JP3622076B2 - 扉開閉機構 - Google Patents

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JP3622076B2
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    • E05Y2900/00Application of doors, windows, wings or fittings thereof
    • E05Y2900/30Application of doors, windows, wings or fittings thereof for domestic appliances
    • E05Y2900/31Application of doors, windows, wings or fittings thereof for domestic appliances for refrigerators
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25DREFRIGERATORS; COLD ROOMS; ICE-BOXES; COOLING OR FREEZING APPARATUS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F25D2323/00General constructional features not provided for in other groups of this subclass
    • F25D2323/02Details of doors or covers not otherwise covered
    • F25D2323/024Door hinges

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  • Refrigerator Housings (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は冷蔵庫等の扉の開閉機構に関するものであり、特に両側のどちらからでも開閉できる扉開閉機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
扉の両側のどちらからでも開閉できる従来の扉開閉機構は、例えば特開平9−303942号公報に開示されている。この扉開閉機構を図55(a)、(b)、(c)に示すと、扉開閉機構は、扉と本体(何れも不図示)の係合・離脱を行なうカム機構が扉の両側にそれぞれ設けられている。
【0003】
これらのカム機構は夫々、ヒンジピン14が設けられるロックカム部材2と、ヒンジピン14に係合して移動できる第1、第2溝カム3、4を有するスライドカム部材1とから成っている。扉の閉止状態では両側のカム機構は図55(a)に示すように第1係止位置に配され、ヒンジピン14と第1溝カム3の係合力によって扉の装着状態が保持される。
【0004】
この状態から扉の一方(図示しない側)を引っ張ると、一方のカム機構は第1溝カム3がヒンジピン14に沿って移動し、係合を解除される。他方のカム機構は、図55(b)に示すように第2溝カム4がヒンジピン14に沿って第2係止位置に移動する。この時、スライドカム部材1は第2溝カム4の円形部4aによりヒンジピン14に支持され、扉が回転自在にロックされる。
【0005】
ロックカム部材2とスライドカム部材1には夫々ロック外カム11、12及びスライド外カム9、10が一体に設けられている。ロック外カム11、12とスライド外カム9、10は第2係止位置の扉両側のヒンジピン14を中心とする共通の2つの円筒面(例えば10a、10bと12a、12b)を有して形成され、対向配置されている。そして、ヒンジピン14を中心とする扉の回転とともに、図55(c)に示すようにロック外カム12とスライド外カム10が係合を開始して互いに摺動し、スライド外カム10が円弧上を案内される。
【0006】
更に、扉の回転により円形部4aと同心に突設される第1カム突起5がヒンジピン14と同心に突設される第2カム突起6と摺動して案内される。これにより、第2溝カム4とヒンジピン14との係合の離脱が防止され、扉が回転できるようになっている。その結果、扉を通常の片開き機構のように開けることができるようになっている。また、ロック外カム11、12とスライド外カム9、10を備えず、第2カム突起6による第1カム突起5の摺動案内だけでも扉が回転できる構成も同公報に開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構成の従来の扉開閉機構によると、ロックカム部材2とスライドカム部材1とが係合する前は、ヒンジピン14は第2溝カム4によってのみ支持されている。左右のスライドカム部材1の間隔は、スライドカム部材1を支持部材に取付ける際の誤差や該支持部材の寸法精度により変動する場合がある。また、扉の内部が発泡ポリウレタンで満たされた一体発泡の断熱材であれば、その発泡時の周囲温度や発泡倍率の変動により、左右のスライドカム部材1の間隔が変動する場合もある。
【0008】
このため、扉両側のヒンジピン14の間隔に対してスライドカム部材1の間隔が変動して大きくなると、扉開放時の第2溝カム4の幅方向の移動量が小さくなり、ヒンジピン14には円形部4aの半周以下の部分しか摺接できない。その結果、ヒンジピン14により第2溝カム4を支持することができず、回転軸が変動して扉を円滑に回転させることができない問題があった。また、ロック外カム12とスライド外カム10を備えない構成においては、回動軸となる側のヒンジピン14が第1溝カム3の方向に相対移動して扉が脱落する危険もある。
【0009】
従って、スライドカム部材1の取付位置が変動すると、取付位置の調整や支持部材の交換が必要であり、生産効率の悪化を招くだけでなく、支持部材が使用できず製造歩留りが低下する問題があった。
【0010】
また、スライドカム部材1の組立時において取付誤差がなく円滑に扉を開閉できても、扉開閉機構が搭載される冷蔵庫等の使用環境により例えば周囲温度が上昇するとスライドカム部材1が取付けられる支持部材の膨張によりスライドカム部材1の間隔が広がって、上記と同様の問題が発生する。
【0011】
更に、扉の回転に伴ってロック外カム12と摺動するスライド外カム10は、ロック外カム12との係合前にロック外カム12と対向配置されている。このため、扉が回転するとスライドカム部材1の組立や温度による取付位置の変動によってスライド外カム10がロック外カム12と衝突し、円滑に扉の回転ができない問題もある。
【0012】
本発明は以上の問題点を鑑みてなされたものであり、生産効率の向上及び歩留り向上を図ることのできる扉開閉機構及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、扉の両側のそれぞれにおいて扉と本体の係合・離脱を行なうカム機構を設け、これらのカム機構は扉の両側で対称な第1係止位置と、同じく扉の両側で対称な第2係止位置をとることができ、扉の閉止状態では両側のカム機構とも第1係止位置をとり、扉の一方を開放する際に扉が扉の開放側へスライドして他方のカム機構が回動自在にロックされる第2係止位置をとことを特徴としている。
【0014】
またカム機構は、本体の両側に金属により連結されるとともに第2係止位置での回転軸を成すヒンジピンと、扉の両側に樹脂により連結されるとともにヒンジピンの周面と摺接して移動できる溝カムとを備え、溝カム前記ヒンジピンの軸方向に平行な2面から成る摺接部を有し、前記カム機構が第1係止位置から第2係止位置へ移行する際に前記摺接部と前記ヒンジピンの周面と摺接して前記ヒンジピンに案内されることを特徴とする。
【0015】
この構成によると、左右とも第1係止位置にある扉の閉止状態では両側のヒンジピンと溝カムの係合力によって扉の装着状態が保持される。この状態から、扉の左右いずれかを引っ張ると一方のヒンジピンと溝カムの係合が解除される。他方の溝カムは摺接部がヒンジピンの奥側と手前側に摺接しながらヒンジピンに沿って相対移動し、第2係止位置で係合して回転自在にロックされる。そして、溝カムがヒンジピンにより支持されて扉が回転する。
【0016】
また本発明は、上記構成の扉開閉機構において、前記摺接部の扉幅方向の長さを、扉両側に配される2つの前記溝カムの最外距離の変動値より大きくしたことを特徴としている。この構成によると、ヒンジピンは溝カム内を相対移動し、前記溝カムの距離の変動値より扉幅方向が長い摺接部を通って第1係止位置から第2係止位置に到達する。ここで、変動値は、溝カムの取付時の誤差や、温度上昇による膨張等から成る。
【0017】
また本発明は、上記構成の扉開閉機構において、摺接部の扉の幅方向の長さを、扉両側に配される2つの溝カムの最外距離の0.2%以上にしたことを特徴としている。
【0018】
上記構成の扉開閉機構において、本体に配されるロック外カムと、扉に配されるとともに前記ロック外カムにより第2係止位置で円弧状に摺動案内されて回転するスライド外カムとを備え、扉開閉時に第2係止位置をとる側の前記スライド外カム前記ロック外カムの摺動時に、扉の回転中心を通る中心線に前記スライド外カムが接する接点と、扉の回転中心を通る中心線に前記スライド外カムが接する接点と、扉の回転中心を通る中心線に前記ロック外カムが接する接点との径方向の距離を、扉両側に配される2つの前記溝カムの最外距離の変動値より大きくしたことを特徴としている。
【0019】
この構成によると、左右とも第1係止位置にある扉の閉止状態では溝カムとヒンジピンとの係合により扉の装着状態が保持される。この状態から、扉の左右いずれか一方を引っ張るとカム機構が解除される。他方のカム機構は第2係止位置で溝カムとヒンジピンとの係合により回転自在にロックされる。そして、スライド外カムはロック外カムと摺動し、扉の回転中心と同心の円弧上を案内されて扉が通常の片開き機構のように開かれる。この時、扉の回転中心を通る中心線と前記ロック外カムの接点と、該中心線と前記スライド外カムの接点との摺動時の径方向の距離は、扉両側に配される2つの溝カムの最外距離の変動値より大きくなっている。ここで、変動値は、スライド外カムの取付時の誤差や、温度上昇による膨張等から成る。
【0020】
また、上記構成の扉開閉機構において、本体に配され、扉両側の回転軸を中心とする断面略円弧状の2つの摺動面を有するロック外カムと、扉に配され、扉両側の回転軸を中心とする断面略円弧状の2つの摺動面を有し、前記ロック外カムに摺動案内されるスライド外カムとを備え、扉の一方が放する際扉の他方において、摺動前の前記スライド外カムに対向する部分の前記ロック外カムと扉の回転中心を通る中心線との接点と、摺動前の前記ロック外カムに対向する部分の前記スライド外カムと扉の回転中心を通る中心線との接点と、の摺動時の径方向の距離を、扉両側に配される2つの前記溝カムの最外距離の変動値より大きくしたことを特徴としている。
