JP3622295B2 - 遠心機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、遠心機の温度制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の遠心機においては、チャンバの表面に温度センサを取付けると共に、チャンバの表面温度を計測し、遠心機の制御回路内に有するプロセッサがチャンバの温度を読み取り、このチャンバ温度と制御上の目標温度(Tc)を比較することにより冷凍機のオン、オフ制御を行っていた。実際には図2に示すようにように(Tc−1)℃に到達すると冷凍機をオンからオフにし、温度上昇して(Tc+1)℃を越えると冷凍機をオンにしていた。因みにこの時の目標温度(Tc)はロータ内に収容されている試料が風損により温度上昇するため、試料温度とチャンバの表面温度との差を見込んで常に5〜6度低めの温度に設定されていた。しかし、このような温度制御方法においては、図3に示すような状態が生じるため問題があった。この場合、まず冷凍機がオンしてチャンバ温度が(Tc−1)℃に近づいていき、(Tc−1)℃に到達するとプロセッサは冷凍機をオフにする。ところがロータが大きく高回転数で回転されている場合、冷凍機をオフにすると風損により急激な温度上昇が生じ、チャンバ温度はすぐに(Tc+1)℃に到達してしまう。しかし、冷凍機は一旦、オフしてしまうと再起動するのに一定時間待たなければならない拘束時間が必要であるため、プロセッサは冷凍機をオンできなかった。このためチャンバ温度は上昇し続け、拘束時間が経過した後、プロセッサは冷凍機をオンすることができた。このような温度制御では、チャンバ温度が制御上の目標温度に到達しているにもかかわらず試料の温度は高めに制御されてしまう。また図4は遠心機の周囲温度が高い場合における温度制御を示しており、冷凍機の冷却能力が下がり冷凍機をオンし続けてもチャンバ温度が(Tc−1)℃に到達できず冷凍機をオフできなかった。この場合は冷凍機をオン、オフできる制御状態に比べ試料の温度が冷えすぎてしまう問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように従来の温度制御方法では、チャンバが目標とする温度に到達していても、又はほぼ目標温度になっていても試料の温度が高すぎたり、冷えすぎたりしてしまう問題があった。設定された回転数やロータ負荷、遠心機の周囲温度、冷却能力等の条件により制御できる範囲と冷凍機がオンのままで制御できない範囲ができてしまうことが原因であり、多くは冷却能力に起因している。しかし、少なくともチャンバが目標温度近く下がる冷却能力を有している場合には、試料の温度が高過ぎたり、冷え過ぎたりしないようにする制御方法の改善が望まれていた。
【0004】
本発明の目的は、冷凍機が冷却能力等により制限条件がある場合において、その条件内で最適な温度制御を行うことである。
温度センサにより読み込んだチャンバ内温度を遠心機の制御回路内のプロセッサが逐次平均値の演算をし、その平均値が制御上の目標温度Tcに到達した時に冷凍機のオン、オフを切り替えることにより達成される。ここで温度センサが検出するチャンバ内温度はチャンバ底面の空気温度である。従来は温度センサをチャンバ表面に取り付けていたため、実際の試料温度と制御上の目標温度Tcには大きな差があり、温度制御の不具合の一要因となっていた。チャンバ底面部の空気はエバポレータから直接、冷却を受けず、試料を収容するロータの温度上昇の影響を受け易い位置にあるため、チャンバ底面部の空気温度は試料温度とほぼ同じになる。そこで温度センサが検出する温度をチャンバ底面部とすることで、冷凍機がオンのままの制御不能の場合にも試料温度の冷えすぎをなくすことができる。図3の状態の時は遠心機の電源が入ると、まず冷凍機がオンされるとチャンバ内温度は次第に下がっていく。プロセッサは一定のサンプリング時間毎にチャンバ内温度を読み取り、平均値を演算する。従来の制御ではチャンバ内温度が(Tc−1)℃になった時に冷凍機をオフさせていたが、平均値にするとオン時間は長くなり、チャンバ内温度の平均値がTcになった時に冷凍機をオフさせる。冷凍機をオフさせると拘束時間中に温度上昇するが、拘束時間が切れ、冷凍機が再びオンすると拘束時間中の温度上昇を相殺する分だけ冷凍機のオン時間は延長される。この延長された時間により、従来は高めになった試料温度の不具合が解消される。以上のような制御方法により冷凍機はある一定のオン、オフの時間のサイクルに収束する。しかし、試料温度と目標温度の差が大きい場合、収束するまでの時間がかかりすぎ実用に適さない。