JP3626334B2 - 被搬送物の整列搬送装置 - Google Patents

被搬送物の整列搬送装置 Download PDF

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晃義 内山
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンベア上の被搬送物、例えば桃,梨,リンゴ,柑橘,メロン等の農産物や、工業製品,パレット,ボルト,缶等のワークを、搬送路幅方向の位置を正確に決めて一列に整列させることができる整列搬送装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来から、ワーク(工業製品,パレット,ボトル,缶等)の搬送や、容器の仕分搬送をコンベアにより行う際に、所定の位置に精度よく搬送することが求められる場合がある。例えば機械の組み立て、組付けの作業、ボトル等の容器に被収容物を充填する作業、ボトル等へのキャップ組付けの作業、ラベル付けの作業を行う場合に、ワークを所定の作業位置に精度よく搬送できるラインとして用いることにより、搬送物の位置ずれを防ぐことができる。また、農産物の選別仕分けの作業において、仕分コンベアから多数分岐された包装ラインへのコンベアにいわゆるフリートレイと称される受皿の上に載せた農産物を仕分排出する際に、仕分コンベアの上で受皿を一定の搬送路上で搬送させることにより、分岐コンベアへの排出を確実に行わせることができる。更に、農産物の仕分けするために必要な情報を計測する場合にも、一定の搬送路上で精度よく位置決めして農産物を搬送させることは、精度のよい計測を行うために望まれるところであり、特に近時において採用されることが多くなっている農産物の内部品質を計測する場合には、透過光という微弱な光を検出する必要があるために特に受光光学系と搬送農産物の精度のよい位置関係を保つことが重要となる。
【0003】
このような搬送路上でその幅方向に関して被搬送物の位置を変更したり、正確に位置決めするための整列搬送装置としては、実公昭56−8811号公報、実公平8−5144号公報のものが知られている。
【0004】
前者の実公昭56−8811号は、搬送用コンベアの両側に案内レールを設けてこの間で被搬送物である壜を精度よく搬送させるものである。また後者の実公平8−5144号のものは、左右一対のリンクチェーンに渡って架設したチューブを多数連設してこのチューブを無端回動するように設けると共に、このチューブ上で軸方向に移動できるように装架した左右一対の移動シューを案内レールでチューブ軸方向(搬送幅方向)に移動させるように設けて、被搬送物の搬送路横方向の位置を変更できるようにしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記実公昭56−8811号の整列搬送装置は、案内レールが固定であるため、被搬送物と接触してこれが傷むという問題がある他、接触によって被搬送物には搬送に対する抵抗が生じ、しかもこの抵抗の原因となる接触は左右で均等に起こるものではないから、被搬送物に対する垂直軸回りの回転を生じさせて、装置や対象被搬送物によっては後段の処理に不都合を招くこともある。例えば、農産物を載せて搬送するいわゆるフリートレイ式の平面円形の受皿をその向きを一定にして搬送させる必要がある場合には、垂直軸回りの回転がランダムに発生するような整列搬送装置は適当でない。
【0006】
そして、整列位置を精度よくするためには、両側一対の固定案内レールの間隔と被搬送物の寸法とにあまり遊びがないように設定することが望ましいが、このようにすると、接触による損傷の虞れが大きくなり、この損傷の問題をできるだけ軽減するために遊びを大きくすると、精度のよい整列はできなくなる。
【0007】
これらのことから、このような固定案内レール方式の整列装置は、精度のよい整列目的というよりは、被搬送物が搬送路から脱落させないために大きくずれて搬送される不具合を防ぐという目的で用いられる場合が多く、搬送路横方向の位置精度を正確に得るには適していない。
【0008】
