JP3630163B2 - 動力出力装置およびその制御方法、並びにハイブリッド車両 - Google Patents

動力出力装置およびその制御方法、並びにハイブリッド車両 Download PDF

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Description

本発明は、動力出力装置およびその制御方法、並びにハイブリッド車両に関し、詳しくは、内燃機関と電動発電機とを備え、内燃機関の出力軸と電動発電機の回転軸と駆動軸とが機械的に結合された動力出力装置およびその制御方法、並びにハイブリッド車両に関する。
近年、内燃機関に加えて電動機を備えるハイブリッド車両として、種々の構成が提案されている。ハイブリッド車両は、従来のガソリンエンジンを搭載した車両に比べて、化石燃料の消費量を大幅に削減することが可能であり、環境問題の深刻化と共に社会的要請が増している。ハイブリッド車両の一種として、パラレル・ハイブリッド車両がある。パラレル・ハイブリッド車両では、内燃機関からの動力および電動機からの動力の両方を、車軸に伝達可能である。パラレル・ハイブリッド車両の構成の一例を、図1に示す。
図1に示したハイブリッド車両は、エンジン150と、電動発電機MG1,MG2とが備えられている。これら三者は、プラネタリギヤ120を介して機械的に結合されている。プラネタリギヤ120は、遊星歯車とも呼ばれ、以下に示すそれぞれのギヤに結合された3つの回転軸を有している。プラネタリギヤ120を構成するギヤは、中心で回転するサンギヤ121、サンギヤ121の外周で自転しながら公転するプラネタリピニオンギヤ123、さらにその外周で回転するリングギヤ122である。プラネタリピニオンギヤ123は、プラネタリキャリア124に軸支されている。図1のハイブリッド車両では、エンジン150の駆動軸であるクランクシャフト156は、プラネタリキャリア124の回転軸と結合してプラネタリキャリア軸127を成す。また、電動発電機MG1の駆動軸は、サンギヤ121の回転軸に結合してサンギヤ軸125を成し、電動発電機MG2の駆動軸は、リングギヤ122の回転軸に結合してリングギヤ軸126を成す。さらにリングギヤ122は、チェーンベルト129およびディファレンシャルギヤを介して、車軸112に結合している。
このような構成のハイブリッド車両の基本的な動作を説明するために、まず、プラネタリギヤ120の動作について説明する。プラネタリギヤ120は、上記した3つの回転軸のうち、2つの回転軸の回転数および一つの回転軸のトルク(以下、所定の回転軸における回転数とトルクとを合わせて回転状態と呼ぶ)が決定されると、すべての回転軸の回転状態が決まるという性質を有している。各回転軸の回転状態の関係は、機構学上周知の計算式によって求めることができるが、共線図と呼ばれる図により幾何学的に求めることもできる。
図2に共線図の一例を示す。縦軸は、各回転軸の回転数を示している。横軸は、各ギヤのギヤ比を距離的な関係で示している。サンギヤ軸125(図2中のS)とリングギヤ軸126(図2中のR)とを両端にとり、位置Sと位置Rとの間を1:ρに内分する位置Cを、プラネタリキャリア軸127の位置とする。ρは、リングギヤ122の歯数(Zr)に対するサンギヤ121の歯数(Zs)の比である。こうして横軸上に定義された位置S,C,Rに対して、それぞれのギヤの回転軸の回転数Ng,Ne,Nmをプロットする。プラネタリギヤ120は、このようにプロットされた3点が、必ず一直線上に並ぶという性質を有している。この直線を動作共線と呼ぶ。直線は、2点が決まれば一義的に決定されるものであるため、この動作共線を用いることにより、3つの回転軸のうちの2つの回転軸の回転数から、残る1つの回転軸の回転数を求めることができる。
また、プラネタリギヤ120では、各回転軸のトルクを動作共線に働く力に置き換えて示したとき、動作共線が剛体として釣り合いが保たれるという性質を有している。具体例として、プラネタリキャリア軸127に作用するトルクをTeとする。このとき、図2に示す通り、トルクTeに相当する大きさの力を位置Cで動作曲線に鉛直方向下から上に作用させる。作用させる方向は、トルクTeの方向に応じて定まる。また、リングギヤ軸126に対して作用するトルクTpを、位置Rにおいて動作共線に、鉛直方向上から下に作用させる。図中のTes,Tepは、剛体に作用する力の分配法則に基づいて、トルクTeを等価な2つの力に分配したものである。トルクTes,Tepの大きさは、以下の式(1),(2)により表わすことができる。
Tes=ρ/(1+ρ)×Te …(1)
Tep=1/(1+ρ)×Te …(2)
以上の力が作用した状態で、動作共線図が剛体として釣り合いがとれているという条件を考慮すれば、MG1によってサンギヤ軸125に作用すべきトルクTgと、MG2によってリングギヤ軸に作用すべきトルクTmとを求めることができる。トルクTgはトルクTesと等しくなり、トルクTmはトルクTpとトルクTepの差分と等しくなる。このような性質に基づいた各トルクTg、Tmを表わす式を、以下に式(3),(4)として示す。
Tg=−ρ/(1+ρ)×Te …(3)
Tm=Tp−1/(1+ρ)×Te …(4)
プラネタリキャリア軸127に結合されたエンジン150が回転しているとき、動作共線に関する上述の条件を満足する条件下で、サンギヤ121およびリングギヤ122は様々な運転状態で回転することができる。サンギヤ121が回転しているときには、その回転動力を利用して電動発電機MG1により発電することが可能である。リングギヤ122が回転しているときには、エンジン150から出力された動力を、車軸112に伝達することが可能である。図1に示した構成を有するハイブリッド車両では、エンジン150から出力された動力を、車軸112に機械的に伝達される動力と、一方の電動発電機が回生する(発電機として働く)ことによって電力に変換される動力に分配し、さらに回生された電力を用いて他方の電動発電機が力行する(電動機として働く)ことによって、車軸112において所望の動力を出力しながら走行することができる。このように、図1に示した構成のハイブリッド車両が走行する際には、通常は、電動発電機MG1およびMG2がそれぞれ、力行あるいは回生を行ない、力行で消費される電力と回生で生じる電力とが釣り合うように制御される。
ここで、図1に示した構成のハイブリッド車両では、車両の走行状態を制御する際には、まず車速とアクセル開度から、車軸112(実際には、車軸と機械的に結合しているリングギヤ軸126)における要求トルクが決定され、この要求トルクと車速から、リングギヤ軸126から出力すべき要求動力が決定される。次いで、この要求動力をリングギヤ軸126が出力可能となるように、エンジン150が出力すべき動力が決定され、この所定の動力をエンジン150が出力するように、エンジン150の駆動状態が制御される。また、上記所定の動力をエンジン150が出力したときに、リングギヤ軸126において上記要求トルクが実現されるように、MG1,MG2の駆動状態が制御される。MG1,MG2が力行あるいは回生を行なうことで、エンジンから出力された所定の動力が、所望の回転数およびトルクに変換されてリングギヤ軸126、すなわち車軸112より出力される。
ここで、リングギヤ軸126から出力すべき動力として決定された要求動力に対応する所定の動力を、エンジン150によって出力する際、エンジン150は、種々の運転状態(回転数と出力トルクとの組み合わせ)をとりうる。そこで、所定の動力を出力するようにエンジンを制御する際には、最も効率の高くなる動作点を選択して、その動作点においてエンジンが駆動されるように、MG1およびMG2の駆動状態が制御される。
