JP4251729B2 - インクジェットヘッド及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットヘッド及びその作製方法に関し、より詳細には、振動板を静電引力によって駆動する静電型インクジェットヘッドにおける個別電極の構造及びその作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平6−71882号公報には、オンデマンド方式のインクジェットプリンタに用いられる振動板を静電引力によって駆動する静電型インクジェットヘッドが開示されている。この特開平6−71882号公報には、振動板と対向するn型又はp型の拡散層の個別電極が単結晶シリコン基板に形成され、pn接合により絶縁分離された、或いは、個別電極がガラス基板に形成されたギャップ溝内部に形成され、該個別電極に電圧を印加し、前記振動板を静電力により変形させ、その変形によりインク液を加圧し、前記ノズルからインク液滴を吐出する静電型インクジェットヘッドが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
特開平6−71882号公報に開示されているインクジェットヘッドの構造は、振動板に対向するn型又はp型拡散層で形成されている個別電極に駆動電圧を印加し、静電力によって駆動する方式の静電型インクジェットヘッドであって、個別電極はn型又はp型の拡散層で形成されており、pn接合分離で個別電極間と単結晶シリコン基板を分離している。このようなpn分離で個別電極間を分離したインクジェットヘッドは、その動作温度環境や、接合形成プロセスにより接合のリーク電流が大きく変化し、消費電力の増大や、不安定な動作、駆動ドライバのドライブ不足等、pn接合リークやpn接合容量に関わる問題が多発する。
【0004】
また、p型又はn型の伝導型を示す不純物を導入して形成した拡散層からなる個別電極を用いてインクジェットヘッドの駆動電圧を印加した場合、印加できる駆動電圧は空乏層幅により制限されるため比較的低い駆動電圧しか印加できなかった。通常、接合破壊電圧に対して駆動電圧は十分余裕を持たせるのが一般的であるが、この空乏層の広がりに制限された比較的低い電圧しか印加できないため、印加できる駆動電圧のマージンが狭いといった問題があった。
【0005】
更に、特開平6−71882号公報には、pn接合分離を利用した個別電極を有するインクジェットヘッド以外に、ガラス基板に形成したギャップ溝内部に個別電極を形成した例が開示されている。このような個別電極の場合、ギャップ溝をドライ又はウエットエッチング法により形成しているため個別電極と振動板との間のギャップの精密な制御が困難であり、ウエハ面内のギャップ均一性が確保できない。このギャップはインクジェットヘッド駆動特性を決める重要な設計パラメータであって、このバラツキが、インクジェットヘッド特性のバラツキを大きくしていた。また、ギャップスペーサ側壁と振動板が垂直に接合されているためインクジェットヘッド動作時に、振動板に局所的な応力集中を生じ耐久性に問題があった。
【0006】
また、インク液室の幅がギャップスペーサの幅よりも大きくなるように設計した場合、インクジェットヘッドの動作時に振動板の局所的な応力集中を生じ耐久性が問題となる。また、作製方法においてn型,p型の伝導型をもつ不純物原子を含む薄膜シリコンを酸化してシリコン酸化膜ギャップスペーサを形成すると、このシリコン酸化ギャップスペーサに多量の不純物原子が含まれ、このような不純物原子を多量に含む酸化シリコン膜とインク液室や振動板が形成された単結晶シリコン基板を接合すると、接合の歩留まりが低下するといった問題があった。
【0007】
本発明の目的は、基板である単結晶シリコンを酸化してギャップスペーサを形成することで、上述の問題を解決することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、インクジェットヘッドの駆動電圧のマージンを広げると共に、特性のバラツキが少ない高耐久性のインクジェットヘッドを提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、インクジェットヘッドの駆動時に個別電極と振動板との短絡を防ぎ、信頼性の高いインクジェットヘッドを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、インク滴を吐出するノズルと、該ノズルに連通するインク液室と、該インク液室と接して設けられた振動板と、該振動板に空間を経て対向して設けられた個別電極とを有し、該個別電極に電圧を印加することにより、前記振動板に変型を生じさせるインクジェットヘッドであって前記振動板と前記個別電極との間にギャップを形成するための絶縁膜であるシリコン酸化膜からなるギャップスペーサを単結晶シリコン基板に形成し、前記個別電極は前記ギャップスペーサ内に前記振動板に対向して配設され、該個別電極に電圧を印加した時に、前記振動板を静電力により変形させ、前記ノズルからインク液滴を吐出するインクジェットヘッドにおいて、前記シリコン酸化膜からなるギャップスペーサの側壁内面が前記個別電極を挟んで前記個別電極から振動板に向けて側壁内面同士の間隔が広がるように傾斜して前記振動板に対して漸近して接合されていることを特徴としたものである。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、インク液室の幅が前記ギャップスペーサの幅より小さいことを特徴としたものである。
