JP3626408B2 - ヤットコ - Google Patents

ヤットコ Download PDF

Info

Publication number
JP3626408B2
JP3626408B2 JP2000358359A JP2000358359A JP3626408B2 JP 3626408 B2 JP3626408 B2 JP 3626408B2 JP 2000358359 A JP2000358359 A JP 2000358359A JP 2000358359 A JP2000358359 A JP 2000358359A JP 3626408 B2 JP3626408 B2 JP 3626408B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
yatco
pile body
bolt
turntable
fixing means
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000358359A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002161535A (ja
Inventor
満治 福留
Original Assignee
東海コンクリート工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 東海コンクリート工業株式会社 filed Critical 東海コンクリート工業株式会社
Priority to JP2000358359A priority Critical patent/JP3626408B2/ja
Publication of JP2002161535A publication Critical patent/JP2002161535A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3626408B2 publication Critical patent/JP3626408B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Placing Or Removing Of Piles Or Sheet Piles, Or Accessories Thereof (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヤットコに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図19及び図20には、実開平2−120528号に開示されているヤットコ100を示した。このヤットコ100は、略円筒状に形成されており、杭体101の上端面に杭体101と同心状に取り付けられて、杭体101と共に土中に埋設される。そして、ヤットコ100の上端部の付近まで埋設作業が進行すると、その状態で、ストッパ103によって台木102を係止させて、ヤットコ100及び杭体101が土中に沈み込まないように支持させておく。適当な時間が経過すると、杭体101が周囲の土によって保持されるので、ストッパ103と台木102とを取り外し、ヤットコ100のみを杭体101から取り外し、地上に取り出す。
【0003】
ここで、ヤットコ100と杭体101とは、四本の長軸ボルト104によって固定されている。杭体101の埋設作業が完了すると、ヤットコ100の上端部近くまで埋設されるため、長軸ボルト104の長さは、ヤットコ100の長さとほぼ同等でなければならない。このため、長軸ボルト104には強度と長さとが必要となり、高価なものとなっていた。また、長軸ボルト104は、1メートル〜数メートルの長さとなるため、取り外し操作に手間が掛かっていた。さらに、長軸ボルト104は、ヤットコ100の外面に露出した状態であるため、杭体101の埋設作業中や現場において、他のものに当たって変形してしまうこともあった。
【0004】
このような問題点を解決するために開発されたものを図21〜図26に示した(実開平4−119831号)。ヤットコ110の下端部には、図21に示すように、L字状の係合部113が設けられている。一方、杭体112の上端部には、係合部113によって係合可能な受け部114(ボルトとナット)が突設されている。両部113,114を係合させると、図22に示すように、ヤットコ110は杭体112の軸方向に対して抜け止めされた状態となる。
また、ヤットコ110の上端部には、図23に示すように、中心を挟んで対向する位置に一対の凹部115を設けたフランジ部116が設けられている。この上端部には、キャップ状の取り外し治具111が被せ付けられるようになっている。取り外し治具111の内部には、図24に示すように、凹部115に嵌まり込む一対の突部117が設けられている。
