JP3619009B2 - 塗布量規制機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、互いに圧接された定着体及び加圧体の少なくとも定着体に塗布される離型剤の塗布量を規制する塗布量規制機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
前記定着装置として、従来にあっては、互いに圧接された定着体及び加圧体の間に形成されたニップ部に未定着像を担持した記録媒体を通紙しながら、商用電源からの電力供給により発熱する加熱手段により前記記録媒体を加熱処理するという形態が、一般的である。
【0003】
定着体及び加圧体にあっては、定着処理後に残留物が生じることがあり、特に、転写紙の未定着像担持面に圧接される定着体にあっては、前記残留物の発生が顕著であった。
【0004】
そこで、従来にあっては、残留物の定着体からの離型性を向上する離型剤を定着体及び加圧体のうちの少なくとも定着体に塗布する離型剤塗布手段と、定着体における離型剤の塗布量を規制する塗布量規制体とを定着装置に備えることにより、定着体等からの残留物の離型性の向上が図られていた。
【0005】
塗布量規制体として、従来にあっては、例えば、図6に示すように、規制ブレード100が知られており、実用に供されている。尚、図6は、規制ブレード100の概略構成を示す模式的正面図である。
【0006】
規制ブレード100は、図6に示すように、薄板状の支持部材101と、定着体たる円筒状の回転自在な定着ローラ103の外周面に摺接することにより前記外周面への離型剤塗布量を規制する摺接部材102とを備えている。
【0007】
支持部材101は、一端部が定着装置の本体に支持され他端部が摺接部材102を固着されるようになっており、以て、支持部材101は、自身の撓み等から生じた応力を摺接部材102に付与することにより摺接部材102を定着ローラ103の外周面に摺接せしめるようになっている。
【0008】
よって、従来にあっては、支持部材101の撓み等から生じた応力により摺接部材102を定着体に摺接せしめ、以て、摺接部材102が定着ローラ103の外周面に摺接しながら定着体の過剰な離型剤を取り除くことにより、前記外周面における離型剤塗布量の規制が行われていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、規制ブレード100にあっては、支持部材101の撓み等から生じた応力の摺接部材102への付与のみにより摺接部材102を定着ローラ103の外周面に摺接せしめるようになっている。
【0010】
よって、摺接部材102の一端部たる摺接端部から定着ローラ103の外周面に付与される加圧値は、一端部と他端部とを結ぶ方向の垂直方向における分布を一様若しくはほぼ一様に維持せしめることが困難であった。
【0011】
そこで、本発明は、摺接部材の一端部たる摺接端部から定着体に付与される加圧値を一端部と他端部とを結ぶ方向の垂直方向に対して容易に一様若しくはほぼ一様に維持せしめることができる塗布量規制機構の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本出願に依れば、前記目的は、記録材に形成された未定着像をニップ部にて定着する定着体塗布された離型剤量を規制する摺接部材と、定着装置本体に一端部が支持され摺接部材が他端部に固着された薄板状の支持部材と、を有する塗布量規制機構において、摺接部材の摺接端部を定着体との間で挟み込むように加圧することにより、摺接部材の摺接端部から定着体へ加圧この摺接端部に亘って一様となるようこの加圧を調整するための調整部材を有することによって達成される。
【0026】
即ち、本発明にあっては、摺接部材の一端部たる摺接端部を定着体との間で挟み込むように加圧して定着体へ加圧が前記摺接端部に亘って一様となるよう調整部材により調整される。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下の添付図面に基づき本発明における実施の形態に関して説明する。
【0041】
(第一の実施形態)
先ず、本発明における第一の実施形態に関して図1乃至図3に基づき説明する。