【0016】
請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記ギャップスペーサ内に形成された個別電極上に絶縁物が形成されていることを特徴としたものである。
【0022】
請求項4の発明は、請求項1記載のインクジェットヘッドの作製方法であって、絶縁膜であるシリコン酸化膜からなるギャップスペーサはシリコン酸化膜上にフォトレジストの層を形成し、上記フォトレジストの層にフォトリソグラフィの手法により所望の形状とし、このフォトレジスト層をマスクとしてシリコン酸化膜を等方性及び/又は異方性エッチングを行うことによりシリコン酸化膜上にギャップスペーサの側壁内面が個別電極を挟んで該個別電極から振動板に向けて側壁内面同士の間隔が広がるように傾斜しているギャップスペーサ形状を形成し、前記個別電極を前記ギャップスペーサ内部で、シリコン酸化膜上に配置する第1の工程、前記電極基板とシリコン基板を接合した後に該シリコン基板に振動板とインク液室、インクノズルを形成する工程、或いは、シリコン基板に振動板を形成した後に前記電極基板と接合してインク液室とインクノズルを形成する第2の工程を有し、順次作製することを特徴としたものである。
【0034】
【発明の実施の形態】
図1及び図2は、本発明によるインクジェットヘッドを説明するための図で、図1は、本発明によるインクジェットヘッドの上面図であり、図2(A)は図1のA−A線断面、図2(B)は図1のB−B線断面、図2(C)は図1のC−C線断面を示し、周知のように、振動板12、インク液室18、共通液室16、インク流路17を異方性エッチングにより形成した面方位110の単結晶シリコン基板11等とから成るインク液室部10と、インクノズル31、インク供給路32が形成されたガラス板、金属板等のインクカバー33等から成るカバー部30と、電極基板部20の3つの部分から構成されており、これらの3つの部分が各々接合されている。
【0035】
インク液室部10の単結晶シリコン基板11にはインク液室18と個々のインクノズル31に対応して、静電引力によって駆動されるシリコン薄膜振動板12が形成されて、前記該インク液室18へインクを供給するための共通液室16が形成されており、インク液室18と共通液室16はインク流路17によって連通されている。前述のように、個々のインクノズル31に対応してインク液室18を構成しているシリコン薄膜振動板12は、更に、電極基板部20の個別電極23に対向して配置されている。この時、インク液室18の幅aは、個別電極23を内部に形成しているギャップスペーサ25の幅bより小さくする。
【0036】
図2(A)〜図2(C)において、21はn型又はp型の不純物原子を含む単結晶シリコン基板で、通常は、面配向100の単結晶シリコン基板を用いるが、プロセスに応じて面方位110又は111の単結晶シリコン基板を用いても何ら問題は無い。23は互いに絶縁分離された個別電極であって、イオン注入法,塗布拡散法,固体拡散法等の種々の不純物導入法により形成した不純物原子を望ましくは1E18/cm3以上含むn型又はp型の多結晶シリコン又は単結晶シリコン、或いは、窒化チタン等の高融点金属であって、単結晶シリコン基板上に形成されたシリコン酸化膜に配置され、かつ、前記シリコン酸化膜のギャップスペーサ25内に配置されている個別電極である。24は振動板12と前記個別電極23の絶縁を確保するための望ましくは配置するシリコン窒化膜,シリコン酸化膜等の絶縁物である。25は熱酸化法等により形成したシリコン酸化膜からなるギャップスペーサであって、振動板12と個別電極23の間にギャップ(空隙)を形成するためのものである。このギャップスペーサを介してシリコン薄膜振動板12と対向した個別電極23に電圧を印加することで静電引力を発生させる。26は個別電極23に対して導通するような駆動電圧印加パッドである。Rは電極基板に形成したパッド26に外部から電圧を印加するFPCやワイヤーボンディング等の実装を行うためのパッド取り出し部である。Yはインクノズルの配置方向によって決まるインクの吐出方向である。
【0037】
次に、図3を参照して、本発明によりインクジェットヘッドの作成フローについて説明する。図3において、左側の図は、図1のA−A線断面に対応する部分を示し、右側の図は、図3の左側の図のI−I線断面を各工程に対応させて示す。
【0038】
(A):最初に、厚さ400μm〜700μm、抵抗率5〜30Ω/cm、面配向100又は111,110、p型又はn型の単結晶シリコン基板21上に熱酸化法、CVD法、スパッタ法等の手段により酸化シリコン膜等の絶縁膜22を形成する(図3(A))。この絶縁膜22は、イクジェッドヘッドの個別電極と単結晶シリコン基板21の絶縁を確保するものであれば何ら問題はない。