エンジン150が上記所定の動力を出力する際に最も効率が高くなる上記動作点が求められると、この動作点における回転数およびトルクが、エンジン150の目標回転数および目標トルクとなる。ここで、既述したように、エンジン150の駆動軸はプラネタリキャリア124の回転軸と結合しているため、エンジン150が上記動作点で運転しつつ上記所定の動力を出力するとき、プラネタリキャリア軸127の回転数は、上記の様に決定されたエンジン150の目標回転数となる。また、リングギヤ122の回転軸と電動発電機MG2の駆動軸とは結合しており、さらにリングギヤ122は機械的に車軸112に結合しているため、リングギヤ軸126の回転数は、車速から一義的に求めることができる。ここで、サンギヤ121の回転軸とMG1の駆動軸とは結合しているため、MG1の回転数はサンギヤ軸125の回転数であるが、サンギヤ軸125の回転数は、リングギヤ軸126の回転数とプラネタリキャリア軸127の回転数とが決まると、図2に示した共線図により求めることができる。
このようにプラネタリギヤ120を構成する各ギヤに結合された各回転軸の回転数が決まると、所定の処理によって、MG1およびMG2で出力すべきトルクの大きさが決まる。このような条件で駆動するようMG1およびMG2の運転状態を制御しつつ、エンジン150が上記所定の動力を出力するよう制御すれば、エンジン150はその効率が最適となる状態で運転され、ハイブリッド車両においては所望の運転状態を実現することができる。
ここで、MG1およびMG2は、既述したように力行および回生を行ない、種々の回転数および出力トルクとなるような運転状態が可能であるが、これら回転数および出力トルクには限界値がある。図3および図4は、それぞれ、MG1,MG2におけるこのような回転数および出力トルクの限界値を示す出力特性を表わす説明図である。これらの限界値は、モータそのものの能力や、モータの機械的な性質などに応じて定まるものである。したがって、ハイブリッド車両において、プラネタリギヤ120を介することでエンジン150が出力する動力を変換し、MG1,MG2を制御することで車軸において所望の運転状態を実現しようとする際に、MG1やMG2に対して指示される運転状態が、これら電動発電機の限界値を超えてしまう可能性があった。すなわち、エンジン150が出力する動力がエンジン150の性能の範囲内の値であっても、MG1あるいはMG2に対して決定される運転状態が、図3および図4に示した限界値を超えてしまうおそれがあった。
図1に示した構成のハイブリッド車両において、その車速を上げたときには、図5に示す共線図のような運転状態となることがある。この状態では、リングギヤ軸126は正転しつつMG2は回生し、MG2が回生するのと同等の電力は、MG1が力行することで消費される。ハイブリッド車両がこのような運転状態となっているときのMG2の運転状態の一例を、図4に示したMG2の出力特性を表わす説明図において、点αで示す。ここで、さらにハイブリッド車両の車速を上げようとアクセルが踏み込まれると、リングギヤ軸126の回転数、すなわちMG2の回転数を上げるための制御が行なわれることになる。このような時には、既述した要求動力や、エンジン150の運転効率が最もよくなる動作点に基づいて定められるMG2の運転状態が、図4中、点βで表わした位置に対応する運転状態となり、MG2の運転状態の限界値を超えてしまう。
MG2に対して求められる運転状態が、図4中点βで表わした位置に対応する状態となり、限界値を超える場合には、このような運転状態をとることはできないため、既述した要求動力に対してエンジン150の出力にはまだ余力がある場合にも、それ以上車速を上げることはできなかった。したがって、このような場合には、エンジン150が出力可能な動力によってではなく、MG2の性能によって、車速の上限が制限を受けることになってしまった。
このようなハイブリッド車両において、種々の走行状態を考慮した上で、エンジン150における出力状態の限界内でさらなる車速を実現しようとすると、より大きな電動発電機を搭載することが必要であった。すなわち、充分に大きなMG1およびMG2を搭載すれば、エンジン150が出力できる動力の範囲内で、あらゆる走行状態に対してMG1およびMG2は対応可能となる。しかしながら、より大きな電動発電機を搭載することは、より大きなスペースを電動発電機が占めることになるため、車両設計上の制約が増大するという問題を生じると共に、車両重量が増すため燃費の低下などの問題をさらに招いてしまう。そのため、電動発電機の大型化を伴うことなく、エンジンの性能を充分に発揮させてさらなる車速を実現し、車両性能を向上させることが望まれていた。
本発明の動力出力装置およびその制御方法、並びにハイブリッド車両は、こうした問題を解決し、モータを大型化することなく、エンジンの性能を充分に発揮させて、車両の性能を充分に確保することを目的としてなされ、次の構成を採った。
本発明の動力出力装置は、エンジンと、該エンジンの出力軸および外部に動力を出力する駆動軸に結合され、前記エンジンから出力された動力を前記駆動軸に伝達すると共に、該伝達される動力の大きさを電力のやり取りによって調整する動力調整手段と、前記駆動軸に結合された電動機とを備える動力出力装置であって、
前記エンジンに対して要求された要求動力を算出する要求動力算出手段と、
前記駆動軸の回転数を入力し、該駆動軸の回転数が、前記電動機が動力を出力する際に許容できる回転数の限界値を超えているかどうかを判別する回転数超過判別手段と、
前記回転数超過判別手段が前記回転数の限界値を超えていると判別したときに、前記電動機の運転状態を、前記電動機の出力トルクが略0となり、回転数が前記駆動軸の回転数と等しくなるように設定すると共に、設定された前記電動機の運転状態と前記要求動力とに基づいて、前記エンジンの運転状態を設定する第1の運転状態設定手段と、
前記回転数超過判別手段が前記回転数の限界値を超えていると判別したときに、前記電動機および前記エンジンの運転状態が、前記第1の運転状態設定手段により設定した運転状態になるように、前記エンジンと前記動力調整手段と前記電動機とを運転する第1の運転手段と
を備えることを要旨とする。
以上のように構成された本発明の動力出力装置は、エンジンの出力軸および外部に動力を出力する駆動軸に結合される動力調整手段が、前記エンジンから出力された動力を前記駆動軸に伝達すると共に、該駆動される動力の大きさを電力のやり取りによって調整する。このような動力出力装置は、前記駆動軸の回転数を入力して、この駆動軸の回転数が、前記駆動軸に結合された電動機が動力を出力する際に許容できる回転数の限界値を超えているかどうかを判別する。回転数の限界値を超えていると判別したときには、電動機の運転状態を、その出力トルクが略0となり、回転数が前記駆動軸の回転数と等しくなるように設定すると共に、設定された電動機の運転状態と、エンジンに対して要求された要求動力とに基づいて、エンジンの運転状態を設定する。また、電動機およびエンジンの運転状態が、設定した運転状態となるように、前記エンジンと前記動力調整手段と前記電動機とを運転する。
また、本発明の動力出力装置の制御方法は、エンジンと、該エンジンの出力軸および外部に動力を出力する駆動軸に結合され、前記エンジンから出力された動力を前記駆動軸に伝達すると共に、該伝達される動力の大きさを電力のやり取りによって調整する動力調整手段と、前記駆動軸に結合された電動機とを備える動力出力装置の制御方法であって、
(a)前記エンジンに対して要求された要求動力を算出する工程と、
(b)前記駆動軸の回転数を入力し、該駆動軸の回転数が、前記電動機が動力を出力する際に許容できる回転数の限界値を超えているかどうかを判別する工程と、
(c)前記(b)工程において、前記回転数の限界値を超えていると判別されたときに、前記電動機の運転状態を、前記電動機の出力トルクが略0となり、回転数が前記駆動軸の回転数と等しくなるように設定すると共に、設定された前記電動機の運転状態と前記要求動力とに基づいて、前記エンジンの運転状態を設定する工程と、
(d)前記(b)工程において、前記回転数の限界値を超えていると判別されたときに、前記電動機および前記エンジンの運転状態が、前記(c)工程で設定した運転状態になるように、前記エンジンと前記動力調整手段と前記電動機とを運転する工程と
を備えることを要旨とする。
