JP3624176B2 - パワーウィンド駆動制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に搭載されるパワーウィンドの駆動を制御するパワーウィンド駆動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車両に搭載される開閉可能な窓ガラスは、手動操作で開閉することが面倒であることから、駆動用モータを用いて窓ガラスを電動で上下動作させるようにしたパワーウィンドが多く用いられている。
【0003】
パワーウィンドは、電動で窓ガラスを上下動作させるので、例えば、窓ガラスが上昇しているときに、障害物を挟み込んだ場合には、該障害物を破損することや、駆動モータに過電流が流れて該駆動モータ、及び駆動モータと電源とを接続する電線、スイッチ素子等を損傷することがある。そこで、従来より窓ガラス上昇時に障害物を挟み込んだ際には、駆動モータを停止させることにより、障害物の破損、及び回路部品の損傷を防止するパワーウィンド駆動制御装置が提案され、実用に供されている。
【0004】
図3は、このようなパワーウィンド駆動制御装置の従来例を示す回路図である。同図に示すように、該パワーウィンド駆動制御装置101は、車両に搭載される窓ガラスの上下動の駆動力を与える駆動モータ102を備えており、更に、車両に搭載される直流電源103と、駆動モータ102の間に介置されFETで構成されたメインスイッチQAとを有している。そして、該メインスイッチQAをオン、オフ動作させることにより、駆動モータ102の駆動、及び停止を制御する。
【0005】
また、メインスイッチQAに対して並列的にFETで構成されたサブスイッチQBが設けられ、該サブスイッチQBのドレインと、メインスイッチQAのドレインは、互いに連結されている。更に、サブスイッチQBのソースは、負荷回路104に連結されている。負荷回路104は、抵抗R101,R102,R103と、コンデンサC101と、トランジスタTR101とで構成されている。
【0006】
更に、メインスイッチQAのソース電圧VSAと、サブスイッチQBのソース電圧VSBとを比較する比較器CMP101、及びCMP102を有しており、比較器CMP101の出力端子は、駆動回路105に連結されている。また、比較器CMP102の出力端子は、負荷回路104と接続されている。
【0007】
また、メインスイッチQAの投入時に発生する突入電流をマスクするための突入電流マスク回路106と、比較器CMP101の出力信号がHレベル、及びLレベルに切り換えられる回数を計数するオン/オフ回数積算回路107と、駆動回路105の電荷を供給するチャージポンプ108と、過熱遮断保護回路109とを具備している。その他、スイッチ、抵抗、ダイオード等の回路素子、及び電流源が図示のように配置されている。
【0008】
次に、上述したパワーウィンド駆動制御装置101の動作について説明する。スイッチSW101がオンとされると、駆動回路105に直流電圧が印加されるので、該駆動回路105の制御により、メインスイッチQA、及びサブスイッチQBのゲートに駆動電圧が印加され、各スイッチQA、QBはオン状態となる。
【0009】
これにより、直流電源103より出力される電圧は、メインスイッチQAを介して駆動モータ102に印加され、該駆動モータ102は回転駆動する。また、これと同時に、サブスイッチQBを介して負荷回路104に電流が流れる。この際、比較器CMP102では、メインスイッチQAのソース電圧VSAとサブスイッチQBのソース電圧VSBとを比較し、この比較結果に応じてトランジスタTR101をオン、オフ制御する。これにより、各ソース電圧VSAとVSBとが等しくなるように制御される。
【0010】
ここで、窓ガラスが障害物を挟み込んだ場合等、駆動モータ102に過電流が流れた場合には、メインスイッチQAのソース電圧VSAが急激に低下する。このとき、サブスイッチQBのソース電圧VSBは、この電圧変化に追従するように動作するが、負荷回路104の抵抗R101とコンデンサC101とで構成される時定数回路の存在により、即時に追従することができない。
【0011】
従って、暫くの間、ソース電圧VSAの方がソース電圧VSBよりも低くなる状態が継続されることになる。このため、比較器CMP101の出力は、Hレベルとなり、このHレベルの信号を受けて駆動回路105は、各スイッチQA、QBへの駆動電圧の供給を停止する。即ち、各スイッチQA、QBは一時的にオフ状態となる。
