JP3623150B2 - 飲料用静菌剤及び静菌作用を有する飲料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定のポリフェノールを主成分とする静菌剤を飲料添加剤に加工・処理する際の処理方法、並びに、当該処理方法によって得られた飲料添加剤を含有する飲料に関する。
【0002】
【従来の技術】
赤ワインの常飲者に動脈硬化等の成人病(生活習慣病)が少ないというフレンチパラドックスという現象がよく知られているが、これは赤ワインに多く含まれるポリフェノールに起因するものであるということが提唱されている。また、このポリフェノールが有する疾病予防効果は、体内の活性酸素を抑制するという抗酸化機能に大きく起因するからではないかというようなことも言われている。
【0003】
ポリフェノールについて、このような有用性が指摘されるようになったのは、多くのポリフェノールが備える抗酸化物質としての機能が大いに注目されたことに起因している。そして、酸化という現象それだけについて見てみた場合には、それが飲料の品質劣化の一因ともなっていることから、飲料業界の注目をも集めることになり、酸化防止剤としてのポリフェノールを飲料に添加することが本格的に検討されるようになった。
【0004】
こうした中にあって、いくつかのポリフェノールについては、抗酸化剤としての飲料への添加が本格的に行われるようになってきたが、そのようになってきたのは、酸化による飲料の劣化が従来よりも問題視されるようになってきたことに加え、ポリフェノール自体が天然由来のものであり、健康志向の消費者に受け入れられやすいということも主な要因の一つとなっている。
【0005】
【関連する技術】
このように、ポリフェノールの抗酸化物質としての機能とその有用性がよく知られるようになると、いきおい、その抗酸化機能に基づく抽出原料、抽出方法、応用範囲に関しての研究が中心に進められるようになった。
【0006】
しかしながら、本発明者らがポリフェノ−ルに関して鋭意研究を重ねた結果、ポリフェノール(特に、プロアントシアニジンそれ自体及びプロアントシアニジンの近隣に抽出されてくる画分中のポリフェノール)が静菌作用を有するということが明らかになった。
【0007】
更に、本発明者らは、所定の条件下、HPLCでポリフェノールを分離した際に、ある画分が強力な静菌効果を有することをも併せて見出し、所定のポリフェノールを主成分とする静菌剤に関する本発明を完成するに至り、既に特許出願も行っている(特願平11‐336958号)。即ち、本発明者らは、ポリフェノール画分の更なる分離により、従来よりも有効な静菌作用を有するポリフェノール画分を見出し、有効かつ有用な静菌剤及びそれを含有する飲料を既に提案しているのである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の静菌剤及びそれを含有する飲料について鋭意研究を継続した結果、上記の静菌剤を添加した飲料を暫く放置した場合には、沈殿が発生してしまい、飲料の外観品質が低下する。
【0009】
この場合において、沈殿が発生して外観品質が低下するということは、透明容器がメジャーとなっている現状では、軽んじることができない問題である。また、沈殿が発生するということは、即ち保存性にも問題があるということにつながり、最終的には飲料用の静菌剤としての使用に適さないということにもなる。
【0010】
本発明は以上のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、所定の有効な静菌作用を有するポリフェノール画分を含む静菌剤を添加した飲料において、これを暫く放置した場合でも沈殿の発生が生じないようにすることにある。
【0011】
【発明を解決するための手段】
以上のような目的を達成するために本発明者らが鋭意研究を行った結果、上記静菌剤についてこれを一度冷却をして部分的固化させてから、それを解凍したときに生ずる沈殿をろ過するという処理を施した場合には、当該処理後の静菌剤を飲料に添加して暫く放置したとしても沈殿が生じないということを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
