JP3624763B2 - 地中連続壁を用いた土壌・地下水汚染の浄化構造および浄化方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、土壌あるいは地下水が汚染される可能性がある地盤あるいは汚染された地盤に対する汚染対策として、中空部を有する透過性の地中連続壁を利用し汚染物質の効率的な浄化を図る構造および方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
廃棄物処分場の遮水工の破損や、工場プラントの配管の破損等に伴い、有害な化学物質などが漏出したり、あるいは、汚染物質の不法投棄により、土壌あるいは地下水が汚染される事例がある。
近年は、環境に対する社会ニーズの高まりが著しく、汚染が発見されるケースが増えており、またその一方で、汚染土壌あるいは地下水の修復技術開発が盛んに行われている。しかしながら、汚染物質の除去は容易ではなく、従来技術の多くにおいては、除去のために長い時間と莫大な費用がかかるという問題を有している。
【0003】
そこで、比較的簡便な方法で汚染物質の浄化を図る方法として、特公平6−104975号公報に開示されているものが挙げられる。
特公平6−104975号公報記載の発明は、多孔板とスペーサー兼用構造材などからなる透過性のある壁体を構築し、この壁体内部に浄化材料を設置し、汚染物質がこの壁体内部を透過する際に浄化を図るものであり、浄化のための特殊な装置を必要としないため、浄化費用も低く抑えられるというメリットがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特公平6−104975号公報記載の発明では、構築される壁体自体の厚さが薄い場合には、汚染物質と浄化材料の接触時間および接触区間が短くなり、十分な浄化機能が発揮されないという問題を有している。
この多孔板を用いた技術において、接触時間および接触区間を長くとるためには、壁厚を厚くせざるを得ず、設置費用が増えるだけでなく、比較的土地に余裕がない場合には設置できないなどの問題を有している。例えば、微生物による分解浄化を期待する場合には、比較的長い接触時間と長い接触区間が必要となるため、対応が不可能となる。
【0005】
そこで、本願発明では、中空部を有する透過性の地中連続壁を構築し、中空部に充填または設置した浄化材料と汚染物質との接触時間、接触区間を長くとることができるよう工夫することで、土壌・地下水汚染の対策として効率的な浄化構造および方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本願の請求項1に係る発明は、内外壁面によって構成される中空部と、内外壁部分に形成された通水部とを有する地中連続壁を地盤中に構築するとともに、前記中空部に対象地盤に生ずる汚染した地下水または汚染物質を浄化するための浄化材料を充填または設置してなる土壌・地下水汚染の浄化構造であって、内壁面側の通水部と外壁面側の通水部が地中連続壁の壁厚方向に重ならないように鉛直方向および/または水平方向にずらして配置されていることを特徴とするものである。
【0007】
中空部に充填または設置される浄化材料については、汚染物質に応じたものを適宜使い分けるものとする。例えば、各種濾過材や活性炭等の吸着材あるいは化学的分解を図るための還元材等が挙げられる。
また、本願発明においては、この浄化材料と汚染物質との接触時間や接触区間を比較的任意にとることができるため、浄化に比較的長時間かかる生物学的浄化による対応も可能であり、微生物が棲息するための多孔質材料等を投入することも可能である。
【0008】
内外壁部分の通水部は、地下水または汚染物質と前記浄化材料との関係で必要とされる接触時間や接触距離に応じて配置するのが好ましい。
なお、地中連続壁は中空部が形成できるものであれば、その材質、形状等は限定されない。
