JP3626850B2 - 電気湯沸かし器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、容器の感熱部に温度検知素子を設けた電気湯沸かし器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の電気湯沸かし器は、例えば図8、図9に示すような構成になっていた。すなわち、図に示すように、1は外装体2内に設けた有底状の容器で、容器1の底面の加熱部1aには加熱装置3を固定し、容器1の略中央底面の感熱部1bには温度検知素子4を載置している。5は温度検知素子4からの電気的信号で加熱装置3への通電を制御する制御基板である。温度検知素子4は、平面部6aとU字状の凹部6bを一体的に板状の金属で形成した感熱板6と、U字状の凹部6bと隙間を有して周囲を覆うカバー9で構成され、感熱板6にはフランジ6cを設け加熱装置3からの温度センサー8への輻射熱の影響を調整するとともに、感熱板6の位置をカバー9に決めている。このカバー9の上面には、突起部9aを設け、この突起部9aで感熱板6を支持し感熱板6とカバー9の間に隙間を設けている。感熱板6に設けたU字状の凹部6bに絶縁材7を介して装着した温度センサー8を載置した温度検知素子4は、カバー9を介して容器1の略中央底面の感熱部1bに押圧付勢する付勢部材10で装着固定したものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来の電気湯沸かし器の構成では、温度検知素子4を載置している容器1の略中央底面の感熱部1bを平面で形成しているため、絶縁材7で覆われた温度センサー8と容器1の感熱部1bが限られた部分のみで接触している。また、温度センサー8および感熱板6と、温度検知素子4近傍が遮蔽されていないため、加熱装置3の放熱により温度検知素子4近傍の雰囲気温度が高くなると、温度センサー8への輻射熱の影響の調整には限界が生じる。このため、温度センサー8の温度検知構成では、沸騰時間が長く、排出する蒸気量が多い、などの課題を有していた。
【0004】
本発明はこのような従来の課題を解決するものであり、安価な構成で、しかも容器の温度をより正確に検知することにより、沸騰時間が短く、排出する蒸気量の少ない使い勝手の良い電気湯沸かし器を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は、絶縁材で覆われた温度センサーの形状に沿う略U字形の横長の凹部を容器の略中央底面の感熱部に設けたものであり、絶縁材で覆われた温度センサーと容器の感熱部との接触面を最大限に大きくする。さらに、温度センサーと温度検知素子近傍を最大限遮蔽することにより、温度センサーへの輻射熱の影響を受けにくい構成とし、容器の温度をより正確に検知することができ、沸騰時間を短縮して排出する蒸気量を低減できる。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1記載の発明は、外装体内に設けた有底状の容器と、前記容器の発熱部に固着した加熱装置と、カバーに絶縁材を介して載置された温度センサーを設けた温度検知素子と、前記温度検知素子からの電気的信号で前記加熱装置への通電を制御する制御基板とを備えるとともに、前記絶縁材で覆われた前記温度センサーの形状に沿う略U字形の横長の凹部を前記容器の略中央底面の感熱部に設け、前記温度センサ−を前記凹部に押圧付勢する付勢部材で装着固定したもので、絶縁材で覆われた温度センサーと容器の感熱部との接触面を最大限に大きくすることで、容器の温度を正確に検知することができる。
【0007】
本発明の請求項2記載の発明は、外装体内に設けた有底状の容器と、前記容器の発熱部に固着した加熱装置と、カバーに絶縁材を介して載置された温度センサーを設けた温度検知素子と、前記温度検知素子からの電気的信号で前記加熱装置への通電を制御する制御基板とを備えるとともに、前記絶縁材で覆われた前記温度センサーおよび前記温度センサーリード部の形状に沿う略U字形の横長の凹部を前記容器の略中央底面の感熱部に設け、前記温度センサ−を前記凹部に押圧付勢する付勢部材で装着固定したもので、絶縁材で覆われた温度センサーおよび温度センサーリード部と容器の感熱部との接触面を最大限に大きくすることで、容器の温度をさらに正確に検知することができる。
【0008】
本発明の請求項3記載の発明は、カバーに突起部を設け、絶縁材で覆われた温度センサーリード部を感熱部の凹部に押圧付勢することにより、絶縁材で覆われた温度センサーと容器の感熱部との密着性を向上させ、容器の温度をより正確に検知することができる。