即ち本発明においては、暫く放置した後に沈殿が発生しないようにするために有効な処理方法として、上記静菌剤についてこれを一度凍結させてから、それを解凍したときに生ずる沈殿をろ過するという処理を提供すると共に、当該処理後の静菌剤が添加された保存性の良い飲料を提供するものである。
【0013】
より具体的には、本発明は、以下のような飲料及び静菌剤を提供する。
【0014】
(1) 果実、果種等から得られたポリフェノール画分を逆相分離用液体カラムクロマトグラフィーにより分離したときに得られるピークの内のメジャーなピークの中で、最後に溶出されるピークに相当する成分を主成分として含む静菌剤を飲料添加剤へと加工・処理する際の処理方法であって、前記静菌剤を含水エタノールに溶解させ、これを冷却することによって部分的固化させた後に解凍し、当該解凍後に発生した沈殿を限外濾過して除去する工程を含むことを特徴とする処理方法。
【0015】
(2) 果実、果種等から得られたポリフェノール画分を逆相分離用液体カラムクロマトグラフィーにより分離したときに得られるピークの内のメジャーなピークの中で、NF膜処理により消失するピークの部分を主成分として含む静菌剤を飲料添加剤へと加工・処理する際の処理方法であって、前記静菌剤を含水エタノールに溶解させ、これを冷却することによって部分的固化させた後に解凍し、当該解凍後に発生した沈殿を限外濾過して除去する工程を含むことを特徴とする処理方法。
【0016】
(3) 果実、果種等から得られたポリフェノール画分を逆相分離用液体カラムクロマトグラフィーにより分離したときに得られるピークの内のメジャーなピークの中で、最後のほうに溶出されるピークに属し、かつ、NF膜処理により消失するピークの部分を主成分として含む静菌剤を飲料添加剤へと加工・処理する際の処理方法であって、
前記静菌剤を含水エタノールに溶解させ、これを冷却することによって部分的固化させた後に解凍し、当該解凍後に発生した沈殿を限外濾過して除去する工程を含むことを特徴とする処理方法。
【0017】
(4) 果実、果種等から得られたポリフェノール画分を逆相分離用液体カラムクロマトグラフィーにより分離した場合に、より後に溶出されてくる画分をより多く含むように製造された静菌剤を飲料添加剤へと加工・処理する際の処理方法であって、前記静菌剤を含水エタノールに溶解させ、これを冷却することによって部分的固化させた後に解凍し、当該解凍後に発生した沈殿を限外濾過して除去する工程を含むことを特徴とする処理方法。
【0018】
(5) 前記逆相分離用液体カラムクロマトグラフィーはHPLCであることを特徴とする(1)から(4)いずれか記載の処理方法。
【0019】
(6) プロアントシアニジンを主成分とする静菌剤を飲料添加剤へと加工・処理する際の処理方法であって、前記静菌剤を含水エタノールに溶解させ、これを冷却することによって部分的固化させた後に解凍し、当該解凍後に発生した沈殿を限外濾過して除去する工程を含むことを特徴とする処理方法。
【0020】
(7) 前記ポリフェノール画分はぶどう種子から得られたものであることを特徴とする(1)から(5)いずれか記載の静菌剤。
【0021】
(8) 耐熱性好酸性菌に対して静菌作用を有する静菌剤であることを特徴とする(6)または(7)記載の静菌剤。
【0022】
(9) (1)から(6)いずれか記載の処理方法を経ることによって製造された飲料添加剤。
【0023】
(10) 酸性飲料に対して静菌作用を有する飲料添加剤であることを特徴とする(9)記載の飲料添加剤。
【0024】
(11) (9)または(10)いずれか記載の飲料添加剤を静菌性有効量含有する飲料。
【0025】
[用語の定義等]
「静菌」とは、細菌を殺傷する作用までもは有しないが、細菌の生育・増殖を抑制し、細菌の活動に基づく製品飲料の変敗を防止できる作用を有することをいい、「静菌剤」とは、飲料に添加された場合に飲料の風味等に悪影響を及ぼすことなく飲料中で静菌作用を発揮し得るものを意味する。