このような本発明の動力出力装置およびその制御方法によれば、前記駆動軸の回転数が、前記電動機が動力を出力する際に許容できる回転数の限界値を超えると判別したときには、出力トルクが略0となるように前記電動機の運転状態を設定し、設定した電動機の運転状態と要求動力とに基づいてエンジンの運転状態を設定するため、動力出力装置が備える駆動軸の回転数が、前記電動機の性能によって制限されることがない。エンジンから充分な動力が出力されるならば、前記電動機からの出力トルクが略0となるように前記電動機を運転しつつ、前記駆動軸において所望の回転数およびトルクからなる動力を出力することができる。したがって、駆動軸から所望の動力を出力するために必要な電動機の性能を抑えることが可能となり、動力出力装置が備える電動機の大きさをより小さくすることができる。
本発明の動力出力装置において、前記動力調整手段は、発電機と、3つの回転軸がそれぞれ該発電機および前記エンジンの出力軸と前記駆動軸とに結合されたプラネタリギヤとを備えることとしてもよい。
また、本発明の動力出力装置において、前記動力調整手段は、相対的に回転可能な2つのロータを有する対ロータ電動機であることとしてもよい。
本発明の動力出力装置において、さらに、
前記回転数超過判別手段が前記回転数の限界値を超えていないと判別したときに、前記算出された要求動力に基づいて前記エンジンの運転状態を設定すると共に、該設定されたエンジンの運転状態に基づいて、前記電動機の出力トルクを設定するトルク設定手段と、
前記トルク設定手段が設定した前記電動機の出力トルクが、限界値を超えているかどうかを判別するトルク超過判別手段と、
前記トルク超過判別手段が前記トルクの限界値を超えていると判別したときに、前記電動機の運転状態を、前記電動機の出力トルクが前記限界値を超えることなく、回転数が前記駆動軸の回転数と等しくなるように設定すると共に、該設定された前記電動機の運転状態と前記要求動力とに基づいて、前記エンジンの運転状態を設定する第2の運転状態設定手段と、
前記トルク超過判別手段が前記トルクの限界値を超えていると判別したときに、前記電動機および前記エンジンの運転状態が、前記第2の運転状態設定手段により設定した運転状態になるように、前記エンジンと前記動力調整手段と前記電動機とを運転する第2の運転手段と
を備えることとしてもよい。
以上のように構成された本発明の動力出力装置は、エンジンの出力軸および外部に動力を出力する駆動軸に結合される動力調整手段が、前記エンジンから出力された動力を前記駆動軸に伝達すると共に、該伝達される動力の大きさを電力のやり取りによって調整する。このような動力出力装置は、前記駆動軸の回転数を入力して、この駆動軸の回転数が、前記駆動軸に結合された電動機が動力を出力する際に許容できる回転数の限界値を超えているかどうかを判別する。回転数の限界値を超えていないと判別したときには、エンジンに対して要求された要求動力に基づいて前記エンジンの運転状態を設定すると共に、この設定されたエンジンの運転状態に基づいて、前記電動機の出力トルクを設定する。このように設定された電動機の出力トルクが、限界値を超えていると判別したときには、前記電動機の運転状態を、前記電動機の出力トルクが前記限界値を超えることなく、回転数が前記駆動軸の回転数と等しくなるように設定すると共に、この設定された前記電動機の運転状態と前記要求動力とに基づいて、前記エンジンの運転状態を設定する。また、前記電動機および前記エンジンの運転状態が、設定した運転状態になるように、前記エンジンと前記動力調整手段と前記電動機とを運転する。
このような本発明の動力出力装置によれば、前記電動機において、出力トルクが限界値を超えないようにその運転状態が設定され、この設定された電動機の運転状態に基づいてエンジンの運転状態が設定されるため、動力出力装置の駆動軸から出力する動力が、前記電動機の性能によって制限されることがない。エンジンから充分な動力が出力されるならば、前記電動機からの出力トルクがその限界値の範囲内となる運転状態で電動機を運転しつつ、前記駆動軸において所望のトルクおよび回転数を出力することができる。したがって、駆動軸から所望の動力を出力するために必要な電動機の性能を抑えることが可能となり、動力出力装置が備える電動機の大きさをより小さくすることができる。
また、本発明のハイブリッド車両は、請求項1ないし4いずれか記載の動力出力装置を備え、前記駆動軸から出力される動力によって走行することを要旨とする。
このようなハイブリッド車両によれば、前記電動機の性能によって前記駆動軸から出力される動力が制限されてしまうことがなく、エンジンから充分な動力を出力することによって、所望の走行状態を実現することができる。したがって、車両において所望の走行状態を実現するために搭載すべき電動機の性能を抑えることが可能となり、搭載する電動機の大きさをより小さくすることができる。搭載すべき電動機を小型化することが可能となることにより、車両設計の自由度が向上すると共にコストの低減を図ることができるという効果が得られる。
以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下本発明の実施の形態を実施例に基づき説明する。
(1)装置の構成
はじめに、本発明の実施例としての動力出力装置を適用したハイブリッド車両の構成について、図1を用いて説明する。このハイブリッド車両の動力系統は、次の構成から成っている。動力系統に備えられた原動機としてのエンジン150は、通常のガソリンエンジンであり、クランクシャフト156を回転させる。エンジン150の運転は、燃料噴射制御電子制御装置(以下、EFIECUと呼ぶ)170により制御されている。EFIECU170は、内部にCPU、ROM、RAMなどを有するワンチップ・マイクロコンピュータであり、CPUがROMに記録されたプログラムに従い、エンジン150の燃料噴射その他の制御を実行する。図示を省略したが、これらの制御を可能とするために、EFIECU170には、エンジン150の運転状態を示す種々のセンサが接続されている。
動力系統には、他にモータMG1,MG2が備えられている。モータMG1,MG2は、同期電動発電機として構成され、外周面に複数個の永久磁石を有するロータ132,142と、回転磁界を形成する三相コイルが巻回されたステータ133,143とを備える。ステータ133,143は、ケース119に固定されている。モータMG1,MG2のステータ133,143に巻回された三相コイルは、それぞれ、駆動回路191,192を介してバッテリ194に接続されている。駆動回路191,192は、各相ごとにスイッチング素子としてのトランジスタを2つ1組で備えたトランジスタインバータである。駆動回路191,192は、制御ユニット190に接続されている。制御ユニット190からの制御信号によって、駆動回路191,192のトランジスタがスイッチングされると、バッテリ194とモータMG1,MG2との間に電流が流れる。モータMG1,MG2は、バッテリ194から電力の供給を受けて回転駆動する電動機として動作することもでき、ロータ132,142が外力により回転している場合には、三相コイルの両端に起電力を生じさせる発電機として機能して、バッテリ194を充電することもできる。
エンジン150とモータMG1,MG2は、それぞれプラネタリギヤ120を介して機械的に結合されている。プラネタリギヤ120は、サンギヤ121,リングギヤ122,プラネタリピニオンギヤ123を有するプラネタリキャリア124から構成されている。本実施例のハイブリッド車両では、エンジン150のクランクシャフト156は、ダンパ130を介してプラネタリキャリア軸127に結合されている。ダンパ130は、クランクシャフト156に生じる捻り振動を吸収するために設けられている。モータMG1のロータ132は、サンギヤ軸125に結合されている。モータMG2のロータ142は、リングギヤ軸126に結合されている。リングギヤ122の回転は、チェーンベルト129を介して、車軸112および車輪116R,116Lに伝達される。
プラネタリギヤ120の動作については、図2の共線図を用いて説明した通りである。本実施例のハイブリッド車両は、プラネタリギヤ120の作用に基づいて、種々の状態で走行することができる。すなわち、既述したように、モータMG1,MG2の運転を制御することによって、エンジン150から出力された動力を、種々の回転数およびトルクの回転状態に変換して、車軸112に出力することができる。