【0042】
図1は、本実施形態の画像形成装置を好適に示す一例たるデジタル方式のフルカラーコピー機(以下、コピー機と略称する。)の概略構成を示す模式的断面図である。
【0043】
コピー機は、原稿Dの画像情報(原稿Dに描かれている文字等を含む。)を読み込んだのち、読み込んだ画像情報をイエロー、シアン、マゼンタ、及び、ブラックの各色毎に色分解するなどの画像処理を施して出力するようになっているデジタルカラー画像リーダ部I(以下、リーダ部と称する。)と、リーダ部Iからの各色毎の出力に応じて画像を形成したのち、各色毎に応じて形成された画像を記録媒体Pに重ねて担持せしめることにより原稿Dの画像情報に応じた画像を前記記録媒体P記録媒体Pに形成して記録するようになっているデジタルカラー画像プリンタ部II(以下、プリンタ部IIと略称する。)とに主に区分される。
【0044】
リーダ部Iは、原稿Dが配置される原稿台ガラス12a、紙面水平方向における一方光から他方向へと移動しながら原稿Dを露光走査する露光ランプ12b、露光ランプ12bの露光走査により原稿Dにおいて反射された反射光を更に規定方向に向けて反射する複数のミラー12c、複数のミラー12cからの反射光を集光するレンズ12d、及び、レンズ12dにより集光された前記反射光をイエロー、シアン、マゼンタ、及び、ブラックの各色毎に応じたカラー色分解画像信号を出力するフルカラーセンサ12e等から構成されている。
【0045】
又、リーダ部Iは、フルカラーセンサ12eから出力された各色毎のカラー色分解画像信号は、リーダ部Iを構成する増幅回路(図示せず)による増幅処理、及び、リーダ部Iを構成するビデオ処理ユニット(図示せず)による画像処理を施されたのち、プリンタ部IIに出力されるようになっている。
【0046】
プリンタ部IIには、円筒状若しくは略円筒状或いは円柱状若しくは略円柱状の回転自在な感光ドラム1と、リーダ部Iから出力された増幅処理及び画像処理済みのカラー色分解画像信号に応じた露光処理工程を行うことにより原稿Dの画像情報に応じた静電潜像を感光ドラム1の外周面に形成する露光装置3と、現像剤たるイエロートナー、シアントナー、マゼンタトナー、及び、ブラックトナーにより静電潜像を現像する現像装置4と、前記外周面に形成されたイエロートナー像、シアントナー像、マゼンタトナー像、及び、ブラックトナー像を記録媒体Pに転写せしめる転写装置5と、転写装置5に記録媒体Pを搬送するための給紙搬送部8と、未定着像を担持した記録媒体Pに定着処理を施す定着装置10と、定着処理済みの記録媒体Pがコピー機から排紙されて積載される排紙部11とが備えられている。
【0047】
プリンタ部IIに備えられた感光ドラム1は、アルミニウムを主成分とする円筒状若しくは略円筒状或いは円柱状若しくは略円柱状の基体1aの内周面にOPC(有機半導体)
が被覆されているなどにて構成されていると共に、コピー機の本体に設けられた駆動機構(図示せず)によりR1方向に回転駆動されるようになっている。
【0048】
感光ドラム1の周囲には、露光装置3による露光処理前に感光ドラム1の外周面を規定電位分布に帯電せしめる一次帯電器2と、一枚の記録媒体Pへの転写処理後において前記外周面の残留物を回収するクリーニング器6と、前記転写処理後において前記外周面を除電する前露光ランプ7とが配置されている。
【0049】
又、感光ドラム1の周囲には、矢印R1方向に対する一次帯電器2と現像装置4との間に感光ドラム1の外周面の電位分布を検知する電位センサSlが配置され、更に、矢印R1方向に対する現像装置4と転写装置5との間に前記外周面に形成されているトナー像の濃度を検知する濃度センサS2が配置されている。
【0050】
感光ドラム1の周囲に配置された一次帯電器2は、本実施形態にあっては、感光ドラム1に対面する部位に開口部が形成されたシールド2aと、シールド2aの内側において感光体ドラム1の軸線方向に平行に配置された放電ワイヤ2bと、前記開口部に取り付けられることにより感光ドラム1の外周面の電位分布を調整するグリッド2cとを備えていると共に、コピー機の外部に設けられた外部電源(図示せず)からバイアスを印加されることにより前記外周面を規定電位分布に帯電せしめるコロナ帯電器が採用されている。