【0026】
「酸性飲料」というのは、典型的にはpHが3.0〜3.5程度の果汁飲料であるが、pHが3.0〜4.0付近に調整されているスポーツドリンクやアイソトニック飲料、健康飲料なども含まれる。
【0027】
「耐熱性好酸性菌」というのは、上記のような「酸性飲料」の中で生育し、増殖する細菌(好酸性菌)の中でも、「酸性飲料」において一般的に行われている加熱殺菌処理によっても死滅しない耐熱性のものを意味し、飲料業界において静菌のターゲットとされるものである。ここで、好酸性菌の中でも耐熱性のもの(耐熱性好酸性菌)は芽胞を形成するが、本発明に係る静菌剤は飲料中に生残した芽胞の発芽による増殖の防止に有効に作用することが認められる。
【0028】
[HPLC]
「逆相分離用液体カラムクロマトグラフィー」は、疎水性固定相と親水性移動相の組み合せにより分離を行うカラムクロマトグラフィーのことを意味するが、これを行う場合には、固定相として非極性な固体(普通はシリカゲルの表面に疎水性基(炭化水素鎖)を化学結合した物質)或いは表面が疎水性の合成高分子を用い、移動相として水または水溶液、或いは水と良く混合する有機溶媒と水との混合液を用いる。「逆相分離用液体カラムクロマトグラフィー」その典型的なものは、オクタデシル基を結合したシリカゲルを充填し、溶離液として緩衝溶液を使用した「HPLC(高速液体クロマトグラフィー)」であり、後述の実施例でもこれを採用している。
【0029】
[メジャーなピーク]
本明細書において「メジャーなピーク」というのは、数あるピークの中でも、顕著に目立つものを意味する。「静菌性有効量」は、静菌剤として使用するポリフェノールや画分の種類に応じて適宜決定する。
【0030】
[部分的固化]
「部分的固化」というのは、対象物が完全な凍結体になるのではなく、一部が固体で一部が液体というような状態を形成していることをいう。そして、含水エタノールを冷却していくと、このような形態が発現する。
【0031】
従って、上記静菌剤を含水エタノールに溶解させ、発生した沈殿を限外濾過して除去することにより得られた濾液を、好ましくは−30℃から−4℃、更に好ましくは−20℃から−7℃程度に冷却すると、完全な固体状の凍結体になるのではなく、どろっとしたシャーベット状のものを形成した状態となる。かかる状態にすることを、本明細書においては基本的に「冷却することによって部分的固化させた」と言っている。
【0032】
[解凍]
「解凍」とは、固体のものに熱を加えて液体状態にすることをいうが、本明細書においては、冷却することによって部分的固化された静菌剤を、固形物が全く残存していない完全な液体状態にすることを主に意味する。
【0033】
[ポリフェノール画分の抽出]
ポリフェノールを含有するものであれば、ブドウや茶等、あらゆる植物を本発明の原料とすることができる。なお、ブドウに関しては、特に種子部分については、未利用副産物の利用ともなるため、種子部分を利用するのも得策である。なお、種子部分については、有用なポリフェノールが多く含有されていることも、当該有用なポリフェノールを効率良く抽出する方法も、様々な研究がなされ、本発明者らによっても知見されている(特願平11−209578号)。
【0034】
ポリフェノール画分の抽出は水やエタノール等を溶媒として行う。なお、その後、抽出物の精度を高めるべく、適宜、酵素の添加や遠心分離等を行うことも可能である。
【0035】
[限外濾過]
本発明における「限外濾過」は、いわゆる「膜濾過」の一種であり、基本的には分子量10万以上のものを、好ましくは分子量8万以上のものを、より好ましくは分子量7万以上のものを、また場合によっては分子量5万以上のものを除く限外濾過のことを意味する。
【0036】
ここで、分子量10万以上のものを除く濾過処理を行った場合には沈殿の発生を十分に防止させることができず、この一方で、分子量2万以上のものを除く濾過処理を行った場合には、静菌作用を有する有効なポリフェノールの大部分(半分程度)が除去されてしまうこととなり、沈殿の発生は防止できたとしても、濾過処理による弊害が顕在化してきてしまうこととなる。