一方、上記実公平8−5144号の整列搬送装置は、左右一対のリンクチェーンに渡って架設したチューブに移動シューをその軸方向に移動可能に装架したものであるので、コンベアの構造上移動シューの前後方向の大きさ(寸法)をあまり小さくできないとか、前後の移動シュー間隔を密接できないなどの制約があり、このため、被搬送物が比較的大きな段ボール箱等では複数の移動シューの係合による安定した横方向の位置変更を行わせることができるが、小さな被搬送物では移動シューとの係合が安定して得られない場合もあり、特に前後の移動シューの間に小さな被搬送物や円形の被搬送物が嵌り込むと、搬送路横方向の位置が狂って正確な位置決めができないという不具合があった。また、左右一対のリンクチェーンに渡って架設した長いチューブを無端回動させる機構と、これらのチューブの軸方向(搬送路の横方向)に移動可能に装架される移動シューと、この移動集の移動を案内するガイドレール等を必要とするために機構が複雑で、部品点数も多く、高価になり易い反面、汎用性はあまり高くないという欠点もある。
【0009】
つまりこの提案にかかわる整列搬送装置は、複数列の搬送コンベアから合流する被搬送物を概ね一列に並べるという用途用に適したものではあるが、一列に搬送されている被搬送物の搬送路横方向の位置を精度よく位置決めさせるという目的には適していない。
【0010】
本発明は、以上のような従来技術の下で、一列に搬送されている被搬送物の搬送路横方向の位置を精度よく位置決めさせることができる整列搬送装置を提供することを目的したものである。
【0011】
また本発明の別の目的は、構造が簡単で安価な整列搬送装置を提供するところにある。
【0012】
また更に本発明の別の目的は、構造が簡単でありながら、種々の用途に用いることができる汎用性の高い整列搬送装置を提供するところにある。
【0013】
本発明の他の目的は、農産物の選別装置において必要とされる整列装置、特に農産物を選別仕分けするのに必要な情報を計測する工程において、計測装置に対して、搬送される農産物の位置を精度よく位置決めすることで、正確かつ高感度で精度の高い計測を実現することができる整列搬送装置を提供するところにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的は上述した特許性請求の範囲の各請求項に記載した発明により達成される。
【0015】
本願の請求項1の被搬送物の整列搬送装置の発明は、被搬送物の搬送軌道を提供するための一対のガイドレールと、水平軸周りにそれぞれ無端回動する一対の無端チェーンと、前記一対のガイドレールにそれぞれ案内されて一対に並列走行し、かつ被搬送物の側面に係合して該一対のガイドレールの対向方向である横方向移動の限界位置を決めるためにそれぞれ連続して設けられ、前記一対の各無端チェーンと一体に駆動される横方向位置決め用の走行体とを備え、これら一対の横方向位置決め用の走行体は、走行方向に隙間なく連接された前記被搬送物が載置される複数の水平搬送板を有すると共に、前記水平搬送板の上部において被搬送物の側面に係合する限界位置決め用立壁を有し、前記一対のガイドレールの少なくとも一方は、前記搬送路の横方向間隔をなす一対の走行体の対向間隔を走行方向下流側に向かって狭く変更するための曲線又は傾斜した走行軌道を有し、前記水平搬送板に設けた脚が前記ガイドレールに遊嵌係合することを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、搬送面上で担持搬送される被搬送物を、左右一対の横方向位置決め用走行体により横方向の位置を正確に位置決めさせることができ、しかも搬送面と走行体が同期して走行するために、被搬送物には接触する走行体との間で摩擦抵抗等の作用を生ずることがなく、被搬送物を傷めることなく、緊密に接触させて精度の高い整列状態を得ることができる。
【0020】
本願請求項2の発明は、上記発明において、一対のガイドレールは、前記一対の走行体の対向間隔を変更する曲線又は傾斜した走行軌道を左右対称に有することを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、片側の走行体のみが横方向に移動する場合に被搬送物を垂直軸回りに回転させる作用が働く虞れがあるので、被搬送物の向きを一定に維持することが望まれる場合には適していない。これに対し上記構成によれば、両側の走行体が左右対称に横方向の移動を行うので被搬送物に回転を招く虞れがないので好ましい。