【0021】
この構成によると、左右とも第1係止位置にある扉の閉止状態では両側のヒンジピンと溝カムの係合力によって扉の装着状態が保持される。この状態から、扉の左右いずれかを引っ張ると一方のヒンジピンと溝カムの係合が解除される。他方の溝カムはヒンジピンに沿って相対移動し、第2係止位置で係合して回転自在にロックされる。そして、スライド外カムはロック外カムと摺動し、扉の回転中心と同心の円弧上を案内されて扉が通常の片開き機構のように開かれる。この時、扉の回転中心を通る中心線と前記ロック外カムの接点と、該中心線と前記スライド外カムの接点との摺動時の径方向の距離は、扉両側に配される2つの溝カムの最外距離の変動値より大きくなっている。ここで、変動値は、溝カムの取付時の誤差や、温度上昇による膨張等から成る。
【0022】
また、上記構成の扉開閉機構において、2つの前記ヒンジピンを金属部材から成るアングル上に設けたことを特徴としている。この構成によると、2つのヒンジピン間の距離は温度変化に対する伸縮が抑制される。
【0023】
また上記構成の扉開閉機構において、該径方向の距離を、溝カムの最外距離の0.2%以上にしたことを特徴としている。この構成によると、スライド外カムがロック外カムに摺動案内される時に、扉の回転中心を通る中心線と前記ロック外カムの接点と、該中心線と前記スライド外カムの接点との径方向の距離は、扉両側に配される2つの溝カムの最外距離の0.2%以上になっている。
【0024】
また上記構成の扉開閉機構において、扉の一方を開放する際に、扉の他方斜め奥行方向にスライドすることを特徴としている。この構成によると、第1係止位置から扉の一方を開放すると、一方のヒンジピンと溝カムの係合が解除される。扉の他方は斜め奥行方向にスライドし、他方のカム機構は第2係止位置で係合して回転自在にロックされる。
【0025】
また上記構成の扉開閉機構において、扉を閉止した際に本体と接するパッキンをの背面に備え、扉の一方を放する際に扉の奥行方向のスライド量をパッキンの背面と回転中心との距離の2.3%〜4%にしたことを特徴としている。
【0026】
この構成によると、第1係止位置から扉の一方を開くと、一方のヒンジピンと溝カムの係合が解除される。扉の他方は斜め奥行方向にスライドし、第2係止位置でカム機構が回転自在にロックされる。この時、扉の他方の奥行方向のスライド量はパッキンの背面と他方の回転中心であるヒンジピンとの距離の2.3%〜4%になっている。
【0027】
また上記構成の扉開閉機構において、の幅方向のスライド量を2.5mm以上にしたことを特徴としている。この構成によると、第1係止位置から扉の一方を開放すると、一方のヒンジピンと溝カムの係合が解除される。他方の溝カムはヒンジピンに沿ってスライドし、第2係止位置で係合して回転自在にロックされる。この時、他方の溝カムの幅方向のスライド量は2.5mm以上になっている。
【0028】
また上記構成の扉開閉機構において、ロック外カムに対して摺動面に対抗するスライド外カムの先端部が複数の曲率半径を有し、扉開閉時に第2係止位置をとる側のスライド外カムの先端部はロック外カムに近い側の曲率半径よりも大きいことを特徴としている。この構成によると、複数の曲率半径を有する曲面を有するスライド外カムの先端部は、ロック外カムに近い側の曲率半径が大きくなっている。このため、ロック外カムとスライド外カムの摺動時においてスライド外カムの先端部の頂点は、ロック外カムから離れた位置に配される。
【0029】
また上記構成の扉開閉機構において、扉の一方を回転軸とする際にロック外カムと摺動するとともに扉の他方を回転軸とする際にロック外カムと摺動する2つの摺動面を有し、前記スライド外カムは曲面のみまたは曲面と平面の組合わせから成って前記接点を含む先端部を有し、前記先端部と2つの前記摺動面とが接する2つの接点間の距離を1.8mm以上にしたことを特徴としている。この構成によると、スライド外カムの両側壁面は、第2係止位置における両側のヒンジピンを中心とする断面略円弧状の摺動面を有し、スライド外カムの先端部は該2つの摺動面と連続する曲面または曲面と平面との組合わせから成っている。そして、一方の摺動面と先端部との接点と、他方の摺動面と先端部との接点との距離は1.8mm以上になっている。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1〜図5は第1実施形態の扉開閉機構を示す図である。図1(a)〜(e)は図示しない扉側に取り付けられるスライドカム部材1を示す図である。これらの図において、図1(a)は背面図、図1(b)は平面図、図1(c)は正面図、図1(d)は図1(b)のd−d断面図、図1(e)は図1(b)のe−e断面図である。
【0034】
スライドカム部材1は第1溝カム3と、第1溝カム3に連続する第2溝カム4と、第2溝カム4の外周に設けられた第1カム突起5とを有している。第1溝カム3はスライドカム部材1の部材1aの一端から中央に向かって斜めに延び、部材1aの略中央に形成された第2溝カム4に連続する。第2溝カム4は、円形部4aと直線部4bを有している。
【0035】
第1溝カム3は図1(e)に示すように部材1aの一端では深く、中央に至るに従って浅くなっている。第1カム突起5の外周はカタツムリ状に変化しており、その端部5aは径大になっていて後述する扉閉止時のカム係止状態を具現する当て部(段部)となり、一部は後述する変動値を考慮して面取り部5bが形成されている。
【0036】
図2(a)〜(e)は図示しない本体側に取り付けられるロックカム部材2を示す図である。図2(a)〜(e)は図1(a)〜(e)に対応したロックカム部材2の各面を示している。ロックカム部材2はスライドカム部材1の第1カム突起5と係合する第2カム突起6を有している。6aは第2カム突起6を形成する溝であり、その溝6a内には貫通穴7が設けられている。この貫通穴7には、後述する本体側に設けられたヒンジピン14が貫通して扉が回転する際の回転軸8となる。
【0037】
図1(b)において、スライドカム部材1に設けられた第1溝カム3は回転軸8となる軸中心を有するロックカム部材2と一体のヒンジピン14に案内される。また、第2溝カム4はスライドカム部材1が回転軸8(ヒンジピン14)からはずれない位置に導く働きをする。同じくスライドカム部材1に設けられた第1カム突起5は、扉が開かれるにつれてロックカム部材2に設けられた第2カム突起6に摺動案内される。これにより、スライドカム部材1が回転軸8からはずれないように働き、扉が本体から脱落するのを防止できるようになっている。
【0038】
図3(a)〜(d)は、スライドカム部材1とロックカム部材2を組み合わせた状態を示す図である。これらの図において、各々の部品は、扉が完全に閉じた第1係止位置の位置関係となっている。
【0039】
スライドカム部材1は扉に対して左右に一対取り付けられる。ロックカム部材2は本体(例えば冷蔵庫)側の対応する位置に一対設けられる。図4(a)〜(d)はスライドカム部材1(図中、実線で示す)とロックカム部材2(図中、破線で示す)の係合・離脱の動作を示したものである。これらの図において、スライドカム部材1とロックカム部材2は各々勝手違いの部品の組み合わせが、それぞれ左右対称の位置に配置されている。そして、左右に開くことができる扉のヒンジを形成している状態の平面図であるとともに、右側から扉を開ける場合の動作を示している。
【0040】
図4(a)は扉が完全に閉じた状態であり、扉側に取り付けられているスライドカム部材1と本体側に取り付けられているロックカム部材2がそれぞれ第1係止位置で左右対称で組み合わされている。この時、左右のスライドカム部材1に設けられた第1溝カム3は、それぞれ扉の斜め内側の向きとなるよう形成されている。第1溝カム3のそれぞれはヒンジピン14に規制されるので、使用者が扉を左右両側から手前に引っ張っても扉が本体から脱落することはない。
【0041】
図4(b)は、扉が右側から開き始めた状態を示している。右側のスライドカム部材1に設けられた第1溝カム3は、ヒンジピン14からはずれる位置となっている。この時、ヒンジピン14に第1溝カム3が案内されて扉が右へ少しスライドしている。このため、左側のスライドカム部材1に設けられた第2溝カム4は、左側のロックカム部材2に設けられた貫通穴7を貫通するヒンジピン14と摺動し、スライドカム部材1が左側のヒンジピン14から成る回転軸8からはずれない第2係止位置に配される。
【0042】
そして、第2溝カム4は直線部4b(図1(b)参照)を有しているので、例えば左右の第2溝カム4の間隔が組立て時の誤差等により大きくなっても直線部4bがヒンジピン14と係合してスライドカム部材1を保持することができる。従って、ヒンジピン14が第1溝カム3に導かれて相対移動することがなく、扉の回転中心の位置が安定する。また、ヒンジピン14が第1溝カム3に導かれて扉が脱落する危険も回避することができる。
【0043】
この時、直線部4bの長さを、扉両端の第2溝カム4の最外距離Lの変動値より長くすると、確実にヒンジピン14を第2溝カム4により保持できるので望ましい。変動値は、スライドカム部材1の取付け誤差や、スライドカム部材1を取付けるための後述する扉アングル13の加工精度より決められる。
【0044】
また、扉の内部が発泡ポリウレタンで満たされた一体発泡の断熱材であれば、その発泡時の周囲温度や発泡倍率の変動により、左右のスライドカム部材1の間隔が変動する場合もある。また、周囲温度の上昇に伴う扉アングル13の熱膨張によっても決められる。尚、直線部4bは、ヒンジピン14と摺接する壁面形状を平面的に見て曲線にしてもよい。
【0045】
さらに、図4(c)、(d)に示すように、扉の回転に伴って、左側のスライドカム部材1に設けられた第1カム突起5が、左側のロックカム部材2に設けられた第2カム突起6に摺動案内される。これにより、スライドカム部材1が左側の回転軸8からはずれないように働き、扉の脱落を防止し、扉の開閉を確実に行えるようにする事ができる。図4(b)、(c)、(d)において、左側のカム機構は第1、第2カム突起5、6により第2係止位置に回転自在にロックされている。
【0046】
第1カム突起5には、扉の幅方向での変動値を考慮した値だけ面取り部5b(図1(b)参照)が形成されているので前記の最外距離Lの変動があっても面取り部5bによるガイドで扉が開かれることにより第1カム突起5が第2カム突起6に確実に嵌合するようになる。
【0047】