【0037】
従って、本発明の目的を達成する上では、分子量10万以上のものを除去する一方で、少なくとも分子量2万以上のポリフェノール、より好ましくは分子量5万以上のポリフェノールを残すような濾過処理を行う必要があり、そのような濾過処理としては、限外濾過処理が適しているのである。
【0038】
なお、本発明において、限外濾過の代わりに珪藻土(褐色植物)濾過を施した場合には、飲料添加後の沈殿発生を阻止することはできない。
【0039】
ここで、「珪藻土濾過」とは、充填された珪藻土を濾剤として採用した濾過処理のことを意味し、精製濾過処理の際には一般的に用いられている方法である。珪藻土処理を行うときには、例えば、グラスフィルター上に珪藻土を堆積させ、これを十分に充填させた状態でその上から試料を流し込んで濾過処理をする。
【0040】
[NF膜処理]
「NF膜処理」とは、荷電型逆浸透膜もしくは荷電型限外濾過膜を利用して濾過する処理をいうが、これに使用されるナノ濾過膜は分画分子量が数百〜数千の荷電膜であり、電解質の透過を阻止する性質を有する。
【0041】
【発明の実施の形態】
[ポリフェノール類の検出]
ポリフェノール類の検出(定質・定量分析)は、常法に従って行う。ポリフェノール類の検出方法としては、例えば液体クロマトグラフィーによる分析法、酒石酸鉄法、Folin−Denis法などが挙げられる。後に示す実施例においては、ポリフェノール量は全てFolin−Denis法(タンニン酸換算)で測定した。
【0042】
ポリフェノールというものそれ自体は、殆ど全ての植物に含まれる物質であり、また、ポリフェノール自体の種類も多いことから、研究の当初からその成分と機能との関係についての実証は難しかった。しかし、ポリフェノールに対する研究が進むにつれ、このポリフェノールの一種であるプロアントシアニジンという成分が極めて優れた抗酸化機能を有するということが見出され(例えば、特開平3−200781号公報、特開平9−221484号公報、特開平11−80148号公報)、現在では、この成分を多く有するブドウ種子からの抽出物が、酸化防止剤として食品添加物の一つに登録され(厚生省告示第120号の既存添加物名簿第367号記載)、商業的に生産され、販売されるに至っている。
【0043】
プロアントシアニジンを多く含有するポリフェノールとして商業的に入手可能なものとしては、市販品であるグラヴィノール(商品名)を挙げることができ、実施に際しては、これを使用するのが好適である。グラヴィノール(商品名)は、エタノール/水の混合溶媒を用いてブドウ種子からプロアントシアニジンを抽出したものであり、製品として一般に販売されているものである。なお、飲料の静菌剤としては、このグラヴィノールをそのまま使用してもよいし、或いは、さらに分離処理(例えば、先に述べたHPLCによる分離)を行って使用するようにしてもよい。
【0044】
因みに、グラヴィノール(商品名)の主成分であるプロアントシアニジンは、ポリフェノールの一種として、以下の表に示すところに位置付けられる成分である。
【0045】
【表1】
【0046】
このプロアントシアニジンという物質は、カテキンが重合した縮合型タンニンであり、そして、それが備える強い抗酸化作用から、フランスにおいては医薬品(血管治療薬)として用いられているものでもある。
【0047】
なお、プロアントシアニジンそれ自体に関しては、コーヒー飲料の品質安定法についての特許出願がなされてはいるが(特開平8‐228685号公報)、それは抗酸化作用を離れたものではなく、むしろその抗酸化作用に基づいた品質安定化を図ったものに過ぎない。
【0048】
【実施例】
市販のグラヴィノール(商品名)を、下記の条件でHPLCにかけた。
【0049】
【表2】
【0050】
その結果、図1に示されるようなクロマトグラムが得られた。
【0051】
また、同じく市販のグラヴィノール(商品名)を、表2と同等の条件下でHPLCにかけたところ、図2に示されるようなクロマトグラムが得られた。
【0052】
