイドプリントを行ったときに、実際に行われたサイドプリントが指定どおりの内容で行われたか否かが確認できるようにしてあるから、単にサイドプリントの内容確認にとどまらず、カートリッジID番号との対照もより確実なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】写真フイルムカートリッジの外観図である。
【図2】写真フイルムストリップの端部形状を表す説明図である。
【図3】写真フイルムカートリッジの製造工程を概略的に示す説明図である。
【図4】生産情報管理コンピュータと、カートリッジケース組立機及び巻込み機の連携を示す説明図である。
【図5】生産情報管理コンピュータと、その下位に置かれた設備管理用コンピュータとの連携を示すブロック図である。
【図6】生産計画データ,処方テーブル,マテリアル入出庫データ,生産指示テーブルの内容を示す概念図である。
【図7】巻込み機の構成を示す概略図である。
【図8】プリントヘッドの構成を示す概略図である。
【図9】多素子発光部の正面図及び断面図である。
【図10】発光素子の点灯検出用の回路図である。
【図11】プリントヘッドの他の例を示す概略図である。
【図12】サイドプリントの駆動パターン確認回路の一例を示す回路図である。
【図13】フイルムID番号とカートリッジID番号との照合処理を示すフローチャートである。
【図14】切断装置とプリントヘッドとの位置関係を示す説明図である。
【図15】図14の系を用いたときの製造工程を示すタイミングチャートである。
【図16】切断装置とプリントヘッドとの位置関係の他の例を示す説明図である。
【図17】図16の系を用いたときの製造工程を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
2 写真フイルムストリップ
5 カートリッジケース
15 ラベル
16 コード表示(DXコード及びカートリッジID番号)
17,18 バーコード
20 製造ロット番号
21 フイルムID番号
22 バーコード
28 カートリッジケース組立機
29 トレイ
32 巻込み機
33 スリットロール
34 ラベルロール
40 巻込み機管理コンピュータ
42 生産情報管理コンピュータ
55 プリントヘッド
58 切断装置
77 ラベル貼り装置
78 バーコードリーダ
83 多素子発光部
84 ライトガイド
86c フォトダイオード
87a 鏡面
93 シフトレジスタ
94 ナンド回路
95 排他的論理和素子

Claims (8)

  1. 撮影可能コマ数に対応した長さをもつ写真フイルムストリップと、前記写真フイルムストリップをロール状にして光密に収納するカートリッジケースとからなり、前記写真フイルムストリップにサイドプリントされるフイルムID番号と、前記カートリッジケースに付与されるカートリッジID番号とを共通にした写真フイルムカートリッジの製造方法において、
    長尺写真フイルムと組立て済みのカートリッジケースとの供給を受け、長尺写真フイルムを搬送しながら所定の位置にフイルムID番号を潜像として記録するサイドプリント装置と、長尺写真フイルムを前記写真フイルムストリップに切断する切断装置と、供給されたカートリッジケースにカートリッジID番号が記録されたラベルを貼付するラベル貼り装置と前記ラベルを貼付したカートリッジケースにサイドプリント済みの写真フイルムストリップを巻き込む巻込み機とを含み、
    前記サイドプリント装置によるサイドプリント工程は、サイドプリント済みの写真フイルムストリップをカートリッジケースに巻き込む巻込み工程に並行し、かつ巻込み工程中の写真フイルムストリップに後続する別の写真フイルムストリップに対して先行して行われ、
    前記サイドプリント装置とラベル貼り装置との作動を制御する巻込み機管理コンピュータに対し、その上位に設置された生産情報管理コンピュータからフイルムID番号を送信しておき、巻込み機管理コンピュータはこれにしたがってサイドプリント装置を作動させてフイルムID番号のサイドプリントを行うとともに、
    前記巻込み工程に送られる前の段階で、サイドプリント後の写真フイルムストリップと組み合わされるカートリッジケースに貼付されたラベルから読み取ったカートリッジID番号と、
    前記サイドプリントのために受信したフイルムID番号との照合を行うことを特徴とする写真フイルムカートリッジの製造方法。
  2. 撮影可能コマ数に対応した長さをもつ写真フイルムストリップと、前記写真フイルムストリップをロール状にして光密に収納するカートリッジケースとからなり、前記写真フイルムストリップにサイドプリントされるフイルムID番号と、前記カートリッジケースに付与されるカートリッジID番号とを共通にした写真フイルムカートリッジの製造方法において、
