JP3626750B1 - 側溝ブロック - Google Patents
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Abstract
【解決手段】境界Cに沿って埋設されるとともに境界Cに沿う長手方向に長溝2が形成された側溝ブロック本体1の上に、境界ブロック10が境界Cに沿って取付けられる側溝ブロックである。側溝ブロック本体1はその上面における長溝2の片方側が境界ブロック取付面5となっていて、境界ブロック取付面5にはその取付面5の幅方向長さよりも短い長さの凸状をした位置決め部6が前記長手方向に離隔して2つ設けられ、境界ブロック10はその下面に前記位置決め部6に係合する凹状をした被位置決め部12が位置決め部6に対応する位置に対応する形状および大きさで設けられている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば車道と歩道との境界に沿って配置される側溝ブロックに関する。
【0002】
【従来の技術】
上述した側溝ブロックとしては、境界に沿って埋設されるとともに境界に沿う長手方向に長溝が形成された側溝ブロック本体の上に、境界ブロックが境界に沿って取付けられる構成のものが知られている(例えば、非特許文献1、特許文献1等を参照)。
【0003】
図3は非特許文献1に係る側溝ブロックを示す分解斜視図であり、図4は図3の側溝ブロックの組立て状態を示す正面図である。
【0004】
この側溝ブロックは、側溝ブロック本体100の上面に平坦な境界ブロック取付面101が形成され、その境界ブロック取付面101の上に、下面が平面な境界ブロック102を載せ、境界ブロック取付面101に埋設した埋め込みナット103に、境界ブロック102の上方から下側へ貫通するように設けた貫通孔104を介して図示しないボルトの先端部を螺入することで側溝ブロック本体100に境界ブロック102が取付けられている。なお、図4中のAは車道と歩道との境界であり、Aの左側が車道、Aの右側が歩道である。
【0005】
図5は特許文献1に係る側溝ブロックを示す分解斜視図であり、図6は図5の側溝ブロックの組立て状態を示す正面図である。
【0006】
この側溝ブロックは、側溝ブロック本体110の上面に凸条111aを有する境界ブロック取付面111が形成され、その境界ブロック取付面111の上に、下面に凹溝112aを有する境界ブロック112を、凸条111aが凹溝112aに入りかつ接触するように載せ、境界ブロック取付面111に埋設した埋め込みナット113に、境界ブロック112の上方から下側へ貫通するように設けた貫通孔114を介して図示しないボルトの先端部を螺入することで側溝ブロック本体110に境界ブロック112が取付けられている。なお、図6中のBは車道と歩道との境界であり、Bの左側が車道、Bの右側が歩道である。
【0007】
【非特許文献1】
ソイル工業株式会社 「特殊円型水路」 CANo.130710C p.2
【特許文献1】
特開2003―27577号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した境界ブロックの製造は、その製造に用いる枠に、境界ブロック下面(側溝ブロック本体の境界ブロック取付面の上に載置される面)から素材としてのコンクリートを投入し、そのコンクリート投入面をコテにより平坦に仕上げることで行われる。
【0009】
このようにして製造される境界ブロックに関しては、非特許文献1の場合、境界ブロック102の下面(ハッチング部分)が平坦であるので、枠の境界ブロック102下面に相当する部分、つまり枠のコンクリート投入面に、コンクリート投入に際して邪魔になる部材が無いため製造し易い反面、コンクリート投入面が広いためにコテ仕上げに伴う凹凸により、境界ブロック取付面101との間での接合精度に悪影響を受けるので、コンクリート投入面(境界ブロック102下面)と境界ブロック取付面101との間に敷きモルタル105が必要になるという課題がある。また、コンクリート投入面(境界ブロック102下面)と境界ブロック取付面101とが平坦に形成されているので、両者の位置合わせが難しいという難点もある。
【0010】
