JP3629653B2 - 工具ホルダ及びそのアンチャッキング方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、先端部内周にテーパ穴を有するホルダ本体と、ドリル等の切削工具を把持するコレットチャックを有し、このコレットチャックのシャンク部をホルダ本体のテーパ穴に圧入により結合する方式の工具ホルダ及びホルダ本体に結合されたコレットチャックを離脱するためのアンチャッキング方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば2mm以下のシャンク径を有するドリル等の工具を把持する工具ホルダとしては、図4に示す構造のものが知られている。
この図4において、工具ホルダ30は、ホルダ本体31、テーパコレット32及びロックナット33等を備える。
ホルダ本体31は、図示省略した工作機械の主軸に挿着されるテーパシャンク部311と、このテーパシャンク部311の大径側端部に形成した把持用フランジ部312と、このフランジ部312の反テーパシャンク部311側の端面からテーパシャンク部311と反対の方向に軸線を一致して延設された筒状の工具取付部313を有し、この工具取付部313内の先端寄りにはテーパ穴314が軸線を一致して形成されている。また、工具取付部313の先端部外周面にはロックナット33が螺合される雄ねじ315が形成されている。
【0003】
テーパコレット32は、工具34のシャンク部341を把持するもので、工具取付部313のテーパ穴314内に嵌入される構造になっている。また、テーパコレット32はロックナット33内に同心に配置され、その下端外周に形成したリング状溝321に、ロックナット33の内周に設けたリング状の突条331を係合することにより、両者が相対回転可能に結合されている。
35は切粉等がコレット内やホルダ本体内へ侵入しないようにロックナット33の工具挿入開口332をカバーするスチールカバーであり、このスチールカバー35はロックナット33に固着されている。
【0004】
このように構成された工具ホルダ30において、工具34をチャッキングする場合は、テーパコレット32の装着されたロックナット33を工具取付部313の雄ねじ315に螺合し、テーパコレット32を工具取付部313のテーパ穴314に仮挿着する。この状態で、工具14のシャンク部141をロックナット33の工具挿入開口332からテーパコレット32内に挿入した後、ロックナット33を締め付ける。これにより、テーパコレット32が工具取付部313のテーパ穴314内に押し込まれるため、工具34のシャンク部341は把持されることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の工具ホルダにおいては、ロックナット33の締め付けによりテーパコレット32をホルダ本体31のテーパ穴314内に押し込んで工具34のシャンク部341は把持する構成になっているため、テーパコレット32自体の把持長L1に対し、工具34の把持に有効に機能する把持長L2は、図4に示すように、テーパコレット32と工具取付部313とが互いに重合される部分のみとなる。その結果、工具34に対するテーパコレット32の有効把持長が短くなって十分な把持力が得られなくなり、工具34が振れ易くなって、切削精度に悪影響を与えるほか、工具が振れることにより破損するという問題がある。特に、シャンク部の径が2mm以下の工具においては、上記の問題が顕著となる。
【0006】
そこで、上記の問題を解決する方策として、工具シャンク部が挿入されるテーパコレットのシャンク嵌合穴の長さを長くして、工具シャンク部の有効把持長を長くすることが考えられる。
しかしながら、工具シャンク部の有効把持長を得るためにテーパコレットのシャンク嵌合穴を必要以上に長くした場合、このシャンク嵌合穴の径が大きい場合は問題がないが、2mm以下の工具シャンク径に対応する小径のシャンク嵌合穴の場合には、このシャンク嵌合穴の内周研磨は実質的に不可能である。したがって、このような方式は小径シャンク部をテーパコレットとロックナットによりホルダ本体に把持する工具ホルダには適用できない。
【0007】
