JP3621326B2 - データ集積システム、データ集積方法およびデータ集積のためのプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

データ集積システム、データ集積方法およびデータ集積のためのプログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プログラマブルロジックコントローラなどの産業用制御装置やこのような産業用制御装置に接続されるプログラマブル表示器などの表示装置のデータを集積して記録保存するためのシステム、方法およびそのためのプログラムを記録した記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プログラマブルロジックコントローラ(以降、PLCと称する)などと呼ばれる産業用制御装置は、シーケンス制御をはじめとする各種制御を実現するために、ベルトコンベアー式の自動組付機などの種々のターゲットシステムを制御する制御装置として広く使用されている。このようなPLCへの制御指示を行うための操作盤、PLCの稼働状況を示す表示灯などに代わって、近年では、HMI(Human Machine Interface) 機器としてのプログラマブル表示器が普及している。
【0003】
プログラマブル表示器は、ドット表示画面、操作用入力スイッチ、ホストコントローラ(PLC)とのインターフェース、画面上での操作入力のような制御のためのプログラムメモリなどを備えた操作用表示器である。一般に、プログラマブル表示器は、グラフィック表示を行うので、操作盤、スイッチ、表示灯などの機能を備えることができる他、制御対象機器(デバイス)の稼働状況や作業指示のような管理のための各種のモニタ、機器に対する設定値を入力する端末としての機能を備えている。
【0004】
また、近年では、制御対象機器を接続するための入出力ユニットなどを搭載することによってPLCの制御機能を備えたプログラマブル表示器も登場してきている。
【0005】
このようなプログラマブル表示器で表示される制御画面は、画面作成ソフトウェア(作画エディタ)を用いてユーザ独自で作成できるようになっている。画面作成に際しては、ユーザが、パーソナルコンピュータなどにおいて作画ソフトによって提供されるスイッチ、ランプ、テンキー、メータ表示器、グラフ表示器などが画像としてデザイン化された部品、所望形状の画像、数値などを所望の位置に動的に表示させるためのタグ、描画機能などを用いて所望の制御画面を構成する
プログラマブル表示器は、生産現場などにおいて、ユーザが作成した上記の画面上で、PLCの稼働状況の表示、PLCへの作業指示の入力などを可能にしている。しかしながら、現場のオペレータがプログラマブル表示器を操作するので、操作ミスが生じると、ターゲットシステムにおける機器の動作異常や故障を招くおそれがある。
【0006】
このような不都合を回避するには、諸データをPLCの稼働時に定期的に集積しておき、操作ミスが生じたときのデータを基に、操作ミスの種類や発生時刻を過去に逆上って検証し、そのような操作ミスが生じない対策を講じることが必要である。このため、例えば、データ収集用のソフトウェアを用いて、PLCからデータを定期的に収集して蓄積しておくことが考えられる。このようなソフトウェアによれば、指定された時刻や期間にPLCとの間の通信で入出力データを収集し、これらのデータを市販のアプリケーションソフトウェア(表計算ソフトなど)に記録して日報や月報として保存しておき、これらを用いて過去の操作ミスを検証することができる。
【0007】
また、蓄積したデータをトレンドグラフとして表すこともよく行われる。トレンドグラフによれば、データの変化を視覚的に表現することができ、アラームの原因となったデータを容易に特定することができる。
【0008】
さらに、上記のデータをデータベースに蓄積することによって、検索などのデータアクセスを容易にすることも考えられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、PLCからのデータのみでは、プログラマブル表示器でどのような操作が行われたかを特定することは難しい。このため、プログラマブル表示器に表示された画面の変化を録画装置で記録すれば、画面を動画として再生することができる。しかしながら、このような記録方法は、デジタルデータであっても動画の状態で記録するため、記録すべきデータ量が膨大になり、実現性に乏しい。
【0010】
また、上記のようなデータ収集用のソフトは、そのソフトがインストールされたパーソナルコンピュータなどから、設定された時刻や周期でPLCにデータの送信を要求する必要があり、データ収集の効率があまり良くなかった。
【0011】
さらに、トレンドグラフを作成する場合は、データロギングの周期やロギングすべきデータの設定や、データのグラフ化の形態の設定を行う必要があり、そのための設計が必要である。また、トレンドグラフによっても、プログラマブル表示器でどのような操作が行われたかを特定することは難しい。しかも、アラームなどの異常メッセージは、プログラマブル表示器で表示可能であるが、パーソナルコンピュータなどでは別途ユーザが作成したプログラムを用いなければ表示できなかった。
【0012】
一方、収集されたデータをデータベースに構築する場合、データベースを構築する作業が必要であるので、そのために生産ラインの管理者などを専任の担当者として割り当てる必要がある。しかも、そのデータベースが担当者により独自に構築されてしまうと、担当者が変わったときにデータの詳細や所在が分かりにくいという不都合が生じて、データベース管理に支障を来すおそれがある。
【0013】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、データベースの構築を容易にするとともに、プログラマブル表示器に表示された画面の状態をデータベースに蓄積することによって、過去のプログラマブル表示器の操作を容易に再現することができるデータ集積システム、データ集積方法およびそのデータ集積のためのプログラムを記録した記録媒体を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るデータ集積システムは、上記の課題を解決するために、入力機器および出力機器が接続された制御装置と、該制御装置による該入出力機器の制御状態を表示し、かつ上記制御装置に制御指示を与える表示型制御装置との間で専用ネットワークを介して制御装置に固有の通信プロトコルを用いて通信を行い、上記表示型制御装置の上位に設けられるホストコンピュータと上記表示型制御装置との間で共通ネットワークを介して共通の通信プロトコルを用いて通信を行うことによって上記制御装置に関するデータを集積するデータ集積システムであって、上記表示型制御装置が、上記両ネットワークで用いられる通信プロトコルを上記両ネットワークで用いられる通信プロトコルに互いに変換するプロトコル変換手段と、予め設定されている配信条件が満たされたときに上記制御装置の制御状態を表し実行されたユーザプログラムを含むユーザ画面、該ユーザプログラムを含むユーザ画面において、上記入出力機器のアドレスに対応付けられ、上記制御指示のデータおよび該制御指示データの結果として得られる上記出力データによって変化する各変化要素としてのシンボル、ならびに該変化要素に対応する上記制御指示データおよび上記出力データを上記ホストコンピュータに配信する配信手段とを有し、上記ホストコンピュータが、配信された上記ユーザプログラムを含むユーザ画面、上記変化要素および上記両データを上記表示型制御装置単位で蓄積する蓄積手段を備えていることを特徴としている。
本発明に係るデータ集積システムは、上記の課題を解決するために、入力機器および出力機器が接続される制御装置と、該制御装置による該入出力機器の制御状態を表示し、かつ上記制御装置に制御指示を与える表示型制御装置との間で専用ネットワークを介して制御装置に固有の通信プロトコルを用いて通信を行い、上記表示型制御装置の上位に設けられるホストコンピュータと上記表示型制御装置との間で共通ネットワークを介して共通の通信プロトコルを用いて通信を行うことによって上記制御装置に関するデータを集積するデータ集積システムであって、上記表示型制御装置が、上記両ネットワークで用いられる通信プロトコルを上記両ネットワークで用いられる通信プロトコルに互いに変換するプロトコル変換手段と、予め設定されている配信条件が満たされたときに上記制御装置の制御状態を表し実行された制御手順プログラム、該制御手順プログラムにおいて、上記入出力機器のアドレスに対応付けられ、上記制御指示のデータおよび該制御指示データの結果として得られる上記出力データによって変化する各変化要素、ならびに該変化要素に対応する上記制御指示データおよび上記出力データを上記ホストコンピュータに配信する配信手段とを有し、上記ホストコンピュータが、配信された上記制御手順プログラム、上記変化要素および上記両データを上記表示型制御装置単位で蓄積する蓄積手段を備えていることを特徴としている。
【0015】
上記の構成において、制御装置からの出力データは、専用ネットワークを介して表示型制御装置に送出される。表示型制御装置においては、専用ネットワークの通信プロトコルが、プロトコル変換手段によって共通ネットワークの通信プロトコルに変換される。その後、出力データは、表示型制御装置から共通ネットワークを介して接続されたホストコンピュータへ転送される。
【0016】
これにより、表示型制御装置は、制御装置の通信プロトコルに関わらず、常に同一の通信プロトコルで、共通ネットワークを介してホストコンピュータと通信することができる。この結果、制御装置、表示型制御装置およびホストコンピュータを含む制御システム内に、通信プロトコルの異なる制御装置が混在していても、ホストコンピュータは、これらの制御装置から容易にデータを集積することができる。
【0017】
また、予め設定されている配信条件(指定時刻、指定周期など)が満たされたときに、実行されたユーザプログラム(例えば、プログラマブル表示器で表示されるユーザ画面やPLCのラダープログラム)、ユーザプログラムにおける各変化要素(例えば、ユーザ画面におけるシンボルやラダープログラムにおけるラダー記号)、ならびに変化要素に対応する上記制御指示データおよび上記出力データがホストコンピュータに配信されると、ホストコンピュータにおける蓄積手段によって、それらが表示型制御装置単位で時系列に順次蓄積される。これにより、ユーザが意識することなくデータベースが自動的に構築されるとともに、蓄積されたデータ構造が単純化される。また、ユーザプログラム、変化要素および両データが関連付けられて蓄積されるので、ユーザプログラムにおける変化要素の両データによる変化状態を再現することができる。
【0018】
上記のデータ集積システムにおいては、上記ホストコンピュータが、上記蓄積手段に蓄積された上記ユーザプログラムを含むユーザ画面、上記変化要素および上記両データを連続して検索し、かつ表示する検索手段を備えていることが好ましい。これにより、検索されたユーザプログラムが連続的に表示されるので、制御装置が動作していたときのユーザプログラムの状況を再現することができる。
【0019】
また、上記のデータ集積システムにおいては、上記ホストコンピュータが、端末装置からの要求に応じて上記検索手段によって検索された上記ユーザプログラムを含むユーザ画面を上記端末装置が実行可能な実行プログラムに変換する変換手段と、該実行プログラム、上記変化要素および上記両データを、上記ユーザプログラムを含むユーザ画面において上記変化要素を上記両データに基づいて変化させるように上記実行プログラムを実行する上記端末装置へ送信する通信手段とを備えていることが好ましい。
