JP3624114B2 - 回転パン型造粒機と該造粒機を用いる造粒物の製造方法 - Google Patents

回転パン型造粒機と該造粒機を用いる造粒物の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉体を転動させながら凝集造粒物へ成長させる回転パン型造粒機と該造粒機を用いる造粒物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
回転パン型造粒機は、傾斜した皿状の容器であるパンを回転させながら、原料粉体と水等の液状結合剤とをパンの上に連続的に供給して球状造粒物を得る、いわゆる転動造粒型の装置である。この回転パン型造粒機では、成長造粒物は原料粉体よりもパン底面との摩擦抵抗が小さいために、傾斜したパンの上部に移動しにくく、そのためパン内の粉体の上層へと順次移行し、パンのリムより排出されるという分級効果を有する。
このため、回転パン型造粒機は、同じ転動造粒法を用いる回転ドラム型等の他の造粒機と比べて、造粒物の粒度が均一であるという利点を有する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
かかる回転パン型造粒機では、核となる粒子の周囲に原料粉体が均一に付着した、いわゆる圧密状態となるように造粒を行わせることが重要であって、これにより得られる粒子は機械的強度や真球度の高いものとなる。圧密状態で造粒を行わせるためには、原料粉体量に対する液状結合剤の供給量が適正であることが必要である。すなわち、液状結合剤の供給量が少ないと、得られる造粒物は強度の弱いものとなり、割れ等が発生しやすくなる。一方、液状結合剤の供給量が多いと、強度は充分であるものの、造粒物同士または造粒物とパンとの付着等により異形物が生成しやすくなる。
【0004】
従来、原料粉体量に対して液状結合剤の供給量が適正であるか否かは、作業者がパン内部の造粒状態を目視により観察して経験により判断していたが、正確に判断するのは困難であり、熟練を要するものであった。
そこで、生成した造粒物中に含まれるの液状結合剤の量を計測して、液状結合剤の供給量を制御することが検討された。一般には液状結合剤として水が用いられるため、回転パンより排出された造粒物の水分量を赤外線水分計にて測定することが検討された。
【0005】
しかしながら、粉体自体が結晶水等の形態で水を含有している場合が殆どであるために、正確に結合剤としての水の付着量を知ることは困難である。また、生成した造粒物の水分量を計測して水供給量を制御していたのでは、計測から制御までのフィードバックに多くの時間的ロスがあるため、速やかに水/原料粉体の割合を適切な条件に設定することができないという問題があった。従って、強度に優れかつ異形品の少ない造粒物を製造することが困難であった。
【0006】
従って、本発明の主たる目的は、強度に優れかつ異形品の少ない造粒物を効率よく得ることができる回転パン型造粒機と該造粒機を用いる造粒物の製造方法を提供することである。さらに、強度が高くかつ異形品の少ない活性アルミナ造粒物を効率よく得ることができる活性アルミナ造粒物の製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、傾斜した回転パン内に存在するβ部分とα部分との境界付近では、液状結合剤の供給量が少ないと成長中の造粒物の盛り上がりが小さく、逆に液状結合剤の供給量が多いと盛り上がりが大きくなるという現象に着目し、前記β部分とα部分との境界付近の層高を計測し、この層高に応じて液状結合剤の散布量および/または原料粉体の供給量を制御することにより、強度が高くかつ異形品の少ない造粒物が得られるという新たな事実を見出し、本発明を完成するに到った。
【0008】