ヤットコ110を杭体112の上面に取り付けた状態で、杭体112の埋設作業を行い、その後にヤットコ110の上面側に取り外し治具111を被せ付け、係合部113が受け部114から外れる方向に取り外し治具111を回転させることにより、係合部113と受け部114との係合を解除させて、ヤットコ110を地上に取り出す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の取り外し治具111を回転させるには、図示しない打設機を使用しなければならない。この打設機は、杭体112の埋設作業の現場において、杭体112の内部に進入するスクリューを回転させるために使用されているものである。通常の作業現場では、杭体112は、例えば数十本以上の多数のものを埋設する必要がある。一方、打設機は大型のものであるため、複数の打設機を作業現場に並置させるのではなく、一台のものを杭体101の埋設場所に移動しながら作業を進行させることが多い。つまり、一本の杭体101を埋設したら、ヤットコ110を台木とストッパとによって地上に係止させておき、その間に打設機は別の杭体101の埋設作業を行うという手順で、順々に埋設作業が進行して行く。
【0006】
ところが、取り外し治具111でヤットコ110を取り外すためには、いったん別の杭体101の埋設場所に移動させた打設機を再度、地上に取り出すヤットコ110の場所に移動させねばならず、大型の打設機が作業現場内をあちらこちらに移動することとなり、効率的な作業を行い難い。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的はヤットコを地上に取り出す際に、長軸ボルトや大型の打設機を必要とすることなく、作業性を向上させることが可能なヤットコを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために請求項1の発明に係るヤットコは、土中に埋設される杭体の上端部分に固定可能な固定手段と、前記固定手段を取り外し可能な解除手段とを設けたものであって、前記固定手段は、前記ヤットコの本体部に対して回動可能に組み付けられた回動盤と、この回動盤を回動させる解除部と、上端から操作することにより前記解除部を操作可能な操作部とから構成され、前記回動盤を前記操作部の操作により前記杭体の上端に係合する係合位置から前記杭体の上端に着脱可能な着脱可能位置まで回動させることにより、前記固定手段を前記杭体から取り外し可能としたことを特徴とする。
操作部とは、必ずしも直接的な接触によって回動盤を係合位置から着脱位置に回動させるものだけでなく、例えば解除部としてピストンを備えたものを用意しておき、上端からリモコン操作によってそのピストンを駆動させて回動盤を回動させるものであってもよい。
請求項2の発明に係るヤットコは、土中に埋設される杭体の上端部分に固定可能な固定手段と、前記固定手段を取り外し可能な解除手段とを設けたものであって、前記解除手段は、このヤットコの上端側からヤットコの軸方向に沿って操作することによって、前記固定手段を前記杭体から取り外し可能としたことを特徴とする。
解除手段の操作方向としては、ヤットコの軸方向に沿って牽引する場合の他に、軸方向に沿って押圧する場合も含む。但し、押圧する場合には、硬質な棒状体やピストン等の高価或いは複雑な構成を必要とするのに比べ、牽引する場合には、例えば鎖体のように、引張力を伝達可能なものを備えればよいので、安価かつ簡易な構成で済むのでより良好な手段となる。また、牽引する場合には、ヤットコを地上に取り出す操作と、固定手段の取り外し操作とを兼ねる構成とすることが可能であるので、より良好な手段とできる。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2に記載のものであって、前記固定手段は、前記ヤットコの本体部に対して回動可能に組み付けられた回動盤と、この回動盤を回動させる解除部と、前記ヤットコの上端側から前記ヤットコの軸方向に沿って操作することにより前記解除部を操作可能な操作部とから構成され、前記回動盤には、前記杭体の上面から突設されたボルトの頭部を遊挿可能な遊挿溝とこの遊挿溝から回動盤の径方向に連接されると共に前記ボルトの頭部よりも小径な係合溝とが設けられた連接溝が設けられており、前記回動盤は、前記ボルトの頭部が前記遊挿溝に位置する着脱可能位置と前記ボルトの頭部が前記係合溝に係合する係合位置との間を回動可能とされている一方、前記操作部を操作することにより、前記解除部が前記係合位置にある前記回動盤を前記着脱可能位置に至るまで回動させることを特徴とする。
【0009】
【発明の作用、および発明の効果】
請求項1の発明によれば、上端から操作手段を操作することにより、解除手段によって回動盤を着脱位置の方向に回動させられるので、従来のように大型の回転式打設機を必要としない。このため、従来のように固定用ボルトを人手を介して取り外したり、大型の回転式打設機で取り外し治具を径方向に回転させる手間がなく、ヤットコの取り外しの操作性が向上する。