【0039】
(B):次に、イオン注入法、塗布拡散法、固体拡散法等の種々の不純物導入法より不純物原子を望ましくは1E18/cm3以上導入したn型又はp型の多結晶シリコン又は単結晶シリコン、或いは、高融点金属望ましくは窒化チタン23を絶縁膜22上に形成する(図3(B))。
【0040】
(C):前記シリコン23上にシリコン窒化膜等の酸素拡散防止の絶縁膜24をCVD法、スパッタ法により順次形成する(図3(C))。
(D):次に、通常のフォトリソグラフィとドライエッチング又はウエットエッチングにより前記酸素拡散防止の絶縁膜24と前記多結晶シリコン又は前記単結晶シリコン、或いは、前記高融点金属23を単結晶シリコン基板21上までセルフアライメントでパターンニングし、個別電極領域を形成する(図3(D))。
【0041】
(E):次に、少なくとも酸素ガスを含む電気炉で前記単結晶シリコン基板21を酸化する。この時、シリコン窒化膜等の酸素拡散防止の絶縁膜24の無い第1領域の前記単結晶シリコン21上には酸化シリコン膜25aが形成される。この時、単結晶シリコン基板21を酸化しているので第1領域上には不純物原子を含まない酸化シリコン膜25aが形成され、後の接合工程において接合のマージンを向上させる。一方、シリコン窒化膜等の酸素拡散防止の絶縁膜24が存在する第2領域では前記単結晶シリコン21の酸化が進行せず、絶縁膜22と等しい膜厚の酸化シリコン膜25bが形成され、第1の領域の酸化シリコン膜25aと第2の領域の酸化シリコン膜25bの膜厚が各々異なるため領域間で段差ができる(図3(E))。この段差は本発明のインクジェットヘッドの振動板と個別電極のギャップとなる。ここで、前記酸素拡散防止の絶縁膜24を除去しても何ら問題はないが、本発明では除去しない工程で説明する。
【0042】
(F):次に、伝導型がp型又はn型、面方位110の単結晶シリコン基板11の片面に振動板膜厚に等しくなる深さまでp型或いはn型の伝導型を示す不純物を1E19/cm3以上拡散させた拡散領域12と、この拡散領域の反対の面にインク液室とインクノズルを規定する酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、5酸化タンタル等の単結晶シリコンエッチングマスクパターン13が形成されたインク液室基板部10を、図3(D)に示した電極基板部20と接合する。この時、面方位110単結晶シリコン基板の上にシリコン酸化膜を介して振動板膜厚に等しい単結晶薄膜シリコンが形成されている所謂SOI(シリコンSlicon on Insulater)基板と電極基板を接合してもよい。
【0043】
電極基板とインク液室基板の接合は800℃以上の温度で減圧又は常圧の酸素又は窒素雰囲気で接合を行う直接接合やインク液室を形成する110単結晶シリコン基板上にNaイオン,Hイオン等の可動イオンを含む絶縁膜をスパッタ法で全面形成し電界を印加しながら200℃〜500℃で接合する陽極接合で行う。また、前記接合を行う前には電極基板のシリコン酸化膜25aの表面をCMP(Chemical Mechanical Polishing)等により研磨し接合表面を平滑にすることが望ましい(図3(F))。
【0044】
(G):電極基板とインク液室基板が接合された基板を単結晶シリコンエッチングマスクパターン13が形成された側からKOH,TMAH等によって110単結晶シリコン基板11を異方性エッチングする。この時、高濃度に不純物を含む拡散領域12でエッチングはストップし、振動板12が形成される。SOI基板を異方性エッチングした場合はシリコン酸化膜上でエッチングはストップする。なお、この時、前記シリコン酸化膜を除去しても何ら問題はない(図3(G))。
【0045】
(H):接合された基板上部にサンドブラスト加工やレーザ加工でインク供給用の流路32が形成されているガラス板や金属板からなるインク液室カバー33を張り付ける。パッド領域のみシリコン薄膜振動板12をエッチングにより除去しAu等の電圧印加用パッド26を形成し、本発明のインクジェットヘッドは完成する(図3(H))。なお、個別電極が窒化チタンなど金属あるいはその化合物の場合にはパッド26の形成は不要の場合もある。
【0046】
この時点で、インク液室側は異方性エッチングにより形成される個々のノズル19に対応した個別液室18と、該個別液室へインクを供給するための共通液室16とを有し、これら個別液室18と共通液室16とが異方性エッチングで形成した流路17で連通された構造となる。このインクジェットヘッドの個別電極パッド26に電圧を印加した時、単結晶シリコン振動板12と個別電極23の間に静電力が働き、振動板12は個別電極23の方向にたわみ、液室18は引圧となり、インク供給のための流路17を経て共通液室16から個別液室18へとインクが供給される。電圧を切ると、単結晶シリコン振動板12はシリコンの剛性によって元の位置へ戻り、このとき個別液室18は加圧され、ノズル19を経てX方向にインクが吐出され、記録紙上へ着弾する。