本実施例の動力出力装置の運転全体は、制御ユニット190により制御されている。制御ユニット190は、EFIECU170と同様に、内部にCPU,ROM,RAMなどを有するワンチップ・マイクロコンピュータである。制御ユニット190は、EFIECU170と接続されており、両者は種々の情報を伝達し合うことが可能である。制御ユニット190は、エンジン150の制御に必要となるトルク指令値や回転数の指令値などの情報をEFIECU170に送信することにより、エンジン150の運転を間接的に制御することができる。制御ユニット190は、このようにEFIECU170と情報のやり取りをすることで、動力出力装置全体の運転を制御する。このような制御を実現するために、制御ユニット190には、種々のセンサ、例えば、車軸112の回転数を知るためのセンサ144や、アクセルペダルの踏み込み状態を検出するアクセルペダルポジションセンサ(図示せず)などが接続されている。ここで、本実施例では、リングギヤ軸126と車軸112は機械的に結合されているため、車軸112の回転数を知るためのセンサ144をリングギヤ軸126に設け、モータMG2の回転を制御するためのセンサと共通にしている。
なお、本実施例のハイブリッド車両は、上記したようにエンジン150が出力した動力を、プラネタリギヤ120およびモータMG1,MG2を介して車軸112に伝え、車軸112において所望の運転状態を実現するという運転モードの他に、異なる運転モードを選択して走行することもできる。例えば、エンジン150は停止して、バッテリ194から供給される動力を用いて走行することも可能である。このような他の運転モードは、本発明の要部とは直接関わらないため、これ以上の説明は省略する。
(2)トルク制御処理
次に、本実施例におけるトルク制御処理について説明する。トルク制御処理とは、エンジン150およびモータMG1,MG2を制御して、要求されたトルクおよび回転数からなる動力を、車軸112から出力する処理をいう。本実施例におけるトルク制御処理のフローチャートを図6に示す。本ルーチンは、制御ユニット190内のCPU(以下、単にCPUという)によって、エンジン150が駆動される期間内に、タイマ割り込みによって所定時間ごとに繰り返し実行される。
トルク制御処理ルーチンが開始されると、CPUは、アクセル開度および車速Nmを入力する(ステップS100)。ここで、アクセル開度は、既述したアクセルペダルポジションセンサから入力する信号を基に知ることができる。また、車速Nmは、既述したセンサ144が検出したリングギヤ軸126の回転数から知ることができ、以下の処理では、車速としてリングギヤ軸126の回転数を用いている。次に、CPUは、ステップS100で入力した情報を基に、駆動力(制御対象は車軸112からの出力トルクであるが、ここではリングギヤ軸126に対して働く目標トルク)Tp*を設定する(ステップS110)。制御ユニット190では、予めROM内に、アクセル開度および車速と、駆動力Tp*との関係がマップとして記憶されており、CPUは、このマップを参照することにより駆動力Tp*を決定する。
駆動力Tp*を求めると、次にCPUは、エンジン要求動力Pe*を算出する(ステップS120)。このエンジン要求動力Pe*は、駆動力Tp*と車速Nmの積から算出される走行動力である。このようにエンジン要求動力Pe*を算出すると、CPUは、目標収支の算出を行なう(ステップS130)。ここで、目標収支とは、車軸112から実際に所望の動力を出力するために、エンジンから出力する動力を補正する基準となるものである。
エンジン150から出力された動力が、プラネタリギヤ120やモータMG1,MG2を介して車軸112に伝えられ、所定のトルクおよび回転数にて出力される際には、100%の効率で動力が伝達されるわけではない。したがって、動力が伝達される間に生じるエネルギのロスを考慮すると、車軸112において所望の動力を出力するためには、エンジン150は、上記要求動力Pe*よりも多くの動力を出力する必要がある。また、バッテリ194の残存容量(SOC)によっても、エンジン150から出力すべき動力が影響を受ける。すなわち、バッテリ194の残存容量が所定量以下の場合には、バッテリ194を充電するためのエネルギをエンジン150が賄う(実際には、MG1やMG2で余分に回生を行なう)必要があり、また、バッテリ194の残存容量が所定量以上の場合には、バッテリ194の過充電を防ぐためにバッテリ194から電力が取り出す必要があり、このバッテリ194から取り出される電力量に応じてエンジン150が出力すべき動力は少なくなる。このように、目標収支は、動力が伝達される際に生じるロスや、バッテリ194の残存容量を変数とした関数として求めることができ、ステップS120で算出されたエンジン要求動力Pe*に比べて、エンジン150は、どれだけ多くの動力を、あるいはどれだけ少ない動力を出力すべきか、という値として算出される。
目標収支を算出すると、次にCPUは、モータMG2の回転数がMG2回転数の限界値を超えていないかどうかを判断する(ステップS140)。モータMG2が動力を出力する際の回転数の限界値は、既述した図4に示したモータMG2の出力特性図から知ることができる。すなわち、図4において、モータMG2の運転状態の限界を示す線と横軸との交点である点LIMに対応する回転数が、モータMG2が動力を出力する際の回転数の限界値であり、ステップS100で入力したリングギヤ軸126の回転数Nmが、この限界値を超えているかどうかを判断する。
モータMG2の回転数が限界値を超えないと判断されたときには、CPUは、通常の制御に従って、エンジン150の目標運転ポイント、すなわち、ステップS120で算出したエンジン要求動力Pe*を出力するための、目標回転数Ne*および目標トルクTe*を設定する(ステップS150)。このような制御においては、エンジン150の運転ポイントとして、運転効率が最も高くなる運転ポイントがマップから選択される。
図7にエンジン150の運転ポイントと運転効率の関係を示す。図中の曲線Bは、エンジン150が運転可能な回転数およびトルクの限界値を示している。図7においてα1%、α2%等で示される曲線は、それぞれエンジン150の効率が一定となる等効率線であり、α1%、α2%の順に効率が低くなっていくことを示している。図7に示すとおり、エンジン150は比較的限定された運転ポイントで効率が高く、その周囲の運転ポイントでは徐々に効率が低下していく。
図7中、C1−C1、C2−C2、C3−C3で示されている曲線は、エンジン150から出力される動力が一定の曲線であり、エンジン150の運転ポイントは、これらの曲線のうち、要求動力に対応する所定の曲線上で選択される。C1−C1、C2−C2、C3−C3の順に要求動力が低い状態を示している。例えば、エンジン150への要求動力Pe*が曲線C1−C1で表わされる動力に相当する場合、エンジン150の運転ポイントは、曲線C1−C1上で運転効率が最も高くなるA1点に設定される。同様に、C2−C2曲線上ではA2点に、C3−C3曲線上ではA3点に運転ポイントを設定する。曲線C1−C1、C2−C2、C3−C3上における、エンジン150の回転数と運転効率との関係を図8に示す。なお、図8では、所定の要求動力に対応する曲線として、説明の便宜上、図7中の3本の曲線に対応するものだけを例示しているが、このような曲線は要求出力に応じて無数に引くことができ、エンジン150の運転ポイントA1等も無数に選択することができるものである。このようにエンジン150の運転効率の高い点をつなぐことにより描いた曲線が、図7中の曲線Aであり、これを動作曲線と呼ぶ。
以上の処理によりエンジン150の運転ポイントを設定すると、次に、このステップS150で設定したエンジン150の目標回転数の補正を行なう(ステップS170)。このエンジン回転数の補正の処理は、実際に車軸112から所望の動力が出力されるよう、エンジン150の目標回転数を補正することによって、エンジン150から出力する動力を補正するものである。ここでは、ステップS130で算出した目標収支と、モータMG1およびMG2からの出力状態とに基づいて、目標回転数Ne*の補正を行なう。現在モータMG1およびMG2で出力されている動力をそれぞれPg,Pmとすると、現在の運転状態において、エンジン150から出力される動力と車軸112から出力される動力との間の収支は、PgとPmとの和であらわされる。そこで、目標回転数Ne*の補正量は、以下の式、