【0051】
感光ドラム1の周囲に配置されたクリーニング器6は、一枚の記録媒体Pへの転写処理後における感光ドラム1の外周面の残留物を掻き取るためのクリーニングブレード6aと、クリーニングブレード6aにより掻き取られた残留物を回収するためのクリーニング容器6bとを有している。
【0052】
感光ドラム1の周囲に配置された前露光ランプ7は、矢印R1方向に対して一次帯電器2から上流側に配置されており、クリーニング器6による残留物の回収済みの感光ドラム1の外周面の不要な電荷を除電するようになっている。
【0053】
プリンタ部IIに備えられた露光装置3は、リーダ部Iから出力された増幅処理及び画像処理済みのカラー色分解画像信号に応じてレーザEを点滅するレーザ出力部(図示せず)と、レーザ出力部からのレーザEを規定方向に向けて反射する回転自在なポリゴンミラー3aと、ポリゴンミラー3aから反射されてきたレーザEを集光するレンズ3bと、レンズ3bにより集光されたレーザEを感光ドラム1に向けて反射するミラー3cとを備えており、本来施形態にあっては、原稿の画像に基づいて、イエロー、シアン、マゼンタ、及び、ブラックの各色に応じた静電潜像がこの順に感光ドラム1の外周面に形成するようになっている。
【0054】
プリンタ部IIに備えられた現像装置4は、イエロートナーを現像処理に供する現像器4Yと、シアントナーを現像処理に供する現像器4Cと、マゼンタトナーを現像処理に供する現像器4Mと、ブラックトナーを現像処理に供する現像器4Bk4個の現像器とを備えており、各現像器4Y、4C、4M、4Bkは、感光ドラム1の周囲においてRl方向対する上流側から順に配置されていると共に、各色に応じたトナーを担持して感光ドラム1の外周面に形成された各色対応の静電潜像に付着せしめるための外周面が形成された円筒状若しくは略円筒状或いは円柱状若しくは略円柱状の回転自在な現像スリーブ4aと、回動自在な偏心カム4bとを有しており、イエロートナーによる現像処理工程中にあっては、対応する現像器4Yの有する偏心カム4bにより現像器4Yの有する現像スリーブ4aを感光ドラム1の外周面に近接させ、一方、各現像器4C、4M、4Bkの有する現像スリーブ4aは感光ドラム1の外周面から離脱させることにより、各色毎に応じた現像処理工程を行うようになっている。
【0055】
プリンタ部IIに備えられた転写装置5は、記録媒体Pを担持するための外周面が形成された円筒状若しくは略円筒状の回転自在な転写ドラム5aと、感光ドラム1の外周面に形成されている各色毎のトナー像を前記記録媒体Pに転写する転写帯電器5bと、記録媒体Pを転写ドラム5aの外周面に吸着せしめる吸着帯電器5cと、転写ドラム5aを介して吸着帯電器5cに対面するよう配置された回転自在な吸着ローラ5dと、転写ドラム5a等を内側から帯電せしめる帯電器5eと、転写ドラム5a等を外側から帯電せしめる帯電器5fとを有している。
【0056】
転写装置5の有する転写ドラム5aは、コピー機の本体に設けられた駆動機構(図示せず)により矢印R5方向に回転駆動されるようになっており、転写ドラム5aの外周面に形成された開口部には誘電体を主成分とする記録媒体担持シート5gが前記外周面に一体的に張設されていることにより、前記外周面に記録媒体Pを担持せしめるようになっている。
【0057】
転写ドラム5aの外周面に一体的に張設された記録媒体担持シート5gは、本実施形態にあっては、ポリカーボネートフィルム等に代表される誘電体シートを採用している。
【0058】
又、転写ドラム5aの周囲には、転写処理済みの記録媒体Pを転写ドラム5aの外周面から分離せしめるための分離装置9が配置されており、分離装置9は、前記外周面に吸着している前記記録媒体Pを分離のために帯電せしめる分離帯電器9aと、前記外周面から前記記録媒体Pを分離せしめるための分離爪9bと、前記外周面から前記記録媒体Pを押し上げる分離押し上げころ9cとを有する。
【0059】