【0047】
なお、ここではインクの吐出方向は基板に対して水平方向(X方向)の例で示したが、インクノズルの方向を変更することで基板の法線方向(Y方向)にインクを吐出させることもできる。また、本インクジェットヘッド作製フローでは振動板とインク液室を形成する単結晶シリコン基板と電極基板を接合した後に異方性エッチングを行い振動板とインク液室とノズル部を形成した例を示したが、異方性エッチングによりインク液室と振動板を形成した単結晶シリコン基板と電極基板を接合してからノズル部を形成してもよい。その他、インク流路、共通液室、インク供給口等の配置、材料、工法などインクジェットヘッドにおける他の構成部分は本発明の趣旨を逸脱しない範囲で最適に変更できる。
【0048】
(実施例1)
図4は、本発明の実施例1を説明するための図で、図4(A)は図1の個別電極部の断面であるA−A線断面を示し、図4(B)は図1のパッド部の断面であるB−B線断面を示し、図4(C)は図1のC−C線断面を各々示した。本実施例のインクジェットヘッドは、前述の図3に示したフローに従って作製した。21は面方位100、抵抗率10〜20Ω/cmのn型単結晶シリコン基板である。25は振動板12と個別電極23のギャップスペーサであって、H2ガスとO2ガス雰囲気のパイロ酸化炉で形成したシリコン酸化膜である。この時、個別電極23と単結晶シリコン基板21との間のシリコン酸化膜厚は厚さ300nmであってギャップは0.5μmである。23はイオン注入法により形成したリン原子を不純物濃度1E20/cm3含む厚さ200nmのn型多結晶シリコンからなる個別電極である。個別電極23上にはLPCVD法により形成した厚さ100nmの窒化シリコン膜24が配置されている。この窒化シリコン膜24は振動板12と個別電極23の絶縁を確保するものであって、シリコン酸化膜のギャップスペーサ25を熱酸化法により形成した時に酸素拡散防止膜として使用したものをそのまま用いた。26はスパッタ法により形成したAuであって、駆動電圧を個別電極23に印加する電極パッドである。
【0049】
面方位110の単結晶シリコン基板11をKOHで異方性エッチングして形成したボロン不純物原子を1E20/cm3以上含む膜厚3μmの振動板12がギャップスペーサ25のシリコン酸化膜と接合されている。面方位110単結晶シリコン基板11には、KOHの異方性エッチングで形成したインク液室18と、そこへインクを供給する共通液室16が形成され、両者が流路17によって連通されている。更に、サンドブラスト加工でインク供給用の流路32とインクノズル31が形成されたガラス板33がインク液室の上に張り付けられている。この時、インク液室18の幅aは個別電極を内部に形成しているギャップスペーサの幅bより小さい。
【0050】
上述のごときインクジェットヘッドにおいて、振動板12を電気的に接地し電極パッド26を介して個別電極23に正の駆動電圧を印加し、一定周波数で駆動した。電圧を印加したとき、振動板12と個別電極23との間に静電引力が働き、振動板12は個別電極23の方向に引かれた。このときインク液室18は引圧となりインク供給のための流路17を経て共通液室16から個別液室18へインクが供給された。駆動電圧の周波数に対応して振動板12はシリコンの剛性により元の位置へと戻り、このとき個別液室18は加圧され、ノズル31を経てインクがY方向へ吐出され記録紙上へ着弾し記録された。
【0051】
(実施例2)
図5は、本発明の実施例2を説明するための図で、図5(A)は図1の個別電極部の断面であるA−A線断面を示し、図5(B)は図1のパッド部の断面であるB−B線断面を示し、図5(C)は図1のC−C線断面を各々示した。本実施例のインクジェットヘッドは、前述の図3に示したフローに従って作製した。21は面方位100、抵抗率10〜20Ω/cmのp型単結晶シリコン基板である。25は振動板12と個別電極23のギャップスペーサであって、H2ガスとO2ガス雰囲気のパイロ酸化炉で形成したシリコン酸化膜である。この時、個別電極と単結晶シリコン基板21との間のシリコン酸化膜は厚さ300nmであって、ギャップは0.5μmである。23はチタンをターゲットとして反応性スパッタ法により形成した厚さ150nmの窒化チタンからなる個別電極である。
【0052】
個別電極23上にはCVD法により形成した厚さ150nmの酸化シリコン膜24が配置されている。前記酸化シリコン膜24は振動板12と個別電極23の絶縁を確保するものである。26はスパッタ法により形成したAuであって駆動電圧を個別電極23に印加する電極パッドである。
【0053】
面方位110の単結晶シリコン基板11を厚さ150nmのシリコン酸化膜12b上までKOHの異方性エッチングで形成した厚さ3μmの単結晶シリコン振動板12aがギャップスペーサのシリコン酸化膜25と接合されている。面方位110単結晶シリコン基板11には、KOHの異方性エッチングで形成したインク液室18と、そこへインクを供給する共通液室16が形成され、両者が流路17によって連通されている。更に、サンドブラスト加工でインク供給用の流路32が形成されたSUS板33がインク液室の上に張り付けられている。