【0020】
これにより、ホストコンピュータで検索されたユーザプログラムが変換手段によって実行プログラムに変換されると、変化要素および両データとともに通信手段によって端末装置に送信される。端末装置では、実行プログラムが実行されることによって、ユーザプログラムにおいて変化要素が両データに基づいて変化する。この結果、例えば、ユーザ画面上で変化要素が変化する状態が表示される。
【0021】
なお、上記実行プログラムは、端末装置が実行可能な機械語を含むプログラムであってもよいが、そのプログラムが機種に依存しないように予め定められた手続きからなるアプレットであり、端末装置がアプレットを自機器用の機械語に翻訳するアプレットである方が好ましい。
【0022】
この場合は、変換手段が、端末の機種に依存しないアプレットを生成し、端末装置の翻訳機能がアプレットを翻訳して実行することで、端末装置は、入出力機器のアドレス内容(上記両データ)を通信手段に問い合わせたり、表示したりする。この結果変換するアプレットが1種類であっても、複数種類の端末装置で、検索されたユーザプログラムを同一内容のユーザプログラムを表示することができる。
【0023】
本発明に係るデータ集積方法は、上記の課題を解決するために、入力機器および出力機器が接続される制御装置と、該制御装置による該入出力機器の制御状態を表示し、かつ上記制御装置に制御指示を与える表示型制御装置との間で専用ネットワークを介して制御装置に固有の通信プロトコルを用いて通信を行い、上記表示型制御装置の上位に設けられるホストコンピュータと上記表示型制御装置との間で共通ネットワークを介して共通の通信プロトコルを用いて通信を行うことによって上記制御装置に関するデータを集積するデータ集積方法であって、上記表示型制御装置において、上記両ネットワークで用いられる通信プロトコルを相互に変換するとともに、予め設定されている配信条件が満たされたときに上記制御装置の制御状態を表し実行されたユーザプログラムを含むユーザ画面、該ユーザプログラムを含むユーザ画面において、上記入出力機器のアドレスに対応付けられ、上記制御指示のデータおよび該制御指示データの結果として得られる上記出力データによって変化する各変化要素としてのシンボル、ならびに該変化要素に対応する上記制御指示データおよび上記出力データを上記ホストコンピュータに配信し、上記ホストコンピュータに配信された上記ユーザプログラムを含むユーザ画面、上記変化要素および上記両データを上記表示型制御装置単位で蓄積することを特徴としている。
本発明に係るデータ集積方法は、上記の課題を解決するために、入力機器および出力機器が接続される制御装置と、該制御装置による該入出力機器の制御状態を表示し、かつ上記制御装置に制御指示を与える表示型制御装置との間で専用ネットワークを介して制御装置に固有の通信プロトコルを用いて通信を行い、上記表示型制御装置の上位に設けられるホストコンピュータと上記表示型制御装置との間で共通ネットワークを介して共通の通信プロトコルを用いて通信を行うことによって上記制御装置に関するデータを集積するデータ集積方法であって、上記表示型制御装置において、上記両ネットワークで用いられる通信プロトコルを相互に変換するとともに、予め設定されている配信条件が満たされたときに上記制御装置の制御状態を表し実行された制御手順プログラム、該制御手順プログラムにおいて、上記入出力機器のアドレスに対応付けられ、上記制御指示のデータおよび該制御指示データの結果として得られる上記出力データによって変化する各変化要素、ならびに該変化要素に対応する上記制御指示データおよび上記出力データを上記ホストコンピュータに配信し、上記ホストコンピュータに配信された上記制御手順プログラム、上記変化要素および上記両データを上記表示型制御装置単位で蓄積することを特徴としている。
【0024】
このデータ集積方法でも、制御装置と表示型制御装置との間の通信プロトコルが、表示型制御装置のプロトコル変換手段によって、表示型制御装置とホストコンピュータとの間の通信プロトコルに変換される。それゆえ、表示型制御装置は、常に同一の通信プロトコルで、共通ネットワークを介してホストコンピュータと通信が可能になり、この結果、ホストコンピュータは、通信プロトコルの異なる制御装置から容易にデータを集積することができる。
【0025】
また、実行されたユーザプログラム、各変化要素、両データが、予め設定されている配信条件が満たされたときにホストコンピュータに表示型制御装置単位で時系列に順次蓄積されるので、ユーザが意識することなくデータベースが自動的に構築されるとともに、蓄積されたデータ構造が単純化される。また、ユーザプログラム、変化要素および両データが関連付けられて蓄積されるので、ユーザプログラムにおける変化要素の両データによる変化状態を再現することができる。
【0026】
上記のデータ集積方法においては、上記ホストコンピュータにおいて、蓄積された上記ユーザプログラムを含むユーザ画面、上記変化要素および上記両データを連続して検索し、かつ表示することが好ましい。これにより、検索されたユーザプログラムを含むユーザ画面が連続的に表示されるので、制御装置が動作していたときのユーザプログラムの状況を再現することができる。
【0027】
また、上記のデータ集積方法においては、上記ホストコンピュータにおいて、端末装置からの要求に応じて検索された上記ユーザプログラムを含むユーザ画面を上記端末装置が実行可能な実行プログラムに変換し、該実行プログラム、上記変化要素および上記両データを、上記ユーザプログラムを含むユーザ画面において上記変化要素を上記両データに基づいて変化させるように上記実行プログラムを実行する上記端末装置へ送信することが好ましい。これにより、ホストコンピュータで検索されたユーザプログラムが実行プログラムに変換されて、変化要素および両データとともに端末装置に送信されると、ここで、実行プログラムが実行されることによって、ユーザプログラムにおいて変化要素が両データに基づいて変化する。この結果、例えば、ユーザ画面上で変化要素が変化する状態が表示される。
【0028】
本発明のデータ集積のためのプログラムを記録した記録媒体は、入力機器および出力機器が接続される制御装置と、該制御装置による該入出力機器の制御状態を表示し、かつ上記制御装置に制御指示を与える表示型制御装置との間で専用ネットワークを介して制御装置に固有の通信プロトコルを用いて通信を行わせ、上記表示型制御装置の上位に設けられるホストコンピュータと上記表示型制御装置との間で共通ネットワークを介して共通の通信プロトコルを用いて通信を行わせることによって上記制御装置に関するデータを集積するためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、上記表示型制御装置において、上記両ネットワークで用いられる通信プロトコルを相互に変換するとともに、予め設定されている配信条件が満たされたときに上記制御装置の制御状態を表し実行されたユーザプログラムを含むユーザ画面、該ユーザプログラムを含むユーザ画面において、上記入出力機器のアドレスに対応付けられ、上記制御指示のデータおよび該制御指示データの結果として得られる上記出力データによって変化する各変化要素としてのシンボル、ならびに該変化要素に対応する上記制御指示データおよび上記出力データを上記ホストコンピュータに配信する処理と、上記ホストコンピュータに配信された上記ユーザプログラムを含むユーザ画面、上記変化要素および上記両データを上記表示型制御装置単位で蓄積する処理とを実行するためのプログラムを記録していることを特徴としている。
本発明のデータ集積のためのプログラムを記録した記録媒体は、入力機器および出力機器が接続される制御装置と、該制御装置による該入出力機器の制御状態を表示し、かつ上記制御装置に制御指示を与える表示型制御装置との間で専用ネットワークを介して制御装置に固有の通信プロトコルを用いて通信を行わせ、上記表示型制御装置の上位に設けられるホストコンピュータと上記表示型制御装置との間で共通ネットワークを介して共通の通信プロトコルを用いて通信を行わせることによって上記制御装置に関するデータを集積するためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、上記表示型制御装置において、上記両ネットワークで用いられる通信プロトコルを相互に変換するとともに、予め設定されている配信条件が満たされたときに上記制御装置の制御状態を表し実行された制御手順プログラム、該制御手順プログラムにおいて、上記入出力機器のアドレスに対応付けられ、上記制御指示のデータおよび該制御指示データの結果として得られる上記出力データによって変化する各変化要素、ならびに該変化要素に対応する上記制御指示データおよび上記出力データを上記ホストコンピュータに配信する処理と、上記ホストコンピュータに配信された上記ユーザプログラム、上記変化要素および上記両データを上記表示型制御装置単位で蓄積する処理とを実行するためのプログラムを記録していることを特徴としている。
【0029】
この記録媒体に記録されたプログラムによっても、表示型制御装置とホストコンピュータとの間の通信が常に同一の通信プロトコルで行うことが可能になり、この結果、ホストコンピュータは、通信プロトコルの異なる制御装置から容易にデータを集積することができる。また、実行されたユーザプログラム、各変化要素、両データが、ホストコンピュータに表示型制御装置単位で時系列に順次蓄積されるので、ユーザが意識することなくデータベースが自動的に構築されるとともに、蓄積されたデータ構造が単純化される。しかも、ユーザプログラムにおける変化要素の両データによる変化状態を再現することができる。
【0030】
上記の記録媒体においては、上記ホストコンピュータにおいて、蓄積された上記ユーザプログラムを含むユーザ画面、上記変化要素および上記両データを連続して検索し、かつ表示する処理を実行するためのプログラムが記録されていることが好ましい。これにより、検索されたユーザプログラムが連続的に表示されるので、制御装置が動作していたときのユーザプログラムの状況を再現することができる。
【0031】
また、上記の記録媒体においては、上記ホストコンピュータにおいて、端末装置からの要求に応じて検索された上記ユーザプログラムを含むユーザ画面を上記端末装置が実行可能な実行プログラムに変換し、該実行プログラム、上記変化要素および上記両データを、上記ユーザプログラムを含むユーザ画面において上記変化要素を上記両データに基づいて変化させるように上記実行プログラムを実行する上記端末装置へ送信する処理を実行するためのプログラムが記録されていることが好ましい。これにより、ユーザプログラムが変換された実行プログラムが端末装置で実行されると、ユーザプログラムにおいて変化要素が両データに基づいて変化する。この結果、例えば、ユーザ画面上で変化要素が変化する状態が表示される。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について図1ないし図8に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0033】