そこでチャンバ内温度が目標温度に達するまでは、チャンバ内温度と目標温度との比較により冷凍機をオン、オフし、目標温度に到達以後は前記平均値の制御にすることで収束するまでの時間を短縮する必要がある。次に図4に示す状態の時は、冷凍機がオンしてから、ある程度、時間が経過すると平均値が必ずTcより低くなるので、プロセッサは冷凍機をオフさせる。また周囲温度が更に高くなって冷却能力が低下し、平均値がTcに達しない時には、冷凍機はオンし続け、冷却能力内で最低の試料温度にさせる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、電動機と、該電動機によって回転駆動されるロータと、該ロータを収納するチャンバと、該ロータの温度を制御するための冷凍機と、ロータを冷却するための目標温度と、該チャンバ内の温度を計測する温度検出センサと、前記冷凍機のオン・オフを制御するプロセッサとを有する遠心機において、前記温度検出センサによって計測された温度と、前記目標温度との差分を積分演算し、前記計測温度が目標温度よりも高い部分の積分値と、前記計測温度が目標温度よりも低い部分の積分値とがほぼ同じになるよう前記冷凍機を制御するプロセッサを有することで達成される。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1は本発明になる遠心機の構成図であり、試料を収容しているロータ1はチャンバ3内で電動機7に装着される。チャンバ3はドア2で密閉されており、チャンバ底面部付近の空気温度を測定するためチャンバ底面部にチャンバ表面から温度センサを離すためにセンサホルダ5を取り付け、センサホルダ内に温度センサを入れる。温度センサの検出温度に相当した出力電圧は、遠心機制御部の温度測定回路9を経由してプロセッサ10のアナログポートに入力される。プロセッサは入力された電圧をA/D変換し、チャンバ内温度を認識し、チャンバ内温度によって冷凍機8をオン、オフ制御する。図5は本発明になる冷凍機のオン、オフのタイミングを示しており、遠心機の電源を入れるとプロセッサがチャンバ内温度を読み込み始める。ここで最初に読み込んだ温度は室温になる。目標温度Tcが室温より低い場合にはプロセッサは冷凍機をオンさせる。すると冷凍機によってチャンバは冷されチャンバ内温度は下がっていく。プロセッサは一定の時間毎(サンプリング時間;ts)でチャンバ内温度を読み込んでいる。読み込んだチャンバ内温度が目標温度Tcに到達するとプロセッサは冷凍機をオフする。冷凍機がオフになっても、すぐにはチャンバ内温度上がらず下がり続ける。プロセッサは目標温度Tcに到達以後は読み込んだチャンバ温度を逐次、平均値の演算をしていく。
【0007】
図6は平均値の演算をプロセッサで処理する1方法を示している。プロセッサは、チャンバ内温度T0を読み込むと(T0−Tc)×tsの計算をする。次々に、チャンバ内温度T1、T2,T3,・・・・とサンプリングし、プロセッサはS=Σ{(Tk−Tc)×ts}の計算をする。プロセッサはS>0の時には冷凍機をオンにし、S<0の時には冷凍機をオフする。そこでS=0になった時が冷凍機のオン、オフが切り替わるタイミングになる。つまり図5において、S0=S1になった時、冷凍機がオフからオンに切り替わる。同様な演算によりS2=S3となった時、再びS=0となり冷凍機をオンからオフに切り替える。演算に用いるサンプリング時間tsは冷凍機の拘束時間を考慮すると、30秒〜60秒程度が適正値となる。次に拘束時間の影響を受けた場合について説明する。図3は拘束時間がある場合の従来の制御状態を示す。図中のA点は冷凍機がオフからオンに切り替えられるタイミングであるが拘束時間によって冷凍機をオフからオンにできずB点まで冷凍機はオフのままとなる。そこで拘束時間中の温度上昇により試料温度は高めに制御されてしまう。図7は本発明になる制御状態を示している。図中のC点は本制御によって冷凍機がオフからオンに切り替えられるべきタイミングである。しかし拘束時間によりD点まで遅らせられる。このD点に於いてプロセッサが演算した値はS0=S1とするとΔSとなる。冷凍機はオンしてもチャンバ内温度はすぐに目標温度(Tc)には達せず演算値は正の大きな値であるΔS+S2となる。次に冷凍機をオフさせるタイミングはΔS+S2=S3となりS=0になるE点である。プロセッサは演算値S=0にすべく、温度上昇分(ΔS+S2)を相殺するため冷却限度内で冷凍機のオン時間を延長させる。そこで従来の制御での冷凍機のオン時間より長くなり試料温度が高めになることを矯正することができる。次に図4の制御状態について説明する。この状態は遠心機の周囲温度が高く冷却能力が下がり、冷凍機をオンし続けてもチャンバ内温度が冷凍機をオフする温度(Tc−1)まで下がることができない。この状態での制御状態を図8に示している。まず電源投入時チャンバ内温度が目標温度より高いため冷凍機はオンとなる。冷却能力は(Tc−1)ぐらいまであるのでチャンバ内温度がTcに到達した時に冷凍機はオフされる。以後プロセッサは平均値の演算を行い、S0=S1でS=0となる時点で冷凍機をオフからオンに切り替える。この様に従来の制御では冷凍機がオンのままで制御不能であったが本制御法によれば目標温度より僅かでも越える冷却能力が有りさえすれば制御可能となる。更に周囲温度が上がり目標温度にも到達できない場合は図9の状態となる。冷凍機はオンのままで制御不能であるが冷凍機の冷却能力の限度までチャンバ内温度を下げ、目標温度に近づくことになる。