【0026】
本願請求項の発明は、上記各発明における被搬送物が、農産物を載せて移動されるフリートレイ式の受皿であることを特徴とする。
【0027】
この発明によれば、例えば、農産物を透過した光を選別仕分けの計測情報とする場合に、その計測工程において、受皿に設けた透過光導出開口の遮光性の確保、透過光の受光光学系との正確な正対状態の確保が精度よく実現できる。
【0028】
なおこの発明における農産物とは、桃,梨,リンゴ,柑橘,メロン等を代表的に挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0029】
【発明の実施の形態】
実施形態1
以下、本発明の一例を、農産物を被搬送物とし、その透過光を選別仕分けの情報として計測する透過光計測ステージの工程を備えた選別装置を例にして説明する。
【0030】
図1は本例の透過光計測工程の装置の全体概要を示した正面図、図2は同平面図を示している。
【0031】
これらの図において、図示しない供給ステージにおける作業で農産物Pが載せられた受皿6は、これを一列に搬送する上流側の向き揃え機能付きの搬送コンベア1の終端部から、上記透過光計測ステージにおいて整列搬送装置を構成している整列搬送コンベア2に乗り移され、その整列搬送コンベア2の途中に設けられている透過光検出装置3に通される。そして透過光検出により得られた内部品質に関する情報を示す信号は、仕分区分判定装置(図示せず)に送られ、この計測情報及び他の適宜計測された仕分情報(例えば外観撮像情報)と共に農産物の仕分区分を判定する用途に利用される。
【0032】
4は仕分ステージにおいて搬送手段を構成する仕分コンベアであり、上記計測搬送コンベア2の終端部から乗り移されるように連設されていて、その構成の一例を挙げれば、搬送方向に沿って多数の仕分排出装置が仕分区分別に配置されると共に、該仕分コンベア4の始端部側に設けたバーコードリーダ(いずれも図示せず)により受皿6のバーコードを読み取って、その上に載っている農産物の仕分区分に該当する特定の上記仕分排出装置に至ったときに該仕分排出装置を作動させ、仕分コンベア4に対して直角な方向に分岐されている分岐コンベアに農産物Pを受皿6ごと排出するように設けられる。なお、この仕分け作業及び仕分区分別の分岐コンベアに排出された受皿6上の農産物Pを包装箱に包装する作業は、従来知られている適宜の装置を用いて行うことができる。
【0033】
次に、上記の構成をなす本例の特徴的な構成である透過光計測ステージに設けられた整列搬送コンベア2、及びこれを含む透過光検出装置3について、透過光検出装置3内を受皿6が通過する際の状態概要を示した図1及びこれを更に詳細に示した図7を基本として、図1〜図11により以下説明する。
【0034】
本例における透過光検出の作業概要は次のように説明される。すなわち、上述した上流側の向き揃え機能付き搬送コンベア1で向きが揃えられた受皿6は、整列搬送コンベア2に乗り移り、そのままの姿勢で、遮光された暗室ボックス301に導入される。なお本例の受皿6は、透過光検出を高感度に得るために農産物の側方からの光源光で該農産物が照明されると共に、フリートレイ式の受皿6上から農産物が転がり落ちる不具合のないように安定載置状態の確保した構成を備えた特徴的な構成を有している(詳細は後述する)。
【0035】
上記のようにして暗室ボックス301に導入された受皿6は、図2に示すように搬送路の側方に配置された複数の照明ランプ302により照明される。この照明ランプ302の配置は図2に示される。なお、この暗室ボックス301内には、搬送される受皿6上の農産物Pを上方から下方に押圧して、受皿6の受座631の遮光シールをより確実にするための押え装置5が設けられている。本例のこの押え装置5は、多数隣接された押え部材508が受皿6の搬送速度と同期して無端回動するように設けられていると共に、透過光検出位置で該押え部材508がバネ力で農産物を下方に押し、これにより、農産物Pは受座631に強く押しつけられて確実なシール状態が確保され、外乱光の漏光が貫通穴632に侵入する虞れが低減されるようになっている(詳細は後述する)。