請求項2の発明によれば、解除手段をヤットコの軸方向に沿って操作することにより固定手段の固定が外れて、ヤットコと杭体とが分離できる。このため、従来のように固定用ボルトを人手を介して取り外したり、大型の回転式打設機で取り外し治具を径方向に回転させる手間がなく、取り外しの操作性が向上する。
【0010】
請求項3の発明によれば、ヤットコと杭体とを固定するには、杭体の上面から突設されたボルトの頭部を回動盤の遊挿溝に挿入しておき、回動盤を係合位置に回動させる。すると、ボルトの頭部が係合溝に係合して、ヤットコと杭体とが固定される。
また、ヤットコを杭体から取り外すには、操作部をヤットコの軸方向に沿って操作する。すると、解除部が回動盤を係合位置から着脱可能位置に回動させて、ボルトの頭部が連接溝の遊挿溝に位置するので、ここでヤットコを上側に引っ張ることにより、ヤットコを杭体から分離させることができる。
ボルトは、杭体の上面に突設させておけばよいので、従来のように長軸ボルトを使用する必要がない。このため、特殊な材質の高価な長軸ボルトが不要となる。また、短軸の安価なボルトを使用できるので、そのボルトを再使用することなく、杭体の上面に取り付けたまま土中に残しておいてたとしても、従来のヤットコに比べるとコストを低下させることが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
<第1実施形態>
次に、図1〜図14を参照しつつ、本発明の第1実施形態について詳細に説明する。本実施形態のヤットコ1は、杭体2の上端面に取り付けられた状態で、土中に埋設されるものである。杭体2は、コンクリートによって上下に開放する円筒状に形成されており、両端面に鋼製の端面金具が設けられている(なお、本発明は、コンクリート製の杭体の外周面が鋼管で覆われたコンクリートと鋼管の複合杭体に対しても応用できることはもちろんである。)その杭体2の上端面には、図1に示すように、四本のボルト3が同心円状に均等に配置されている。ボルト3の頭部3Aは、六角形状とされており、その下方の軸部3Bよりも大径とされている。
【0012】
次に、図2〜図4を参照しつつ、ヤットコ1の構成について詳細に説明する(なお、図2等には、ヤットコ1において、本発明の要部のみを示し、ヤットコ1の全体図は図13に示した。)。ヤットコ1は、図2に示すように、杭体2とほぼ同径を備えた略円筒状に形成されている。ヤットコ1には、略円筒状の本体部4と、この本体部4の下端部付近に取り付けられた回動盤5と、この回動盤5を回動させる解除部6と、この解除部6の先端に取り付けられる鎖体7とが設けられている。本体部4には、杭体2の筒孔2Aの径とほぼ同径の筒孔8Aを備えた筒部8と、この筒部8の上下端部において径方向外側に張り出す一対のフランジ部9,10とが設けられている。このうち、上側のフランジ部9には、上下方向に貫通するボルト孔11と鎖遊挿孔33とが周方向に沿って適当に配置されている。
【0013】
このうち、ボルト孔11は、ヤットコ1の上面側に他の筒状体12を接続するために使用される。つまり、埋設工事の際には、その杭体2の上端面をどの程度の深さまで土中に埋設するかが決定されており、その深さに合わせてヤットコ1の長さを決定する必要がある。杭体2の上端面の位置としては、土中に埋設する場合には、土中約1メートル程度まで埋設するのが最も浅い深さであり、それ以上の深さ(例えば、2メートル〜4メートル)となることもある。このため、ヤットコ1の長さは、最低限必要となる長さに合わせて、約1メートルとされており、それ以上の長さが必要な場合には、他の筒状体12(図13又は図14を参照)をヤットコ1の上端面に接続することにより、土中の深さを稼ぐようにしている。このようにすれば、杭体2の上端面に接続されるヤットコ1は一種類で済むのである。また、鎖遊挿孔33は、従来は長軸ボルト104を遊挿するために用いられていたものであり、本実施形態においては、後述する鎖体7を上下方向に遊挿するために使用される。
【0014】
また、下側のフランジ部10には、図3に示すように、同様に上下方向に貫通する四個の遊挿孔13が周方向に沿って均等に設けられている。各遊挿孔13は、周方向に沿って長径の長円状に形成されている。また、各遊挿孔13の内径は、ボルト3の頭部3Aの外径よりも大きく形成されており、頭部3Aが遊挿可能とされている。
また、上側フランジ部9の下面において、中心を挟んで対向する位置には、一対の取付片14が設けられている。各取付片14は、上側フランジ部9の外縁とほぼ同じ位置まで突設されていると共に、筒部8の外周面に沿って下側フランジ部10の方向に向かって延設されている。各取付片14には、上下方向に沿って均等間隔でストッパ取付孔15が開放されている。このストッパ取付孔15には、杭体2の土中への埋設作業が完了した後にヤットコ1を取り外すまでの間に、ストッパ(図示せず)が取り付けられることにより、ヤットコ1及び杭体2を所定の深さ位置に保持する。
【0015】