本実施の形態に係る制御システムは、図1に示すように、パーソナルコンピュータ(以降、コンピュータと称する)1と、複数のプログラマブル表示器(以降、表示器と称する)2…と、複数のPLC3…とを備えている。
【0034】
コンピュータ1および表示器2…は、共通の通信プロトコルで通信を行うことが可能な共通ネットワーク4を介して互いに接続されている。一方、表示器2およびPLC3は、PLC3毎に固有の通信プロトコルで通信を行うことが可能な専用ネットワーク5を介して個々に接続されている。また、共通ネットワーク4は、図示しないルータを介してインターネット8に接続されている。このインターネット8には、クライアント装置9が接続されている。
【0035】
なお、広義の通信プロトコルには、スタートキャラクタやエンドキャラクタを示すコード、各キャラクタの送受タイミング、送信先や送信元の特定方法などが送信元と送信先とを含むネットワーク内で統一されていないと正常にデータが伝送できない通信プロトコルと、各PLC3が理解可能なコマンド体系など、送信元と送信先とで統一されていないと一方が所望する動作と他方が実施する動作とが一致せずに正常に制御できない通信プロトコルとが存在する。それゆえ、以下の説明では、両者の組み合わせを通信プロトコルと称し、両者の区別が必要な場合には、前者を伝送プロトコル、後者をコマンド体系として区別する。
【0036】
ここで、各PLC3の製造者が規定する通信プロトコルでは、データの読み出しを指示する場合、概ね、図2に示すように、次に伝送されるコードがコマンドであることを示す制御コード(ESC)と、PLC3へデータの読み出しを指示するコマンドコード(RD)と、読み出し開始アドレス(X0001)と、読み出しサイズ(5)と、伝送の終了を示す制御コード(RET)とを含むデータ列DTが伝送される。ただし、各PLC3間では、コマンドコードを含むコマンド体系はもちろん、アドレスやサイズなどの並び順や、制御コード自体、あるいはアドレスやサイズを表現する際の表現方法(数値を示す際のビット幅や文字を示す際のコード種別など)も互いに異なっていることが多い。
【0037】
したがって、本実施の形態では、表示器2が共通ネットワーク4を介してデータ通信する場合、専用ネットワーク5を伝送される通信プロトコルに関わらず、統一した通信プロトコルで通信できるように、共通ネットワーク4で伝送可能な通信プロトコルに共通の通信プロトコル(共通プロトコル)を規定している。具体的に、本実施の形態では、共通ネットワーク4として、イーサネット(商標:ゼロックス社)などのローカルエリアネットワーク(LAN)が用いられており、共通ネットワーク4での通信プロトコルとして、TCP/IPが採用されている。
【0038】
このため、共通ネットワーク4に接続される各表示器2およびコンピュータ1には、それぞれに固有のIPアドレスが割り当てられており、共通ネットワーク4を介して通信する際、図3に示すように、TCP/IPで規定された形式のデータ列DTを受信する。このデータ列DTは、送信元および送信先のIPアドレスを含むヘッダ部41と、通信内容を示すデータ本体42とを備えている。これにより、例えば、制御システムの開発者が使用するコンピュータなどが、制御システムの運用会社とは異なる場所から電話回線を介して接続する場合であっても、TCP/IPで通信可能な通信機器であれば、他の通信機器間のデータ伝送を阻害することなく、共通ネットワーク4に自由に参加できる。
【0039】
さらに、共通プロトコルでは、データ読み出しを指示するコマンドをPLC3へ伝える際のデータ本体42rに、コマンドの内容を示す共通コード43と、この共通コード43に付随する関連情報44として、読み出し開始アドレス44aおよび読み出しサイズ44bとが含まれる。また、データ書き込みを指示する際のデータ本体42wには、関連情報44として、書き込み開始アドレス44cおよび書き込みデータ44dが含まれる。
【0040】
上記の共通コード43は、各PLC3が理解可能なコマンドのうち、互いに同一内容のコマンド間では、専用ネットワーク5でのコマンドコード(各PLC3でのコマンドコード)に関わらず、統一されている。また、例えば、読み出し開始アドレス44aおよび読み出しサイズ44bなど、関連情報44内のデータを伝送する順番、伝送する際の表現方法も、専用ネットワーク5での通信プロトコルに関わらず、統一されている。これにより、共通プロトコルでは、表示器2に接続されているPLC3の機種に関わらず、実行させるべき命令を一意的に特定できる。
【0041】
制御装置としてのPLC3は、CPU/電源モジュールと、入力ユニットと、出力ユニットとを備えている。CPU/電源モジュールは、CPUやメモリを含むCPU部と、PLC3の各部に電力を供給する電源部とからなっている。CPU部は、制御プログラムにしたがって、入力ユニットを介して入力機器(図中、I/D)6から入力される信号に基づいて出力機器(図中、O/D)7に与える制御データの演算処理を行う。入力ユニットおよび出力ユニットは、それぞれ入力機器6および出力機器7に接続されるインターフェース機能を有する部分であって、これらの機器との間で入出力されるデジタル信号またはアナログ信号を上記のCPU部とやり取りするようになっている。
【0042】
入力機器6としては、センサ(温度センサ、光センサなど)、スイッチ(押ボタンスイッチ、リミットスイッチ、圧力スイッチなど)のような機器が用いられる。出力機器7としては、アクチュエータ、リレー、電磁弁、表示器などが用いられる。これらの入力機器6…および出力機器7…は、製造ラインなどの各種のターゲットシステムの所要各部に配置される。
【0043】
表示型制御装置としての表示器2は、RAM、ROM、フラッシュROM、VRAMなどのメモリや、CPUなどの演算処理部を有しており、これらによって表示器2の各部の動作を制御している。また、表示器2は、データ処理部21、インターフェース部(図中、I/F)22・23、入力部24、表示部25、ユーザメモリ26、変換データ記憶部27およびデータ配信部28を備えている。
【0044】
データ処理部21は、後述するユーザ画面の表示制御、プロトコル変換およびデータ配信の処理を行うために各種のデータ処理を行う。このデータ処理部21は、パッケージソフトウェアとしてプログラムメディアの形態で提供可能なソフトウェアであって、予めコンピュータ1から表示器2にダウンロードされている。また、このソフトウェアは、必要に応じて、表示器2の出荷時などに、予め表示器2インストールされていてもよい。
【0045】
ユーザ画面の表示制御については、データ処理部21は、コンピュータ1の作画エディタ16aで作成されたユーザ画面のデータに基づいてVRAMなどを用いて表示部25にユーザ画面を描画させる。ユーザプログラムとしてのユーザ画面は、ターゲットシステムを模した背景画面に、前述の部品やタグがシンボルとして合成されている。このように構成されるユーザ画面においては、部品やタグが入出力機器6・7の動作に応じて動くようになっており、入力機器6および出力機器7の動作状況が視覚化されている。
【0046】
ここで、前記のプログラムメディアは、コンピュータ1や表示器2と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープなどのテープ系、フロッピディスクやハードディスクなどの磁気ディスク系、CD−ROM、MO、MD、DVDなどの光ディスクの光ディスク系、ICカード(メモリカードを含む)、光カードなどのカード系、あるいはマスクROM、EPROM、EEPROM、フラッシュROMなどによる半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する媒体であってもよい。
【0047】
また、本制御システムは、インターネット8を含む通信ネットワークと接続可能なシステム構成であることから、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する媒体であってもよい。ただし、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用プログラムは予めコンピュータ1に格納されるか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであってもよい。
【0048】
プロトコル変換処理は、両ネットワーク4・5での通信プロトコルが互いに異なる場合、変換データ記憶部27に記憶されたデータを参照しながら、一方の通信プロトコルから他方の通信プロトコルへ変換する処理である。データ配信処理は、予め設定された配信条件が満たされたときに、入力機器6からPCL3のメモリに取り込まれてPLC3から出力される出力データをコンピュータ1や他の表示器2に配信する処理である。
【0049】
インターフェース部22は、コンピュータ1および他の表示器2との間の通信を行うために共通ネットワーク4に接続されている。この共通ネットワーク4を介した通信で後述のようにPLC3の出力データが表示器2からコンピュータ1に転送される。一方、インターフェース部23は、PLC3との間の通信を行うために専用ネットワーク5に接続されている。この専用ネットワーク5を介した通信で後述のようにPLC3からの出力データが表示器2に転送される。
【0050】
入力部24は、表示部25の表示画面上で入力を行うためにタッチパネルのような入力装置によって構成されている。このため、表示部25は、液晶パネルやELパネルのような平板型表示素子によって構成されている。
【0051】
ユーザメモリ26は、上記の作画エディタ16aでユーザによって作成されたユーザ画面を格納するメモリであってフラッシュROMなどから構成されている。
【0052】
変換データ記憶部27は、プロトコル変換処理に必要なデータを記憶している。このデータは、専用ネットワーク5と共通ネットワーク4との間で通信プロトコルを相互変換できれば、どのような形式でもよいが、本実施の形態に係る変換データ記憶部27は、専用ネットワーク5で伝送されるデータのフォーマットを示すデータ転送フォーマットFMTと、両ネットワーク4・5で伝送されるコマンドコード間の対応関係を示すコマンド変換テーブルTBLとを記憶している。
【0053】
具体的には、図2に示すように、上記データ転送フォーマットFMTは、専用ネットワーク5にて伝送されるデータ列DTのうち、例えば、読み書きするデータ内容自体、データのサイズ、読み書きするアドレスのように実際に伝送するデータ内容によって変化する部分を未定義としたスケルトン状のデータ列であって、未定義の部分は、用途のみが定義されている。なお、コマンドの領域を未定義とすれば、実際に伝送されるデータ列から抽出されたデータ転送フォーマットFMTが複数のコマンド間で共通になる場合、コマンドの領域をも未定義として、これらのコマンド間で共通のデータ転送フォーマットFMTを用いてもよい。
【0054】
また、コマンド変換テーブルTBLには、図4に示すように、共通ネットワーク4で伝送される共通コードと、専用ネットワーク5で伝送されるコマンドコードとの対応が格納されている。データ処理部21は、このコマンド変換テーブルTBLに基づいて一方のコードを他方のコードに変換する(例えばTBLaとTBLbとの間)。
【0055】
データ配信部28は、予め設定された配信条件が満たされたときに、PLC3の出力データを、指定された配信先に配信する。このため、データ配信部28は、配信先のノードに関するノード情報および配信に関する設定情報がコンピュータ1から予めダウンロードされて記憶されている。配信条件の設定については、後に詳述する。