プリンタ部IIに備えられた給紙搬送部8は、記録媒体Pをサイズ毎に分類して積載収容する複数の給紙カセット8aと、記録媒体Pを各給紙カセット8aから取り出して転写装置5に向けて給紙する回転自在な給紙ローラ8bと、各給紙カセット8aからの記録媒体Pを所定のタイミング等にて転写装置5へと搬送する回転自在なレジストローラ8cとを有しており、以て、使用者等の設定に応じたサイズの記録媒体Pが給紙部8から転写装置5へと給紙され搬送されることとなる。
【0060】
プリンタ部IIに備えられた排紙部11は、記録媒体Pの搬送方向に対して定着器10の下流に配置されていると共に、定着処理済みの記録媒体Pの搬送を機内及び機外のいずれかに切り換える搬送パス切り換えガイド11aと、前記記録媒体Pを機外に排紙する回転自在な排出ローラ11bと、排紙ローラ11bによりコピー機から排紙された前記記録媒体Pを積載して支持する排紙トレイ11cと、一方の面が画像形成済みであって他方の面が画像形成される記録媒体P(以下、両面に画像形成される記録媒体Pと称する。)が通過するための搬送縦パス11dと、両面に画像形成される記録媒体Pを反転に備えて通過するための反転パス11eと、両面に画像形成される記録媒体Pを反転に備えて一旦積載するための積載部材11fと、両面に画像形成される記録媒体Pを再度の画像形成に備えて一旦収容するための中間トレイ11gと、搬送縦パス11dを通過している両面に画像形成される記録媒体Pを規定方向に搬送するための回転自在な搬送ローラ11h及び11iと、両面に画像形成される記録媒体Pを反転するための回転自在な反転ローラ11jとが配置されている。
【0061】
次に、コピー機における一連の画像形成工程の概略に関して説明する。尚、、以下の説明においては、イエロー、シアン、マゼンタ、及び、ブラックの順に4色フルカラーの画像を形成するという方法を採用するコピー機に関して説明することとする。
【0062】
先ず、リーダ部Iにおいて、原稿台ガラス12aに配置された原稿Dの画像情報は、露光ランプ12bの露光走査を経たのち、フルカラーセンサ12eから先ずイエローに応じた色分解画像信号(以下、イエロー画像信号と称する。)が、増幅回路による増幅処理及びビデオ処理ユニットによる画像処理等を経たのち露光装置3へと出力される。
【0063】
一方、プリンタ部IIにおいては、駆動機構により矢印Rl方向に回転駆動されている感光ドラム1の外周面が、所定のタイミング等にて一次帯電器2により規定電位分布に帯電せしめられたのち、リーダ部Iから出力されたイエロー画像信号に応じて露光手段3のレーザ出力部からレーザEが点滅されて、ポリゴンミラー3a等を介して前記外周面のうちの帯電処理済みの部位(以下、帯電領域と称する。)に露光されることにより、帯電領域は除電されて前記イエロー画像信号に応じた静電画像が形成される。
【0064】
次に、所定の現像処理を行うための位置(以下、現像位置と称する。)に現像器4Yが配置され、他の現像器4C,4M,4Bkは現像位置から退避されたのち、感光ドラム1の外周面においてイエロー画像信号に応じて形成された静電潜像が、現像器4Yのイエロートナーによりイエロートナー像に可視像化される。
【0065】
次に、原稿Dの画像情報に応じた画像が形成される記録媒体Pは、例えば、前記画像情報に適したサイズの記録媒体Pを収容する給紙カセット8aから給紙ローラ8b及びレジストローラ8c等を介して所定のタイミングで転写ドラム5aに搬送され、吸着帯電器5c及び吸着ローラ5d等により転写ドラム5aの外周面に巻き付けられると共に、転写ドラム5aが矢印R5方向に回転駆動されることにより、感光ドラム1の外周面に形成されたイエロートナー像が転写帯電器5bにより転写される。
【0066】
一方、転写処理後の感光ドラム1は、クリーニング器6による残留物回収及び前露光ランプ7によ除電が施されたのち、次にフルカラーセンサ12eから出力されるシアンに応じた色分解画像信号に基づく静電潜像形成に備えるために再度一次帯電器2により感光ドラム1の外周面が規定電位分布に帯電せしめられる。
【0067】
よって、リーダ部Iによる原稿Dの画像情報の読み込みから転写ドラム5aの外周面に担持された記録媒体Pへの転写処理に至るまでのプロセス、及び、一次帯電器2による感光ドラム1の外周面の規定電位分布への帯電処理から転写処理後における前記外周面の残留物回収及び除電に至るまでのプロセスが、シアン、マセンタ、及び、ブラックの各色に応じた色分解情報についても繰り返されることにより、4色のトナー像が同期して重なることにより得られた画像、即ち、原稿Dの画像情報に応じた画像が(以下、フルカラー画像と称する。)、転写ドラム5aの外周面に巻き付けられた記録媒体Pに担持されることとなる。