取付片14の下端縁14Aと下側フランジ部10との間には、所定の間隔が設けられており、ここには回動盤5が取り付けられている。回動盤5は、図4に示すように、略ドーナツ形状に形成されている。回動盤5の内径は、本体部4の外径よりも僅かに大きく、かつ回動盤5の外径は、上下のフランジ部9,10の外径とほぼ同等とされており、回動盤5は本体部4に対して回動可能に組み付けられている。この回動盤5には、周方向に沿って四個の連接溝16が均等間隔に設けられている。
【0016】
各連接溝16は、回動盤5を上下方向に貫通しており、より大径の遊挿溝17と、より小径の係合溝18とが周方向に連接されて状態とされている。遊挿溝17は、下側フランジ部10に設けられた遊挿孔13とほぼ同形状に形成されており、ボルト3の頭部3Aよりも大径とされている。一方、係合溝18は、遊挿溝17から回動盤5の周方向に沿って連接されている。また係合溝18の幅は、ボルト3の軸部3Bの外径よりも大きく、かつ頭部3Aの外径よりも小さく形成されており、係合溝18の側縁にボルト3の頭部3Aが係合可能とされている。また、係合溝18の両側縁には、遊挿溝17に連接する側から遠ざかる側に向かって案内面18Aが設けられており、ボルト3の頭部3Aを円滑に案内するようになっている。
【0017】
また、遊挿溝17において、係合溝18が設けられている方向とは逆側の縁部には、遊挿溝17の溝縁にそって、規制縁部19が突設されている。この引っ掛かり規制縁部19の上端縁は、ヤットコ1が杭体2の上面に載置されたときに、ボルト3の頭部3Aよりも高い位置となるように突設されている。ヤットコ1を杭体2から取り外すときに、ボルト3の頭部3Aが引っ掛かり規制縁部19の内側に当接することによって、頭部3Aが遊挿溝17の外縁に引っ掛かることを規制し、ヤットコ1の円滑な取り外し作業を可能としている。
【0018】
また、回動盤5の上面側には、引っ掛かり規制縁部19に隣接して(より正確には、引っ掛かり規制縁部19が設けられている遊挿溝17において、係合溝18が連接されている側とは逆側に隣接して)、押し込み壁20が突設されている。この押し込み壁20は後述する解除部6の作用端部21が押圧することで、回動盤5を回動させる(詳細については、後述する)。
【0019】
次に、回動盤5を回動させる解除部6の構成について説明する。筒部8の外面において、一対の取付片14の中間部分には、下端部付近に一対のストッパ突部22が突設されている(なお、図2等には、一つのストッパ突部22のみを示すが、逆の面側にも同一の構成が設けられている。)。図2において、ストッパ突部22の左側方には、軸部23が突設されている。この軸部23を回動中心として、解除部6が回動可能に取り付けられている。解除部6は、長腕24と短腕25とが互いの一方側の端部で接続された略L字状に形成されている。長腕24先端の引っ張り端部27には、鎖体7(本発明における操作部に該当する)が取付けられている。一方、短腕25の先端側が前述の作用端部21とされている。また、両腕24,25の接続部分において、L字状の内側部分には、軸受部26が設けられており、その軸受部26が軸部23に対して回動可能に取り付けられている。鎖体7が上方に引っ張られていないときには、解除部6は、回動中心である軸部23に対して、長腕24の引っ張り端部27が下方に位置するようになっており、図2に示すように、長腕24のほぼ中央部分がストッパ突部22に当接することにより、位置決めがなされている。また、ストッパ突部22の下方には、回動盤ストッパ32が突設されている。この回動盤ストッパ32は、回動盤5の押し込み壁20に当接可能な位置に設けられている。
【0020】
また、筒部8の外面において、鎖体7の上方には、コ字状の補助部28が溶着されており、その補助部28と本体部4の外面とで形成される空間内に鎖体7が遊挿されている。この補助部28は、筒部8の周方向に沿って四個のものが均等に、同じ高さ位置に配置されている。正確には、この補助部28は、従来例において長軸ボルト104を遊挿させて、位置決め及び保護のために使用していたものをそのまま使用したものであり、本実施例のヤットコ1において新たに設けた構成ではない。このため、従来の構成をそのまま有効に利用しつつ、ヤットコ1に加える変更が最小限で済むようにしている。なお、本実施形態において、補助部28と鎖遊挿孔33と遊挿孔部13とは、従来には長軸ボルト104を遊挿するために使用されていたものであり、本体部4の軸方向に沿って同一直線状に配置されている。
【0021】
次に上記のように構成された本実施形態の作用および効果について、図5〜図14を参照しつつ、詳細に説明する。
まず、ヤットコ1において、回動盤5を適当に回動させておき、下側フランジ部10の遊挿孔13と回動盤5の遊挿溝17との位置を整合させた着脱可能位置としておく。一方、ボルト3を弛める方向(杭体2の上面から飛び出す方向)に適当に回動させ、回動盤5の上面位置よりもボルト3の頭部3Aの位置を高くしておき、回動盤5が円滑に回動できるようにしておく。そして、ヤットコ1を杭体2の上面側に載置しながら、杭体2の上面から突設されたボルト3の頭部3Aを、遊挿孔13と遊挿溝17とに挿入する。すると、四本のボルト3が下側フランジ10と回動盤5とを貫通した状態で、ヤットコ1が杭体2の上面に載置される(図5〜図7を参照)。