【0036】
上記透過光検出装置3の受皿搬送路を形成する整列搬送コンベア2の搬送面の下側には、透過光検出用の受光光学系の受光装置303が、受皿本体61の貫通穴632が対向通過する位置に配置され、受座631の上に乗った農産物Pの内部を透過し、筒状弾性体63の内筒を通った透過光を検出できるように設けられている。なお、上記受光装置303に透過光以外の光が混入しないように上側の暗室ボックス301と同様の下側暗室ボックス304が設けられている。
【0037】
図2,3及び図5,図6は、上記向き揃え機能付き搬送コンベア1の終端部から乗り移った受皿6を、透過光検出装置3内の透過光検出位置において、その搬送路の横方向の位置決めを正確に行うための本例の最も特徴的な整列搬送コンベア2を示し、これは次のように構成されている。
【0038】
すなわち、スプロケット202に巻装されることで無端回転駆動する左右一対のコンベアチェーン201のそれぞれは、短尺のリンクがピンヒンジで連接されて無端状とされた一般的なコンベアチェーンとして構成されると共に、ガイドフレーム203に固定したガイドレール205に案内されて、本例では、図2,図5に示すように、後述する横方向位置決め用ブラケット(以下単に「ブラケット」という)220の上向きフランジ2202の左右一対が、該整列搬送コンベア2の始端部側では受皿6の直径よりも広幅の間隔をなしているが、途中、間隔を狭くする傾斜軌道部分204を経て、透過光検出装置3部分では受皿6の直径と略一致した横方向間隔とされ、該受皿6の横方向位置決めをなすように構成されている。なお本例の一対のコンベアチェーン201の傾斜軌道部分204は左右対称に設けられている。またチェーン201の下側(戻り)軌道には、上記により狭くされた間隔を上記始端部側の広幅の間隔に戻す拡幅軌道部分(図示せず)が設けられている。206は、左右一対のスプロケット202を同期回転させるための回転駆動機構である。
【0039】
上述した上向きフランジ2202付きのブラケット220は、図2,図3及び図6により示され、本例では、チェーンリンクの一つに一つのブラケット220が組付け固定されて、搬送方向に隙間なく連続するようになっている。
【0040】
すなわち、このブラケット220は、搬送横方向に一定長の長さをもつ水平搬送板2201と、この上面から上向きに突出形成されて受皿6に係合することで横方向位置決め作用をなす上記した上向きフランジ2202と、水平搬送板2201の下面に設けられて、チェーンリンクを左右から挾持すると共に、ガイドフレーム203に固設したレール205に遊嵌係合する一対の脚2203とが一体に形成された構造をなし、これが図2及び図6に示すように搬送方向にできるだけ隙間なく連接されることで、左右一対のチェーンにそれぞれ組付けたブラケットの水平搬送板2201により受皿6の搬送面を形成し、上向きフランジ2202により受皿6の横方向位置決めを行うようになっている。なお2204は、上向きフランジ2202の補強フランジである。また、このブラケット220をチェーン201に確実に組付け固定するためにネジ止めすることも好ましい。
【0041】
以上のように、ブラケット220を組付けて構成された左右一対の整列搬送コンベア2からなる整列搬送装置により、コンベアチェーン201は始端側の広幅の状態(図2参照)から徐々にその幅寸法を左右対称に縮閉して、左右の上向きフランジ2202により受皿6に垂直軸回りの回転を生ずることなくその向きを一定に揃えたまま、一対の上向きフランジ2202で受皿6を挾持状態として透過光検出装置3内を通過させ、搬送路の幅方向に関してズレることなく、一直線上を精度よく正確に搬送させることができる。また、図3の実線あるいは二点鎖線の片側に偏った状態にある受皿でも、垂直軸回りの回転を生ずることなく中央位置に正確に位置決めできる。
【0042】
次に本例の受皿6の構成と、向き揃え機能付きの搬送コンベア1について説明する。
【0043】
この受皿6の詳細構造は図3,図4に示され、受皿本体61は、不透明な剛性材料(合成樹脂材料)よりなり、囲い部材部分を除いて、全体として深さの浅い扁平な平面円形をなしている。そして中央には、下記する受座631及び上下方向の貫通穴632を有する筒状弾性体63と、この筒状弾性体63が組み付けられる支持弾性体62とを取り付ける内側筒壁611が形成されていると共に、上記囲い部材部分を形成する外側筒壁612が形成されている。