【0054】
この時、インク液室18の幅aは個別電極を内部に形成しているギャップスペーサの幅bより小さい。このようなインクジェットヘッドにおいて、振動板12を電気的に接地し、電極パッド26を介して個別電極23に正の駆動電圧を印加し、一定周波数で駆動した。電圧を印加したとき振動板12と個別電極23との間に静電引力が働き、振動板12は個別電極23の方向に引かれた。このときインク液室18は引圧となりインク供給のための流路17を経て共通液室16から個別液室18へインクが供給された。駆動電圧の周波数に対応して振動板12はシリコンの剛性により元の位置へと戻り、このとき個別液室18は加圧され、単結晶シリコン基板11中に形成されたノズル19を経てインクがX方向へ吐出され記録紙上へ着弾し記録された。
【0055】
(実施例3)
図6は、本発明の実施例3を説明するための図で、図6(A)は図1の個別電極部の断面であるA−A線断面を示し、図6(B)は図1のパッド部の断面であるB−B線断面を示し、図6(C)は図1のC−C線断面を各々示した。本実施例のインクジェットヘッドは、前述の図3に示したフローに従って作製した。21は面方位100、抵抗率10〜20Ω/cmのn型単結晶シリコン基板である。25は振動板12と個別電極23のギャップスペーサであって、H2ガスとO2ガス雰囲気のパイロ酸化炉で形成したシリコン酸化膜である。この時、個別電極23と単結晶シリコン基板21との間のシリコン酸化膜厚は厚さ300nmであってギャップは0.5μmである。23はイオン注入法により形成したボロン原子を不純物濃度1E20/cm3含む厚さ200nmのp型多結晶シリコンからなる個別電極である。26はスパッタ法により形成したAuであって駆動電圧を個別電極23に印加する電極パッドである。
【0056】
面方位110の単結晶シリコン基板11をKOHで異方性エッチングして形成したリン不純物原子を1E20/cm3以上含む膜厚3μmの振動板12がギャップスペーサのシリコン酸化膜25と接合されている。面方位110単結晶シリコン基板11には、KOHの異方性エッチングで形成したインク液室18と、そこへインクを供給する共通液室16が形成され、両者が流路17によって連通されている。
【0057】
更に、サンドブラスト加工でインク供給用の流路32とインクノズル31が形成されたガラス板33がインク液室の上に張り付けられている。この時、インク液室18の幅aは個別電極を内部に形成しているギャップスペーサの幅bより小さい。このようなインクジェットヘッドにおいて、振動板12を電気的に接地し、電極パッド26を介して個別電極23に正の駆動電圧を印加し、一定周波数で駆動した。電圧を印加したとき、振動板12と個別電極23との間に静電引力が働き、振動板12は個別電極23の方向に引かれた。このときインク液室18は引圧となり、インク供給のための流路17を経て共通液室16から個別液室18へインクが供給された。駆動電圧の周波数に対応して振動板12はシリコンの剛性により元の位置へと戻り、このとき個別液室18は加圧され、ノズル31を経てインクがY方向へ吐出され記録紙上へ着弾し記録された。
【0058】
(実施例4)
図7は、本発明の実施例4を説明するための図で、図7(A)は図1の個別電極部の断面であるA−A線断面を示し、図7(B)は図1のパッド部の断面であるB−B線断面を示し、図7(C)は図1のC−C線断面を各々示した。本実施例のインクジェットヘッドは、前述の図3に示したフローに従って作製した。21は面方位100、抵抗率10〜20Ω/cmのn型単結晶シリコン基板である。25は振動板12(12a)と個別電極23のギャップスペーサであってH2ガスとO2ガス雰囲気のパイロ酸化炉で形成したシリコン酸化膜である。この時、個別電極23と単結晶シリコン基板21との間のシリコン酸化膜厚は厚さ300nmであってギャップは0.5μmである。23はイオン注入法により形成した原子を不純物濃度1E20/cm3含む厚さ200nmのn型多結晶シリコンからなる個別電極である。個別電極23上にはLPCVD法により形成した厚さ100nmの窒化シリコン膜24が配置されている。この窒化シリコン膜24は振動板12(12a)と個別電極23の絶縁を確保するものであって、シリコン酸化膜のギャップスペーサ25を熱酸化法により形成した時に酸素拡散防止膜として使用したものをそのまま用いた。26はスパッタ法により形成したAuであって駆動電圧を個別電極23に印加する電極パッドである。
【0059】
面方位110の単結晶シリコン基板11を厚さ150nmのシリコン酸化膜12b上までKOHの異方性エッチングで形成し、更に前記シリコン酸化膜12bをエッチング除去し、厚さ3μmの単結晶シリコンからなる振動板12a(12)がギャップスペーサのシリコン酸化膜25と接合されている。面方位110単結晶シリコン基板11には、KOHの異方性エッチングで形成したインク液室18と、そこへインクを供給する共通液室16が形成され、両者が流路17によって連通されている。更に、サンドブラスト加工でインク供給用の流路32が形成されたガラス板33がインク液室の上に張付けられている。
