JP3625638B2 - 廃電池の処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃棄電池の処理装置に係り、さらに詳しくは使用済み電池の電極部を成すコバルトなどの遷移金属の回収方法の実施に適する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ブック型コンピューターや携帯電話といった電子機器用の電池の需要は飛躍的に急増している。特に、リチウムイオン二次電池は、単位重量や単位体積当たりの電池容量が大きく、電圧が高いといった多くのすぐれた特性を持っているため、小型化が進められている電子機器用電源として不可欠の二次電池と考えられている。また、大気汚染が深刻化する米国カリフォルニア州では、1998年から電気自動車(EV)販売を促すプログラムが始まる予定で、このバッテリー(電源)としても、リチウムイオン二次電池は開発が進めらており、さらなる需要・消費の急増が予想される。そして、この種電池の消費量の増加は、必然的に、電池の大量廃棄処分(処理)を招来することになるので、何らかの形での廃棄処理を要する。
【0003】
しかしながら、リチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池などは、実用化が進められて年月も浅いため、実用レベルの廃棄処理方法ないし手段も、試行錯誤の段階にあるのが実情である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記リチウムイオン二次電池の場合、リチウムはイオンとして存在するとき安定であるが、メタル化すると反応性が高くなって危険性を伴う。したがって、安全面からも、廃棄されるリチウムイオン二次電池を集中回収し、適格な方法で廃棄処理することが望まれる。すなわち、リチウムイオン二次電池は、メタル状化すると高い反応性を呈するリチウムを使用しているため、発火や爆発などの危険性が高く、また、廃棄電池をそのまま焼却炉で融解・分解処理など行うと、電池内部が高圧化して、爆発の危険性を招来するなどの問題がある。
【0005】
さらに、資源ないし環境的にみると、電極要素中のコバルト、ニッケル、マンガンなどの遷移金属を回収し、再利用する必要性も高い。また、一方では、電解液として含まれるフッ素やリンが有害物質を副生成する可能性も高いので、環境汚染を引き起こす恐れもあり、より適正な廃棄処理が望まれる。
【0006】
ところで、前記リチウムイオン二次電池などの小型電池の多くは、電池単体で使用される場合と、複数個の電池単体を樹脂製のパッケージーにてパック化した構造で使用される場合がある。特に、廃棄物が電池パックの場合は、環境に対する負荷を小さくするという観点から、燃焼によらない分離技術が望まれる。たとえば分離のための前処理として、電池単体の脱離や樹脂製パッケージーの破砕などの手段で樹脂製パッケージと分離する一方、内部の電池単体を解体する必要がある。
【0007】
上記機械的な分離手法は、燃焼によらないため、有害物質の拡散が抑えられ、環境への負荷を低減させる点で有効である。しかし、この手段は、破砕ないし粉砕など機械的な分離手段のみに頼っているため、分離効率に限界があり、金属類の回収率が低いという問題点がある。
【0008】
本発明は上記事情に対処してなされたもので、安全性が高く、かつ環境負荷の少ない実用的な電池の処理装置の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、コバルト、ニッケルおよびマンガンの少なくとも1種を含む使用済み電池電極を処理する処理槽と、過酸化水素溶液および酸化性酸溶液を混合して酸化性処理溶液を調製した後、前記処理槽に供給する酸化性処理溶液の調製供給機構と、前記処理槽内での使用済み電池電極処理後の酸化性処理溶液を回収する処理液回収槽と、前記処理液回収槽内にアルカリ性溶液を供給し、前記遷移金属を無機塩化して沈殿させるアルカリ性溶液供給機構と、前記沈殿させた遷移金属の無機塩を酸化性処理溶液から分離する金属無機塩分離回収機構とを有することを特徴とする廃電池の処理装置である。