【0068】
未定着状態のフルカラー画像(以下、未定着像)が担持された記録媒体Pは、分離帯電器9a及び分離爪9b等により転写ドラム5aの外周面から分離されたのち、前記記録媒体Pの未定着像担持面を図における紙面上方に向けて定着装置10に搬送され、定着装置10における加熱及び加圧により定着処理が施される。
【0069】
次に、定着処理済みの記録媒体Pは、排出ローラ11b等により機外へと排紙されて排紙トレイ11c上に積載される、或いは、一方の面のみ画像形成済みであり他方の面に画像形成が行われるときにあっては、搬送パス切り換えガイド11a等により機内へと搬送される等により一旦反転パス11eに導かれ、次に、反転ローラ11jにより反転されて一旦中間トレイ11gに収容されたのち、再度、上述した一連の画像形成プロセスが繰り返されたのち、排紙トレイ11c上に積載される。
【0070】
一方、イエロー、シアン、マゼンタ、及び、ブラックの4色に亘る転写処理済みの記録媒体Pが外周面から分離された転写ドラム5aは、記録媒体担持シート5gへの粉体等の飛散や付着、及び、次に画像が形成される記録媒体Pへのオイル付着等を防止するために、記録媒体担持シート5gを介して相互に対向するファーブラシ13a、バックアップブラシ13b、回転自在なオイル除去ローラ14a、及び、バックアップブラシ14b等により清掃.が行われると共に、画像形成プロセス開始前、画像形成プロセス終了後、及び、紙詰まり発生時等においてもファーブラシ13a等による清掃が行われる。
【0071】
次に、プリンタ部IIに備えられている定着装置10に関して図2に基づき説明する。尚、図2は、定着装置10の概略構成を示す模式的断面図である。
【0072】
定着装置10は、図2に示すように、定着体たる円筒状若しくは略円筒状の回転自在な定着ローラ31と、加圧体たる円筒状若しくは略円筒状の回転自在な加圧ローラ32と、加熱手段たるハロゲンヒータ33,34(以下、ヒータ33,34と略称する。)と、温度検知体たるサーミスタ感温検知センサ35(以下、サーミスタ35と略称する。)と、塗布量規制体たるブレード状の規制ブレード36と、離型剤塗布手段たるオイル塗布機構37と、定着処理後における定着ローラ31の外周面の残留物を除去するためのクリーニング機構38と、加圧ローラ32の外周面の残留物を除去するためのクリーニングブレード39とを備えている。
【0073】
定着ローラ31は、アルミニウム等の金属を主成分とし円筒状若しくは略円筒状に成形された芯金31Aの外周面にHTV(高温加硫型)シリコーンゴムを主成分とする1mm厚のシリコーンゴム層31B及び特定付加型シリコーンゴムを主成分とするシリコーンゴム層31Cが積層されており、以て、定着ローラ31の外径値が60mmに採られている。
【0074】
加圧ローラ32は、アルミニウム等の金属を主成分とし円筒状若しくは略円筒状に成形された芯金32Aの外周面にHTVシリコーンゴムを主成分とするシリコーンゴム層32B及び特定付加型シリコーンゴムを主成分とする1mm厚のシリコーンゴム層32Cが積層されており、以て、加圧ローラ32の外径値が60mmに採られている。
【0075】
又、加圧ローラ32は、定着装置10の外部に設置された駆動機構から駆動力を付与されることにより所定周速度にて回転駆動されるようになっていると共に、前記外部に設置された加圧機構から加圧値約80kgにて加圧されることにより定着ローラ31に圧接されるようになっている。
【0076】
即ち、本実施形態にあっては、互いに定着ローラ31及び加圧ローラ32の間に未定着像を担持した記録媒体Pが通紙されるニップ部Nが形成されると共に、加圧ローラ32の回転に定着ローラ31が従動することにより、前記記録媒体Pのニップ部Nにおける通紙が行われる。
【0077】
ヒータ33は定着ローラ31に形成された中空部に配置され、一方、ヒータ34は加圧ローラ32に形成された中空部に配置されており、以て、ニップ部Nを通紙中の記録媒体Pを両面から加熱処理することにより、前記記録媒体Pに担持された未定着像が溶融して前記記録媒体Pに染み込むようになっている。
