JP4023030B2 - 動力出力装置およびそれを搭載したハイブリッド車両並びに動力出力装置の制御方法 - Google Patents

動力出力装置およびそれを搭載したハイブリッド車両並びに動力出力装置の制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、動力源としてエンジンと電動機とを備える動力出力装置と、その動力出力装置を搭載したハイブリッド車両と、その動力出力装置の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、エンジンと電動機とを動力源とする動力出力装置を搭載したハイブリッド車両が提案されている(例えば特開平9−47094に記載の技術等)。ハイブリッド車両の一種としていわゆるパラレルハイブリッド車両がある。パラレルハイブリッド車両では、搭載した動力出力装置によって、エンジンから出力された動力は、一部が動力調整装置により駆動軸に伝達され、残余の動力が第1の電動発電機によって電力として回生される。この電力はバッテリに蓄電されたり、動力調整装置に設けられた第2の電動発電機を駆動するのに用いられる。このような動力出力装置は、上述の動力の伝達過程において、第2の電動発電機を回転駆動する力行状態に制御することによって、エンジンから出力された動力を任意の回転数およびトルクに増減して駆動軸に出力することができる。駆動軸から出力すべき要求出力に関わらずエンジンは運転効率の高い動作点を選択して運転することができるため、ハイブリッド車両はエンジンのみを駆動源とする従来の車両に比べて省資源性および排気浄化性に優れている。
【0003】
上記のハイブリッド車両では、通常走行時に、前述したように、第2の電動発電機を力行状態で動作させて、エンジンから出力された動力をアシストした走行となるが、高速定常走行時になると、第2の電動発電機は高速走行による慣性によって連れ回された状態となり、第2の電動発電機によるアシストなしにエンジンから出力された動力のみの走行となる。このとき、第2の電動発電機は、電力を発生する回生状態として動作しており、この第2の電動発電機で発生した電力はバッテリに送られ、バッテリを充電する。
【0004】
こうした高速定常走行時には、バッテリへの充電が継続すると、バッテリを過充電して性能劣化を引き起こすことがあった。そこで、高速定常走行時において、第2の電動発電機にd軸電流を流すことで、上記バッテリの過充電の問題を解消することが行なわれていた。d軸電流を流して界磁を弱めることにより、第2の電動発電機の逆起電力を低くすることができ、この結果、バッテリの過充電が防止される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の技術では、d軸電流を流すことにより、電力の損失が生じることから、エネルギ効率が悪いといった問題が発生した。
【0006】
この発明は、従来技術における上述の課題を解決するためになされたものであり、エネルギ効率を悪化させることなしに、高速定常走行時におけるバッテリの過充電を防止することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記課題を解決するため、この発明の動力出力装置は、
動力を出力するための駆動軸と、出力軸を有するエンジンと、該エンジンの出力した動力の少なくとも一部を用いて発電し得る第1の電動発電機と、駆動軸に出力される動力が所望の動力となるように動力調整を行なう第2の電動発電機と、充放電可能な蓄電手段と、前記第1の電動発電機、第2の電動発電機および蓄電手段を電気的に接続する接続路と、を備えた動力出力装置において、
前記接続路に設けられ、外部からの指令に応じて、前記蓄電手段と前記第1および第2の電動発電機との間の接続、遮断を切り替える接続遮断切替手段と、
前記蓄電手段の状態を検出する蓄電状態検出手段と、
前記第2の電動発電機を、電力を発生する状態で動作させるとともに、前記第1の電動発電機を、電力を消費する状態で動作させる動作モードにあるか否かを判別する動作モード判別手段と、
前記動作モード判別手段により前記動作モードにあると判別されたときに、前記蓄電状態検出手段により検出された前記蓄電手段の状態が予め定めた蓄電量を超える状態にあるか否かを判別する蓄電量判別手段と、
該蓄電量判別手段により肯定判別されたときに、前記接続遮断切替手段に遮断を行なう旨の指令を出力するとともに、前記第1の電動発電機を電力消費量が増大するように動作させる制御手段と
前記第2の電動発電機の発生電圧を検出する第1電圧検出手段と、
前記蓄電手段の出力電圧を検出する第2電圧検出手段と、
前記制御手段による動作の実行後、前記第1の電動発電機の動作を制御して、両電圧検出手段による検出電圧をほぼ等しい大きさに保持する電圧保持制御手段と、
前記制御手段による動作の実行後、前記動作モード判別手段により前記動作モードを離脱したと判別されたときに、前記接続遮断切替手段に接続を行なう旨の指令を出力する接続制御手段と
を備えることを要旨とする。
【0008】
この発明の動力出力装置では、第2の電動発電機を電力を発生する状態で動作させるとともに、第1の電動発電機を電力を消費する状態で動作させる動作モード時に、蓄電手段の状態が予め定めた蓄電量を超えると、蓄電手段と第1および第2の電動発電機との間の電気的な接続が遮断される。この結果、第2の電動発電機で発生した電力(逆起電力)は、蓄電手段に送られることなく、接続路によって第2の電動発電機と接続される第1の電動発電機に送られ、この第1の電動発電機によって消費される。しかも、このとき、第1の電動発電機は電力消費量が増大するように動作することから、第2の電動発電機で発生する電力は第1の電動発電機にて充分に消費される。
【0009】
