JP3629115B2 - 取鍋移動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、たとえば原料金属の溶解から鋳造までを一貫して行う製鋼システムにおいて使用される取鍋移動装置に係り、特に、スラグを処理する工程を集約して効率化を図る技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
図1(a)は、従来の製鋼システムでの各種装置の配置と取鍋の流れを示すものである。製鋼システムでは、まず、鉄屑などの金属材料が充填された材料バスケットがクレーンで溶解炉へ搬送され、金属材料が溶解炉に投入される。その後の取鍋の流れは以下の通りである。なお、取鍋にはAOD炉に溶湯を供給する移湯鍋と、連続鋳造装置に溶湯を供給する注入鍋の2種類を用いるので、以下の工程の説明では、両者を区別するためにそのように称する。
【0003】
A.移湯鍋の流れ
▲1▼AOD炉に溶湯を供給した移湯鍋をクレーンで溶解炉に搬送する。
▲2▼溶解炉で製造された溶湯を移湯鍋に注入し、この移湯鍋をクレーンで除滓場へ搬送する。除滓場では、取鍋の下部をクレーンで少し吊り上げて取鍋を傾斜させ、溶湯の表面のスラグを掻き取る。
▲3▼除滓が済んだ取鍋をクレーンでAOD炉へ搬送して溶湯を注入する。
【0004】
B.注入鍋の流れ
▲4▼取鍋予熱炉で予熱された注入鍋をAOD炉に搬送する。
▲5▼AOD炉での精錬が完了すると溶湯を注入鍋に注入し、クレーンで注入鍋を移動させて台車に積載する。この台車は軌道上を図中上側へ移動する。
▲6▼台車上の注入鍋をクレーンで連続鋳造装置まで移動させ、そのタンディッシュに溶湯を注入する。
▲7▼注入鍋をクレーンで移動させて別の台車に積載する。この台車は軌道上を図中下側へ移動する。
▲8▼台車上の注入鍋をクレーンで排滓場まで搬送し、注入鍋の下部をクレーンで吊り上げてひっくり返す。これによって、注入鍋の主として底部に残っているスラグを排出する。
▲9▼注入鍋をクレーンでスラグの突き落とし(以下、スラグリングという)装置へ搬送する。スラグリング装置は、長尺のロッドが削岩機のように振動する構造であり、注入鍋の下部をクレーン吊り上げて水平方向に傾け、注入鍋の上部内周や底部に付着して残っているスラグを削ぎ落とすようになっている。なお、削ぎ落としたスラグは、注入鍋をひっくり返すことによって注入鍋の中から排出する。(10)スラグリングが終了した注入鍋を取鍋予熱炉へ搬送する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、取鍋の搬送にはほとんどクレーンが用いられるが、スラグリング装置では、クレーンで取鍋(注入鍋)を吊り下げながら作業を行うためクレーンの占有時間が特に長い。このため、スラグリングを行っているときに溶湯を搬送する必要が生じることがあり、このような場合には、スラグリングを中断してクレーンを移動させなければならず、作業効率を悪化させる原因となっていた。また、スラグリングを中断するとスラグが冷却されてスラグの強度と取鍋への付着力が強くなるため、スラグリングの作業がやり難くなるという問題もあった。よって、この発明は、クレーンによる取鍋の搬送を簡略化して工程の効率化を図るとともに、スラグリング作業を容易にすることができる取鍋移動装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の取鍋移動装置は、基台の上面に相対回転しない状態で取鍋を支持する支持手段を設け、基台に、支持手段をほぼ水平方向を向く軸線回りに回転させる回転駆動機構を設けたことを特徴としている。さらにその支持手段は、取鍋の、一側面側から延出して取鍋の下面をくぐって他側面側まで至るフレームと、このフレームの上端部に設けられ、取鍋の外周面に設けられた軸が上方から収容される略円筒状の軸座と、この軸座の内部に対して進退自在に設けられ、退行状態で軸座の上方を開放して軸座に取鍋の軸を収容可能とし、進出状態で、軸座に収容された取鍋の軸を離脱不能とするクランプ機構と、フレームにおける軸座の下方に固定され、前記回転駆動機構によって軸線回りに回転させられるフレームの軸と、フレームに設けられ、取鍋の下端部に作用して、回転駆動機構による回転力を取鍋に伝える係合手段とを備えており、取鍋が150度以上の回転角度を有することを特徴としている。この取鍋移動装置では、基台上で支持手段のフレームごと取鍋を傾けることができるから、取鍋移動装置の近傍にスラグリング装置を配置することによって、クレーンを使用しないでスラグリングを行うことができる。よって、製鋼工程を効率化することができるとともに、スラグリングが中断されるようなことがないので、スラグリング作業が容易となる。