【0012】
比較器CMP101は、クランプ回路により、各スイッチQA、QBが共にオフのときには、マイナス端子の入力電圧がプラス端子の入力電圧よりも大きくなるように設定されるので、該比較器CMP101の出力は、Lレベルに切り換えられ、再度各スイッチQA、QBはオン状態となる。その後、過電流の発生が回避されていない場合には、同様の操作を繰り返す。即ち、各スイッチQA、QBはオン、オフ動作を繰り返すことになる。
【0013】
そして、オン/オフ回数積算回路107は、このオン、オフ動作の回数を計数し、所定回数が計数された場合には、強制的に各スイッチQA、QBを遮断させる。つまり、駆動モータ102に過電流の流れている時間が一定時間よりも長ければ該駆動モータ102を停止させ、一定時間よりも短ければ、引き続き駆動モータ102の回転動作を継続させるように動作する。その結果、窓ガラスが障害物を挟み込んだ場合に、この障害物の破損を防止することができ、且つ回路を保護することができる。
【0014】
他方、電源投入時に発生する突入電流を検出して回路が遮断されないように、突入電流マスク回路106は、電源投入時から所定時間(マスク時間)が経過するまで、サブスイッチQBのソース電圧VSBを強制的に低くなるように制御している。
【0015】
図4は、突入電流マスク回路106の具体的な構成を示す回路図であり、同図において、スイッチSW101がオンとされると、ワンショットタイマ110が作動して、一定時間だけトランジスタTR102に駆動電圧を出力する。この間、トランジスタTR102がオンとなるので、トランジスタTR101が強制的にオンとなり、サブスイッチQBのソース電圧VSBは低い値に設定され、たとえ駆動モータ102(図3参照)に突入電流が流れても、比較器CMP101の出力信号はHレベルに切り換えられない。これにより、突入電流による誤動作を防止することができる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来におけるパワーウィンド制御装置101では、突入電流マスク回路106を用いることにより、メインスイッチQAの投入時に発生する突入電流による回路の誤動作を防止することができるものの、マスク時間が経過した後には、抵抗R101とコンデンサC102とで構成される時定数回路が存在することにより、サブスイッチQBのソース電圧VSBを即時にメインスイッチQAのソース電圧VSAに追従させることができない。
【0017】
以下、これを図5に示す特性図を参照しながら説明する。同図(a)はスイッチSW101のオン、オフ状態を示し、(b)は電圧VSA、VSBの変化を示し、(c)は比較器CMP102の出力信号を示し、(d)はトランジスタTR102のコレクタ電圧を示し、(e)はトランジスタTR101のゲート電圧を示している。
【0018】
いま、時刻t101にてメインスイッチQAを投入すると、この時刻t101から所定時間(時刻t102までの間)はマスク時間とされ、サブスイッチQBのソース電圧VSBは強制的に低い電圧に設定される。そして、マスク時間が経過し時刻t102を過ぎると、サブスイッチQBのソース電圧VSBは、メインスイッチQAのソース電圧VSAと等しい値になるように上昇するが、時定数回路が存在することにより、ソース電圧VSBは図5(b)に示すように、緩やかに上昇することになり、この間では、仮に窓ガラスが障害物を挟み込んだ場合であってもこれを検出することができないか、或いは、挟み込み検出のしきい値が高いため、挟み込みを検出する際の荷重が高くなる。つまり、時刻t102から時刻t103までの間は、挟み込みを検出することができないか、或いは、挟み込みの検出荷重が高くなるという問題が発生していた。
【0019】