第1カム突起5が第2カム突起6に嵌合する直前の面取り部5bに対向する第2カム突起6に同様の面取りを設けてもよく、また、第1、第2カム突起5、6の両方に面取り部を設けてもよい。更に、面取り部に替えてコーナーを曲面形状に形成してもよい。そして、スライドカム部材1の第1溝カム3に奥部3a(図48参照)を設けると、更に第1カム突起5が第2カム突起6と確実に嵌合させることができる。これについては後述する。尚、左側から扉を開ける場合は、図4(a)〜(d)の場合とは左右対称の動きとなる。
【0048】
次に、図5(a)〜(e)及び図6(a)〜(e)は夫々第2実施形態の扉開閉機構のスライドカム部材1とロックカム部材2を示す図である。説明の便宜上第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付している。これらの図において、図5(a)、図6(a)は背面図、図5(b)、図6(b)は平面図、図5(c)、図6(c)は正面図、図5(d)、図6(d)は夫々図5(b)、図6(b)のd−d断面図、図5(e)、図6(e)は夫々図5(b)、図6(b)のe−e断面図である。本実施形態は、第1実施形態の構成に加えて、スライドカム部材1とロックカム部材2に、外カム部1b、2bがそれぞれ横長に延長して形成されている。
【0049】
そして、外カム部1bには、スライド外カム9、10が設けられ、外カム部2bにはロック外カム11、12が設けられている。換言すれば、第2実施形態は第1実施形態に、スライド外カム9、10及びロック外カム11、12の機能が付加されている点で第1実施形態と相違している。
【0050】
これらの図において、ロックカム部材2に設けられた貫通穴7には、後述する本体側に設けられたヒンジピン14が貫通し、扉開閉時の回転軸8(図1(b)参照)となる。スライドカム部材1に設けられた第1溝カム3は扉を開く側において回転軸8を案内する。また、第2溝カム4は扉を開く側と反対側において回転軸8に対して摺動し、直線部4bを介して円形部4aに導かれる。これにより、スライドカム部材1が回転軸8からはずれない位置に導かれる。
【0051】
同じくスライドカム部材1に設けられた第1カム突起5は、扉が開かれるにつれてロックカム部材2に設けられた第2カム突起6に摺動案内される。これにより、スライドカム部材1が回転軸8からはずれないように働いて扉が本体から脱落するのを防止することができる。
【0052】
さらに、スライドカム部材1には両側壁の断面形状が略円弧状に形成されたスライド外カム9、10が設けられている。ロックカム部材2には同様に、両側壁の断面形状が略円弧状に形成されたロック外カム11、12が設けられている。扉が開かれる際に、スライド外カム9、10はロック外カム11、12に係合して摺動案内される。これにより、スライドカム部材1が回転軸8からはずれない位置により確実に導かれる。詳しくは後述する。尚、41〜44は位置決めピンであり、45〜50は取り付け用のビス挿通穴である。
【0053】
図7(a)、(b)は、夫々スライドカム部材1とロックカム部材2を組み合わせた状態を示す正面図及び上面図である。図7(c)、(d)は、夫々図7(b)のc−c断面図、d−d断面図である。これらの図において、各々の部品は、扉が完全に閉じた場合の位置関係となっている。
【0054】
スライドカム部材1及びロックカム部材2は各々勝手違いの部品の組み合わせが、それぞれ扉の左右対称の位置に配置される。図8(a)〜(d)は、スライドカム部材1(図中、実線で示す)とロックカム部材2(図中、破線で示す)により左右に開くことができる扉のヒンジを形成している状態の平面図を示しており、右側から扉を開ける場合の動作図である。
【0055】
図8(a)は扉が完全に閉じた状態である。同図は扉側に取り付けられているスライドカム部材1と本体側に取り付けられているロックカム部材2がそれぞれ完全に左右対称で組み合わされた第1係止位置になっている。この時、左右のスライドカム部材1に設けられた第1溝カム3は、それぞれ扉の斜め内側の向きとなるよう形成されている。それぞれの第1溝カム3がヒンジピン14に規制されるので、使用者が扉を左右両側から手前に引っ張っても扉が本体から脱落することはない。
【0056】
図8(b)は、扉が右側から開き始めた状態を示している。右側のスライドカム部材1に設けられた第1溝カム3は、ヒンジピン14からはずれる位置となっている。この時、ヒンジピン14に第1溝カム3が案内されて扉が右へ少しスライドしている。このため、左側のスライドカム部材1に設けられた第2溝カム4は、左側のロックカム部材2に設けられた貫通穴7を貫通するヒンジピン14と摺動し、スライドカム部材1が左側のヒンジピン14から成る回転軸8からはずれない第2係止位置に配される。
【0057】
そして、第2溝カム4は直線部4b(図5(b)参照)を有しているので、例えば左右の第2溝カム4の間隔が組立て時の誤差等により大きくなっても直線部4bがヒンジピン14と係合してスライドカム部材1を保持することができる。従って、ヒンジピン14が第1溝カム3に導かれて相対移動することがなく、扉の回転中心の位置が安定する。また、ヒンジピン14が第1溝カム3に導かれて扉が脱落する危険も回避することができる。
【0058】
この時、直線部4bの長さを、扉両端の第2溝カム4の最外距離Lの変動値より大きくすると、確実にヒンジピン14を第2溝カム4により保持できるので望ましい。変動値は、スライドカム部材1の取付け誤差や、スライドカム部材1を取付けるための後述する扉アングル13の加工精度より決められる。また、扉の内部が発泡ポリウレタンで満たされた一体発泡の断熱材であれば、その発泡時の周囲温度や発泡倍率の変動により、左右のスライドカム部材1の間隔が変動する場合もある。また、周囲温度の上昇に伴うスライドカム部材1の熱膨張によっても決められる。
【0059】
さらに、図8(c)、(d)に示すように、扉の回転に伴って、左側のスライドカム部材1に設けられた第1カム突起5が、左側のロックカム部材2に設けられた第2カム突起6に摺動案内される。これにより、スライドカム部材1が左側の回転軸8からはずれないように働く。そして、扉が本体から脱落するのを防止し、扉の開閉を確実に行えるようにする事ができる。
【0060】
また、図8(c)においては、右側のスライドカム部材1に設けられたスライド外カム9、10と、右側のロックカム部材2に設けられたロック外カム11、12が、完全にかみ合っている。そして、左側のスライドカム部材1に設けられたスライド外カム10と、左側のロックカム部材2に設けられたロック外カム12はかみ合い始めている。
【0061】
また、図8(d)においては、右側のスライドカム部材1に設けられたスライド外カム9、10と、右側のロックカム部材2に設けられたロック外カム11、12のかみ合いがはずれている。そして、左側のスライドカム部材1に設けられたスライド外カム10と、左側のロックカム部材2に設けられたロック外カム12がかみ合っている。
【0062】
更に、回転が進むと、左側のスライドカム部材1に設けられたスライド外カム10と、左側のロックカム部材2に設けられたロック外カム12のかみ合いがはずれる。そして、左側のスライドカム部材1に設けられたスライド外カム9と、左側のロックカム部材2に設けられたロック外カム11がかみ合う(図示せず)。
【0063】
以上のような動作により、回動するスライド外カム9、10がロック外カム11、12と摺動することにより、扉全体がスライド方向へ付勢される。そのため扉の軸側となるカム機構における回転自在なロック状態が確実に保持される。これによって扉が本体から脱落するのを防止し、扉の開閉を確実に行う事ができる。なお、左側から扉を開ける場合は、図8(a)〜(d)の場合とは左右対称の同一の動作を行う。
【0064】
本実施形態におけるスライドカム部材1は図9(a)、(b)の分解図に示すように、扉アングル13に装着される。また、ロックカム部材2はヒンジアングル15に取り付けられる。このとき、ヒンジアングル15に予め取り付けたヒンジピン14が貫通穴7を貫通してロックカム部材2の上方に突出する。扉アングル13は扉(図示せず)に取付けられる。また、ヒンジアングル15は本体(例えば冷蔵庫)に取付けられる。尚、図9(a)、(b)はそれぞれ正面図と側面図である。
【0065】
スライドカム部材1及びロックカム部材2は、射出成形により形成されており、樹脂材料として、ポリアミド樹脂或いはポリアセタール樹脂等が用いられる。
【0066】
図10(a)〜(c)は、スライドカム部材1とロックカム部材2が所定の場所に取り付けられ、組み合わせれた状態を示す正面図、側面図、平面図である。これらの図において、スライドカム部材1とロックカム部材2は各々勝手違いの部品の組み合わせがそれぞれ左右対称の位置に配置されている。そして、左右に開く事ができる扉のヒンジを形成している。ここで、扉の荷重はヒンジピン14の上面で受ける構造になっている。
【0067】
図11(a)〜(e)は、前述のロックカム部材2、ヒンジピン14及びヒンジアングル15を一体化してロックカム部材16とした場合を示す。従って、前述の図9(a)、(b)の形態に比べ、構成部品が1つ少なくなっている。これらの図において、ロックカム部材16は、扉の回転中心となるヒンジピン17と、本体へ取り付けるための取付部18を有している。
【0068】
ロックカム部材16の材質として、ダイカストによる亜鉛合金等の鋳物材料が使用される。なお、図11(a)〜(c)はそれぞれロックカム部材16の背面図、平面図、正面図を示し、図11(d)、(e)はそれぞれ図11(b)のd−d断面図、e−e断面図を示している。
【0069】
図12(a)、(b)は、スライドカム部材1とロックカム部材16の取付状態を示す分解図であり、図12(a)は正面図、図12(b)は側面図である。これらの図において、スライドカム部材1は、扉(図示せず)に設けられた扉アングル13に取り付けられ、ロックカム部材16は取付部18により本体(図示せず)に直接取り付けられる。
【0070】
図13(a)〜(c)は、スライドカム部材1とロックカム部材16が所定の場所に取り付けられ、組み合わされた状態を示す正面図、側面図、平面図である。スライドカム部材1とロックカム部材16は各々勝手違いの部品の組み合わせが、それぞれ扉の左右対称の位置に配置される。そして、左右に開く事ができる扉のヒンジを形成している状態を示している。ここで、扉の荷重はヒンジピン17の上面で受ける構造になっている。
【0071】
図14(a)、(b)は、扉と本体に永久磁石を取付けた時の動作を示している。図14(a)に示すように、扉20の背面と本体19の前面にはS極とN極とが互いに対峙して連続する永久磁石21が設置される。扉が閉じられている際には2つの永久磁石21により磁気吸引されて機密性を保持することができるようになっている。
【0072】