目標収支−(Pg+Pm)
で表わされる収支の偏差に基づいて、比例積分微分制御(PID制御)を行なうことにより求めることができる。ステップS170では、ステップS150で求めたエンジン150の目標回転数Ne*に、この補正量を加えたものを、新たに、エンジン150の目標回転数Ne*とする。
ここで、PgおよびPmの値は、上記したようにモータMG1およびモータMG2から現在出力されている動力であるべきであるが、動力や出力トルクを実測することは困難であるため、ここでは、モータMG1およびモータMG2に対して現在出されているトルク指令値(すなわち、前回トルク制御処理ルーチンを実行したときに設定したトルク指令値)と、モータMG1およびMG2の回転数を検出するセンサの実測値とに基づいて、PgおよびPmを求めている。本実施例のハイブリッド車両においては、通常は、既述したエネルギのロスやバッテリ194の残存容量を考慮しなければ、PgとPmとの和が値0となるように制御される。しかしながら実際には、目標収支を考慮しつつ制御が行なわれ、また、モータMG1およびMG2の動作では、制御指令に対して遅れが生じるため、上記したように実測した回転数に基づいてPgとPmとの和を求め、これと既述した目標収支との差に基づいて、目標回転数Ne*の補正量を求める。なお、PID制御は周知の制御方法であるため詳しい説明は省略する。
ステップS170においてエンジン150の目標回転数Ne*を補正すると、次に、モータMG1の運転ポイント、すなわちMG1の目標回転数Ng*および目標トルクTg*を設定する(ステップS180)。エンジン150の目標回転数、すなわちプラネタリキャリア軸127の目標回転数Ne*が設定されており、車軸112の目標回転数、すなわちリングギヤ軸126の回転数Nmが入力されているため、図2に示したような共線図によって、サンギヤ軸125の目標回転数、すなわちモータMG1の目標回転数Ng*を設定することができる。もとより、ステップS180では、共線図から導かれる所定の比例計算式によって、モータMG1の目標回転数Ng*を設定する。モータMG1の目標回転数Ng*を求める式を以下に(5)式として示す。また、モータMG1の目標トルクTg*は、図2に示したような共線図の性質によれば、既述した(3)式に基づいて求めることができるが、実際にはPID制御によって設定される。
Ng*=(1+ρ)/ρ×Ne*−1/ρ×Nm …(5)
モータMG1の運転ポイントが設定されると、次にCPUは、モータMG2の運転ポイントを設定する(ステップS190)。モータMG2の目標回転数としては、ステップS100で入力したリングギヤ軸126の回転数Nmが与えられるため、ここでは、モータMG2の目標トルクTm*が設定される。モータMG2の目標トルクTm*は、既述した共線図に基づく性質により、駆動力Tp*およびエンジン目標トルクTe*を既述した(4)式に代入することにより求められるが、実際にはPID制御によって設定される。
こうして設定された運転ポイントに従って、CPUは、モータMG1,MG2およびエンジン150の運転に関する制御処理を行ない(ステップS200)、本ルーチンを終了する。モータMG1,MG2の制御は、設定された目標回転数と目標トルクとに応じて各モータの三相コイルに印加する電圧が設定され、現時点での印加電圧との偏差に応じて、駆動回路191,192のトランジスタのスイッチングを行なうのである。同期モータを制御する方法については周知であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
エンジン150についても、設定された運転ポイントで運転するための制御処理は周知であるため、ここでは説明を省略する。ただし、実際にエンジン150の制御を行なうのはEFIECU170である。したがって、トルク制御処理ルーチンでのステップS200における処理では、制御ユニット190からEFIECU170に対して、エンジン150の運転ポイントなどの必要な情報を送信する処理が行なわれる。このように情報を送信することによって、制御ユニット190のCPUは、間接的にエンジン150の運転を制御する。
ステップS140において、モータMG2の回転数が限界値を超えていると判断したときには、CPUは、既述した通常の制御とは異なる制御によって、エンジン150の目標目標運転ポイント、すなわち、目標回転数Ne*および目標トルクTe*を設定する(ステップS160)。ここでは、ステップS110,S120で算出した駆動力Tp*とエンジン要求動力Pe*とに基づいて、エンジン150の運転ポイントを設定する。
モータMG2の回転数が限界値を超えている状態は、例えば図4で点βとして示される運転状態に対応する。モータMG2の回転数(現在MG2に対して出されているトルク指令値と、ステップS100で入力したリングギヤ軸126の回転数Nmとに基づく運転状態)が、図4における点βに対応する場合のように、モータMG2が動力を出力する際の限界値を超えているときには、エンジン150の運転ポイントは、効率が最も高くなるポイントとする代わりに、MG2の目標トルクTm*が値0となるように設定される。既述した(4)式においてTmに値0を代入すると、以下の(6)式が成立する。
Te=(1+ρ)×Tp …(6)
ここで、Tpすなわち駆動力Tp*はステップS110において求められているため、エンジン150の目標トルクTe*は、上記(6)式において、ステップS110で求めたTp*の値を式中のTpに代入することによって求められる。
このようにエンジン150の目標トルクTe*を求めると、この値を基にしてエンジン150の目標回転数Ne*を求める。図7には、エンジン150の運転ポイントと運転効率の関係を示したが、既述したように、エンジン150は、要求動力が決定されたときに、この要求動力に対応する曲線上(C1−C1、C2−C2、C3−C3で示したように出力される動力が一定となる所定の曲線上)で、種々の運転ポイントをとることができる。従ってこの場合には、ステップS120で算出した要求動力Pe*に対応するこのような曲線上で、上記(6)式に基づいて求められた目標トルクTe*に対応する運転ポイントを選択し、エンジン150の目標回転数Ne*を設定する。
図9に、エンジン150から出力される動力が、ステップS120で算出した要求動力Pe*となる運転ポイントをつないだ曲線を、曲線Pe*として示す。ステップS160では、この曲線Pe*上で、エンジントルクが、上記(6)式に基づいて算出したTe*となる運転ポイントD1を選択し、この運転ポイントに対応する目標回転数Ne*を求める。なお、図9には、エンジンの運転効率が最も高い点をつないだ動作曲線A(図7における曲線Aと同じ)も併せて示したが、既述したステップS150では、曲線Pe*と動作曲線Aとの交点D2にあたる動作ポイントを、エンジン150の運転ポイントとしている。
エンジン150の運転ポイントを設定した後は、既述したステップS170からステップS200と同様の処理を行なう。ステップS170では、ステップS130で算出しておいた目標収支に基づいて、エンジン150の目標回転数Ne*の補正を行ない、これによってエンジン要求動力Pe*を補正する。このような処理を図9上で表わすと、目標トルクTe*は変えることなく目標回転数Ne*をNe*2に補正することによって、運転ポイントD3を、エンジン150の運転ポイントとして設定する。ここで、運転ポイントD3は、エンジン150からの出力動力がPe*2である曲線上の点であるため、このような処理によって、エンジン150からの出力動力はPe*2に補正される。
ステップS180では、MG1の運転状態が設定される。プラネタリキャリア軸127の目標回転数Ne*が、エンジン150の補正された目標回転数Ne*2として設定されており、リングギヤ軸126の回転数Nmも入力されているため、共線図に基づいて、実際には以下に示した(5)式に基づいて、サンギヤ軸125の目標回転数、すなわちモータMG1の目標回転数Ng*が設定される。また、モータMG1の目標トルクTg*は、共線図の性質に基づけば、既述した(3)式および(6)式によって以下に示す(7)式で表わすことができる、実際には既述したPID制御によって設定される。