また、従来においては、工具シャンク部に対する有効把持長を得るための工具ホルダとして、図5に示す構造のものが知られている。
この図5に示す工具ホルダ40は、テーパシャンク部411と把持用フランジ部412及び工具取付部413を長手方向に有する中空のホルダ本体41と、工具取付部413内に軸線を一致して形成したテーパ穴414内に嵌合されるテーパコレット42と、ホルダ本体41の中空穴415内の段部416に支持され、テーパコレット42をテーパ穴414内に引き込むドローボルト43を備え、このドローボルト43をテーパコレット42に螺合して締め付けることにより、テーパコレット42を引き込み、工具44のシャンク部441を把持するように構成されている。
【0008】
このような構造の工具ホルダ40では、テーパコレット42のほぼ全体がドローボルト43によりテーパ穴414内に引き込まれるため、工具44に対する把持長を十分に確保することができる。
しかしながら、引き込み用のドローボルト43はホルダ本体41の後端から中空穴415内に挿入しなければならないため、ホルダ本体41のテーパシャンク部411が小さく、かつシャンク部の径が2mm以下の工具44に適用される小型なホルダ本体に対しては、ドローボルト43をホルダ本体41の後端から挿入することは形状的に不可能である。
【0009】
そこで、従来においては、テーパシャンク部が小さく、かつ小型なホルダ本体に対してもドローボルト方式で工具を保持できるようにした工具ホルダが知られている。この方式の工具ホルダを図6を参照して説明する。
図6に示す工具ホルダ50は、テーパシャンク部511と把持用フランジ部512及びチャック嵌合部513を長手方向に一連に有するホルダ本体51と、チャック嵌合部513内に形成したテーパ穴514内に圧入により結合されるコレットチャック52を備える。
【0010】
上記コレットチャック52は、ドリル等の工具53を把持するもので、テーパシャンク部541と工具取付部542を長手方向に有する中空のチャック本体54と、工具取付部542内に軸線を一致して形成したテーパ穴543に嵌合されるコレット55と、チャック本体54の中空穴544内の段部545に支持され、コレット55をテーパ穴543内に引き込むドローボルト56を備え、このドローボルト56をコレット55に螺合して締め付けることにより、コレット55を引き込み、工具53のシャンク部531を把持するように構成されている。また、チャック本体54のテーパシャンク部541と工具取付部542との境界に位置する外周箇所には鍔部56が形成されている。
【0011】
しかし、このような図6に示す工具ホルダ50においては、コレットチャック52のテーパシャンク部541を鍔部56がホルダ本体51の先端面に当接するまでホルダ本体51のテーパ穴514内に圧入することで、コレットチャック52をホルダ本体51に結合するものであるため、工具53の交換などに際し、ホルダ本体51からコレットチャック52を抜き取る場合には、アンチャッキングのための加熱・冷却装置などが必要になり、アンチャッキングのための設備費及びその管理費がかさむという問題があった。
【0012】
本発明は上記のような従来の問題を解決するためになされたもので、その目的は、ホルダ本体に圧入によりチャッキングされたコレットチャックを簡単な操作で容易にアンチャッキングでき、かつアンチャッキングシステムを低コスト化できる工具ホルダ及びそのアンチャッキング方法を提供することにある。
また、本発明では、テーパシャンク部が小さく、かつ小型なホルダ本体に対してもドローボルト方式で工具を保持できるようにした工具ホルダにおいて、工具に対する切削用のエアーまたはクーラント等の供給時に、前記切削用流体の飛散を防止するようにした工具ホルダを提供する。