本願の請求項2に係る発明は、内外壁面によって構成される中空部と、内外壁部分に形成された通水部とを有する地中連続壁を地盤中に構築するとともに、前記中空部に対象地盤に生ずる汚染した地下水または汚染物質を浄化するための浄化材料を充填または設置してなる土壌・地下水汚染の浄化構造であって、内壁面側の通水部と外壁面側の通水部との間に、地下水または汚染物質の流路が長くなるような仕切りが設けられていることを特徴とするものである。
【0009】
この場合も、請求項1に係る発明の場合と同様、流路を長くすることができるので、浄化材料との接触時間や接触距離を長くすることができ、浄化効率が向上する。
請求項3に係る発明は、請求項1または2に係る地中連続壁を用いた土壌・地下水汚染の浄化構造において、前記地中連続壁が内外壁部分と該内外壁部分をつなぐ隔壁部分とを有し、前記隔壁部分に中空部を地中連続壁連続方向に連通させる通水部が設けられていることを特徴とする。
【0010】
この場合も材質等は、鋼、コンクリート等、特に限定されないが、地中連続壁の構築において中空部を形成しやすいという点では、鋼製のH形断面あるいは箱形断面形状を有し、接続部に止水可能な継手を形成したものなどが適する。
通水部の形状は、小孔、大きめの穴、スリット状のもの等、特に限定されず、通水部によって隔壁部分で仕切られる中空部どうしを連通させることで、地下水または汚染物質の流れを自由に設定することができ、浄化材料との接触時間および接触区間を任意に設定することができる。
【0011】
請求項4に係る発明は、請求項3に係る地中連続壁を用いた土壌・地下水汚染の浄化構造において、前記地中連続壁が内外壁部分を構成するフランジ部と、該フランジ部間をつなぐ隔壁部とを有する連壁構成部材を地中連続壁の連続方向に接続されてなるものであり、前記連壁構成部材の一部は内壁部分のフランジ部に通水部を有し、他の一部は外壁部分のフランジ部に通水部を有し、さらに他の一部は内外壁部分には通水部を有しないものであることを特徴とする。
【0012】
すなわち、請求項4に係る発明は、連壁構成部材について内外壁部分に形成される通水部の配置等が異なる複数種類の連壁構成部材を組み合わせることで、必要に合わせて浄化材料との接触時間および接触区間を任意に設定できるように工夫したものである。
請求項5に係る発明は、請求項3または4に係る地中連続壁を用いた土壌・地下水汚染の浄化構造において、前記連壁構成部材の隔壁部分の通水部について、隣接する連壁構成部材間で高さ方向の位置をずらしてあることを特徴とする。
【0013】
請求項5に係る発明も、同様に、必要に合わせて浄化材料との接触時間および接触区間を任意に設定できるように工夫したものであり、請求項4が内外壁部分の通水部の配置を異ならせたのに対し、請求項5では隔壁部分の通水部の配置を異ならせている。
請求項6に係る発明は、請求項1、2、3、4または5に係る地中連続壁を用いた土壌・地下水汚染の浄化構造において、前記内外壁部分の通水部に、土砂の侵入を防ぐためのフィルターが設けられていることを特徴とする。
【0014】
対象地盤内の土砂が通水部から地中連続壁の中空部に侵入することにより、地中連続壁内部での水の自由な流れが阻害される恐れがある場合などに、内壁部分の通水部に土砂の侵入を防ぐためのフィルターを設けることで対処させることができる。
この場合のフィルターについては、構造、材質、形状、取付け方法等、特に、限定されない。また、地中連続壁の中空部内にフィルターの機能を有する材料を充填し、土砂の侵入を防止することもでき、その場合、カートリッジ式にすれば交換も可能である。
【0015】
請求項7に係る発明は、請求項1、2、3、4、5または6に係る地中連続壁を用いた土壌・地下水汚染の浄化構造において、前記中空部に充填または設置される浄化材料を交換式のカートリッジとしたものである。
浄化材料については、汚染物質に応じたものを適宜使い分けることができるが、時間の経過とともに劣化し浄化効率が落ちる場合があるため、その場合には、適宜取り替えが容易なカートリッジ式のものとすることが望ましい。
【0016】