更に、液化炭酸ガス抽出を行って得られたブドウ種子抽出物(特願平11−209578号)を、図2と同じ条件でHPLCにかけたところ、図3に示されるようなクロマトグラムが得られた。また、ブドウ種子から熱水抽出することにより得られたブドウ種子抽出物についてこれをNF膜処理したものを、図2と同じ条件でHPLCにかけたところ、図4に示されるようなクロマトグラムが得られた。
【0053】
そして更に、お茶から得られたカテキンを、基本的には図2と同じ条件でHPLCにかけたところ(但し、溶出の速度を遅くするために20分以降のグラジエント(アセトニトリルの添加量の増分(即ち、溶離液の極性の下げ方))を適宜小さくするようにした(表2の下部分の右端参照))、図5に示されるようなクロマトグラムが得られた。
【0054】
これらの図から明らかなように、図1に示されるグラヴィノール(商品名)のHPLCクロマトグラムでは、メジャーなピークとして、「ピーク1」、「ピーク2」及び「ピーク3」の3つのピークが得られており、これは図2のものも同様である。
【0055】
そして、この中で最後に溶出されてくるメジャーピークである「ピーク3」と同様のピークは、液化炭酸ガス抽出を行って得られたブドウ種子抽出物のHPLCクロマトグラムである図3のものにも見られるが(図3中の「ピーク3’」)、熱水抽出したものをNF膜処理した図4や、お茶から得られたカテキンのHPLCクロマトグラムである図5には見られない。
【0056】
なお、最後に溶出されてくるメジャーピークである「ピーク3」(或いは「ピーク3’」)については、分子量が高いポリフェノールが多く含有されていると考えられるため、その実体は、プロアントシアニジンであろうことが予測されるが、現時点では、確証を得られるまでには至っていない。しかしながら、少なくとも、最後に溶出されてくるメジャーピークと同程度のプロアントシアニジンが含有されていたということが何らかの方法によって検出された場合には、本発明に係る静菌剤であろうと推測することができる。
【0057】
【実施例1】
ここでまず、市販のグラヴィノール(商品名)を、一般的な混濁タイプスポーツ飲料(果汁3%、可溶性固形分1Brix未満、pH約3.8)、混濁タイプ果汁飲料(果汁10%未満、可溶性固形分7〜8Brix、pH約3.0)、透明タイプ果汁飲料(果汁10%未満、可溶性固形分4〜5Brix、pH約3.2)のそれぞれに添加し、そこに耐熱性好酸性菌2種(DSM2498株(Deutsche Sammlung von Microorganismen und Zellkulturen GmbH)、ATCC49025株(American Type Culture Collection)を「胞子数1000個/500ml PETボトル」の割合で接種し、経過を見た。各試験区の母数は3であり、菌が接種された飲料は、37℃で14日間放置された。
【0058】
以下の表3に、本実施例に係る抽出物の添加量(但し、抽出物中に含まれる総ポリフェノールの濃度に換算してある)を変化させた場合の結果を示す。
【0059】
【表3】
【0060】
この表3では、製品中での菌の増殖及びそれに伴う異味・異臭がしたものを+としている(なお、表3中、「+」「−」の符号につき、カンマの左3つがDSM2498株の結果を、カンマの右3つがATCC49025株の結果を示す)。
【0061】
この結果により、市販のグラヴィノール(商品名)においては、ポリフェノール濃度が10ppm以上となるように飲料に混合した場合には、飲料の種類を問わず、静菌効果があるということが分かる。
【0062】
【実施例2】
次に、ポリフェノール画分を、上述したようにHPLCによって分離したときに得られるメジャーなピーク(「ピーク1」、「ピーク2」及び「ピーク3」(図1))について、それぞれ静菌効果を比較してみることとした。そして、そのためにはまず、グラヴィノールをポリフェノール換算0.5%の溶液とし、その36mlをHPLCにより「ピーク1」、「ピーク2」及び「ピーク3」の3画分に分離した。そして、分離された各部分について、回収後に濃縮・希釈をして7.2mlとした。ピーク比較による回収率を、以下の表に示す。