【0011】
すなわち、上記発明は、硫酸や硝酸などの酸化性酸の少なくとも1種と過酸化水素とを含む溶液に、コバルト、ニッケルおよびマンガンの少なくとも1種を含む活物質などを浸漬した場合、電極活物質に含まれている3価以上のコバルトなどが容易に、2価のコバルトに還元されて、硝酸イオンや硫酸イオンなどと塩を生成し易くなることに着目してなされたものである。ここで、還元剤としては、硝酸や硫酸などの酸化性酸と共存できる過酸化水素を必須とするが、その他、水素、硫化水素、二酸化硫黄、亜硫酸ナトリウム、塩化第二スズ、硫化第二鉄の少なくとも1種を併用することもできる。
【0012】
なお、過酸化水素および硝酸や硫酸など(酸化性酸)を必須とする溶液の調製は、▲1▼同時混合(事前混合)、▲2▼酸化性酸を添加後に過酸化水素を添加する方法が採られる。すなわち、過酸化水素は硝酸や硫酸など酸化性酸と共存することにより有効にコバルトなどを還元するが、過酸化水素を先に添加した場合は被処理体と接触することにより自己分解して所要の還元反応を起こさない恐れがある。特に、連続処理の場合は過酸化水素と酸化性酸とを、たとえばミキサーなどを用いて同時混合する方が好ましい。
【0013】
図1は、上記過酸化水素と酸化性酸(たとえば硝酸)との混合手段と、電極活物質(コバルト含有量 120mg)からのコバルト抽出量ないし回収量(mg)との関係例を示す。図1において、Aは過酸化水素と酸化性酸とを同時に加えて酸化性処理溶液を混合調製し場合、Bは酸化性酸を先に加えてから後に過酸化水素を加えて酸化性処理溶液を混合調製し場合、Cは過酸化水素を先に加えてから後に酸化性酸を加えて酸化性処理溶液を混合調製した場合をそれぞれ示す。
【0014】
なお、この過酸化水素と酸化性酸を含む酸化性処理溶液に被処理体を浸漬してからその溶液を強制撹拌すると、過酸化水素の自己分解が促進されるので強制撹拌は回避すべきである。強制撹拌を行わなくとも、過酸化水素の自己分解で生成する酸素泡によって溶液は緩やかに撹拌され、かつ発熱を伴うので熱効率もよい。 また、過酸化水素、硝酸や硫酸などの酸化性酸を必須とする酸化性処理溶液の酸濃度は、酸化性酸の取扱易さなどを考慮すると、一般的に、 0.5〜 2規定程度であるが、コバルト成分などの濃度に対応して 0.5規定未満、あるいは 2規定を超えた濃度とすることも可能である。しかし、いずれの場合も、硝酸、硫酸などの酸化性酸の濃度は、コバルト成分などが塩となるに十分な量であるように設定される。
【0015】
なお、過酸化水素の濃度は、自己分解の量を加味すると、理論量の少なくとも3倍以上に設定することが好ましい。すなわち、下記の反応式でコバルト成分の抽出が行われるので、このときの過酸化水素量を3倍以上に選ぶ。
【0016】
2LiCo+ H→(LiCo)+ H
(LiCo)+ 6NO→LiNO+Co( NO+ H
図2は酸化性酸、たとえば硫酸や硝酸の少なくとも1種と過酸化水素とを含む酸化性処理溶液における酸化性酸の濃度(規定)と、電極活物質(コバルト含有量 120mg)からのコバルトの抽出量(mg)との関係例を示し、図3は過酸化水素の濃度(規定)と、電極活物質(コバルト含有量 120mg)からのコバルトの抽出量(mg)との関係例を示す。さらに、図4は上記酸化性酸および過酸化水素を含む酸化性処理溶液で、電極活物質を処理するときに、その処理溶液に強制撹拌を施した場合と、強制撹拌を施さなかた場合とを、電極活物質(コバルト含有量 120mg)からのコバルトの抽出量(mg)との関係例を示す。図4において、Dは強制撹拌を施さなかた場合、Eは強制撹拌を施した場合をそれぞれ示す。
【0017】
