JP3630273B2 - 気流破砕選別装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ペットボトル等のプラスチック類を含む廃棄物の乾燥・破砕と比重選別を行う気流破砕選別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
家庭や商店などから排出される廃棄物の内、ペットボトル(ポリエチレンテレフタレート製ボトル)に代表されるプラスチックボトルはリサイクルが義務づけられているため、地方自治体により分別収集されて処理工場まで運搬され、そこでチップ状又はフレーク状に破砕処理され、次いで再処理工場にてその破砕物はペットボトルに再生される。
【0003】
上記の破砕処理工程は、再生を行いやすくするためにペットボトルをできるだけ細かく破砕してやる必要がある。そこで処理工場では、1軸又は2軸式破砕機による破砕工程が設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した1軸又は2軸式破砕装置によれば、ボトル本体及びそのネック部に装着されたアルミキャップを細かく破砕することは可能であるが、破砕物にアルミキャップの破砕片が混入していると、得られるボトル片の純度が低く、商品価値が低下するという問題が生ずる。通常は収集されたペットボトルを目視で選別し、ネック部にアルミキャップの付いているペットボトルについてはアルミキャップを取外してから破砕装置に投入するという手間のかかる作業を行っている。
【0005】
したがって本発明の目的は、金属類等の異物を含むプラスチック廃棄物を細かく破砕しかつ選別されたプラスチック中への異物の混入を防止することのできる気流破砕選別装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明においては、下部に位置する気流が導入される吸気口と上部に位置する排気口と両者の間に位置する金属類を含むプラスチック廃棄物を投入するための投入口と下部に位置する廃棄物から分離された金属類を排出する排出口とを有する円筒状容器と、円筒状容器の内部に配置された回転軸と、原料投入口を除く回転軸の周囲に放射状かつ多段に装着された複数の破砕羽根と、円筒状容器の内周面に円周方向に所定間隔をおいてかつ多段に装着された複数の破砕刃とを有し、排気口からプラスチック破砕物を排出する、という技術的手段を採用した。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下本発明の詳細を図面により説明する。
図1は本発明の一実施例に係る気流破砕選別装置のシステム系統図である。
図1において、100は分別収集されたペットボトルであり、ポッパ1に投入され、スクリューコンベア2により気流破砕機3に搬送される。気流破砕機3では、ペットボトル100は、送風機(押込式又は吸引式のいずれでもよい)4によって送給された空気熱風により上昇する途中で10〜20mm程度の大きさに破砕される。この破砕物の大部分(プラスチック類)は上昇気流によって気流破砕機3の頂部からサイクロン5に送給され、その底部で捕集されて、ロータリーバルブ6から一定量容器7内に回収される。一方、サイクロン5に導入された空気はその頭部に設けられた排気管8から大気中に排出される。
【0008】
また上記破砕物中に混入している金属類(アルミキャップの破砕片)は、サイクロン3の底部からロータリーバルブ9を介して一定量容器10内に回収される。すなわち気流破砕機3では、比重の大きい(約2.7)Al合金はその底部から排出され、一方比重の小さい(1.38〜1.40)プラスチック(ポリエチレンテレフタレート)は、上部から空気とともに排出される。
上記の気流破砕機3は、プラスチックと金属(Al合金)を細かく破砕しかつ両者を確実に分離できるような機能を有するものであればよく、例えば図2に示す構造のものが好適である。
【0009】
図2は本発明の一実施例に係る気流破砕機の縦断面図、図3は図2のA−A矢視図、図4は図1のB−B矢視図である。
図2において、11は支柱115で支持された円筒状容器であり、下部に吸気口12が、上部に排気口13が設けられており、また吸気口12と排気口13との間には廃棄物投入口4が設けられている。円筒状容器11の上端部及び下端部は、それぞれ上フランジ16a、16b及び下フランジ17a、17bで密閉されている。円筒状容器11の内部には、それと同心状に回転軸15が配置され、そして回転軸15は、その両端部において軸受18及び軸受19を介してそれぞれ上フランジ16b、及び下フランジ17bに支承されている。軸受18は、上フランジ16bの上面に固設されたフランジ体19aに装着された軸受フランジ19b内に嵌装され、軸受19は、下フランジ17bの下面に固設されたフランジ体19bに装着された軸受フランジ19b内に嵌装されている。また軸受フランジ19b内にはオイルシール118が嵌装されている。回転軸15の下端部にはプーリ110が固着されると共にモータ111の出力軸111aにもプーリ112が固着され、両プーリ110、111にはVベルト113が掛け渡されている。