【0009】
本発明の請求項4記載の発明は、カバーに平面部を設け、容器の感熱部に設けた凹部周囲の平面部に近接させたもので、温度センサーと温度検知素子近傍を最大限遮蔽することにより、温度センサーへの輻射熱の影響を受けにくい構成とし、容器の温度をより正確に検知することができる。
【0010】
本発明の請求項5記載の発明は、カバーに溝部を設け、絶縁材で覆われた温度センサーと前記カバーとの隙間を設けたもので、空気層を形成することによりカバーから温度センサーへの熱伝導を防ぐことができ、容器の温度をより正確に検知することができる。
【0011】
本発明の請求項6記載の発明は、カバーに設けた遮蔽リブで温度センサーリード部とリード線を接続するカシメ部を絶縁するもので、部品点数を削減し安価に構成することができる。
【0012】
本発明の請求項7記載の発明は、絶縁材と温度センサーとの間に良熱伝導性の材料を充填することにより、絶縁材から温度センサーへの熱伝導性が向上し、容器の温度をより正確に検知することができる。
【0013】
本発明の請求項8記載の発明は、容器の感熱部に設けた凹部と絶縁材で覆われた温度センサーとの間に良熱伝導性の絶縁シートを設けることにより、絶縁材を薄くすることができ、容器の感熱部に設けた凹部の温度をより確実に温度センサーへ熱伝導でき、容器の温度を正確に検知することができる。
【0014】
本発明の請求項9記載の発明は、カバーに筒状の遮熱リブを設けたもので、温度センサーと温度検知素子近傍をさらに遮蔽することにより、温度センサーへの輻射熱の影響を受けにくい構成とし、容器の温度をより正確に検知することができる。
【0015】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図1〜図7を参照しながら説明する。
【0016】
(実施例1)
図1〜図3において、21は外装体22内に設けた有底状の容器で、容器21の底面の加熱部21aには加熱装置23を固定し、容器21の略中央底面の感熱部21bには温度検知素子24を載置している。25は温度検知素子24からの電気的信号で加熱装置23への通電を制御する制御基板である。温度検知素子2は、カバー29上部に絶縁材27を介して載置した温度センサー28で構成されている。容器21の略中央底面の感熱部21bに絶縁材27で覆われた温度センサー28および温度センサーリード部28aの形状に沿う略U字形の横長の凹部21bアを設け、温度検知素子24を容器21の略中央底面の凹部21bアに押圧付勢する付勢部材30で装着固定している。
【0017】
さらに、カバー29上部に設けた突起部29aで絶縁材27で覆われた温度センサーリード部28aを押圧付勢している。さらに、カバー29上部に設けた平面部29bを容器21の凹部21bア周囲の平面部21bイに近接させ、カバー29上部に設けた溝部29cで絶縁材27で覆われた温度センサー28とカバー29との隙間を設けている。
【0018】
上記構成において、容器21内に液体を収容し、通電を開始すると容器21の底面の加熱部21aに固定された加熱装置23が加熱され容器21内の液体が加熱されるとともに、容器21の略中央底面の感熱部21bに載置した温度検知素子24により所定の液温に制御される。
【0019】
ここで、第1の実施例については、絶縁材27で覆われた温度センサー28および温度センサーリード部28aと容器21の感熱部21bとの接触面を最大限に大きくするため、容器21の略中央底面の感熱部21bに絶縁材27で覆われた温度センサー28および温度センサーリード部28aの形状に沿う略U字形の横長の凹部21bアを設け、温度検知素子24を容器21の略中央底面の凹部21bアに押圧付勢することにより、容器21の温度変化に対する温度センサー28の追随性を向上でき、しかも容器21の温度と温度センサー28の検知温度を近似させることができる。
【0020】
さらに、カバー29に設けた突起部29aで絶縁材27で覆われた温度センサーリード部28aを容器21の感熱部21bに押圧付勢することにより、絶縁材27で覆われた温度センサー28と容器21の感熱部21bとの密着性を向上させ、容器21の温度をより正確に検知することができる。
【0021】
さらに、カバー29に設けた平面部29bを容器21の感熱部21bに設けた凹部21bア周囲の平面部21bイに近接させたもので、温度センサー28と温度検知素子24近傍を最大限遮蔽することにより、温度センサー28への輻射熱の影響を受けにくい構成とし、容器21の温度をより正確に検知することができる。
【0022】