【0022】
次に、回動盤5を図5〜図7中の矢印R方向に回動させて、図8〜図10に示すように、ボルト3の軸部3Bが係合溝18に嵌まり込むようにする。回動盤5を所定の位置まで回動させたところで、ボルト3を締める方向(杭体2の上面に埋設する方向)に適度に回動させる。すると、頭部3Aと係合溝18の両側縁との間の摩擦力によって、適度な接圧で回動盤5の回動が規制された係合位置となる(なお、上記の説明は、四本のボルト3頭部3Aの位置が、回動盤5上面の位置よりも高い位置まで弛められていた場合のものである。ところで、ボルト3の弛め・締め操作を行う場合には、なるべく回転数を減らそうとするのが操作性が良好となる。そこで、ボルト3頭部3Aの位置を回動盤5上面の位置よりも僅かに(ぎりぎりに)高くなるように設定しておくことが考えられる。そのような場合には、回動盤5の回動操作に伴って、四本のボルト3のうち最も低い位置に突設されたボルト3頭部3Aが、係合溝18の両側縁に当接する。そこで残りの三本のボルト3を締める方向に回動させればよい。このように、頭部3Aが係合溝18の両側縁に接触する位置にあるときには、頭部3Aは案内面18Aに案内されると共に、案内面18Aの上側に乗り上げながら回動操作が行われるので、円滑な回動操作が可能となっている。)この係合位置では、ボルト3の頭部3Aが係合溝18に係合することにより、ヤットコ1と杭体2とが固定されている。
【0023】
このようにしてヤットコ1と杭体2とが固定された状態で、杭体2(及びヤットコ1)の埋設作業が進められる。この埋設作業については、詳細には示さないが、従来より公知な方法、つまりヤットコ1及び杭体2の内部にスクリュー29(図14にのみ示す)が貫通され、そのスクリュー29が打設装置によって所定の方向に回転しながら、土を掘り進むと共に、杭体2が埋設される。
こうして、所定の深度まで杭体2の埋設作業が進行したところで、ヤットコ1のストッパ取付孔15にストッパ(図示せず)が取り付けられた後に、打設装置がスクリュー29から取り外される。この打設装置は、別の杭体2の埋設作業に取り掛かる。一方、杭体2及びヤットコ1は、ストッパによって係止された状態で、所定の時間だけ保持させておくことで、杭体2の周囲の土が杭体2に密着し、ヤットコ1を取り外しても杭体2を保持できるだけの強度が確保される。そこで、次にヤットコ1を杭体2から取り外す作業に進む。
【0024】
ヤットコ1を杭体2から取り外すには、図11に示すように、地上から鎖体7をヤットコ1の軸方向に沿って(図中矢印S方向)引っ張り操作する。すると、解除部6の引っ張り端部27が鎖体7によって引っ張られると共に、解除部6全体が軸部23を回動中心として矢印Tの方向に回動し、作用端部21が回動盤5の押し込み壁20に当接して矢印Uの方向に押圧する。この押圧力は、回動盤5を係合位置から着脱可能位置の方向に回動するように作用するので、(ヤットコ1の本体部4はそのままの状態、或いは僅かに矢印方向に回動するがほぼそのままの状態で)回動盤5のみが着脱可能位置の方向に回動する。こうして、鎖体7の牽引操作によって回動盤5が回動し、押し込み壁20が回動盤ストッパ32に当接すると着脱可能位置に至ることで回動操作が完了する。この着脱可能位置に至ると、ボルト3の頭部3Aが連接溝16の遊挿溝17に位置しているので、ヤットコ1を上側に引っ張ることにより、ヤットコ1を杭体2から分離させて地上に引き上げることができる(図11及び図12を参照)。
【0025】
なお、本実施形態では、ヤットコ1の長さは、杭体2の上端面を地中に埋設するのに必要最小限の長さとされている。一方、杭体2を埋設する深さは、現場の仕様によって異なるために、ヤットコ1の長さを変化できることが好ましい。このためには、図13に示すように、ヤットコ1の上端側に他の筒状体12を固定することで対応できる。他の筒状体12は、上下方向に貫通する略円筒状のものであり、従来に使用していたヤットコをそのまま使用して、ボルトとナット31とによって固定することができる。このため、最短長さのヤットコ1を一種類用意しておけば、杭体2上面の埋設深さが異なる様々な現場に使用できる。なお、説明を簡易とするために、他の筒状体12において、ヤットコ1と同一の構成には同一の符号を付して、説明を省略する。
【0026】
また、本実施形態においては、一対の解除部6に取り付けられた二本の鎖体7は、図14に示すように、ヤットコ1の上端部分において連結されており、一つの牽引体30によって引っ張られるようになっている。鎖体7による回動盤5の回動操作とヤットコ1の引き上げ操作とは、一連の操作として行われるようになっており、牽引体30が鎖体7を引っ張ると、初期には回動盤5の回動操作が行われてヤットコ1と杭体2との係合が解除され、回動盤5が着脱可能位置に至った後にはヤットコ1の引き上げ操作が行われる。