【0060】
この時、インク液室18の幅aは個別電極を内部に形成しているギャップスペーサの幅bより小さい。このようなインクジェットヘッドにおいて、振動板12(12a)を電気的に接地し電極パッド26を介して個別電極23に正の駆動電圧を印加し、一定周波数で駆動した。電圧を印加したとき、振動板12(12a)と個別電極23との間に静電引力が働き、振動板12(12a)は個別電極23の方向に引かれた。このときインク液室18は引圧となりインク供給のための流路17を経て共通液室16から個別液室18へインクが供給された。駆動電圧の周波数に対応して振動板12(12a)はシリコンの剛性により元の位置へと戻り、このとき個別液室18は加圧され、単結晶シリコン基板11に形成されたノズル19を経てインクがX方向へ吐出され記録紙へ着弾し記録された。
【0061】
(実施例5)
図8は、本発明の実施例5を説明するための図で、図8(A)は図1の個別電極部の断面であるA−A線断面を示し、図8(B)は図1のパッド部の断面であるB−B線断面を示し、図8(C)は図1のC−C線断面を各々示した。本実施例のインクジェットヘッドは、前述の図3に示したフローに従って作製した。21は面方位100、抵抗率10〜20Ω/cmのp型単結晶シリコン基板である。25は振動板12と個別電極23のギャップスペーサであって、H2ガスとO2ガス雰囲気のパイロ酸化炉で形成したシリコン酸化膜である。この時、個別電極23と単結晶シリコン基板21との間のシリコン酸化膜厚は厚さ300nmであってギャップは0.5μmである。23はチタンをターゲットとして反応性スパッタ法により形成した厚さ150nmの窒化チタンからなる個別電極である。個別電極23上にはCVD法により形成した厚さ150nmの酸化シリコン膜24が配置されている。この酸化シリコン膜24は振動板12と個別電極23の絶縁を確保するものである。26はスパッタ法により形成したAuであって駆動電圧を個別電極23に印加する電極パッドである。
【0062】
面方位110の単結晶シリコン基板11をKOHで異方性エッチングして形成したボロン不純物原子を1E20/cm3以上含む膜厚2μmの振動板12がギャップスペーサのシリコン酸化膜25と接合されている。面方位110単結晶シリコン基板11には、KOHの異方性エッチングで形成したインク液室18と、そこへインクを供給する共通液室16が形成され、両者が流路17によって連通されている。更に、サンドブラスト加工でインク供給用の流路32とインクノズル31が形成されたSUS板33がインク液室の上に張り付けられている。
【0063】
この時、インク液室18の幅aは個別電極を内部に形成しているギャップスペーサの幅bより小さい。このようなインクジェットヘッドにおいて、振動板12を電気的に接地し電極パッド26を介して個別電極23に正の駆動電圧を印加し、一定周波数で駆動した。電圧を印加したとき振動板12と個別電極23との間に静電引力が働き、振動板12は個別電極23の方向に引かれた。このときインク液室18は引圧となりインク供給のための流路17を経て共通液室16から個別液室18へインクが供給された。駆動電圧の周波数に対応して振動板12はシリコンの剛性により元の位置へと戻り、このとき個別インク液室18は加圧されノズル31を経てインクがY方向へ吐出され記録紙上へ着弾し記録された。
【0064】
(実施例6)
図10は、本発明に係るインクジェットヘッドのギャップスペーサ25の形成プロセスを具体的に説明するための理解図である。
(A):シリコンウエハー上に熱酸化膜を形成した電極基板材料25にフォトレジスト41(OFPR−800)を厚さ1μmに形成する(図10(A))。
(B):次いで、フォトマスクを用いてギャップとなる領域のフォトレジス
トを露光除去する(図10(B))。
(C):フォトレジストを開口した後に改めてフォトレジスト42を塗布する(図10(C))。
(D):塗布後に、このレジスト層41,42を熱処理する事によりレジスト42は熱による流動性を得て、その表面張力とのバランスによりレジスト41の開口部の周辺で形状が滑らかな凸形状また開口部の中央部で滑らかな凸形状に変化する。これによりレジスト形状でギャップの側壁(ギャップスペーサとなる部分)上部が振動板に対して漸近している形状が形成された(図10(D))。
【0065】
(E):このレジスト層41,42の合成で形成された新たなレジスト層43と電極基板材料25を深さ方向に異方性ドライエッチすると、エッチングの進行に従い、レジスト層43の滑らかな凹凸形状が電極基板材料25に転写され、ギャップ形状44が形成される(図10(E))。エッチングガスとしてはSF6,O2の混合ガスを用いた。エッチングの条件はレジスト層43のエッチングレートと電極基板材料25のエッチングレートが等しくなるように調整した。こうすることにより、レジスト層43に形成したギャップスペーサ形状の高さと電極基板材料25に形成される高さが等しく得られる。また、二つの材料のエッチングレート比を意識的の変えて、電極基板材料25に形成されるギャップスペーサ高さを調整することも可能である。