【0078】
本実施形態あっては、加圧ローラ32の外周面に当接して配置されたサーミスタ35の検知温度に応じて通電制御回路40が商用電源(図示せず)から各ヒータ33,34への通電を調整することにより、ニップ部N等の目標温度への昇温及び維持が図れている。
【0079】
即ち、本実施形態にあっては、サーミスタ35の検知温度が目標温度、例えば、170℃に維持されるよう通電制御回路40が商用電源から各ヒータ33,34への通電を制御するようになっている。
【0080】
オイル塗布機構37は、離型剤の一種たるシリコーンオイル(以下、オイルと略称する。)を定着ローラ31の外周面に塗布することにより、記録媒体Pに担持された未定着像等の前記外周面からの離型性を向上せしめるための機構である。
【0081】
オイル塗布機構37は、本実施形態にあっては、所定量のオイルを貯蔵可能なオイルパン37Aと、オイルパン37Aからオイルを汲み上げて定着ローラ31の外周面に滴下するポンプ手段(図示せず)とを備え、オイルパン37Aには、一端部たる摺接端部が前記外周面に摺接した規制ブレード36の他端部が浸入するよう配置されている。
【0082】
尚、図2にあっては、ポンプ手段におけるオイル滴下口が図示されている。
【0083】
即ち、本実施形態にあっては、定着ローラ31の外周面のうちの定着ローラ31の回転方向におけるオイル滴下口から下流側の部位に規制ブレード36の一端部たる摺接端部を摺接せしめることにより、規制ブレード36により前記外周面から除去されたオイルがオイルパン37Aに回収されるようになっている。
【0084】
又、本実施形態にあっては、定着ローラ31の外周面へのオイルの過剰な塗布規制をより効率的に行うために、前記外周面のうちのオイル滴下部位と規制ブレード36による摺接部位との間に位置する部位に過剰なオイルを吸収するためのフェルト41が当接して配置されている。
【0085】
クリーニング機構38は、定着ローラ31の外周面における残留物を除去するための帯状のウエブ38Aと、ウエブ38Aの一面を前記外周面に摺接せしめるための回転自在な押圧ローラ38Bと、ウエブ38Aを送り出すための回転自在な送出ローラ38Cと、ウエブ38Aを巻き取るための巻取ローラ38Dとを備えている。
【0086】
即ち、本実施形態にあっては、定着処理後における定着ローラ31及び加圧ローラ32の各外周面の残留物がクリーニング機構38及びクリーニングブレード39により除去されたのち、定着ローラ31の外周面のうちの残留物が除去された部位にオイル塗布機構37からオイルが塗布されることにより、次の記録媒体Pへの定着処理に備えるようになっている。
【0087】
次に、規制ブレード36の概略構成に関して図3に基づき説明する。尚、図3は、規制ブレード36の概略構成を示す図であって、(A)は、規制ブレード36の概略構成を示す模式的正面図であり、一方、(B)は、規制ブレード36の概略構成を示す模式的側面図である。
【0088】
規制ブレード36は、図3(A)に示すように、鉄等の金属を主成分とし定着装置10の本体に一端部が支持される薄板状の支持部材42と、支持部材42の他端部に固着されることにより定着ローラ31の外周面に摺接して過剰なオイルを前記外周面から取り除く摺接部材43と、加圧値調整部材たる板バネ44とを備えている。
【0089】
摺接部材43は、本実施形態にあっては、フッ素ゴム等の弾性素材を主成分とし、摺接部材43の一端部たる摺接端部は、一端部と他端部とを結ぶ方向に対して側方に位置する両側部位43A,43Aが、前記両側部位間に位置する中間部位43Bより前記方向に突出する形状に成形されている。
【0090】
即ち、本実施形態にあっては、摺接部材43により定着ローラ31の外周面から取り除かれたオイルが摺接部材43の一端部たる摺接端部と前記外周面との隙間から漏れ出すのを防止するようになっている。
【0091】
板バネ44は、図3(B)に示すように、支持部材42への取り付けのための取付部位44Aと、摺接部材43を定着ローラ31の外周面にむけて一様に押圧するための押圧部位44Bと、取付部位44A及び押圧部位44Bを繋ぐ山状部位44Cとから構成されている。