請求項8に係る浄化方法は、請求項1、2、3、4、5、6または7に係る地中連続壁を用いた土壌・地下水汚染の浄化構造における地中連続壁を、汚染の生ずる可能性のある対象地盤を取り囲むように構築し、前記対象地盤に注水することにより、対象地盤内の地下水位を上昇させ、前記地中連続壁の内外の水位差により地中連続壁の外側へ向かう汚染した地下水または汚染物質の流れを促進させることを特徴とするものである。
【0017】
地下水の自然な流れが期待できる場合には、上述した請求項1〜7に係る浄化構造により、汚染物質が地下水とともに浄化材料を充填または設置した地中連続壁の内部を透過することで良好な浄化効果が得られる。
しかしながら、地下水流が期待できない場合などにおいては、地中連続壁で取り囲んだ対象地盤に注水井戸などから注水することにより、強制的に地下水流を発生させ、汚染の浄化促進を図ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は、本願の請求項1に係る発明の一実施形態を概略的に示したものであり、内外壁面に通水孔6、6’を形成して透過性を持たせた中空の地中連続壁1の中空部aに浄化材料10を投入した構造において、汚染地盤b側に設けられる通水孔6と、汚染地外側の周辺地盤cに設けられる通水孔6’の鉛直方向の位置を離すことで、汚染物質と浄化材料10の接触時間、接触区間を長くとれるようにしている。
【0019】
すなわち、図に示すように、地中連続壁1の中空部aにおける汚染物質の透過は鉛直方向となるため、透過経路Lが長くなり、汚染物質と浄化材料10との接触時間ならびに接触区間を長くとることができる。従って、比較的地中連続壁1の壁厚が薄い場合でも、効率的な浄化を図ることができる。
なお、この例は内外壁面の通水孔6、6’を鉛直方向にずらした場合であるが、鉛直方向に限らず、鉛直方向と水平方向、すなわち全方向について同様に考えることができる。
【0020】
図2は、請求項1に係る発明の他の実施形態として、同様の構造を、鋼矢板11に中空部を持たせるための溝形鋼12を取り付け、鋼矢板11両端の継手を介して地中連続壁1方向に連結して構築する場合を示したものである。この場合も内外壁面の通水孔6、6’を鉛直方向にずらすことで、透過する汚染物質と浄化材料10の接触時間、接触区間を長くとることが可能となる。
【0021】
図3は、請求項1に係る発明のさらに他の実施形態として、中空である鋼管矢板13を継手を介して連結して地中連続壁1を形成する場合を示したものである。この場合も、地中連続壁1の内壁面側の通水孔6と外壁面側の通水孔6’を鉛直方向にずらすことで、透過する汚染物質と浄化材料10の接触時間、接触区間を長くとることが可能となる。
【0022】
図4(a) 〜(c) は、それぞれ本願の請求項2に係る発明の互いに異なる実施形態を概略的に示したもので、内壁面側の通水部6と外壁面側の通水部6’との間に、地下水または汚染物質の流路が長くなるような仕切り8(または8a〜8d)を設けることにより、浄化材料10との接触時間、接触距離を長くとることが可能となる。
【0023】
図4(a) の実施形態は、中空部a内の壁厚方向の中間に地中連続壁1の連続方向とほぼ平行となるように仕切り8を設けたものであり、その分、地中連続壁1を透過する汚染した地下水や汚染物質と浄化材料10との接触時間、接触距離が長くなる。
図4(b) の実施形態は、中空部a内に同様の2枚の仕切り8a,8bを設けたものであり、さらに地下水や汚染物質と浄化材料10との接触時間、接触距離が長くなる。
【0024】
図4(c) の実施形態は、2枚の仕切り8c,8dのうち、一方の仕切り8cは上側があいており、他方の仕切り8dは下側があいており、それにより地下水または汚染物質の流路が長くなるようにしたものであり、地下水または汚染物質は地中連続壁1の中空部a内を図の矢印のように透過して行く。なお、この場合も仕切りを1枚とし、上下いずれか一方があくようにしたものでもよい。
【0025】