この発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、マスク時間が経過した直後においても、確実に駆動モータに発生する過電流を検出し、回路を遮断することのできるパワーウィンド駆動制御装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本願請求項1に記載の発明は、駆動モータを具備し、該駆動モータの駆動力を用いて車両用の窓ガラスを開閉動作させるパワーウィンド駆動制御装置において、車両に搭載される直流電源と前記駆動モータとの間に介置されるメイン半導体スイッチと、負荷回路、及び該負荷回路と前記直流電源との間に介置されるサブ半導体スイッチと、を具備し、前記メイン半導体スイッチの駆動モータ側の第1電圧がサブ半導体スイッチの負荷回路側の第2電圧と等しくなるように、一定の時定数をもって追従させるべく制御する基準電圧発生手段と、前記第1電圧と第2電圧とを比較し、第1電圧の方が第2電圧よりも低くなる時間が一定時間以上継続された際に、前記メイン半導体スイッチを遮断するスイッチ制御手段と、前記メイン半導体スイッチの投入時には、所定時間前記基準電圧発生手段の時定数を短縮するように制御する時定数制御手段と、を具備したことが特徴である。
【0021】
請求項2に記載の発明は、駆動モータを具備し、該駆動モータの駆動力を用いて車両用の窓ガラスを開閉動作させるパワーウィンド駆動制御装置において、車両に搭載される直流電源と前記駆動モータとの間に介置されるメイン半導体スイッチと、負荷回路と、該負荷回路と前記直流電源との間に介置されるサブ半導体スイッチと、を有し、更に、前記メイン半導体スイッチの駆動モータ側に発生する第1電圧とサブ半導体スイッチの負荷側に発生する第2電圧とを比較する比較手段と、該比較手段の出力信号に基づいて前記負荷回路に流れる電流を調整し、前記第1電圧と第2電圧とが等しくなるように制御する電流制御素子と、該電流制御素子と前記比較手段との間に介置される時定数回路と、を具備した基準電圧発生手段と、前記第1電圧と第2電圧とを比較し、第1電圧の方が第2電圧よりも低くなる時間が一定時間以上継続された際に、前記メイン半導体スイッチを遮断するスイッチ制御手段と、前記メイン半導体スイッチの投入時には、一定時間前記時定数回路の時定数を短縮するように制御する時定数制御手段と、を具備したことを特徴とする。
【0022】
請求項3に記載の発明は、前記時定数回路は、抵抗体とコンデンサとを有し、前記時定数制御手段は、前記メイン半導体スイッチの投入から所定時間が経過するまで、前記抵抗体の両端を短絡させることにより、時定数を短縮することを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るパワーウィンド駆動制御装置の構成を示す回路図である。同図に示すように、該パワーウィンド駆動制御装置1は、車両に搭載される窓ガラス(図示省)を上下動させる際の駆動力を与える駆動モータ2と、該駆動モータ2と車両に搭載される直流電源3との間に介置され、駆動モータ2のオン、オフを制御するFETで構成されたメインスイッチ(メイン半導体スイッチ)QAと、を備えている。
【0024】
また、メインスイッチQAのドレインと共通のドレインを有する、FETで構成されたサブスイッチ(サブ半導体スイッチ)QBを具備しており、該サブスイッチQBのソースには、負荷回路4が接続されている。メインスイッチQA、及びサブスイッチQBの各ゲートは、抵抗RGを介して駆動回路5と接続されており、該駆動回路5には、駆動スイッチSW1がオンとされた際に、抵抗R1を介して電源電圧VBが印加されるようになっている。
【0025】
メインスイッチQAのソースSAは、ダイオードD5を介して2系統に分岐され、一方は、クランプ回路6を介して比較器CMP1のマイナス側入力端子に接続され、他方は比較器(比較手段)CMP2のプラス側入力端子に接続されている。また、ソースSAは、ツェナーダイオードZD1を介して駆動回路5の出力端子に接続されている。
【0026】
サブスイッチQBのソースSBは、ダイオードD4を介して2系統に分岐され、一方は、比較器CMP1のプラス側入力端子に接続され、他方は、比較器CMP2のマイナス側入力端子に接続されている。また、比較器CMP1のプラス側入力端子には、クランプ回路7が接続されている。
【0027】
クランプ回路6は、メインスイッチQAのソース電圧(第1電圧)VSAが低下した場合でも、比較器CMP1のマイナス側入力端子の電圧が一定値以下とならないように保持するための回路である。同様に、クランプ回路7は、サブスイッチQBのソース電圧(第2電圧)VSBが低下した場合でも、比較器CMP1のプラス側入力端子の電圧が一定値以下とならないように保持するための回路である。