したがって、この発明の動力出力装置によれば、第2の電動発電機で発生した電力は蓄電手段に移されることがないことから、上記動作モード時における蓄電手段の過充電を防止することができる。このとき、電動発電機にd軸電流を流すような電力の損失がないことからエネルギ効率を悪化させることもない。さらには、第2の電動発電機で発生した電力は第1の電動発電機で充分に消費されることから、蓄電手段との接続を遮断したことによる第2の電動発電機の逆起電圧の上昇を抑えることができる。第2の電動発電機の逆起電圧が上昇して蓄電手段より高い電圧となると、接続遮断切替手段による電気的な接続を復帰させたときに、蓄電手段の電力を第2の電動発電機に送電することができず第2の電動発電機を直ちに力行状態(回転駆動を行なう状態)に移行することができない。このため、エンジンへのトルクのアシストを行なうまで時間が掛かったが、この発明によれば、第2の電動発電機の逆起電圧の上昇を抑えることができることから、上記エンジンへのトルクのアシストを時間遅れなくスムーズに行なうことができる。
【0011】
この構成によれば、動作モード判別手段により上記動作モードを離脱した判別されたときに、蓄電手段と前記第1および第2の電動発電機との間の電気的な接続が接続制御手段により復帰される。
【0013】
この構成によれば、接続遮断切替手段による遮断を行なった以後、第2の電動発電機の出力電圧(逆起電圧)は蓄電手段の出力電圧とほぼ等しい大きさに保持されることから、いかなるときに動作モードを離脱して接続遮断切替手段による電気的な接続が復帰されたとしても、第2の電動発電機を力行状態へ即座に移行することができる。したがって、上記復帰時に、エンジンへのトルクアシストを極めてスムーズに行なうことができる。
【0014】
この発明のハイブリッド車両は、
上記動力出力装置を搭載したハイブリッド車両であって、
前記駆動軸に出力される動力によって車輪を駆動するとともに、
前記エンジンの出力軸と、前記駆動軸および前記第2の電動発電機の回転軸と、前記第1の電動発電機の回転軸とにそれぞれ結合された3軸を有するプラネタリギヤを備えることを要旨としている。
【0015】
プラネタリギヤは、周知の通り、3軸のうち2軸の回転数およびトルクが決まると残余の回転軸の回転数およびトルクが決まる性質を有している。かかる性質に基づき、例えばエンジンの出力軸に結合された回転軸から入力された機械的な動力の一部を駆動軸に出力しつつ、残る回転軸に結合された第2の電動発電機に電力を供給することにより、エンジンから出力された動力を増大して駆動軸に伝達することができる。
【0016】
この発明の動力出力装置の制御方法は、
動力を出力するための駆動軸と、出力軸を有するエンジンと、該エンジンの出力した動力の少なくとも一部を用いて発電し得る第1の電動発電機と、駆動軸に出力される動力が所望の動力となるように動力調整を行なう第2の電動発電機と、充放電可能な蓄電手段と、前記第1の電動発電機、第2の電動発電機および蓄電手段を電気的に接続する接続路と、を備えた動力出力装置の制御方法であって、
(a)前記蓄電手段の状態を検出する工程と、
(b)前記第2の電動発電機を、電力を発生する状態で動作させるとともに、前記第1の電動発電機を、電力を消費する状態で動作させる動作モードにあるか否かを判別する工程と、
(c)前記工程(b)により前記動作モードにあると判別されたときに、前記工程(a)により検出された前記蓄電手段の状態が予め定めた蓄電量を超える状態にあるか否かを判別する工程と、
(d)前記工程(c)により肯定判別されたときに、前記接続路による前記蓄電手段と前記第1および第2の電動発電機との間の電気的な接続を遮断するとともに、前記第1の電動発電機を電力消費量が増大するように動作させる工程と
(e)前記第2の電動発電機の発生電圧を検出する工程と、
(f)前記蓄電手段の出力電圧を検出する工程と、
(g)前記工程(d)の実行後、前記第1の電動発電機の動作を制御して、前記工程(e)と工程(f)による検出電圧をほぼ等しい大きさに保持する工程と、
(h)前記工程(d)の実行後、前記工程(b)により前記動作モードを離脱したと判別されたときに、前記接続路による前記蓄電手段と前記第1および第2の電動発電機との間の電気的な接続を復帰する工程と
を備えることを要旨としている。
【0017】
この発明の動力出力装置の制御方法によっても、この発明の動力出力装置と同様に、エネルギ効率を悪化させることなしに、上記動作モード時におけるバッテリの過充電を防止することができ、また、その動作モードの離脱時において、エンジンへのトルクアシストを時間遅れなくスムーズに行なうことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。はじめに、本発明の実施例としての動力出力装置を適用したハイブリッド車両の構成について図1を用いて説明する。このハイブリッド車両の動力系統は、次の構成から成っている。動力系統に備えられた原動機としてのエンジン150は通常のガソリンエンジンであり、クランクシャフト156を回転させる。エンジン150の運転はEFIECU170により制御されている。EFIECU170は内部にCPU、ROM、RAM等を有するワンチップ・マイクロコンピュータであり、CPUがROMに記録されたプログラムに従い、エンジン150の燃料噴射量や回転速度その他の制御を実行する。図示を省略したが、これらの制御を可能とするために、EFIECU170にはエンジン150の運転状態を示す種々のセンサが接続されている。
【0019】