【0044】
上記の支持弾性体62及び筒状弾性体63は、いずれも不透明な弾性材料で作られていて、互いに組み合うことで、上述した上下貫通穴632と、載置される農産物を支持する上端開口縁の受座631を形成する受座手段を構成する。なお本例の受座631は、上方に向かって径が広がる外側のリップ状シール部6311(631)と、内向きフランジ型のシール部6312(631)の同心2重円のシールにより、大きさの異なる農産物に対して外乱光が貫通穴632に漏光侵入しない良好な密着ができるようになっている。そして上記の支持弾性体62は、中央開口を有する皿状構造をなしていて、その外周縁621で受皿本体61の外側筒壁612に係合されると共に、内周縁の下側に設けた爪フランジ622が受皿本体61の内側筒壁611の内向き爪部6111と係合するように組み付けられる。また上記の筒状弾性体63は、下部の貫通穴632部分と上部の受座631部分の中間に形成された周状溝部633が、上記支持弾性体62の内周縁端部と嵌合して組み付けられるようになっている。
【0045】
また、本例の受皿6においては、受座631を挟んだ一対の位置に、受皿本体61の外側筒壁612から上方に延出した対向壁64,64が設けられていると共に、これらの対向壁64,64の周状の中間部には、照明光を外側から内側に通過させるための透光開口65,65が形成されている。また66は環状の囲い部材であり、上記対向壁64,64と透光開口65,65に設けられた支柱67,67に支持されていて、その表面に弾性カバー68が装着されることで、上記受座631に載置された農産物の万一の転がり落ちを防止するようになっている。
【0046】
69は、上記の一対の対向壁64,64にそれぞれ組み付けられた易弯曲性の弾性ひれ状片691を有する支持片部材であり、受皿本体61の上記対向壁64に組み付け固定されると共に、本例では上下3枚の弾性ひれ状片691が中心方向に向かって延出されて、農産物を受座631に載置する際に変形して、載置した農産物の姿勢を安定させて支持できるようにしている。
【0047】
613は次記する向き揃え装置のレールが滑合する水平方向の側面溝であり、本例では受皿本体の側面両側に一対に設けられている。
【0048】
次に本例における受皿6の向き揃え装置について述べると、これは図12,図13に示され、搬送コンベア1として設けられている。本例のこの向き揃え装置7は、軸固定の転動コロコンベアを多数連接することで搬送路が構成されていて、一つの軸71にその軸方向に関し離間して二つのコロ72,73が組み付けられていると共に、下側の駆動ベルト74,75が圧接することでこれらのコロを駆動させるようになっていて、その回転速度は、図12の右側の短尺コロ72が速度v 、左側の長尺コロ73が速度v (>v )に設定されている。また上記の短尺コロ72の軸長は、上流側から搬送されてくる受皿6の直径よりも短い長さとされて該受皿6に回転を与えることができるようになっている。76は向き揃え装置のガイドレールであり、該短尺コロ72に沿った直線部761から斜行部762を経て長尺コロ73に沿った直線部763に渡るように、受皿6の上記側面溝613に滑合できる高さで沿設されている。このようにガイドレールを76を設けることで、略短尺コロ72上に乗る状態で上流から搬送されてきた受皿6は、長尺コロ73と短尺コロ72の速度差(v >v )により図12の矢印に示した垂直軸回りの回転が与えられる。また、側面溝613がガイドレール76に滑合した後は、該ガイドレール76に案内されて回転することなく搬送される。なお、77は図12,図13に示すようにガイドレール76との間で受皿6の搬送通路を形成しながら該ガイドレールに沿った軌道に沿って図の矢印方向に速度v (>v >v )でベルト772を回転させるように設けられた回転ベルト装置であり、プーリ771により回転される該ベルト772の回転軌道は上記ガイドレール76の斜行部762の終端部7621においては間隔が狭くされていることで、受皿の側面溝613が未だガイドレール76に滑合してない場合にこれを強制的に強く回転させて該滑合を行わせるようになっている。