【0056】
ホストコンピュータとしてのコンピュータ1は、一般の汎用パーソナルコンピュータと同様に、CPU、メモリ(RAM、ROMなど)、外部記憶装置(ハードディスクドライブ、MOドライブなど)、表示装置および入力装置(キーボード、マウスなど)を有している。また、コンピュータ1は、図1に示すように、サーバ部11、インターフェース部(図中、I/F)12、配信設定部13、ネットワークファイル14、データ登録部15、アプリケーション部16、データベース17、データメモリ18、コンパイラ19および公開サーバ部20を備えている。
【0057】
インターフェース部12は、表示器2との間の通信を行うために共通ネットワーク4に接続されている。
【0058】
サーバ部11は、データ通信処理部11aおよびデータベース管理部11bを有している。このサーバ部11は、パッケージソフトウェアとしてプログラムメディアの形態で提供可能なソフトウェアであって、予めコンピュータ1にインストールされている。このプログラムメディアも、前述のプログラムメディアと同様、コンピュータ1や表示器2と分離可能に構成される記録媒体である。
【0059】
データ通信処理部11aは、共通ネットワーク4を介した表示器2…との間のデータ通信処理を行うとともに、アプリケーション部16との間でデータのやり取りを行う部分である。このデータ通信処理部11aは、例えば、後述する作画エディタ16aで作成されたユーザ画面やラダーエディタ16bで作成されたユーザプログラムとしてのラダープログラムを表示器2に転送したり、表示器2から配信されたユーザ画面またはPLC3から表示器2によって配信されたラダープログラムおよびPLC3の入力データ(制御指示のデータ)や出力データを収集したりといった処理を行う。この入力データは、入力機器6における後述するデバイスアドレスの内容(ビット、数値等)の変更すべき内容であり、出力データは、出力機器7におけるデバイスアドレスの出力すべき内容である。
【0060】
蓄積手段および検索手段としてのデータベース管理部11bは、表示器2から配信されてきたユーザ画面またはラダープログラムおよびPLC3の入出力データをデータベース17に登録したり、データベース17に登録されたそれらのデータを検索したりする。
【0061】
具体的には、データベース管理部11bは、データベース17において表示器2毎に名称が付与されたフォルダを設定し、表示器2から所定の周期毎に配信されてくる、プログラマブル表示器2で表示されたユーザ画面またはPLC3で実行されたラダープログラムと、そのユーザ画面における変化要素としてのシンボル(部品およびタグ)またはそのラダープログラムにおける変化要素としてのラダー記号と、デバイスアドレスと、上記の入出力データとを各々組み合わせてレコードとし、上記のフォルダにそのレコードを発生順に登録する。フォルダ名としては、例えば、表示器2の局名、例えば、図1に示すようなAで表される「ノードA」や、表示器2の機種名といった適当な名称が用いられる。また、データベース管理部11bは、ユーザが指定したフォルダの指定した時刻のレコードを検索して、得られたレコードを表示させるように作画エディタ16aまたはラダーエディタ16bに渡す。
【0062】
データベース17が一般にハードディスク装置に構築されることから、ハードディスク装置からのデータの読み出しには比較的長い時間を要する。このため、データベース管理部11bは、複数のレコードからなるブロック単位でレコードを読み出す。これにより、ハードディスク装置へのアクセスが少なくなり、検索の速度を高めることができる。また、複数のブロックをまとめて読み出すことによって、さらに高速の検索を行うことができる。
【0063】
検索のために、データベース管理部11bは、例えば、図5に示すような検索画面51をユーザに提供する。この検索画面51は、再生キー51a、停止キー51b、早送りキー51c、早戻しキー51d、一時停止キー51e、日時を設定する日時設定部51fおよび後述するキーを指定するキー指定部51gを有している。
【0064】
データベース管理部11bは、再生キー51aの操作により、作画エディタ16aまたはラダーエディタ16bが検索データを動画的に表示するように、連続的にデータの検索を行う。この検索において早送りキー51cまたは早戻しキー51dが操作されると、検索速度が高くなり、検索画面が順方向または逆方向に高速で表示される一方、一時停止キー51eの操作により検索が一時停止し、このとき、ユーザ画面が静止状態で表示される。また、早送りキー51cまたは早戻しキー51dのみの操作では、高速度で検索位置が変化するが、ユーザ画面は表示(再生)されない。このとき、日時設定部51aには、検索位置の移動時に認識された日時が表示されていく。さらに、停止キー51cの操作により、検索が停止する。
【0065】
上記の検索画面51は、検索されて作画エディタ16aまたはラダーエディタ16bによって表示された再生画面52上に表示され、マウスなどのドラッグ&ドロップにより所望の位置への移動が可能である。このような検索画面51により、オーディオ装置などの操作と同様な感覚で検索を行う環境がユーザに提供される。
【0066】
また、データベース管理部11bは、ネットワークを介してのデータベース17へのアクセスに対するセキュリティチェックを行う。例えば、共通ネットワーク4においては、ユーザIDおよびパスワードが登録されたものであると確認されると、アクセスが許可(認証)される。これにより、共通ネットワーク4に接続されるインターネット8からの第三者による不用意なアクセスを拒否することができる。
【0067】
配信設定部13は、ノード情報および配信情報を設定する。ノード情報は、共通ネットワーク4におけるノードと、そのノードに接続される表示器2の種類とを含んでいる。配信情報は、各PLC3に接続されるデバイス(入力機器6および出力機器7)の名称、各表示器2毎のデータ配信タイミング、配信すべきデータのストアアドレス、受信したデータのストアアドレス等を含んでいる。これらのノード情報および配信情報は、ネットワークファイル14に保存され、必要に応じて各表示器2のデータ配信部28にダウンロードされる。この配信設定部13は、パッケージソフトウェアとしてプログラムメディアの形態で提供可能なソフトウェアであって、予めコンピュータ1にインストールされている。このプログラムメディアも、前述のプログラムメディアと同様、コンピュータ1や表示器2と分離可能に構成される記録媒体である。
【0068】
データ登録部15は、変換データ記憶部27に記憶されるべき前述のプロトコル変換データを予め登録している。この変換データは、初期設定時や、制御システムに接続されるPLC3が変更されるときなどのメンテナンス時に、必要とする表示器2にデータ通信処理部11aを介してダウンロードされる。
【0069】
アプリケーション部16は、作画エディタ16aおよびラダーエディタ16bを含んでいる。
【0070】
作画エディタ16aは、プログラマブル表示器2が、入力機器6…および出力機器7…の稼働状況や作業指示のような管理のための各種のモニタ、機器に対する設定値を入力する端末としての機能を備えるように、表示部25に表示させるユーザ画面を作成する画面作成ソフトウェアである。
【0071】
一般に、作画エディタ16aは、ユーザ独自の画面であるユーザ画面を作成できるように、スイッチ、ランプ、テンキー、各種表示器(例えば、数値表示器、メータ表示器およびグラフ表示器)などの部品、タグ設定機能、描画機能、テキスト入力機能などを備えている。部品としては、単一の機能を有する単一部品だけでなく、複数の機能を有する、複合スイッチ、カウンタ、タイマといった複合部品が用意されている。このような複合部品は、単一部品と同様、ドラッグ&ドロップなどの操作によってベース画面の所望の位置に配置できるようにライブラリ形式で登録されている。タグは、数値や直線などの動的変化を画面上の任意の位置で表現させるために、所望の位置(領域)に設定される所望の動画機能である。
【0072】
また、作画エディタ16aは、作成されたユーザ画面に配置された部品の各入出力機器6・7に対する前記の入出力番号(デバイスアドレス)を変数を介して割り付ける。
【0073】
上記の作画エディタ16aによって作成されたユーザ画面は、必要に応じてインターフェース部12を介してプログラマブル表示器2に転送され、ユーザメモリ26にダウンロードされる。
【0074】
ラダーエディタ16bは、入力機器6…および出力機器7…が所望のシーケンスにしたがって動作するようにPLC3の制御手順を定めるラダープログラムを作成するためのプログラミングソフトウェアであり、コンピュータ1のディスプレイ(図示せず)上で入出力機器6・7の動作に対応するラダー記号を配置してラダー図を作成できるように構成されている。このラダーエディタ16bにおいては、例えば、国際基準IECに準拠した前述のプログラミング言語が用いられる。
【0075】
また、ラダーエディタ16bは、PLC3の入力端子および出力端子のそれぞれに付与されている入力番号および出力番号と、各入出力端子に接続される入力機器6および出力機器7の名称(デバイス名)との対応付けを変数を介して入出力番号の割り付け(I/Oアサイン)として行う。この割り付けの結果は、コンピュータ1内の記憶装置(図示せず)に保存される。
【0076】
割り付けを行う際、コンピュータ1内の所定のメモリには、入力番号および出力番号をそれぞれアドレスとして、各アドレスに対応するデバイス名が格納される。従来、このような割り付けは、PLCのメーカによって異なっており、絶対アドレスで設定されるので、メーカに応じたメモリテーブルを用意する必要がある。ただし、IECに準拠した本ラダーエディタ16bは、上記の変数(自由変数)によってユーザが入出力を決定できるので、上記のようなメモリテーブルは不要である。また、一度決定した割り付けも、後に変更することができる。
【0077】
ラダーエディタ16bで作成されたラダープログラムは、プログラマブル表示器2を介して(または直接)PLC3に転送され、PLC3内のメモリにダウンロードされる。
【0078】
データベース17は、データベース管理部11bによって順次書き込まれるデータをフォルダ毎に管理している。例えば、ノードAの表示器2に表示されるユーザ画面については、図6(a)に示すように、「日時」、「画面」、「設定温度」、「レベル」、「設定圧力」、「レベル」、「アラーム」などの各項目がフィールドとして設けられている。「日時」は、同図において分の単位まで記載されているが、必要に応じて秒やミリ秒の単位まで保存できるようにしてもよい。「画面」は、ユーザ画面のファイル名を表している。「設定温度」および「設定圧力」は、作業指示として設定された温度および圧力を表し、「レベル」は、設定された温度や圧力に対する実際の温度や圧力を表している。アラームは、設定された温度や圧力が規定範囲内にあるときは正常であるとして“0”の値をとり、規定範囲外にあるときは異常であるとして“1”の値をとる。
【0079】
また、図示はしないが、「画面」を除いた各フィールドのデータは、デバイスアドレスおよびユーザ画面上のシンボルのデータが対になるように併せて書き込まれる。例えば、「温度設定」の場合は、温調器のデバイスアドレスおよび数値入力タグであったり、「アラーム」の場合は、ランプのデバイスアドレスおよびシンボルであったりする。それらのフィールドによって1つのレコードが形成され、各レコードが日時順に書き込まれる。ユーザ画面が切り替わる場合は、そのユーザ画面に応じたファイル名が書き込まれるようになっている。