なお、牽引体30は、クレーン(図示せず)の先端に取り付けられている。クレーンは、打設機よりも小型であるので、打設現場には数台のものが配置されており、それらをヤットコ1の引き抜き操作のために現場内をあちらこちらに移動させることは、従来例においても行われており、それほど邪魔な作業ではない。
【0027】
このように本実施形態によれば、鎖体7を介して解除部6をヤットコ1の軸方向に沿って操作することにより、ヤットコ1と杭体2との固定が解除されて、ヤットコ1が杭体2から外れるので、従来のように長軸ボルト104を人手を介して取り外したり、大型の回転式打設機で取り外し治具111を径方向に回転させる手間がなく、取り外しの操作性が向上する。
【0028】
また、ボルト3は、杭体2の上面に突設させておけばよいので、従来のように長軸ボルト104を使用する必要がない。このため、特殊な材質の高価な長軸ボルト104が不要となる。また、短軸の安価なボルト3を使用できるので、そのボルト3を再使用することなく、杭体2の上面に取り付けたまま土中に残しておけば良い。そのようにしても、従来のヤットコに比べるとコストを低下させることが可能となる。
【0029】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について、図15及び図16を参照しつつ説明する。なお、本実施形態と第1実施形態とにおいて、同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0030】
本実施形態では、回動盤5の上面において遊挿溝17の近傍には、一対の駆動軸46(ボルト)が設けられている。図15及び図16には、一方側の駆動軸46のみを示すが、図示しない反対の面側にも同一の構成が設けられている。詳細には図示しないが、回動盤5の面上には、径方向に対向するようにして一対の受け部47が溶着されており、その両受け部47の間を架設するようにして、駆動軸46が回動盤5の径方向に延設されている。なお、符号40及び41は、駆動軸46の頭部の回転を規制する回動規制板41と、その回動規制板41を受け部47のボルト孔(図示せず)に止め付けるボルト40である。
また、解除部42は、略ヘ字状の一枚の板材によって形成されており、その中央部分が軸部23を回動中心として回動可能に軸支されている。解除部42の一方の端部である引っ張り端部43には、鎖体7が接続されている。また、他方の端部である作用端部44には、長孔44Aが設けられており、この長孔44A内に駆動軸46が貫通している。
【0031】
図16に示す係合位置にある回動盤5を、図15に示す着脱可能位置に回動させるには、鎖体7を上方に(すなわち、ヤットコ1の軸方向に沿って)引っ張ることにより、引っ張り端部43を引き上げ、解除部42を軸部23を回動中心として図16中に示す矢印B方向に回動させる。すると、解除部42の長孔44Aの孔縁が駆動軸46を押圧することにより、回動盤5を矢印Cの方向(係合位置から着脱可能位置)に回動させる。
このように構成された本実施形態によっても、第1実施形態と同様の作用および効果を奏することができる。
【0032】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について、図17及び図18を参照しつつ説明する。なお、本実施形態と第1実施形態とにおいて、同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0033】
本実施形態では、回動盤5は設けられておらず、ヤットコ1の下端部には本体部4の下側フランジ部10のみが設けられている。また、本体部4の高さ方向において中央やや下端部よりの位置には、各遊挿孔13の上方に軸部23が設けられている(つまり、本実施形態では、本体部4の周方向に沿って四個の軸部23が均等間隔で突設されていることになる)。各軸部23には、回転部材50が軸部23を回転中心として回転可能に軸止めされている。回転部材50の下端側には、係合部材51(本発明における固定手段に該当する)が、ボルト52を回動中心として、回転部材50に対して僅かに回動可能に取り付けられている。係合部材51の先端側は、ボルト3の軸部3Bを挟持可能な二股状とされて、係合溝51Aが設けられている。
【0034】
また、回転部材50において軸部23の側方には、操作軸53(本発明における解除手段に該当する)が連結されている。操作軸53の下端部には、断面コ字状のブラケット54が固定されており、そのブラケット54の内部に回転部材50の一部が収容された状態で、ボルト55がブラケット54と回転部材50とを貫通するようにして取り付けられている。
【0035】
なお、各回転部材50は、図示、互いに内側に(互いに係合部材51を近接させる方向に)回転することで、係合部材51とボルト3との係合が解除するように対称的な位置に設けられている。
図18に示す係合位置では、係合溝51Aの内部にボルト3の軸部3Bが挟み込まれてヤットコ1と杭体2とが固定されている。この係合位置から係合部材51とボルト3との係合を解除するには、操作軸53を図中の矢印D方向に(すなわちヤットコ1の軸方向に)牽引する。操作軸53の牽引により、回転部材50が矢印E方向に回転し、これによって係合部材51とボルト3との係合を解除できる。こうして、係合部材51が着脱可能位置に至る。