【0063】
【表4】
【0064】
上記各画分の回収率を考慮し、グラヴィノール(商品名)のポリフェノール換算10ppm添加相当となるように、各画分を混濁タイプスポーツ飲料に添加した。この混濁タイプスポーツ飲料を500mlPETボトルに85℃ホットパック充填後、耐熱性好酸性菌(DSM2498株)を「胞子数1000個/500mlPETボトル」の割合で接種し、閉栓した後に1分30秒間転倒保持し、冷却した。
【0065】
静菌の効果は、35℃14日間培養後、製品液1mlの混釈培養により、菌の増殖の有無で確認した。また、いずれの画分が静菌作用を有するのかを一層明確にするため、単独添加、混合添加の双方を行った。
【0066】
その結果、下表のような結果が得られた。
【0067】
【表5】
【0068】
この表5では、製品中での菌の増殖があったものを+としているが、この結果から明らかなように、単独添加、混合添加のいずれにおいても「ピーク3」の画分が飲料に添加されている場合に、菌の増殖が抑制されていることが認められた。
【0069】
従って、上記実施例1によれば、グラヴィノール(商品名)に静菌作用があるということが立証され、この実施例2によれば、グラヴィノール(商品名)を逆相液体カラムクロマトグラフィーによって分離したときの最後に溶出される画分の中に静菌作用を備える成分が含まれているということが明らかになった。
【0070】
よって、グラヴィノール(商品名)を逆相液体カラムクロマトグラフィーによって分離したときに最後に溶出される画分を常法に従って取り出し、当該画分の部分を飲料に添加することによって、飲料中において静菌作用を発現させることができることが明らかである。
【0071】
【実施例3】
次に、異なる抽出方法で抽出したブドウ抽出物、並びに他のポリフェノールの静菌作用について、それらを相互に比較した。具体的には、(1)水/エタノールの混合溶媒を使用して抽出されたブドウ種子抽出物であるグラヴィノール(商品名)、(2)液化炭酸ガスで抽出されたブドウ種子抽出物、(3)熱水抽出されたブドウ種子抽出物をNF膜濾過処理したブドウ種子抽出物、(4)緑茶カテキン製剤、をそれぞれ一般的な混濁タイプスポーツ飲料(果汁3%、可溶性固形分1Brix未満、pH約3.8)に添加し、そこに耐熱性好酸性菌(DSM2498株)を「胞子数1000個/500ml PETボトル」の割合で接種し、経過を見た。各試験区の母数は2であり、菌が接種された飲料は、37℃で14日間放置された。
【0072】
以下の表6に、本実施例に係る抽出物の添加量(但し、抽出物中に含まれる総ポリフェノールの濃度に換算してある)を変化させた場合の結果を示す。
【0073】
【表6】
【0074】
この表6では、製品中での菌の増殖及びそれに伴う異味・異臭がしたものを+としている。
【0075】
この結果から、ブドウ種子抽出物をNF膜で濾過をした場合には、ブドウ種子抽出物中から静菌作用が消失してしまうということが分かる。上述したように、これは、最後に溶出されて来る「ピーク3」もしくは「ピーク3’」に相当するピークが、NF膜処理を経ることによって消失してしまうからであると考えられるため、この現象からも、「ピーク3」もしくは「ピーク3’」の部分に静菌作用があることの事実の裏付けがなされている。
【0076】
同様に、緑茶カテキンに静菌作用が無いのは、元々「ピーク3」もしくは「ピーク3’」に相当するピークが存在しないためであると考えられる。
【0077】
【実施例4】
本発明は、ぶどう種子抽出物(例えばグラヴィノール(商品名))を使用して、以下のようなフローに従って実施することができる。
【0078】
【表7】
【0079】
ここで、上記の表7に示されるフローに従い、グラヴィノール2.5%の含水エタノール溶解液(総ポリフェノール約1%)にUF20,000の限外濾過膜、UF50,000の限外濾過膜、及びUF100,000の限外濾過膜を用いて本発明を実施した場合において、得られた静菌剤を飲料添加剤として飲料(透明タイプ果汁飲料:果汁10%未満、可溶性固形分8〜9Brix、pH約3.9)に添加したものを放置(48〜120時間程度)して沈殿の発生を見た結果、以下のような結果が得られた(なお、添加量は、各処理液の飲料への添加濃度で示す)。