【0049】
このような構成の向き揃え装置により、搬送される受皿6の向き(姿勢)は、透光開口65を搬送路の横方向に向けた姿勢で下流の上記整列搬送装置に送出すことになる。
【0050】
以上のように構成した向き揃え装置7、次いで整列搬送装置によって透過光検出装置3を通るように搬送される受皿6は、その向きが透光開口65を側方に向けた状態で、かつ受光装置303の上を芯ずれを招くことなく正確に正対して搬送されるので、透過光検出装置3において農産物の透過光を計測する際に、受皿6及び農産物Pの姿勢は常に安定して透過光検出の情報を計測する途中で姿勢が変わってしまうような虞れは全くなく、しかも、農産物Pは受皿6上で側方から照明ランプ302により確実に照明され、農産物を透過した光を受皿6の貫通穴632を通して受光装置303に確実に受光・検出させることができ、農産物内の透過光の光路長を短くした状態で、感度,精度のよい計測を実現することができる。
【0051】
また、本例においては、上記受皿6の貫通穴632に漏光が侵入することをより一層確実に防止するための農産物の押え装置5が設けられており、以下これについて説明する。
【0052】
本例のこの押え装置5は、図7〜図11に示され、これらの図において、501は長円形の無端軌道を回動するリンクチェーンであり、一対のスプロケット502によって、整列搬送コンベア2上の受皿6の搬送速度と同期した速度で回転駆動されるようになっている。そしてこのリンクチェーン501の各リンクからは、無端軌道の径外方に支持ブラケット503が二股状に延出されていて(図9,図10参照)、そのブラケット先端二股部5031,5031に、傾動部材504がピンヒンジで軸回り回転可能に枢着支持されている。505は上記支持ブラケット503のブラケット先端二股部5031,5031の間に貫通固定されたピンである。またこの傾動部材504の先端は凹型部5041として形成されていて、上記ブラケット先端二股部5031,5031の間に嵌挿されると共に、上記ピン505が該凹型部5041の一対の側壁50411,50411を貫通して枢着されるように設けられ、更にこの凹型部5041の一対の側壁50411,50411の間に、後述する押え部材支持ロッド506の根元板状部5061を嵌挿させると共に、上記ピン505によって該押え部材支持ロッド506を軸回り回転可能に枢着支持するように設けられている。
【0053】
またこの傾動部材504のピン505を挟んで反対側に延出された後端にはコロ5042が軸回り回転可能に組み付けられていて、一部の軌道を除いてリンクチェーン501の長円状の軌道に沿って延設されたガイドレール507に走行可能に滑合されている。そしてこのガイドレール507の軌道の一部である受皿6の透過光検出位置を含む搬送面に対向した下側軌道の傾動走行部分5071は、図7に示すように内側に偏倚して搬送面と平行な走行を行うように設けられていて、図8に示すように、傾動部材504の先端を長円軌道の内側に向けて傾斜させた通常の状態時に対して、図9に示すように上記傾動走行部分5071では、傾動部材504の先端を長円軌道の外側に向けて傾斜させるように該傾動部材の姿勢を制御するようになっている。なお509は、上記ガイドレール507及び上記スプロケット502を回転可能に組み付けたフレーム基盤である。
【0054】
上記押え部材支持ロッド506は、その先端側が軌道外方に向けて略90°屈曲され、その屈曲先端で、弾性体からなる農産物押え部材508をピン5081により枢着支持し、後端は、上述したように板状部5061として設けられて傾動部材の先端凹型部5041に嵌挿されて上記ピン505により枢着支持され、かつロッド中間部と傾動部材504の下方への突出板5043との間に張設した引張スプリング5044により凹型部5041の底面50412に押し付けられて姿勢が安定するようになっている。
【0055】