【0007】
持手段の回転角度が150度以上とされているから、その回転角度を90度を上回る角度の範囲にすることができ、このため、取鍋内のスラグを落下させて排出することが可能となる。この場合、基台には、取鍋から排出されるスラグを通過させる逃げ設けることが望ましい。支持手段の回転角度が150度以上であるため、スラグを取鍋から確実に排出させることができ、180度以上であればさらに好適である。また、基台を走行可能な台車で構成するとクレーンの占有時間が減ってさらにさらに好適である。この場合には、スラグリング装置を台車の移動経路の近傍に配置すれば良い。
【0008】
また、基台には、取鍋を支持手段ごと90度以上回転させた状態で、取鍋の内面に付着したスラグを剥離する剥離手段を設けることが望ましい。すなわち、スラグリング装置を独立して配置すると、スラグリング装置自体の配置スペースに加えて取鍋を配置するためのスペースが必要となるが、基台に剥離手段を設けることで、少なくとも取鍋を配置するための別のスペースは不要となる。さらに、基台の操作要員が剥離手段を操作するようにすることにより人的コストを低減することもできる。
【0011】
上記構成の取鍋移動装置では、取鍋の軸を軸座に収容することで、取鍋の重量はその軸座で支えられ、クランプ機構を軸座の内部に対して進出させることにより、取鍋の軸が離脱不能にセットされる。この状態からフレームの軸を回転駆動機構により回転させると、係合手段が取鍋の下端部に作用して取鍋は回転する。クランプ機構によって取鍋の軸は離脱不能であるため、支持手段で支持された取鍋は、90度を超え、150度以上の回転角度で傾けられる。このような回転動作においては、取鍋に対する回転力が取鍋の下部に位置するフレームの係合手段によって与えられる。したがって、取鍋の軸にはモーメントが作用しないから、軸座クランプ機構は、取鍋を傾けたときに軸が離脱しない程度の構造で足り、その構成を簡略かつ小型化することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
(1)取鍋移動装置の構成
A.全体構成
以下、図1ないし図10を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1(b)は、実施の形態の取鍋移動装置を用いた製鋼システムの各種装置の配置と取鍋の流れを示すものである。この製鋼システムでは、連続鋳造装置へ溶湯を供給した取鍋を搬送する台車(取鍋移動装置)Pの上でスラグリングを行い、かつ、台車Pの走行経路の途中で排滓する点で同図(a)に示すシステムと異なっている。そして、その結果、同図(a)に示すようなスラグリングのためのスペースが不要となっている。以下、台車Pの構成について図2以下を参照して詳細に説明する。
【0013】
図2に示すように製鋼工場の床には2本のレール1が敷設され、台車Pはレール1の上を走行するようになっている。そして、台車Pが走行する区域は製鋼工場の柱2によって3つのヤードA,B,Cに区画され、ヤードAでは連続鋳造装置に溶湯を供給した注入鍋(以下、取鍋と称する)Lが台車Pに載置され、ヤードBではスラグリングが行われるとともに、取鍋L内のスラグが排滓バケット3に排出される。また、ヤードCでは、台車P上の取鍋Lがクレーン(図示略)で吊り上げられて取鍋予熱炉へと搬送される。
【0014】
図において符号10は台車本体であり、台車本体10は平面視略矩形状をなしている。台車本体10の下部には車輪11が配置され、図示しない駆動機構により車輪11が回転させられることで台車本体10はレール1上を自走するようになっている。また、台車本体10には、取鍋Lを支持する支持機構(支持手段)20が設けられ、取鍋Lとともに支持機構20を回転させる回転駆動機構40が設けられている。さらに、台車本体10には、取鍋Lの内面に付着したスラグを突き落とす剥離機構60が配置されている。なお、台車本体10の中央部には、上下方向に貫通する孔(逃げ)12が設けられており、これにより、取鍋Lが回転するときに干渉しないようになっている。
【0015】
B.支持機構