動力系統には、他にモータMG1,MG2が備えられている。モータMG1,MG2は、同期電動発電機として構成され、外周面に複数個の永久磁石を有するロータ132,142と、回転磁界を形成する三相コイルが巻回されたステータ133,143とを備える。ステータ133,143はケース119に固定されている。モータMG1,MG2のステータ133,143に巻回された三相コイルは、それぞれ駆動回路191,192を介してバッテリ194に接続されている。駆動回路191,192は、各相ごとにスイッチング素子としてのトランジスタを2つ1組で備えたトランジスタインバータである。駆動回路191,192は制御ユニット190に接続されている。制御ユニット190からの制御信号によって駆動回路191,192のトランジスタがスイッチングされるとバッテリ194とモータMG1,MG2との間に電流が流れる。モータMG1,MG2はバッテリ194からの電力の供給を受けて回転駆動する電動機として動作することもできるし(以下、この運転状態を力行と呼ぶ)、ロータ132,142が外力により回転している場合には三相コイルの両端に起電力を生じさせる発電機として機能してバッテリ194を充電することもできる(以下、この運転状態を回生と呼ぶ)。
【0020】
エンジン150とモータMG1,MG2はそれぞれプラネタリギヤ120を介して機械的に結合されている。プラネタリギヤ120は、遊星歯車とも呼ばれ、以下に示すそれぞれのギヤに結合された3つの回転軸を有している。プラネタリギヤ120を構成するギヤは、中心で回転するサンギヤ121、サンギヤの周辺を自転しながら公転するプラネタリピニオンギヤ123、さらにその外周で回転するリングギヤ122である。プラネタリピニオンギヤ123はプラネタリキャリア124に軸支されている。本実施例のハイブリッド車両では、エンジン150のクランクシャフト156はダンパ130を介してプラネタリキャリア軸127に結合されている。ダンパ130はクランクシャフト156に生じる捻り振動を吸収するために設けられている。モータMG1のロータ132は、サンギヤ軸125に結合されている。モータMG2のロータ142は、リングギヤ軸126に結合されている。リングギヤ122の回転は、チェーンベルト129を介して駆動軸112および車輪116R,116Lに伝達される。
【0021】
かかるハイブリッド車両の基本的な動作を説明するために、まずプラネタリギヤ120の動作について説明する。プラネタリギヤ120は、上述した3つの回転軸のうち、2つの回転軸の回転数およびトルク(以下、両者をまとめて回転状態とよぶ)が決定されると残余の回転軸の回転状態が決まるという性質を有している。各回転軸の回転状態の関係は、機構学上周知の計算式によって求めることができるが、共線図と呼ばれる図により幾何学的に求めることもできる。
【0022】
図2に共線図の一例を示す。縦軸が各回転軸の回転数を示している。横軸は、各ギヤのギヤ比を距離的な関係で示している。サンギヤ軸125(図中のS)とリングギヤ軸126(図中のR)を両端にとり、位置Sと位置Rの間を1:ρに内分する位置Cをプラネタリキャリア軸127の位置とする。ρはリングギヤ122の歯数に対するサンギヤ121の歯数の比である。こうして定義された位置S,C,Rにそれぞれのギヤの回転軸の回転数Ns,Nc,Nrをプロットする。プラネタリギヤ120は、このようにプロットされた3点が必ず一直線に並ぶという性質を有している。この直線を動作共線と呼ぶ。動作共線は2点が決まれば一義的に決まる。従って、動作共線を用いることにより、3つの回転軸のうち2つの回転軸の回転数から残余の回転軸の回転数を求めることができる。
【0023】
また、プラネタリギヤ120では、各回転軸のトルクを動作共線に働く力に置き換えて示したとき、動作共線が剛体として釣り合いが保たれるという性質を有している。具体例として、プラネタリキャリア軸127に作用するトルクをTeとする。このとき、図2に示す通り、トルクTeに相当する大きさの力を位置Cで動作共線に鉛直下から上に作用させる。作用させる方向はトルクTeの方向に応じて定まる。また、リングギヤ軸126から出力されるトルクTrを位置Rにおいて動作共線に、鉛直上から下に作用させる。図中のTes,Terは剛体に作用する力の分配法則に基づいてトルクTeを等価な2つの力に分配したものである。「Tes=ρ/(1+ρ)×Te」「Ter=1/(1+ρ)×Te」なる関係がある。以上の力が作用した状態で、動作共線図が剛体として釣り合いがとれているという条件を考慮すれば、サンギヤ軸125に作用すべきトルクTm1,リングギヤ軸に作用すべきトルクTm2を求めることができる。トルクTm1はトルクTesと等しくなり、トルクTm2はトルクTrとトルクTerの差分に等しくなる。
【0024】
プラネタリキャリア軸127に結合されたエンジン150が回転をしているとき、動作共線に関する上述の条件を満足する条件下で、サンギヤ121およびリングギヤ122は様々な回転状態で回転することができる。サンギヤ121が回転しているときは、その回転動力を利用してモータMG1により発電することが可能である。リングギヤ122が回転しているときは、エンジン150から出力された動力を駆動軸112に伝達することが可能である。図1に示した構成を有するハイブリッド車両では、エンジン150から出力された動力を駆動軸に機械的に伝達される動力と、電力として回生される動力に分配し、さらに回生された電力を用いてモータMG2を力行して動力のアシストを行なうことによって所望の動力を出力しながら走行することができる。こうした動作状態は、ハイブリッド車両の通常走行時に取り得る状態である。なお、全開加速時等の高負荷時には、バッテリ194からもモータMG2に電力が供給され、駆動軸112に伝達する動力を増大している。
【0025】
また、上述のハイブリッド車両では、モータMG1またはMG2の動力を駆動軸112から出力することができるため、これらのモータにより出力される動力のみを用いて走行することもできる。従って、車両が走行中であっても、エンジン150は停止していたり、いわゆるアイドル運転していたりすることがある。この動作状態は、発進時、低速走行時に取り得る状態である。
【0026】