    長尺写真フイルムと組立て済みのカートリッジケースとの供給を受け、長尺写真フイルムを搬送しながら所定の位置にフイルムID番号をサイドプリントするサイドプリント装置と、長尺写真フイルムを前記写真フイルムストリップに切断する切断装置と、供給されたカートリッジケースにカートリッジID番号が記録されたラベルを貼付するラベル貼り装置とを含み、前記ラベルを貼付したカートリッジケースに写真フイルムストリップを巻き込む巻込み機を用いて写真フイルムカートリッジを製造する際に、前記サイドプリント装置とラベル貼り装置との作動を制御する巻込み機管理コンピュータに対し、その上位に設置された生産情報管理コンピュータからフイルムID番号を送信しておき、巻込み機管理コンピュータはサイドプリントを実行する前に、受信したID番号と、当該写真フイルムストリップと組み合わされる予定のカートリッジケースに貼付されたラベルから読み取ったカートリッジID番号との照合を行い、両者の一致を確認してから写真フイルムストリップにフイルムID番号のサイドプリントを行って、サイドプリント後の写真フイルムストリップをカートリッジケースに巻込むことを特徴とする写真フイルムカートリッジの製造方法。
  3. サイドプリント装置は、カートリッジケースのラベルから読み取られたカートリッジID番号に基づいて写真フイルムストリップにフイルムID番号をサイドプリントし、かつこのサイドプリント時には生産情報管理コンピュータから送信された写真フイルムの種別,感度などの標準データをコード化した標準コードを前記フイルムID番号と組み合わせてサイドプリントすることを特徴とする請求項2記載の写真フイルムカートリッジの製造方法。
  4. 前記サイドプリント装置によるサイドプリント工程は、サイドプリント済みの写真フイルムストリップをカートリッジケースに巻き込む巻込み工程に並行し、かつ巻込み工程中の写真フイルムストリップに後続する別の写真フイルムストリップに対して先行して行われ、前記巻込み工程に送られる前の段階でカートリッジケースのラベルから読み取ったカートリッジID番号と、これに対応する写真フイルムストリップに割り当てるべく送信されたフイルムID番号との照合を行うようにしたことを特徴とする請求項2または3記載の写真フイルムカートリッジの製造方法。
  5. サイドプリント後の写真フイルムストリップをカートリッジケースと組み合わせて巻き込む前に、前記サイドプリントのために受信したフイルムID番号と、当該カートリッジケースに貼付されたラベルから読み取ったカートリッジID番号とを再度照合し、その一致を確認してから写真フイルムストリップをカートリッジケースに巻き込むようにしたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか記載の写真フイルムカートリッジの製造方法。
  6. 前記サイドプリント装置は、写真フイルムストリップの搬送方向と略直交する向きに配列された複数の発光素子と、前記複数の発光素子ごとにその発光の有無を個別に検知する発光検知手段とを有し、受信したフイルムID番号をドットパターンに展開して写真フイルムストリップの搬送に同期して前記複数の発光素子を選択的に駆動してサイドプリントを行い、かつこのサイドプリント工程中に前記発光検知手段により各々の発光素子の発光の有無に基づいて発光パターンデータを得、この発光パターンデータと前記ドットパターンのデータとが一致したときに、受信したフイルムID番号と前記カートリッジケースのラベルから読み取ったカートリッジID番号との照合を行うようにしたことを特徴とする請求項1、4、5のいずれか記載の写真フイルムカートリッジの製造方法。
  7. 写真フイルムストリップの搬送方向と略直交する向きに複数の発光素子を並べ、前記複数の発光素子を写真フイルムストリップの搬送に同期して選択的に点灯させるとともに、各々の発光素子からの光をそれぞれ個別のライトガイドを通して写真フイルムストリップに導いてフイルムID番号をドットパターンの潜像として記録するサイドプリント装置において、
    前記ライトガイドの入射端面をそれぞれの発光素子に対面するように保持している端子板の、発光素子に正対する端面を反射面とし、発光素子の点灯時に前記反射面で反射された光を発光素子ごとに設けられた光センサで検知し、発光素子の点灯時に前記光センサから得られる検知信号の出力レベルによって発光素子が適正な発光をしたか否かを確認できるようにしたことを特徴とするサイドプリント装置。
  8. 写真フイルムストリップの搬送方向と略直交する向きに複数の発光素子を並べ、前記複数の発光素子を写真フイルムストリップの搬送に同期して選択的に点灯させるとともに、各々の発光素子からの光をそれぞれ個別のライトガイドを通して写真フイルムストリップに導いてフイルムID番号をドットパターンの潜像として記録するサイドプリント装置において、
    前記各々のライトガイドに、入射した光の一部を取り出す分岐路を設けるとともに各分岐路の射出端面に光センサを対面させ、発光素子の点灯時に前記光センサから得られる検知信号の出力レベルによって発光素子が適正な発光をしたか否かを確認できるようにしたことを特徴とするサイドプリント装置。
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