そして、扉を開き始めた際には、図14(b)に示すように、S極とS極、N極とN極が互いに対峙するため、磁気反発力が生じ、扉を楽に開くことができ、スライドカム部材1を容易に第2係止位置に導くことができるようになっている。尚、永久磁石21に替えて、無接点電力供給装置等を用いた磁力発生装置を用いてもよい。
【0073】
図15〜図17は扉20を水平方向に規制するガイドローラ20を設けた場合を示す平面図、正面図及び側面図である。また、図18は、図16のa−a断面図である。これらの図において、スライドカム部材1は扉20の上下に設けられた扉アングル13に取り付けられている。
【0074】
ロックカム部材2は本体19の上下に設けられたヒンジアングル15に取り付けられる。ヒンジアングル15にはヒンジピン14が設けられ、ヒンジピン14がロックカム部材2の貫通孔7(図6(b)参照)に貫通している。下側の扉アングル13にはローラベース23が取り付けられている。ローラベース23に設けられた軸ピン24は複数のガイドローラ22に挿通されている。
【0075】
上記の場合において、扉20を開くと、ヒンジピン14とスライドカム部材1とのクリアランス及び扉20の自重と扉20に収納された貯蔵品の重量により扉20が少し傾いた状態になる。扉20を閉めると、本体19の下部に設けられたヒンジアングル15に取り付けられたガイド(不図示)と扉20と一体のガイドローラ22により扉20の傾きが規制されて水平状態になるので、左右の回転軸(14)の軸芯を合わせることができ、開閉動作がスムーズになる。
【0076】
図19〜図21はそれぞれ扉20が自動的に開く電動機構を示す平面図、正面図及び側面図である。これらの図において、本体19に設けられたヒンジアングル15にはシャフト受け31が取り付けられている。シャフト受け31にはガイドシャフト30が固定されている。ラック27を有するスライド板28はガイドシャフト30により案内され、その長手方向に摺動自在である。
【0077】
また、スライド板28の動作位置を検知する左右の検知スイッチ32、33がヒンジアングル15に取り付けられている。スライド板28の待機位置を検知する待機スイッチ34がヒンジアングル15に取り付けられている。また、扉20に設けられた扉アングル13には固定ピン25によりローラ26が回転自在に取り付けられている。
【0078】
また、本体19に設けられたモータアングル37には駆動モータ36が取り付けられている。駆動モータ36によってピニオンギヤー35が回転し、ピニオンギヤー35と噛合するラック27によって直線運動に変換される。これによりスライド板28が摺動する。
【0079】
図22(a)〜(c)に上記の電動機構の動作図を示す。図22(a)は扉20が閉まっている状態、即ち待機状態である。この時、待機スイッチ34はOFF、検知スイッチ32、33はONの状態である。
【0080】
使用者が扉20或いは本体19の表面に設けられたタッチスイッチ等(図示せず)を操作し、扉20を右側から開けるように信号を出すと、駆動モータ36によってピニオンギヤー35が反時計方向へ回転する。そして、図22(b)に示すように、ラック27によって直線運動に変換されてスライド板28が図中、右方向へスライドする。
【0081】
そして、スライド板28に設けられた右側のスライド面29が右側のローラ26を押すことにより扉20が少し開く。このとき、右の検知スイッチ33はOFF、左の検知スイッチ32と待機スイッチ34はONの状態である。後述する図33によれば、ここで、上記電動機構は図22(a)の状態に戻る。しかし、本実施形態は更に電動機構が動作して自動的に扉をより大きく開けることができるようになっている。
【0082】
即ち、図22(c)に示すように、スライド板28を同図の左方向へスライドさせ、左側のスライド面29が左側のローラ26を押すようにすると、扉20を更に開くことができる。このとき、左の検知スイッチ32はOFF、右の検知スイッチ33と待機スイッチ34はONの状態である。そして、上記電動機構は図22(a)の状態に戻る。
【0083】
その後は、使用者が扉20を手動で開ける。扉20を左側から開ける場合は上記動作とは左右対称の動きとなる。尚、スライド面29は第2溝カム4の最外距離L(図8(a)参照)の変動値を考慮した充分な傾斜面を有しているので、組立てや熱膨張による変動があっても開放動作に支障はない。
【0084】
図23(a)〜(f)、図24(a)〜(f)は本発明の第3実施形態の扉開閉機構のスライドカム部材51及びロックカム部材52の詳細図である。図23(a)、図24(a)は平面図、図23(b)、図24(b)は背面図、図23(c)、図24(c)は正面図、図23(d)、図24(d)は図23(a)、図24(a)のd−d断面図、図23(e)、図24(e)は側面図、図23(f)、図24(f)は図23(a)、図24(a)のf−f断面図である。
【0085】
図24(a)において、ロックカム部材52に設けられた貫通穴57には、本体側に設けられたヒンジピン14(不図示)が貫通し、ヒンジピン14が扉回転時の回転軸58となる。
【0086】
図23(a)において、スライドカム部材51に設けられた第1溝カム53は上記回転軸58に案内される。第2溝カム54は円形部54aを有し、スライドカム部材51が回転軸58からはずれない位置に導く働きをする。同じくスライドカム部材51に設けられた第1カム突起55は扉が開かれるにつれてロックカム部材52に設けられた第2カム突起56に摺動案内されることにより、スライドカム部材51が回転軸58からはずれないように働くので、扉が本体から脱落するのを防止することができる。
【0087】
さらに、スライドカム部材51には両側壁の断面形状が略円弧状に形成されたスライド外カム59が設けられている。ロックカム部材52には両側壁の断面形状が略円弧状に形成されたロック外カム60が設けられている。扉が開かれる際に、スライド外カム59がロック外カム60に摺動案内されることにより、スライドカム部材51がより確実に回転軸58からはずれない位置に導かれる。
【0088】
図25(a)〜(f)は、スライドカム部材51とロックカム部材52を組み合わせた状態を示す図である。図25(a)〜(c)はそれぞれ平面図、背面図、正面図であり、図25(d)は図25(a)のd−d断面図、図25(e)は側面図、図25(f)は図25(a)のf−f断面図である。これらの図において、各々の部品は、扉が完全に閉じた場合の位置関係となっている。
【0089】
図26(a)〜(d)は、スライドカム部材51とロックカム部材52の取付状態を示す図である。図26(a)はロックカム部材52の取付状態を示す平面図、図26(b)はスライドカム部材51の取付状態を示す平面図であり、図26(c)は正面図、図26(d)は側面図である。
【0090】
これらの図において、スライドカム部材51は、扉(図示せず)に設けられた扉アングル13に取り付けられる。ロックカム部材52は、本体(図示せず)に設けられたヒンジアングル15に取り付けられる。ヒンジアングル15には、ヒンジピン14が固着されいる。また、ヒンジピン14の周部には、回転自在に取り付けられたローラ64が設けられている。ヒンジピン14及びローラ64はロックカム部材52の貫通穴57に貫通されている。
【0091】
本実施形態においては、スライドカム部材51とロックカム部材52に設けられるスライド外カム59、ロックカム外カム60をそれぞれ1個にしている。これにより、部品形状のシンプル化が図られている。また、ヒンジピン14にローラ64を設けることにより、扉の開閉をスムーズにし、また、開閉時に発生する摩擦音を軽減している。
【0092】
スライドカム部材51とロックカム部材52は各々勝手違いの部品の組み合わせが、それぞれ扉の左右対称の位置に配置される。図27(a)〜(g)は、スライドカム部材51とロックカム部材52が左右に開くことができる扉のヒンジを形成している状態の平面図を示しており、右側から扉を開ける場合の動作図である。
【0093】
図27(a)は扉が完全に閉じた状態でありカム機構は第1係止位置になっている。扉側に取り付けられているスライドカム部材51と本体側に取り付けられているロックカム部材52がそれぞれ左右対称で組み合わさっている。この時、左右のスライドカム部材51に設けられた第1溝カム53は、それぞれ扉の斜め内側の向きとなるよう形成されている。左右の第1溝カム53がヒンジピン14とローラ64(不図示)に規制されるので、使用者が扉を左右両側から手前に引っ張っても扉が本体から脱落することはない。
【0094】
図27(b)、(c)は、扉が右側から開き始めた状態を示している。右側のスライドカム部材51に設けられた第1溝カム53は、第1係止位置からはずれる位置となっている。この時、ヒンジピン14に案内された第1溝カム53が扉を右へ少しスライドさせている。このため、左側のスライドカム部材51に設けられた第2溝カム54と、左側のロックカム部材52に設けられた貫通穴57を貫通するヒンジピン14は、スライドカム部材51が左側の回転軸58からはずれない位置関係となっている。
【0095】
さらに、図27(d)に示すように、扉が回転するにつれて、左側のスライドカム部材51に設けられた第1カム突起55は、左側のロックカム部材52に設けられた第2カム突起56に摺動案内される。これにより、スライドカム部材51が左側の回転軸58からはずれないように働く。従って、扉が本体から脱落するのを防止し、扉の開閉を確実に行えるようにする事ができる。
【0096】
また、右側のスライドカム部材51に設けられたスライド外カム59と、右側のロックカム部材52に設けられたロック外カム60とのかみ合いが進む。左側のスライドカム部材51に設けられたスライド外カム59と、左側のロックカム部材52に設けられたロック外カム60はかみ合い始める。
【0097】
そして、図27(e)に示すように、扉が更に回転すると、右側のスライドカム部材51に設けられたスライド外カム59と、右側のロックカム部材52に設けられたロック外カム60のかみ合いがはずれる。左側のスライドカム部材51に設けられたスライド外カム59と、左側のロックカム部材52に設けられたロック外カム60のかみ合いが進む。
【0098】
更に、図27(f)においては、左側のスライドカム部材51に設けられたスライド外カム59と、左側のロックカム部材52に設けられたロック外カム60が完全にかみ合う。図27(g)に示す位置まで扉が回転して、ようやく左側のスライドカム部材51に設けられたスライド外カム59と、左側のロックカム部材52に設けられたロック外カム60のかみ合いがはずれる。
【0099】
以上のような動作により、扉が本体から脱落するのを防止し、扉の開閉を確実に行うことができる。扉を左側から開ける場合は、以上に説明した動作とは左右対称の動きとなる。
【0100】