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、チャック嵌合部を有するホルダ本体と、前記チャック嵌合部内に該チャック嵌合部の先端面から後端にいくにしたがい小径となるように軸線を一致して形成したテーパ穴内に圧入により結合されるコレットチャックを備える工具ホルダであって、前記コレットチャックは、前記ホルダ本体のテーパ穴内に圧入されるテーパシャンク部及び該テーパシャンク部の前端に軸線を一致して連接された工具取付部を有する中空のチャック本体と、前記工具取付部内に軸線を一致して形成したテーパ穴に嵌合され工具を把持するコレットと、前記チャック本体の中空穴内に設けた支持部に軸線方向に貫通支持され前記コレットを前記工具取付部のテーパ穴内に引き込むことで前記工具を把持するドローボルトと、前記テーパシャンク部と工具取付部との境界箇所に外周に沿って形成され、前記チャック本体のテーパシャンク部が前記ホルダ本体のテーパ穴に圧入されて結合された時に前記チャック嵌合部の先端面に密接する鍔部とから構成され、前記鍔部の外周面に雄ねじ部を形成し、前記コレットチャックが前記ホルダ本体のテーパ穴にチャッキングされている時に該コレットチャックの工具装着側先端部に係合され、かつ前記雄ねじ部に螺合される防塵カバーと、前記ホルダ本体のテーパ穴に圧入されたコレットチャックを引き抜く時に前記鍔部の雄ねじ部に螺合される雌ねじ部を有するアンチャッキング用治具とを備え、前記アンチャッキング用治具をその螺合側先端が前記チャック嵌合部の先端面に圧接されるまで前記雄ねじ部に螺合した状態で前記アンチャッキング用治具とホルダ本体を前記鍔部がアンチャッキング用治具内へ進入される方向に相対回転することによりコレットチャックをホルダ本体のテーパ穴から引き抜くように構成され、前記防塵カバーは前記コレットチャックのアンチャッキング時にコレットチャックから取り外されるように構成されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記防塵カバーの先端側中央部に前記工具が緩く貫通する貫通穴を設けたことを特徴とする。
さらに、本発明は、前記ドローボルトの軸方向に貫通穴を形成し、前記ホルダ本体の後端部よりエアー又はクーラント等の流体を供給できるようにしたことを特徴とする。
【0014】
さらにまた、本発明は、ホルダ本体と、コレットチャックを備え、前記コレットチャックはテーパシャンク部を有するチャック本体と工具把持用のコレットを有し、前記チャック本体の後端から挿入されたドローボルトで前記コレットを前記チャック本体内に前端側から引き込むことにより工具を把持し、かつ前記チャック本体のテーパシャンク部を前記ホルダ本体に設けたテーパ穴に圧入して前記コレットチャックを前記ホルダ本体に結合する工具ホルダにおいて、前記ホルダ本体に結合された前記コレットチャックをアンチャッキングする方法であって、前記チャック本体はそのテーパシャンク部が前記ホルダ本体のテーパ穴に圧入された時にホルダ本体の先端面に密接する鍔部を有し、前記鍔部はその外周面に雄ねじ部を有し、前記コレットチャックが前記ホルダ本体のテーパ穴にチャッキングされている時に該コレットチャックの工具装着側先端部に係合され、かつ前記鍔部の雄ねじ部に螺合される防塵カバーと、前記鍔部の雄ねじ部に螺合されるアンチャッキング用治具を有し、前記コレットチャックのアンチャッキング時は前記防塵カバーがコレットチャックから取り外され、前記アンチャッキング用治具をその螺合側先端が前記ホルダ本体の先端面に圧接されるまで前記雄ねじ部に螺合し、この状態で前記アンチャッキング用治具とホルダ本体を前記鍔部がアンチャッキング用治具内へ進入される方向に相対回転することによりコレットチャックをホルダ本体のテーパ穴から引き抜くことを特徴とする。
【0015】
本発明の工具ホルダ及びそのアンチャッキング方法においては、アンチャッキング用治具を前記鍔部の雄ねじ部に螺合した状態で、アンチャッキング用治具とホルダ本体を鍔部がアンチャッキング用治具の内部へ進入される方向に相対回転させる。このアンチャッキング用治具とホルダ本体の相対回転に伴い、鍔部がアンチャッキング用治具内に進入すると同時に、アンチャッキング用治具の螺合側先端がホルダ本体の先端面を押圧し、チャック本体のテーパシャンク部がホルダ本体のテーパ穴から抜け取られるように作用する。これにより、コレットチャックはホルダ本体のテーパ穴から抜き取られる。
したがって、本発明によれば、ホルダ本体に圧入によりチャッキングされたコレットチャックを簡単な操作で容易にアンチャッキングでき、かつアンチャッキングシステムを低コスト化できる。