【0080】
【表8】
【0081】
この表に示されるように、UF100,000の限外濾過膜を用いて本発明を実施した場合には沈殿の発生が見られたものの、UF20,000の限外濾過膜及びUF50,000の限外濾過膜を用いて本発明を実施した場合には、いずれも沈殿の発生は見られなかった。
【0082】
次に、表7に示されるフローに従い、UF20,000の限外濾過膜及びUF50,000の限外濾過膜を用いて本発明を実施した場合において、得られた静菌剤を飲料添加剤として飲料(透明タイプ果汁飲料:果汁10%未満、可溶性固形分8〜9Brix、pH約3.9)に添加した場合の静菌効果の発現について調べた結果、以下のような結果が得られた(なお、添加量は、各処理液の飲料への添加濃度で表す。)。
【0083】
【表9】
【0084】
因みに、各処理液について、これをHPLCにかけた結果が図2(未処理の場合)、図6(UF50,000の限外濾過膜の場合)及び図7(UF20,000の限外濾過膜の場合)に示されている。
【0085】
このような表9、並びに図2、図6及び図7の結果より、UF20,000の限外濾過膜を使用した場合にはポリフェノールロスが大きく、静菌作用の低下が見られるようである。
【0086】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明により、所定のものから所定のポリフェノールを採取し、或いは、ポリフェノール画分を逆相分離用液体カラムクロマトグラフィーで分離することにより、天然由来の飲料用静菌剤を製造することができ、この画分を飲料中に混合することにより静菌作用を有する飲料とすることができるが、この過程において、前記飲料用静菌剤に対して冷却をして部分的固化後に生じた沈殿を濾過するという処理を施すことによって、静菌剤添加後の飲料に、当該飲料の外観品質を低下させるような沈殿の発生を防ぐことができるようになる。
【0087】
これにより、天然由来のポリフェノール含有性の飲料用静菌剤を添加した飲料を透明容器に安心して充填できるようになり、当該飲料の安定性も確保される。言い換えれば、本発明により、天然由来のポリフェノール含有性の飲料用静菌剤を好適な飲料添加剤、特に透明容器に充填された飲料に好適な飲料添加剤を製造することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】市販のグラヴィノール(商品名)をHPLCにかけた結果得られたクロマトグラムを示す図である(表2参照)。
【図2】市販のグラヴィノール(商品名)を、表2の条件下でHPLCにかけた結果得られたクロマトグラムを示す図である。
【図3】液化炭酸ガス抽出を行って得られたブドウ種子抽出物を、図2と同じ条件でHPLCにかけた結果得られたクロマトグラムを示す図である。
【図4】ブドウ種子から熱水抽出することにより得られたブドウ種子抽出物についてNF膜処理したものを、図2と同じ条件でHPLCにかけた結果得られたクロマトグラムを示す図である。
【図5】お茶から得られたカテキンを、表2の条件(下部分の右端)でHPLCにかけた結果得られたクロマトグラムを示す図である。
【図6】冷却することによる部分的固化→解凍→濾過(UF50,000の限外濾過膜の場合)を経た静菌剤を図2と同じ条件でHPLCにかけた結果を示すチャート図である。
【図7】冷却することによる部分的固化→解凍→濾過(UF20,000の限外濾過膜の場合)を経た静菌剤を図2と同じ条件でHPLCにかけた結果を示すチャート図である。
Claims (9)
- 果実、果種等の植物から得られたポリフェノール画分を逆相分離用液体カラムクロマトグラフィーにより分離したときに得られるピークの内のメジャーなピークの中で、最後に溶出されるピークに相当する成分を主成分として含む静菌剤を飲料添加物へと加工・処理する際の処理方法であって、