図28(a)〜図28(h)に第4実施形態の扉開閉機構のスライドカム部材61の詳細図を示す。図28(a)は平面図、図28(b)は背面図、図28(c)、は正面図、図28(d)は図28(a)のd−d断面図、図28(e)は側面図、図28(f)〜(h)はそれぞれ図28(a)のf−f断面図、g−g断面図、h−h断面図である。
【0101】
また、図29(a)〜図29(h)はロックカム部材62の詳細図である。図29(a)は平面図、図29(b)は背面図、図29(c)、は正面図、図29(d)は図29(a)のd−d断面図、図29(e)は側面図、図29(f)〜(i)はそれぞれ図29(a)のf−f断面図、g−g断面図、h−h断面図、i−i断面図、j−j断面図である。
【0102】
図29(a)において、ロックカム部材62に設けられた貫通穴57には、本体側に設けられたヒンジピン14(不図示)が貫通し、扉開閉時の回転軸58となる。
【0103】
図28(a)において、スライドカム部材61に設けられた溝カム53は上記回転軸58を案内する。また第2溝カム54は円形部54aを有し、スライドカム部材61が回転軸58からはずれない位置に導く働きをする。同じくスライドカム部材61に設けられた第1カム突起55は扉が開かれるにつれて図29(a)のロックカム部材62に設けられた第2カム突起56に摺動案内される。これにより、スライドカム部材61が回転軸58からはずれないように働くので、扉が本体から脱落するのを防止することができる。
【0104】
さらに、スライドカム部材61には、両側壁の断面形状が略円弧状に形成されたスライド外カム59が設けられている。ロックカム部材62には両側壁の断面形状が略円弧状に形成されたロック外カム60が設けられている。扉が開かれる際にそれぞれがかみ合って摺動案内されることにより、スライドカム部材61がより確実に回転軸58からはずれない位置に導かれる。
【0105】
図30(a)〜(g)は、ストッパー40を示す図である。図30(a)は平面図、図30(b)は背面図、図30(c)は正面図、図30(d)は図30(a)のd−d断面図、図30(e)は左側面図、図30(f)は右側面図、図30(g)は図30(a)のg−g断面図である。ストッパー40は、スライドカム部材61に取り付けられ、扉がある程度以上開かないようにする役割を持つ部品である。
【0106】
図31(a)〜(c)は、スライドカム部材61とロックカム部材62及びストッパー40を組み合わせた状態を示す図であり、図31(a)は正面図、図31(b)は平面図、図31(c)は扉が完全に開いた状態における各部品の位置関係を示す平面図である。図31(a)、(b)において、各々の部品は、扉が完全に閉じた場合の位置関係となっている。
【0107】
図31(a)において、スライドカム部材61は、扉に設けられた扉アングル(不図示)に取り付けられる。ロックカム部材52は、本体に設けられたヒンジアングル(不図示)に取り付けられる。ヒンジアングルには、ヒンジピン14が固着されいる。また、ヒンジピン14の周部には、回転自在に取り付けられたローラ64が設けられている。ヒンジピン14及びローラ64はロックカム部材52の貫通穴57に貫通されている。
【0108】
図31(c)に示すように、扉が開いて例えば135°回転した時に、スライドカム部材61に取り付けられたストッパー40が、ロックカム部材62の側面に当接する。これにより、扉の回転が止まって開ききった状態となる。尚、本実施形態においては、図29(a)に示すようにロックカム部材62に設けられるロック外カム60の先端60a、60bを曲面により形成している。また、ロック外カム60の三方に壁62aを設けている。これらにより、使用者がロック外カム60に触れてケガをすることを防止している。更に、ロック外カム60の外部からの力による破損を防止している。
【0109】
図32、図33は、本実施形態において扉20が自動的に開く電動機構を示す平面図及び正面図であり、図34(a)、(b)は側面断面図及び側面図である。この場合、前述の図19〜図21及び図22(a)〜図22(c)において説明したものとは異なる構成である。これらの図において、本体19に設けられたシャーシー48には、回転軸49を軸として回転自在となるように、回転板45が取り付けられている。また、シャーシー48に取り付けられた駆動ユニット38内には駆動モータ36が取り付けられている。駆動モータ36によってギヤー39が回転し、レバー42を回転させるようになっている。
【0110】
レバー42の動作位置を検知する検知スイッチ32、33と、待機位置を検知する待機スイッチ34は駆動ユニット38内に取り付けられている。検知スイッチ32、33及び待機スイッチ34はギヤー39に連動する回転カム41に設けられた切り欠きにより、ON/OFF動作を行う。また、扉20にカバー50と共に取り付けられたブラケット51には、固定ピン25によりローラ26が回転自在に取り付けられる。
【0111】
図32においては、扉20が閉まってる状態、即ち上記の電動機構の待機状態となっている。この時、待機スイッチ34はOFF、検知スイッチ32、33はONの状態である。
【0112】
使用者が扉20或いは本体19の表面に設けられたタッチスイッチ等(図示せず)を操作し、扉20を右側から開けるように信号を出すと、図35に示すように駆動モータ36によってギヤー39が左回転し、レバー42を左回転させる。レバー42の先端には、固定ピン43によりローラ44が回転自在に取り付けられており、レバー42の回転につれてローラ44が回転板45に設けられた溝46を押すことにより、回転板45が回転軸49を軸として右回転する。
【0113】
そして回転板45に設けられた右側のスライド面47が右側のローラ26を押すことにより、扉20が少し開く。この時、検知スイッチ32、33と待機スイッチ34は全てONの状態である。
【0114】
図36に示すように、レバー42が更に左回転し、回転板45が右回転すると、扉20がこの機構により最大に開いた状態となる。この時、検知スイッチ33はOFF、検知スイッチ32と待機スイッチ34はONの状態となる。そして、図34の状態に戻る。その後は、使用者が扉20を手動で開ける。扉20を左側から開ける場合は、上記動作とは左右対称の動きとなる。
【0115】
図37はこの電動機構の電気回路の構成を示している。81はマイクロコンピュータであり、待機位置検出スイッチSW1、右動作リミット検出スイッチSW2、左動作リミット検出スイッチSW3、右動作入力スイッチSW4、左動作入力スイッチSW5等からの信号に応じてプログラムに沿って動作を行なう。
【0116】
83はモータドライブ回路であり、85はモータである。また、86はモータによって駆動される機構部分を示している。モータ85、機構部分86、スイッチSW1、SW2、SW3は図19及び図32、図33、図34(a)、図34(b)に示されているスイッチやモータ等(但し、符号は異なる)に対応する。尚、図37において、80、82、84は電源接続端子である。
【0117】
図38はマイクロコンピュータによる扉の右側を開く動作のフローチャートを示している。まず、ステップ#5で右動作入力スイッチSW5がONされると、ステップ#10へ進んで右動作信号Rを出力する。これによって、モータドライブ回路83がモータ85を正転駆動する(#15)。この駆動は右動作リミットスイッチSW2がOFFするまで続く(#20)。
【0118】
このステップ#15、#20の動作によって扉が右から開く。次に、ステップ#25へ進んでマイクロコンピュータ81は左動作信号Lを出力する。これによってモータドライブ回路83はモータ85を逆転させる。そして、ステップ#35で待機位置検出スイッチSW1がOFFすると、モータドライブを停止する(#40)。扉の左側を開ける場合は、この動作に準じて行なわれる。
【0119】
次に、図39(a)、(b)は、第5実施形態の扉開閉機構の本体(不図示)上部に設けられるヒンジアングル15の片側を示す平面図及び正面断面図である。本実施形態は第3、第4実施形態とほぼ同一の構成を成している。
【0120】
ヒンジアングル15は本体の幅方向に延びるステンレスや亜鉛メッキ鋼板等の金属から成っている。また、これらの図に示す形状を左右方向に反転させた形状を右側に有し、左右対称に形成されている。ヒンジアングル15の両端には、扉(不図示)の回転軸となるヒンジピン14が下方に突設されている。そして、ヒンジアングル15の両端には、樹脂成形品から成り、左右対称な位置に勝手違いのロックカム部材2が夫々取付けられている。
【0121】
図40(a)はロックカム部材2の平面図ある。図40(b)〜(d)は夫々図40(a)のA−A断面図、B−B断面図及びC−C断面図である。ロックカム部材2は樹脂成形品から形成されている。ロックカム部材2の一方の端部には、ヒンジピン14が挿通される貫通穴7が設けられ、挿通されるヒンジピン14は扉の回転軸8となる。貫通穴7と同心に円弧状の第2カム突起6が形成されている。
【0122】
ロックカム部材2の他方の端部には、後述するスライド外カム9(図43(a)参照)と摺動する摺動面11a、11bを有するロック外カム11が一体に成形されている。摺動面11bは更に、2つの摺動面11c、11dを有している。摺動面11a及び摺動面11dは夫々断面が扉両端のヒンジピン14を中心とした略円弧状に形成されている。なお、前記摺動面は平面形状が略円弧状に形成されているが、スライド外カム9とロック外カム11の間の隙間を考慮した該形状に近い直線や、直線と曲線の組合わせにしてもよい。
【0123】
図41(a)〜(d)は扉の下方に配されるヒンジアングル15を示す図である。図41(a)はヒンジアングル15の片側を示す平面図である。図41(b)〜(d)は夫々図41(a)のA−A断面図、B−B断面図及びC−C断面図である。扉の下方は扉の重量等が付加されるため、ロック外カム11は金属製の絞り鍛造プレス品から成っている。
【0124】
金属製のアングル部材15aには金属製のヒンジピン14及びロック外カム11がカシメにより固着されている。そして、インサート成形によりヒンジカバー15bが形成されている。これによりロックカム部材はヒンジアングル15と一体に形成されている。
【0125】
図42(a)〜(c)は夫々扉上方に配される扉アングル13の上面図、正面断面図、底面図である。扉アングル13は樹脂成形品から成るドアキャップ13b上にステンレスや亜鉛メッキ鋼板から成るアングル部材13aが配されている。扉アングル13の両端には左右対称な位置に樹脂成形品から成る勝手違いのスライドカム部材1がアングル部材13aに夫々ビス止めされ、ドアキャップ13bを挟持している。
【0126】
図43(a)、(b)は夫々スライドカム部材1の平面図及び正面断面図である。スライドカム部材1には、第1係止位置から回転軸8となるヒンジピン14との係合を離脱する方向へ導く第1溝カム3と、第1係止位置からヒンジピン14が回転軸8として機能する第2係止状態へと導く第2溝カム4が設けられている。