また、本発明の工具ホルダは、前記アンチャッキング用治具を前記鍔部の雄ねじ部に螺合しない状態において、前記コレットチャックの工具装着側先端部に防塵カバーを係合し、この防塵カバーを前記雄ねじ部に螺合した構成とすることで、前記アンチャッキング用治具が螺合する前記雄ねじ部に切粉或いは塵埃等が付着するのを防止し、前記アンチャッキング用治具の螺合が確実に行えるようにすると共に、前記ホルダ本体の後端部よりエアー又はクーラント等の流体がコレットのスリ割から飛散することを防止できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面に参照して説明する。
図1は本発明の実施の形態における工具ホルダ及びアンチャッキング用治具の一例を示す断面図、図2は本発明の実施の形態におけるアンチャッキング用治具を用いてホルダ本体からコレットチャックを抜き取る場合の説明用図である。
【0017】
図1に示す工具ホルダ10は、2mm以下のシャンク径を有するドリル等の工具9を把持するのに適用されるもので、ホルダ本体11及びコレットチャック12を備えるほか、アンチャッキング用治具13を備えている。
前記ホルダ本体11は、図示省略した工作機械の主軸に挿着されるテーパシャンク部111と、このテーパシャンク部111の大径側端部に形成した把持用フランジ部112と、このフランジ部112の反テーパシャンク部111側の端面からテーパシャンク部111と反対の方向に軸線を一致して延設された筒状のチャック嵌合部113を有し、このチャック嵌合部113内の先端寄りにはテーパ穴114が軸線を一致して形成されている。このテーパ穴114は、チャック嵌合部113の前端面113Aから後方に行くにしたがい小径となる1/100等の緩やかなテーパ角度を呈している。
なお、この実施の形態におけるホルダ本体11の全長は、2mm以下のシャンク径を有する工具9に対応して、例えば67mm程度の長さを有している。
【0018】
前記コレットチャック12は、中空のチャック本体12Aと、工具9を把持するスリ割りを有するコレット12B及びドローボルト12Cを備える。
チャック本体12Aは、ホルダ本体11のテーパ穴114に圧入されるテーパシャンク部12A1と、このテーパシャンク部12A1の前端に軸線を一致して連接された工具取付部12A2と、テーパシャンク部12A1と工具取付部12A2との境界箇所に外周に沿って形成された鍔部12A3を有し、鍔部12A3はチャック嵌合部113の前端面113Aの外径より小さい径に形成され、さらに、鍔部12A3の外周面には雄ねじ部12A4が形成されている。また、テーパシャンク部12A1は工具取付部12A2との側から後端に行くにしたがい小径となる1/100等の緩やかなテーパ角度を呈している。
なお、コレットチャック12の全長は、42mm程度である。
【0019】
工具取付部12A2の内部には、工具取付部12A2の先端面から後方に行くに従い小径となるテーパ穴12A5が軸線を一致して形成され、このテーパ穴12A5にはコレット12Bが嵌合される。
また、チャック本体12Aの中空穴12A6内の後端寄り箇所には、チャック本体12Aの中空穴12A6内に後端から挿入されたドローボルト12Cを回転可能に支持する支持部12A7が同心に設けられている。
ドローボルト12Cは、工具取付部12A2のテーパ穴12A5に嵌合されたコレット12Bを後方へ引き込むことで工具9を把持する構成になっている。
【0020】
前記アンチャッキング用治具13は、ホルダ本体11のテーパ穴114に圧入されたコレットチャック12を引き抜く時に鍔部12A3の雄ねじ部12A4に螺合されるもので、鍔部12A3の外径に対応した内径を有する円筒形を呈している。そして、このアンチャッキング用治具13の鍔部12A3への嵌合側内周面には、鍔部12A3の雄ねじ部12A4に螺合する雌ねじ部131が形成されている。
【0021】
上記のように構成された工具ホルダ10において、工具9をチャック本体12Aに把持する場合は、図1に示すように、チャック本体12Aのテーパ穴12A5にコレット12Bを挿入し、さらに、チャック本体12Aの後端から中空穴12A6内にドローボルト12Cを挿入してコレット12Bの挿入端部に設けた雌ねじ部12B1に螺合し、コレット12Bを仮止めする。この状態で、工具9のシャンク部91をコレット12Bに差し込んだ後、ドローボルト12Cを図示省略の治具により締め付けることによりコレット12Bを引き込む。これにより、工具9はチャック本体12Aにチャッキングされる。