なお、上記コバルトなどの抽出処理において、酸化性酸および過酸化水素を含む酸化性処理溶液の温度をたとえば 100℃程度に加熱・上昇させると、緩やかな撹拌が促されてコバルトなどの抽出効率が向上する。図5は酸化性酸および過酸化水素を含む酸化性処理溶液温度(℃)とコバルト抽出量(mg)との関係例を示す。
【0018】
さらに、電極構成部を細かく破砕し、コバルトの回収ないし廃電池の処理を行った場合は、コバルトなどを抽出し易い状態にある(バインダーなどによる物理的な封じ込みから解放されている)ため、上記酸化性酸および過酸化水素を含む酸化性処理溶液との接触が促進され、より効率的にコバルトなどが抽出される。
また、前記バインダーは撥水効果を有するため、被処理体をたとえば 180〜 600℃(好ましくは上限は 380℃程度)に加熱し、バインダーを分解してから酸化性処理溶液で処理すると、接触が促進されるので望ましい。図6は、 2LiCoとして 200mgを含んだ電極活物質について、バインダーを分解するため予備加熱を行ってから酸化性処理溶液で処理したときの、予備加熱温度とコバルトの抽出量(mg)との関係例を示す。
【0019】
さらに、酸化性処理溶液での処理に当たって、被処理体に予め脱気処理を施すと、酸化性処理溶液との接触が促進される。図7は、同じく 2LiCoとして 200mgを含んだ電極活物質について、バインダーの撥水性を防ぐため脱気処理を行ってから酸化性処理溶液で処理したときの、脱気処理の真空度(torr)とコバルトの抽出量(mg)との関係例を示す。
【0020】
上記発明に係る処理によれば、コバルト、ニッケル、マンガンの回収以外に、電池の電極部を成すアルミニウム板もしくはアルミニウムシートを分離回収するすることもできる。すなわち、過酸化水素を含む酸化性処理溶液中にアセチレンやカーボンなどの導電体を含有する電極活物質層を備えたアルミニウム基体を浸漬することにより、過酸化水素などの酸化剤によって、前記アセチレンやカーボンなどを二酸化炭素化して、電極活物質層の化学的および物理的な結合を分解する一方、アルミニウム基体表面を不動体化(酸化物層の生成)して、電極活物質層の剥離を行うこともできる。
【0021】
ここでアルミニウム板(電極基体)とは、たとえばリチウムイオン二次電池において、アルミニウム板もしくはアルミニウムシート類を支持体とし、その表面などに所要の電極活物質層を担持した構成を成しているものである。そして、前記回収した電池は、単体、リード付き二次電池、回路基板などを含む電池パック(パッケージ型電池)などの廃棄物から回収されたものであり、また、電極活物質層を担持したアルミニウム板の解体・取り出しは、電池の外装缶を破砕・切断などし、対応する電極活物質を担持した正極や負極およびセパレータなどの電極要素構成部材を取り出し、要すれば短冊状など機械的に切断・分離することを意味する。
【0022】
酸化性処理溶液の組成などは、上記の場合基本的に同様であるが、使用後に無害な物質に分解する過酸化水素−オゾン系、過酸化水素−硝酸系などが好ましい。すなわち、アルミニウム表面の不動体化には、一般的に、硝酸や硫酸が使用されているが、この硝酸溶液や硫酸溶液の場合は、他の金属成分の溶解を招来し、活物質金属の回収効率などが低減する。
【0023】
なお、過酸化水素および酸化性酸を含む酸化性処理溶液の濃度は、アルミニウム板の迅速な分離・回収からすれば高い濃度であることが望ましいけれど、処理設備の耐酸化性などの制約もあるので、たとえば過酸化水素の場合、0.01〜10規定程度に設定し、酸化性溶液の使用量を調整することが好ましい。また、酸化性処理溶液中での浸漬処理に当たっては、酸化性溶液に撹拌や加温を施すと、酸化性溶液の拡散性などが高まり、所要の処理を容易、かつ迅速に行うことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下図8,図9および図10を参照して実施例を説明する。