さらに、上述のハイブリッド車両では、エンジン150から出力された動力を2経路に分配するのではなく、駆動軸112側だけに伝達させることもできる。これは、高速定常走行時に取り得る動作状態であり、モータMG2は高速走行による慣性によって連れ回された状態となり、モータMG2によるアシストなしにエンジン150から出力された動力のみの走行となる。
【0027】
図3は、この高速定常走行時の共線図を示している。図2に示す共線図ではサンギヤ軸125の回転数Nsは正であったが、エンジン150の回転数Neとリングギヤ軸126の回転数Nrとによって、図3に示す共線図のように負となる。このときには、モータMG1では、回転の方向とトルクの作用する方向とが同じになるから、モータMG1は電動機として動作し、トルクTm1と回転数Nsとの積で表わされる電気エネルギを消費する(逆転力行の状態)。一方、モータMG2では、回転の方向とトルクの作用する方向とが逆になるから、モータMG2は発電機として動作し、トルクTm2と回転数Nrとの積で表わされる電気エネルギをリングギヤ軸126から回生することになる。
【0028】
このように、この実施例のハイブリッド車両は、プラネタリギヤ120の作用に基づいて種々の運転状態で走行することができる。
【0029】
この実施例の動力出力装置の運転全体は制御ユニット190により制御されている。制御ユニット190は、EFIECU170と同様、内部にCPU、ROM、RAM等を有するワンチップ・マイクロコンピュータである。制御ユニット190はEFIECU170と接続されており、両者は種々の情報を伝達し合うことが可能である。制御ユニット190は、エンジン150の制御に必要となるトルク指令値や回転数の指令値などの情報をEFIECU170に送信することにより、エンジン150の運転を間接的に制御することができる。制御ユニット190はこうして、動力出力装置全体の運転を制御しているのである。かかる制御を実現するために制御ユニット190には、種々のセンサ、例えば、駆動軸112の回転数を知るためのセンサ144などが設けられている。リングギヤ軸126と駆動軸112は機械的に結合されているため、本実施例では、駆動軸112の回転数を知るためのセンサ144をリングギヤ軸126に設け、モータMG2の回転を制御するためのセンサと共通にしている。
【0030】
上述したハイブリッド車両の動力系統に備えられる電気回路を図4を用いてさらに詳細に説明する。図示するように、バッテリ194に対して、インバータコンデンサ196と、モータMG1に接続される駆動回路191と、モータMG2に接続される駆動回路192とがそれぞれ並列に接続されている。
【0031】
バッテリ194は、詳細には、電池モジュール部194aと、システムメインリレー(以下、SMRと呼ぶ)194bと、電圧検出回路194cと、電流センサ194d等を備える。SMR194bは、制御ユニット190からの指令により高電圧回路の電源の接続・遮断を行なうもので、電池モジュール部194aの+−両極に配置された2個のリレーR1,R2から構成される。バッテリ194に2個のリレーR1,R2を設けたのは、電源の接続時には、まずリレーR2をオンし、続いてリレーR1をオンし、電源の遮断時には、まずリレーR1、続いてリレーR2をオフすることにより、確実な作動を行なうことを可能としている。電圧検出回路194cは、電池モジュール部194aの総電圧値を検出する。電流センサ194dは、電池モジュール部194aからの出力電流値を検出する。電圧検出回路194cおよび電流センサ194dの出力信号は、制御ユニット190に送信される。
【0032】
駆動回路191,192は、バッテリの高電圧直流電流とモータMG1,MG2用の交流電流の変換を行なう電力変換装置であり、詳細には、6個のパワートランジスタで構成される3相ブリッジ回路191a,192aをそれぞれ備えており、この3相ブリッジ回路191a,192aにより直流電流と3相交流電流との変換を行なっている。
【0033】
さらに、駆動回路191,192には、電圧検出回路191b,192bがそれぞれ設けられている。電圧検出回路191b,192bは、モータMG1,MG2の逆起電圧を検出する。3相ブリッジ回路191a,192aの各パワートランジスタの駆動は制御ユニット190により制御されるとともに、駆動回路191,192から制御ユニット190に対し、電圧検出回路191b,192bにて検出された電圧値や、3相ブリッジ回路191a,192aとモータMG1,MG2との間に設けられた図示しない電流センサにて検出された電流値など電流制御に必要な情報を送信している。
【0034】
次に、制御ユニット190で実行されるトルク制御処理について説明する。トルク制御処理とは、エンジン150およびモータMG1、MG2を制御して、要求されたトルクおよび回転数からなる動力を駆動軸112から出力する処理をいい、前述した図2および図3の共線図で示される動作状態など各種の動作状態を実現している。図5は、このトルク制御処理を示すフローチャートである。このルーチンは制御ユニット190内のCPU(以下、単にCPUという)によって、タイマ割り込みにより所定時間毎に繰り返し実行される。
【0035】
トルク制御処理ルーチンが開始されると、CPUは駆動軸112の目標回転数Nd*、目標トルクTd*を設定する(ステップS200)。目標回転数Nd*およびトルクTd*は、現在の車速やアクセルの踏み込み量などに応じて設定される。フローチャートでは図示を省略したが、この処理においてCPUはこれらの諸量を読み込んでいる。
【0036】
次に、CPUはエンジン150の要求動力Pe*を設定する(ステップS210)。エンジン150の要求動力Pe*は、駆動軸112の目標回転数Nd*、トルクTd*の積で求められる走行動力と、バッテリ194から充放電される電力と、補機の駆動に要する電力との総和により求められる。例えば、バッテリ194から余剰の電力を放電する必要がある場合には、エンジン150への要求動力Pe*をその分減少させることができる。また、エアコンなどの補機を動作させる場合には、走行動力の他に補機用の電力に相当する動力をエンジン150から余分に出力する必要がある。