【0022】
次に、工具9を把持したコレットチャック12をホルダ本体11にチャッキングする場合について説明する。この場合は、チャック本体12Aのテーパシャンク部12A1をホルダ本体11のテーパ穴114に図示省略した専用の治具を用いて、鍔部12A3がホルダ本体11のチャック嵌合部113の前端面113Aに圧接されるまで圧入する。これにより、コレットチャック12はホルダ本体11に強固にチャッキングされる。
【0023】
次に、コレットチャック12をホルダ本体11からアンチャッキングする場合について説明する。
この場合は、図2に示すように、アンチャッキング用治具13をコレットチャック12の工具取付部12A2から差し込んで、その雌ねじ部131を鍔部12A3の雄ねじ部12A4に螺合し、アンチャッキング用治具13の螺合先端をホルダ本体11のチャック嵌合部113の前端面113Aに当接させる。この状態のアンチャッキング用治具13を図示省略したバイスなどの固定手段に固定した後、ホルダ本体11のフランジ部112に図示省略したレンチ等の工具を用いてホルダ本体11を、鍔部12A3がアンチャッキング用治具13内に螺入される方向に回転させる。ホルダ本体11が回転されると、鍔部12A3がアンチャッキング用治具13内に螺入されると同時に、アンチャッキング用治具13の螺合側先端がチャック嵌合部113の前端面113Aを押圧し、コレットチャック12のテーパシャンク部12Aがホルダ本体11のテーパ穴114から抜き取られるように作用する。これにより、コレットチャック12のテーパシャンク部12Aはホルダ本体11のテーパ穴114から抜き取られる。
【0024】
したがって、この実施の形態による工具ホルダによれば、ホルダ本体11に圧入によりチャッキングされたコレットチャック12を簡単な操作で容易にアンチャッキングできるとともに、アンチャッキングに用いられる治具13も簡便な構造のもので済むため、アンチャッキングシステムも簡単なもので済み、従来のようなアンチャッキングのための加熱・冷却装置が不要になって、アンチャッキング時のコストを低減することができる。
また、この実施の形態による工具ホルダによれば、チャック本体12Aのテーパ穴12A5に挿入したコレット12Bを、チャック本体12Aの後端から挿入したドローボルト12Cにより引き込むことで工具9を把持する構造のコレットチャック12を用いているため、工具9に対する把持長を十分に確保することができる。
【0025】
なお、本発明におけるアンチャッキング用治具13は、上記実施の形態に示す構造のものに限定されない。
また、上記の実施の形態では、ホルダ本体11に圧入によりチャッキングされたコレットチャック12をホルダ本体11から抜き取る時、アンチャッキング用治具12をバイス等の固定手段に固定し、ホルダ本体11を回転して抜き取る方式について説明したが、本発明はこれに限らず、アンチャッキング用治具12とホルダ本体11をコレットチャック12がホルダ本体11から抜き出る方向に相対的に回転させる方式であってもよい。
【0026】
図3は、本発明における工具ホルダの変形例を示す側断面図である。
この変形例においては、工具ホルダ10の先端側に取付けられた工具9に対し、工具ホルダ10内を通過してエアー或いはクーラント等の切削流体を供給するようにした工具ホルダ10を示している。
そして、前述の実施形態と同一部分には同一符号を付して、その説明を省略し、異なる点について説明する。
【0027】
この変形例による前述の実施形態と異なる点は、コレットチャック12の後部中空穴12A6に配設したドローボルト12Cに軸方向に貫通する貫通穴12Dを設けて、工具ホルダ本体11の後端部から供給される切削流体をコレット12Bに形成したスリ割12Eを通過させて、コレット12Bの先端側から工具9及び工作物に供給するようにし、且つ前記コレットチャック12の工具9装着側先端部に防塵カバー60を係合し、この防塵カバー60後端部内周面に形成した雌ねじ60Aを前記雄ねじ部12A4に螺合した構成とし、かつ防塵カバー60の先端側中央部には前記工具9が緩く貫通する貫通穴60Bを設けた点にある。
