JP3624563B2 - 電気掃除機用吸込具のアジテーターの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電気掃除機用吸込具のアジテーターの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年アジテーターを強制的に回転させ、じゅうたん等の掃除を有効に行う電気掃除機用吸込具が主流となってきている。従来この種の吸込具は、特開昭61ー33634号公報に記載されているものが知られている。
【0003】
また電気掃除機用吸込具に高速で回転するアジテーターを組み込んだ製品も一般化している。
【0004】
その構成を図7、図8で説明すると、吸込具本体18は吸込具上部材(図示せず)と吸込具下部材19とにより構成されており、前記吸込具下部材19は下面に開口した開口部20と、前記開口部20に臨みさらに回転自在にアジテーター22を収納するアジテーター室22Aと、端部を前記吸込具上部材(図示せず)と吸込具下部材19と挟持され掃除機本体の吸込部(図示せず)と連通するアーム21と、前記アーム21と開口部20間に位置して両者を連通する吸込口20Bと、前記アジテーター22をベルト23を介して駆動するモーター24により構成されている。
【0005】
前記アジテーター22は、硬質な材料で成形された基部25と、前記基部25の周面に螺旋状に設けられた複数の溝部26と、各溝部26の一端側から挿入され軟質な材料で成形され塵埃かき上げ用のブレード27とで形成され、前記ブレード27が溝部26より外れないように基部25の両端に軸受材28が固着されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の電気掃除機用吸込具のアジテーターでは、アジテーター22がモーター24により回転すると、螺旋状に設けられたブレード27により、同ブレード27の一端が床に接触した時点より、順次床面の塵埃がブレード27の他端側に移動していく。一般に吸込口20Bの所がもっとも吸引力が大きいので、塵埃が吸込口20Bの近傍に達した時点で吸引されるが、一部吸引されなかった塵埃が、吸込口20Bの近傍を通りすぎ、ブレード27の他端に達しその部分に残るという問題があった。
【0007】
また、アジテーター22を組み立てるために、ブレード27を一本ずつ基部25に設けた溝部26に挿入しなければならず、組立に工数が掛かっていた。さらに、溝部26はブレード27を確実に係止するためにある程度の深さを必要とするため、溝部26を複数設けるために、基部25の外径が小さくできない問題があった。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するもので、集塵効率がよく、小型でしかも製造の容易な電気掃除機用吸込具のアジテーターの製造方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、スリーブとブレードを軟質な材料にて一体的に押出成形し、そのスリーブ内に硬質な材料にて形成された中心部材を挿入し、その後、吸込口近傍にあたる位置にて中心部材とブレードを同時に固定しながら、前記ブレードの両端部を一方向にねじり回転させ、さらに中心部材とブレードを固着させてアジテーターを製造する電気掃除機用吸込具のアジテーターの製造方法とすることで、同一金型でねじり加工時のねじり角度の変更のみで、多種多様のアジテーターが制作できるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1記載の発明は、スリーブとブレードを軟質な材料にて一体的に押出成形し、そのスリーブ内に硬質な材料にて形成された中心部材を挿入し、その後、吸込口近傍にあたる位置にて中心部材とブレードを同時に固定しながら、前記ブレードの両端部を一方向にねじり回転させ、さらに中心部材とブレードを固着させてアジテーターを製造するようにしたので、同一金型でねじり加工時のねじり角度の変更のみで、多種多様のアジテーターが制作できるものである。
【0011】
本発明の請求項2記載の発明は、中心部材を一定応力を加える事で塑性変形可能な硬質な材料で成形し、前記中心部材の表面に構成された保持部に軟質な材料にて形成したブレードを挿入し、その後、吸込口近傍にあたる位置をブレード、中心部材共に固定しながら、ブレードと中心部材の両端部を共に同方向にねじり回転して永久変形をさせて製造するようにしたので、同一金型でねじり加工時のねじり角度の変更のみで、多種多様のアジテーターが制作できるものである。
【0012】
【実施例】
(実施例1)
以下本発明の第1の実施例について図1及び図2を用いて説明する。
【0013】
吸込具本体18は吸込具上部材2と吸込具下部材3とにより構成されており、前記吸込具下部材3は下面に開口した開口部20と、前記開口部20に臨みさらに回転自在にアジテーター6を収納するアジテーター室22Aと、端部を前記吸込具上部材2と吸込具下部材3とで挟持され,掃除機本体の吸込部(図示せず)と連通するアーム5と、前記アーム5と開口部20間に位置して両者を連通する吸込口4と、内部に前記アジテーター6を駆動するアジテーター駆動用モーター9を内装し、前記アジテーター6の両端部に、吸込具床下部材2に固定される固定部9を設け、その一方側にアジテーター駆動用モーター9より、ギヤー小10、ベルト7を通してアジテーター駆動用モーター9の回転を伝えるギヤー大11をアジテーター軸12に組付固定している。
【0014】
アジテーター6は、ABS等の硬質な樹脂材料で形成され、略柱状の中心部材14と、中心部材14の両端に固着されたアジテーター軸12と、ゴム等の軟質材料から成り中心部材14の表面に設けられた塵埃かき上げ用のブレード15で形成されている。
【0015】
そして、ゴム等の軟質な材料からなるブレード15を、同じくゴム等の軟質な材料からなる略筒状のスリーブ16の外表面に放射状に一体的に形成し、前記スリーブ16にアジテーター6の中心部材14を挿入して形成したものである。また、ブレード15は、長手方向の中心部16から見て両方向に対称となるようなV字状で、長手方向端部まで螺旋状に構成して成るものである。