(F):エッチング終了後、電極基板材料25上に残ったレジスト層を除去して、本発明のインクジェットヘッドを構成するギャップスペーサ形状が完成した(図10(F))。
【0066】
図10では、エッチング終了時には振動板との接合面の保護のためにギャップの周辺にレジスト層を残してあるが、接合に問題が無い場合にはレジスト層を残す必要は無い。このギャップスペーサ内部に個別電極を形成する方法及びそれ以降のインクジェットヘッドを形成する方法は前述の実施例と同様の方法でよいのでここでは説明を省く。
【0067】
(実施例7)
図11は、本発明の実施例7を説明するための図で、図11(A)は図1の個別電極部の断面であるA−A線断面を示し、図11(B)は図1のパッド部の断面であるB−B線断面を示し、図11(C)は図1のC−C線断面を各々示した。本実施例のインクジェットヘッドは、前述の図10に示したフローに従って作製した。21は面方位100、抵抗率10〜20Ω/cmのp型単結晶シリコン基板である。25は振動板12と個別電極28のギャップスペーサであって、H2ガスとO2ガス雰囲気のパイロ酸化炉で形成したシリコン酸化膜である。この時、個別電極28と単結晶シリコン基板21との間のシリコン酸化膜厚は厚さ300nmであって実施例6で説明したようにレジストの形状制御とドライエッチング法により形成したギャップは0.5μmである。28はチタンをターゲットとして反応性スパッタ法により形成した厚さ150nmの窒化チタンからなる個別電極である。
【0068】
個別電極28上にはCVD法により形成した多結晶シリコン膜29(厚さ50nm)とこの多結晶シリコン膜を熱酸化して形成された酸化シリコン膜27(厚さ100nm)が配置されている。この酸化シリコン膜27は振動板12と個別電極28の絶縁を確保するものであり、多結晶シリコン膜29と酸化シリコン膜27は個別電極28の端部を包み込むように形成されている。このように窒化チタン個別電極の端部を絶縁膜で包み込むように形成すると、個別電極と振動板の間隔が小さくなっても、端部からの短絡が防げるばかりでなく、電極基板形成後に振動板を接合するときに接合強度を確保するために高温の熱処理を加えても窒化チタンからのガス放出を絶縁膜が防ぎ、接合の歩留まりを上げる効果もある。
【0069】
面方位110の単結晶シリコン基板11をKOHで異方性エッチングして形成したボロン不純物原子を1E20/cm3以上含む膜厚2μmの振動板12がギャップスペーサのシリコン酸化膜25と接合されている。面方位110単結晶シリコン基板11には、KOHの異方性エッチングで形成したインク液室18と、そこへインクを供給する共通液室16が形成され、両者が流路17によって連通されている。更に、サンドブラスト加工でインク供給用の流路32とインクノズル31が形成されたSUS板33がインク液室の上に張り付けられている。この時、インク液室18の幅aは個別電極を内部に形成しているギャップスペーサの幅bより小さい。
【0070】
このようなインクジェットヘッドにおいて、振動板12を電気的に接地し電極パッド26を介して個別電極28に正の駆動電圧を印加し、一定周波数で駆動した。電圧を印加したとき振動板12と個別電極28との間に静電引力が働き、振動板12は個別電極28の方向に引かれた。このときインク液室18は引圧となりインク供給のための流路17を経て共通液室16から個別液室18へインクが供給された。駆動電圧の周波数に対応して振動板12はシリコンの剛性により元の位置へと戻り、このとき個別インク液室18は加圧されノズル31を経てインクがY方向へ吐出され記録紙上へ着弾し記録された。本実施例で個別電極として用いた窒化チタンは高融点金属(化合物)であるが、このような材料をインクジェットヘッドの形成に用いることは、例えば電極基板と液室振動板とを接合する時に高温雰囲気下での直接接合方法で行っても電極が損傷を受けることがない。この高融点金属材料を使用する効果は電極が形成されているギャップの形状に依らずに発揮される。
【0071】
【発明の効果】
請求項1に対応する作用効果:図9に拡大して示すように、シリコン酸化膜からなるギャップスペーサ25の側壁内面25′が個別電極を挟んで個別電極から振動板に向けて側壁内面同士の間隔が広がるように傾斜して接合されているので、インクジェットヘッド動作時に振動板の局所的な応力集中が緩和され耐久性が向上する。また、個別電極は酸化シリコン膜からなるギャップスペーサ内部で、かつ、単結晶シリコン基板に形成されたシリコン酸化膜上に配置されているので個別電極間や個別電極と支持体である単結晶シリコン基板間のリーク電流を抑制でき低消費電力のインクジェットヘッドが実現できる。また、個別電極間の耐圧マージンが向上しインクジェットの駆動電圧の自由度が広がる。
【0072】
請求項2に対応する作用効果:請求項1記載のインクジェットヘッドにおいて、インク液室の幅がギャップスペーサの幅より小さいので振動板の局所的な応力集中が効果的に緩和され信頼性が更に向上する。
【0077】