【0008】
【発明の効果】
本発明によれば、目標とするチャンバ内温度に到達できる最低限度の冷却能力さえあれば必ず冷凍機をオン、オフ制御することができるので、オン、オフしている時とオンのまま制御しない時との試料の温度差をなくすことができ、試料の温度制御精度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる遠心機を示す構成図である。
【図2】従来の温度制御における冷凍機のオン、オフ動作を示すタイミングチャートである。
【図3】従来の温度制御での拘束時間に制約された時の冷凍機のオン、オフ動作を示すタイミングチャートである。
【図4】従来の温度制御における制御不能の時の冷凍機の動作を示すタイミングチャートである。
【図5】本発明になる冷凍機のオン、オフ動作を示すタイミングチャートである。
【図6】本発明になるチャンバ内温度の処理を示すチャートである。
【図7】本発明になる拘束時間に制約された時の冷凍機のオン、オフ動作を示すタイミングチャートである。
【図8】従来の温度制御における制御不能の時の制御動作を示すタイミングチャートである。
【図9】本発明なる制御不能の時の冷凍機の制御動作を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1はロータ、2はドア、3はチャンバ、4はエバポレータ、5はセンサホルダ、6は温度センサ、7は電動機、8は冷凍機、9は温度測定回路、10はプロセッサである。
Claims (1)
- 電動機と、該電動機によって回転駆動されるロータと、該ロータを収納するチャンバと、該ロータの温度を制御するための冷凍機と、ロータを冷却するための目標温度と、該チャンバ内の温度を計測する温度検出センサと、前記冷凍機のオン・オフを制御するプロセッサとを有する遠心機において、前記温度検出センサによって計測された温度と、前記目標温度との差分を積分演算し、該計測温度が目標温度よりも高い部分の積分値と、該計測温度が目標温度よりも低い部分の積分値とがほぼ同じになるよう冷凍機を制御するプロセッサを有することを特徴とする遠心機。
Priority Applications (1)
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JP29157995A JP3622295B2 (ja) | 1995-11-10 | 1995-11-10 | 遠心機 |
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JP29157995A JP3622295B2 (ja) | 1995-11-10 | 1995-11-10 | 遠心機 |
Publications (2)
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Family
ID=17770761
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP29157995A Expired - Fee Related JP3622295B2 (ja) | 1995-11-10 | 1995-11-10 | 遠心機 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3622295B2 (ja) |
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JP6217148B2 (ja) * | 2012-07-18 | 2017-10-25 | 日立工機株式会社 | 遠心機 |
-
1995
- 1995-11-10 JP JP29157995A patent/JP3622295B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH09131549A (ja) | 1997-05-20 |
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