【0028】
そして、クランプ回路6の出力電圧の方が、クランプ回路7の出力電圧よりも大きくなるように設定されている。つまり、メインスイッチQAのソース電圧VSA及びサブスイッチQBのソース電圧VSBが共に低下した場合には、比較器CMP1のマイナス側入力端子の電圧がプラス側入力端子の電圧よりも大きくなり、該比較器CMP1の出力は、Lレベルとなる。
【0029】
また、比較器CMP1の出力端子は、駆動回路5に接続されており、該駆動回路5は、比較器CMP1の出力信号がLレベルのときに、チャージポンプ8に蓄えられている駆動電圧を各スイッチQA、QBのゲートに出力する。
【0030】
負荷回路4は、抵抗R2,R3,R4と、コンデンサC1、及びトランジスタ(電流制御素子)TR4とを具備して構成されており、抵抗R2とコンデンサC1とにより、時定数回路を構成している。トランジスタTR4のゲートは、切換スイッチSW2の接点cに接続され、該切換スイッチSW2の接点aは、抵抗R5を介して比較器CMP2の出力端子に接続され、接点bは、抵抗R2とコンデンサC1との接続点に接続されている。なお、抵抗R5の抵抗値は、抵抗R2の抵抗値の1/100〜1/1000程度の小さい値に設定されている。
【0031】
また、切換スイッチSW2は、突入電流マスク回路10の制御下で切り換え制御が行われるようになっている。
【0032】
更に、このパワーウィンド駆動制御装置1は、比較器CMP1の出力信号の変化の回数、即ち、メインスイッチQAのオン、オフの回数を積算するオン/オフ回数積算回路11、及び回路が過熱した際にこれを検知して回路を遮断する過熱遮断保護回路12を具備している。
【0033】
なお、負荷回路4と、比較器CMP2、及びサブスイッチQBとで基準電圧発生手段が構成され、突入電流マスク回路10と切換スイッチSW2とで時定数制御手段が構成され、駆動回路5とオン/オフ回数積算回路11とでスイッチ制御手段が構成される。
【0034】
次に、上述のように構成された本実施形態に係るパワーウィンド駆動制御装置1の動作について説明する。駆動スイッチSW1がオンとされると、駆動回路5に電源電圧が印加されるので、該駆動回路5は、チャージポンプ8に蓄えられている駆動電圧を抵抗RGを介してメインスイッチQAのゲート、及びサブスイッチQBのゲートに出力する。
【0035】
これにより、各スイッチQA、QBは共にオンとなるので、直流電源3より出力される電圧は、メインスイッチQAを介して駆動モータ2に印加され、該駆動モータ2は回転駆動する。即ち、車両に搭載される窓ガラス(図示省略)を上下方向に移動させることができる。また、サブスイッチQBがオンとなることにより、負荷回路4に電流が流れる。即ち、直流電源3,サブスイッチQB,抵抗R4を経由して電流が流れる。
【0036】
そして、比較器CMP2のプラス側入力端子には、メインスイッチQAのソース電圧VSAが印加され、マイナス側入力端子には、サブスイッチQBのソース電圧VSBが印加されるので、各電圧VSA、VSBの大きさが比較され、電圧VSAの方が大きいときには、比較器CMP2の出力はHレベルとなり、トランジスタTRのゲートに駆動電圧が与えられる(この際、切換スイッチSW2は接点b側に接続されている)。
【0037】
これにより、トランジスタTR4は、所定時間経過後に(抵抗R2とコンデンサC1で構成される時定数回路で設定される時間経過後に)オンとなり、抵抗R3と抵抗R4との並列回路が構成されるので、サブスイッチQBに流れる電流が増大し、該サブスイッチQBのソース電圧VSBが増加する。つまり、一定の時定数をもって、電圧VSAと電圧VSBが一致するように動作する。
【0038】
他方、メインスイッチQAのソース電圧VSAの方がサブスイッチQBのソース電圧VSBよりも小さい場合には、トランジスタTR4はオンとならず、電圧VSBが減少して電圧VSAと一致するように動作する。
【0039】
ここで、窓ガラスが障害物を挟み込んだ場合等、駆動モータ2に大きな負荷が加えられ過電流が流れた場合には、メインスイッチQAのソース電圧VSAは急激に減少することになる。この際、サブスイッチQBのソース電圧VSBは一定の時定数をもって電圧VSAに追従するように動作するので、ソース電圧VSAの急変に追従することができなくなり、比較器CMP1のマイナス側入力端子に印加される電圧の方が、プラス側入力端子に印加される電圧よりも低くなる。その結果、比較器CMP1の出力はHレベルとなり、駆動回路5は、このHレベル信号を受けて、各スイッチQA、QBのゲートへの駆動電圧の出力を停止する。これにより、各スイッチQA、QBは共にオフ状態となる。
