JP3628182B2 - インクジェットヘッド及びその作成方法 - Google Patents

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    • B41J2/14314Structure of ink jet print heads with electrostatically actuated membrane

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットヘッド及びその作製方法、より詳細には、振動板を静電引力によって駆動する静電型アクチュエータの個別電極構造及びその作製方法に関し、例えば、オンデマンド方式のインクジェットプリンタヘッド、マイクロポンプ等に適用可能なものである。
【0002】
【従来の技術】
オンデマンド方式のインクジェットプリンタに用いられる振動板を静電引力によって駆動する静電型インクジェットヘッドは、例えば、特開平6−71882号公報に開示されている。振動板に変形を生じさせる静電型インクジェットヘッドは、振動板と対向するn型又はp型の拡散層の個別電極が単結晶Si基板に形成され、pn接合により絶縁分離された、或いは、個別電極がガラス基板に形成したギャップ溝内部に形成され、個別電極に電圧を印加し、前記振動板を静電力により変形させ、前記ノズルからインク液滴を吐出するインクジェットヘッドが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来、特開平6−71882号公報に開示されている静電型インクジェットヘッドの構造は、振動板に対向するn型、又は、p型拡散層で形成されている個別電極に駆動電圧を印加し、この駆動電圧の印加によって生じた静電力によって駆動する静電型インクジェットヘッドであって、個別電極はn型又はp型の拡散層で形成されており、pn接合分離で個別電極間と単結晶Si基板を分離している。この様なpn分離で個別電極間を分離したインクジェットヘッドは、その動作温度環境や、接合形成プロセスにより接合のリーク電流が大きく変化し、消費電力の増大や、不安定な動作、駆動ドライバーのドライブ不足等、pn接合リークやpn接合容量に関わる問題が多発する。
【0004】
また、n型、又は、p型の伝導型を示す不純物を導入して形成した拡散層からなる個別電極を用いてインクジェットヘッドの駆動電圧を印加した場合、印加できる駆動電圧は空乏層幅により制限されるため比較的低い駆動電圧しか印加できなかった。通常、接合破壊電圧に対して駆動電圧は十分、余裕を持たせるのが一般的であるが、この空乏層の広がりに制限された比較的低い電圧しか印加出来ないため、印加できる駆動電圧のマージンが狭いといった問題があった。
【0005】
更に、pn接合分離を利用した個別電極を有するインクジェットヘッド以外に、ガラス基板に形成したギャップ溝内部に個別電極を形成した例が示されている。このような個別電極の場合、ギャップ溝をドライ、又は、ウェットエッチング法により形成しているため個別電極と振動板のギャップの精密な制御が困難であり、ウエハー面内のギャップ均一性が確保出来ない。このギャップはインクジェットヘッド駆動特性を決める重要な設計パラメータであって、このバラツキが、インクジェットヘッド特性のバラツキを大きくしていた。
【0006】
本発明の目的は上記のような問題点を解決し、インクジェットヘッドの駆動電圧のマージンを広げると共に、特性のバラツキの少ないインクジェットヘッドを提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、インク滴を吐出する単一又は複数のインクノズル孔と、このノズルに連通するインク流路と、流路と接して設けられた振動板と、この振動板に空間を経て対向して設けられた個別電極に電圧を印加することにより、前記振動板に変形を生じさせるインクジェットヘッドであって、前記振動板と個別電極との間にギャップを形成するための絶縁からなるギャップスペーサを形、個別電極に電圧を印加し、前記振動板を静電力により変形させ、前記ノズルからインク液滴を吐出するインクジェットヘッドにおいて、個別電極は互いに絶縁分離されたn型又はp型の伝導型を示す不純物原子を含むシリコンであって、単結晶シリコン基板上に形成された絶縁物上に配置され、かつ、前記絶縁物のギャップスペーサ内に配置されたことを特徴としたものである。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1記載のインクジェットヘッドにおいて、個別電極は、n型又はp型の伝導型を示す不純物濃度が1E18/cm以上含まれたシリコンで形成されていることを特徴としたものである。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1記載のインクジェットヘッドにおいて、シリコンからなる個別電極はリン(P)、又は、砒素(As)が含まれていることを特徴としたものである。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1記載のインクジェットヘッドにおいて、シリコンからなる個別電極はボロン(B)が含まれていることを特徴としたものである。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1記載のインクジェットヘッドにおいて、個別電極はn型又はp型の不純物を含むシリコンと該シリコン上に順次形成されたシリサイドから構成されていることを特徴としたものである。
【0012】
請求項6の発明は、インク滴を吐出する単一又は複数のインクノズル孔と、このノズルに連通するインク流路と、流路と接して設けられた振動板と、この振動板に空間を経て対向して設けられた個別電極に電圧を印加することにより、前記振動板に変型を生じさせるインクジェットヘッドであって、前記振動板と個別電極との間にギャップを形成するための絶縁からなるギャップスペーサを形、個別電極に電圧を印加し、前記振動板を静電力により変形させ、前記ノズルからインク液滴を吐出するインクジェットヘッドにおいて、個別電極は互いに絶縁分離されたn型又はp型の伝導型を示す不純物原子を含まないシリコンと該単結晶シリコン基板上に順次形成されたシリサイドであって、絶縁物上に配置され、かつ、前記絶縁物のギャップスペーサ内に配置されたことを特徴としたものである。
【0013】
請求項7の発明は、請求項5又は6記載のインクジェットヘッドにおいて、個別電極に配置されるシリサイドはチタンシリサイドであることを特徴としたものである。
【0014】
請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載のインクジェットヘッドの個別電極において、シリコン上、又は、該シリコン上に順次形成されたシリサイド上に絶縁物が形成されてなることを特徴としたものでる。
【0015】
請求項9の発明は、請求項8記載のインクジェットヘッドの個別電極において、多結晶シリコン上、又は、シリコン上に順次形成されたシリサイド上に配置される絶縁物はシリコン窒化膜であることを特徴としたものである。
【0016】
請求項10の発明は、請求項8記載のインクジェットヘッドの個別電極において、多結晶シリコン上、又は、シリコン上に順次形成されたシリサイド上に配置される絶縁物はシリコン酸化膜であることを特徴としたものである。
【0017】
請求項11の発明は、請求項1記載のインクジェットヘッドの作製方法において、順次、単結晶シリコン基板を熱酸化する工程と不純物を含むシリコンを形成する工程と該シリコン上にパターニングされたシリコン窒化膜を形成する工程と該多結晶シリコンを熱酸化によりシリコン酸化膜へ変質する電極基板形成の第一工程と、前記電極基板とシリコン基板を接合した後に振動板とインク液室、インクノズルを形成する工程、或いは、シリコン基板に振動板を形成した後に前記電極基板と接合しインク液室とインクノズルを形成する第二の工程を有し順次、作製することを特徴としたものである。
【0018】