以上のような構成の本例の押え装置5によれば、図7に示す如く、傾動部材504が長円軌道に沿って回動しながらガイドレール507の傾動走行部分5071に至ると、該傾動部材504の後端のコロ5042が滑合しているガイドレール507の軌道内側への偏倚により傾動部材がピン505を中心として先端側を軌道外方に向けるように傾動し、これによって押え部材支持ロッド506が傾動する。そしてその傾動の際に、押え部材508が受皿6上の農産物Pに係合すると、引張スプリング5044のバネ力に抗して該押え部材508の先端が軌道外方に傾動することが係止され(図9参照)、この引張スプリング5044のバネ力で農産物Pが下方に押圧されることになる。
【0056】
したがって、農産物Pは自重に加えて、受皿6の受座631のシール部(6311,6312)に押圧され、貫通穴632に照明光が漏れ入光することが一層確実に防止されることになる。
【0057】
なお、本例の押え装置5では、押え部材508の受皿搬送方向に関する寸法を短くして、一つの農産物Pに対して複数の押え部材508が係合できるようにしているので、農産物の押え状態が安定する。
【0058】
なお、本例は農産物を載せた受皿を搬送対象としているが、搬送対象がこれに限定されるものでないことは上述した通りである。また、一対のコンベアチェーンの中間位置に他の水平搬送コンベアを並走させるように設けることもできる。なおこの場合には、三つのコンベアを水平な共通軸で回転させることによりこの共通軸で同期をとるように構成することが好ましい。
【0059】
比較例1
この比較例は図14に示される。すなわち、本例の整列搬送装置8は、水平な搬送コンベア801と、その搬送面上の左右両側に、垂直軸回りに回転する三つのプーリ802により回転するコンベアベルト803,803を左右対称に配置すると共に、このコンベアベルト803,803が、搬送上流側の約半分において、上流始端側で左右一対のベルト面の間隔が受皿6の直径よりも十分に広く空けられていると共に、漸次間隔を縮閉するように回転面が傾斜され、搬送方向の略中間部位置から、受皿6の直径と略一致した間隔となって左右一対のベルト803,803がこの間隔を保って平行に回転するように設置して設けられている。
【0060】
このような構成の整列搬送装置8によっても、搬送コンベア801上を搬送されている受皿6の横方向の位置は、左右一対のコンベアベルト803,803により一列状に整列させることができるが、搬送コンベア801及び左右一対のコンベアベルト803,803の回転を同期させることが容易でない。すなわち、ベルトコンベアでは、回転駆動手段とベルトの間で摩擦や摺べりが厳密には避けられないので三つの搬送手段の間で微妙な速度差を発生することが避け難い。また、左右一対のベルト803,803の縮閉部は、搬送コンベア801に対して僅かとはいえ横方向の移動成分を含むために速度差を生ずることが避けられない。
【0061】
これらのことにより、例えば、受皿6が片側のコンベアベルト803に偏当たりした場合に受皿6に垂直軸回りの回転を招くことがあり、回転が生じても問題のない場合はよいが、上述したような姿勢を一定の向きに維持したまま整列搬送させることが求められる装置としては適当でない。
【0062】
また、搬送コンベア801とコンベアベルト803の回転軸は90°異なるため、これらの回転駆動機構の同期をとるための機構が複雑になり、簡易な構成の装置を提供することには適していないという問題もある。
【0063】
【発明の効果】
本発明の整列搬送装置によれば、コンベア上で一列に搬送されている被搬送物を損傷させることなく、搬送路横方向の位置を精度よく位置決めさせることができるという効果を奏し、また種々のワーク等の整列搬送装置、特に農産物の整列装置に適している他、以下の効果を奏する。
【0064】
求項2の発明によれば、両側の走行体が左右対称に横方向の移動を行うので被搬送物に回転を招く虞れがないという効果を奏し、被搬送物の向きを一定に維持して整列搬送させる用途に特に適している。
【0067】
求項の発明によれば、農産物の選別装置において必要とされる整列装置、特に農産物を選別仕分けするのに必要な情報を計測する工程において、計測装置に対して、搬送される農産物の位置を精度よく位置決めでき、正確かつ高感度で精度の高い計測を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の計測ステージの概要を示した正面図。
【図2】同実施形態1の整列搬送装置の平面図。
【図3】図2の整列搬送装置の縦断側面図。