【0092】
即ち、本実施形態にあっては、山状部位44Cから押圧部位44Bに付与される弾性応力により板バネ44が摺接部材43を定着ローラ31の外周面に向けて一様に押圧し、以て、摺接部材43の一端部たる摺接端部前記外周面へ付与される加圧値が前記摺接端部に亘り一様となるようになっている。
【0093】
よって、本実施形態にあっては、摺接部材43の一端部たる摺接端部から定着ローラ31の外周面へ付与される加圧値が前記摺接端部に亘り一様となるよう板バネ44により摺接部材43が前記外周面に向けて押圧されるので、前記加圧値を一端部と他端部とを結ぶ方向の垂直方向に対して容易に一様に維持せしめることができ、以て、前記摺接端部及び前記外周面の隙間をオイルが通過してしまうことなく前記外周面におけるオイルの塗布量規制の適正化を容易に図ることができる。
【0094】
(第二の実施形態)
次に、本発明における第二の実施形態に関して図4に基づき説明する。尚、本実施形態及び第一の実施形態の共通箇所は同符号を付与して説明を省略する。
【0095】
図4は、本実施形態の加圧値調整部材を好適に示す一例たる板バネ45の概略構成を示す模式的側面図であって、(A)は板バネ45が摺接部材43を定着ローラ31の外周面に向けて押圧している状態を示す状態図であり、一方、(B)は、板バネ45による摺接部材43の前記外周面への押圧が解除された状態を示す図である。
【0096】
板バネ46は、支持部材42に回動自在に支持された回動部位45Aと、摺接部材43を定着ローラ31の外周面にむけて一様に押圧するための押圧部位45Bと、回動部位45A及び押圧部位45Bを繋ぐ山状部位45Cとから構成されている。
【0097】
本実施形態にあっては、摺接部材43の一端部たる摺接端部から定着ローラ31の外周面に付与される加圧値をサーミスタ感温検知センサ35(以下、サーミスタ35と略称する。)の検知温度に応じて板バネ45が調整するよう設定されている。
【0098】
即ち、図4に示すように、一端部が押圧部位45Aに取り付けられた伸縮アーム46をサーミスタ35の検知温度に応じて解除ソレノイド47が伸縮することにより、摺接部材43の一端部たる摺接端部から定着ローラ31の外周面に付与される加圧値を調整するよう設定されている。
【0099】
更に、詳述すると、本実施形態にあっては、予め定められたしきい値をサーミスタ35の検知温度が上回るときには、解除ソレノイド47が伸縮アーム46を伸ばすことにより板バネ45の押圧部位45Bを摺接部材43に押圧せしめ、一方、前記しきい値を前記検知温度が下回るときには、解除ソレノイド47が伸縮アーム46を縮めることにより押圧部位45Bを摺接部材43から離脱せしめるようになっている。
【0100】
よって、本実施形態にあっては、第一の実施形態と同様の効果が得られると共に、定着ローラ31の昇温が充分でないときに定着ローラ31の外周面に冷え固まった残留物と摺接部材43との摺接により摺接部材43が摩耗するのを防ぐことができるという利点が得られる。
【0101】
(第三の実施形態)
次に、本発明における第三の実施形態に関して図5に基づき説明する。尚、本実施形態及び第一の実施形態の共通箇所は同符号を付与して説明を省略する。
【0102】
図5は、本実施形態の加圧値調整部材を好適に示す一例たる板バネ48の概略構成を示す模式的側面図であって、(A)は板バネ48が摺接部材43を定着ローラ31の外周面に向けて押圧している状態を示す状態図であり、一方、(B)は、板バネ48による摺接部材43の前記外周面への押圧が解除された状態を示す図である。
【0103】
板バネ48は、互いに熱膨張率の異なる金属を主成分とする二つの薄板状体49,50が積層されているバイメタルであって、薄板状体49の熱膨張率が薄板状体50の熱膨張率より大きくなるよう配置選択されている。
【0104】
即ち、本実施形態にあっては、板バネ48及びその近傍の昇温により各薄板状体49,50が夫々の熱膨張率にて熱膨張して変形し、以て、板バネ48及びその近傍が所定温度を上回ると同時若しくはほぼ同時に、板バネ48が摺接部材43に向けて変形して摺接部材43を定着ローラ31の外周面に向けて押圧するようになっている。