すなわち、本発明の回転パン型造粒機は、原料粉体の供給と液状結合剤の散布とが行われ、供給された原料粉体を転動させながら底面側から順にγ部分、β部分およびα部分へと移行させて凝集造粒物へ成長させこの凝集造粒物を排出する傾斜した回転パンと、前記液状結合剤の散布領域を除く前記β部分とα部分との境界付近の層高を計測する計測手段と、この計測手段からの制御信号に応じて液状結合剤および/または原料粉体の供給量を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の造粒物の製造方法は、かかる回転パン型造粒機を用いて、液状結合剤の散布領域を除く前記β部分とα部分との境界付近の層高を計測し、この層高に応じて液状結合剤の散布量および/または原料粉体の供給量を制御しながら造粒を行うことを特徴とする。
前記γ部分、β部分およびα部分とは、成長した造粒物は原料粉体よりも傾斜した回転パン(以下、単にパンと称する場合がある)の底面との摩擦抵抗が小さいためにパンの上層へ移行するという分級効果によって出現する領域であって、それぞれ以下のように定義される。
【0010】
γ部分:原料粉体と、成長した排出造粒物の平均粒子径の約50%以下の平均粒子径を有する未成長の造粒物(外部から供給した核粒子や自然発生核粒子を含む)とが混在する領域。
β部分:造粒物の成長が盛んな領域。
α部分:ほぼ成長の終了した造粒物の圧密化が進行する領域。
【0011】
特に、前記β部分とα部分との境界付近では、液状結合剤の量が多いと、成長中の造粒物同士が付着することにより層全体が大きく盛り上がって層高が大きくなり、逆に液状結合剤の量が少ないと層全体の盛り上がりが少なくなって層高が小さくなる。
本発明においては、核粒子に対する粉体の付着が圧密状態となるのに最適な層高を維持するように、液状結合剤の散布量や原料粉体の供給量を制御することにより、強度が高く異形品の少ない造粒物が得られる。
【0012】
層高変化の計測は、前記β部分とα部分との境界付近の上方に設置した距離変位センサにて行うのが好ましく、距離変位センサからパン底面までの距離から粉体層表面までの距離を引き算することにより、正確に層高を知ることができる。
一方、本発明における活性アルミナ造粒物を製造する方法は、原料粉体として活性アルミナの供給と液状結合剤として水の散布とが行われ、供給された活性アルミナを転動させながら底面側から順にγ部分、β部分およびα部分へと移行させて凝集造粒物へ成長させ、この凝集造粒物を排出する、傾斜した回転パンと、前記水の散布領域を除く前記β部分の層高を計測する計測手段と、この計測手段からの制御信号に応じて水の散布量および/または活性アルミナの供給量を制御する制御手段とを備えた回転パン型造粒機を用いて製造する方法であって、水使用量と活性アルミナ重量との比(水使用量/活性アルミナ重量)が、活性アルミナの吸水率±0.01g/gの範囲内となるように前記β部分の層高を設定することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図1〜図4に示す。なお、以下の説明では液状結合剤として水を使用しているが、水のみに限定されるものでなく、適用する粉体の種類等に応じて各種溶剤や樹脂含有液等が使用可能である。
【0014】
図1は、本発明に係る回転パン型造粒機の一実施形態を示す概略図である。同図において、1はパンであり、周囲にリム2を有する皿形で構成されている。パン1は傾斜姿勢にて回転駆動部3によって矢印A方向に回転駆動される。回転駆動部3は、図示しない基台に傾動自在に支持されている。パン1の傾斜角度は、通常30〜60°、好ましくは40〜50°である。4はパン回転駆動用のモータであり、例えばインバータ装置により可変速駆動される誘導電動機等からなる。
【0015】
パン1内には、粉体供給口5と、液状結合剤としての水を散布する水スプレイノズル6と、核粒子供給口14とが臨んでいる。原料粉体はホッパー7からフィーダー8,8を経て粉体供給口5に送られ、この粉体供給口5からパン1内に連続供給される。また、水スプレイノズル6からの水散布量は電磁弁9(供給弁)の開閉によって制御される。核粒子供給口14からは、核粒子がパン1内に連続供給される。また、電磁弁9が開であるときの水の流量は調整弁を兼ねた流量計15で制御することができる。
【0016】
パン1の底面から離隔した上方には距離変位センサ10が設置される。この距離変位センサ10はパン底面に向いて配置されているので、粉体を供給していない状態では、センサ10からパン底面までの垂直距離が計測される。センサ10は制御装置11と電気的に接続され、センサ10から制御装置11に送られた信号は制御信号となって前記電磁弁9および/または原料フィーダー8,8に送られ、電磁弁9および/またはフィーダー8,8の開閉を制御する。フィーダー8,8は、粉体供給の開閉を行うだけでなく、開状態での粉体流量も制御できるようになっている。
【0017】
次に、パン1内の造粒操作を図2ないし図4を参照して説明する。図2は造粒中の回転パン1内の粉体ないし造粒物の動き(パン1内に多数の矢印で示す)と該粉体ないし造粒物によって形成される山の等高線とを示している。図3は図2のIII-III 線概略断面図、図4は同IV−IV線概略断面図である。
図2に示すように、パン1内には、サイドスクレイパー12、さらにパン1の底面に付着した粉体を自動的に掻き取る掻き取り装置13が設けられる。
【0018】
パン1内には、粉体が連続供給されると共に、水スプレイノズル6から水が散布され(散布領域を一点鎖線で示す)、さらに造粒物の核となる核粒子も粉体や水と共に連続供給される。水は、造粒物が成長しているβ部分17とα部分18との境界付近を中心に一部がγ部分16にも散布される。
粉体および核粒子は、サイドスクレイパー12や掻き取り装置13で掻き取られながら、パン1の回転に伴ってパン1内を転動し、核粒子の周囲に粉体が付着して造粒物へと成長する。その際、前記した分級効果により、成長した造粒物は原料粉体よりもパン1の底面との摩擦抵抗が小さいために上層へ移り、リム2の最底部領域Cより排出される。具体的には、図3および図4に示すように、パン1内には、粉体の造粒物への成長に応じて、γ部分16、β部分17およびα部分18という各領域が層状に存在するようになる。
【0019】
本実施形態では、成長中の造粒物が存在する領域であるβ部分17とα部分18との境界付近の層高を距離変位センサ10にて計測し、この計測値に基づいて水スプレイノズル6の電磁弁9および/または原料粉体のフィーダー8,8の開閉を制御する。すなわち、β部分17とα部分18との境界付近の層高変化は距離変位センサ10からの距離の変化となって計測されるので、容易に層高変化を検知することができる。
【0020】
距離計測位置としては、水散布領域を除くβ部分とα部分との境界付近であれば、特に限定されない。β部分とα部分との境界付近は層高変化が大きい点で好ましい。また、計測位置がβ部分とα部分との境界付近であるか否かは、計測位置の造粒物をパン1内よりサンプリングし、粒径が核粒子径以上でかつリム2より排出される所望の粒径より小さいことにより知ることができる。
前述のようにβ部分とα部分との境界付近の層高は、原料粉体供給量に対する水散布量の割合、すなわち水/原料粉体の値によって変化し、水/原料粉体が低いとβ部分とα部分との境界付近の層高は低くなり、逆に水/原料粉体が高いとβ部分とα部分との境界付近の層高は高くなる。そして、水/原料粉体が低いときは核粒子に対する粉体の付着強度が充分でないため、強度の弱い造粒物となりやすい。一方、水/原料粉体が高いときは造粒物同士の付着による異形品が生成しやすくなる。
【0021】
従って、造粒操作にあたっては、強度が高くかつ異形品の少ない造粒物が得られる水/原料粉体の比を設定する必要がある。最適な水/原料粉体の比は、一般には原料粉体の吸水率と等しい。原料粉体の吸水率とは、所定量の原料粉体に水を滴下しながら攪拌混合し、粉体がほぼ1つの塊状になる時点までの水使用量から求められる水使用量/原料粉体重量の比(g/g)をいう。なお、吸水率は、原料粉体の種類や粒径分布、水分率等によって異なるので、これらの物性が変わるたびに、実験にて吸水率を求める必要がある。
【0022】
次に、このようにして求めた水/原料粉体の比に対応するβ部分とα部分との境界付近の層高を実験により調べ、この層高が中心値になるように粉体供給量や水供給量を制御する。その際、β部分とα部分との境界付近の層高の許容範囲は、造粒物に求められる特性や品質等に応じて適宜設定可能であり、特に限定されるものではない。
【0023】
制御は、距離変位センサ10からの信号を受けた制御装置11によってフィーダー8,8または電磁弁9の開閉によって行われる。すなわち、正常条件下では原料粉体および水はパン1内に連続供給されているが、β部分とα部分との境界付近の層高が設定範囲の上限を超えた場合(すなわち、水/原料粉体が高くなった場合)には、電磁弁9を閉じて水/原料粉体の比を下げるようにする。逆に、β部分とα部分との境界付近の層高が設定範囲の下限を下回った場合(すなわち、水/原料粉体が低くなった場合)には、フィーダー8,8を閉じて、水/原料粉体を上げるようにする。
【0024】
また、制御は、β部分とα部分との境界付近の層高が設定範囲の上限を超えた場合に電磁弁9を閉じるか又はフィーダー8,8を開き、逆にβ部分とα部分との境界付近の層高が設定範囲の下限を下回った場合に電磁弁9を開くか又はフィーダー8,8を閉じるようにしてもよい。さらに、β部分とα部分との境界付近の層高が設定範囲の上限を超えた場合に電磁弁9を閉じかつフィーダー8,8を開き、逆にβ部分とα部分との境界付近の層高が設定範囲の下限を下回った場合に電磁弁9を開きかつフィーダー8,8を閉じてもよい。また、制御は、水および/または原料粉体の供給量を増減させることによって行うことも可能である。
【0025】
距離変位センサ10からの信号を受けた制御装置11によってフィーダー8,8および/または電磁弁9の開閉を制御するに際しては、β部分17とα部分18との境界付近の層高が実質的に設定範囲内に制御されていればよく、例えば回転パン形造粒機の総運転時間の約80%以上の時間についてβ部分17とα部分18との境界付近の層高が設定範囲内にあれば、本発明の目的である、充分に強度が高く異形品の少ない造粒物を得ることができる。
【0026】
制御の具体例としては、距離変位センサ10からの信号によってフィーダー8,8や電磁弁9の開閉を制御する方法、距離変位センサ10からの信号によってフィーダー8,8や電磁弁9の開閉量を比例制御(P制御)する方法、距離変位センサ10からの信号によってフィーダー8,8や電磁弁9の開閉量をPI制御、PD制御またはPID制御する方法等が挙げられる。
【0027】
制御装置11には、β部分17とα部分18との境界付近の層高が設定範囲を外れた場合に警報を発する機能を設けてもよい。具体的には、例えばβ部分17とα部分18との境界付近の層高が設定範囲内にある時間を積算し、当該時間が回転パン形造粒機の総運転時間の約80%未満になったときに警報信号を出す方法等が挙げられる。
【0028】
なお、層高の設定範囲を比較的広くとった場合、層高が下限域または上限域に長く滞留すると、造粒物の強度が低下したり、異形品の割合が多くなったりするおそれがあるため、下限域または上限域の累積滞留時間が比較的長くなった場合には、造粒条件を調査するのがよい。
前記距離変位センサ10としては、例えば表示分解能が約1mmで表示精度が±1%程度である超音波式の変位センサが好適に使用される。また、距離変位センサ10はパン1の底面に対して垂直の距離を計測できるように取り付けるのが計測精度を高める上で好ましい。
【0029】
また、造粒物の核となる前記核粒子は必ずしも必要ではなく、原料粉体の種類や造粒条件によっては核粒子を供給しなくてもよいが、一般には核粒子を使用したほうが、狭い粒度分布の造粒物が得られる。また、サイドスクレイパー12や掻き取り装置13は必ずしも必要ではない。
【0030】
造粒物の粒径は特に限定されるものではなく、周知のごとくパン1の回転速度や傾斜角度、パン1の深さ、原料粉体の供給速度、核粒子の径、核粒子の供給速度等によって任意に調節可能である。
さらに、本発明では、原料粉体の種類や粒径が限定されるものではなく、各種粉体の造粒に適用可能である。
また、原料粉体が活性アルミナの場合には、計測する層高は前記β部分でよい。この場合には、前述した水/原料粉体の比が吸水率±0.01g/gの範囲にあるようにβ部分の層高を設定する。
【0031】
【実施例】
以下、試験例および実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお、試験例および実施例における各測定値は以下の測定法にて求めた。
(1) β部分の層高
距離変位センサ10として市販の長距離変位センサ(キーエンス社製のUD−320型)を使用し、これを図2,図4に示すように、パン1の底面からの垂直距離が計測できるように取り付けた。そして、センサ10からβ部分の粉体層表面までの距離をセンサで計測し、センサからパン底面までの距離(360mm)から引き算することによりβ部分の層高を計測した。
【0032】
(2) 造粒物強度
パン1のリム2から1mの落差がある造粒物移送用ベルトに造粒物が落下したときの造粒物の割れ発生状況を観察した。
(3) 異形品率
試料100g中の造粒物同士が付着した形状のものを目視にて選び出し、その総重量を測定し、試料100g中の割合(%)を求めた。
【0033】
(4) スケールの発生
パン1内で原料粉体が造粒されないままパン1の底面や壁面に付着している状態を目視にて観察した。
(5) 灼熱減量
試料を1100℃で2時間加熱したときの重量減を測定し、式:(重量減/試料重量)×100から計算した。
【0034】
(6) 磨耗率
JIS K 1464に準拠して測定した。
(7) 耐圧強度
木屋式強度試験機にて試料10個の破壊強度を測定し、その平均値を求めた。
【0035】
(8) 原料粉体の平均粒子径
レーザー散乱式粒度測定径(マイクロトラック)により50%重量径を測定した。
(9) 吸水率
試料5gに水を滴下しながら攪拌混合し、粉体がほぼ1つの塊状になる時点までの水使用量を求め、水使用量/試料重量の比を吸水率とした。
【0036】
試験例1
バイヤー法により得られた水酸化アルミニウム(ギブサイト)を700℃の加熱ガス中に投入して瞬間仮焼し、灼熱減量が6重量%、平均粒子径が15μm、吸水率が0.54g/gの再水和しうる活性アルミナを得た。この活性アルミナ粉体および該アルミナ粉体より製造した核粒子を図1〜4に示す造粒機のパン1に供給し、水をスプレイノズル6より散布し、水/原料粉体=0.55g/gの条件にて直径約3mmの球状に造粒し、活性アルミナ造粒物を得た。
【0037】
試験例2および3
水/原料粉体の比をそれぞれ0.52および0.56とした他は、試験例1と同様にして活性アルミナ造粒物を得た。
それらの試験結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
Figure 0003624114
【0039】
表1から明らかなように、試験例2は水/原料粉体の比が原料粉体の吸水率より低いため、β部分の層高が小さくなり、また得られる造粒物の強度も小さくなり、造粒後の移送工程で割れが発生した。一方、試験例3は水/原料粉体の比が原料粉体の吸水率より高いため、β部分の層高が大きくなり、得られる造粒物の強度は充分であるが、パン内での造粒物同士の付着によるとみられる異形品の量が多くなっていた。
【0040】
従って、これらの試験例1〜3から、水/原料粉体の比がおよそ吸水率±0.01g/gの範囲内で造粒を行うと、強度が高く異形品の少ない造粒物が得られることがわかる。また、表1から、水/原料粉体の比とβ部分の層高とは正の相関関係にあることもわかる。よって、β部分の層高を制御することにより、強度が高く異形品の少ない造粒物が得られることがわかる。
【0041】
実施例1
前記試験例において、原料粉体として用いた活性アルミナの吸水率0.54g/gに対応するβ部分の層高を実験により求めたところ、約40mmであった。そこで、距離変位センサ10にてβ部分の層高を計測し、層高40mmが中心値となるように下記の方法にて原料粉体および水の供給量を制御しながら造粒操作を1時間行った。その他の造粒条件は前記試験例と同じである。
【0042】
(a)層高が55mm以上になった場合は、スプレイ水の電磁弁9を層高が45mm以下になるまで閉止する。
(b)層高が25mm以下になった場合は、原料粉体のフィーダー8,8を層高が35mm以上になるまで停止する。
その結果、1時間の造粒操作の間、β部分の層高が35〜45mmであった時間は54分であり、造粒時間1時間でのβ部分の平均層高は42mmであった。また、得られた造粒物は割れが非常に少なくかつ異形品も殆ど存在しなかった。
【0043】
参考例1および2
(水/原料粉体と造粒物の強度との関係)