請求項12の発明は、請求項1又は6記載のインクジェットヘッドの作製方法において、順次、単結晶シリコン基板を熱酸化する工程と不純物を含まないシリコン、或いは、n型又はp型の伝導型を示す不純物原子を含むシリコンを形成する工程と前記シリコン上にパターニングされたシリコン窒化膜を形成する工程とシリコンを熱酸化によりシリコン酸化膜へ変質する工程とシリコン窒化膜を除去しチタンを成膜し、熱処理とエッチングにより前記シリコン上にのみチタンシリサイドを形成する電極基板形成の第一の工程と、前記電極基板とシリコン基板を接合した後に振動板とインク液室、インクノズルを形成する工程、或いは、シリコン基板に振動板を形成した後に前記電極基板と接合しインク液室とインクノズルを形成する第二の工程を有し順次、作製することを特徴としたものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明によるインクジェットヘッドの構成及び動作を説明するための図で、図1(A)は本発明のインクジェットヘッドの上面図、図1(B)は図1(A)中のB−B線断面図、図1(C)は図1(A)中のC−C線断面図で、本発明のインクジェットヘッドは、大別して、振動板を形成したインク液室基板10と電極基板20の2つの部分から構成されている。インク液室基板10のインク液室を構成する単結晶Si基板には、異方性ウェットエッチングで形成した個々のインクノズルに対応して、静電引力によって駆動するシリコン薄膜振動板を備えた異方性エッチングで形成された個別液室と、そこへインクを供給するための共通液室が形成されており、これら個別液室と共通液室とは異方性ウェットエッチングで形成した流路によって連通されている。前述のように、個々のインクノズルに対応したインク液室を構成しているSi薄膜振動板は、更に、電極基板20の個別電極に対向して配置されている。
【0020】
電極基板について詳細に説明すると、図1(B),図1(C)において、21はn型、又は、p型の不純物原子を含む単結晶Si基板である。通常は、面配向(100)の単結晶Si基板を用いるが、プロセスに応じて(110)、又は(111)の単結晶Si基板を用いても何ら問題はない。23bはn型、又は、p型の多結晶シリコン、或いは単結晶シリコンからなる互いに絶縁分離された個別電極である。この個別電極23bは、イオン注入法、塗布拡散法、固体拡散法等の種々の不純物導入法により形成した不純物原子を望ましくは1E18/cm以上導入され、単結晶シリコン基板上に形成されたシリコン酸化膜22上に配置され、かつシリコン酸化膜で構成される絶縁物ギャップスペーサ23a内に配置されている。
【0021】
24は、インク液室基板10に形成された振動板と前記個別電極との絶縁を確保するための絶縁膜であって、CVD法、スパッタ法により望ましくは形成されるシリコン窒化膜等の絶縁物である。尚、この絶縁物を配置しなくても何ら問題はない。23aは熱酸化法等により形成したSi酸化膜からなる絶縁膜ギャップスペーサであって、インク液室と個別電極が形成された単結晶Si基板に対してギャップ(空隙)を形成するためのものである。このギャップスペーサ23aによって形成されるギャップを介して個別電極23bと対向したインク液室を構成しているSi薄膜振動板に静電引力を発生させる。
【0022】
25は個別電極23bに対して導通するような電圧印加パッドである。インク液室基板10には、振動板を形成した個々のインクノズルに対応して、静電引力によって駆動するシリコン薄膜振動板を備えた異方性エッチングで形成される液室と、そこへインクを供給するための共通液室が形成されている。両者は異方性ウェットエッチングで形成した流路によって連通されている。前述のように個々のインクノズルに対してインク液室を構成しているSi薄膜振動板は、更に、電極基板21の個別電極23bに対向して配置されている。
【0023】
図1(B)に示すb領域は電極基板に形成したパッドに外部から電圧を印加するFPCやワイヤーボンディング等の実装を行うためのインク液室に開孔したパッド取り出し部である。X又はYはインクノズルの配置方向によって決まるインクの吐出方向である。電極基板の法線方向にインクノズルを配置した場合はYの方向にインクを吐出し、電極基板に平行にインクノズルを配置した場合は、Xの方向にインクを吐出する。本発明のインクジェットヘッドにおいてはインクの吐出方向は何れでもよい。
【0024】
図2は、個別電極が別構成のインクジェットヘッドの構成例を説明するための図で、図2(A)は本発明のインクジェットヘッドの上面図、図2(B)は図2(A)中のB−B線断面図、図2(C)は図2(A)のC−C線断面図である。本発明のインクジェットヘッドは振動板を形成したインク液室基板30と電極基板40の2つの部分から構成されている。インク液室基板30を構成する単結晶Si基板には、異方性ウェットエッチングで形成した個々のインクノズルに対応して、静電引力によって駆動するシリコン薄膜振動板を備えた異方性エッチングで形成された液室と、そこへインクを供給するための共通液室が形成されており、両者は異方性ウェットエッチングで形成した流路によって連通されている。前述のように個々のインクノズルに対応したインク液室を構成しているSi薄膜振動板は、更に、電極基板40の個別電極に対向して配置されている。
【0025】
電極基板について詳細に説明すると、図2(B),図2(C)において、41はn型、又は、p型不純物原子を含む単結晶Si基板である。通常は、面配向(100)の単結晶Si基板を用いるが、プロセスに応じて(110)、又は(111)の単結晶Si基板を用いても何ら問題はない。43bはn型、又は、p型の多結晶シリコン、或いは、単結晶シリコンからなる互いに絶縁分離された個別電極である。この個別電極は、イオン注入法、塗布拡散法、固体拡散法等の種々の不純物導入法により形成した不純物原子を望ましくは1E18/cm (ただし、1E18=1×10 18 以上導入され、単結晶シリコン基板上に形成されたシリコン酸化膜42上に配置され、かつシリコン酸化膜で構成される絶縁物ギャップスペーサ内に配置されている。45はインク液室基板30に形成された振動板と前記個別電極の絶縁を確保するための熱酸化法により得られる個別電極上に形成したシリコン酸化膜である。なお、この絶縁物を配置しなくても何ら問題はない。
【0026】
43aは熱酸化法等により形成したSi酸化膜からなる絶縁膜ギャップスペーサであって、インク液室基板30と個別電極43bが形成された単結晶Si基板に対してギャップ(空隙)を形成するためのものである。このギャップスペーサによって形成されるギャップを介して個別電極43bと対向したインク液室を構成しているSi薄膜振動板に静電引力を発生させる。46は個別電極43bに対して導通するような電圧印加パッドである。30は振動板を形成したインク液室基板であって、該インク液室を構成する単結晶Si基板には、異方性エッチングで形成した個々のインクノズルに対応して、静電引力によって駆動するシリコン薄膜振動板を備えた異方性エッチングで形成される液室と、そこへインクを供給するための共通液室が形成されている。両者は異方性ウェットエッチングで形成した流路によって連通されている。前述のように個々のインクノズルに対してインク液室を構成しているSi薄膜振動板は、更に、電極基板の個別電極43bに対向して配置される。
【0027】
図2(B)に示すb領域は電極基板に形成したパッドに外部から電圧を印加するFPCやワイヤーボンディング等の実装を行うためのインク液室基板30のインク液室に開孔したパッド取り出し部である。X又はYインクノズルの配置方向によって決まるインクの吐出方向である。電極基板の法線方向にインクノズルを配置した場合はYの方向にインクを吐出し、電極基板に平行にインクノズルを配置した場合はXの方向にインクを吐出する。本発明のインクジェットヘッドにおいてはインクの吐出方向は何れでもよい。
【0028】
図3は、個別電極が別構成のインクジェットヘッドの他の構成例を説明するための図で、図3(A)は本発明のインクジェットヘッドの上面図、図3(B)は図3(A)のB−B線断面図、図3(C)は図3(A)のC−C線断面図を示す。本発明のインクジェットヘッドは振動板を形成したインク液室基板50と電極基板60の2つの部分から構成されている。インク液室基板50を構成する単結晶Si基板には、異方性ウェットエッチングで形成した個々のインクノズルに対応して、静電引力によって駆動するシリコン溝膜振動板を備えた異方性エッチングで形成された液室と、そこへインクを供給するための共通液室が形成されており、両者は異方性ウェットエッチングで形成した流路によって連通されている。前述のように個々のインクノズルに対応したインク液室を構成しているSi薄膜振動板は更に、電極基板60の個別電極に対向して配置されている。電極基板について順を追って説明する。
【0029】