【0080】
ラダープログラムについても、ユーザ画面と同様に図6(b)に示すように、図6(a)と同様な形式でレコードが書き込まれる。この場合、「日時」、「ラダー」、「ON」、「生産数」、「ON/OFF」、「カウント値」、「点灯/消灯」などの各項目がフィールドとして設けられている。「ラダー」は、ラダープログラムのファイル名を表している。「ON」は、生産ラインのスタートボタンがONされたことを表している(ON時に“1”となる)。「生産数」は、ラインにおける所定位置を通過する製品の数の設定値を表している。「ON/OFF」は、上記の所定位置で製品の通過を検出する光センサの出力を表しており、検出すなわちONが“1”であり、非検出すなわちOFFが“0”である。「カウント値」は、光センサのON出力のカウンタによるカウント値を表している。「点灯/消灯」は、設定された数の製品がラインにより搬送されているか否かをランプの点灯または消灯で表しており、搬送時すなわち点灯が“1”であり、非搬送時すなわち消灯が“0”である。
【0081】
また、図7に示すように、ユーザ画面およびラダープログラムのレコードを一括して管理するようにしてもよい。図7において「プログラム」は、図6(a)における「画面」および図6(b)の「ラダー」に相当し、ユーザ画面のファイル名およびラダープログラムのファイル名が格納されるようになっている。
【0082】
さらに、他のアプリケーションプログラムによって作成されたユーザプログラムについても、同様に図6(a)と同様な形式でレコードを保存するようにしてもよいし、図7に示すような形式でユーザ画面およびラダープログラムと併せてレコードを保存するようにしてもよい。このようなユーザプログラムとしては、例えば、ターゲットシステムにおける入出力機器6・7の電気的配線を設計するCAD図面が挙げられる。
【0083】
データベース17においては、レコードが入力順に保存される順編成のファイル構造が形成される。これにより、時刻順にレコードを検索する順アクセスを可能にしている。また、データベース17においては、指定された検索項目に基づいてレコードを直接アクセスすることを可能にするために、所望のレコードがデータベース管理部11bによってキーを付与された状態で保存される。このキーの設定は、図示しないが、データベース管理部11bが提供するキー設定用の画面で予めユーザによって行われる。
【0084】
キーは、例えば、時刻、アラームなどのデータ(検索項目)に付与される。最終的なレコードへのアクセスは、物理アドレスに基づいて行われるので、物理アドレスとキーとの対応付けが必要となる。この対応付けとしては、例えば、キーと物理アドレスとを対照表で1対1で対応付けたり、あるいはキー値を基に所定の関数を用いて得られた値を物理アドレスとしてレコードを書き込んだりすることが挙げられる。また、キーと物理アドレスとの対応付けの代わりに、キーからレコード番号を算出し、このレコード番号に基づいてレコードの書き込みを行って、OSのファイルシステムにレコード番号から物理アドレスを算出させるようにしてもよい。
【0085】
このように、キーをレコードに付与することによって、キーにより所望のレコードを一意的に特定することができる。
【0086】
データメモリ18は、データベース管理部11bによって検索されたユーザ画面およびそのシンボル(テキストも含む)またはラダープログラムおよびそのラダー記号と、PLC3の入出力データ(デバイスアドレスのデータ)とをコンパイラ19の処理に供するために一時的に格納しておくメモリである。
【0087】
変換手段としてのコンパイラ19は、上記のユーザ画面またはラダープログラムを、クライアント装置9のブラウザ91に含まれるバーチャルマシンで実行できるようなJava(登録商標)言語のアプレットに変換する。このアプレットは、Java言語からなっているので、クライアント装置9のプラットフォームに依存しない。アプレットにおける各インスタンスは、ユーザ画面において対応するシンボルまたはラダープログラムにおいて対応するラダー記号と同じデバイスアドレスを参照するように設定されている。また、各インスタンスは、デバイスアドレスの入出力データをシンボルまたはラダー記号に反映させるように作成されている。
【0088】
コンピュータ1には、予め作画エディタ16aで用いられるシンボルの種類またはラダーエディタ16bで用いられるラダー記号の種類毎にバーチャルマシンが実行するメソッドを含むクラスが格納されており、コンパイラ19がユーザ画面における各シンボルまたはラダープログラムにおける各ラダー記号に対応するメソッドを呼び出すコードを生成する。また、コンパイラ19は、図5に示す検索画面51もユーザ画面またはラダープログラムと同様にアプレットに変換する。この検索画面51による前述の各検索操作についても、バーチャルマシンが実行するメソッドを含むクラスが用意されている。
【0089】
公開サーバ部20は、クライアント装置9からの要求に対し、例えば、URI(Universal Resource Identifier) などに基づいて、クライアント装置9が要求しているユーザ画面を判別し、CGI(Common Gateway Interface)やBGI(Binary Gateway Interface) などによって、コンパイラ19にアプレットの生成を指示する。通信手段としての公開サーバ部20は、インターフェース部12から共通ネットワーク4およびインターネット8を介してクライアント装置9に上記のアプレットを送出する。コンピュータ1は、公開サーバ部20を備えることによって、インターネット8上でWebサーバとして機能する。
【0090】
上記のコンパイラ19および公開サーバ部20も、パッケージソフトウェアとしてプログラムメディアの形態で提供可能なソフトウェアであって、予めコンピュータ1にインストールされている。このプログラムメディアも、前述のプログラムメディアと同様、コンピュータ1や表示器2と分離可能に構成される記録媒体である。
【0091】
端末装置としてのクライアント装置9は、例えば、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)プロトコルでコンピュータ1などのサーバ装置からHTMLドキュメントなどのドキュメントを受け取って閲覧するブラウザ91を備えている。このブラウザ91は、汎用の閲覧用ソフトウェアなどで構成されており、バーチャルマシンを含んでいる。バーチャルマシンは、プラットフォームに依存しないバイトコードをクライアント装置9のネイティブコードに変換する。このバーチャルマシンは、コンピュータ1からの入出力データに応じて、ユーザ画面を表示器2での表示状態と同様に表示させるため、またはラダープログラムをPLC3の動作状態を反映させた状態で表示させるための描画メソッドを実行する。また、バーチャルマシンは、ブラウザ91から独立して設けられていてもよい。
【0092】
ここで、前述の配信設定部13で設定される配信情報について説明する。配信情報は、図8(a)および(b)に示すような設定画面上で設定され、設定画面には「配信条件」と「配信局・受信局」とが設けられている。
【0093】
図8(a)に示す「配信条件」には、配信のタイミングを決定する条件として、電源投入、時刻指定、周期指定、書き換えトリガ、ON期間、OFF期間、立ち上がりトリガおよび立ち下がりトリガが設けられている。
【0094】
「電源投入」は、表示器2の電源投入時に配信を行う条件であり、「時刻指定」は、指定された時刻に配信を行う条件である。「周期指定」は、所望の周期毎に配信を行う条件であり、「書き換えトリガ」は、出力データが書き換えられたとき、すなわち出力データが変化したときに配信を行う条件である。「ON期間」と「OFF期間」とは、デバイスのON期間とOFF期間とのそれぞれにおいて配信を続けて行うための条件であり、「立ち上がりトリガ」と「立ち下がりトリガ」とは、出力データ(指定デバイス出力)の立ち上がりと立ち下がりとのそれぞれの検出時に配信を行うための条件である。
【0095】
また、配信条件の設定画面における下側の領域には、上記の各条件のうちデバイスの出力に基づく条件に関して指定すべきデバイスの名称を入力する欄が設けられている。さらに、その下には、配信条件をチェックする周期(ms単位)と、配信を行う期間の設定欄と、配信後にデバイス出力をOFFまたはONに戻す処理のための設定欄とが設けられている。ただし、チェック周期は、「電源投入」、「時刻設定」および「周期指定」の配信条件にのみ有効であり、期間限定は、「周期指定」の配信条件にのみ有効である。また、配信後にデバイス出力をOFFに戻す設定については、「立ち上がりトリガ」の配信条件にのみ有効であり、この欄をチェックしない場合、デバイス出力は配信後もONしたままになる。一方、配信後にデバイス出力をONに戻す設定については、「立ち下がりトリガ」の配信条件にのみ有効であり、この欄をチェックしない場合、デバイス出力は配信後もOFFしたままになる。
【0096】
一方、図8(b)に示す「配信局・受信局」には、配信局および受信局についての情報記入部が設けられている。配信局の情報は、表示器2から配信される出力データの出力元となるデバイス名と、指定された期間に配信するデータの個数とを含んでいる。また、受信局の情報は、受信局となる表示器2に対応するPLC3に接続されたデバイスの名称を含んでいる。ただし、コンピュータ1が受信局となる場合、データベース17で管理されるフォルダ名をデバイス名とする。
【0097】
上記のように構成される制御システムにおいては、共通ネットワーク4を介して、共通プロトコルのデータ列DTを受け取った場合、データ処理部21は、データ本体42から、PLC3へ伝送すべきコマンドを示す共通コード43と関連情報44とを抽出する。さらに、データ処理部21は、コマンド変換テーブルTBLを参照して、専用ネットワーク5において伝送可能で、その共通コード43に対応するコマンドコードを選択する。また、必要に応じて、関連情報44の表現方法が、専用ネットワーク5で伝送される表現方法に変換される。これらの結果、PLC3へ伝送すべきコマンド、データ内容自体、データのサイズおよびアドレスなどが決まると、データ処理部21は、データ転送フォーマットFMTを参照してPLC3へ送出するデータ列を生成できる。
【0098】
一方、PLC3からデータ列DTを受け取った場合、データ処理部21は、上記のデータ転送フォーマットFMTに当てはめて、そのデータ列の示すコマンド、データ内容自体、データのサイズおよびアドレスなどを抽出し、上述とは逆の手順で共通プロトコルのデータ列DTに変換する。
【0099】
前記のデータ転送フォーマットFMTおよびコマンド変換テーブルTBLの組み合わせ(プロトコル情報)は、表示器2およびPLC3が制御に関するデータを通信する前に、PLC3の通信プロトコルに合わせて設定され、異なる通信プロトコルを採用したPLC3が接続されると、そのプロトコル情報は切り換えられる。例えば、図4では、機種AのPLC3から機種BのPLC3に変更する場合、コマンド変換テーブルTBLaからコマンド変換テーブルTBLbに切り換えられる。
【0100】