なお、工具9の軸方向中央に貫通穴を設けて、この貫通穴を利用して切削流体を供給することもあるが、刃物(工具)シャンク径が2mm以下の場合には、この貫通穴は形成することが困難であり、コレット12Bのスリ割12Eから流体が供給される。
【0028】
この変形例による工具ホルダ10は、前記防塵カバー60を設けることで、前記コレット12Bに形成したスリ割り12Eから供給される切削流体を先端側中央部に形成した貫通穴60Bを介して工具9に供給する。
小径刃物の場合は、切削速度の関係で、回転数が高速になり切削流体が飛散するが、前記防塵カバー60の貫通穴60Bを介して工具9に供給するため前記不具合が解消される。
【0029】
また、コレットチャック12をホルダ本体11からアンチャッキングする場合には、前記防塵カバー60をコレットチャック12から取り外して、上述の実施形態の図2に示すように、アンチャッキング用治具13をコレットチャック12の工具取付部12A2から差し込んで、その雌ねじ部131を鍔部12A3の雄ねじ部12A4に螺合し、アンチャッキング用治具13の螺合先端をホルダ本体11のチャック嵌合部113の前端面113Aに当接させることで、アンチャッキングする。
従って、コレットチャック12に形成した雄ねじ部12A4は、作業中は常に前記防塵カバー60によって覆われているため、作業中の切粉或いは塵埃等が雄ねじ部12A4に付着するのを防止できる。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の工具ホルダ及びそのアンチャッキング方法によれば、ホルダ本体に圧入によりチャッキングされたコレットチャックを簡単な操作で容易にアンチャッキングできるとともに、アンチャッキングに用いられる治具も簡便な構造のもので済むため、アンチャッキングシステムも簡単なもので済み、アンチャッキング時のコストを低減することができる。
また、本発明によれば、チャック本体のテーパ穴に挿入されたコレットを、チャック本体の後端から挿入したドローボルトにより引き込むことで工具を把持する構造のコレットチャックを用いているため、工具に対する把持長を十分に確保することができるという効果を有する。
また、本発明によれば、アンチャッキング用治具を鍔部の雄ねじ部に螺合しない状態において、コレットチャックの工具装着側先端部に防塵カバーを係合し、この防塵カバーを雄ねじ部に螺合する構成としたので、小径刃物(工具)に生じ易い、回転数の高速に伴う切削流体の飛散を防止することができると共に、コレットチャックに形成した雄ねじ部に付着する作業中の切粉或いは塵埃等を防止できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における工具ホルダ及びアンチャッキング用治具の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるアンチャッキング用治具を用いてホルダ本体からコレットチャックを抜き取る場合の説明用図である。
【図3】本発明の実施の形態における工具ホルダの変形例を示す断面図である。
【図4】従来における工具ホルダの断面図である。
【図5】従来における工具ホルダの断面図である。
【図6】従来における工具ホルダの断面図である。
【符号の説明】
9 工具
10 工具ホルダ
11 ホルダ本体
111 テーパシャンク部
112 フランジ部
113 チャック嵌合部
114 テーパ穴
12 コレットチャック
12A チャック本体
12B コレット
12C ドローボルト
12A1 テーパシャンク部
12A2 工具取付部
12A3 鍔部
12A4 雄ねじ部
12A5 テーパ穴
13 アンチャッキング用治具
131 雌ねじ部
60 防塵カバー

Claims (7)

  1. チャック嵌合部を有するホルダ本体と、前記チャック嵌合部内に該チャック嵌合部の先端面から後端に行くにしたがい小径となるように軸線を一致して形成したテーパ穴内に圧入により結合されるコレットチャックを備える工具ホルダであって、