【0040】
すると、上述したように、クランプ回路6,7の動作により、今度は比較器CMP1のマイナス側入力端子に印加される電圧の方が、プラス側入力端子に印加される電圧よりも高くなり、比較器CMP1の出力は、Lレベルに反転する。これにより、各スイッチQA、QBは共にオンとなる。
【0041】
この時点で、未だ過電流が流れ続けている場合には、上記と同様の手順で、各スイッチQA、QBはオン、オフ動作を繰り返す。そして、このオン、オフ動作の回数は、オン/オフ動作回数積算回路11にて計数され、所定回数を超えた場合には、各スイッチQA、QBを遮断する。これにより、過電流による回路、或いは駆動モータ2の損傷を防止することができる。
【0042】
また、各スイッチQA、QBのオン、オフ動作が所定回数繰り返される前に、過電流がおさまった場合には、駆動モータ2の動作を継続させる。
【0043】
次に、メインスイッチQAを投入した直後の動作を、図2に示す特性図を参照しながら説明する。同図(a)はスイッチSWのオン、オフ状態を示し、(b)はメインスイッチQAのソース電圧VSAとサブスイッチQBのソース電圧VSBの変化を示し、(c)はマスク時間を示し、(d)の曲線S1は比較器CMP2の出力信号を示し、曲線S2はトランジスタTR4のゲート電圧を示す。
【0044】
いま、駆動スイッチSW1がオンとされると、突入電流マスク回路10にスイッチ信号が入力される。該突入電流マスク回路10は、このスイッチ信号を受けて、所定時間だけ切換スイッチSW2を、接点a側に切り換えるように制御する。つまり、電源投入時から所定時間経過するまでの間は、比較器CMP2の出力端は、抵抗R5を介してトランジスタTR4のゲートに接続されるように切り換えられる。
【0045】
そして、突入電流の発生により、メインスイッチQAのソース電圧VSAが低下すると、比較器CMP2の出力はLレベルとなり、トランジスタTR4は、オフとなるように動作する。この際、抵抗R2とコンデンサC1とによる時定数回路が構成されず、且つ、抵抗R5は抵抗R2に対して極めて小さいので、所定時間待つことなく、即時にトランジスタTR4はオフとなる。これにより、サブスイッチQBのソース電圧VSBは即時に減少し、電圧VSAの変化に追従する。
【0046】
従って、比較器CMP1の出力信号はHレベルとならないか、或いは、Hレベルとなった場合でもオン/オフ動作回数積算回路11で計数される回数が1〜2回程度(決められた回数以下)となるので、メインスイッチQAが遮断されることはない。
【0047】
また、図2に示す時刻t2に達し、突入電流マスク回路10で設定されるマスク時間が経過すると、突入電流マスク回路10の制御下で、切換スイッチSW2が、接点b側に切り換えられる。つまり、抵抗R2とコンデンサC1による時定数回路が構成される。そして、この時点で、メインスイッチQAのソース電圧VSAとサブスイッチQBのソース電圧VSBとが略等しい値となっているので、時刻t2の直後に障害物の挟み込み等に起因する過電流が発生した場合においても、確実にこれを検出して、回路を遮断することができる。
【0048】
このようにして、本実施形態に係るパワーウィンド駆動制御装置1では、メインスイッチQA投入後の所定時間だけ、時定数回路が動作しないように切り換えるので、電源投入時の突入電流による誤動作を防止することができ、且つ、突入電流がおさまった後には、即時に過電流の検出を行うことができる。その結果、過電流検知の精度を向上させることができ、装置の信頼性を著しく向上させることができる。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るパワーウィンド駆動制御装置では、メイン半導体スイッチのソース電圧(第1電圧)と、サブ半導体スイッチのソース電圧(第2電圧)とが等しくなるように制御され、且つ、駆動モータ2に過電流が流れた場合には、時定数回路により、第1電圧の変動に対して第2電圧が即時に追従することができない。従って、第1電圧と第2電圧の差分を検出することにより、過電流の発生を検知し、回路を遮断して回路及び駆動モータを保護することができる。また、電源投入時には、時定数制御手段により、電源投入後の所定時間(マスク時間)だけ時定数回路が動作しないように切り換えている。その結果、第1電圧と第2電圧との間に差分が発生する時間が著しく短くなるので、回路は遮断されない。