なお、通信プロトコルの選択方法は、例えば、使用者がコンピュータ1や表示器2を操作して選択してもよい。さらに、表示器2が自らが送出可能な通信プロトコルを順次選択しながら、PLC3の通信プロトコルを特定可能なコマンドを、PLC3へ送出し、PLC3からの応答コードによって、通信プロトコルを自動的に判別してもよい。また、表示器2は、自らに接続可能なPLC3が採用している通信プロトコルすべてに関して、上記のプロトコル情報を格納しておいてもよいし、現在、接続されているPLC3の通信プロトコルのみを格納しておき、必要に応じて、コンピュータ1から、あるいは記録媒体を介してなど、種々の方法で通信プロトコルをダウンロードしてもよい。
【0101】
このように、PLC3との間で受け渡すデータ列DTを、制御システムの動作中にリアルタイムに生成することにより、表示器2は、入力されたデータがどこから来たかを問うことなく、PLC3へデータを受け渡しできるとともに、PLC3が変更された場合にあっても、制御システムを停止することなく即応できる。
【0102】
このように、本制御システムでは、従来の制御システムとは異なり、通信の中心に表示器2…が配されており、この表示器2…が、共通ネットワーク4と専用ネットワーク5との双方に接続されている。さらに、表示器2は、両ネットワーク4・5での通信プロトコルが異なる場合、それぞれの通信プロトコルを相互変換して、自らに接続されたPLC3と、コンピュータ1あるいは他の表示器2との間の通信を中継する。これにより、表示器2…のそれぞれに接続されたPLC3…が採用する通信プロトコルが互いに異なっていても、各表示器2とコンピュータ1との間は、共通の通信プロトコルにて通信できる。
【0103】
より詳しくは、ターゲットシステムは、流量センサや温度センサまたはターゲットシステムの各部の状態を検出するセンサのような入力機器6と、指示に応じた動作を行うバルブやモータのような出力機器7とを備えており、入出力機器6・7はPLC3にて制御されている。また、PLC3は、シーケンサから発達してきた経緯もあって、例えば、製造者毎や製品の種別毎など、PLC3の機種毎に、独自の通信プロトコルを備えているものが多い。したがって、PLC3は、専用ネットワーク5を介して表示器2と接続されており、そのPLC3が通信可能な通信プロトコルで表示器2と通信する。
【0104】
これにより、PLC3は、表示器2へ、または表示器2を介して他の表示器2あるいはコンピュータ1へ、入力機器6が取得したデータをPLC3の出力データとして送信する一方、表示器2から、または他局より表示器2を介して伝えられた制御指示を受信して出力機器7を制御することができる。
【0105】
ここで、表示器2は、制御システムに必須の装置であるが、近年では、高解像度の画像を表示するために、例えば、数Mバイト程度の記憶容量を持ち、表示に十分な速度で演算処理を行う。したがって、表示器2は、十分余力を持って上記のプロトコル変換を行うことができる。また、表示器2とコンピュータ1との間に、PLC3が介在していないため、PLC3は、ターゲットシステム2の制御に専念できる。したがって、PLCが通信の大半を処理する前述の従来の制御システムに比べて、記憶容量や処理能力を削減することができる。
【0106】
本制御システムでは、PLC3の機種に関わらず、各表示器2およびコンピュータ1の間は、共通のプロトコルで通信される。したがって、同じ制御システム内に、複数機種のPLC3を混在させることができ、機種選択の幅が広くなる。
【0107】
上記のように共通ネットワーク4で通信プロトコルの共通化がなされた制御システムにおいては、各表示器2およびコンピュータ1の間でユーザ画面およびデバイスアドレスのデータの配信を容易に行うことができる。次に、その配信について詳細に説明する。
【0108】
ここで、共通ネットワーク4の各ノードA〜Cに各表示器2が接続されており、表示器2に個々に接続されるPLC3はそれぞれ100個の入出力端子を有する構成について説明する。このような構成においては、各PLC3の出力端子に対しては、PLC3におけるメモリの対応するストア領域へ表示器2でオペレータによって入力された制御データが格納され、そのストア内容に応答して出力機器7が制御される。また、各PLC3の入力端子に対しては、上記のメモリの対応するストア領域に入力機器6からの入力データが書き込まれる。
【0109】
例えば、ノードA〜Cに対応する各PLC3の100個の各入出力端子に対応したストア領域には、それぞれ100〜199、200〜299、300〜399のストアアドレスが割り当てられている。ノードAの表示器2におけるデータ配信部28は、前述の配信設定部13で予め設定された周期(例えば10秒)毎に100〜199のストア領域のデータ、すなわちすべての入出力データを配信し、そのデータはコンピュータ1にストアされる。
【0110】
また、「立ち上がりトリガ」の配信条件を設定しておき、かつPLC3のメモリにおける各デバイスに対応するストア領域に、デバイスのエラー(アラーム)情報、デバイス出力に対応した作業指示の情報などの各種の情報を表すビットを設けておけば、このビットが立ち上がったときに、配信条件とともに、そのデバイスが接続されるPLC3のノード情報(局名)がそのノードの表示器2から送信される。
【0111】
さらに、コンピュータ1は、各表示器2から配信されるすべてのデータをストアしている。各表示器2には、データ配信部28内に配信データの格納に必要なストア領域が形成されている。
【0112】
コンピュータ1でのデータの取り込みは、配信元からの配信データの、例えばIPアドレスに受信先のアドレスを格納しておくことによって行われてもよい。また、受信先がコンピュータ1だけでなく表示器2など多く存在する場合には、上記のデータ取り込みが、上記のIPアドレスを一斉同報として、受信側で、配信データの配信元のIPアドレスに応答してデータを取り込むか否かを決定するようにして行われてもよい。しかも、すべての表示器2がコンピュータ1と同様に、すべての配信データに対応したストア領域を有し、すべての配信データを保有していてもよいことは勿論である。
【0113】
上記のように、配信条件が成立すると、各表示器2およびパソコン1との間でデータの配信が行えるだけでなく、配信条件の成立をトリガとして、コンピュータ1のデータベース17に配信データを順次格納し、そのデータベース17から所望のレコードを検索することができる。続いて、その動作について詳細に説明する。
【0114】
例えば、ノードAの表示器2で集められたPLC3の入力データ(入力機器6のデバイスアドレスの内容)および出力データ(出力機器7のデバイスアドレスの内容)は、デバイスアドレスとともに共通ネットワーク4を介してコンピュータ1に配信され、インターフェース部11bからデータ通信処理部11aに取り込まれ、データベース管理部11bに渡される。データベース管理部11bは、ノードAのフォルダに同時刻に入力されたデータを1件のレコードとして、次々と入力されてくるレコードを順次データベース17に書き込んでいく。このような書き込みは、自動的に行われるので、ユーザがデータベース17を意識することなくデータを蓄積することができる。
【0115】
データベース17において検索を行う場合、まず、サーバ部11の動作モードを検索モードに切り替えて、図5に示すような検索画面51を起動する。ここで、レコードを格納された日時順に検索していく場合は、再生キー51bを操作することによって指定されたフォルダにおいて検索が開始する。検索が行われているときは、レコードが、データベース管理部11bによってデータベース17から順次読み出され、作画エディタ16aに出力される。作画エディタ16aは、受け取ったレコードにおけるユーザ画面と、デバイスアドレスおよびシンボルのデータとに基づいてユーザ画面を再現し、図5の再生画面52のように、コンピュータ1のディスプレイに表示する。このような一連の動作が連続的に行われるので、ディスプレイには、PLC3が実際に稼働していたときに表示器2に表示されたユーザ画面とほぼ同様に、ユーザ画面の変化を動的に再現することができる。
【0116】
また、予め設定されたキーに基づいて、指定されたキーに対応するレコードのみを読み出す場合、例えば、アラームをキーとして指定して、再生キー51bを操作すれば、アラーム発生時のレコードが順次読み出され、作画エディタ16aによって再生される。このようにアラームをキーとして指定することによって、アラームの発生時のユーザ画面を表示させるだけでなく、さらにそのアラーム発生時の前後のユーザ画面を再生することによって、表示器2において、アラーム発生前にどのような操作がなされていたか、またはアラーム発生後に回復処置のためにどのような操作がなされていたかを確認することができる。
【0117】
さらに、データベース17には、図6(a)および(b)ならびに図7に示すように表形式でレコードが保存されている。これによって、データベース17に蓄えられたレコードが、そのまま日報や月報として利用できる。
【0118】
上記のような検索および再生操作は、ユーザ画面だけでなく、ラダープログラムやその他のユーザプログラム(例えば、前述のCAD図面)でも同様にして行うことができる。
【0119】
ラダープログラムの場合、PLC3で実行されたラダープログラムが表示器2を介してコンピュータ1に配信され、データベース管理部11bによってデータベース17に書き込まれていく。検索するときは、図示はしないが、図5に示す再生画面52の代わりに、検索されたラダープログラムが再生される。ラダープログラムモニタを再生する場合、ラダープログラムが選択されたラダープログラムモニタのエリア範囲内で再生される。そして、ラダープログラムにおいて検索された接点やコイルの動作などは、例えば、それらの部分の色が変わることによって表現される。
【0120】
上記のような検索および再生の操作は、インターネット8を介してクライアント装置9からでも行うことができる。続いて、この場合の動作について説明する。
【0121】
まず、公開サーバ部20は、クライアント装置9から検索の要求を受けると、CGIを起動してサーバ部11のデータベース管理部11bに検索を指示する。データベース管理部11bは、この指示を受けて前述のようにしてデータベース17に対して検索を行う。データベース管理部11bから送出されるレコードは、一旦データメモリ18に蓄えられた後、コンパイラ19に出力される。
【0122】
また、公開サーバ部20は、CGIやBGIなどによって、コンパイラ19にアプレットの生成を指示する。コンパイラ19は、公開サーバ部20からアプレットの生成指示を受けると、データメモリ18から読み出された、生成すべきアプレットに対応するレコードから、ユーザ画面またはラダープログラムのそれぞれにおけるシンボルまたはラダー記号を抽出し、そのシンボルまたはラダー記号の種類に対応するクラスのインスタンスを生成するための文字列(コード)と、そのインスタンスのフィールドにシンボルまたはラダー記号のパラメータを設定するための文字列(コード)とを出力する。また、インスタンス生成時の初期値として両文字列を指定してまとめて出力してもよい。
【0123】
さらに、コンパイラ19は、ユーザ画面またはラダープログラムのそれぞれにおける全てのシンボルまたはラダー記号について文字列の出力が終了したときには、HTML(HyperText Markup Language) ドキュメントとして必要な文字列(“〈HTML〉”、“〈TITLE 〉”など)も、生成されたコードをアプレットとして動作させるための文字列(“〈APPLET〉など)を各シンボルまたは各ラダー記号に基づいて生成されたコードの前後に付す。
【0124】