さらに、カバー29に設けた溝部29cで絶縁材27で覆われた温度センサー28とカバー29との隙間を設けたもので、空気層を形成することによりカバー29から温度センサー28への熱伝導を防ぐことができ、容器21の温度をより正確に検知することができる。
【0023】
上記説明でわかるように、絶縁材27で覆われた温度センサー28と容器21の感熱部21bとの接触面を最大限に大きくし、さらに温度センサー28と温度検知素子24近傍を最大限遮蔽することにより、温度センサー28への輻射熱の影響を受けにくい構成とし、容器21の温度をより正確に検知することができ、沸騰時間を短縮して排出する蒸気量を低減できる。
【0024】
(実施例2)
次に、本発明の第2の実施例について説明する。実施例2の形態を示す図4では、カバー29に設けた遮蔽リブ29dで温度センサーリード部28aとリード線を接続するカシメ部28bを絶縁している。これにより、部品点数を削減し安価に構成することができる。
【0025】
(実施例3)
次に、本発明の第3の実施例について説明する。実施例3の形態を示す図5では、絶縁材27と温度センサー28との間に良熱伝導性の材料31を充填している。これにより、絶縁材27から温度センサー28への熱伝導性が向上し、容器21の温度をより正確に検知することができる。
【0026】
(実施例4)
次に、本発明の第4の実施例について説明する。実施例4の形態を示す図6では、容器21の略中央底面の感熱部21bに設けた凹部21bイと温度センサー28との間に良熱伝導性の絶縁シート32を設けている。これにより、絶縁材27を薄くすることができ、容器21の感熱部21bに設けた凹部21bイの温度をより確実に温度センサー28へ熱伝導でき,容器21の温度を正確に検知することができる。
【0027】
(実施例5)
次に、本発明の第5の実施例について説明する。実施例5の形態を示す図7では、カバー29に筒状の遮熱リブ29eを設けたものである。これにより、温度センサー28と温度検知素子24近傍をさらに遮蔽することにより、容器21外の温度要因を受けにくい構成とし、容器21の温度をより正確に検知することができる。
【0028】
上記した各実施例は、電気湯沸かし器に用いて説明したが、他の電気機器に用いてもよいものである。
【0029】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、容器の略中央底面の感熱部に絶縁材で覆われた温度センサーの形状に沿う略U字形の横長の凹部を設け、温度センサ−を容器の凹部に押圧付勢したもので、絶縁材で覆われた温度センサーと容器の感熱部との接触面を最大限に大きくすることで、容器の温度を正確に検知することができる。つまり、温度センサーへの輻射熱の影響を受けにくい構成とすることにより、容器の温度をより正確に検知することができ、沸騰時間を短縮して排出する蒸気量を低減できる。
【0030】
請求項2記載の発明によれば、容器の略中央底面の感熱部に絶縁材で覆われた温度センサーおよび温度センサーリード部の形状に沿う略U字形の横長の凹部を設け、温度センサ−を容器の凹部に押圧付勢したもので、絶縁材で覆われた温度センサーおよび温度センサーリード部と容器の感熱部との接触面を最大限に大きくすることで、容器の温度をさらに正確に検知することができる。
【0031】
請求項3記載の発明によれば、カバーに設けた突起部で絶縁材で覆われた温度センサーリード部を支持して、容器の感熱部に設けた凹部に押圧付勢することにより、絶縁材で覆われた温度センサーと容器の感熱部との密着性を向上させ、容器の温度をより正確に検知することができる。
【0032】
請求項4記載の発明によれば、カバーに設けた平面部を容器の感熱部に設けた凹部周囲の平面部に近接させたもので、温度センサーと温度検知素子近傍を最大限遮蔽することにより、温度センサーへの輻射熱の影響を受けにくい構成とし、容器の温度をより正確に検知することができる。
【0033】
請求項5記載の発明によれば、カバーに設けた溝部で絶縁材で覆われた温度センサーとカバーとの隙間を設けたもので、空気層を形成することにより、カバーから温度センサーへの熱伝導を防ぐことができ、容器の温度をより正確に検知することができる。
【0034】
請求項6記載の発明によれば、カバーに設けた遮蔽リブで温度センサーリード部とリード線を接続するカシメ部を絶縁するもので、部品点数を削減し安価に構成することができる。
【0035】
請求項7記載の発明によれば、絶縁材と温度センサーとの間に良熱伝導性の材料を充填することにより、絶縁材から温度センサーへの熱伝導性が向上し、容器の温度をより正確に検知することができる。