なお、図4(a) 〜(c) の何れの実施形態においても、内壁面側の通水部6と外壁面側の通水部6’が地中連続壁1の壁厚方向に重ならないようにずらして配置する場合(請求項1の構造との併用)と、ずらさない場合とが考えられる。
また、これらの実施形態の他、図示しないが、通水孔を有する仕切りを中空部を分断するように設けるなどして、接触時間、接触距離を調整することも可能である。
【0026】
さらに、図2、図3に示した実施形態のように、鋼矢板11や鋼管矢板13を用いる場合について請求項2に係る発明を適用する場合も、同様に考えることができる。
図5は、本願の請求項3に係る発明の一実施形態に使用する連壁構成部材の一例を示したものである。この連壁構成部材2は、H形断面の鋼製部材のフランジ5,5’の端部に雄雌の継手を形成し、隔壁部分を構成するウェブ3および内外壁部分を構成するフランジ5,5’に、それぞれ通水孔4,6,6’が離散的に配置されるように設けたものである。
【0027】
この連壁構成部材2自体は中空構造ではないが、これを多数接続して地中連続壁1を構築することで、ウェブ3およびフランジ5,5’により閉合された中空部aが形成される。なお、継手部分には必要に応じ止水材を充填するなどして止水性を確保する。
この連壁構成部材2を地盤に打設するにあたっては、図1に示すように地下の不透水層dまで打設しておく。また、打設した直後において、中空部a内に打設地盤の土砂が詰まった状態となる場合には、打設後、この土砂を不透水層d上面まで除去する。除去方法としては、例えばウォータージェット等を用いて除去したり、あるいは予め掘削孔を設けておくなどの方法が考えられる。
【0028】
図6および図7は、本願の請求項4に係る発明の一実施形態における地中連続壁部分の概要と連壁構成部材の例を示したものである。
この例では、図7(a) 〜(c) に示すように、フランジ5,5’の端部に継手を有するH形断面の鋼製部材からなる連壁構成部材2a,2b,2cを、図6のように組み合わせて地中連続壁1を構築しており、ウエブ3およびフランジ5、5’により中空部aが形成され、この中空部aの隔壁部分となるウエブ3には、通水孔4が設けられ、連続する壁体の中空部a間において、汚染物質の自由な透過が可能となっている。
【0029】
フランジ5,5’について、図7(a) に示す連壁構成部材2aには汚染地側のフランジ5にのみ通水孔6が設けられており、図7(b) に示す連壁構成部材2bには汚染地外側のフランジ5’にのみ通水孔6’が設けられ、図7(c) に示す連壁構成部材2cにはフランジ5、5’のいずれにも通水孔が設けられていない。
これらを図6に示すように組み合わせ、地中連続壁1を構築することで、図7(c) の連壁構成部材2cを挟む部分Bが透過経路として確保され、適宜これらの連壁構成部材2a,2b,2cを組み合わせることにより、浄化材料との接触時間および接触区間を任意に設定することができる。
【0030】
図8および図9は、本願の請求項5に係る発明の一実施形態における地中連続壁部分の概要と連壁構成部材の例を示したものである。
この例では、図9(a) 、(b) に示すように、上述した図6および図7に示した実施形態における連壁構成部材について、例えば図7(c) の連壁構成部材2cについて、ウェブ3に設けられる通水孔4の位置を部材毎に鉛直方向に比較的離れるようにした連壁構成部材2c’,2c”を組み合わせて用いている。
【0031】
同様に、連壁構成部材2a、2bについても、通水孔4の位置を図8(b) や図9に示したような配置とすることで、透過経路が水平方向だけでなく鉛直方向にも形成されるため、汚染物質と浄化材との接触時間および接触区間をさらに長くとることができる。
図10は、本願の請求項6に係る発明の一実施形態を示したもので、通水孔6を通じて汚染地内の土砂が地中連続壁の中空部内に侵入することにより、地中連続壁内部での水の自由な流れが阻害される恐れがある場合などにおいて、フィルター7を設けることで、通水孔6からの土砂の侵入を防ぐことができる。この場合のフィルター7については、構造、材質、形状、取付け方法等は、特に限定されない。