一方、特許文献1の場合には、枠の製造誤差を考慮して、境界ブロック取付面111に設ける凸条111aに対し、境界ブロック112に設ける凹溝112aを、例えば1〜2mm程度大きく設計するため、凸条111aの高さ寸法が凹溝112aの深さ寸法よりも大きくなる。これにより境界ブロック取付面111の上に、凸条111aが凹溝112aに入りかつ接触するように境界ブロック112を載せると、コテ仕上げされたコンクリート投入面(境界ブロック112下面)と境界ブロック取付面111との間に隙間Sが発生するので、コンクリート投入面(境界ブロック112下面)と境界ブロック取付面111との間での接合精度が向上して敷きモルタルを不要にできる。その反面、境界ブロック112を製造する際に、境界ブロック112下面に凹溝112aを形成するための凹溝形成用型部材を型枠のコンクリート投入面に設ける必要があり、その凹溝形成用型部材により型枠のコンクリート投入面(ハッチング部分)が幅方向に二分されるようになるため、コンクリート投入が困難となり製造し難くなるという難点がある。
【0011】
本発明は、このような従来技術の課題を解決するためになされたもので、位置合わせを簡単に行うことができ、しかも境界ブロックを容易に製造することができる側溝ブロックを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の側溝ブロックは、境界に沿って埋設されるとともに境界に沿う長手方向に長溝が形成された側溝ブロック本体の上に、境界ブロックが境界に沿って取付けられる側溝ブロックであって、側溝ブロック本体はその上面における長溝の片方側が境界ブロック取付面となっていて、該境界ブロック取付面には、取付面の幅方向に長い平面視長方形状で、その長さが取付面の幅方向長さよりも短い凹状または凸状をした位置決め部が前記長手方向に離隔して2以上設けられ、境界ブロックはその下面に前記位置決め部に係合する凸状または凹状をした被位置決め部が該位置決め部に対応する位置に対応する形状および大きさで設けられており、前記位置決め部における長溝側の端面と前記被位置決め部における長溝側の端面とが共に、側溝ブロック本体上に境界ブロックを取付けた状態で外部に露出するように構成されていることを特徴とする。
【0013】
この側溝ブロックによる場合には、側溝ブロック本体に位置決め部が境界に沿う長手方向に離隔して2以上設けられ、境界ブロックの下面に被位置決め部が位置決め部との位置と形状および大きさとを対応させて設けられているので、位置決め部と被位置決め部とを合わせることで、側溝ブロック本体と境界ブロックとを、境界に沿った方向において容易に位置合わせすることが可能になる。加えて、位置決め部の端に被位置決め部の端を当てると、境界に沿った方向とはほぼ直交する方向において容易に位置合わせすることが可能になる。また、境界ブロック用の枠のコンクリート投入面には、被位置決め部を形成するための形成部材が設けられるが、その形成部材がコンクリート投入面の長手方向に離隔されて配設されるので、前記形成部材の隣り合うものどうしのうち、実質的にコンクリートを投入することに用いる箇所を適長離隔した位置関係に調整することで、特許文献1のように幅方向に分割されるよりもコンクリートを投入する面を広くすることができ、境界ブロックを容易に製造することができる。
【0015】
さらに、側溝ブロック本体上に境界ブロックを取付けた状態で、位置決め部および被位置決め部の各長溝側の端面が外部に露出するので、両端面の境界に沿った方向とはほぼ直交する方向における相対的な位置関係が所定状態になっているか否かを、目視により確認することが可能になる。
【0016】
【実施の形態】
以下、本発明の実施形態を具体的に説明する。
【0017】
図1は本実施形態に係る側溝ブロックを示す分解斜視図であり、図2は側溝ブロックの組立て状態を示す正面図である。なお、図2中のCは車道と歩道との境界であり、Cの左側が車道、Cの右側が歩道である。
【0018】
この側溝ブロックは、境界Cに沿って埋設されるコンクリート製の側溝ブロック本体1と、側溝ブロック本体1の上に境界Cに沿って取付けられるコンクリート製の境界ブロック10とを有する。
【0019】
側溝ブロック本体1は、外形が概略四角柱状に形成されたもので、内部には境界Cに沿う長手方向に形成された長溝2を有する。この長溝2は、上面に開口3が形成されたものであり、開口3は車道に溜まった雨水等を長溝2に案内する。長溝2の長手方向両端にも開口4が設けられているが、側溝ブロック本体1を長手方向に連結することで両端の開口4は連通連結される。長溝2の断面形状は、本実施形態ではほぼ円形としているが、本発明はこれに限らず、矩形状、三角形状、或いは他の任意の形状としてもよい。
【0020】