電極基板について詳細に説明すると、図3(B),図3(C)において、61はn型、又は、p型の不純物原子が1E14/cm〜1E16/cm含まれる単結晶Si基板である。通常は、面配向(100)の単結晶Si基板を用いるが、プロセスに応じて(110)、又は(111)の単結晶Si基板を用いても何ら問題はない。63bはn型、又は、p型の多結晶シリコン、或いは、単結晶シリコンからなる互いに絶縁分離された個別電極である。この個別電極は、イオン注入法、塗布拡散法、固体拡散法等の種々の不純物導入法により形成した不純物原子を望ましくは1E18/cm以上導入されている。67は前記シリコン上に順次形成されたシリサイド、望ましくは、チタンシリサイドである。このように個別電極は63b,67から構成されており、単結晶シリコン基板上に形成されたシリコン酸化膜62上に配置され、かつシリコン酸化膜で構成される絶縁物ギャップスペーサ63a内に配置されている。68はインク液室基板50に形成された振動板と前記個別電極の絶縁を確保するための望ましくはCVD法、スパッタ法により形成されるシリコン窒化膜等の絶縁物である。この絶縁物を配置しなくてもインクジェットヘッド動作特性には影響しない。63aは熱酸化法等により形成したSi酸化膜からなる絶縁膜ギャップスペーサであって、インク液室基板50のインク液室と個別電極が形成された単結晶Si基板に対してギャップ(空隙)を形成するためのものである。このギャップスペーサによって形成されるギャップを介して個別電極と対向したインク液室を構成しているSi薄膜振動板に静電引力を発生させる。
【0030】
69は個別電極に対して導通するような電圧印加パッドである。インク液室を構成する単結晶Si基板50には、異方性ウェットエッチングで形成した個々のインクノズルに対応して、静電引力によって駆動するシリコン薄膜振動板を備えた異方性エッチンで形成される液室と、そこへインクを供給するための共通液室が形成されており、両者は異方性ウェットエッチングで形成された流路によって連通されている。前述のように個々のインクノズルに対応してインク液室を構成しているSi薄膜振動板は、更に、電極基板60の個別電極に対向して配置される。
【0031】
図3(B)に示すb領域は電極基板に形成したパッドに外部から電圧を印加するFPCワイヤーボンディング等の実装を行うためのインク液室基板50に開孔したパッド取り出し部である。X又はYはインクノズルの配置方向によって決まるインクの吐出方向である。電極基板の法線方向にインクノズルを配置した場合はYの方向にインクを吐出し、電極基板に平行にインクノズルを配置した場合は、Xの方向にインクを吐出する。本発明のインクジェットヘッドにおいてはインクの吐出方向は何れでもよい。
【0032】
次に、図4を参照して図1に示したインクジェットヘッドの作製工程について説明する。図4において、左側は図1(A)のB−B線断面を示し、右側には、図4の左側の図のI−I線断面を各工程に対応させて示した。最初に、厚さ400μm〜700μm、抵抗率5〜30Ω−cm、面配向(100)又は(111)、(110)、p型、又は、n型の単結晶シリコン基板21の上に熱酸化法、CVD法、スパッタ法等の手段により酸化Si膜等の絶縁膜22を形成する(図4(A))。この絶縁膜22は本発明のインクジェットヘッドの個別電極と単結晶シリコン基板21の絶縁を確保する。
【0033】
次に、イオン注入法、塗布拡散法、固体拡散法等の種々の不純物導入法より形成した不純物原子を望ましくは1E18/cm以上導入したn型、又は、p型の多結晶シリコン、単結晶シリコン23を絶縁膜22上に形成する(図4(B))。
【0034】
前記シリコン23上にシリコン窒化膜等の酸素拡散防止の絶縁膜24をCVD法、スパッタ法により順次形成し、通常のフォトリソグラフィーとドライエッチング又はウェットエッチングにより絶縁膜24をパターンニングし個別電極領域を形成する(図4(C))。
【0035】
次に、少なくとも酸素ガスを含む電気炉で前記シリコン23を酸化する。この時、シリコン窒化膜等の酸素拡散防止の絶縁膜24の無い第一の領域の前記シリコン23は全て酸化し厚い酸化シリコン膜23aが形成され、一方、シリコン窒化膜等の酸素拡散防止の絶縁膜24が有る第二の領域では前記シリコン23の酸化が進行しないためシリコン膜23と等しい膜厚のシリコン膜23bが形成されている。この時、第一の領域の酸化シリコン膜23aと第二の領域のシリコン膜23bの膜厚が各々異なるため領域間で段差ができる(図4(D))。この段差は本発明のインクジェットヘッドの振動板と個別電極のギャップとなる。ここで、前記酸素拡散防止の絶縁膜24を除去しても何ら問題はないが、本説明では除去しない工程で説明する。
【0036】
次に、伝導型がp型、又は、n型、面方位(110)の単結晶シリコン基板11の片面に振動板膜厚に等しくなる深さまでp型、或いは、n型の伝導型を示す不純物を1E19/cm以上拡散させた拡散領域12と、この拡散領域の反対の面にインク液室とインクノズルを規定する酸化Si膜、窒化Si膜、五酸化タンタル等の単結晶Siエッチングマスクパターン13が形成されたインク液室基板10を前記図4(D)に示した電極基板20と接合する(図4(E))。この時、(110)単結晶Si基板の上にSi酸化膜を介し、振動板膜厚に等しい単結晶薄膜Siが形成されているSOI(Silicon on Insulater)基板と電極基板を接合しても良い。
【0037】
電極基板とインク液室基板の接合は800℃以上の温度で減圧又は常圧の酸素雰囲気で接合を行う直接接合法やNaイオン、Hイオン等の可動イオンを含む絶縁膜を(110)単結晶Si基板上にスパッタ法で全面形成した後、電界を印加しながら200℃〜500℃望ましくは350℃〜450℃の温度で接合する陽極接合法で行う。また、前記接合を行う前には電極基板のシリコン酸化膜23aの表面をCMP(Chemical Mechanical Polishin)等により研磨し接合表面を平滑にすることが望ましい。
【0038】
電極基板20とインク液室基板10が接合された基板を単結晶Siエッチングマスクパターン13が形成された側からKOH,TMAH等によって(110)単結晶Si基板を異方性エッチングする。この時、高濃度に不純物を含む拡散領域12でエッチングは自発的にストップし振動板12が形成される(図4(F))。SOI基板を異方性エッチングした場合はSi酸化膜上でエッチングはストップする。なお、その場合は、SOI基板のSi酸化膜を除去しても何ら問題はない。
【0039】
接合された基板上部にサンドブラスト加工やレーザ加工でインク供給用の流路15が形成されているガラス板や金属板からなるインク液室カバー14を張り付ける。パッド領域(b領域)のみSi薄膜振動板12をエッチングにより除去し、Au等の電圧印加用パッド25を形成し、本発明のインクジェットヘッドは完成する(図4(G))。
【0040】
この時点で、インク液室側は異方性エッチングにより形成される個々のノズル19に対応して個別液室18とそこへインクを供給するための共通液室16が形成され、両者は異方性エッチングで形成した流路17で連通された構造となる。このインクジェットヘッドの個別電極パッド25に電圧を印加した時、単結晶Si振動板12と個別電極23bの間に静電力が働き、振動板12は個別電極23b方向にたわみ、液室18は引圧となりインク供給のための流路17を経て共通液室16から個別液室18へとインクが供給される。電圧を切ると単結晶Si振動板12はSiの剛性によって元の位置へ戻り、このとき個別液室18は加圧されノズル19を経て矢印方向(X方向)にインクが吐出され、記録紙上へ着弾する。
【0041】
なお、ここではインクの吐出方向は基板に対して水平方向の例で示したが、インクノズルの方向を変更することで基板の法線方向(Y方向)にインクを吐出させることも出来る。また、本インクジェットヘッド作製フローでは、振動板とインク液室を形成する単結晶シリコン基板と電極基板を接合した後に異方性エッチングを行い振動板とインク液室とノズル部を形成した例を示したが、異方性エッチングを行いインク液室と振動板を形成した単結晶シリコン基板と電極基板を接合してからノズル部を形成してもよい。
【0042】
次に、図5を参照して、図2に示したインクジェットヘッドの作製工程について説明する。図5において、左側の図は図2(A)のB−B線断面を、右側の図は図5の左側の図のI−I線断面を各工程に対応させて示した。最初に、厚さ400μm〜700μm、抵抗率5〜30Ω−cm、面配向(100)又は(111)、(110)、p型、又は、n型の単結晶Si基板41の上に熱酸化法、CVD法、スパッタ法等の手段により酸化Si膜等の絶縁膜42を形成する(図5(A))。この絶縁膜42は本発明のインクジェットヘッドの個別電極と単結晶シリコン基板41の絶縁を確保する。