【0036】
このように構成された本実施形態によれば、操作軸53をヤットコ1の軸方向に沿って操作することにより、係合部材51とボルト3との係合が解除されるので、ヤットコ1を杭体2から外すことができる。このため、従来のように長軸ボルト104を人手を介して取り外したり、大型の回転式打設機で取り外し治具111を径方向に回転させる手間がなく、取り外しの操作性が向上する。
本発明の技術的範囲は、上記した実施形態によって限定されるものではなく、その要旨を変更することなく様々に変更して実施することが可能である。その他、本発明の技術的範囲は、均等の範囲にまで及ぶものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態において、杭体の上端部分を示す斜視図
【図2】ヤットコの回動盤付近の側面図
【図3】図2におけるA−A線断面図
【図4】回動盤の平面図
【図5】ヤットコを杭体の上端面に載置したときの斜視図
【図6】ヤットコを杭体の上端面に載置したときの側面図
【図7】回動盤が着脱可能位置にあるときのボルトと連接溝との位置関係を示す平面図
【図8】回動盤を係合位置に回転させたときのボルトと連接溝との位置関係を示す平面図
【図9】ヤットコを杭体の上端面に載置し、回動盤を係合位置にしたときの斜視図
【図10】ヤットコを杭体の上端面に載置し、回動盤を係合位置にしたときの側面図
【図11】鎖体を上方に引っ張り、解除部を介して回動盤を係合位置から着脱可能位置に回動させたときの側面図
【図12】鎖体を上方に引っ張り、ヤットコを杭体の上端面から取り外したときの側面図
【図13】ヤットコと他の筒状体とを連結したときの側面図
【図14】鎖体を上方に引っ張り、ヤットコを土中から地上に持ち上げる様子を示した側断面図
【図15】第2実施形態において、ヤットコを杭体の上端面に載置したときの斜視図
【図16】回動盤を係合位置に回動させて、ヤットコと杭体とを固定したときの斜視図
【図17】第3実施形態において、ヤットコを杭体の上端面に載置したときの斜視図
【図18】固定手段によって、ヤットコと杭体とを固定したときの斜視図
【図19】従来例において、ストッパでヤットコを地面上に固定したときの様子を示す図
(A)平面図
(B)側断面図
【図20】従来例において、ヤットコを取り外すときの様子を示した側断面図
【図21】従来例において、ヤットコの下端部分を示す斜視図
【図22】従来例において、ヤットコと杭体との接合部分を示す側面図
【図23】従来例において、ヤットコの上端部分を示す斜視図
【図24】従来例における取り外し治具の側断面図
【図25】従来例において、取り外し治具をヤットコの上端面に取り付けたときの側断面図
【図26】従来例において、杭体の埋設作業を完了し、ヤットコを取り外すときの様子を示した側面図
【符号の説明】
1…ヤットコ
2…杭体
3…ボルト
3A…ボルトの頭部
4…本体部
5…回動盤(固定手段)
6…解除部(解除手段)
7…鎖体(操作部)
16…連接溝
17…遊挿溝
18…係合溝
51…係合部材(固定手段)
53…操作軸(解除手段)

Claims (3)

  1. 土中に埋設される杭体の上端部分に固定可能な固定手段と、前記固定手段を取り外し可能な解除手段とを設けたヤットコであって、
    前記固定手段は、前記ヤットコの本体部に対して回動可能に組み付けられた回動盤と、この回動盤を回動させる解除部と、上端から操作することにより前記解除部を操作可能な操作部とから構成され、前記回動盤を前記操作部の操作により前記杭体の上端に係合する係合位置から前記杭体の上端に着脱可能な着脱可能位置まで回動させることにより、前記固定手段を前記杭体から取り外し可能としたことを特徴とするヤットコ。
  2. 土中に埋設される杭体の上端部分に固定可能な固定手段と、前記固定手段を取り外し可能な解除手段とを設けたヤットコであって、
    前記解除手段は、このヤットコの上端側からヤットコの軸方向に沿って操作することによって、前記固定手段を前記杭体から取り外し可能としたことを特徴とするヤットコ。
  3. 前記固定手段は、前記ヤットコの本体部に対して回動可能に組み付けられた回動盤と、この回動盤を回動させる解除部と、前記ヤットコの上端側から前記ヤットコの軸方向に沿って操作することにより前記解除部を操作可能な操作部とから構成され、前記回動盤には、前記杭体の上面から突設されたボルトの頭部を遊挿可能な遊挿溝とこの遊挿溝から回動盤の径方向に連接されると共に前記ボルトの頭部よりも小径な係合溝とが設けられた連接溝が設けられており、前記回動盤は、前記ボルトの頭部が前記遊挿溝に位置する着脱可能位置と前記ボルトの頭部が前記係合溝に係合する係合位置との間を回動可能とされている一方、前記操作部を操作することにより、前記解除部が前記係合位置にある前記回動盤を前記着脱可能位置に至るまで回動させることを特徴とする請求項2に記載のヤットコ。