【図4】同実施形態1の受皿の斜視外観図。
【図5】同実施形態1の整列搬送装置における横方向位置決め機能付き搬送コンベアのコンベアチェーンとその駆動機構の関係を説明するための部分平面図。
【図6】図5の横方向位置決め機能付き搬送コンベアの一部拡大平面図。
【図7】図1の計測ステージの拡大正面図。
【図8】図7のA−A線の縦断側面図。
【図9】図7のB−B線の縦断側面図。
【図10】図7のC方向の一部矢視図。
【図11】図10の正面図。
【図12】同実施形態1の向き揃え装置の平面図。
【図13】図12の向き揃え装置の縦断側面図。
【図14】比較例の整列搬送装置の概要を示した平面図。
【符号の説明】
1・・・搬送コンベア
2・・・整列搬送コンベア
201・・・コンベアチェーン
202・・・スプロケット
203・・・ガイドフレーム
204・・・傾斜軌道部分
205・・・ガイドレール
206・・・回転駆動機構
220・・・横方向位置決め用ブラケット(ブラケット)
2201・・・水平搬送板
2202・・・上向きフランジ
2203・・・脚
2204・・・補強フランジ
3・・・透過光検出装置
301・・・暗室ボックス
302・・・照明ランプ
303・・・受光装置
304・・・下側暗室ボックス
4・・・仕分コンベア
5・・・押え装置
501・・・リンクチェーン
502・・・スプロケット
503・・・支持ブラケット
5031・・・ブラケット先端二股部
504・・・傾動部材
5041・・・凹型部
50411・・・一対の側壁
50412・・・底面
5042・・・コロ
5043・・・突出板
5044・・・引張スプリング
505・・・ピン
506・・・押え部材支持ロッド
5061・・・(根元)板状部
507・・・ガイドレール
5071・・・傾動走行部
508・・・押え部材
5081・・・ピン
509・・・フレーム基盤
6・・・受皿
61・・・受皿本体
611・・・内側筒壁
6111・・・内向き爪部
612・・・外側筒壁
613・・・側面溝
62・・・支持弾性体
621・・・外縁
622・・・爪フランジ
63・・・筒状弾性体
631・・・受座
6311・・・リップ状シール部
6312・・・フランジ型のシール部
632・・・貫通穴
633・・・周状溝部
64・・・対向壁
65・・・透光開口
66・・・囲い部材
67・・・支柱
68・・・弾性カバー
69・・・支持片部材
691・・・弾性ひれ状片
7・・・向き揃え装置
71・・・軸
72・・・コロ(短尺コロ)
73・・・コロ(長尺コロ)
74,75・・・駆動ベルト
76・・・ガイドレール
761・・・直線部
762・・・斜行部
7621・・・終端部
763・・・直線部
77・・・回転ベルト装置
771・・・プーリ
772・・・ベルト

Claims (3)

  1. 被搬送物の搬送軌道を提供するための一対のガイドレールと、
    水平軸周りにそれぞれ無端回動する一対の無端チェーンと、
    前記一対のガイドレールにそれぞれ案内されて一対に並列走行し、かつ被搬送物の側面に係合して該一対のガイドレールの対向方向である横方向移動の限界位置を決めるためにそれぞれ連続して設けられ、前記一対の各無端チェーンと一体に駆動される横方向位置決め用の走行体とを備え、
    これら一対の横方向位置決め用の走行体は、走行方向に隙間なく連接された前記被搬送物が載置される複数の水平搬送板を有すると共に、前記水平搬送板の上部において被搬送物の側面に係合する限界位置決め用立壁を有し、前記一対のガイドレールの少なくとも一方は、前記搬送路の横方向間隔をなす一対の走行体の対向間隔を走行方向下流側に向かって狭く変更するための曲線又は傾斜した走行軌道を有し、前記水平搬送板に設けた脚が前記ガイドレールに遊嵌係合することを特徴とする搬送物の整列搬送装置。
  2. 請求項1において、一対のガイドレールは、前記一対の走行体の対向間隔を変更する曲線又は傾斜した走行軌道を左右対称に有することを特徴とする搬送物の整列搬送装置。
  3. 請求項1または2において、被搬送物が農産物を載せて移動されるフリートレイ式の受皿であることを特徴とする搬送物の整列搬送装置。
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