このようにして、データベース17に格納されていた、実際に表示器2に表示されたユーザ画面または実際にPLC3で実行されたラダープログラムは、アプレットとして公開サーバ20に出力される。公開サーバ部20は、HTTPデーモンによって、インターフェース部12から共通ネットワーク4およびインターネット8を介してクライアント装置9に上記のアプレットを送出する。
【0125】
クライアント装置9では、ブラウザ91がバーチャルマシンを起動し、コンピュータ1から提供されるデバイスアドレスおよび入出力データを用いて描画メソッドを実行することによって、表示器2での表示状態と同様にユーザ画面が表示され、またはラダープログラムがPLC3の動作状態を反映させた状態で表示される。このようにして、コンピュータ1から離れた位置にあるクライアント装置9でも、コンピュータ1と同様に検索を行うことができる。
【0126】
以上のように、本実施の形態の制御システムでは、表示器2がPLC3の機種毎の通信プロトコルの相違を吸収して、各表示器2およびコンピュータ1の間のデータ通信を容易にしている。それゆえ、コンピュータ1において異機種のPLC3からの出力データを容易に収集することができる。また、データ配信部28によるデータ配信機能を用いることによって、設定された配信条件を満たす毎に表示器2からデータがコンピュータ1に配信され、そのデータがデータベース管理部11bによってデータベース17に順次蓄えられていくので、従来のデータ収集用ソフトのようにPLCと通信しながら、パーソナルコンピュータ側からデータの送信要求を発することなく、効率的にデータを収集して蓄積することができる。それゆえ、ユーザが意識することなくデータベース17を構築することができる。
【0127】
また、データが収集された順に時系列でデータベース17に蓄積されていくので、データベース17におけるデータ構造が単純化されて、データの詳細や所在が分かりやすい。これにより、データベース管理が容易になる。
【0128】
さらに、検索によって得られた入出力データをユーザ画面やラダープログラムに反映させることによって、表示器2での操作が再現される。それゆえ、動画を記録するVTRのように膨大なデータを蓄える必要がないばかりか、検索によって操作ミスが生じた際のユーザ画面やラダープログラムを確認することができる。特に、アラームをキーとして検索することによって、操作ミスが生じた時点を容易に特定することができる。しかも、図5に示すような検索画面51を用いることによって連続的な検索を行えば、ユーザ画面のシンボルやラダープログラムのラダー記号の入出力データによる変化が動的に表示されるので、VTRなどの映像再生機器での再生操作と同様な感覚でユーザ画面もラダープログラムを再生することができる。
【0129】
このように、実行されたユーザ画面やラダープログラムを再生することは、操作ミスなどの検証に利用されるだけでなく、オペレータの教育にも利用できる。例えば、表示器2の操作内容が、ターゲットシステムを動作させることなく繰り返して再現できることから、熟練のオペレータによる操作内容は教材として十分利用できる。
【0130】
また、昨日の作業と同じ作業を行う場合、データベース17に格納された昨日のデータを利用しても不都合がないかをユーザ画面の再生で確認できるので、データの再利用を有効に行うことができる。
【0131】
なお、本実施の形態では、共通ネットワーク4として、イーサネット上のTCP/IPを採用しているが、これに限るものではない。例えば、IEEE1394など、他のネットワークであってもよい。コンピュータ1が表示器2を介して各PLC3と通信するために十分な通信容量を持ったネットワークであれば、同様の効果が得られる。
【0132】
また、本実施の形態では、ラダープログラムを用いた例を示したが、本発明の制御手順プログラムとしては、ラダープログラムだけではなく、前述のIEC 6 1131−3 で規定された5言語を含む他の言語による制御手順プログラムにおいても適用されるのは勿論である。一方、ユーザプログラムとしては、表示内容プログラム(ユーザ画面)および制御手順プログラム以外にも、PLC3による制御状態を表すプログラムであれば前述のCAD図面などであってもよい。
【0133】
また、本実施の形態では、コンピュータ1でユーザプログラムとしてのユーザ画面やラダープログラムをアプレットに変換する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ユーザプログラムと同一内容のビットマップ形式やJPEG形式のファイルを作成し、それをクライアント装置9に送信してもよい。コンピュータ1が、検索されたユーザプログラムをクライアント装置9が表示可能な形式に変更した後、それをクライアント装置9に送信すれば、ユーザプログラムを表示するための表示制御用プログラムを予めクライアント装置9にインストールしておく必要がなくなるので、インストールの手間、時間および費用を削減できる。
【0134】
ただし、コンピュータ1とクライアント装置9とがインターネット8を介して通信している場合など、両者間の通信速度が遅い場合、ユーザプログラムを送信すると、クライアント装置9における表示の更新速度が低下してしまう。そこで、本実施の形態では、表示動作をクライアント装置9に行わせるアプレットを配付するとともに、デバイスアドレスの内容を中継しているので、データ伝送量を大幅に削減でき、クライアント装置9における応答速度を大幅に向上することができる。また、例えば、カーソル移動などのユーザインターフェースをクライアント装置9側で処理できるので、さらに応答速度を向上することができる。
【0135】
さらに、本実施の形態では、アプレットを伝送する場合を例示したが、アプレットの代わりに、例えばBASICなどのプログラム言語をコンパイルするなどして、アプレットと同様の動作をクライアント装置9に実行させるプログラムを配信しても、ほぼ同様の効果が得られる。
【0136】
これに対し、本実施の形態のように、コンピュータ1がアプレットを送信し、クライアント装置9におけるバーチャルマシンがそのアプレットを解釈して表示する場合、バーチャルマシンを備えることによってクライアント装置9のオペレーティングシステム(OS)やCPUが実行可能な機械語が異なっていても、アプレットを実行することができる。したがって、コンピュータ1が生成するアプレットの種類を増加させることなく、より多くのクライアント装置9でユーザプログラムを表示することができる。
【0137】
【発明の効果】
以上のように、本発明のデータ集積システム、データ集積方法および記録媒体に記録されたデータ集積のためのプログラムは、ホストコンピュータと複数の表示型制御装置とが共通ネットワークを介して共通の通信プロトコルを用いて通信を行う一方、上記表示型制御装置と入力機器および出力機器が接続された制御装置とが専用ネットワークを介して制御装置に固有の通信プロトコルを用いて通信を行い、上記表示型制御装置が、上記両ネットワークで用いられる通信プロトコルを上記両ネットワークで用いられる通信プロトコルに互いに変換し(プロトコル変換手段)、予め設定されている配信条件が満たされたときに上記制御装置の制御状態を表し実行されたユーザプログラムを含むユーザ画面または制御手順プログラム、該ユーザプログラムを含むユーザ画面または制御手順プログラムにおいて、上記入出力機器のアドレスに対応付けられ、上記制御指示のデータおよび該制御指示データの結果として得られる上記出力データによって変化する各変化要素、ならびに該変化要素に対応する上記制御指示データおよび上記出力データを上記ホストコンピュータに配信し(配信手段)、上記ホストコンピュータにおいて、配信された上記ユーザプログラムを含むユーザ画面または制御手順プログラム、上記変化要素および上記両データを上記表示型制御装置単位で蓄積する(蓄積手段)。
【0138】
これにより、表示型制御装置とホストコンピュータとの間の共通ネットワークで使用される通信プロトコルと、表示型制御装置と制御装置との間の専用ネットワークで使用される通信プロトコルとが相互に変換される。それゆえ、表示型制御装置は、制御装置の通信プロトコルに関わらず、常に同一の通信プロトコルで、共通ネットワークを介してホストコンピュータと通信することができる。この結果、ホストコンピュータは、通信プロトコルの異なる制御装置からの出力データを容易に集積することができる。
【0139】
また、予め設定されている配信条件が満たされたときに、ユーザプログラム、各変化要素および両データがホストコンピュータに配信されると、ホストコンピュータでそれらが表示型制御装置単位で時系列に順次蓄積されるので、ユーザが意識することなくデータベースが自動的に構築されるとともに、蓄積されたデータ構造が単純化される。また、ユーザプログラム、変化要素および両データが関連付けられて蓄積されるので、ユーザプログラムにおける変化要素の両データによる変化状態を再現することができる。したがって、データベース管理を容易にするとともに、制御装置の過去の制御状況を容易に確認することができるという効果を奏する。
【0140】
上記のデータ集積システム、方法およびプログラムにおいては、上記ホストコンピュータが、蓄積された上記ユーザプログラム、上記変化要素および上記両データを連続して検索し、かつ表示する(検索手段)ので、制御装置が動作していたときのユーザプログラムの状況を再現することができる。したがって、制御装置の過去の制御状況をより一層容易に確認することができるという効果を奏する。
【0141】
また、上記のデータ集積システム、方法およびプログラムにおいては、上記ホストコンピュータが、端末装置からの要求に応じて検索された上記ユーザプログラムを上記端末装置が実行可能な実行プログラムに変換し(変換手段)、該実行プログラム、上記変化要素および上記両データを、上記ユーザプログラムにおいて上記変化要素を上記両データに基づいて変化させるように上記実行プログラムを実行する上記端末装置へ送信する(通信手段)ので、端末装置で実行プログラムが実行されることによって、ユーザプログラムにおいて変化要素が両データに基づいて変化する。この結果、例えば、ユーザ画面上でシンボルが変化する状態が表示される。したがって、ユーザプログラムを実行プログラムの形態で送信することよって、インターネットなどのネットワーク上の端末装置でもホストコンピュータに蓄積されたデータを、ホストコンピュータと同様に検索して確認することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る制御システムの要部の構成を示すブロック図である。
【図2】専用ネットワークの通信プロトコルと、上記制御システムにおけるプログラマブル表示器が通信プロトコルを変換する場合に参照するデータ転送フォーマットとを示す説明図である。
【図3】共通ネットワークの通信プロトコルを示す説明図である。
【図4】上記プログラマブル表示器が通信プロトコルを変換する場合に参照されるコマンド変換テーブルを示す説明図である。
【図5】上記制御システムにおけるパーソナルコンピュータに含まれるデータベースで検索するための操作画面および検索によって再生されたユーザ画面(再生画面)を示す説明図である。
【図6】(a)は上記データベースに格納されるユーザ画面に関するレコードの保存形式を示す説明図であり、(b)は上記データベースに格納されるラダープログラムに関するレコードの保存形式を示す説明図である。
【図7】上記データベースに格納されるユーザ画面およびラダープログラムに関するレコードの保存形式を示す説明図である。