【0127】
第2溝カム4は、直線部4bと円形部4aとを有している。スライドカム部材1が第1係止位置から第2係止位置に導かれる際に、直線部4bは回転軸8となるヒンジピン14の奥側と手前側の平面的に見た2箇所と摺接しながら移動する。
【0128】
そして、回転軸8となるヒンジピン14が円形部4aに摺接する第2係止位置で扉が回転する。なお、後述するように、スライド外カム9及びロック外カム11によりスライドカム部材1を摺動案内できる場合には直線部4bを設けなくてもよい。また、本実施形態は、第3実施形態と異なり(図23(b)参照)、スライドカム部材1は回転軸8に対して斜め奥行方向にスライドするように第2溝カム4が形成されている。
【0129】
スライドカム部材1には、ロック外カム11(図40(a)参照)の摺動面11a、11bと摺動する摺動面9a、9bを有するスライド外カム9が一体に形成されている。摺動面9bは更に摺動面9c、9dを有している。摺動面9a及び摺動面9dは、夫々断面形状がロック外カム11の摺動面11a、11dと共通の略円弧状に形成されている。
【0130】
そして、扉の回転に伴って、ロック外カム11の摺動面11aとスライド外カム9の摺動面9aまたは、摺動面11bと摺動面9bとが摺動してスライドカム部材1が案内されるようになっている。なお、前記摺動面は平面形状が略円弧状に形成されているが、スライド外カム9とロック外カム11の間の隙間を考慮した該形状に近い円弧、直線や、直線と曲線の組合わせにしてもよい。
【0131】
また、H部分を裏面から見た拡大図を図44(a)に示し、同図のA−A断面図を図44(b)に示す。スライド外カム9には、金属製の補強部材64が埋込まれている。これにより、ロック外カム11とスライド外カム9との摺動に伴うスライド外カム9の先端部9eが補強され、変形が防止されるようになっている。尚、9jはスライドカム部材1に形成されるスペーサ部であり、扉と本体の間隔を適量に保ち扉の後方に配されるパッキン(不図示)の変形を防ぐと同時に、これもまたスライド外カム9を補強している。
【0132】
図45〜図50は、扉の右側を開く際のロックカム部材2とスライドカム部材1の相対位置の偏移を表した平面図である。まず図45は、ロックカム部材2とスライドカム部材1から成るカム機構は第1係止位置をとり、扉が完全に閉じた状態である。
【0133】
この時、左右のスライドカム部材1に設けられた第1溝カム3は、それぞれ扉の斜め内側の向きとなるよう形成されており、それぞれがヒンジピン14に規制されるので、使用者が扉を左右両側から同時に手前に引っ張っても扉が本体から脱落することはない。
【0134】
また、第1溝カム3の奥部3aの扉中央側となる壁面と、ヒンジピン14との隙間を扉両端の第2溝カム4の最外距離Lの変動値に近い値(例えば1mm)にすると望ましい。即ち、熱膨張等による最外距離Lの変動が生じた際に、扉を開く側の奥部3aの扉中央側の壁面がヒンジピン14に当って扉の第2係止位置への移動が阻害されることを防止できる。
【0135】
図46は、扉が右側から開き始めた状態を示している。この時、右側のスライドカム部材1に設けられた第1溝カム3が、第1係止位置からはずれる位置となっている。図47は、更に扉が右側から開いた状態を示している。この時、扉右側においてスライド外カム9の摺動面9cがロック外カム11の摺動面11cと摺動している。
【0136】
そして、右側のヒンジピン14に案内された第1溝カム3が扉を右へ少しスライドさせる。更に、扉の左側はヒンジピン14により第2溝カム4の直線部4bがヒンジピン14の奥側と手前側の平面的に見た2箇所と摺接しながら案内されてスライドカム部材1は奥行方向に少しスライドされる。
【0137】
更に扉が回転して図48に示す状態になると、扉左側において第2溝カム4の円形部4aがヒンジピン14と摺接する位置に配され、左側のスライドカム部材1は第2係止位置となる。そして、第1カム突起5が、第2カム突起6と係合を開始し、第1カム突起5が摺動案内される。また、扉右側では、スライド外カム9の摺動面9dがロック外カム11の摺動面11dと摺動して左側のヒンジピン14を回転軸8とする円弧上を案内される。
【0138】
これらにより、スライドカム部材1が左側のヒンジピン14からはずれないようにロックされ、扉が本体から脱落するのを防止し、扉の開閉を確実に行えるようにする事ができる。
【0139】
更に、扉が回転すると、左側のヒンジピン14を回転軸として右側の第2溝カム3の奥部3aはヒンジピン14と摺接または所定の隙間を有して移動し、その後、扉の右側ではヒンジピン14と第1溝カム3との係合が解除される。第1溝カム3の奥部3aはスライド外カム9やロック外カム11が欠損したときや、これらの外カムがないときに、スライド外カム9やロックカム11の働きを補助して扉を案内する。これにより、左側の第1カム突起5と第2カム突起6との係合を容易にする。
【0140】
そして、図49、図50に示すように、右側の各々のカム部材のロック外カム11とスライド外カム9との係合が解除され、右側のロックカム部材2とスライドカム部材1との係合が解除される。扉の左側では、ヒンジピン14(回転軸8)を中心として摺動面9a、11aが摺動し、スライド外カム9がロック外カム11に摺動案内される。その後は、第1カム突起5と第2カム突起6との係合のみによりスライドカム部材1がロックカム部材2に案内されて扉が開かれる。
【0141】
以上のような動作により、回動するスライド外カム9がロック外カム11に当接摺動することにより、扉全体がスライド方向へ付勢される。そのため扉の軸側となるカム機構が回転自在に確実にロックされる。これによって扉が本体から脱落するのを防止し、扉の開閉を確実に行う事ができる。
【0142】
なお、図49においてスライド外カム9の摺動面9bの図中、上端には面取り部9fを設けている。これにより、扉を閉じる際にスライド外カム9がロック外カム11に円滑に案内されるようになっている。また、面取り部9hについても同様の効果を得ることができる。
【0143】
また、例えば左右の第2溝カム4の間隔が組立て時の誤差等により大きくなると、スライドカム部材1はヒンジピン14と円形部4aとが摺接する位置まで到達しない場合がある。この時、第2溝カム4は直線部4bを有しているので、ヒンジピン14を直線部4bで保持することができる。従って、ヒンジピン14が第1溝カム3に導かれて相対移動することがなく、扉の回転中心の位置が安定する。また、ヒンジピン14が第1溝カム3に導かれて扉が脱落する危険も回避することができる。
【0144】
この時、前述の図45に示すように、直線部4bの扉の幅方向の長さM1を、扉両端の第2溝カム4の最外距離Lの変動値より大きくすると、確実にヒンジピン14を第2溝カム4により保持できるので望ましい。変動値は、スライドカム部材1の取付け誤差や、スライドカム部材1を取付けるための扉アングル13(図42(a)参照)の加工精度、更には発泡断熱扉の場合は発泡時の周辺温度と発泡倍率の変動により決められる。また、周囲温度の上昇等の熱的諸条件に伴う扉を構成する各部材の熱膨張によっても決められる。
【0145】
実際に本実施形態の扉開閉機構を冷蔵庫に搭載し、温度変化に伴う変位を測定したところ、扉両端の第2溝カム4の最外距離Lが650mmの時、周囲温度を摂氏で30度変化させると、最外距離Lは1mm変動した。各部材の材質は、スライドカム部材1はポリアセタール製、ドアキャップ20はABS樹脂製、扉アングル13のアングル部材13aは亜鉛メッキ鋼板製で厚さ1.2mm、扉は断熱部がウレタン発泡製で発泡密度は35kg/mである。
【0146】
また、下側のヒンジアングル15のヒンジピン14の最外距離が554.3mmの時、周囲温度を摂氏で30度変化させると、該最外距離は0.2mm変動した。ここで、下側のヒンジアングル15はアングル部材(3.2mm厚の亜鉛メッキ鋼板)にインサート成型で外面にABS樹脂が被膜されている。
【0147】
これに、扉アングル13の加工精度及びスライドカム部材1の取付け精度による変動を考慮し、上記例では1.3mm(最外距離Lの0.2%)以上第2溝カム4に直線部4bを設けると最外距離Lが変動しても確実に回転軸に保持されるようになる。尚、直線部4bの平面形状をヒンジピン14が2箇所で接する曲線により形成してもよい。
【0148】
尚、2つのヒンジピン14間の距離は、金属製のヒンジアングル15に上に固着されるため、温度による変位はスライドカム部材1に比して無視できる程度(例えば、上記例では摂氏30度の変化で0.2mm)であり、ヒンジアングル15の加工精度、取付け精度についても金属製のため高精度に製作可能であるためあまり問題とならない。
【0149】
更に、前述の図49の詳細を図51に示すと、スライド外カム9とロック外カム11が摺動している際において、回動軸8の中心Q0を通る中心線P2とロック外カム11の接点Q4と、該中心Q0を通る中心線P3とスライド外カム11の接点Q3との径方向の距離K2を、扉両端の第2溝カム4の最外距離L(図45参照)の上記変動値より大きな、最外距離Lの0.2%以上になるようにスライド外カム9とロック外カム11を設けると、最外距離Lが変動しても確実にスライドカム部材1が回転軸8に保持されるようになる。これは、第3、第4実施形態においても同様であるが、第5実施形態を参照して詳細に説明する。
【0150】
上記と同様に扉両端の第1溝カム3や第2溝カム4の間隔が組立て時の誤差等により大きくなると、スライドカム部材1の幅方向のスライド量が減少する。即ち、例えば扉の右側を開けるとき、右側の第1溝カム3がヒンジピン14の外周の一部と摺動し、扉全体を右方向へ所定量だけ移動させるが、左右の第1溝カム3の最外距離Lは正規の値より変動値分だけ大きくなっている。このため左側のスライドカム1の移動量は扉の開いた状態で扉の幅方向の所定の移動量より変動値分だけ少ない移動量となっている。これにより、ロック外カム11とスライド外カム9との摺動開始時において、スライド外カム9がロック外カム11に衝突する場合がある。
【0151】
この時、図52に示すように、スライド外カム9の先端Q1とロック外カム11の先端Q2とが扉の幅方向に平行な直線P1上に配された係合開始時に、スライド外カム9の先端Q1がロック外カム11の先端Q2より図中、右側にあると摺動面9aが摺動面11aに案内される。そして、スライドカム部材1が扉の幅方向で略右側にスライドされる。
【0152】