【0050】
また、マスク時間が経過した後には、第1電圧と第2の電圧とがほぼ等しい状態とされているので、マスク時間の経過直後に駆動モータに過電流が流れた場合においても、即時にこれを検知して回路を遮断することができる。これにより、過電流検出の精度を飛躍的に向上させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るパワーウィンド駆動制御装置の構成を示す回路図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るパワーウィンド駆動制御装置の、メインスイッチ投入時における各電圧値の変化を示す特性図である。
【図3】従来におけるパワーウィンド駆動制御装置の構成を示す回路図である。
【図4】図3に示すパワーウィンド駆動制御装置の、突入電流マスク回路の詳細な構成を示す回路図である。
【図5】従来におけるパワーウィンド駆動制御装置の、メインスイッチ投入時における各電圧値の変化を示す特性図である。
【符号の説明】
1 パワーウィンド駆動制御装置
2 駆動モータ
3 直流電源
4 負荷回路
5 駆動回路
6,7 クランプ回路
8 チャージポンプ
9 突入電流マスク回路
10 突入電流マスク回路
11 オン/オフ回数積算回路
12 過熱遮断保護回路
QA メインスイッチ
QB サブスイッチ
SW1 駆動スイッチ
SW2 切換スイッチ

Claims (3)

  1. 駆動モータを具備し、該駆動モータの駆動力を用いて車両用の窓ガラスを開閉動作させるパワーウィンド駆動制御装置において、
    車両に搭載される直流電源と前記駆動モータとの間に介置されるメイン半導体スイッチと、
    負荷回路、及び該負荷回路と前記直流電源との間に介置されるサブ半導体スイッチと、を具備し、前記メイン半導体スイッチの駆動モータ側の第1電圧がサブ半導体スイッチの負荷回路側の第2電圧と等しくなるように、一定の時定数をもって追従させるべく制御する基準電圧発生手段と、
    前記第1電圧と第2電圧とを比較し、第1電圧の方が第2電圧よりも低くなる時間が一定時間以上継続された際に、前記メイン半導体スイッチを遮断するスイッチ制御手段と、
    前記メイン半導体スイッチの投入時には、所定時間前記基準電圧発生手段の時定数を短縮するように制御する時定数制御手段と、
    を具備したことを特徴とするパワーウィンド駆動制御装置。
  2. 駆動モータを具備し、該駆動モータの駆動力を用いて車両用の窓ガラスを開閉動作させるパワーウィンド駆動制御装置において、
    車両に搭載される直流電源と前記駆動モータとの間に介置されるメイン半導体スイッチと、
    負荷回路と、該負荷回路と前記直流電源との間に介置されるサブ半導体スイッチと、を有し、更に、前記メイン半導体スイッチの駆動モータ側に発生する第1電圧とサブ半導体スイッチの負荷側に発生する第2電圧とを比較する比較手段と、該比較手段の出力信号に基づいて前記負荷回路に流れる電流を調整し、前記第1電圧と第2電圧とが等しくなるように制御する電流制御素子と、該電流制御素子と前記比較手段との間に介置される時定数回路と、を具備した基準電圧発生手段と、
    前記第1電圧と第2電圧とを比較し、第1電圧の方が第2電圧よりも低くなる時間が一定時間以上継続された際に、前記メイン半導体スイッチを遮断するスイッチ制御手段と、
    前記メイン半導体スイッチの投入時には、一定時間前記時定数回路の時定数を短縮するように制御する時定数制御手段と、
    を具備したことを特徴とするパワーウィンド駆動制御装置。
  3. 前記時定数回路は、抵抗体とコンデンサとを有し、前記時定数制御手段は、前記メイン半導体スイッチの投入から所定時間が経過するまで、前記抵抗体の両端を短絡させることにより、時定数を短縮することを特徴とする請求項2に記載のパワーウィンド駆動制御装置。
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