【0105】
よって、本実施形態にあっては、第一の実施形態と同様の効果が得られると共に、第二の実施形態より簡易な構成により第二の実施形態と同様の利点が得られる。
【0106】
尚、第一乃至第三の実施形態にあっては、前記実施形態を好適に示す画像形成装置の一例としてコピー機を例示したが、前記画像形成装置は、これに限定されるものではなく、他に有効な例として、例えば、レーザビームプリンタ及び複写機等が挙げられるのは言うまでもない。
【0107】
又、第一乃至第三の実施形態にあっては、定着体の離型剤の塗布量を規制する塗布量規制体のみを説明したが、加圧体の離型剤の塗布量を規制する塗布量規制体として第一乃至第三の実施形態と同様の構成等にすることにより、第一から第三の実施形態に亘る効果及び利点が得られるのは言うまでもない。
【0108】
【発明の効果】
以上にて説明してきたように、本発明に依れば、摺接部材の一端部たる摺接端部を定着体との間で挟み込むように加圧して定着体へ加圧が前記摺接端部に亘って一様となるよう調整部材により調整されるので、前記加圧を一端部と他端部とを結ぶ方向の垂直方向に対して容易に一様に維持せしめることができ、以て、摺接端部及び定着体の隙間を離型剤が通過してしまうことなく定着体における離型剤の塗布量規制の適正化を容易に図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本出願に係る第一の実施形態の画像形成装置の概略構成を示す模式的断面図である。
【図2】図1に示す定着装置の概略構成を示す模式的断面図である。
【図3】図2に示す規制ブレードの概略構成を示す図であって、(A)は、規制ブレードの概略構成を示す模式的正面図であり、一方、(B)は、規制ブレードの概略構成を示す模式的側面図である。
【図4】本出願に係る第二の実施形態の板バネの概略構成を示す模式的側面図であって、(A)は板バネが摺接部材を定着ローラの外周面に向けて押圧している状態を示す状態図であり、一方、(B)は、板バネによる摺接部材の前記外周面への押圧が解除された状態を示す図である。
【図5】本出願に係る第三の実施形態の板バネの概略構成を示す模式的側面図であって、(A)は板バネが摺接部材を定着ローラの外周面に向けて押圧している状態を示す状態図であり、一方、(B)は、板バネによる摺接部材の前記外周面への押圧が解除された状態を示す図である。
【図6】従来の規制ブレードの概略構成を示す模式的正面図である。
【符号の説明】
10 定着装置
31 定着ローラ(定着体)
32 加圧ローラ(加圧体)
33 ハロゲンヒータ(加熱手段)
34 ハロゲンヒータ(加熱手段)
35 サーミスタ感温検知センサ(温度検知体)
36 規制ブレード(塗布量規制体)
37 オイル塗布機構(離型剤塗布手段)
38 クリーニング機構
39 クリーニングブレード
40 通電制御回路
41 フェルト
42 支持部材
43 摺接部材
44 板バネ(加圧値調整部材)
45 板バネ(加圧値調整部材)
46 伸縮アーム
47 解除ソレノイド
48 板バネ(加圧値調整部材)
49 薄板状体
50 薄板状体
100 規制ブレード(塗布量規制体)
101 支持部材
102 摺接部材
103 定着ローラ(定着体)
37A オイルパン
38A ウエブ
38B 押圧ローラ
38C 送出ローラ
38D 巻取ローラ
43A 両側部位
43B 中間部位
44A 取付部位
44B 押圧部位
44C 山状部位
45A 回動部位
45B 押圧部位
45C 山状部位
N ニップ部
P 記録媒体

Claims (1)

  1. 記録材に形成された未定着像をニップ部にて定着する定着体塗布された離型剤量を規制する摺接部材と、定着装置本体に一端部が支持され摺接部材が他端部に固着された薄板状の支持部材と、を有する塗布量規制機構において、摺接部材の摺接端部を定着体との間で挟み込むように加圧することにより、摺接部材の摺接端部から定着体へ加圧この摺接端部に亘って一様となるようこの加圧を調整するための調整部材を有することを特徴とする塗布量規制機構
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