前記メジャーなピークは、カラムとしてShim Pack PREP-ODS(H)(4.6mmφx250mmL)、検出器としてUV280nm、流量として1.0ml/min、試料注入量として20μl、移動相として10mMリン酸(Na)緩衝液(pH.2.6)又はアセトニトリル、カラム温度として40℃という条件で、前記逆相分離用液体カラムクロマトグラフィーにより分離したときに、クロマトグラム中のピーク高さが14876以上であり、
前記静菌剤を含水エタノールに溶解させ、これを冷却することによって部分的固化させた後に解凍し、当該解凍後に発生した沈殿を限外濾過して除去する工程を含むことを特徴とする処理方法。 - 果実、果種等の植物から得られたポリフェノール画分を逆相分離用液体カラムクロマトグラフィーにより分離したときに得られるピークの内のメジャーなピークの中で、NF膜処理により消失するピークの部分を主成分として含む静菌剤を飲料添加物へと加工・処理する際の処理方法であって、
前記メジャーなピークは、カラムとしてShim Pack PREP-ODS(H)(4.6mmφx250mmL)、検出器としてUV280nm、流量として1.0ml/min、試料注入量として20μl、移動相として10mMリン酸(Na)緩衝液(pH.2.6)又はアセトニトリル、カラム温度として40℃という条件で、前記逆相分離用液体カラムクロマトグラフィーにより分離したときに、クロマトグラム中のピーク高さが14876以上であり、
前記静菌剤を含水エタノールに溶解させ、これを冷却することによって部分的固化させた後に解凍し、当該解凍後に発生した沈殿を限外濾過して除去する工程を含むことを特徴とする処理方法。 - 果実、果種等の植物から得られたポリフェノール画分を逆相分離用液体カラムクロマトグラフィーにより分離したときに得られるピークの内のメジャーなピークの中で、最後のほうに溶出されるピークに属し、かつ、NF膜処理により消失するピークの部分を主成分として含む静菌剤を飲料添加物へと加工・処理する際の処理方法であって、
前記メジャーなピークは、カラムとしてShim Pack PREP-ODS(H)(4.6mmφx250mmL)、検出器としてUV280nm、流量として1.0ml/min、試料注入量として20μl、移動相として10mMリン酸(Na)緩衝液(pH.2.6)又はアセトニトリル、カラム温度として40℃という条件で、前記逆相分離用液体カラムクロマトグラフィーにより分離したときに、クロマトグラム中のピーク高さが14876以上であり、
前記静菌剤を含水エタノールに溶解させ、これを冷却することによって部分的固化させた後に解凍し、当該解凍後に発生した沈殿を限外濾過して除去する工程を含むことを特徴とする処理方法。 - 果実、果種等の植物から得られたポリフェノール画分を逆相分離用液体カラムクロマトグラフィーにより分離したときに得られるピークの内のメジャーなピークの中で、最後に溶出されるピークに相当する成分を主成分として含み、前記メジャーなピークは、カラムとしてShim Pack PREP-ODS(H)(4.6mmφx250mmL)、検出器としてUV280nm、流量として1.0ml/min、試料注入量として20μl、移動相として10mMリン酸(Na)緩衝液(pH.2.6)又はアセトニトリル、カラム温度として40℃という条件で、前記逆相分離用液体カラムクロマトグラフィーにより分離したときに、クロマトグラム中のピーク高さが14876以上であることを特徴とする静菌剤。
- 前記ポリフェノール画分はぶどう種子から得られたものである請求項4に記載の静菌剤。
- 耐熱性好酸性菌に対して静菌作用を有する請求項4又は5に記載の静菌剤。
- 請求項1から3いずれか記載の処理方法を経ることによって製造された飲料添加剤。
- 酸性飲料に対して静菌作用を有する飲料添加剤である請求項7に記載の飲料添加剤。
- 請求項7又は8いずれか記載の飲料添加剤を静菌性有効量含有する飲料。
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