【0025】
実施例1
図8は、第1の実施例の処理装置を模式的に示すブロック図、図9は工程の概要を示すフローチャート図である。先ず、廃棄処理の対象として、円筒型リチウムイオン二次電池(寸法:直径18mm,長さ65mm、外装ケース:軟鉄,38 g)が12本組み込まれたハーソナルコンピュータ用バッテリーパックを用意する。次いで、予め用意しておいた粉砕器に、前記回収バッテリーパックを収容し、 5mm角間で破砕(粉砕)した後、磁力選別機で軟鉄類を選別除去してから、さらに、比重によって選別した正極部を試料とする。
【0026】
前記試料1を搬送用ベルト2に載置し、たとえば長さ 200mm,幅 500mm,深さ20mm,内容積20 lの処理槽3に、連続的に搬送・供給する。一方、前記処理槽3には、30%過酸化水素溶液槽4、60%硝酸溶液槽5および水槽6から、それぞれポンプ4a,5aを介して過酸化水素溶液および硝酸溶液をミキサー7に供給し、また、前記過酸化水素溶液として供給される過酸化水素が濃度 1規定となるように、過酸化水素溶液、硝酸溶液および水が随時供給されるように設定されている。
【0027】
なお、前記搬送・供給される試料1が、処理槽3中の過酸化水素−硝酸溶液系の酸化性処理溶液8に50分間浸漬するように、20mm/minの速度で搬送用ベルト2が稼働されている。
【0028】
前記処理槽3中の酸化性処理溶液8を浸漬・通過した試料1は、水切り網9上を通過する段階で乾燥され、破棄槽10に搬送される。一方、前記試料1が浸漬(含浸)して通過した処理槽3中の酸化性処理溶液8は、ポンプ 11aによって溶液沈殿処理用の沈殿槽11に供給される。この沈殿槽11には、ホンプ 12aを介して、水酸化ナトリウム溶液槽12から、たとえば10規定濃度の水酸化ナトリウム溶液を供給し、沈殿槽11内の酸化性処理液8をpH12程度に調整する。このpH調整によって、酸化性処理溶液8中に溶解・抽出していたコバルト成分は、水酸化コバルトを生成して沈殿する。
【0029】
その後、前記水酸化コバルトを生成させた酸化性処理溶液8を遠心分離機13に送り、遠心分離処理を行って水酸化コバルトと酸化性処理溶液8とに分離し、電極活物質中のコバルト成分を水酸化コバルトとして回収する。すなわち、分離された水酸化コバルトをコバルト回収容器14に、同じく分離された酸化性処理溶液8をポンプ 15aによって溶液回収容器15にそれぞれ回収する。このコバルトの回収では、回収率84%、純度96%で高い値を示した。
【0030】
なお、コバルトを含有したリチウム二次電池の正極活物質を試料とする代りに、ニッケルやマンガンを含有した他の電池の電極活物質を試料とし、処理した場合も同様な結果が得られる。
【0031】
実施例2
図10は、第2の実施例の処理装置を模式的に示すブロック図である。先ず、廃棄対象として円筒型リチウムイオン二次電池(寸法:直径17mm,長さ57mm、外装ケース:軟鉄,重量26 g)が 3本並列/セット× 3セット直列の合計 9本組み込まれたハーソナルコンピュータ用バッテリーパックを用意した。次いで、このバッテリーパックをパックごと 1 mol/ lの塩酸水溶液に24時間浸漬し、放電処理を行った。この処理において、バッテリーパックの接触端子が溶解し、内部に塩酸水溶液が侵入して、電池の内部を外部と隔離するアルミニウムキャップを溶解し、内部電解液をわうしゅ津することが可能となる。
【0032】
ここでは、塩酸水溶液を使用したが、電気伝導性を有する液体(例えば硝酸水溶液、塩化ナトリウム水溶液など)であれば放電は可能であり、特に、ハロゲンイオンが含まれている水溶液は、メタルへ野アタックが強く、電極の溶解に適している。また、上記では塩酸水溶液で放電とアルミニウムキャップの溶解とを同時に行ったが、別々の工程にわけてもよい。特に、アルミニウムは酸に対して不動態化し易いので、アルミニウムキャップの溶解は苛性ソーダ水溶液で行うこともできる。