【0037】
こうしてエンジン150への要求動力Pe*が設定されるとCPUはエンジン150の運転ポイント、即ち目標回転数Ne*、目標トルクTe*を設定する(ステップS220)。エンジン150の運転ポイントは、基本的には運転効率が最もよくなる運転ポイントをマップから選択することにより設定される。
【0038】
図6にエンジン150の運転ポイントと運転効率の関係を示す。図中の曲線Bは、エンジン150が運転可能な回転数およびトルクの限界値を示している。図6においてα1%、α2%等で示される曲線は、それぞれエンジン150の効率が一定となる等効率線であり、α1%、α2%の順に効率が低くなっていくことを示している。図6に示す通り、エンジン150は比較的限定された運転ポイントで効率が高く、その周囲の運転ポイントでは徐々に効率が低下していく。
【0039】
図6中、C1−C1、C2−C2、およびC3−C3で示されている曲線は、エンジン150から出力される動力が一定の曲線であり、エンジン150の運転ポイントは要求動力に応じてこれらの曲線上で選択することになる。C1−C1、C2−C2、C3−C3の順に要求動力が低い状態を示している。例えば、エンジン150への要求動力Pe*が曲線C1−C1で表される動力に相当する場合、エンジン150の運転ポイントは、曲線C1−C1上で運転効率が最も高くなるA1点に設定される。同様にC2−C2曲線上ではA2点に、C3−C3曲線上ではA3点で運転ポイントを選択する。曲線C1−C1,C2−C2,C3−C3上における、エンジン150の回転数と運転効率の関係を図7に示す。なお、図7中の曲線は、説明の便宜上、図6中の3本を例示しているが、要求出力に応じて無数に引くことができる曲線であり、エンジン150の運転ポイントA1点等も無数に選択することができるものである。このようにエンジン150の運転効率の高い点をつなぐことにより描いた曲線が図6中の曲線Aであり、これを動作曲線と呼ぶ。
【0040】
以上の処理により設定されたエンジン150の運転ポイントに基づいて、CPUはモータMG1の目標回転数N1*,トルクT1*を設定する(ステップS230)。エンジン150、即ちプラネタリキャリア軸127の目標回転数N1*と、駆動軸112つまりリングギヤ軸126の目標回転数Nd*が設定されているため、前述した共線図によって、サンギヤ軸125つまりモータMG1の目標回転数N1*を設定することができる。もちろん、ステップS230では、共線図から導かれる所定の比例計算式によってモータMG1の目標回転数N1*を設定する。
【0041】
モータMG1の目標トルクT1*は、いわゆる比例積分制御(PI制御)によって設定される。比例積分制御については、周知であるため、ここでは詳しい説明は省略するが、要は、モータMG1の目標回転数N1*と実際の回転数との偏差に所定の比例定数をかけて得られる比例項と、この偏差の時間積分値に所定の比例定数をかけて得られる積分項との和から目標トルクT1*を算出する。
【0042】
CPUは以上の処理で設定されたエンジン150の運転ポイントおよびモータMG1の運転ポイントに基づいてモータMG2の運転ポイント、つまり目標回転数N2*、目標トルクT2*を設定する(ステップS240)。モータMG2の目標回転数は前述した共線図に基づいて設定される。つまり、目標回転数N2*はリングギヤ軸126の目標回転数Nd*と等しい。また、目標トルクT2*はPI制御により設定される。
【0043】
こうして設定された運転ポイントに従って、CPUはモータMG1,MG2およびエンジン150の運転を制御する(ステップS250)。モータMG1,MG2の制御は設定された目標回転数と目標トルクとに応じて各モータの三相コイルに印加する電圧が設定され、現時点での印加電圧との偏差に応じて、駆動回路191,192のトランジスタのスイッチングを行うのである。同期モータを制御する方法については、周知であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0044】
エンジン150についても、設定された運転ポイントで運転するための制御処理は周知であるため、ここでは説明を省略する。但し、実際にエンジン150の制御を行うのはEFIECU170である。従って、トルク制御ルーチンでのステップS220における処理では、制御ユニット190からEFIECU170にエンジン150の運転ポイント等の必要な情報を送信する処理が行われる。かかる情報を送信することにより制御ユニット190のCPUは間接的にエンジン150の運転を制御する。ステップS250の実行後、「RETURN」に抜けてこのトルク制御ルーチンを終了する。
【0045】
次に、制御ユニット190で実行されるバッテリ過充電防止処理について説明する。バッテリ過充電防止処理とは、高速定常走行時にバッテリ194の過充電を防止する処理である。図8は、このバッテリ過充電防止処理を示すフローチャートである。このルーチンは制御ユニット190内のCPUによって、タイマ割り込みにより所定時間毎に繰り返し実行される。
【0046】
バッテリ過充電防止ルーチンが開始されると、CPUは、高速定常走行時であるか否かの判定を行なう(ステップS300)。この判定は、図5で示したトルク制御ルーチンのステップS250において運転されるエンジン150、モータMG1およびモータMG2の回転数から、図3の共線図で示される動作モード、すなわち、モータMG2が回生動作し、モータMG1が逆転力行動作し、エンジン150が所定回転数より大きい回転数で動作する動作モードにあるか否かを判別することにより行なわれる。
【0047】