Tg*=−ρ×Tp* …(7)
ステップS190は、モータMG2の運転状態を設定するためのステップであるが、モータMG2の目標回転数は、ステップS100で入力した車速Nmであり、また、モータMG2の目標トルクTm*が値0となるようにステップS160以下の処理がなされているため、実際にはここで新たにモータMG2の運転状態が決定されることはない。なお、ステップS170において、エンジン150の目標トルクTe*を変えることなく、エンジン150の目標回転数Ne*を補正することによってエンジン150の要求動力Pe*を補正しているため、このようなエンジン150の要求動力の補正を行なっても、MG2の目標トルクは値0のままである(既述した(3)式参照)。こうして設定された運転ポイントに従って、CPUは、モータMG1,MG2およびエンジン150の運転に関する制御処理を行ない(ステップS200)、本ルーチンを終了する。
上記したようなステップS160以下の処理を行なった場合の共線図を、図10に実線で示す。ステップS160以下の処理を行なう場合には、ステップS110で求められた駆動力Tp*に基づいてエンジンの要求動力Pe*が算出され、これに基づいてエンジン150の運転ポイントが設定されるが、このとき、モータMG2の目標トルクが値0となるようにエンジン150の目標回転数Ne*および目標トルクTe*が求められる。また、これらの結果に対応してモータMG1の運転状態が設定される。
なお、車両が同様に高速で走行している状態の時に、ステップS150以下の処理を行なう場合には、既述した図5に示した共線図の状態となる。ステップS150以下の処理を行なう場合には、駆動力Tp*に基づいてエンジンの要求動力Pe*が算出され、これに基づいてエンジン150の運転ポイントが設定されるが、このとき、エンジン150の効率が最も高くなるように、エンジン150の目標回転数Ne*および目標トルクTe*(図中Te)が求められる。また、これらの結果とリングギヤ軸126の回転数Nmに応じて、モータMG1,MG2の目標トルクTg*、Tm*およびモータMG1の目標回転数Ng*が求められる。
ここで、図10では、ステップS160以下の処理を行なった場合の共線図に加えて、リングギア軸126の回転数Nmおよび駆動力Tp*がこの場合と同じであって、ステップS150以下の処理を行なう場合に設定される状態に対応する共線図を、さらに点線で示している。図10に示したステップS160以下の処理を行なった場合に対応する共線図の運転状態では、ステップS150以下の処理を行なう場合に比べて、出力動力が等しい曲線上で、エンジン150の目標回転数Ne*をより大きくし、またこれに伴ってエンジン150の目標トルクTe*をより小さくすることで(図9参照)、Te*を分割したTepと駆動力Tp*を釣り合わせてモータMG2の目標トルクTm*を値0としている。このような運転を行なうと、モータMG2の出力軸はトルクを出力することなく回転数Nmで回転し、リングギヤ軸126は、回転数Nmで回転しつつ、駆動力Tp*と釣り合うエンジン直達トルク(エンジン150が出力するトルクによってリングギヤ軸126に発生するトルク)Tepを出力する。
なお、モータMG2の出力トルクが略0であれば、モータMG2から出力される動力Pmも略0となる。したがって、既述した目標収支を考慮せず、モータMG1から出力される動力PgとモータMG2から出力される動力Pmとが釣り合い、両者の和が値0となる状態においては、モータMG2の出力トルクが略0であればモータMG1から出力される動力Pgも略0となる。このような状態を示す図10では、モータMG1の目標トルクTg*は、エンジン150の目標トルクTe*を剛体に作用する分配法則に基づいて分配したトルクTesに釣り合う力として表わされ、モータMG1の目標回転数Ng*は略0として表わされる。なお、図6に示した処理を実行し、目標収支を考慮した制御を実際に行なう場合には、モータMG1は、バッテリ194の残存容量に応じて回生あるいは力行を行なうため、サンギヤ軸125は所定の回転数で回転する。
ここで、本実施例の動力出力装置では、ステップS190で設定されたモータMG2の運転状態が限界値を超える場合には、ステップS200でモータMG2の運転制御を行なう際に、モータMG2の出力トルクを強制的に略0とし、限界を超える運転状態はとらない。このような場合に、図6に示したトルク制御処理ルーチンを次回実行する際には、ステップS140では、前回実行したトルク制御処理ルーチンのステップS190で設定したモータMG2の運転状態(モータMG2の運転状態の限界値を超える運転状態)を呼び出し、限界値を超えたものと判断して、既述したステップS160以下の処理を行なう。したがって、ステップS150以下の処理を行なうとモータMG2の運転状態が限界値を超えてしまう場合にも、モータMG2をその限界値を超える状態で運転することなく、モータMG1とMG2の出力のバランスを取りつつ、直ちに所望の走行状態を実現する。
また、上記した実施例では、ステップS130において目標収支を算出し、この結果に基づいてステップS170においてエンジン150の目標回転数の補正を行なって、これによってエンジン150における要求動力Pe*を補正することとしたが、ステップS130で算出した目標収支に基づいて、まずエンジン150における要求動力Pe*を補正し、これに基づいて、ステップS150、およびステップS160でエンジン150の運転ポイントを設定することとしても良い。
このような構成を、図9に基づいて説明する。このような場合には、まず、ステップS130において算出した目標収支を基にして、エンジン150から出力すべき要求動力Pe*を補正する。このような動作は、図9において、エンジン150の運転ポイントを、曲線Pe*上ではなく曲線Pe*2上で設定することとする動作に対応する。ここで、ステップS140においてモータMG2の運転状態が限界値を超えたと判断され、ステップS160以下の処理を行なう場合には、この曲線Pe*2上で、エンジン150の目標トルクTe*が既述した(6)式に対応する値となる運転ポイント(モータMG2の目標トルクTm*が値0となるような運転ポイント)、すなわち図9における運転ポイントD3を選択し、エンジン150の運転状態を設定する。なお、ステップS140においてモータMG2の運転状態が限界値を超えないと判断され、ステップS150以下の処理を行なう場合には、曲線Pe*2と動作曲線Aとの交点である運転ポイントD4を選択し、エンジン150の運転状態を設定すればよい。
以上のように構成された本実施例の動力出力装置を備えた車両では、モータMG2の回転数が限界値を超えている場合には、出力トルクTm*が実質的に0となるようにモータMG2の運転状態を設定し、このように設定されたモータMG2の運転状態と要求動力とに基づいて、エンジン150およびモータMG1の運転状態を設定する。したがって、エンジン150から充分な動力を出力することによって、モータMG2が出力可能な運転状態における回転数の限界値を超える回転数でリングギヤ軸126を回転させつつ、エンジン直達トルクによってリングギヤ軸126から所望のトルクを出力することができ、モータMG2の性能によって車速が制限されてしまうことがない。このように、モータMG2の性能によって車速が制限されることがないため、車両において所定の車速を保証するために車両に搭載すべきモータMG2をより小型化することができる。モータMG2をより小型化することができることで、車両の軽量化、車両の設計の自由度の向上、あるいは車両の製造コストの低減等の効果を得ることができる。