【0032】
図11は、本願の請求項7に係る発明の一実施形態として、浄化材料10をカートリッジ式にして、地中連続壁1の中空部に着脱できるようにした場合を説明的に示したものである。
本願発明において、中空部aに投入される浄化材料10については、汚染物質に応じたものを適宜使い分けることができるが、時間の経過とともに劣化し浄化効率が落ちる場合があるため、その場合、適宜取り替えが容易なように、カートリッジ14とすることが望ましい。
【0033】
また、汚染物質が複数種類にわたる場合や、還元してから吸着させるように多段階の処理を必要とする場合、あるいは予め汚染対策として本願発明の構造を設けておく場合には、複数の浄化材料を設置し、汚染された地下水または汚染物質がそれら全てを通過するように通水部や仕切りを形成すればよい。また、カートリッジ式の浄化材料の中に仕切りを設けることでも、同様の効果を得ることができる。
【0034】
図12および図13は、本願の請求項8に係る発明の一実施形態を概略的に示したもので、本願各請求項に係る浄化構造に用いられる地中連続壁1を汚染地盤bを取り囲むように構築し、汚染地盤bに設置した注水井戸15から注水することで、汚染地盤b内の地下水位を上昇させるようにしたものである。
注水により地中連続壁1の内外で水位差が生じ、注水井戸15を設けた対象地盤bの中央部から、地中連続壁1の外側へ向かう汚染した地下水や汚染物質の流れが促進されるため、浄化材料10を備えた透過性の地中連続壁1を通過する際の浄化を効率的に行うことができる。図中、白抜きの矢印は地下水および汚染物質の移動の方向を示したものである。
【0035】
また、この場合、注水井戸15から汚染地盤bに浸透させる水に、浄化を促進させるための反応材等を適宜混入させても良い。
【0036】
【発明の効果】
▲1▼本願発明では、内外壁面の内側に浄化材料を充填または設置した中空部を有する地中連続壁を用い、内外壁部分や隔壁部分に形成される通水部を鉛直方向や水平方向にずらして配置すること、あるいは間に仕切りを設けることで、汚染物質や浄化材料に合わせてこれらの接触時間、接触区間を比較的任意にとることができ、高い汚染浄化効果が期待できる。
【0037】
▲2▼請求項6に係る発明では内外壁部分の通水部に、土砂の侵入を防ぐためのフィルターが設けられていることで、通水部からの土砂の侵入により地中連続壁内部での水の自由な流れが阻害されるのを防止することができる。
▲3▼請求項7に係る発明では、中空部に充填または設置される浄化材料を交換式のカートリッジとしたことで、浄化材料が時間の経過とともに劣化した場合に、容易に交換でき、それにより浄化効果を長期にわたり維持することができる。
【0038】
▲4▼請求項8に係る浄化方法では、地下水流があまり期待できない場合などにおいても、地中連続壁で取り囲んだ対象地盤に注水井戸などから注水することで、強制的に地下水流を発生させ、汚染の浄化促進を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の請求項1に係る発明の一実施形態を概略的に示す鉛直断面図である。
【図2】本願の請求項1に係る発明の他の実施形態を概略的に示す水平断面図である。
【図3】本願の請求項1に係る発明のさらに他の実施形態を概略的に示す水平断面図である。
【図4】(a) 〜(c) はそれぞれ本願の請求項2に係る発明の互いに異なる実施形態を概略的に示したもので、(a) および(b) は水平断面図、(c) は鉛直断面図である。
【図5】本願の請求項3に係る発明の一実施形態に使用する連壁構成部材の一例を示す斜視図である。
【図6】本願の請求項4に係る発明の一実施形態を示したもので、(a) は水平断面図、(b) は鉛直断面図である。
【図7】図6の実施形態に用いる連壁構成部材を示す斜視図である。