【0043】
次に、イオン注入法、塗布拡散法、固体拡散法等の種々の不純物導入法より形成した不純物原子を望ましくは1E18/cm以上導入したn型、又は、p型の多結晶シリコン、単結晶シリコン43を絶縁膜42の上に形成する(図5(B))。
【0044】
次に、前記シリコン43の上にシリコン窒化膜等の酸素拡散防止の絶縁膜44をCVD法、スパッタ法により順次形成し、通常のフォトリソグラフィーとドライエッチング又はウェットエッチングによりパターンニングし個別電極領域を形成する(図5(C))。
【0045】
次に、少なくとも酸素ガスを含む電気炉で前記シリコン43を酸化する。この時、シリコン窒化膜等の酸素拡散防止の絶縁膜44の無い第一の領域の前記シリコン43は全て酸化し厚い酸化シリコン膜43aが形成され、一方、シリコン窒化膜等の酸素拡散防止の絶縁膜44が有る第二の領域では前記シリコン43の酸化が進行しないため該シリコン膜43と等しい膜厚のシリコン膜43bが形成される。この時、第一の領域の酸化シリコン膜43aと第二の領域のシリコン膜43bの膜厚が各々異なるため領域間で段差ができる(図5(D))。この段差は本発明のインクジェットヘッドの振動板と個別電極のギャップとなる。ここで、酸素拡散防止の絶縁膜44を除去した後で酸素ガスを含む電気炉で前記シリコン43を酸化し該シリコン43の上に酸化シリコン膜45を形成する(図5(E))。ここで、前記酸化膜45を形成しなくても何ら問題ないが、本説明では該酸化シリコン酸化膜45を形成した場合で説明する。
【0046】
次に、伝導型がp型、又は、n型、面方位(110)の単結晶Si基板31の片面に振動板膜厚に等しくなる深さまでp型、或いは、n型の伝導型を示す不純物を1E19/cm以上拡散させた拡散領域32と、この拡散領域の反対の面にインク液室とインクノズルを規定する酸化Si膜、窒化Si膜、五酸化タンタル等の単結晶Siエッチングマスクパターン33が形成されたインク液室基板30を前述のごとくして作成した図5(E)に示す電極基板40と接合する。この時、(110)単結晶Si基板の上にSi酸化膜を介し、振動板膜厚に等しい単結晶薄膜Siが形成されている、SOI(Silicon on Insulater)基板と電極基板を接合しても良い。
【0047】
電極基板40とインク液室基板30の接合は800℃以上の温度で減圧又は常圧の酸素雰囲気で接合を行う直接接合法やNaイオン、Hイオン等の可動イオンを含む絶縁膜を(110)単結晶Si基板上にスパッタ法で全面形成した後、電界を印加しながら200℃〜500℃望ましくは350℃〜450℃の温度で接合する陽極接合法で行う。また、前記接合を行う前には電極基板のシリコン酸化膜43aの表面をCMP(Chemical Mechanical Polishin)等により研磨し接合表面を平滑にすることが望ましい(図5(F))。
【0048】
電極基板40とインク液室基板30が接合された基板を単結晶Siエッチングマスクパターン33が形成された側からKOH,TMAH等によって(110)単結晶Si基板を異方性エッチングする。この時、高濃度に不純物を含む拡散領域でエッチングは自発的にストップし振動板32が形成される(図5(G))。SOI基板を異方性エッチングした場合はSi酸化膜上でエッチングはストップする。この場合、SOI基板のSi酸化膜を除去しても何ら問題はない。
【0049】
接合された基板上部にサンドブラスト加工やレーザ加工でインク供給用の流路35が形成されているガラス板や金属板からなるインク液室カバー34を張り付ける。パッド領域(b領域)のみSi薄膜振動板32をエッチングにより除去し、Au等の電圧印加用パッド46を形成し、本発明のインクジェットヘッドは完成する(図5(H))。
【0050】
この時点で、インク液室側は異方性エッチングにより形成される個々のノズル39に対応して個別液室38とそこへインクを供給するための共通液室36が形成され、両者は異方性エッチングで形成した流路37で連通された構造となる。このインクジェットヘッドの個別電極パッド46に電圧を印加した時、単結晶Si振動板32と個別電極43bとの間に静電力が働き、振動板32は個別電極43bの方向にたわみ、液室38は引圧となりインク供給のための流路37を経て共通液室36から個別液室38へとインクが供給される。電圧を切ると単結晶Si振動板32はSiの剛性によって元の位置へ戻り、このとき個別液室38は加圧されノズル39を経て矢印X方向にインクを吐出し、記録紙上へ着弾する。
【0051】
なお、ここではインクの吐出方向は基板に対して水平方向の例で示したが、インクノズルの方向を変更することで基板の法線方向(Y方向)にインクを吐出させることも出来る。また、本インクジェットヘッド作製フローでは、振動板とインク液室を形成する単結晶シリコン基板と電極基板を接合した後で異方性エッチングを行い振動板とインク液室とノズル部を形成した例を示したが、異方性エッチングを行いインク液室と振動板を形成した単結晶シリコン基板と電極基板を接合してからノズル部を形成してもよい。
【0052】
次に、図6を参照して図3に示したインクジェットヘッドの作製工程について説明する。図6において、左側の図は図3(A)のB−B線断面を、右側の図は図6の左側の図のI−I線断面を各工程に対応させて示した。最初に、厚さ400μm〜700μm、抵抗率5〜30Ω−cm、面配向(100)又は(111)、(110)、p型、又は、n型の単結晶Si基板61の上に熱酸化法、CVD法、スパッタ法等の手段により酸化Si膜等の絶縁膜62を形成する(図6(A))。この絶縁膜62は本発明のインクジェットヘッドの個別電極と単結晶シリコン基板61の絶縁を確保する。
【0053】
次に、イオン注入法、塗布拡散法、固体拡散法等の種々の不純物導入法より形成した不純物原子を望ましくは1E18/cm以上導入したn型、又は、p型の多結晶シリコン、単結晶シリコン63を62上に形成する(図6(B))。
【0054】
前記シリコン63上にシリコン窒化膜等の酸素拡散防止の絶縁膜64をCVD法、スパッタ法により順次形成し、通常のフォトリソグラフィーとドライエッチング又はウェットエッチングによりパターンニングし個別電極領域を形成する(図6(C))。
【0055】
次に、少なくとも酸素ガスを含む電気炉で前記シリコン63を酸化する。この時、シリコン窒化膜等の酸素拡散防止の絶縁膜64の無い第一の領域の前記シリコン63は全て酸化し厚い酸化シリコン膜63aが形成され、一方、シリコン窒化膜等の酸素拡散防止の絶縁膜64が有る第二の領域では前記シリコン63の酸化が進行しないため、該シリコン63と等しい膜厚のシリコン膜63bが形成される。この時、第一の領域の酸化シリコン膜63aと第二の領域のシリコン膜63bの膜厚が各々異なるため領域間で段差ができる(図6(D))。この段差は本発明のインクジェットヘッドの振動板と個別電極のギャップとなる。
【0056】
次に、前記酸素拡散防止の絶縁膜64を除去し、シリコンとシリサイドを形成するような金属66、望ましくはチタンを全面に成膜し、窒素雰囲気でRTA装置、或いは、ファーネスを用いたアニールを行う。この時、Si表面が露出している個別電極63bでシリサイド化反応がおき、シリサイド67、望ましくはチタンシリサイドが前記シリコン63b上に形成され、前記第一の酸化シリコン膜63a上ではシリサイド化反応は起きない(図6(E))。
【0057】
次に、ウェットエッチングによりシリサイド層67以外のシリサイド化反応が起きない領域の金属を全面、同時に除去する。チタンを用いた場合、アンモニア水と過酸化水素水と水の混合溶液が用いられる(図6(F))。
【0058】
次に、全面に振動板と前記個別電極の絶縁を確保するための望ましくはCVD法、スパッタ法により形成されるシリコン窒化膜等の絶縁物を形成し通常のフォトリソ、エッチングを行い、シリサイド67上にのみ絶縁物68をパターニングする(図6(G))。ここで、前記絶縁膜68を形成しなくても何ら問題はないが、本説明では前記絶縁物68を形成する工程で説明する。
【0059】
次に、伝導型がp型、又は、n型、面方位(110)の単結晶Si基板51の片面に振動板膜厚に等しくなる深さまでp型、或いは、n型の伝導型を示す不純物を1E19/cm以上拡散させた拡散領域52と、この拡散領域の反対の面にインク液室とインクノズルを規定する酸化Si膜、窒化Si膜、五酸化タンタル等の単結晶Siエッチングマスクパターン53が形成されたインク液室基板50を図6(G)に示した電極基板60と接合する。この時、(110)単結晶Si基板の上にSi酸化膜を介し、振動板膜厚に等しい単結晶薄膜Siが形成されている、SOI(Silicon on Insulater)基板と電極基板を接合しても良い。
【0060】
電極基板とインク液室基板の接合は800℃以上の温度で減圧又は常圧の酸素雰囲気で接合を行う直接接合法やNaイオン、Hイオン等の可動イオンを含む絶縁膜を(110)単結晶Si基板上にスパッタ法で全面形成した後、電界を印加しながら200℃〜500℃望ましくは350℃〜450℃の温度で接合する陽極接合法で行う。また、前記接合を行う前には電極基板のシリコン酸化膜63aの表面をCMP(Chemical Mechanical Polishin)等により研磨し接合表面を平滑にすることが望ましい(図6(H))。
【0061】
電極基板60とインク液室基板50が接合された基板を単結晶Siエッチングマスクパターン53が形成された側からKOH,TMAH等によって(110)単結晶Si基板51を異方性エッチングする。この時、高濃度に不純物を含む拡散領域でエッチングは自発的にストップし振動板52が形成される。SOI基板を異方性エッチングした場合はSi酸化膜上でエッチングはストップする。なお、その場合、SOI基板のSi酸化膜を除去しても何ら問題はない(図6(I))。
【0062】
接合された基板上部にサンドブラスト加工やレーザ加工でインク供給用の流路55が形成されているガラス板や金属板からなるインク液室カバー54を張り付ける。パッド領域(b領域)のみSi薄膜振動板52をエッチングにより除去し、Au等の電圧印加用パッド69を形成し、本発明のインクジェットヘッドは完成する(図6(J))。この時点で、インク液室側は異方性エッチングにより形成される個々のノズル59に対応した個別液室58とそこへインクを供給するための共通液室56が形成され、両者は異方性エッチングで形成した流路57で連通された構造となる。
【0063】
このインクジェットヘッドの個別電極パッド69に電圧を印加した時、単結晶Si振動板52と個別電極63b,67との間に静電力が働き、振動板52は個別電極63b,67方向にたわみ、液室58は引圧となりインク供給のための流路57を経て共通液室56から個別液室58へとインクが供給される。電圧を切ると単結晶Si振動板52はSiの剛性によって元の位置へ戻り、このとき個別液室58は加圧されノズル59を経て矢印X方向にインクが吐出され、記録紙上へ着弾する。なお、ここではインクの吐出方向は基板に対して水平方向の例で示したが、インクノズルの方向を変更することで基板の法線方向(Y方向)にインクを吐出させることも出来る。また、本インクジェットヘッド作製フローでは、振動板とインク液室を形成する単結晶シリコン基板と電極基板を接合した後に異方性エッチングを行い振動板とインク液室とノズル部を形成した例を示したが、異方性エッチングを行いインク液室と振動板を形成した単結晶シリコン基板と電極基板を接合してからノズル部を形成してもよい。
【0064】
(実施例1)
図7は、本発明の実施例1を説明するための図で、図7(A)は図2(A)の個別電極部の断面であるB−B線断面を、図7(B)は図2(A)のパッド部の断面であるC−C線断面を各々示している。インクジェットヘッドは前述の図5に示した作製フローで作製した。41は面方位(100)、抵抗率10〜20Ω−cmのp型単結晶Si基板である。43aは振動板32と個別電極43bのギャップスペーサであって、HガスとOガス雰囲気のパイロ酸化炉で形成したSi酸化膜である。この時、シリコン酸化膜厚は個別電極43b上で200nm、個別電極43bと単結晶シリコン基板41間で300nmであって、ギャップは0.5μmである。43bはイオン注入法により形成したリン原子を不純物濃度1E20/cm含む厚さ500nmのn型多結晶シリコンからなる個別電極である。46はスパッタ法により形成したAuであって駆動電圧を個別電極43bに印加する電極パッドである。面方位(110)の単結晶Si基板31をKOHで異方性エッチングして形成したボロン不純物原子を1E20/cm以上含む膜厚3μmの振動板32がギャップスペーサのSi酸化膜43aと直接接合されている。面方位(110)単結晶Si基板31には、KOHの異方性エッチングで形成したインク液室38と、そこへインクを供給する共通液室36が形成され、両者が流路37によって連通されている。
【0065】
更に、サンドブラスト加工でインク供給用の流路35が形成されたガラス板34がインク液室の上に張り付けられている。このようなインクジェットヘッドにおいて、振動板32を電気的に接地し電極パッド46を介して個別電極43bに正の駆動電圧を印加し、一定周波数で駆動した。電圧を印加したとき振動板32と個別電極間43bとの間に静電引力が働き、振動板32は個別電極43bの方向に引かれた。このときインク液室38は引圧となり、インク供給のための流路37を経て共通液室36から個別液室38へインクが供給された。駆動電圧の周波数に対応して振動板32はSiの剛性により元の位置へと戻り、このとき個別液室38は加圧され、単結晶Si基板中に形成されたノズル39を経てインクが矢印X方向へ吐出され、記録紙上へ着弾し、記録された。
【0066】
(実施例2)
図8は、本発明の実施例2を説明するための図で、図8(A)は図1(A)の個別電極部の断面であるB−B線断面を示し、図8(B)は図1(A)のパッド部の断面であるC−C線断面を各々示している。インクジェットは前述の図4に示したフローに従って作製した。21は面方位(100)、抵抗率10〜20Ω−cmのn型単結晶Si基板である。23aは振動板12と個別電極23bのギャップスペーサであって、HガスとOガス雰囲気のパイロ酸化炉で形成したSi酸化膜である。個別電極23bと単結晶シリコン基板21と間のSi酸化膜22は厚さ300nmであってギャップは0.5μmである。23bはイオン注入法により形成したボロン原子を不純物濃度1E20/cm含む厚さ500nmのp型多結晶シリコンからなる個別電極である。個別電極23b上にはLPCVD法により形成した、厚さ100nmの窒化シリコン膜24が配置されている。25はスパッタ法により形成したAuであって駆動電圧を個別電極23bに印加する電極パッドである。面方位(110)の単結晶Si基板11をKOHで異方性エッチングして形成したリン不純物原子を1E20/cm以上含む膜厚3μmの振動板12がギャップスペーサのSi酸化膜23aと静電界印加によって陽極接合されている。面方位(110)単結晶Si基板11には、KOHの異方性エッチングで形成したインク液室18と、そこへインクを供給する共通液室16が形成され、両者が流路17によって連通されている。
【0067】
更に、サンドブラスト加工でインク供給用の流路15とインクノズル19が形成されたガラス板14がインク液室18の上に張り付けられている。このようなインクジェットヘッドにおいて、振動板12を電気的に接地し、電極パッド25を介して個別電極23bに正の駆動電圧を印加し、一定周波数で駆動した。電圧を印加したとき振動板12と個別電極23b間に静電引力が働き、振動板12は個別電極23b方向に引かれた。このときインク液室18は引圧となり、インク供給のための流路17を経て共通液室16から個別液室18へインクが供給された。駆動電圧の周波数に対応して振動板12はSiの剛性により元の位置へと戻り、このとき個別液室18は加圧され、単結晶Si基板中に形成されたノズル19を経てインクが矢印Y方向へ吐出され、記録紙上へ着弾し記録された。
【0068】
(実施例3)
図9は、本発明の実施例3を説明するための図で、図9(A)は図3(A)の個別電極部の断面であるB−B線断面を、図9(B)は図3(A)のパッド部の断面であるC−C線断面を各々示している。インクジェットは前述の図6に示したフローに従って作製した。61は面方位(100)、抵抗率10〜20Ω−cmのn型単結晶Si基板である。63aは振動板52と個別電極のギャップスペーサであって、HガスとOガス雰囲気のパイロ酸化炉で形成したSi酸化膜である。個別電極と単結晶シリコン基板61との間のシリコン酸化膜厚は厚さで300nmであって、ギャップは0.5μmである。63bはp型、又は、n型の伝導型を示す不純物原子を含まない多結晶シリコンからなる個別電極である。67は前記多結晶シリコン63b上に順次形成された厚さ60nmのチタンシリサイドである。このように、本実施例の個別電極は多結晶シリコン63bとチタンシリサイド67で構成されている。
【0069】
更に、個別電極63b,67上にはLPCVD法により形成した厚さ100nmの酸化シリコン膜68が形成されている。69はスパッタ法により形成したAuであって駆動電圧を個別電極63b,67に印加する電極パッドである。面方位(110)の単結晶Si基板51をKOHで異方性エッチングして形成したリン不純物原子を1E20/cm以上含む膜厚3μmの振動板52がギャップスペーサのSi酸化膜63aと静電界印加によって陽極接合されている。面方位(110)単結晶Si基板51には、KOHの異方性エッチングで形成したインク液室58と、そこへインクを供給する共通液室56が形成され、両者が流路57によって連通されている。
【0070】
更に、サンドブラスト加工でインク供給用の流路55が形成されたガラス板54がインク液室の上に張り付けられている。このようなインクジェットヘッドにおいて、振動板52を電気的に接地し電極パッド69を介して個別電極63b,67に正の駆動電圧を印加し、一定周波数で駆動した。電圧を印加したとき振動板52と個別電極間63b,67に静電引力が働き、振動板52は個別電極63b,67方向に引かれた。このときインク液室58は引圧となり、インク供給のための流路57を経て共通液室56から個別液室58へインクが供給された。駆動電圧の周波数に対応して振動板52はSiの剛性により元の位置へと戻り、このとき個別液室58は加圧され、単結晶Si基板中に形成されたノズル59を経てインクが矢印X方向へ吐出され、記録紙上へ着弾し記録された。
【0071】
(実施例4)
図10は、本発明の実施例4を説明するための図で、図10(A)は図2(A)の個別電極部の断面であるB−B線断面を、図10(B)は図2(A)のパッド部の断面であるC−C線断面を各々示している。インクジェットは前述の図5に示した作製フローを基本に作製した。41は面方方位(100)、抵抗率10〜20Ω−cmのp型単結晶Si基板である。43aは振動板32と個別電極43bとの間のギャップスペーサであって、HガスとOガス雰囲気のパイロ酸化炉で形成したSi酸化膜である。個別電極43bと単結晶シリコン基板41との間の酸化膜シリコン膜42の厚さは300nmであって、ギャップは0.5μmである。43bはイオン注入法により形成したリン原子を不純物濃度1E20/cm含む厚さ300nmのp型多結晶シリコンからなる個別電極である。個別電極43b上には保護膜であるシリコン酸化膜は形成しなかった。46はスパッタ法により形成したAuであって駆動電圧を個別電極43bに印加する電極パッドである。面方位(110)の単結晶Si基板31を厚さ150nmのSi酸化膜32b上までKOHで異方性エッチングで形成した厚さ3μmの単結晶Si振動板32aがギャップスペーサのSi酸化膜43aと直接接合されている。面方位(110)単結晶Si基板31には、KOHの異方性エッチングで形成したインク液室38と、そこへインクを供給する共通液室36が形成され、両者が流路37によって連通されている。
【0072】
更に、サンドブラスト加工でインク供給用の流路35が形成されたガラス板34がインク液室の上に張り付けられている。このようなインクジェットヘッドにおいて、振動板32を電気的に接地し、電極パッド46を介して個別電極43bに正の駆動電圧を印加し、一定周波数で駆動した。電圧を印加したとき振動板32と個別電極間43bとの間に静電引力が働き、振動板32は個別電極43bの方向に引かれた。このときインク液室38は引圧となり、インク供給のための流路37を経て共通液室36から個別液室38へインクが供給された。駆動電圧の周波数に対応して振動板32はSiの剛性により元の位置へと戻り、このとき個別液室38は加圧され、単結晶Si基板中に形成されたノズル39を経てインクが矢印X方向へ吐出され記録紙上へ着弾し記録された。
【0073】
(実施例5)
図11は、本発明の実施例5を説明するための図で、図11(A)は図3(A)の個別電極部の断面であるB−B線断面を、図11(B)は図3(A)のパッド部の断面であるC−C線断面を各々示している。インクジェットは前述の図6に示したフローに従って作製した。61は面方位(100)、抵抗率10〜20Ω−cmのn型単結晶Si基板である。63aは振動板52と個別電極のギャップスペーサであって、HガスとOガス雰囲気のパイロ酸化炉で形成したSi酸化膜である。個別電極63bと単結晶シリコン基板61間のシリコン酸化膜厚は厚さで300nmであって、ギャップは0.5μmである。63bはイオン注入法により形成したリン原子を不純物濃度1E20/cm含む厚さ300nmのn型単結晶シリコンの個別電極である。67は前記単結晶シリコン63b上に順次形成された厚さ100nmのチタンシリサイドである。このように、本実施例の個別電極は単結晶シリコン63bとチタンシリサイド67で構成されている。個別電極上には保護膜であるシリコン酸化膜、シリコン窒化膜等の絶縁物は形成しなかった。69はスパッタ法により形成したAuであって駆動電圧を個別電極に印加する電極パッドである。面方位(110)の単結晶Si基板51をKOHで異方性エッチングして形成したボロン不純物原子を1E20/cm以上含む膜厚3μmの振動板52がギャップスペーサのSi酸化膜63aと直接接合されている。面方位(110)単結晶Si基板51には、KOHの異方性エッチングで形成したインク液室58と、そこへインクを供給する共通液室56が形成され、両者が流路57によって連通されている。
【0074】
更に、サンドブラスト加工でインク供給用の流路55とインクノズル59が形成されたガラス板54がインク液室の上に張り付けられている。このようなインクジェットヘッドにおいて、振動板52を電気的に接地し電極パッド69を介して個別電極に正の駆動電圧を印加し、一定周波数で駆動した。電圧を印加したとき振動板52と個別電極間に静電引力が働き、振動板52は個別電極の方向に引かれた。このときインク液室58は引圧となり、インク供給のための流路57を経て共通液室56から個別液室58へインクが供給された。駆動電圧の周波数に対応して振動板52はSiの剛性により元の位置へと戻り、このとき個別液室58は加圧され、単結晶Si基板中に形成されたノズル59を経てインクが矢印Y方向へ吐出され記録紙上へ着弾し記録された。
【0075】
(実施例6)
図12は、本発明の実施例6を説明するための図で、図12(A)は図3(A)の個別電極部の断面であるB−B線断面を、図12(B)は図3(A)のパッド部の断面であるC−C断面を各々示している。インクジェットは前述の図6に示したフローに従って作製した。61は面方方位(100)、抵抗率10〜20Ω−cmのp型単結晶Si基板である。63aは振動板52と個別電極とのギャップスペーサであって、HガスとOガス雰囲気のパイロ酸化炉で形成したSi酸化膜である。個別電極と単結晶シリコン基板61との間の酸化膜厚は300nmであって、ギャップは0.5μmである。63bはp型、又は、n型の伝導型を示す不純物原子を含まない単結晶シリコンからなる個別電極である。67は前記単結晶シリコン63b上に順次形成された厚さ50nmのチタンシリサイドである。このように、本実施例の個別電極は単結晶シリコン63bとチタンシリサイド67で構成されている。
【0076】
更に、個別電極上にはLPCVD法により形成した、厚さ150nmの窒化シリコン膜68が形成されている。69はスパッタ法により形成したAuであって駆動電圧を個別電極に印加する電極パッドである。面方位(110)の単結晶Si基板51を厚さ150nmのSi酸化膜52b上までKOHで異方性エッチングで形成した厚さ2μmの単結晶Si振動板52aがギャップスペーサのSi酸化膜63aと静電界印加によって陽極接合されている。面方位(110)単結晶Si基板51には、KOHの異方性エッチングで形成したインク液室58と、そこへインクを供給する共通液室56が形成され、両者が流路57によって連通されている。
【0077】
更に、サンドブラスト加工でインク供給用の流路55が形成されたガラス板54がインク液室の上に張り付けられている。このようなインクジェットヘッドにおいて、振動板52を電気的に接地し電極パッド69を介して個別電極に正の駆動電圧を印加し、一定周波数で駆動した。電圧を印加したとき振動板52と個別電極間に静電引力が働き、振動板52は個別電極の方向に引かれた。このときインク液室58は引圧となり、インク供給のための流路57を経て共通液室56から個別液室58へインクが供給された。駆動電圧の周波数に対応して振動板52はSiの剛性により元の位置へと戻り、このとき個別液室58は加圧され、単結晶Si基板中に形成されたノズル59を経てインクが矢印X方向へ吐出され記録紙上へ着弾し記録された。
【0078】
(実施例7)
図13は、本発明の実施例7を説明するための図で、図13(A)は図2(A)の個別電極部の断面であるB−B線断面を、図13(B)は図2(A)のパッド部の断面であるC−C線断面を各々示している。インクジェットは前述の図5に示した作製フローで作製した。41は面方位(100)、抵抗率10〜20Ω−cmのn型単結晶Si基板である。43aは振動板32と個別電極43bのギャップスペーサであって、HガスとOガス雰囲気のパイロ酸化炉で形成したSi酸化膜である。この時、シリコン酸化膜は個別電極43b上で200nm、個別電極と単結晶シリコン基板41間で300nmであって、ギャップは0.5μmである。43bはイオン注入法により形成したリン原子を不純物濃度1E20/cm含む厚さ300nmのn型単結晶シリコンの個別電極である。46はスパッタ法により形成したAuであって駆動電圧を個別電極43bに印加する電極パッドである。面方位(110)の単結晶Si基板31をKOHで異方性エッチングして形成したボロン不純物原子を1E20/cm以上含む膜厚2μmの振動板32がギャップスペーサのSi酸化膜43aと直接接合されている。面方位(110)単結晶Si基板31には、KOHの異方性エッチングで形成したインク液室38と、そこへインクを供給する共通液室36が形成され、両者が流路37によって連通されている。
【0079】
更に、サンドブラスト加工でインク供給用の流路35が形成されたガラス板34がインク液室の上に張り付けられている。このようなインクジェットヘッドにおいて、振動板32を電気的に接地し電極パッド46を介して個別電極43bに正の駆動電圧を印加し、一定周波数で駆動した。電圧を印加したとき振動板32と個別電極間43bとの間に静電引力が働き、振動板32は個別電極43bの方向に引かれた。このときインク液室38は引圧となり、インク供給のための流路37を経て共通液室36から個別液室38へインクが供給された。駆動電圧の周波数に対応して振動板32はSiの剛性により元の位置へと戻り、このとき個別液室38は加圧され、単結晶Si基板中に形成されたノズル39を経てインクが矢印X方向へ吐出され記録紙上へ着弾し記録された。
【0080】
(実施例8)
図14は、本発明の実施例8を説明するための図で、図14(A)は図2(A)の個別電極部の断面であるB−B線断面を示し、図14(B)は図2(A)のパッド部の断面であるC−C線断面を各々示している。インクジェットは前述の図5に示した作製フローを基本に作製した。41は面方方位(100)、抵抗率10〜20Ω−cmのp型単結晶Si基板である。43aは振動板32と個別電極43bのギャップスペーサであって、HガスとOガス雰囲気のパイロ酸化炉で形成したSi酸化膜である。個別電極43bと単結晶シリコン基板41との間の酸化シリコン膜厚は200nmであって、ギャップは0.5μmである。43bはCVD法による形成したボロン原子を不純物濃度1E20/cm含む厚さ300nmのp型の非晶質シリコンからなる個別電極である。個別電極43b上には保護膜であるシリコン酸化膜は形成しなかった。46はスパッタ法により形成したAuであって駆動電圧を個別電極43bに印加する電極パッドである。面方位(110)の単結晶Si基板31を厚さ150nmのSi酸化膜32b上までKOHで異方性エッチングで形成した厚さ2μmの単結晶Si振動板32aがギャップスペーサのSi酸化膜43aと静電界印加で陽極接合されている。面方位(110)単結晶Si基板31には、KOHの異方性エッチングで形成したインク液室38と、そこへインクを供給する共通液室36が形成され、両者が流路37によって連通されている。
【0081】
更に、サンドブラスト加工でインク供給用の流路35が形成されたガラス板34がインク液室の上に張り付けられている。このようなインクジェットヘッドにおいて、振動板32を電気的に接地し電極パッド46を介して個別電極43bに正の駆動電圧を印加し、一定周波数で駆動した。電圧を印加したとき振動板32と個別電極間43bに静電引力が働き、振動板32は個別電極43b方向に引かれた。このときインク液室38は引圧となり、インク供給のための流路37を経て共通液室36から個別液室38へインクが供給された。駆動電圧の周波数に対応して振動板32はSiの剛性により元の位置へと戻り、このとき個別液室38は加圧され、単結晶Si基板中に形成されたノズル39を経てインクが矢印X方向へ吐出され記録紙上へ着弾し記録された。
【0082】
【発明の効果】
請求項1記載のインクジェットヘッドにおいては、単結晶シリコン基板上に形成された個別電極は、互いに絶縁物で分離されているので、個別電極間や個別電極と支持体である単結晶シリコン基板間のリーク電流を抑制でき低消費電力のインクジェットヘッドが実現できる。また、個別電極間の耐圧マージンが向上しインクジェットの駆動電圧の自由度が広がる。更に、少なくともn型、又は、p型の伝導型を示す不純物原子を含むシリコンで個別電極が形成されるので、個別電極の抵抗を低減することができ、高速動作が可能となる。
【0083】
請求項2記載のインクジェットヘッドにおいては、個別電極は、n型、又は、p型の伝導型を示す不純物濃度が1E18/cm以上含まれたシリコンで形成されているので、駆動電圧を印加する電極パッドと個別電極で容易にオーミックコンタクトが得られ、信頼性が向上する。また、個別電極のシート抵抗が減少するため高速動作が可能となる。
【0084】
請求項3記載のインクジェットヘッドにおいては、個別電極を形成しているシリコンに含まれる不純物原子はリン(P)、又は、砒素(As)であるので既存のLSI半導体デバイスのプロセスラインが使用できるため、製造コストを低減できる。
【0085】
請求項4記載のインクジェットヘッドにおいては、個別電極を形成しているシリコンに含まれる不純物原子はボロン(B)であるので既存のLSI半導体デバイスのプロセスラインが使用できるため、製造コストを低減できる。
【0086】
請求項5記載のインクジェットヘッドにおいては、個別電極は、シリコンと該シリコン上に順次形成されたシリサイドから構成されているので個別電極のシート抵抗を大幅に低減でき、高速動作が可能となる。
【0087】
請求項6記載のインクジェットヘッドにおいては、単結晶シリコン基板上に形成された個別電極は、互いに絶縁物で分離されているので、個別電極間や個別電極と支持体である単結晶シリコン基板間のリーク電流を抑制でき低消費電力のインクジェットヘッドが実現できる。また、個別電極間の耐圧マージンが向上し、インクジェットの駆動電圧の自由度が広がる。更に、シリコンとその上に順次形成されたシリサイドから個別電極が構成されるので、不純物原子を導入することなしに個別電極のシート抵抗が低減でき、高速動作が可能となる。
【0088】
請求項7記載のインクジェットヘッドにおいては、個別電極に形成されるシリサイドはチタンシリサイドであるので、耐熱性に優れるため、後工程における熱処理の制限が少なくなりプロセス設計の自由度が広がる。また、既存のLSI半導体デバイスのプロセスラインが使用でき、製造コストが低減できる。
【0089】
請求項8記載のインクジェットヘッドの個別電極においては、シリコン上、又はシリコン上に形成されたシリサイド上に絶縁層が形成されているのでインクジェット動作時に振動板と個別電極間の短絡による動作不良を防止することが出来る。
【0090】
請求項9記載のインクジェットヘッドの個別電極においては、シリコン上、又は、シリコン上に順次形成されたシリサイド上に配置される絶縁物はシリコン窒化膜であるので絶縁性に優れ、インクジェット動作時に振動板と個別電極間の短絡による動作不良を防止することが出来る。また、既存のLSI半導体デバイスのプロセスラインが使用できることや、本発明のインクジェットヘッドの作製工程において、シリコンからなる個別電極を形成する時の酸化マスクとして用いたシリコン窒化膜をそのまま個別電極上の絶縁物として用いることが出来るため、工程が短縮できる。
【0091】
請求項10記載のインクジェットヘッドの個別電極においては、シリコン上、又は、シリコン上に順次形成されたシリサイド上に配置される絶縁物はシリコン酸化膜であるので絶縁性に優れ、インクジェット動作時に振動板と個別電極間の短絡による動作不良を防止することが出来る。また、既存のLSI半導体デバイスのプロセスラインが使用できるので製造コストを低減できる。
【0092】
請求項11記載のインクジェットヘッドの作製方法においては、順次、単結晶シリコン基板を熱酸化する工程と不純物を含むシリコンを形成する工程と該シリコン上にパターニングされたシリコン窒化膜を形成する工程と該シリコンを熱酸化によりシリコン酸化膜へ変質する電極基板形成の第一工程と、前記電極基板とシリコン基板を接合した後に振動板とインク液室、インクノズルを形成する工程、或いは、シリコン基板に振動板を形成した後に前記電極基板と接合しインク液室とインクノズルを形成する第二の工程を有し、順次、作製するので個別電極と振動板のギャップの精密な制御が可能となる。また、ウェハー面内のギャップ均一性を容易に確保出来るため、チップ間のインクジェットヘッド特性のバラツキを小さくすることが出来る。
【0093】
請求項12記載のインクジェットヘッドの作成方法は、請求項1又は請求項6記載のインクジェットヘッドを作成する作製方法において、順次、単結晶シリコン基板を熱酸化する工程と不純物を含まないシリコン、或いは、n型、又は、p型の伝導型を示す不純物原子を含むシリコンを形成する工程と前記シリコン上にパターニングされたシリコン窒化膜を形成する工程とシリコンを熱酸化によりシリコン酸化膜へ変質する工程とシリコン窒化膜を除去しチタンを成膜し、熱処理とエッチングにより前記シリコン上にのみチタンシリサイドを形成する電極基板形成の第一の工程と、前記電極基板とシリコン基板を接合した後に振動板とインク液室、インクノズルを形成する工程、或いは、シリコン基板に振動板を形成した後に前記電極基板と接合しインク液室とインクノズルを形成する第二の工程を有し、順次作製するので、個別電極と振動板のギャップの精密な制御が可能となる。また、ウェハー面内のギャップ均一性を容易に確保出来るため、チップ間のインクジェットヘッド特性のバラツキが小さくなるばかりでなく、低いシート抵抗の個別電極を制御性良く容易に形成することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるインクジェットヘッドの一構成例を説明するための要部断面図である。
【図2】本発明によるインクジェットヘッドの他の構成例を説明するための要部断面図である。
【図3】本発明によるインクジェットヘッドの他の構成例を説明するための要部断面図である。
【図4】図1に示したインクジェットヘッドの作製工程を説明するための要部断面図である。
【図5】図2に示したインクジェットヘッドの作製工程を説明するための要部断面図である。
【図6】図3に示したインクジェットヘッドの作製工程を説明するための要部断面図である。
【図7】本発明の実施例1を説明するための要部断面図である。
【図8】本発明の実施例2を説明するための要部断面図である。
【図9】本発明の実施例3を説明するための要部断面図である。
【図10】本発明の実施例4を説明するための要部断面図である。
【図11】本発明の実施例5を説明するための要部断面図である。
【図12】本発明の実施例6を説明するための要部断面図である。
【図13】本発明の実施例7を説明するための要部断面図である。
【図14】本発明の実施例8を説明するための要部断面図である。
【符号の説明】
10,30,50…インク液室基板、20,40,60…電極基板、11,31,51…シリコン基板、12,32,52…振動板、18,38,58…加圧液室、21,41,61…シリコン基板、22,42,62…絶縁膜、23a,43a,53a…ギャップスペーサ、23b,43b,63b…個別電極、67…シリサイド。

Claims (12)

  1. インク滴を吐出する単一又は複数のノズルと、該ノズルに連通するインク流路と、該流路と接して設けられた振動板と、該振動板に空間を経て対向して設けられた個別電極とを有し、該個別電極と前記振動板との間に電圧を印加することにより、前記振動板に変形を生じさせるインクジェットヘッドであって、前記振動板と個別電極との間にギャップを形成するための絶縁からなるギャップスペーサを形、該個別電極に電圧を印加して前記振動板を静電力により変形させ、前記ノズルからインク液滴を吐出するインクジェットヘッドにおいて、前記個別電極は互いに絶縁分離されたn型又はp型の伝導型を示す不純物原子を含むシリコンであって、単結晶シリコン基板に形成された絶縁物上に配置され、かつ、前記絶縁物のギャップスペーサ内に配置されたことを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 請求項1記載のインクジェットヘッドにおいて、個別電極は、n型又はp型の伝導型を示す不純物原子が1E18/cm以上含まれたシリコンで形成されていることを特徴とするインクジェットヘッド。
  3. 請求項1記載のインクジェットヘッドにおいて、シリコンからなる個別電極はリン(P)、又は、砒素(As)が含まれていることを特徴とするインクジェットヘッド。
  4. 請求項1記載のインクジェットヘッドにおいて、シリコンからなる個別電極はボロン(B)が含まれていることを特徴とするインクジェットヘッド。
  5. 請求項1記載のインクジェットヘッドにおいて、個別電極はn型又はp型の不純物を含むシリコンと該シリコン上に順次形成されたシリサイドから構成されていることを特徴とするインクジェットヘッド。
  6. インク滴を吐出する単一又は複数のノズルと、該ノズルに連通するインク流路と、該流路と接して設けられた振動板と、該振動板に空間を経て対向して設けられた個別電極とを有し、該個別電極と前記振動板との間に電圧を印加することにより、前記振動板に変型を生じさせるインクジェットヘッドであって、前記振動板と個別電極との間にギャップを形成するための絶縁からなるギャップスペーサを形、該個別電極に電圧を印加し、前記振動板を静電力により変形させ、前記ノズルからインク液滴を吐出するインクジェットヘッドにおいて、前記個別電極は互いに絶縁分離されたn型又はp型の伝導型を示す不純物原子を含まないシリコンと前記単結晶シリコン基板上に順次形成されたシリサイドであって、絶縁物上に配置され、かつ、前記絶縁物のギャップスペーサ内に配置されたことを特徴とするインクジェットヘッド。
  7. 請求項5又は6記載のインクジェットヘッドにおいて、前記個別電極に配置されるシリサイドはチタンシリサイドであることを特徴とするインクジェットヘッド。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載のインクジェットヘッドの個別電極において、シリコン上、又は、該シリコン上に順次形成されたシリサイド上に絶縁物が形成されてなることを特徴とするインクジェットヘッド。
  9. 請求項8記載のインクジェットヘッドの個別電極において、多結晶シリコン上、又は、シリコン上に順次形成されたシリサイド上に配置される絶縁物はシリコン窒化膜であることを特徴とするインクジェットヘッド。
  10. 請求項8記載のインクジェットヘッドの個別電極において、多結晶シリコン上、又は、シリコン上に順次形成されたシリサイド上に配置される絶縁物はシリコン酸化膜であることを特徴とするインクジェットヘッド。
  11. 請求項1記載のインクジェットヘッドの作製方法において、順次、単結晶シリコン基板を熱酸化する工程と不純物を含むシリコンを形成する工程と該シリコン上にパターニングされたシリコン窒化膜を形成する工程と該多結晶シリコンを熱酸化によりシリコン酸化膜へ変質する電極基板形成の第一工程と、前記電極基板とシリコン基板を接合した後に振動板とインク液室、インクノズルを形成する工程、或いは、シリコン基板に振動板を形成した後に前記電極基板と接合しインク液室とインクノズルを形成する第二の工程を有し、第一及び第二の工程に従って、順次、作製することを特徴とするインクジェットヘッドの作製方法。
  12. 請求項1又は6記載のインクジェットヘッドの作製方法において、順次、単結晶シリコン基板を熱酸化する工程と不純物を含まないシリコン、或いは、n型又はp型の伝導型を示す不純物原子を含むシリコンを形成する工程と前記シリコン上にパターニングされたシリコン窒化膜を形成する工程とシリコンを熱酸化によりシリコン酸化膜へ変質する工程とシリコン窒化膜を除去しチタンを成膜し、熱処理とエッチングにより前記シリコン上にのみチタンシリサイドを形成する電極基板形成の第一の工程と、前記電極基板とシリコン基板を接合した後に振動板とインク液室、インクノズルを形成する工程、或いは、シリコン基板に振動板を形成した後に前記電極基板と接合しインク液室とインクノズルを形成する第二の工程を有し、第一及び第二の工程に従って、順次、作製することを特徴とするインクジェットヘッドの作製方法。
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