請求項7に対応する作用効果:請求項1または2に記載のインクジェットヘッドにおいて、ギャップスペーサ内に形成された個別電極上に絶縁物が形成されているので、インクジェットヘッド動作時に振動板と個別電極間の短絡による動作不良を防止することができる。
【0083】
請求項4に対する作用効果:請求項1記載のインクジェットヘッドの作製方法であって、絶縁膜であるシリコン酸化膜からなるギャップスペーサはシリコン酸化膜上にフォトレジストの層を形成し、上記フォトレジストの層にフォトリソグラフィの手法により所望の形状とし、このフォトレジスト層をマスクとしてシリコン酸化膜を等方性及び/又は異方性エッチングを行うことによりシリコン酸化膜上にギャップスペーサの側壁内面が個別電極を挟んで該個別電極から振動板に向けて側壁内面同士の間隔が広がるように傾斜しているギャップスペーサ形状を形成し、前記個別電極を前記ギャップスペーサ内部で、シリコン酸化膜上に配置する第1の工程、前記電極基板とシリコン基板を接合した後に該シリコン基板に振動板とインク液室、インクノズルを形成する工程、或いは、シリコン基板に振動板を形成した後に前記電極基板と接合してインク液室とインクノズルを形成する第2の工程を有し、順次作製しているので、ギャップスペーサ形状の設計範囲が広がり、より高性能なインクジェットヘッドを製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるインクジェットヘッドの一例を説明するための上面図である。
【図2】 本発明によるインクジェットヘッドの要部断面図である。
【図3】 本発明によるインクジェットヘッドの作製方法の一例を説明するための工程図である。
【図4】 本発明の実施例1を説明するための図である。
【図5】 本発明の実施例2を説明するための図である。
【図6】 本発明の実施例3を説明するための図である。
【図7】 本発明の実施例4を説明するための図である。
【図8】 本発明の実施例5を説明するための図である。
【図9】 ギャップスペーサと振動板との接合の仕方を説明するための要部断面図である。
【図10】 本発明の実施例6を説明するための図である。
【図11】 本発明の実施例7を説明するための図である。
【符号の説明】
10…インク液室部、11…シリコン基板、12…振動板、16…共通液室、17…インク流路、18…インク液室、19…ノズル、20…電極基板部、21…シリコン基板、23…個別電極、24…絶縁物、25…ギャップスペーサ(電極基板)、26…電極パッド、27…多結晶シリコンの熱酸化膜、28…窒化チタン電極、29…多結晶シリコン、41…第1のレジスト層、42…第2のレジスト層、43…合成レジスト層、44…ギャップ層。
Claims (4)
- インク滴を吐出するノズルと、該ノズルに連通するインク液室と、該インク液室と接して設けられた振動板と、該振動板に空間を経て対向して設けられた個別電極とを有し、該個別電極に電圧を印加することにより、前記振動板に変型を生じさせるインクジェットヘッドであって、前記振動板と前記個別電極との間にギャップを形成するための絶縁膜であるシリコン酸化膜からなるギャップスペーサを単結晶シリコン基板に形成し、前記個別電極は前記ギャップスペーサ内に前記振動板に対向して配設され、該個別電極に電圧を印加した時に、前記振動板を静電力により変形させ、前記ノズルからインク液滴を吐出するインクジェットヘッドにおいて、前記シリコン酸化膜からなるギャップスペーサの側壁内面が前記個別電極を挟んで前記個別電極から振動板に向けて側壁内面同士の間隔が広がるように傾斜して前記振動板に対して漸近して接合されていることを特徴とするインクジェットヘッド。
- 請求項1記載のインクジェットヘッドにおいて、インク液室の幅が前記ギャップスペーサの幅より小さいことを特徴とするインクジェットヘッド。
- 請求項1または2に記載のインクジェットヘッドにおいて、前記ギャップスペーサ内に形成された個別電極上に絶縁物が形成されていることを特徴とするインクジェットヘッド。
- 請求項1記載のインクジェットヘッドの作製方法であって、絶縁膜であるシリコン酸化膜からなるギャップスペーサはシリコン酸化膜上にフォトレジストの層を形成し、上記フォトレジストの層にフォトリソグラフィの手法により所望の形状とし、このフォトレジスト層をマスクとしてシリコン酸化膜を等方性及び/又は異方性エッチングを行うことによりシリコン酸化膜上にギャップスペーサの側壁内面が前記個別電極を挟んで前記個別電極から前記振動板に向けて側壁内面同士の間隔が広がるように傾斜しているギャップスペーサ形状を形成し、前記個別電極を前記ギャップスペーサ内部で、シリコン酸化膜上に配置する第1の工程、前記電極基板とシリコン基板を接合した後に該シリコン基板に振動板とインク液室、インクノズルを形成する工程、或いは、シリコン基板に振動板を形成した後に前記電極基板と接合してインク液室とインクノズルを形成する第2の工程を有し、順次作製することを特徴とするインクジェットヘッドの作製方法。
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