ここで、扉の同じ側のスライド外カム9と第2溝カム4の間及びロック外カム11とヒンジピン14の間の距離は最外距離Lより充分小さいため、該距離に関する誤差はほとんど無視することができる。更に、スライドカム部材1とスライド外カム9、ロックカム部材2とロック外カム11が同一材料で形成されていると該誤差は更に無視することができる。このため、摺動面9a、11aの摺動によりヒンジピン14(回動軸8)が第2溝カム4の円形部4aに摺接した状態で扉が正常に回転する。
【0153】
このため、距離K2や後述する距離K1を扉両端の第2溝カム4の最外距離Lの変動値より大きくすることにより、スライド外カム9とロック外カム11の係合開始時に先端Q1が先端Q2より確実に図中、右側に配され、衝突を防止することができる。従って、最外距離Lが変動値だけ変動しても確実に先端Q1が先端Q2の図中、右側に配される。また、前述の図1(b)に示された第1カム突起5の面取り部5bと同様の面取り部を本実施形態の第1カム突起5に設けると更に扉の開放が円滑に行われることは明白である。
【0154】
そして、上記の場合は第2溝カム4に直線部4b(摺接部)を設けていなくてもスライド外カム9が確実にロック外カム11と摺動することにより、第2係止位置ではヒンジピン14が第2溝カム4の円形部4aに確実に到達し、扉の回転軸が変動することなく常に円滑に扉を開くことができる。これにより、スライドカム部材1の取付位置の調整や部品交換を行う必要がなく生産効率及び部品の歩留りを向上することができる。
【0155】
なお、スライドカム部材1及びロックカム部材2は扉アングル13(図42(b)参照)及びヒンジアングル15(図39(a)参照)に位置決めピン(不図示)を複数の挿通孔に挿通して取り付けられる。前述のようにスライド外カム9と第2溝カム4の間及びロック外カム11とヒンジピン14の間の距離の加工による誤差は最外距離Lの変動値に対して充分小さいものである。
【0156】
しかし、スライドカム部材1、ロックカム部材2を取り付ける際において前記挿通孔の一を円形にし、他を長孔にすると、該誤差があっても容易に取付けが可能となるので望ましい。そして、ロックカム部材2は貫通穴7が位置決めの役目となり、スライドカム部材1には回転軸8の軸中心またはその近傍の第2溝カム4の裏側に位置決めピンを設け、これに相対するアングル部材13aに前記位置決めピンに嵌合する嵌合孔を設けると更に各々の位置決めが精度良く行われる。
【0157】
ここで、接点Q3、Q4の径方向の距離K2は近似的に先端Q1、Q2の距離K1と等しく、設計上の距離K1の寸法は先端Q1、Q2間の距離K1が扉両端の第2溝カム4の最外距離L(図45参照)の変動値より大きな、最外距離Lの0.2%以上の値にしておくとよい。
【0158】
また、前述の図52に示したスライド外カム9の先端部9eは、図53(a)の拡大図に示すように摺動面9a、9cに接する単一の曲率半径R1の円筒面により形成して先端Q1の位置を摺動面9aより図中右側に配することができる。
【0159】
また、図53(b)に示すように、先端部9eを異なる曲率半径R2、R3の円筒面により形成し、ロック外カム11に近い側の曲率半径R2を遠い側の曲率半径R3より大きくしてもよい。このようにすると、図53(a)に示す単一の曲率半径R1で形成した際よりも先端Q1の位置をロック外カム11から遠い側に偏よらせることができる。従って、距離K2(図51参照))をより大きくすることができるので望ましい。
【0160】
また、図53(c)に示すように、異なる曲率半径R4、R5の円筒面と略平面9gにより形成してもよい。尚、ロック外カム11に関しては、スライド外カム9とは左右方向で反転した形状の曲率半径を有するように形成にしてもよい。
【0161】
また、前述の図45〜図50に示すように、扉の右側を開く際には、幅方向において、左右のスライド外カム9は右方へスライドしてロック外カム11と摺動する。同様に、扉の左側を開く際には、幅方向において、左右のスライド外カム9は左方へスライドしてロック外カム11と摺動する。
【0162】
このため、スライド量を大きくすると、スライド外カム9の摺動面9a、9bの間隔を広げることができる。本実施形態では、扉の幅方向のスライド量を2.5mm以上にすると、先端Q1(図52参照)をロックカム11から離れた方向に配することができるようになり、必要最小限のスライド量にて常に円滑に扉を開くことができるようになる。
【0163】
尚、扉を閉じる際のスライド外カム9とロック外カム11の関係についても上記と同様に変動値による衝突の可能性があり、前述した面取り部9f、9h(図49参照)や、これらに対峙するロック外カム11の部分に面取り等を施すことにより変動値による問題を回避することができる。
【0164】
また、図53(a)〜(c)において、先端部9eと摺動面9aの接点と、先端部9eと摺動面9cの接点との距離Mは1.8mm以上にすることで、補強部材64(図44(a)参照)をより先端部分まで装着することができ、スライド外カム9の強度を向上し、先端形状を長期間維持できるようになる。
【0165】
本実施形態では、前述したように、開く側と反対側の扉は第1〜第4実施形態のように幅方向だけでなく、斜め奥行方向にスライドするように第2溝カム4が形成されている。前述の図45及び図48において、図45の第1係止位置ではロックカム部材2に対してスライド外カム9の端面までは距離S1だけ離れている。
【0166】
扉の回転に伴ってスライドカム部材1は奥行方向に移動して第2係止位置に配される。この時、スライド外カム9にはヒンジピン14に対する回動による手前方向の移動と、第2溝カム4による奥行方向の移動とが生じる。その結果、図48に示すように、ロック外カム11との係合開始時にはスライド外カム9の端面はロックカム部材2に対して距離S2だけ離れ、距離S1より近づいている。
【0167】
即ち、スライド外カム9の位置において、扉と本体とが接触する危険を伴わなずに、回動に伴うロックカム部材2との接近量だけスライド外カム9を奥行方向に移動させることができる。これにより、スライド外カム9を奥行方向に長くすることができ、扉のより大きな回転範囲においてスライド外カム9とロック外カム11とを係合させて安定した回転を実現することができる。
【0168】
図54(a)、(b)は、扉の背面にパッキン65を設けた平面図である。上記の扉の奥行方向のスライドによりパッキン65は本体19に押圧される。しかし、パッキン65は可撓性の樹脂(例えば、軟質ポリエチレン樹脂や軟質塩化ビニル)で形成されるため弾力性を有しており、奥行方向のスライドを吸収することができる。
【0169】
奥行方向のスライド量Nは、扉閉止状態で扉の回動中心から本体に密着するパッキン65の背面までの距離T1の4%より小さければ弾力性により押圧力を吸収可能である。これにより、扉を開く際や閉じる際にパッキン65がめくれるような不具合や、閉じた際に隙間が生じるような不具合を回避することができる。なお、扉の回動中心となる位置と、パッキン65の本体に密着する部分の扉の幅方向の中心部とは扉の幅向において近い位置に設定してある。
【0170】
また、スライド量Nを距離T1の2.3%より大きくするとスライド外カム9の奥行方向の長さを長くする効果が大きく望ましい。なお、扉閉止状態で扉の回動中心から本体に密着するパッキン65の背面までの距離T1が36mmの時、奥行方向のスライド量Nを1mm(距離T1の2.8%)にすると、パッキン65が剥がれることなく、無理なく開閉動作ができ、スライド外カム9の奥行方向の長さを従来より約1mm長くすることができるようになる。
【0171】
また、距離T1は、扉開放状態の扉の回転中心からパッキン65の背面までの距離T2と同じであっても上記効果は充分得られるが、距離T1を距離T2より大きくしてもよい(例えば、T1−T2=0.5〜1.5mm)。そして、パッキン65内に磁石を設けることにより、扉を閉止した際に着磁力によってパッキン65が本体への飛びついて密着される飛びつき現象を利用することができ、さらにパッキンの剥がれの可能性も少なくなり扉開閉動作がより良好となる。
【0172】
尚、以上の説明においては、スライドカム部材を扉側に設け、ロックカム部材を本体側に設けるものとして説明したが、これに拘泥する必要はなく、スライドカム部材を本体側に設け、ロックカム部材を扉側に設けてもよい。
【0173】
【発明の効果】
本発明によると、カム機構の取付誤差や熱膨張により扉の幅方向のスライド量が変動しても、カム機構は第2係止位置で円滑に係合してロックされ、扉が円滑に回転することができる。
【0174】
また本発明によると、第1係止位置から第2係止位置に摺接部を経てスライドするため、扉のスライド量が減少した場合でも、カム機構は溝カムの摺接部によりヒンジピンに保持され、扉の回転中心の位置が安定するとともに扉が脱落する危険を回避することができる。そして、摺接部の扉幅方向の長さを、組立て時の誤差や温度変化による誤差等から成る2つの溝カムの最外距離の変動値よりも長くすることにより、溝カムの間隔に変動が生じても溝カムの摺接部によりカム機構はヒンジピンに確実に保持される。これにより、カム機構の取付位置の調整や部品交換を行う必要がなく生産効率及び部品の歩留りを向上することができる。そして、摺接部の扉幅方向の長さを溝カムの最外距離の0.2%以上とすることにより、溝カムの摺接部による確実なカム機構の保持を簡単に実現することができる。
【0175】
また本発明によると、扉の回転中心を通る中心線とロック外カムの接点と、該中心線とスライド外カムの接点との摺動時の径方向の距離を、扉両側に配される2つの溝カムの最外距離の変動値より大きくすることにより、スライド外カムとロック外カムの係合開始時に互いの先端が衝突することなく確実に所定の摺動可能な位置に配される。これにより、カム機構の取付位置の調整や部品交換を行う必要がなく生産効率及び部品の歩留りを向上することができる。そして、該径方向の距離を溝カムの最外距離の0.2%以上とすることにより、スライド外カムとロック外カムが所定の摺動可能な位置に確実に配されるように簡単に実現することができる。
【0176】
また本発明によると、ヒンジピンを金属製のアングル上に設けることにより、2つのヒンジピン間の距離を精度良く形成することができる。従って、スライド外カムとロック外カムの衝突をより低減できる。
【0177】
また本発明によると、回転軸となる側の扉を斜め奥行方向にスライドさせることにより、扉と本体とが接触する危険を伴うことなく、スライド外カムを奥行方向に長くすることができ、スライド外カムとロック外カムの係合範囲を大きくとることができる。従って、扉のより大きな回転範囲において安定した回転を実現することができる。この時に、奥行方向には回転中心からパッキン背面までの距離の2.3%〜4%にすることにより、安定した回転を実現する効果が大きくなるとともに、パッキンがめくれないようにすることができ機密性を保持できる。
【0178】