【0033】
このようにして、可燃性を有する電解液を破砕前に除去することができ、空気雰囲気下でもより安全に破砕することができる。また、電池に使用されているLiPFはそのままでは無害であるが、水と反応してフッ酸を生成するので、この時点でこれを積極的に除外し、中和処理することも可能である。
【0034】
上記放電および内部電解液の置換が終了したら、電池サンプルを水で洗浄し、3,7kW の一軸破砕器でバッテリーパックごと粉砕する。粉砕物は破砕器下部に予めセットされた径 5mmのスクリーンを径て取り出される。破砕サンプルは湿っているので、破砕片がそれぞれ分離するように乾燥する。乾燥後のサンプルは、磁力選別機で軟鉄類などの磁性体を選別除去してから、さらに、ウイナー式比重選別機で正極材、負極材、樹脂などに分離する。なお、前記回収した鉄類などは、プレスし廃棄物処理業者に売却する。
【0035】
前記試料(正極材)1′を搬送用ベルト2に載置し、たとえば長さ 100mm,幅 500mm,深さ20mm,内容積10 lの処理槽3′に、連続的に搬送・供給する。一方、前記処理槽3′には、30%過酸化水素溶液槽4および水槽6から、それぞれポンプ4a,6aによって、過酸化水素 1規定となるように、過酸化水素および水が随時供給されるように設定されている。なお、前記搬送・供給される試料1が、処理槽3′中の過酸化水素溶液8′に25分間浸漬するように、20mm/minの速度で搬送用ベルト2が稼働されている。
【0036】
前記処理槽3′中の過酸化水素溶液8′を浸漬(含浸)・通過した試料1′は、水切り網9′上を通過する段階で乾燥され、引き続いて比重選別機16に供給される。この比重選別機16において、比重の重い電極活物質と比重の軽いアルミニウムとに選別され、電極活物質用の回収容器17,アルミニウム用の回収容器18にそれぞれ分離回収される。なお、この比重選別機16における選別では、前記過酸化水素溶液8′での浸漬処理で、アルミニウム基体面の不動体化が促され、この不動体化に伴って電極活物質が容易に分離し、アルミニウム成分の80%以上が回収された。
【0037】
次ぎに、前記アルミニウムを分離回収した後の電極活物質を、第1の実施例の場合に準じて処理し、コバルトの分離回収を行った。すなわち、アルミニウムを分離した電極活物質1を、過酸化水素溶液および硝酸溶液をミキサー7で混合し、さらに、過酸化水素の濃度が 1規定となるように、過酸化水素溶液、硝酸溶液および水を随時供給して調製した酸化性処理溶液8を処理槽3に供給する。一方、搬送用ベルト2によって電極活物質1を、前記酸化性処理溶液8中、浸漬・通過させて抽出処理を行ってから、水切り網6上を通過する段階で乾燥された電極活物質を破棄槽10に搬送する。
【0038】
その後、電極活物質1を浸漬(含浸)処理した酸化性処理溶液8を、溶液沈殿処理用の沈殿槽11に供給し、この沈殿槽11に、水酸化ナトリウム溶液槽12から濃度10規定の水酸化ナトリウム溶液を供給する。この水酸化ナトリウム溶液の供給によって、沈殿槽11内の酸化性処理溶液8をpH12程度に調整し、酸化性処理溶液8に抽出していたコバルト成分を水酸化コバルトとして沈殿させる。
【0039】
その後、遠心分離機13に、前記水酸化コバルトを生成した酸化性処理溶液8を送り、遠心分離処理を行って水酸化コバルトと酸化性処理溶液8とに分離し、電極活物質中のコバルト成分を水酸化コバルトとして回収する。すなわち、分離された水酸化コバルトをコバルト回収容器14に、同じく分離された酸化性処理溶液8をポンプ 15aによって溶液回収容器15にそれぞれ回収する。このコバルトの回収では、回収率80%、純度99%で高い値を示した。
【0040】