    前記コレットチャックは、前記ホルダ本体のテーパ穴内に圧入されるテーパシャンク部及び該テーパシャンク部の前端に軸線を一致して連接された工具取付部を有する中空のチャック本体と、前記工具取付部内に軸線を一致して形成したテーパ穴に嵌合され工具を把持するコレットと、前記チャック本体の中空穴内に設けた支持部に軸線方向に貫通支持され前記コレットを前記工具取付部のテーパ穴内に引き込むことで前記工具を把持するドローボルトと、前記テーパシャンク部と工具取付部との境界箇所に外周に沿って形成され、前記チャック本体のテーパシャンク部が前記ホルダ本体のテーパ穴に圧入されて結合された時に前記チャック嵌合部の先端面に密接する鍔部とから構成され、
    前記鍔部の外周面に雄ねじ部を形成し、
    前記コレットチャックが前記ホルダ本体のテーパ穴にチャッキングされている時に該コレットチャックの工具装着側先端部に係合され、かつ前記雄ねじ部に螺合される防塵カバーと、前記ホルダ本体のテーパ穴に圧入されたコレットチャックを引き抜く時に前記鍔部の雄ねじ部に螺合される雌ねじ部を有するアンチャッキング用治具とを備え、
    前記アンチャッキング用治具をその螺合側先端が前記チャック嵌合部の先端面に圧接されるまで前記雄ねじ部に螺合した状態で前記アンチャッキング用治具とホルダ本体を前記鍔部がアンチャッキング用治具内へ進入される方向に相対回転することによりコレットチャックをホルダ本体のテーパ穴から引き抜くように構成され、
    前記防塵カバーは前記コレットチャックのアンチャッキング時にコレットチャックから取り外されるように構成されている、
    ことを特徴とする工具ホルダ。
  2. 前記ホルダ本体のテーパ穴は、1/100等の緩やかなテーパ角度であることを特徴とする請求項1記載の工具ホルダ。
  3. 前記チャック本体のテーパシャンク部は、1/100等の緩やかなテーパ角度であることを特徴とする請求項1または2記載の工具ホルダ。
  4. 前記防塵カバーの先端側中央部に前記工具が緩く貫通する貫通穴を設けたことを特徴とする請求項1記載の工具ホルダ。
  5. 前記ドローボルトの軸方向に貫通穴を形成し、前記ホルダ本体の後端部よりエアー又はクーラント等の流体を供給できるようにしたことを特徴とする請求項1又は4に記載の工具ホルダ。
  6. ホルダ本体と、コレットチャックを備え、前記コレットチャックはテーパシャンク部を有するチャック本体と工具把持用のコレットを有し、前記チャック本体の後端から挿入されたドローボルトで前記コレットを前記チャック本体内に前端側から引き込むことにより工具を把持し、かつ前記チャック本体のテーパシャンク部を前記ホルダ本体に設けたテーパ穴に圧入して前記コレットチャックを前記ホルダ本体に結合する工具ホルダにおいて、前記ホルダ本体に結合された前記コレットチャックをアンチャッキングする方法であって、
    前記チャック本体はそのテーパシャンク部が前記ホルダ本体のテーパ穴に圧入された時にホルダ本体の先端面に密接する鍔部を有し、
    前記鍔部はその外周面に雄ねじ部を有し、
    前記コレットチャックが前記ホルダ本体のテーパ穴にチャッキングされている時に該コレットチャックの工具装着側先端部に係合され、かつ前記鍔部の雄ねじ部に螺合される防塵カバーと、前記鍔部の雄ねじ部に螺合されるアンチャッキング用治具を有し、
    前記コレットチャックのアンチャッキング時は前記防塵カバーがコレットチャックから取り外され、前記アンチャッキング用治具をその螺合側先端が前記ホルダ本体の先端面に圧接されるまで前記雄ねじ部に螺合し、この状態で前記アンチャッキング用治具とホルダ本体を前記鍔部がアンチャッキング用治具内へ進入される方向に相対回転することによりコレットチャックをホルダ本体のテーパ穴から引き抜く、
    ことを特徴とする工具ホルダのアンチャッキング方法。
  7. 前記アンチャッキング用治具及びホルダ本体のいずれか一方をバイス等の固定手段で固定し、前記固定手段で固定されない他方のアンチャッキング用治具またはホルダ本体を回転してコレットチャックをホルダ本体のテーパ穴から引き抜くことを特徴とする請求項6記載の工具ホルダのアンチャッキング方法。
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