なお、上記した説明では、ステップS140においてモータMG2の回転数が限界値を超えると判断される際(図4における点βに対応する運転状態)に行なわれる制御について述べたが、図4における点γ1に対応する運転状態の場合にも、同様の処理を行なうことができる。すなわち、モータMG2の回転数は限界値を超えていない場合であって、モータMG2に対して設定される目標トルクが、図4に示したモータMG2の限界値を超える場合にも、同様の処理を行なうことができる。点γ1に対応する運転状態のように、モータMG2が出力可能な運転状態における回転数の限界値(点LIMに対応する回転数)を超えていない場合には、モータMG2の回転数Nmは車速から求めた値とすると共に、目標トルクTm*は、モータMG2の運転状態の限界値の範囲内となるより小さい値を選択して、運転ポイントを定めればよい。図4に則せば、点γ1に代えて点γ2に対応する運転ポイントを選択する。このように設定されたモータMG2の運転ポイントとエンジン150の要求動力Pe*とに基づいて、エンジン150の運転ポイントを設定することができ、これによってさらにモータMG1の運転ポイントを設定することができる。
このように、図4に示した点γ1に対応する運転状態の時に上記した処理を行なう場合には、図6に示したトルク制御処理ルーチンのステップS140においてモータMG2の回転数が限界値を超えていないと判断されたときに、一旦ステップS150からステップS190の処理を行なって、通常制御を行なうときのモータMG2の目標トルクTm*を設定する。この一旦設定したモータMG2の目標トルクTm*および回転数Nmで表わされる運転状態が、図4に示したモータMG2の運転状態の限界値を超えているか(例えば点γ1に対応する運転状態であるか)、すなわち目標トルクが限界値を超えているかを判断し、限界値を超えていると判断されたときには、ステップS160以下の処理に代えて、上記した処理を行なえばよい。このような処理では、モータMG2の目標トルクTm*として、モータMG2の運転状態の限界値の範囲内となるより小さい値が選択されるようにモータMG2の運転状態(例えば点γ2に対応する運転状態)を改めて設定し、モータMG2の出力トルクが上記Tm*となることと要求動力Pe*とに基づいて、エンジン150の運転状態を改めて設定する。もとより、エンジン150の目標回転数を補正することによりエンジン150から出力される動力を補正すれば、モータMG2において所望のトルクを出力させることができる。
また、上記した説明では、モータMG2の運転状態が限界値を超える場合の制御について説明したが、モータMG1についても同様の制御を行なうことができる。既述したように、モータMG1の出力トルクTg*は、エンジン出力トルクTe*によって決定されるが、このような値がモータMG1の限界を超える場合も考えられる。モータMG1の出力トルクが限界を超えるときに、単にモータMG1の出力トルクを小さく設定するだけでは、エンジン150から出力される動力に余裕があっても、充分な駆動力Tpが得られないことになってしまう。このような場合には、モータMG1の運転状態が限界を超えないようにその出力トルクTg*を決定し、これに基づいてエンジン出力トルクTe*を設定すると共に、リングギヤ軸126において駆動力Tp*が働くように、モータMG2の出力トルクTm*を設定する((3)式および(4)式参照)。エンジン回転数Ne*は、エンジン要求動力Pe*およびエンジン出力トルクTe*に基づいて設定することができ、最終的にモータMG1の回転数が設定される。このような制御を行なうことによって、モータMG1の性能の限界値に関わらず、エンジン150から充分な動力を出力することによって、所望のトルクおよび回転数からなる動力をリングギヤ軸126から出力することができる。
(3)他の実施例
以上の実施例では、プラネタリギヤ120を用いた構成のハイブリッド車両を例示した。本発明は、このような構成ばかりでなく、他の構成のハイブリッド車両にも適用可能である。もとより、プラネタリギヤ120とエンジン150、モータMG1,モータMG2とは、種々の態様で結合させた構成を採ることが可能である。また、プラネタリギヤ120と同様の作用、すなわち、3つの回転軸を有し、一の回転軸から入力された動力を残余の2つの回転軸に任意に分配して出力可能な作用を奏するその他の機構を採用することもできる。
さらに、以下に示すとおり、プラネタリギヤ120とモータMG1の作用を一つの機構で実現する構成も可能であり、このような構成を第2実施例として説明する。図11は、第2実施例のハイブリッド車両の構成を示す説明図である。第2実施例のハイブリッド車両では、プラネタリギヤ120およびモータMG1に代えて、クラッチモータCMを用いる点で、既述した実施例と相違する。なお、図11では、図1に示したハイブリッド車両に対応する部材には同じ部材番号を付し、既述した実施例と共通する構成に関わる説明は省略する。
クラッチモータCMとは、同軸周りに相対的に回転可能な2つのロータ、すなわち、インナロータ232とアウタロータ233とを有する対ロータ電動機である。本実施例では、インナロータ232にはモータMG2のロータと同様、永久磁石が貼付されており、アウタロータ233にはコイルが巻回されたモータを適用した。インナロータ232にはエンジン150のクランクシャフト156が結合されており、アウタロータ233にはモータMG2のロータが結合されている。アウタロータ233は、また、駆動軸113にも機械的に結合される。
クラッチモータCMでは、コイルへの通電を駆動回路191で制御することにより、インナロータ232とアウタロータ233との磁気的な結合を制御することができる。駆動回路191は、第1実施例と同様に、トランジスタインバータで構成されている。このような磁気的な結合により、エンジン150から出力された動力を、駆動軸113に伝達することができる。また、所定の滑りをもった状態でインナロータ232とアウタロータ233とを回転させることにより、滑り量に応じた電力を回生することができる。当然、バッテリ194から電力の供給を受けて、トルクを出力することも可能である。つまり、クラッチモータCMは、単体でプラネタリギヤ120とモータMG1の組み合わせと同等の作用を奏することができる。
このようなハイブリッド車両においても、既述した実施例と同様の制御を行なうことができる。第2実施例のハイブリッド車両において、図6に示したトルク制御処理ルーチンと同様の処理を行なう動作を、以下に説明する。なお、ここでは、説明の簡単のため、図6に示した目標収支に基づく補正の処理は省略している。
まず、図6のステップS100と同様に、アクセル開度および車速(駆動軸113の回転数)Nmを入力し、これに基づいて駆動力Tp*を求める(ステップS110に対応)。駆動力Tp*を求めると、次にCPUは、駆動力Tp*と車速Nmの積から算出される走行動力として、エンジン要求動力Pe*を算出する(ステップS120に対応)。その後、ステップS140と同様に、モータMG2の運転状態(現在モータMG2に対して出されているトルク指令値と、先に入力した駆動軸113の回転数Nmとに基づく運転状態)が限界値を超えているかどうかを判断する(ステップS140に対応)。
ここで図4に示した点βに対応する運転状態のように、モータMG2の回転数が限界値を超えている場合には、既述した実施例と同様に、モータMG2の運転状態は、目標トルクTm*が略0、目標回転数は上記Nmと設定される。また、モータMG2の運転状態が図4に示した点γ1に対応する運転状態の様な場合には、モータMG2の運転状態は、目標回転数は上記Nmであって、目標トルクTm*はモータMG2の性能の限界値を超えない運転状態(図4の点γ2に対応)に設定される。
図11に示した構成のハイブリッド車両では、モータMG2の目標トルクTm*と駆動力Tp*が決定されると、両者の差からクラッチモータCMの目標トルクTc*を設定することができる。モータMG2の目標トルクTm*が略0であれば、駆動力Tp*とクラッチモータCMの目標トルクTc*とは等しくなる。
また、第2実施例のハイブリッド車両では、クラッチモータCMの出力トルクとエンジン150の出力トルクとは等しくなるため、クラッチモータCMの目標トルクTc*が設定されれば、エンジン150の目標トルクTe*も決定される。ここで、図6のステップS120に対応する工程においてエンジン150の要求動力Pe*が算出されているため、この要求動力Pe*と目標トルクTe*とに基づいて、エンジン150の目標回転数Ne*も決定される。