JP2000358359A 2000-11-24 2000-11-24 ヤットコ Expired - Fee Related JP3626408B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000358359A JP3626408B2 (ja) 2000-11-24 2000-11-24 ヤットコ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000358359A JP3626408B2 (ja) 2000-11-24 2000-11-24 ヤットコ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002161535A JP2002161535A (ja) 2002-06-04
JP3626408B2 true JP3626408B2 (ja) 2005-03-09

Family

ID=18830275

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000358359A Expired - Fee Related JP3626408B2 (ja) 2000-11-24 2000-11-24 ヤットコ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3626408B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4684252B2 (ja) * 2007-02-27 2011-05-18 株式会社テノックス 連結装置および当該連結装置に用いられる回転金具
JP5117266B2 (ja) * 2008-04-23 2013-01-16 旭化成建材株式会社 ヤットコ
JP7011158B2 (ja) * 2017-12-07 2022-01-26 ジャパンパイル株式会社 ヤットコ、杭体、およびヤットコを用いた杭体の施工方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002161535A (ja) 2002-06-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3626408B2 (ja) ヤットコ
US7125001B2 (en) Method and device for pulling a cable through a section of pipe
JPH10273914A (ja) 鋼管杭の回転圧入用治具
KR102051471B1 (ko) 파일 연결용 안전 서포트 장치를 이용한 파일 연결 방법
JP5775750B2 (ja) 鋼管コンクリート複合杭
JPH05280546A (ja) 軸継手構造及び軸着脱装置
JP2010007225A (ja) ヤットコ
JPH0762968A (ja) 管体の着脱装置
US20050161263A1 (en) Core bit for use with a core drill
JP2007120123A (ja) 杭抜き装置
JP4141285B2 (ja) 基礎杭接続用のボルト孔穿孔装置
JP3642047B2 (ja) オーガ装置および杭打設工法
JP2007297791A (ja) 既製杭埋設用回転キャップ
JP2009036294A (ja) 軸受装置
JP4195809B2 (ja) 活管継手におけるシャッター取付装置
JP4543070B2 (ja) 鋼管圧入補助装置及びそれを使用した鋼管圧入工法
JP3790437B2 (ja) 推進工法及びその工法に用いる推進管
JP4326717B2 (ja) ケーシング回転掘削装置のスペーサ取付装置
JP2000237914A (ja) 切断装置
JP3215260B2 (ja) 自己推進式穿孔機の発進装置
JP3886516B2 (ja) 鋼管杭とヤットコの接合構造
JP2005054573A (ja) オーガ装置および杭打設工法
JP3717346B2 (ja) コンクリートセグメント用連結金具及びコンクリートセグメントへの固定方法
GB2215798A (en) Pipe jointing tool
JP3839196B2 (ja) ケーシングドライバの可動バンドの浮き上がり防止機構

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041101

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20041109

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20041202

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees