JP3623561B2 - クッション構造 - Google Patents
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- A47D13/025—Baby-carriers; Carry-cots for carrying children in seated position
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- Carriages For Children, Sleds, And Other Hand-Operated Vehicles (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クッション構造に関し、詳細には、乳幼児を収容するための乳幼児キャリアまたは乳幼児を着座させるためのシートに用いられるクッション構造に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】
図16および図17に示すように、従来の乳幼児キャリア(子守帯)100は、前当て部101,股当て部102および背当て部103を有し、背当て部103には、乳幼児の頭部を支持する頭当て部104が一体に設けられている。また、前当て部101,股当て部102および背当て部103内には、一般にクッション材が充填されている。
【0003】
前当て部101および背当て部103間にはファスナー105が配設されており、該ファスナー105を閉めることにより乳幼児キャリア100が袋状に形成される。子守者Pの両肩には肩掛ベルト106が配設され、乳幼児の肩越しには、乳幼児の脱落を防止するベルト片107,108が配設されている。
【0004】
ところで、乳幼児の腋や内股の部分は、血管や神経が集中している個所であり、このため、乳幼児キャリア100において乳幼児の腋の部分が接触する斜線領域A′の部分や、乳幼児の内股の部分が接触する斜線領域B′の部分は、できるだけ柔らかく構成されている方が好ましい。
【0005】
そこで、前当て部101,股当て部102および背当て部103内に充填されるクッション材の厚みを全体に厚くしてクッション性を良くすることが考えられる。ところが、この場合には、乳幼児キャリア全体がかさばり、コンパクトに折り畳みにくくなる等の不具合が生じる。また、乳幼児キャリア100のA′およびB′の部分に後からクッション材を余分に入れて、これらの部分のクッション材の厚みを他の部分より厚くする方法もあるが、この場合には、クッション材を後から追加するという工程が余分に必要になるため、生産コストが上昇するという問題が生じる。
【0006】
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたもので、全体をコンパクトに構成しつつ良好なクッション性を確保でき、しかも生産コストの上昇を抑制できるクッション構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るクッション構造は、乳幼児の腹部、股部および背部をそれぞれ支持するための前当て部、股当て部および背当て部を一体に連設してなるキャリア本体を有する乳幼児キャリアのためのクッション構造である。キャリア本体は、表地および裏地と、これら表地および裏地の間に配置されたクッション材とを備えている。キャリア本体は、以下のようにして構成されている。すなわち、背当て部上部に対応する位置および股当て部両側部に対応する位置において表地および裏地の外周縁部よりも突出した外周縁部を有するクッション材を用意して、その上に表地を配置し、表地の上に裏地を重ね合わせ、表地および裏地の各外周端部を、クッション材の外周縁部に対応する端部を除く残りの端部のうちの一部の端部を除いてクッション材に縫合し、次に、裏地を、クッション材に縫合されていない前記一部の端部からクッション材の裏面側に折り返しつつ、クッション材の外周縁部を表地および裏地内において折り畳ませ、その後、表地および裏地においてクッション材に縫合されていない前記一部の端部を縫合する。これにより、キャリア本体の背当て部上部および股当て部両側部におけるクッション材の厚みが局部的に他の部分の厚みよりも厚く構成されている。
【0008】
この場合には、裏地を折り返したときに、表地と裏地の境界部分で、クッション材の突出外周縁部の部分が折り畳まれた状態で表地および裏地内に収納されることになる。したがって、予め所望の部分、すなわち乳幼児の腋や内股が接触する部分について、クッション材の外周縁部を突出させておくようにすれば、当該部分のクッション材の厚みを局部的に厚くすることができ、良好なクッション性を確保することができる。
【0009】
しかも、この場合には、表地と裏地の境界部分のみの厚みが部分的に厚くなるだけなので、全体をコンパクトに構成できる。さらに、クッション材を後から追加するというような余分な工程を必要としないので、生産コストの上昇を抑制できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施態様を添付図面に基づいて説明する。
図1ないし図11は本発明の一実施態様によるクッション構造が採用されたベビーキャリア(乳幼児キャリア)を示している。図1はこのベビーキャリアの展開状態の表面図、図2はその裏面図、図3ないし図8はベビーキャリアのキャリア本体のクッション構造を説明するための図、図9はベビーキャリアの組立状態の正面図、図10はその側面図、図11はベビーキャリアの使用状態の一例を示す図である。
【0011】
図1および図2に示すように、ベビーキャリア1は、乳幼児の腹部,股部,背部をそれぞれ支持するための前当て部3,股当て部4,背当て部5を一体に連設してなるキャリア本体2を有している。キャリア本体2内には、後述するように、クッション材が挿入されている。
【0012】
前当て部3には、下方に延びる一対のショルダーベルト6,6′が設けられており、各ショルダーベルト下端にはベルト部材11,11′を介してワンタッチバックル12,12′が装着されている。各ショルダーベルト6,6′の上部には、略D字状のリング部材40,40′が取り付けられている。各リング部材40,40′の取付部分には、ベルト部材41,41′を介してカバー付バックル42,42′が装着されている。
【0013】
股当て部4の下部には、斜め下方に延びるベルト部材15,15′が設けられており、各ベルト部材先端には、ワンタッチバックル12,12′に着脱自在に係合し得るワンタッチバックル16,16′が装着されている。
【0014】
ベルト部材15,15′は、股当て部4から背当て部5にかけて斜め上方に配設された部材であり、股当て部4および背当て部5に固着されている。各ベルト部材15,15′の上端には、カバー付バックル42,42′が着脱自在に係合し得るワンタッチバックル21,21′が装着されている。
【0015】
背当て部5の上部には、乳幼児の体側部を支持するサイドサポート25,25′が側方に張り出して設けられている。各サイドサポート25,25′には係止ホック26,26′が設けられており、これらの係止ホック26,26′は、前当て部3の各係止ホック27,27′に係脱自在に係合し得るようになっている。
【0016】
背当て部5の上部両端には、リング部材40,40′が係脱自在に係合し得るフック部材44,44′が取り付けられている。また、背当て部5の上部中央には、乳幼児の頭部を後方から支持するヘッドサポート30が着脱自在に取り付けられている。ヘッドサポート30の両側部32,32′には係止ホック33,33′が取り付けられており、これらの係止ホック33,33′は、ショルダーベルト上部の各係止ホック19,19′に係脱自在に係合し得るようになっている。
【0017】
次に、キャリア本体2のクッション構造について図3ないし図8を用いて説明する。
キャリア本体2は、表地,裏地およびこれらの間に充填されるクッション材とから構成されている。図3は縫製前のキャリア本体2の表地2aまたは裏地2bを、図4はクッション材50をそれぞれ拡大して示している。これらの図から分かるように、クッション材50は、表地2aまたは裏地2bとほぼ同一の形状をしているが、キャリア本体2の背当て部5に相当する部分において上方に突出する外周端部51を有し、またキャリア本体2の股当て部4に相当する部分において左右両側方に突出する外周端部52を有している。
【0018】
キャリア本体2を縫製する際には、図5およびその VI-VI線断面図である図6に示すように、まず、クッション材50の上に表地2a,裏地2bを順に重ね合わせ、次に、表地2aおよび裏地2bの各外周端部をクッション材50に縫合する(同各図のステッチ55参照)。このとき、表地2aおよび裏地2bの外周端部のうちの一部、たとえば前当て部3の下端部56は縫合しないでおく。
【0019】
次に、裏地2bを下端部56からクッション材50の裏面側に裏返す。すると、図7およびその VIII-VIII線断面図である図8に示すように、クッション材50の各外周端部51,52が表地2aおよび裏地2b内で折り畳まれる。これにより、背当て部5の上部および股当て部4の左右両側部において、クッション材50の厚みを局部的に厚くすることができ、良好なクッション性を確保できる。
【0020】
しかも、この場合には、表地2aと裏地2bの境界部分のみの厚みが部分的に厚くなるだけなので、キャリア本体2全体をコンパクトに構成できる。さらに、クッション材を後から追加するというような余分な工程を必要としないので、生産コストの上昇を抑制できる。
【0021】
なお、裏地2bを裏返した後は、前当て部3の下端部56を縫合することにより(図7のステッチ57参照)、キャリア本体2の縫製が完了する。
【0022】
次に、このようなクッション構造のキャリア本体2を有するベビーキャリア1の組立方法について簡単に説明する。
この場合には、まず、ベビーキャリア1の表面側(図1)を子守者側に向けた状態で、ショルダーベルト6,6′を子守者の両肩に掛け、ショルダーベルト先端の各ワンタッチバックル12,12′をベルト部材15,15′の各ワンタッチバックル16,16′にそれぞれ係合させる(図1,図2一点鎖線参照)。
【0023】
この状態から乳幼児を抱き、一方の腕でキャリア本体2の背当て部5を持ち上げて、背当て部5ごと乳幼児を抱き寄せ、次に、背当て部5の各フック部材44,44′をショルダーベルト6,6′の各リング部材40,40′に係合させる(図9参照)。
【0024】
次に、カバー付バックル42,42′を各ワンタッチバックル21,21′に係合させる(図9および図10参照)。また、ヘッドサポート30の各係止ホック33,33′をショルダーベルト上部の各係止ホック19,19′に係合させるとともに、サイドサポート25,25′の各係止ホック26,26′を前当て部3の各係止ホック27,27′に係合させる。このようにして、ベビーキャリア1が組み立てられ、ベビーキャリア1内に乳幼児が収容されることになる(図11参照)。
【0025】
このとき、上述のように、ベビーキャリア1において乳幼児の腋が接触する部分である背当て部5上部(図10の斜線領域Aの部分)や、乳幼児の内股が接触する部分である股当て部4両側部(同図斜線領域Bの部分)は、内部のクッション材50が局部的に厚く構成されており、これにより、当該部分と接触する乳幼児の腋や内股の部分の血管や神経を十分に保護することができる。また、当該部分には、従来のようなバイアステープが使用されていないため、当該部分の吸汗性が向上している。
【0026】
なお、前記実施例では、本発明がベビーキャリアに適用された例を示したが、本発明の適用はこれに限定されず、乳母車や乳幼児用椅子、または自動車用子供安全シート(いわゆるテャイルドシート)のシートクッション構造にも同様に本発明を適用できる。
【0027】
図12ないし図15は、このようなシートクッション構造を説明するための図であって、各図は前記実施態様の図5ないし図8にそれぞれ対応している。
このクッション構造のシートを縫製する際には、図12および図13に示すように、外方に部分的に突出する外周端部71,72,73,74を有するクッション材70の上に、表地60,裏地61を順に重ね合わせる。なお、この場合には、裏地61が二つの部分61a,61bから構成されている点が前記実施態様と異なっている。また、これらの部分61a,61bは各端面62,63が若干量オーバラップして配置される(図13参照)。
【0028】
次に、表地60および裏地61の各外周端部をクッション材70に縫合する(図12,図13のステッチ75参照)。なお、このとき、裏地61の各端面62,63部分は縫合しないでおく。
【0029】
次に、図14および図15に示すように、裏地61の二つの部分61a,61bを各端面62,63からクッション材70の裏面側にそれぞれ裏返す。すると、クッション材70の各外周端部71,74(他の外周端部72,73についても同様)が表地60および裏地61内で折り畳まれる。これにより、表地60および裏地61の外周に沿ってクッション材70の厚みを局部的に厚くすることができ、前記実施態様と同様に、所望の部分について良好なクッション性を確保できるばかりでなく、全体をコンパクトに構成でき、さらに生産コストの上昇を抑制できる。
【0030】
【発明の効果】
以上のように本発明に係るクッション構造によれば、所望の部分についてクッション材の厚みを局部的に厚くすることができるので、全体をコンパクトに構成しつつ良好なクッション性を確保でき、しかも生産コストを低減できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様によるクッション構造が採用されたベビーキャリアの展開状態の表面図。
【図2】前記展開状態のベビーキャリアの裏面図。
【図3】ベビーキャリアのキャリア本体を構成する表地または裏地の全体図。
【図4】ベビーキャリアのキャリア本体を構成するクッション材の全体図。
【図5】前記キャリア本体の縫製の仕方を説明するための図。
【図6】図5の VI−VI線断面図。
【図7】前記キャリア本体の縫製の仕方を説明するための図。
【図8】図7の VIII−VIII線断面図。
【図9】ベビーキャリアの組立状態の正面図。
【図10】前記組立状態のベビーキャリアの側面図。
【図11】ベビーキャリアの使用状態の一例を示す図。
【図12】本発明によるクッション構造が適用されたシートの縫製の仕方を説明するための図であって、前記実施態様の図5に相当する図。
【図13】図12の XIII−XIII線断面図。
【図14】前記シートの縫製の仕方を説明するための図であって、前記実施態様の図7に相当する図。
【図15】図14の XV−XV線断面図。
【図16】従来のベビーキャリアの使用状態を示す図。
【図17】前記従来のベビーキャリアの側面図。
【符号の説明】
1 ベビーキャリア(乳幼児キャリア)
2 キャリア本体
2a 表地
2b 裏地
3 前当て部
4 股当て部
5 背当て部
50 クッション材
51,52 外周端部
55,57 ステッチ
56 下端部(裏地端部)
60 表地
61 裏地
62,63 端面(裏地端部)
70 クッション材
71,72,73,74 外周端部
75 ステッチ
【発明の属する技術分野】
本発明は、クッション構造に関し、詳細には、乳幼児を収容するための乳幼児キャリアまたは乳幼児を着座させるためのシートに用いられるクッション構造に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】
図16および図17に示すように、従来の乳幼児キャリア(子守帯)100は、前当て部101,股当て部102および背当て部103を有し、背当て部103には、乳幼児の頭部を支持する頭当て部104が一体に設けられている。また、前当て部101,股当て部102および背当て部103内には、一般にクッション材が充填されている。
【0003】
前当て部101および背当て部103間にはファスナー105が配設されており、該ファスナー105を閉めることにより乳幼児キャリア100が袋状に形成される。子守者Pの両肩には肩掛ベルト106が配設され、乳幼児の肩越しには、乳幼児の脱落を防止するベルト片107,108が配設されている。
【0004】
ところで、乳幼児の腋や内股の部分は、血管や神経が集中している個所であり、このため、乳幼児キャリア100において乳幼児の腋の部分が接触する斜線領域A′の部分や、乳幼児の内股の部分が接触する斜線領域B′の部分は、できるだけ柔らかく構成されている方が好ましい。
【0005】
そこで、前当て部101,股当て部102および背当て部103内に充填されるクッション材の厚みを全体に厚くしてクッション性を良くすることが考えられる。ところが、この場合には、乳幼児キャリア全体がかさばり、コンパクトに折り畳みにくくなる等の不具合が生じる。また、乳幼児キャリア100のA′およびB′の部分に後からクッション材を余分に入れて、これらの部分のクッション材の厚みを他の部分より厚くする方法もあるが、この場合には、クッション材を後から追加するという工程が余分に必要になるため、生産コストが上昇するという問題が生じる。
【0006】
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたもので、全体をコンパクトに構成しつつ良好なクッション性を確保でき、しかも生産コストの上昇を抑制できるクッション構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るクッション構造は、乳幼児の腹部、股部および背部をそれぞれ支持するための前当て部、股当て部および背当て部を一体に連設してなるキャリア本体を有する乳幼児キャリアのためのクッション構造である。キャリア本体は、表地および裏地と、これら表地および裏地の間に配置されたクッション材とを備えている。キャリア本体は、以下のようにして構成されている。すなわち、背当て部上部に対応する位置および股当て部両側部に対応する位置において表地および裏地の外周縁部よりも突出した外周縁部を有するクッション材を用意して、その上に表地を配置し、表地の上に裏地を重ね合わせ、表地および裏地の各外周端部を、クッション材の外周縁部に対応する端部を除く残りの端部のうちの一部の端部を除いてクッション材に縫合し、次に、裏地を、クッション材に縫合されていない前記一部の端部からクッション材の裏面側に折り返しつつ、クッション材の外周縁部を表地および裏地内において折り畳ませ、その後、表地および裏地においてクッション材に縫合されていない前記一部の端部を縫合する。これにより、キャリア本体の背当て部上部および股当て部両側部におけるクッション材の厚みが局部的に他の部分の厚みよりも厚く構成されている。
【0008】
この場合には、裏地を折り返したときに、表地と裏地の境界部分で、クッション材の突出外周縁部の部分が折り畳まれた状態で表地および裏地内に収納されることになる。したがって、予め所望の部分、すなわち乳幼児の腋や内股が接触する部分について、クッション材の外周縁部を突出させておくようにすれば、当該部分のクッション材の厚みを局部的に厚くすることができ、良好なクッション性を確保することができる。
【0009】
しかも、この場合には、表地と裏地の境界部分のみの厚みが部分的に厚くなるだけなので、全体をコンパクトに構成できる。さらに、クッション材を後から追加するというような余分な工程を必要としないので、生産コストの上昇を抑制できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施態様を添付図面に基づいて説明する。
図1ないし図11は本発明の一実施態様によるクッション構造が採用されたベビーキャリア(乳幼児キャリア)を示している。図1はこのベビーキャリアの展開状態の表面図、図2はその裏面図、図3ないし図8はベビーキャリアのキャリア本体のクッション構造を説明するための図、図9はベビーキャリアの組立状態の正面図、図10はその側面図、図11はベビーキャリアの使用状態の一例を示す図である。
【0011】
図1および図2に示すように、ベビーキャリア1は、乳幼児の腹部,股部,背部をそれぞれ支持するための前当て部3,股当て部4,背当て部5を一体に連設してなるキャリア本体2を有している。キャリア本体2内には、後述するように、クッション材が挿入されている。
【0012】
前当て部3には、下方に延びる一対のショルダーベルト6,6′が設けられており、各ショルダーベルト下端にはベルト部材11,11′を介してワンタッチバックル12,12′が装着されている。各ショルダーベルト6,6′の上部には、略D字状のリング部材40,40′が取り付けられている。各リング部材40,40′の取付部分には、ベルト部材41,41′を介してカバー付バックル42,42′が装着されている。
【0013】
股当て部4の下部には、斜め下方に延びるベルト部材15,15′が設けられており、各ベルト部材先端には、ワンタッチバックル12,12′に着脱自在に係合し得るワンタッチバックル16,16′が装着されている。
【0014】
ベルト部材15,15′は、股当て部4から背当て部5にかけて斜め上方に配設された部材であり、股当て部4および背当て部5に固着されている。各ベルト部材15,15′の上端には、カバー付バックル42,42′が着脱自在に係合し得るワンタッチバックル21,21′が装着されている。
【0015】
背当て部5の上部には、乳幼児の体側部を支持するサイドサポート25,25′が側方に張り出して設けられている。各サイドサポート25,25′には係止ホック26,26′が設けられており、これらの係止ホック26,26′は、前当て部3の各係止ホック27,27′に係脱自在に係合し得るようになっている。
【0016】
背当て部5の上部両端には、リング部材40,40′が係脱自在に係合し得るフック部材44,44′が取り付けられている。また、背当て部5の上部中央には、乳幼児の頭部を後方から支持するヘッドサポート30が着脱自在に取り付けられている。ヘッドサポート30の両側部32,32′には係止ホック33,33′が取り付けられており、これらの係止ホック33,33′は、ショルダーベルト上部の各係止ホック19,19′に係脱自在に係合し得るようになっている。
【0017】
次に、キャリア本体2のクッション構造について図3ないし図8を用いて説明する。
キャリア本体2は、表地,裏地およびこれらの間に充填されるクッション材とから構成されている。図3は縫製前のキャリア本体2の表地2aまたは裏地2bを、図4はクッション材50をそれぞれ拡大して示している。これらの図から分かるように、クッション材50は、表地2aまたは裏地2bとほぼ同一の形状をしているが、キャリア本体2の背当て部5に相当する部分において上方に突出する外周端部51を有し、またキャリア本体2の股当て部4に相当する部分において左右両側方に突出する外周端部52を有している。
【0018】
キャリア本体2を縫製する際には、図5およびその VI-VI線断面図である図6に示すように、まず、クッション材50の上に表地2a,裏地2bを順に重ね合わせ、次に、表地2aおよび裏地2bの各外周端部をクッション材50に縫合する(同各図のステッチ55参照)。このとき、表地2aおよび裏地2bの外周端部のうちの一部、たとえば前当て部3の下端部56は縫合しないでおく。
【0019】
次に、裏地2bを下端部56からクッション材50の裏面側に裏返す。すると、図7およびその VIII-VIII線断面図である図8に示すように、クッション材50の各外周端部51,52が表地2aおよび裏地2b内で折り畳まれる。これにより、背当て部5の上部および股当て部4の左右両側部において、クッション材50の厚みを局部的に厚くすることができ、良好なクッション性を確保できる。
【0020】
しかも、この場合には、表地2aと裏地2bの境界部分のみの厚みが部分的に厚くなるだけなので、キャリア本体2全体をコンパクトに構成できる。さらに、クッション材を後から追加するというような余分な工程を必要としないので、生産コストの上昇を抑制できる。
【0021】
なお、裏地2bを裏返した後は、前当て部3の下端部56を縫合することにより(図7のステッチ57参照)、キャリア本体2の縫製が完了する。
【0022】
次に、このようなクッション構造のキャリア本体2を有するベビーキャリア1の組立方法について簡単に説明する。
この場合には、まず、ベビーキャリア1の表面側(図1)を子守者側に向けた状態で、ショルダーベルト6,6′を子守者の両肩に掛け、ショルダーベルト先端の各ワンタッチバックル12,12′をベルト部材15,15′の各ワンタッチバックル16,16′にそれぞれ係合させる(図1,図2一点鎖線参照)。
【0023】
この状態から乳幼児を抱き、一方の腕でキャリア本体2の背当て部5を持ち上げて、背当て部5ごと乳幼児を抱き寄せ、次に、背当て部5の各フック部材44,44′をショルダーベルト6,6′の各リング部材40,40′に係合させる(図9参照)。
【0024】
次に、カバー付バックル42,42′を各ワンタッチバックル21,21′に係合させる(図9および図10参照)。また、ヘッドサポート30の各係止ホック33,33′をショルダーベルト上部の各係止ホック19,19′に係合させるとともに、サイドサポート25,25′の各係止ホック26,26′を前当て部3の各係止ホック27,27′に係合させる。このようにして、ベビーキャリア1が組み立てられ、ベビーキャリア1内に乳幼児が収容されることになる(図11参照)。
【0025】
このとき、上述のように、ベビーキャリア1において乳幼児の腋が接触する部分である背当て部5上部(図10の斜線領域Aの部分)や、乳幼児の内股が接触する部分である股当て部4両側部(同図斜線領域Bの部分)は、内部のクッション材50が局部的に厚く構成されており、これにより、当該部分と接触する乳幼児の腋や内股の部分の血管や神経を十分に保護することができる。また、当該部分には、従来のようなバイアステープが使用されていないため、当該部分の吸汗性が向上している。
【0026】
なお、前記実施例では、本発明がベビーキャリアに適用された例を示したが、本発明の適用はこれに限定されず、乳母車や乳幼児用椅子、または自動車用子供安全シート(いわゆるテャイルドシート)のシートクッション構造にも同様に本発明を適用できる。
【0027】
図12ないし図15は、このようなシートクッション構造を説明するための図であって、各図は前記実施態様の図5ないし図8にそれぞれ対応している。
このクッション構造のシートを縫製する際には、図12および図13に示すように、外方に部分的に突出する外周端部71,72,73,74を有するクッション材70の上に、表地60,裏地61を順に重ね合わせる。なお、この場合には、裏地61が二つの部分61a,61bから構成されている点が前記実施態様と異なっている。また、これらの部分61a,61bは各端面62,63が若干量オーバラップして配置される(図13参照)。
【0028】
次に、表地60および裏地61の各外周端部をクッション材70に縫合する(図12,図13のステッチ75参照)。なお、このとき、裏地61の各端面62,63部分は縫合しないでおく。
【0029】
次に、図14および図15に示すように、裏地61の二つの部分61a,61bを各端面62,63からクッション材70の裏面側にそれぞれ裏返す。すると、クッション材70の各外周端部71,74(他の外周端部72,73についても同様)が表地60および裏地61内で折り畳まれる。これにより、表地60および裏地61の外周に沿ってクッション材70の厚みを局部的に厚くすることができ、前記実施態様と同様に、所望の部分について良好なクッション性を確保できるばかりでなく、全体をコンパクトに構成でき、さらに生産コストの上昇を抑制できる。
【0030】
【発明の効果】
以上のように本発明に係るクッション構造によれば、所望の部分についてクッション材の厚みを局部的に厚くすることができるので、全体をコンパクトに構成しつつ良好なクッション性を確保でき、しかも生産コストを低減できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様によるクッション構造が採用されたベビーキャリアの展開状態の表面図。
【図2】前記展開状態のベビーキャリアの裏面図。
【図3】ベビーキャリアのキャリア本体を構成する表地または裏地の全体図。
【図4】ベビーキャリアのキャリア本体を構成するクッション材の全体図。
【図5】前記キャリア本体の縫製の仕方を説明するための図。
【図6】図5の VI−VI線断面図。
【図7】前記キャリア本体の縫製の仕方を説明するための図。
【図8】図7の VIII−VIII線断面図。
【図9】ベビーキャリアの組立状態の正面図。
【図10】前記組立状態のベビーキャリアの側面図。
【図11】ベビーキャリアの使用状態の一例を示す図。
【図12】本発明によるクッション構造が適用されたシートの縫製の仕方を説明するための図であって、前記実施態様の図5に相当する図。
【図13】図12の XIII−XIII線断面図。
【図14】前記シートの縫製の仕方を説明するための図であって、前記実施態様の図7に相当する図。
【図15】図14の XV−XV線断面図。
【図16】従来のベビーキャリアの使用状態を示す図。
【図17】前記従来のベビーキャリアの側面図。
【符号の説明】
1 ベビーキャリア(乳幼児キャリア)
2 キャリア本体
2a 表地
2b 裏地
3 前当て部
4 股当て部
5 背当て部
50 クッション材
51,52 外周端部
55,57 ステッチ
56 下端部(裏地端部)
60 表地
61 裏地
62,63 端面(裏地端部)
70 クッション材
71,72,73,74 外周端部
75 ステッチ
Claims (1)
- 乳幼児の腹部、股部および背部をそれぞれ支持するための前当て部(3)、股当て部(4)および背当て部(5)を一体に連設してなるキャリア本体(2)を有する乳幼児キャリア(1)のためのクッション構造であって、
キャリア本体(2)が、表地(2a)と、裏地(2b)と、これら表地(2a)および裏地(2b)の間に配置されたクッション材(50)とを備えるとともに、
キャリア本体(2)が、
背当て部(5)上部に対応する位置および股当て部(4)両側部に対応する位置において表地(2a)および裏地(2b)の外周縁部よりも突出した外周縁部(51,52)を有するクッション材(50)の上に表地(2a)を配置し、
表地(2a)の上に裏地(2b)を重ね合わせ、
表地(2a)および裏地(2b)の各外周端部を、クッション材(50)の外周縁部(51,52)に対応する端部を除く残りの端部のうちの一部の端部を除いてクッション材(50)に縫合し、
裏地(2b)を、クッション材(50)に縫合されていない前記一部の端部からクッション材(50)の裏面側に折り返しつつ、クッション材(50)の外周縁部(51,52)を表地(2a)および裏地(2b)内において折り畳ませ、
表地(2a)および裏地(2b)においてクッション材(50)に縫合されていない前記一部の端部を縫合することにより構成されており、
これにより、キャリア本体(2)の背当て部(5)上部および股当て部(4)両側部におけるクッション材(50)の厚みが局部的に他の部分の厚みよりも厚く構成されている、
ことを特徴とする乳幼児キャリア用クッション構造。
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