なお、この実施例の態様においては、アルミニウムを回収する段階、すなわち処理槽3′の酸化性処理溶液8′の代りに、過酸化水素および酸化性酸を含む酸化性処理溶液8を使用した場合は、処理槽3で使用した酸化性処理溶液8併せて沈殿槽11で沈殿処理することが好ましい。また、コバルトを含有したリチウム二次電池の正極活物質を試料とする代りに、ニッケルやマンガンを含有した他の電池の電極活物質を試料とし、処理した場合も同様な結果が得られる。
【0041】
本発明は上記例示の実施態様に限定されるものでなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で、いろいろの変形を採ることができる。たとえば廃棄電池は、リチウム二次電池パック以外に、リチウム二次電池単体、ニッケル水素二次電池系、マンガン電池などの場合にも、同様に適用できる。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、環境汚染ないし環境負荷などを低減・回避できるとともに、資源の有効な活用を図ることが可能な廃電池の処理方法を容易に実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る廃電池の処理方法において、コバルトを含有する電極活物質を抽出処理するときの過酸化水素を含む酸化性処理溶液の調製手順とコバルトの回収量との関係例を示す特性図。
【図2】本発明に係る廃電池の処理方法において、コバルトを含有する電極活物質を抽出処理するときの過酸化水素を含む酸化性溶液中の酸濃度とコバルトの抽出量との関係例を示す特性図。
【図3】本発明に係る廃電池の処理方法において、コバルトを含有する電極活物質を抽出処理するときの酸化性溶液中の過酸化水素の濃度とコバルトの抽出量との関係例を示す特性図。
【図4】本発明に係る廃電池の処理方法において、コバルトを含有する電極活物質を抽出処理するときの過酸化水素を含む酸化性溶液の撹拌有無とコバルトの抽出量との関係例を示す特性図。
【図5】本発明に係る廃電池の処理方法において、コバルトを含有する電極活物質を抽出処理するときの過酸化水素を含む酸化性溶液の温度とコバルトの抽出量との関係例を示す特性図。
【図6】本発明に係る廃電池の処理方法において、コバルトを含有する電極活物質を抽出処理するときの予備加熱温度とコバルトの抽出量との関係例を示す特性図。
【図7】本発明に係る廃電池の処理方法において、コバルトを含有する電極活物質を抽出処理するときの予備真空処理とコバルトの抽出量との関係例を示す特性図。
【図8】本発明に係る第1の廃電池処理装置の構成例を示すブロック図。
【図9】第1の廃電池処理装置による実施態様例を説明するためのフローチャート図。
【図10】本発明に係る第2の廃電池処理装置の構成例を示すブロック図。
【符号の説明】
1……試料(サンプル)
2……搬送ベルト
3,3′……処理槽
4……過酸化水素溶液槽
4a,5a,6a,11a,12a,15a ……ポンプ
5……酸化性酸溶液槽
6……水槽
7……ミキサー
8……酸化性処理溶液
9,9′……水切り網
10……破棄槽
11……沈殿槽
12……水酸化ナトリウム溶液槽
13……遠心分離機
14……コバルト回収容器
15……処理液回収容器
16……比重選別機
17……アルミニウム回収容器
18……電極活物質回収容器

Claims (1)

  1. コバルト、ニッケルおよびマンガンの少なくとも1種を含む使用済み電池電極を処理する処理槽と、過酸化水素溶液および酸化性酸溶液を混合して酸化性処理溶液を調製した後、前記処理槽に供給する酸化性処理溶液の調製供給機構と、前記処理槽内での使用済み電池電極処理後の酸化性処理溶液を回収する処理液回収槽と、前記処理液回収槽内にアルカリ性溶液を供給し、前記遷移金属を無機塩化して沈殿させるアルカリ性溶液供給機構と、前記沈殿させた遷移金属の無機塩を酸化性処理溶液から分離する金属無機塩分離回収機構とを有することを特徴とする廃電池の処理装装置。
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