ステップS300で高速定常走行時であると判別されると、次いで、CPUはバッテリ194の充電容量(SOC)が所定量S0より大きな値を保っているか否かを判別する(ステップS310)。バッテリ194のSOCは、この実施例では、バッテリ194に内蔵される電流センサ194dの検出信号から求められる充電・放電の電流値の積算によって求めている。なお、この構成に替えて、バッテリ194の電解液の比重を測定することによりSOCを検出する構成としてもよく、また、バッテリの端子間を瞬間的にショートさせて電流を流し内部抵抗を測ることによりSOCを検出する構成としてもよい。
【0048】
ステップS310で、バッテリ194のSOCが所定量S0を越えていると判別されると、CPUはバッテリ194のSMR194bをオフする処理を行なう(ステップS320)。具体的には、CPUはバッテリ194のリレーR1,R2を順にオフする。
【0049】
ステップS320でSMR194bがオフされると、次いで、CPUは、モータMG1の運転を制御して、逆転力行の状態にあるモータMG1のモータリングの回転数を所定の回転数だけ増大させる処理を行なう(ステップS330)。具体的には、図5のトルク制御ルーチンのステップS230で設定されるモータMG1の目標回転数N1*を、予め定めた所定回転数Nadだけ増大することにより、モータMG1の運転の制御を行なう。
【0050】
図9は、ステップS330の処理による前述した共線図の変化を示す説明図である。図9において一点鎖線Dは、ステップS330の処理前の動作共線であり、直線Eは、ステップS330の処理後の動作共線である。図示するように、ステップS330の処理後の動作共線は、処理前の動作共線と比べて、モータMG2の回転数は一定であるが、モータMG1の回転数は所定回転数Nadだけ増大していることが判る。このとき、プラネタリギヤ120の性質(前述した、3軸のうち2軸の運転ポイントが決まると残余の運転ポイントが決まる性質)から、エンジン150の運転ポイントは回転数が低下する方向に抑えられることになる。
【0051】
なお、この実施例のステップS330では、モータMG1のモータリングの回転数を直接制御していたが、この構成に替えて、エンジン150の回転数を低下させることで、プラネタリギヤ120の特性から間接的にモータMG1の回転数を増大する構成とすることもできる。具体的には、制御ユニット190は、エンジン150の目標とする回転数の情報をEFIECU170に送信することにより、上記エンジン150の運転の制御をEFIECU170に行なわせるようにする。
【0052】
上記ステップS330の処理によって、モータMG1の回転数を増大させることで、モータMG1の消費電力は増大される。一方、ステップS320でSMR194bがオフされて、バッテリ194とモータMG1,MG2との間の電気的な接続が遮断された状態となっていることから、モータMG2で発生した電力はモータMG1に送られ、モータMG1で消費される。これらの結果、モータMG2で発生した電力はモータMG1で充分に消費されることから、モータMG2の逆起電圧Vaは小さくなる。
【0053】
ステップS330でこうしたモータMG1の制御が行なわれると、続いて、駆動回路192に内蔵される電圧検出回路192bにて検出されるモータMG2の逆起電圧Vaを取り込むとともに(ステップS340)、バッテリ194の電圧検出回路194cにて検出されるバッテリ194の総電圧値Vbを取り込む(ステップS350)。
【0054】
その後、CPUは上記モータMG2の逆起電圧Vaからバッテリ194の総電圧値を差し引くことにより両者の偏差dVを算出する(ステップS360)。続いて、CPUはその偏差dVが値0以下であるか否かを判別し(ステップS370)、ここで、偏差dVが値0以下でないと判別されると、処理をステップS330に戻して、再度、モータMG1の回転数を増大させる処理を行なうことで、モータMG2の逆起電圧Vaをさらに小さくして、偏差dVを値0に近づける。一方、ステップS370で、偏差dVが値0以下となったと判別されると、「リターン」に抜けてこのルーチンを終了する。
【0055】
また、ステップS300で高速定常走行時でないと判別されたとき、または、ステップS310で、バッテリ194のSOCが所定量S0以下であると判別されたときには、ステップS380に処理を進めて、SMR194bをオンし、その後、「リターン」に抜けてこのルーチンを終了する。
【0056】
なお、このルーチンでは、ステップS320におけるSMR194bのオフの処理、ステップS30におけるSMR194bのオンの処理は、処理前のSMR194bの状態に関わらず常にオフまたはオンする構成としていたが、これに替えて、処理前のSMR194bの状態が制御したい状態と異なるときに限り、SMR194bを制御する構成とすることができる。すなわち、ステップS320では、処理前のSMR194bの状態を判別して、SMR194bがオンの状態に限ってSMR194bに対してオフの制御指令を送信し、また、ステップS380では、処理前のSMR194bの状態を判別して、SMR194bがオフの状態に限ってSMR194bに対してオンの制御指令を送信する構成とする。
【0057】
以上のように構成されたバッテリ過充電防止ルーチンによれば、ハイブリッド車両の高速定常走行時において、バッテリ194のSOCが予め定めた所定量S0以上となったときに、SMR194bはオフ状態となって、駆動回路191,192はバッテリ194から電気的に遮断された状態となる。このため、モータMG2で発生した電力がバッテリ194に移されることがないことから、高速定常走行時におけるバッテリ194の過充電を防止することができる。このとき、モータにd軸電流を流すような電力の損失がないことからエネルギ効率を悪化させることもない。したがって、この実施例では、高速定常走行時におけるバッテリの過充電の防止と、燃費の向上とを両立することができるという効果を奏する。
【0058】