側溝ブロック本体1の上面には、開口3の右側に境界ブロック取付面5が設けられている。この境界ブロック取付面5には、凸状をした位置決め部6が長手方向に長さL1だけ離隔して2つ設けられている。各位置決め部6は、境界ブロック取付面5の幅方向長さL2よりも短い長さL3であって、幅W3がL3よりも短く、平面視で長方形状に形成されており、各位置決め部6の側面のうち、開口3側の側面(端面)6aは、境界Cの目印となるもので、境界ブロック取付面5の左端と一致する状態で垂直に形成されている。側面(端面)6aを除く他の側面6bは傾斜面となっている。また、各位置決め部6の2箇所には、ナット7がそれぞれ埋め込まれている。
【0021】
かかる側溝ブロック本体1の製造は、上下を逆にした枠にコンクリートを投入することで行われる。換言すると、枠は、側溝ブロック本体1の下面に相当する部分がコンクリート投入面として用いられる。
【0022】
境界ブロック10は、上記境界ブロック取付面5の上に取付けられるもので、概略四角柱状に形成されていて、側溝ブロック本体1の長さと同じ長さとなっている。境界ブロック10の下面11には、前記位置決め部6に係合する凹状をした被位置決め部12が、境界ブロック10の長手方向に長さL1だけ離隔しかつ位置決め部6に対応する位置に2つ設けられている。ここで、対応する位置とは、側溝ブロック本体1の前面をD1、境界ブロック10の前面をD2とし、かつ前面D1から前面D1に近い方の位置決め部6までの距離をL4としたとき、前面D2から前面D2に近い方の被位置決め部12までの距離が同じL4となっている。
【0023】
また、各被位置決め部12は位置決め部6と同じ形状、つまり底面側から見て境界ブロック10の長手方向に短い長方形状に形成されており、各被位置決め部12の開口3側に配置される端面12a側はその端面12aから壁が無い状態で上方に窪んでいて、端面12aを除く他の側面12bは傾斜面(位置決め部6の側面と同じ角度)となっている。
【0024】
更に、各被位置決め部12は位置決め部6と同じ大きさになっている。具体的には、各被位置決め部12の長さL5は位置決め部6の長さL3にほぼ等しく(但し、L5―L3=1〜2mm)、各被位置決め部12の幅W4は位置決め部6の幅W3にほぼ等しく(但し、W4―W3=2〜4mm)、各被位置決め部12の深さH4は位置決め部6の高さH3にほぼ等しく(但し、H3―H4=1〜2mm)なっている。なお、上述した( )内の寸法差は、枠の製造誤差を考慮したものである。
【0025】
また、境界ブロック10には、前記ナット7に螺入するボルト(図示せず)を挿入するための貫通孔13が設けられている。これら貫通孔13は、ナット7に対応する位置に設けられており、上下方向に貫通している。
【0026】
次に、側溝ブロック本体1および境界ブロック10の取付け内容について説明する。
【0027】
まず、道路と歩道との境界Cに沿って側溝ブロック本体1を埋設する。このとき、側溝ブロック本体1の側面(端面)6aを境界Cと一致させるとともに、境界ブロック取付面5を歩道側とする。
【0028】
次に、境界ブロック取付面5の上に境界ブロック10を載せる。このとき、凹状の被位置決め部12に凸状の位置決め部6が入るように係合させると、境界ブロック10の側溝ブロック本体1に対する長手方向位置が自ずと位置決めされる。また、位置決め部6の開口3とは反対側の側面6bと、被位置決め部12の端面12aとは反対側の側面12bとが、当接するように境界ブロック10をスライドさせると、境界ブロック10の側溝ブロック本体1に対する幅方向位置が自ずと位置決めされる。この幅方向の位置決めは、境界ブロック取付面5の上に境界ブロック10を載せた状態で、被位置決め部12における壁が無い状態で上方に窪んでいる前面12aと、位置決め部6における境界Cの目印となる側面6aとが外部に露出しており、かつ被位置決め部12の長さL5が位置決め部6の長さL3にほぼ等しくなっているので、前面12aと側面6aとが一致していることを目視により確認できる。更に、このようにして位置決めが行われると、貫通孔13とナット7とが一致する。
【0029】
次に、貫通孔13に図示しないボルトを上から挿入し、ナット7に螺入することで、境界ブロック10が側溝ブロック本体1の境界ブロック取付面5に取付けられる。
【0030】