また、図6のステップS140に対応する工程で、モータMG2の運転状態が限界値を超えていないと判断された場合には、既述した実施例と同様に、ステップS120に対応する工程で算出したエンジン要求動力Pe*を出力するように、エンジン150の効率が最も高くなるよう運転ポイントを、エンジン150に対して設定する。このようにエンジン150の目標トルクTe*および目標回転数Ne*を決定すると、エンジン150の目標トルクTe*と同じ値がクラッチモータCMの目標トルクTc*として設定される。また、駆動力Tp*とクラッチモータCMの目標トルクTc*との差より、モータMG2の目標トルクTm*が設定される。なお、実際には、このような制御を行なう際には、図6と同様に目標収支による補正を行ない、目標収支に基づいてエンジン150の運転状態およびクラッチモータCMの運転状態を補正する。
以上、図11に示した構成のハイブリッド車両において、モータMG2の運転状態が限界を超える場合について説明したが、クラッチモータCMの出力トルクが限界値をこえる場合には、クラッチモータCMの性能に応じてエンジン150の運転状態を設定することによって、駆動軸113から所望のトルクを出力することが可能となる。クラッチモータCMの出力トルクが限界値を超える場合には、限界を超えないようにその目標トルクTc*を設定する。クラッチモータCMの目標トルクTc*は、エンジン150の目標トルクTe*と等しくなるため、このエンジン150の目標トルクTe*とエンジン要求動力Pe*とからエンジン150の目標回転数Ne*を設定することができる。また、モータMG2の目標トルクTm*は、駆動力Tp*と、クラッチモータCMの目標トルクTc*との差として設定することができる。
このように、第2実施例のハイブリッド車両においても、エンジン150から充分な動力を出力し、モータMG2やクラッチモータCMの運転状態の限界値に応じてエンジン150の運転状態を設定することによって、モータMG2やクラッチモータCMを大型化することなく、駆動軸113において所望の回転数およびトルクを出力し、車両の性能を充分に確保することが可能となる。
以上本発明の実施例について説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々なる様態で実施し得ることは勿論である。
本発明の実施例としての動力出力装置を用いたハイブリッド車両の概略構成を示す説明図である。 実施例の動力出力装置の作動原理を説明する共線図である。 MG1の出力特性を表わす説明図である。 MG2の出力特性を表わす説明図である。 実施例の動力出力装置の作動原理を説明する共線図である。 トルク制御処理ルーチンを表わすフローチャートである。 エンジンの運転ポイントと運転効率との関係を示す説明図である。 要求動力一定の場合の、エンジン回転数と運転効率との関係を示す説明図である。 エンジン150の運転ポイントの設定の様子を表わす説明図である。 実施例の動力出力装置の作動原理を説明する共線図である。 第2実施例のハイブリッド車両の概略構成を示す説明図である。
符号の説明
112…車軸
113…駆動軸
116R,116L…車輪
119…ケース
120…プラネタリギヤ
121…サンギヤ
122…リングギヤ
123…プラネタリピニオンギヤ
124…プラネタリキャリア
125…サンギヤ軸
126…リングギヤ軸
127…プラネタリキャリア軸
129…チェーンベルト
130…ダンパ
132,142…ロータ
133,143…ステータ
144…センサ
150…エンジン
156…クランクシャフト
170…EFIECU
190…制御ユニット
191,192…駆動回路
194…バッテリ
232…インナロータ
233…アウタロータ

Claims (6)

  1. エンジンと、該エンジンの出力軸および外部に動力を出力する駆動軸に結合され、前記エンジンから出力された動力を前記駆動軸に伝達すると共に、該伝達される動力の大きさを電力のやり取りによって調整する動力調整手段と、前記駆動軸に結合された電動機とを備える動力出力装置であって、
    前記エンジンに対して要求された要求動力を算出する要求動力算出手段と、
    前記駆動軸の回転数を入力し、該駆動軸の回転数が、前記電動機が動力を出力する際に許容できる回転数の限界値を超えているかどうかを判別する回転数超過判別手段と、
    前記回転数超過判別手段が前記回転数の限界値を超えていると判別したときに、前記電動機の運転状態を、前記電動機の出力トルクが略0となり、回転数が前記駆動軸の回転数と等しくなるように設定すると共に、設定された前記電動機の運転状態と前記要求動力とに基づいて、前記エンジンの運転状態を設定する第1の運転状態設定手段と、
    前記回転数超過判別手段が前記回転数の限界値を超えていると判別したときに、前記電動機および前記エンジンの運転状態が、前記第1の運転状態設定手段により設定した運転状態になるように、前記エンジンと前記動力調整手段と前記電動機とを運転する第1の運転手段と
    を備える動力出力装置。
  2. 前記動力調整手段は、発電機と、3つの回転軸がそれぞれ該発電機および前記エンジンの出力軸と前記駆動軸とに結合されたプラネタリギヤとを備える
    請求項1記載の動力出力装置。
  3. 前記動力調整手段は、相対的に回転可能な2つのロータを有する対ロータ電動機を備える
    請求項1記載の動力出力装置
  4. 請求項1記載の動力出力装置であって、さらに、
    前記回転数超過判別手段が前記回転数の限界値を超えていないと判別したときに、前記算出された要求動力に基づいて前記エンジンの運転状態を設定すると共に、該設定されたエンジンの運転状態に基づいて、前記電動機の出力トルクを設定するトルク設定手段と、
    前記トルク設定手段が設定した前記電動機の出力トルクが、限界値を超えているかどうかを判別するトルク超過判別手段と、
    前記トルク超過判別手段が前記トルクの限界値を超えていると判別したときに、前記電動機の運転状態を、前記電動機の出力トルクが前記限界値を超えることなく、回転数が前記駆動軸の回転数と等しくなるように設定すると共に、該設定された前記電動機の運転状態と前記要求動力とに基づいて、前記エンジンの運転状態を設定する第2の運転状態設定手段と、
    前記トルク超過判別手段が前記トルクの限界値を超えていると判別したときに、前記電動機および前記エンジンの運転状態が、前記第2の運転状態設定手段により設定した運転状態になるように、前記エンジンと前記動力調整手段と前記電動機とを運転する第2の運転手段と
    を備える動力出力装置。
  5. エンジンと、該エンジンの出力軸および外部に動力を出力する駆動軸に結合され、前記エンジンから出力された動力を前記駆動軸に伝達すると共に、該伝達される動力の大きさを電力のやり取りによって調整する動力調整手段と、前記駆動軸に結合された電動機とを備える動力出力装置の制御方法であって、
    (a)前記エンジンに対して要求された要求動力を算出する工程と、
    (b)前記駆動軸の回転数を入力し、該駆動軸の回転数が、前記電動機が動力を出力する際に許容できる回転数の限界値を超えているかどうかを判別する工程と、
    (c)前記(b)工程において、前記回転数の限界値を超えていると判別されたときに、前記電動機の運転状態を、前記電動機の出力トルクが略0となり、回転数が前記駆動軸の回転数と等しくなるように設定すると共に、設定された前記電動機の運転状態と前記要求動力とに基づいて、前記エンジンの運転状態を設定する工程と、
    (d)前記(b)工程において、前記回転数の限界値を超えていると判別されたときに、前記電動機および前記エンジンの運転状態が、前記(c)工程で設定した運転状態になるように、前記エンジンと前記動力調整手段と前記電動機とを運転する工程と
    を備えることを特徴とする制御方法。
  6. 請求項1ないし4いずれか記載の動力出力装置を備え、前記駆動軸から出力される動力によって走行するハイブリッド車両。
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