【0036】
請求項8記載の発明によれば、容器の感熱部に設けた凹部と絶縁材で覆われた温度センサーとの間に良熱伝導性の絶縁シートを設けることにより、絶縁材を薄くすることができ、容器の感熱部に設けた凹部の温度をより確実に温度センサーへ熱伝導でき、容器の温度を正確に検知することができる。
【0037】
請求項9記載の発明によれば、カバー筒状の遮熱リブを設けたもので、温度センサーと温度検知素子近傍をさらに遮蔽することにより、温度センサーへの輻射熱の影響を受けにくい構成とし、容器の温度をより正確に検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の第1の実施例の電気湯沸かし器の容器の感熱部の斜視図
(b)同、電気湯沸かし器の温度センサーの斜視図
(c)同、電気湯沸かし器の温度検知部のカバーの斜視図
【図2】本発明の第1の実施例を示す電気湯沸かし器の概略断面図
【図3】本発明の第1の実施例を示す要部断面図
【図4】本発明の第2の実施例を示す要部断面図
【図5】(a)本発明の第3の実施例の電気湯沸かし器の容器の感熱部の斜視図
(b)同、電気湯沸かし器の温度センサーの斜視図
(c)同、電気湯沸かし器の温度検知部のカバーの斜視図
【図6】(a)本発明の第4の実施例の電気湯沸かし器の容器の感熱部の斜視図
(b)同、電気湯沸かし器の温度センサーの斜視図
(c)同、電気湯沸かし器の温度検知部のカバーの斜視図
【図7】本発明の第5の実施例を示す温度検知部近傍の断面図
【図8】従来例を示す電気湯沸かし器の概略断面図
【図9】(a)従来の電気湯沸かし器の感熱板部分の斜視図
(b)同、電気湯沸かし器の温度センサーの斜視図
(c)同、電気湯沸かし器の温度検知部のカバーの斜視図
【符号の説明】
21 容器
21a 発熱部
21b 感熱部
21bア 凹部
21bイ 平面部
22 外装体
23 加熱装置
24 温度検知素子
25 制御基板
27 絶縁材
28 温度センサー
28a リード部
28b カシメ部
29 カバー
29a 突起部
29b 平面部
29c 溝部
29d 遮蔽リブ
29e 遮熱リブ
30 付勢部材
31 良熱伝導性の材料
32 良熱伝導性の絶縁シート
Claims (9)
- 外装体内に設けた有底状の容器と、前記容器の発熱部に固着した加熱装置と、カバーに絶縁材を介して載置された温度センサーを設けた温度検知素子と、前記温度検知素子からの電気的信号で前記加熱装置への通電を制御す制御基板とを備えるとともに、前記絶縁材で覆われた前記温度センサーの形状に沿う略U字形の横長の凹部を前記容器の略中央底面の感熱部に設け、前記温度センサ−を前記凹部に押圧付勢する付勢部材で装着固定した電気湯沸かし器。
- 外装体内に設けた有底状の容器と、前記容器の発熱部に固着した加熱装置と、カバーに絶縁材を介して載置された温度センサーを設けた温度検知素子と、前記温度検知素子からの電気的信号で前記加熱装置への通電を制御する制御基板とを備えるとともに、前記絶縁材で覆われた前記温度センサーおよび前記温度センサーリード部の形状に沿う略U字形の横長の凹部を前記容器の略中央底面の感熱部に設け、前記温度センサ−を前記凹部に押圧付勢する付勢部材で装着固定した電気湯沸かし器。
- カバーに突起部を設け、絶縁材で覆われた温度センサーリード部を感熱部の凹部に押圧付勢した請求項2記載の電気湯沸かし器。
- カバーに平面部を設け、容器の感熱部に設けた凹部周囲の平面部に近接させた請求項1または請求項2に記載の電気湯沸かし器。
- カバーに溝部を設け、絶縁材で覆われた温度センサーと前記カバーとの隙間を設けた請求項1または請求項2に記載の電気湯沸かし器。
- カバーに設けた遮蔽リブで温度センサーリード部とリード線を接続するカシメ部を絶縁する請求項1または請求項2に記載の電気湯沸かし器。
- 絶縁材と温度センサーとの間に良熱伝導性の材料を充填した請求項1または2に記載の電気湯沸かし器。
- 容器の感熱部に設けた凹部と絶縁材で覆われた温度センサーとの間に良熱伝導性の絶縁シートを設けた請求項1または請求項2に記載の電気湯沸かし器。
- カバーに筒状の遮熱リブを設けた請求項1または請求項2に記載の電気湯沸かし器。
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- 1998-04-08 JP JP09567098A patent/JP3626850B2/ja not_active Expired - Fee Related
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