したがって、本実施形態の側溝ブロックによる場合には、側溝ブロック本体1に位置決め部6が境界Cに沿う長手方向に離隔して2つ設けられ、境界ブロック10の下面に被位置決め部12が位置決め部6との位置と形状および大きさとを対応させて設けられているので、位置決め部6と被位置決め部12とを合わせることで、側溝ブロック本体1と境界ブロック10とを、境界Cに沿った長手方向において容易に位置合わせすることが可能になる。加えて、位置決め部6の側面(端面)6aと反対側の端面6bに、被位置決め部12の端面12aと反対側の端面12bを当てると、境界Cに沿った方向とはほぼ直交する幅方向において容易に位置合わせすることが可能になる。また、境界ブロック10用の枠のコンクリート投入面には、被位置決め部を形成するための形成部材が設けられるが、その形成部材がコンクリート投入面(図1にハッチングで表す)の長手方向に離隔されて配設されるので、前記形成部材の隣り合うものどうしのうち、実質的にコンクリートを投入することに用いる箇所の距離L1を適長離隔した位置関係に調整することで、特許文献1のように幅方向に分割されるよりもコンクリートを投入する面を広くすることができ、境界ブロックを容易に製造することができる。
【0031】
また、本実施形態においては、側溝ブロック本体1上に境界ブロック10を取付けた状態で、位置決め部6および被位置決め部12の各長溝3側の端面6aと12aが外部に露出するので、両端面6a、12aの境界Cに沿った長手方向とはほぼ直交する幅方向における相対的な位置関係が一致した状態になっているか否かを、目視により確認することが可能になる。
【0032】
なお、上述した実施形態においては位置決め部を側溝ブロック本体に2つ設けるとともに、被位置決め部を境界ブロックに2つ設ける構成としているが、本発明はこれに限らず、位置決め部を側溝ブロック本体に3以上設けるとともに、被位置決め部を境界ブロックに位置決め部と同数設ける構成としてもよい。
【0033】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1の発明によれば、側溝ブロック本体に位置決め部が境界に沿う長手方向に離隔して2以上設けられ、境界ブロックの下面に被位置決め部が位置決め部との位置と形状および大きさとを対応させて設けられているので、位置決め部と被位置決め部とを合わせることで、側溝ブロック本体と境界ブロックとを、境界に沿った方向において容易に位置合わせすることが可能になる。加えて、位置決め部の端に被位置決め部の端を当てると、境界に沿った方向とはほぼ直交する方向において容易に位置合わせすることが可能になる。また、境界ブロックを製造する際に、境界ブロック用の型枠のコンクリート投入面には、被位置決め部を形成するための型部材が設けられるが、その型部材がコンクリート投入面の長手方向に離隔されて配設されるので、前記型部材の隣り合うものどうしのうち、実質的にコンクリートを投入することに用いる箇所を適長離隔した位置関係に調整することで、特許文献1のように幅方向に分割されるよりもコンクリートを投入する面を広くすることができ、境界ブロックを容易に製造することができる。
【0034】
さらに、側溝ブロック本体上に境界ブロックを取付けた状態で、位置決め部および被位置決め部の各長溝側の端面が外部に露出するので、両端面の境界に沿った方向とはほぼ直交する方向における相対的な位置関係が所定状態になっているか否かを、目視により確認することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る側溝ブロックを示す分解斜視図である。
【図2】図1の側溝ブロックの組立て状態を示す正面図である。
【図3】非特許文献1に係る側溝ブロックを示す分解斜視図である。
【図4】図3の側溝ブロックの組立て状態を示す正面図である。
【図5】特許文献1に係る側溝ブロックを示す分解斜視図である。
【図6】図5の側溝ブロックの組立て状態を示す正面図である。
【符号の説明】
C 境界
1 側溝ブロック本体
2 長溝
5 境界ブロック取付面
6 位置決め部
6a 側面(端面)
10 境界ブロック
12 被位置決め部
12a 端面
Claims (1)
- 境界に沿って埋設されるとともに境界に沿う長手方向に長溝が形成された側溝ブロック本体の上に、境界ブロックが境界に沿って取付けられる側溝ブロックであって、
側溝ブロック本体はその上面における長溝の片方側が境界ブロック取付面となっていて、該境界ブロック取付面には、取付面の幅方向に長い平面視長方形状で、その長さが取付面の幅方向長さよりも短い凹状または凸状をした位置決め部が前記長手方向に離隔して2以上設けられ、
境界ブロックはその下面に前記位置決め部に係合する凸状または凹状をした被位置決め部が該位置決め部に対応する位置に対応する形状および大きさで設けられており、
前記位置決め部における長溝側の端面と前記被位置決め部における長溝側の端面とが共に、側溝ブロック本体上に境界ブロックを取付けた状態で外部に露出するように構成されていることを特徴とする側溝ブロック。
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