バイヤー法により得られた水酸化アルミニウム(ギブサイト)を700℃の加熱ガス中に投入して瞬間仮焼し、灼熱減量が6%、平均粒子径が13μm、吸水率が0.45g/gの再水和しうる活性アルミナを得た。この活性アルミナ粉体を図1〜4に示す造粒機のパン1に供給し、水をスプレイノズルより供給し、水/原料粉体の比を表2に示す値に調節して直径約3mmの球状に造粒し、活性アルミナ造粒物を得た。
【0044】
この造粒物を蓋付き容器に入れて密封し、温度80℃で約16時間保持して再水和硬化させた後、電気炉に入れ500℃まで3時間で昇温させ、同温度で2時間保持して活性アルミナ成形体を得た。この活性アルミナ成形体について耐圧強度および磨耗率をそれぞれ測定した。その結果を表2に併せて示す。
【0045】
【表2】
Figure 0003624114
【0046】
表2から、参考例1のように水/原料粉体の比が原料粉体の吸水率よりも小さい層高で造粒を行った場合、結合剤である水の供給量が少ないために、得られる活性アルミナ成形体は強度が小さくなることがわかる。これに対して、参考例2では、水/原料粉体の比が原料粉体の吸水率と等しい条件で造粒を行っているので、得られる活性アルミナ成形体は高い強度を有していることがわかる。
【0047】
【発明の効果】
本発明の回転パン型造粒機および造粒物の製造方法によれば、β部分とα部分との境界付近で層高を計測し、この層高に応じて液状結合剤および/または原料粉体の供給量を制御するため、強度が高くかつ異形品の少ない造粒物が効率よく得られるという効果がある。本発明の活性アルミナ造粒物の製造方法によれば、強度が高くかつ異形品の少ない活性アルミナ造粒物が効率よく得られるという効果がある。
【0048】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である回転パン型造粒機を示す概略説明図である。
【図2】回転パン内の原料粉体ないし造粒物の移動と分布を示す概略説明図である。
【図3】図2のIII-III 線概略断面図である。
【図4】図2のIV-IV 線概略断面図である。
【符号の説明】
1 パン
2 リム
5 粉体供給口
6 水スプレイノズル
8 フィーダー
9 電磁弁
10 距離変位センサ
11 制御装置
16 γ部分
17 β部分
18 α部分

Claims (4)

  1. 原料粉体の供給と液状結合剤の散布とが行われ、供給された原料粉体を転動させながら底面側から順にγ部分、β部分およびα部分へと移行させて凝集造粒物へ成長させ、この凝集造粒物を排出する、傾斜した回転パンと、
    前記液状結合剤の散布領域を除く前記β部分とα部分との境界付近の層高を計測する計測手段と、
    この計測手段からの制御信号に応じて液状結合剤の散布量および/または原料粉体の供給量を制御する制御手段とを備えた回転パン型造粒機。
  2. 前記計測手段が、前記β部分とα部分との境界付近の上方に設置した距離変位センサである請求項1記載の回転パン型造粒機。
  3. 請求項1または2記載の回転パン型造粒機を用いて、前記液状結合剤の散布領域を除く前記β部分とα部分との境界付近の層高を計測し、この層高に応じて液状結合剤の散布量および/または原料粉体の供給量を制御しながら造粒を行うことを特徴とする造粒物の製造方法。
  4. 原料粉体として活性アルミナの供給と液状結合剤として水の散布とが行われ、供給された活性アルミナを転動させながら底面側から順にγ部分、β部分およびα部分へと移行させて凝集造粒物へ成長させ、この凝集造粒物を排出する、傾斜した回転パンと、
    前記水の散布領域を除く前記β部分の層高を計測する計測手段と、
    この計測手段からの制御信号に応じて水の散布量および/または活性アルミナの供給量を制御する制御手段とを備えた回転パン型造粒機を用いて活性アルミナ造粒物を製造する方法であって、
    水使用量と活性アルミナ重量との比(水使用量/活性アルミナ重量)が、活性アルミナの吸水率±0.01g/gの範囲内となるように前記β部分の層高を設定することを特徴とする活性アルミナ造粒物の製造方法。
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