また本発明によると、スライド外カムの先端形状を単一の曲率半径で形成するよりもロック外カムから離れた側に偏心させて形成することにより、スライド外カムとロック外カムの衝突をより防止することができる。このために、該先端形状を複数の曲率半径を有する曲面を有するように形成してロック外カムに近い側の曲率半径を大きくしてもよい。また、回転軸となる側の扉の幅方向のスライド量を2.5mm以上にすることにより、スライド外カムの幅を大きくすることができ、スライド外カムの頂点をロック外カムからより離れた側に配することができる。
【0179】
また本発明によると、扉の回転中心を通る中心線とロック外カムの接点と、該中心線とスライド外カムの接点との摺動時の径方向の距離を、扉両側に配される2つの溝カムの最外距離の変動値より大きくすることにより、スライド外カムとロック外カムの係合開始時に互いの先端が衝突することなく確実に所定の摺動可能な位置に配される。これにより、カム機構の取付位置の調整や部品交換を行う必要がなく生産効率及び部品の歩留りを向上することができる。そして、該径方向の距離を溝カムの最外距離の0.2%以上とすることにより、スライド外カムとロック外カムが所定の摺動可能な位置に確実に配されるように簡単に実現することができる。
【0180】
また本発明によると、扉の幅方向に平行な一直線上に接するようにロック外カムとスライド外カムとを配した際に、該直線とロック外カムの接点と、該直線とスライド外カムの接点と、の距離を、扉両側に配される2つの溝カムの最外距離の変動値より大きく設計してこれに基づき製造することにより、スライド外カムとロック外カムの係合開始時に互いの先端が衝突することなく確実に所定の摺動可能な位置に配される。これにより、カム機構の取付位置の調整や部品交換を行う必要がなく生産効率及び部品の歩留りを向上することができる。そして、該径方向の距離を溝カムの最外距離の0.2%以上とすることにより、スライド外カムとロック外カムが所定の摺動可能な位置に確実に配されるように簡単に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の扉開閉機構のスライドカム部材を示す図
【図2】本発明の第1実施形態の扉開閉機構のロックカム部材を示す図
【図3】本発明の第1実施形態の扉開閉機構のスライドカム部材とロックカムとを組み合せた状態を示す図
【図4】本発明の第1実施形態の扉開閉機構の扉の右側を開ける際の動きを示す図
【図5】本発明の第2実施形態の扉開閉機構のスライドカム部材を示す図
【図6】本発明の第2実施形態の扉開閉機構のロックカム部材を示す図
【図7】本発明の第2実施形態の扉開閉機構のスライドカム部材とロックカムとを組み合せた状態を示す図
【図8】本発明の第2実施形態の扉開閉機構の扉の右側を開ける際の動きを示す図
【図9】本発明の第2実施形態の扉開閉機構の扉の左側を開ける際の動きを示す図
【図10】本発明の第2実施形態の扉開閉機構を扉と本体に取付けた状態を示す図
【図11】本発明の第2実施形態の扉開閉機構の他の構成のロックカム部材を示す図
【図12】本発明の第2実施形態の扉開閉機構のスライドカム部材と他のロックカム部材の取付け構造を示す図
【図13】本発明の第2実施形態の他のロックカム部材を有する扉開閉機構を扉と本体に取付けた状態を示す図
【図14】本発明の第2実施形態の扉開閉機構の扉と本体とにマグネットを設けた状態を示す図
【図15】本発明の第2実施形態の扉開閉機構の扉の手動開閉装置の平面図
【図16】本発明の第2実施形態の扉開閉機構の扉の手動開閉装置の正面図
【図17】本発明の第2実施形態の扉開閉機構の扉の手動開閉装置の側面図
【図18】図15のa−a断面図
【図19】本発明の第2実施形態の扉開閉機構の扉の自動開成装置の平面図
【図20】本発明の第2実施形態の扉開閉機構の扉の自動開成装置の正面図
【図21】本発明の第2実施形態の扉開閉機構の扉の自動開成装置の側面図
【図22】本発明の第2実施形態の扉開閉機構の扉の自動開成装置の動作を示す図
【図23】本発明の第3実施形態の扉開閉機構のスライドカム部材を示す図
【図24】本発明の第3実施形態の扉開閉機構のロックカム部材を示す図
【図25】本発明の第3実施形態の扉開閉機構のスライドカム部材とロックカムとを組み合せた状態を示す図
【図26】本発明の第3実施形態の扉開閉機構のスライドカム部材とロックカム部材の取付け構造を示す図
【図27】本発明の第3実施形態の扉開閉機構の扉の右側を開ける際の動きを示す図
【図28】本発明の第4実施形態の扉開閉機構のスライドカム部材を示す図
【図29】本発明の第4実施形態の扉開閉機構のロックカム部材を示す図
【図30】本発明の第4実施形態の扉開閉機構のストッパーを示す図
【図31】本発明の第4実施形態の扉開閉機構のスライドカム部材とロックカムとを組み合せた状態を示す図
【図32】本発明の第4実施形態の扉開閉機構の扉の自動開成装置の平面図
【図33】本発明の第4実施形態の扉開閉機構の扉の自動開成装置の正面図
【図34】本発明の第4実施形態の扉開閉機構の扉の自動開成装置の側面図
【図35】本発明の第4実施形態の扉開閉機構の扉の自動開成装置の動作図を説明する図
【図36】本発明の第4実施形態の扉開閉機構の扉の自動開成装置の動作図を説明する図
【図37】本発明の第4実施形態の扉開閉機構の扉の自動開成装置の電気回路の構成を示す回路構成図
【図38】本発明の第4実施形態の扉開閉機構の扉の自動開成装置の制御動作のフローチャート
【図39】本発明の第5実施形態の扉開閉機構の上側のヒンジアングルを示す図
【図40】本発明の第4実施形態の扉開閉機構のロックカム部材を示す図
【図41】本発明の第5実施形態の扉開閉機構の下側のヒンジアングルを示す図
【図42】本発明の第5実施形態の扉開閉機構の上側の扉アングルを示す図
【図43】本発明の第5実施形態の扉開閉機構のスライドカム部材を示す図
【図44】本発明の第5実施形態の扉開閉機構のスライドカム部材を示す拡大図
【図45】本発明の第5実施形態の扉開閉機構の動作を説明する図
【図46】本発明の第5実施形態の扉開閉機構の動作を説明する図
【図47】本発明の第5実施形態の扉開閉機構の動作を説明する図
【図48】本発明の第5実施形態の扉開閉機構の動作を説明する図
【図49】本発明の第5実施形態の扉開閉機構の動作を説明する図
【図50】本発明の第5実施形態の扉開閉機構の動作を説明する図
【図51】本発明の第5実施形態の扉開閉機構のスライド外カムとロック外カムの摺動時の位置を説明する図
【図52】本発明の第5実施形態の扉開閉機構のスライド外カムとロック外カムの摺動前の位置を説明する図
【図53】本発明の第5実施形態の扉開閉機構のスライド外カムの先端形状を説明する図
【図54】本発明の第5実施形態の扉開閉機構のパッキンを取付けた状態を示す図
【図55】従来の扉開閉機構の動作を説明する図
【符号の説明】
1、51、61 スライドカム部材
1a、2a 外カム部
2、52、62 ロックカム部材
3、53 第1溝カム
4、54 第2溝カム
5、55 第1カム突起
5a 段部
6、56 第2カム突起
7、57 貫通穴
8、58 回転軸
9、10、59 スライド外カム
11、12、60 ロック外カム
13 扉アングル
14 ヒンジピン
15 ヒンジアングル
18 取付部
19 本体
20 扉
25 固定ピン
26 ローラ
28 スライド板
36 モータ
35 ピニオン
32(SW3) 左リミット検知スイッチ
33(SW2) 右リミット検知スイッチ
34(SW1) 待機検知スイッチ
36 モータ
39 ギヤー
42 レバー
44 ローラ
45 回転板
64 補強部材
65 パッキン
82 マイクロコンピュータ
83 モータドライブ回路
85 モータ
SW4 右動作入力スイッチ
SW5 左動作入力スイッチ

Claims (8)

  1. 扉の両側のそれぞれにおいて扉と本体の係合・離脱を行うカム機構を設け、これらのカム機構は扉の両側で対称な第1係止位置と、同じく扉の両側で対称な第2係止位置をとることができ、
    扉の閉止状態では両側のカム機構とも第1係止位置をとり、
    扉の一方放する際に扉が扉の開放側にスライドして他方のカム機構が回動自在にロックされる第2係止位置をとり、
    前記カム機構は、本体の両側に金属により連結されるとともに第2係止位置での回転軸を成すヒンジピンと、扉の両側に樹脂により連結されるとともに前記ヒンジピンの周面摺接して移動できる溝カムとを備え、
    前記溝カムは、前記ヒンジピンの軸方向に平行な2面から成る摺接部を有し、前記カム機構が第1係止位置から第2係止位置へ移行する際に前記摺接部と前記ヒンジピンの周面と摺接して前記ヒンジピンに案内されることを特徴とする扉開閉機構。
  2. 前記摺接部の扉幅方向の長さ前記溝カムの最外距離の0.2%以上であることを特徴とする請求項1に記載の扉開閉機構。
  3. 本体に配されるロック外カムと、
    扉に配されるとともに前記ロック外カムにより第2係止位置で円弧状に摺動案内されて回転するスライド外カムとを備え、
    扉開閉時に第2係止位置をとる側の前記スライド外カムと前記ロック外カムの摺動時に、扉の回転中心を通る中心線に前記スライド外カムが接する接点と、扉の回転中心を通る中心線に前記ロック外カムが接する接点との径方向の距離を、扉両側に配される2つの前記溝カムの最外距離の0.2%以上にしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の扉開閉機構。
  4. 前記ロック外カムに対して摺動前に対向する前記スライド外カムの先端部が複数の曲率半径を有し、扉開閉時に第2係止位置をとる側の前記スライド外カムの前記先端部は前記ロック外カムに近い側の曲率半径が遠い側の曲率半径よりも大きいことを特徴とする請求項3に記載の扉開閉機構。
  5. 前記スライド外カムは、扉の一方を回軸とする際に前記ロック外カムと摺動するとともに扉の他方を回軸とする際に前記ロック外カムと摺動する2つの摺動面を有し、前記先端部と2つの前記摺動面とが接する2つの接点間の距離を1.8mm以上にしたことを特徴とする請求項4に記載の扉開閉機構。
  6. 扉の一方放する際に、扉の他方斜め奥行方向にスライドすることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の扉開閉機構。
  7. 扉の背面にパッキンを備え、扉の一方を開放する際に扉が奥行方向へスライドするスライド量を前記パッキンの背面と回転中心との距離の2.3%〜4%にしたことを特徴とする請求項6に記載の扉開閉機構。
  8. 扉の幅方向のスライド量を2.5mm以上にしたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の扉開閉機構。
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