高速定常走行時においては、モータMG2は発電状態にあり、モータMG1は電力を消費する状態にあるが、さらにこの実施例では、モータMG1の動作を制御してモータMG1の消費電力を大きくしていることから、バッテリ194との接続を遮断したことによるモータMG2の逆起電圧の上昇を抑えることができる。特にこの実施例では、モータMG1の動作を制御することで、モータMG2の逆起電圧Vaはバッテリ194の電圧値Vbとほぼ同じレベルに保持されることから、車両が高速定常走行状態を脱してSMR194bがオン状態に復帰したときに、モータMG2を直ちに力行状態に移行することができる。したがって、アシスト要求があったときに、上記エンジンへのトルクのアシストを時間遅れなく極めてスムーズに行なうことができるという効果も奏する。
【0059】
なお、本発明を適用する動力出力装置の構成としては、図1に示した構成の他、種々の構成が可能である。図1では、モータMG2がリングギヤ軸126に結合されているが、モータMG2が、エンジン150のクランクシャフト156に直結したプラネタリキャリア軸127に結合された構成をとることもできる。第1の変形例としての構成を図10に示す。図10では、エンジン150,モータMG1,MG2のプラネタリギヤ120に対する結合状態が図1の実施例と相違する。プラネタリギヤ120に関わるサンギヤ軸125にモータMG1が結合され、プラネタリキャリア軸127にエンジン150のクランクシャフト156が結合されている点では図1と同じである。図10では、モータMG2がリングギヤ軸126ではなく、プラネタリキャリア軸127に結合されている点で図1の実施例と相違する。
【0060】
かかる構成においても、例えば、モータMG1により回生された電力を用いて、プラネタリキャリア軸127に結合されたモータMG2を駆動することにより、クランクシャフト156に直結したプラネタリキャリア軸127にはさらなるトルクを付加することができ、このトルク付加は、駆動軸112に要求トルクが出力されるように行なわれる。従って、図1の実施例と同様に、モータMG1およびMG2を介して電力の形でやりとりされる動力を調整することにより、エンジン150から出力された動力を所望の回転数およびトルクとして駆動軸112から出力することができるので、エンジン150は、自由にその動作点を選択して運転することが可能である。従って、このような構成に対しても、本発明を適用することは可能である。
【0061】
また、本発明は別の構成の動力出力装置に適用することもできる。第2の変形例としての構成を図11に示す。上記した実施例や第1の変形例においては、エンジン150から出力された動力の一部を駆動軸112に伝達するための動力調整装置として、プラネタリギヤ120等を用いた機械分配型動力調整装置を用いていたのに対し、この第2の変形例では、動力調整装置として、対ロータ電動機等を用いた電気分配型動力調整装置を用いている。具体的には、この動力出力装置では、プラネタリギヤ120およびモータMG1に代えて、クラッチモータCMを備える。クラッチモータとは、相対的に回転可能なインナロータ302およびアウタロータ304を備える対ロータ電動機である。図11に示す通り、インナロータ302はエンジン150のクランクシャフト156に結合され、アウタロータ304は駆動軸112に結合されている。アウタロータ304には、スリップリング306を介して電力が供給される。アウタロータ304側の軸にはモータMG2も結合されている。その他の構成は、図1で示した構成と同様である。
【0062】
エンジン150から出力された動力は、クラッチモータCMを介して駆動軸112に伝達することができる。クラッチモータCMは、インナロータ302とアウタロータ304との間に電磁的な結合を介して動力を伝達する。この際、アウタロータ304の回転数がインナロータ302の回転数よりも低ければ、両者の滑りに応じた電力をクラッチモータCMで回生することができる。逆に、クラッチモータCMに電力を供給すれば、インナロータ302の回転数を増速して駆動軸112に出力することができる。エンジン150からクラッチモータCMを介して出力されたトルクが駆動軸112から出力すべき要求トルクと一致しない場合には、モータMG2でトルクを補償することができる。
【0063】
モータMG2の役割は、図1に示した実施例の場合と同様である。従って、第2の変形例に対しても、本発明を適用することができる。
【0064】
なお、本発明は上記した実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様にて実施することが可能である。
【0065】
(1)即ち、上記した実施例および変形例においては、パラレルハイブリッド方式の車両に本発明を適用した場合について説明したが、シリーズハイブリッド方式の車両に本発明を適用することも可能である。シリーズハイブリッド方式においても、2つの電動発電機を備え、一方の電動発電機で発電を行ない、他方の電動発電機で、駆動軸に出力される動力が所望の動力となるように動力調整を行なうことができるからである。要は、2つの電動発電機を備え、一方の電動発電機で発電を行ない、他方の電動発電機で、駆動軸に出力される動力が所望の動力となるように動力調整を行なうことができる動力出力装置を備える車両であれば、いずれの形態のハイブリッド方式の車両にも適用できる。
【0066】
(2)また、上述した実施例の動力出力装置では、モータとして同期電動機を用いていたが、これに替えて誘導電動機、バーニアモータ、直流電動機、超伝導モータ、ステップモータなどを用いることができる。
【0067】
(3)さらに、エンジン150としてガソリンにより運転されるガソリンエンジンを用いていたが、その他にディーゼルエンジンや、タービンエンジンや、ジェットエンジンなど各種の内燃あるいは外燃機関を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例としての動力出力装置を用いたハイブリッド車両の概略構成を示す構成図である。