【0016】
また、ブレード15の凸状部はV字状の谷部が、アジテーター6の反回転側に少なくとも隣あって位置する他のブレードの長手方向両端部を結んだ線よりもアジテーター6の反回転側に位置するように形成されている。
【0017】
上記構成において動作を説明すると、掃除機本体よりアジテーター6に回転の指示があればアジテーター駆動用モーター9に電気が流れ、アジテーター駆動用モーター9が回転を始め、その回転力がギヤー小10、ベルト7、ギヤー大11を通じアジテーター6を回転させる。アジテーター6の回転により、塵埃等のゴミはアジテーター6の長手方向の中心部16を起点として、両側に対称となるよう構成されたスジ状の凸形状に形成されたブレード15により床面をかき混ぜ叩きながら、塵埃等のゴミを中心部16へ移動させることにより吸込口4に接近させ、吸引しやすくできるものである。
【0018】
(実施例2)
第2の実施例を図6にて説明すると、第1の実施例のアジテーター6のブレード15のV字状の谷部が、アジテーター6の回転側に少なくとも隣あって位置する他のブレードの長手方向両端部を結んだ線よりもアジテーター6の回転側に位置するように形成されている。
【0019】
上記構成において動作を説明すると、アジテーター6の回転により、塵埃等のゴミはアジテーター6の長手方向の中心部16を起点として、両側に対称となるよう構成されたブレード15により床面をかき混ぜ叩きながら塵埃等のゴミを吸込具両端へ移動させることにより吸込口4に接近させ、吸引しやすくできるものせ、吸引しやすくできるものである。
【0020】
(実施例3)
第3の実施例を図3により説明すると、第1の実施例のアジテーター6は、中心部材14を硬質塩化ビニール等の硬質な材料、ブレード15を軟質塩化ビニール等の軟質な材料で、異材質押出成形し、一体品として構成されている。なお、中心部材14とブレード15の異材質押出成形時、金型の口金をスパイラル状に形成しておく事によりアジテーター6表面のブレード15は、スパイラル状に形成することができる製造方法である。
【0021】
(実施例4)
第4の実施例を図4にて説明すると、第1の実施例のアジテーター6は、中心部材14をアルミ等の硬質な材料にて成形し、表面のかき上げ用ブレード15をゴム等の軟質な材料にてスリーブ状に成形され、成形後、上記アジテーター6の中心部材14を挿入する。
【0022】
その後、中心部16を固定しかき上げ用ブレード15両端部を同方向にねじり回転し、中心部材14の端部と接着材等により固定することにより形成されている。
【0023】
(実施例5)
第5の実施例を図5にて説明すると、第1の実施例のアジテーター6は、常温にて塑性変形可能なアルミ等の硬質な材料にて形成されたアジテーター6の中心部材14の表面に構成された溝17に、塵埃かき上げ用ブレード15を軟質な材料にて押出成形し、中心部材14の溝17に挿入する。
【0024】
その後、中心部16をブレード15、中心部材14共に固定し、両端部をブレード15、中心部材14共に同方向にねじり回転し形成されている。
【0025】
なお上記実施例においては、アジテーター駆動源としてモーターを使用したがもちろんこのモーターの代わりにエアータービンなどの他の駆動手段を採用してもよい。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、同一金型でねじり加工時のねじり角度の変更のみで、多種多様のアジテーターが制作できるものである。異材質押出成形にて、製造するためブレードを組付ける手間が少なく、組立性のよい、小型で操作性がよく使い勝手のよい電気掃除機用吸込具を提供できるものである。
【0027】
また後加工によりブレードのねじり加工を行うことにより、複数の電気掃除機用吸込具のアジテーターを製造するにおいて、成形用の金型を共用できることにより、製造コストが安価になり、高品質なアジテーターを安価にて提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す電気掃除機用吸込具の平面図
【図2】同吸込具のアジテーターの分解斜視図
【図3】同吸込具のアジテーターの断面図
【図4】同吸込具のアジテーターの製造方法の説明図
【図5】同吸込具のアジテーターの製造方法の説明図
【図6】本発明の実施例を示す電気掃除帰用吸込具の平面図
【図7】従来の構成の吸込具の平面図
【図8】従来の構成の吸込具のアジテーターの軸方向の断面形状を含む一部破断図平面図
【符号の説明】
1 吸込具本体
2 吸込具下部材
3 吸込具上部材
4 吸込口
5 アーム
6 アジテーター
7 ベルト
8 固定部
9 モーター
10 ギヤー小
11 ギヤー大
12 アジテーター軸
14 中心部材
15 ブレード
16 中心部
17 溝
18 吸込具本体
19 吸込具下部材
20 吸込口
21 アーム
22 アジテーター
23 ベルト
24 モーター
25 基部
26 溝部
27 ブレード
28 軸部材
Claims (2)
- スリーブとブレードを軟質な材料にて一体的に押出成形し、そのスリーブ内に硬質な材料にて形成された中心部材を挿入し、その後、吸込口近傍にあたる位置にて中心部材とブレードを同時に固定しながら、前記ブレードの両端部を一方向にねじり回転させ、さらに中心部材とブレードを固着させてアジテーターを製造する電気掃除機用吸込具のアジテーターの製造方法。
- 中心部材を一定応力を加える事で塑性変形可能な硬質な材料で成形し、前記中心部材の表面に構成された保持部に軟質な材料にて形成したブレードを挿入し、その後、吸込口近傍にあたる位置をブレード、中心部材共に固定しながら、ブレードと中心部材の両端部を共に同方向にねじり回転して永久変形をさせて製造する電気掃除機用吸込具のアジテーターの製造方法。
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