【0010】
また図3に示すように、上記回転軸5の周囲には複数の破砕羽根120が放射状に固着されるとともに、図2に示すよう破砕羽根120は、投入口14に対向する部分を除いた領域、すなわち第1の破砕領域Zとその上部に形成された第2の破砕領域Z及びその下部に形成された第3の破砕領域Zに位置するように多段配置されている。なお破砕羽根120は、回転軸15の外周に装着されるリング状のカラー150に例えばピン(図示せず)を介して固着されている。また円筒状容器1の内周面には、上記各領域Z〜Zに位置するように、複数の破砕刃121が円周方向に沿って所定間隔をおいて(図3参照)かつ多段(図2参照)に配置されている。
【0011】
さらに図2及び図4に示すように、円筒状容器11の最下部において、回転軸15の周囲には、排出羽根122が固着され、かつ、容器11の周囲に排出口114が設けられている。
【0012】
上記構成による動作は次の通りである。まず投入口4からペットボトルを含む廃棄物100を投入すると共に、モータ111を作動することにより回転軸15を駆動し、かつ、気流を吸気口2から円筒状容器11内に導入する。これにより廃棄物は領域Zで乾燥され、次いで廃棄物は気流により円筒状容器11内を上昇し、第1の破砕領域Z及び第2の破砕Zにおいて破砕羽根120により破砕され、排気口3から排出、回収される。一方、廃棄物中の金属類(アルミキャップ)は、円筒状容器11内を落下し、その途中で第3の破砕領域Zにおいて、破砕羽根120で破砕される。また破砕羽根120により破砕されなかった未処理物は、アルミキャップの破砕片とともに円筒状容器11の底面に溜まり、排出羽根122の回転により、排出口115から排出される。また上記の破砕過程においては、円筒状容器11の内周面に設けられた破砕刃121により、廃棄物の破砕をより確実に行うことができる。
【0013】
本実施例によれば、プラスチック廃棄物中に金属類が含まれていても、確実に微破砕することができもって減容化を図ることができ、しかも、回収されたプラスチック片への金属類の混入を防止できる。また吸気口から熱風を導入することにより、プラスチックを半溶融化することができ、更に高い減容効果が得られる。
【0014】
上記の実施例では、各段の破砕羽根は総べて同一の長さとしたが、本発明では、図5に示すように、破砕羽根120a〜120dの長さを異なる(羽根の長さは、120a>120b>120c>120dとなっている)ようにしてもよい。
【0015】
【発明の効果】
以上に記述の如く、本発明によれば、破砕前のペットボトルの外観を目視で観察し、アルミキャップを取外すといった手間のかかる作業が不要となり、これらを細かく破砕しかつプラスチックと金属類を高精度で選別することができる。したがって分別収集されたペットボトルを低コストで再利用することが可能となる。しかも気流破砕機に熱風を吹き込むことにより、プラスチックを半溶融化することができ、更に高い減容効果が得られる。また熱風の吹き込みにより乾燥効果があるため、ペットボトル内に内容物が入った状態でも破砕減容化を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る気流破砕選別装置のシステム系統図である。
【図2】本発明の一実施例に係る気流破砕機の縦断面図である。
【図3】図2のA−A矢視図である。
【図4】図2のB−B矢視図である。
【図5】本発明の他の実施例に係る破砕羽根の配置を示す平面図である。
【符号の説明】
11 円筒状容器、12 吸気口、13 排気口、14 投入口、
15 回転軸、120 破砕羽根、121破砕刃

Claims (1)

  1. 下部に位置する気流が導入される吸気口と上部に位置する排気口と両者の間に位置する金属類を含むプラスチック廃棄物を投入するための投入口と下部に位置する廃棄物から分離された金属類を排出する排出口とを有する円筒状容器と、円筒状容器の内部に配置された回転軸と、廃棄物投入口を除く回転軸の周囲に放射状かつ多段に装着された複数の破砕羽根と、円筒状容器の内周面に円周方向に所定間隔をおいてかつ多段に装着された複数の破砕刃とを有し、排気口からプラスチック破砕物を排出することを特徴とする気流破砕選別装置。
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