図4ないし図7において符号21は支持機構20のフレームである。フレーム21は、底壁部22と、この底壁部22の両側から上方へ向けて延びる側壁部23とからなっている。各側壁部23には、その上下方向中央部よりもやや上側に軸24が固定されている。この軸24は、図4に示すように、台車本体10の上面の両側に取り付けた軸受41,42によって回転自在に支持されている。図6は側壁部23の詳細を示すもので、この図に示すように、側壁部23の内部には、スリーブ25が取り付けられ、スリーブ25の内周には、軸24が焼嵌めなどの相対回転しない手段によって固定されている。これにより、軸24を回転させることによってフレーム21が回転するようになっている。
【0016】
フレーム21の各側壁部23の上端部には、図6および図7に示すように、上側と内側が開放された凹部26が形成されている。凹部26の下端部には、上側が開放された略半円筒状をなす軸座(支持部)27が取り付けられている。図7に示すように、軸座27の外側の端部には、垂直方向に延びる直板部27aと、この直板部27aの上端部から上方へ延びて内側の面が外側へ向けて傾斜する傾斜板部27bが形成されている。また、凹部26の両側の面26aは、下方へ向かうに従って漸次接近するように傾斜し、軸座27の上端部に連続している。以上の構成のもとに、取鍋Lの軸Sをクレーンで吊り下げて凹部26の中へ下ろすと、軸Sが傾斜板部27bと凹部26の両側の面26aによってガイドされながら軸座27に収容される。
【0017】
ここで、凹部26の両側の面26aには開口26bが形成されており、この開口26bから後述するクランプ機構(把持手段)30のクランパ31の先端部が突出して取鍋Lの軸Sの上面を押圧するようになっている。以下、クランプ機構30について図6を参照して説明する。図6に示すように、フレーム21の側壁部23の下部には、台車Pの走行方向へ向けて延びるステー32が固定され、ステー32の上面には、エアーシリンダ33の基端部がヒンジ33aを介して回転自在に取り付けられている。一方、側壁部23の外側を向く面の上下方向中間部には、固定軸34が取り付けられ、固定軸34にはリンクプレート35が回転自在に連結されている。また、側壁部23の内側の上部にも固定軸36が取り付けられ、固定軸36にはクランパ31の中間部が回転自在に支持されている。
【0018】
クランパ31の後端部は、リンクプレート37の一端部に軸37aを介して回転自在に連結され、リンクプレート37の他端部は、他方のリンクプレート35の端部に軸35aを介して回転自在に連結されている。この軸35aには、ドライブプレート38の一端部が回転自在に連結され、ドライブプレート38の他端部には、エアーシリンダ33のピストンロッド33bの先端部が回転自在に連結されている。なお、図6において符号39はカバーであり、このカバー39はクランプ機構30を挟んで両側に設けられている。
【0019】
そして、図6に示す状態でピストンロッド33bを縮小状態にすると、ドライブプレート38が下方へ弧を描くようにして引き込まれ、リンクプレート35,37が軸35aを中心に屈曲する。その結果、クランパ31の後端部が下方へ向けて回転し、クランプ31の先端部が取鍋Lの軸Sの上部を開放する。この場合において、ピストンロッド33bの縮小端位置でクランパ31の先端は開口26bの内側に完全に没する。また、ピストンロッド33bを伸長状態にすると、リンクプレート35,37が直線状に伸長する。これにより、クランパ31の後端部が上方へ向けて回転し、クランプ31の先端部が取鍋Lの軸Sの上部を押圧する。
【0020】
図6に示すように、ピストンロッド33bが伸長状態のときには、リンクプレート35,37どうしがわずかに内側に折れ曲がっている。このため、クランパ31を開けようとする負荷が作用しても、その負荷はピストンロッド33bを押し戻すようには作用しない。すなわち、このクランプ機構30は、トグルジョイント機構に構成されており、駆動源がエアーシリンダ33であっても取鍋Lの重量を充分に支えることができる強固な締付け力が得られる。
【0021】
以上のように、取鍋Lの重量は軸Sが軸座27とクランパ31とで把持されることにより支持され、取鍋Lの他の部分はフレーム21から浮いた状態になっている。このため、フレーム21の底壁部22には、取鍋Lに回転力を伝えるための係合手段が設けられている。すなわち、図7に示すように、底壁部の上面の両側には、ブロック(係合手段)39が取り付けられている。ブロック39は、平面視で内側(図7において中央側)へ向けて尖る三角形状をなしている。一方、取鍋Lの下端部には台座Kが取り付けられ、台座Kの周縁部の軸Sと同じ角度位置には、平面視V字状をなす切欠(係合手段)Nが形成されている。そして、この切欠Nにブロック39が嵌合することにより、取鍋Lへの回転力がブロック39を介して台座Kに伝えられる。
【0022】
C.回転駆動機構
次に、図4を参照して回転駆動機構40について説明する。図中符号43はモータであり、モータ43の回転軸43aは減速機44に接続され、減速機44の出力軸44aはカップリング44bを介してピニオンギア45に接続されている。ピニオンギア45は軸受46によって回転自在に支持されるとともに、軸受47に回転自在に支持されたホイール48に噛み合っている。また、このホイール48は、前述の支持機構20の軸24に固定されたホイール50に噛み合ってい
る。
【0023】
以上の構成により、モータ43を回転させると、その回転力が減速機44、ピニオンギア45およびホイール48,50に伝わり、軸24が回転する。これにより、フレーム21が軸24とともに回転し、取鍋Lが軸24の回りに回転する。なお、取鍋Lの回転角度は約170゜とされ、取鍋Lはほぼ完全にひっくり返されるようになっている。
【0024】
D.剥離機構
次に、図8ないし図10を参照して剥離機構について説明する。図10に示すように、台車本体10の上面には、門型のフレーム61が取り付けられている。フレーム61の上面にはブラケット62が取り付けられ、ブラケット62の上端部には、回転軸63aを下方に向けた旋回用油圧モータ63が補助ブラケット62aを介して取り付けられている。旋回用油圧モータ63の回転軸63aは、ブラケット62に取り付けられた減速機64を介してピニオンギア65に接続されている。
【0025】
また、フレーム61には、ピニオンギア65と噛み合うホイール66が回転自在にに支持されている。図9において符号67はホイール66の軸66aを回転自在に支持する軸受であり、この軸受67はフレーム61の中に取り付けられている。また、符号68はホイール66のスラスト受けである。ホイール66の軸66aはフレーム61の下側へ突出させられ、その下端部には軸線をほぼ前後方向(以下、台車Pが排滓場へ進む方向を前方とする)へ向けた軸受69が取り付けられている(図9にのみ示す)。軸受69には一端部を前方へ突出させた軸70が回転自在に支持され、軸70の突出した部分の中間部にはホイール71が固定されている。さらに、軸70の前端部にはケーシング72が取り付けられている。
【0026】
ケーシング72の側面には、図8および図10に示すように、回転軸を軸70と平行に向けた揺動用油圧モータ73がモータ台74を介して取り付けられている。また、ケーシング72の側面には、揺動用油圧モータ73の回転軸が接続された減速機75が取り付けられ、減速機75の出力軸75aにはピニオンギア76(図10にのみ示す)が取り付けられている。このピニオンギア76は、前記したホイール71と噛み合っており、揺動用油圧モータ73を回転させることによって、ケーシング72がホイール71の軸70を中心に回転する。
【0027】
次に、ケーシング72には、その上下面に貫通するロッド77が上下方向に摺動自在に支持されている。ロッド77の下端部にはビーム78がヒンジ79によって回転自在に連結されている。また、ケーシング72の側面には昇降用油圧シリンダ80が取り付けられ、そのピストンロッド80aの先端部には、ロッド77の上端部がヒンジ81によって連結されている。さらに、ケーシング72の前面には、傾動用油圧シリンダ82の基端部がヒンジ83によって回転自在に連結され、傾動用油圧シリンダ82のピストンロッド82aの先端部は、ビーム78の上面にヒンジ84によって回転自在に連結されている。
【0028】
次に、ビーム78の両側にはレール78aが取り付けられている。このレール78aには、スライダ85が前後方向へ摺動自在に支持されている。スライダ85には、ビーム78のほぼ全長にわたって巡るエンドレスチェーン(図示略)の両端部が取り付けられ、図示しないモータでエンドレスチェーンを駆動することによって、スライダ85がレール78aのほぼ全長にわたって摺動するようになっている。スライダ85の下面には、削岩機に用いられる油圧ブレーカ86が取り付けられている。油圧ブレーカ86には、ロッド87が取り付けられ、ロッド87の端部はビーム78の下面に取り付けた軸受88に摺動自在に支持されている。ロッド87の先端にはビット89が取り付けられている。
なお、図中符号95はバランスウエイトであり、ビーム78を揺動させたときに重量バランスをとるものである。このバランスウエイト95は、図10では省略してある。
【0029】
上記構成の剥離機構60では、旋回用油圧モータ63を回転させることによってビーム78が水平面内で旋回する。また、揺動用油圧モータ73を回転させることによって、ビーム78は軸70およびホイール71を中心に揺動する。さらに、昇降用油圧シリンダ80および傾動用油圧シリンダ82を伸縮させることにより、ビーム78は上下方向に移動ないし傾斜する。加えて、スライダ85を摺動させることにより、ロッド87は前後方向へ移動する。このように、複数軸の移動機構を有しているため、ビット89は、取鍋Lの内面の全ての箇所に到達し、内面に付着したスラグを突き落とすことができるようになっている。
【0030】
上記構成の剥離機構60の後方には、図8に示すように、防護壁90が取り付けられてる。防護壁90には、図9に示すように、ロッド87を通すための孔91が形成されている。また、図8に示すように、剥離機構60の横には操作室92が配置されており、台車Pの走行・停止、取鍋Lの回転および剥離機構60の操作を行うようになっている。
【0031】
(2)取鍋移動装置の動作
A.全体の動作
次に、上記構成の取鍋移動装置の動作について説明する。この取鍋移動装置が用いられている製鋼システムでは、まず、鉄屑などの金属材料が充填された材料バスケットがクレーンで溶解炉へ搬送され、材料が溶解炉に投入される。その後、取鍋Lは以下のように流通する。なお、移湯鍋の流れは図1(a)に示す▲1▼〜▲3▼と同等であるので、その説明を省略する。
【0032】
▲4▼取鍋予熱炉で予熱された取鍋がAOD炉に搬送される。
▲5▼AOD炉での精錬が完了すると溶湯を取鍋に注入し、クレーンで取鍋を移動させて台車に積載する。この台車は軌道上を図中上側へ移動する。
▲6▼台車上の取鍋をクレーンで連続鋳造装置まで移動させ、そのタンディッシュに溶湯を注入する。
▲7▼取鍋をクレーンで移動させて上記構成の台車Pに積載する。そして、台車Pを排滓場まで移動させ、排滓とスラグリングとを行う。
▲8▼台車Pを取鍋予熱炉の近くまで移動させ、取鍋をクレーンで吊って取鍋予熱炉へ搬入する。
以上が製鋼システムの全体工程であるが、上記工程のうち▲7▼の工程について詳細に説明する。
【0033】
A.台車Pへの取鍋Lの積載
連続鋳造装置への溶湯の供給が終了した時点で、台車Pは図2のヤードAに位置している。そして、クレーンに吊り下げた取鍋Lを連続鋳造装置から下ろし、取鍋Lの軸Sを支持機構20の凹部26に挿入する。その際、取鍋Lの軸Sは、凹部26の壁面にガイドされて軸座27に収容されるとともに、取鍋Lの切欠Nに支持機構20のブロック39が収容され、取鍋Lと支持機構20とが回転方向で係合する。
【0034】
B.スラグリングおよび排滓
台車Pを図2のヤードBまで移動させるとともに、取鍋Lの軸Sをクランプ機構30でクランプする。次いで、支持機構20を約170゜回転させ、取鍋Lの底に溜まったスラグTを排滓バケット3に排出する。次に、支持機構20を上記と反対方向へ回転させ、取鍋Lの軸線が水平方向を向くようにする。この状態で剥離機構60を操作し、取鍋Lの開口付近に付着しているスラグTを突き落とす。さらに、取鍋Lの底部やその他の部分に付着しているスラグがあればこれも突き落とし、次いで、支持機構20を回転させて取鍋L内のスラグを排滓バケット3に排出する。
【0035】
C.取鍋Lの取出し
支持機構20を回転させて元の垂直方向を向く位置まで復帰させ、台車PをヤードCまで移動させる。次に、クランプ機構30によるクランプを解除し、取鍋Lの軸Sにクレーンのフックを掛けて取鍋Lを持ち上げ、取鍋予熱炉へ搬入する。なお、取鍋予熱炉では取鍋Lを横向きに配置する。
【0036】
上記構成の台車Pでは、台車Pの上で取鍋Lを90度以上傾けることができるから、クレーンを使用しないでスラグリングを行うことができる。よって、製鋼工程を効率化することができるとともに、スラグリング作業を中断する必要が生じないので、スラグを冷却させないでスラグリングを行うことができる。特に、上記実施の形態では、支持機構20の回転角度が90度を上回る角度であるため、取鍋Lのスラグを落下させて排出することができる。また、台車Pにスラグを突き落とす剥離機構60を設けているため、スラグリング装置のためのスペースが不要になるとともに、人的コストも低減することができる。
【0037】
加えて、上記構成の台車Pでは、取鍋Lの重量が支持機構20の軸座27およびクランパ31で支えられ、取鍋Lに対する回転力が取鍋Lの下部の台座Kに与えられるから、取鍋Lの軸Sにはモーメントが作用しない。よって、クランプ機構30の駆動手段として上記のようなエアーシリンダ33を用いることができるとともに、リンクプレート35,37等の構造も小型化することができる。
【0038】
(3)変更例
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、以下のような種々の変更を加えることができる。
▲1▼支持機構を回転しないように構成するとともに、剥離機構を取鍋Lの上方に進退自在に配置することができる。
▲2▼台車Pは自走するものに限らず、工場の床に設置したモータで移動させるように構成することも可能である。
▲3▼支持機構20のフレーム21は、上記のようなU字状のものに限らず、取鍋Lの下部全体を囲うような構造であっても良い。
▲4▼上記実施の形態は本発明を台車に適用したものであるが、床に固定した基台にも適用可能である。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の取鍋移動装置では、クレーンを使用しないでスラグリングを行うことができるので、製鋼工程を効率化することができ、スラグリングを行う際には、支持手段ごと取鍋を150度以上回転させることができるので、スラグを取鍋から確実に排出させることができる。また、取鍋の軸でその重量が支持され、取鍋に対する回転力が取鍋の下部に与えられるから、取鍋の軸にはモーメントが作用せず、このため、軸座とクランプ機構は、取鍋を傾けたときに軸が離脱しない程度の構造で足り、その構成を簡略かつ小型化することができる。さらに、スラグ剥離手段を設けることにより、スラグリングを行うことができるので、スラグリング装置のためのスペースが不要になるとともに、人的コストも低減することができるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】製鋼システムを示す概略図であって、(A)は従来のものを示し、(B)は本発明の適用例を示す。
【図2】本発明の実施の形態の台車とその走行ヤードを示す平面図である。
【図3】図2の台車と走行ヤードの側面図である。
【図4】台車の概略を示す平面図である。
【図5】台車の概略を示す図4のV−V線断面図である。
【図6】クランプ機構の詳細を示す図4のVI−VI線断面図である。
【図7】支持機構の詳細を示す図6のVII−VII線断面図である。
【図8】剥離機構の詳細を示す平面図である。
【図9】剥離機構の詳細を示す一部破砕側面図である。
【図10】図8のX方向矢視である。
【符号の説明】
10…台車本体、20…支持機構(支持手段)、27…軸座(支持部)
30…クランプ機構(把持手段)、31…クランパ、
40…回転駆動機構、60…剥離機構(剥離手段)、
L…取鍋、P…台車(取鍋移動装置)、T…スラグ。

Claims (4)

  1. 基台に、相対回転しない状態で取鍋を支持する支持手段と、上記支持手段をほぼ水平方向を向く軸線回りに回転させる回転駆動機構とを備えた取鍋移動装置であって、
    前記支持手段は、
    前記取鍋の、一側面側から延出して取鍋の下面をくぐって他側面側まで至るフレームと、
    このフレームの上端部に設けられ、前記取鍋の外周面に設けられた軸が上方から収容される略円筒状の軸座と、
    この軸座の内部に対して進退自在に設けられ、退行状態で軸座の上方を開放して軸座に取鍋の軸を収容可能とし、進出状態で、軸座に収容された取鍋の軸を離脱不能とするクランプ機構と、
    前記フレームにおける前記軸座の下方に固定され、前記回転駆動機構によって軸線回りに回転させられるフレームの軸と、
    前記フレームに設けられ、前記取鍋の下端部に作用して、前記回転駆動機構による回転力を取鍋に伝える係合手段とを備え、
    この支持手段により、前記取鍋が150度以上の回転角度を有すること
    を特徴とする取鍋移動装置。
  2. 前記基台は、走行可能な台車であることを特徴とする請求項1に記載の取鍋移動装置。
  3. 前記基台に、前記取鍋を前記支持手段ごと90度以上回転させた状態で、この取鍋の内面に向かって挿入され、取鍋の内面に付着したスラグを剥離する剥離手段を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の取鍋移動装置。
  4. 前記クランプ機構は、複数のリンクを組み合わせたトグルジョイント機構に構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の取鍋移動装置。
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