【図2】実施例の動力出力装置の作動原理を説明する共線図である。
【図3】ハイブリッド車両が高速定常走行している場合の共線図である。
【図4】ハイブリッド車両の動力系統に備えられる電気回路を詳細に示す回路図である。
【図5】トルク制御ルーチンのフローチャートである。
【図6】エンジンの運転ポイントと運転効率との関係を示すグラフである。
【図7】 要求動力一定の場合の、エンジン回転数と運転効率との関係を示すグラフである。
【図8】バッテリ過充電防止ルーチンのフローチャートである。
【図9】高速定常走行時においてモータMG1の回転数を増大した場合の共線図の変化を示す説明図である。
【図10】本発明の第1の変形例としての動力出力装置を搭載したハイブリッド車両の概略構成を示す構成図である。
【図11】本発明の第2の変形例としての動力出力装置を搭載したハイブリッド車両の概略構成を示す構成図である。
【符号の説明】
112…駆動軸
116R,116L…車輪
119…ケース
120…プラネタリギヤ
121…サンギヤ
122…リングギヤ
123…プラネタリピニオンギヤ
124…プラネタリキャリア
125…サンギヤ軸
126…リングギヤ軸
127…プラネタリキャリア軸
129…チェーンベルト
130…ダンパ
132,142…ロータ
133,143…ステータ
144…センサ
150…エンジン
156…クランクシャフト
170…EFIECU
190…制御ユニット
191,192…駆動回路
191b,192b…電圧検出回路
194…バッテリ
194a…電池モジュール部
194b…SMR
194c…電圧検出回路
194d…電流センサ
196…インバータコンデンサ
302…インナロータ
304…アウタロータ
306…スリップリング

Claims (3)

  1. 動力を出力するための駆動軸と、出力軸を有するエンジンと、該エンジンの出力した動力の少なくとも一部を用いて発電し得る第1の電動発電機と、駆動軸に出力される動力が所望の動力となるように動力調整を行なう第2の電動発電機と、充放電可能な蓄電手段と、前記第1の電動発電機、第2の電動発電機および蓄電手段を電気的に接続する接続路と、を備えた動力出力装置において、
    前記接続路に設けられ、外部からの指令に応じて、前記蓄電手段と前記第1および第2の電動発電機との間の接続、遮断を切り替える接続遮断切替手段と、
    前記蓄電手段の状態を検出する蓄電状態検出手段と、
    前記第2の電動発電機を、電力を発生する状態で動作させるとともに、前記第1の電動発電機を、電力を消費する状態で動作させる動作モードにあるか否かを判別する動作モード判別手段と、
    前記動作モード判別手段により前記動作モードにあると判別されたときに、前記蓄電状態検出手段により検出された前記蓄電手段の状態が予め定めた蓄電量を超える状態にあるか否かを判別する蓄電量判別手段と、
    該蓄電量判別手段により肯定判別されたときに、前記接続遮断切替手段に遮断を行なう旨の指令を出力するとともに、前記第1の電動発電機を電力消費量が増大するように動作させる制御手段と
    前記第2の電動発電機の発生電圧を検出する第1電圧検出手段と、
    前記蓄電手段の出力電圧を検出する第2電圧検出手段と、
    前記制御手段による動作の実行後、前記第1の電動発電機の動作を制御して、両電圧検出手段による検出電圧をほぼ等しい大きさに保持する電圧保持制御手段と、
    前記制御手段による動作の実行後、前記動作モード判別手段により前記動作モードを離脱したと判別されたときに、前記接続遮断切替手段に接続を行なう旨の指令を出力する接続制御手段と
    を備えることを特徴とする動力出力装置。
  2. 請求項1に記載の動力出力装置を搭載したハイブリッド車両であって、
    前記駆動軸に出力される動力によって車輪を駆動するとともに、
    前記エンジンの出力軸と、前記駆動軸および前記第2の電動発電機の回転軸と、前記第1の電動発電機の回転軸とにそれぞれ結合された3軸を有するプラネタリギヤを備えるハイブリッド車両。
  3. 動力を出力するための駆動軸と、出力軸を有するエンジンと、該エンジンの出力した動力の少なくとも一部を用いて発電し得る第1の電動発電機と、駆動軸に出力される動力が所望の動力となるように動力調整を行なう第2の電動発電機と、充放電可能な蓄電手段と、前記第1の電動発電機、第2の電動発電機および蓄電手段を電気的に接続する接続路と、を備えた動力出力装置の制御方法であって、
    (a)前記蓄電手段の状態を検出する工程と、
    (b)前記第2の電動発電機を、電力を発生する状態で動作させるとともに、前記第1の電動発電機を、電力を消費する状態で動作させる動作モードにあるか否かを判別する工程と、
    (c)前記工程(b)により前記動作モードにあると判別されたときに、前記工程(a)により検出された前記蓄電手段の状態が予め定めた蓄電量を超える状態にあるか否かを判別する工程と、
    (d)前記工程(c)により肯定判別されたときに、前記接続路による前記蓄電手段と前記第1および第2の電動発電機との間の電気的な接続を遮断するとともに、前記第1の電動発電機を電力消費量が増大するように動作させる工程と
    (e)前記第2の電動発電機の発生電圧を検出する工程と、
    (f)前記蓄電手段の出力電圧を検出する工程と、
    (g)前記工程(d)の実行後、前記第1の電動発電機の動作を制御して、前記工程(e )と工程(f)による検出電圧をほぼ等しい大きさに保持する工程と、
    (h)前記工程(d)の実行後、前記工程(b)により前記動作モードを離脱したと判別されたときに、前記接続路による前記蓄電手段と前記第1および第2の電動発電機との間の電気的な接続を復帰する工程と
    を備える動力出力装置の制御方法。
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