【図8】本願の請求項5に係る発明の一実施形態を示したもので、(a) は水平断面図、(b) は鉛直断面図である。
【図9】図8の実施形態に用いる連壁構成部材を示す斜視図である。
【図10】本願の請求項6に係る発明の一実施形態におけるフィルター部分の断面図である。
【図11】本願の請求項7に係る発明の一実施形態におけるカートリッジ式の浄化材料の着脱を説明するための断面図である。
【図12】本願の請求項8に係る発明の一実施形態を概略的に示す鉛直断面図である。
【図13】図12に対応する水平断面図である。
【符号の説明】
a…中空部、b…汚染地盤、c…周辺地盤、d…不透水層、1…地中連続壁、2、2a、2b、2c…連壁構成部材、3…ウェブ、4…通水孔(隔壁部分)、5…フランジ、6…通水孔(内壁部分)、7…フィルター、8,8a,8b,8c,8d…仕切り、9…注水井戸、10…浄化材料、11…鋼矢板、12…溝形鋼、13…鋼管矢板、14…浄化材料のカートリッジ、15…注水井戸
Claims (8)
- 内外壁面によって構成される中空部と、内外壁部分に形成された通水部とを有する地中連続壁を地盤中に構築するとともに、前記中空部に対象地盤に生ずる汚染した地下水または汚染物質を浄化するための浄化材料を充填または設置してなる土壌・地下水汚染の浄化構造であって、内壁面側の通水部と外壁面側の通水部が地中連続壁の壁厚方向に重ならないように鉛直方向および/または水平方向にずらして配置されていることを特徴とする地中連続壁を用いた土壌・地下水汚染の浄化構造。
- 内外壁面によって構成される中空部と、内外壁部分に形成された通水部とを有する地中連続壁を地盤中に構築するとともに、前記中空部に対象地盤に生ずる汚染した地下水または汚染物質を浄化するための浄化材料を充填または設置してなる土壌・地下水汚染の浄化構造であって、内壁面側の通水部と外壁面側の通水部との間に、地下水または汚染物質の流路が長くなるような仕切りが設けられていることを特徴とする地中連続壁を用いた土壌・地下水汚染の浄化構造。
- 前記地中連続壁が内外壁部分と該内外壁部分をつなぐ隔壁部分とを有し、前記隔壁部分に中空部を地中連続壁連続方向に連通させる通水部が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の地中連続壁を用いた土壌・地下水汚染の浄化構造。
- 前記地中連続壁は、内外壁部分を構成するフランジ部と該フランジ部間をつなぐ隔壁部とを有する連壁構成部材が地中連続壁の連続方向に接続されてなり、前記連壁構成部材の一部は内壁部分のフランジ部に通水部を有し、他の一部は外壁部分のフランジ部に通水部を有し、さらに他の一部は内外壁部分には通水部を有しないものであることを特徴とする請求項3記載の地中連続壁を用いた土壌・地下水汚染の浄化構造。
- 前記連壁構成部材の隔壁部分の通水部について、隣接する連壁構成部材間で高さ方向の位置をずらしてあることを特徴とする請求項3または4記載の地中連続壁を用いた土壌・地下水汚染の浄化構造。
- 前記内外壁部分の通水部には、土砂の侵入を防ぐためのフィルターが設けられていることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の地中連続壁を用いた土壌・地下水汚染の浄化構造。
- 前記中空部に充填または設置される浄化材料は、交換式のカートリッジになっている請求項1、2、3、4、5または6記載の地中連続壁を用いた土壌・地下水汚染の浄化構造。
- 請求項1、2、3、4、5、6または7記載の地中連続壁を用いた土壌・地下水汚染の浄化構造における地中連続壁を、汚染の生ずる可能性のある対象地盤を取り囲むように構築し、前記対象地盤に注水することにより、対象地盤内の地下水位を上昇させ、前記地中連続壁の内外の水位差により地中連続壁の外側へ向かう汚染した地下水または汚染物質の流れを促進させることを特徴とする地中連続壁を用いた土壌・地下水汚染の浄化方法。
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