【図8】(a)および(b)は、それぞれ上記パーソナルコンピュータにおける配信設定部にて設定される配信条件設定画面および配信局・受信局設定画面を示す説明図である。
【符号の説明】
1 パーソナルコンピュータ(ホストコンピュータ)
2 プログラマブル表示器(表示型制御装置)
3 PLC(制御装置)
4 共通ネットワーク
5 専用ネットワーク
6 入力機器
7 出力機器
9 クライアント装置(端末装置)
11a データ通信処理部
11b データベース管理部(蓄積手段、検索手段)
16 アプリケーション部
16a 作画エディタ
16b ラダーエディタ
17 データベース
19 コンパイラ(変換手段)
20 公開サーバ(通信手段)
21 データ処理部
27 変換データ記憶部
28 データ配信部
91 ブラウザ

Claims (12)

  1. 入力機器および出力機器が接続された制御装置と、該制御装置による該入出力機器の制御状態を表示し、かつ上記制御装置に制御指示を与える表示型制御装置との間で専用ネットワークを介して制御装置に固有の通信プロトコルを用いて通信を行い、上記表示型制御装置の上位に設けられるホストコンピュータと上記表示型制御装置との間で共通ネットワークを介して共通の通信プロトコルを用いて通信を行うことによって上記制御装置に関するデータを集積するデータ集積システムであって、
    上記表示型制御装置が、上記両ネットワークで用いられる通信プロトコルを上記両ネットワークで用いられる通信プロトコルに互いに変換するプロトコル変換手段と、予め設定されている配信条件が満たされたときに上記制御装置の制御状態を表し実行されたユーザプログラムを含むユーザ画面、該ユーザプログラムを含むユーザ画面において、上記入出力機器のアドレスに対応付けられ、上記制御指示のデータおよび該制御指示データの結果として得られる上記出力データによって変化する各変化要素としてのシンボル、ならびに該変化要素に対応する上記制御指示データおよび上記出力データを上記ホストコンピュータに配信する配信手段とを有し、
    上記ホストコンピュータが、配信された上記ユーザプログラムを含むユーザ画面、上記変化要素および上記両データを上記表示型制御装置単位で蓄積する蓄積手段を備えていることを特徴とするデータ集積システム。
  2. 入力機器および出力機器が接続される制御装置と、該制御装置による該入出力機器の制御状態を表示し、かつ上記制御装置に制御指示を与える表示型制御装置との間で専用ネットワークを介して制御装置に固有の通信プロトコルを用いて通信を行い、上記表示型制御装置の上位に設けられるホストコンピュータと上記表示型制御装置との間で共通ネットワークを介して共通の通信プロトコルを用いて通信を行うことによって上記制御装置に関するデータを集積するデータ集積システムであって、
    上記表示型制御装置が、上記両ネットワークで用いられる通信プロトコルを上記両ネットワークで用いられる通信プロトコルに互いに変換するプロトコル変換手段と、予め設定されている配信条件が満たされたときに上記制御装置の制御状態を表し実行された制御手順プログラム、該制御手順プログラムにおいて、上記入出力機器のアドレスに対応付けられ、上記制御指示のデータおよび該制御指示データの結果として得られる上記出力データによって変化する各変化要素、ならびに該変化要素に対応する上記制御指示データおよび上記出力データを上記ホストコンピュータに配信する配信手段とを有し、
    上記ホストコンピュータが、配信された上記制御手順プログラム、上記変化要素および上記両データを上記表示型制御装置単位で蓄積する蓄積手段を備えていることを特徴とするデータ集積システム。
  3. 上記ホストコンピュータが、上記蓄積手段に蓄積された上記ユーザプログラムを含むユーザ画面、ならびに上記変化要素および上記両データを連続して検索し、かつ表示する検索手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載のデータ集積システム。
  4. 上記ホストコンピュータが、端末装置からの要求に応じて上記検索手段によって検索された上記ユーザプログラムを含むユーザ画面を上記端末装置が実行可能な実行プログラムに変換する変換手段と、該実行プログラム、上記変化要素および上記両データを、上記ユーザプログラムを含むユーザ画面において上記変化要素を上記両データに基づいて変化させるように上記実行プログラムを実行する上記端末装置へ送信する通信手段とを備えていることを特徴とする請求項1または3に記載のデータ集積システム。
  5. 入力機器および出力機器が接続された制御装置と、該制御装置による該入出力機器の制御状態を表示し、かつ上記制御装置に制御指示を与える表示型制御装置との間で専用ネッ トワークを介して制御装置に固有の通信プロトコルを用いて通信を行い、上記表示型制御装置の上位に設けられるホストコンピュータと上記表示型制御装置との間で共通ネットワークを介して共通の通信プロトコルを用いて通信を行うことによって上記制御装置に関するデータを集積するデータ集積方法であって、
    上記表示型制御装置において、上記両ネットワークで用いられる通信プロトコルを相互に変換するとともに、予め設定されている配信条件が満たされたときに上記制御装置の制御状態を表し実行されたユーザプログラムを含むユーザ画面、該ユーザプログラムを含むユーザ画面において、上記入出力機器のアドレスに対応付けられ、上記制御指示のデータおよび該制御指示データの結果として得られる上記出力データによって変化する各変化要素としてのシンボル、ならびに該変化要素に対応する上記制御指示データおよび上記出力データを上記ホストコンピュータに配信し、
    上記ホストコンピュータに配信された上記ユーザプログラムを含むユーザ画面、上記変化要素および上記両データを上記表示型制御装置単位で蓄積することを特徴とするデータ集積方法。
  6. 入力機器および出力機器が接続される制御装置と、該制御装置による該入出力機器の制御状態を表示し、かつ上記制御装置に制御指示を与える表示型制御装置との間で専用ネットワークを介して制御装置に固有の通信プロトコルを用いて通信を行い、上記表示型制御装置の上位に設けられるホストコンピュータと上記表示型制御装置との間で共通ネットワークを介して共通の通信プロトコルを用いて通信を行うことによって上記制御装置に関するデータを集積するデータ集積方法であって、
    上記表示型制御装置において、上記両ネットワークで用いられる通信プロトコルを相互に変換するとともに、予め設定されている配信条件が満たされたときに上記制御装置の制御状態を表し実行された制御手順プログラム、該制御手順プログラムにおいて、上記入出力機器のアドレスに対応付けられ、上記制御指示のデータおよび該制御指示データの結果として得られる上記出力データによって変化する各変化要素、ならびに該変化要素に対応する上記制御指示データおよび上記出力データを上記ホストコンピュータに配信し、
    上記ホストコンピュータに配信された上記制御手順プログラム、上記変化要素および上記両データを上記表示型制御装置単位で蓄積することを特徴とするデータ集積方法。
  7. 上記ホストコンピュータにおいて、蓄積された上記ユーザプログラムを含むユーザ画面、ならびに上記変化要素および上記両データを連続して検索し、かつ表示することを特徴とする請求項6に記載のデータ集積方法。
  8. 上記ホストコンピュータにおいて、端末装置からの要求に応じて検索された上記ユーザプログラムを含むユーザ画面を上記端末装置が実行可能な実行プログラムに変換し、該実行プログラム、上記変化要素および上記両データを、上記ユーザプログラムを含むユーザ画面において上記変化要素を上記両データに基づいて変化させるように上記実行プログラムを実行する上記端末装置へ送信することを特徴とする請求項5または7記載のデータ集積方法。
  9. 入力機器および出力機器が接続される制御装置と、該制御装置による該入出力機器の制御状態を表示し、かつ上記制御装置に制御指示を与える表示型制御装置との間で専用ネットワークを介して制御装置に固有の通信プロトコルを用いて通信を行わせ、上記表示型制御装置の上位に設けられるホストコンピュータと上記表示型制御装置との間で共通ネットワークを介して共通の通信プロトコルを用いて通信を行わせることによって上記制御装置に関するデータを集積するためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
    上記表示型制御装置において、上記両ネットワークで用いられる通信プロトコルを相互に変換するとともに、予め設定されている配信条件が満たされたときに上記制御装置の制 御状態を表し実行されたユーザプログラムを含むユーザ画面、該ユーザプログラムを含むユーザ画面において、上記入出力機器のアドレスに対応付けられ、上記制御指示のデータおよび該制御指示データの結果として得られる上記出力データによって変化する各変化要素としてのシンボルすなわち部品およびタグ、ならびに該変化要素に対応する上記制御指示データおよび上記出力データを上記ホストコンピュータに配信する処理と、
    上記ホストコンピュータに配信された上記ユーザプログラムを含むユーザ画面、上記変化要素および上記両データを上記表示型制御装置単位で蓄積する処理とを実行するためのプログラムを記録した記録媒体。
  10. 入力機器および出力機器が接続される制御装置と、該制御装置による該入出力機器の制御状態を表示し、かつ上記制御装置に制御指示を与える表示型制御装置との間で専用ネットワークを介して制御装置に固有の通信プロトコルを用いて通信を行わせ、上記表示型制御装置の上位に設けられるホストコンピュータと上記表示型制御装置との間で共通ネットワークを介して共通の通信プロトコルを用いて通信を行わせることによって上記制御装置に関するデータを集積するためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
    上記表示型制御装置において、上記両ネットワークで用いられる通信プロトコルを相互に変換するとともに、予め設定されている配信条件が満たされたときに上記制御装置の制御状態を表し実行された制御手順プログラム、該制御手順プログラムにおいて、上記入出力機器のアドレスに対応付けられ、上記制御指示のデータおよび該制御指示データの結果として得られる上記出力データによって変化する各変化要素、ならびに該変化要素に対応する上記制御指示データおよび上記出力データを上記ホストコンピュータに配信する処理と、
    上記ホストコンピュータに配信された上記ユーザプログラム、上記変化要素および上記両データを上記表示型制御装置単位で蓄積する処理とを実行するためのプログラムを記録した記録媒体。
  11. 上記ホストコンピュータにおいて、蓄積された上記ユーザプログラムを含むユーザ画面、ならびに上記変化要素および上記両データを連続して検索し、かつ表示する処理を実行するプログラムを記録したことを特徴とする請求項9に記載の記録媒体。
  12. 上記ホストコンピュータにおいて、検索された上記ユーザプログラムを含むユーザ画面を上記端末装置が実行可能な実行プログラムに変換し、該実行プログラム、上記変化要素および上記両データを、上記ユーザプログラムを含むユーザ画面において上記変化要素を上記両データに基づいて変化させるように上記実行プログラムを実行する上記端末装置へ送信する処理を実行するプログラムを記録したことを特徴とする請求項9または11に記載の記録媒体。
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