JP3618893B2 - 抵抗網、抵抗網を用いた参照電圧発生回路及びこれらを用いたa/dコンバータ - Google Patents

抵抗網、抵抗網を用いた参照電圧発生回路及びこれらを用いたa/dコンバータ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、抵抗網を用いてアナログ/ディジタル変換(以下A/D変換という。)の基準となる参照電圧を生成する参照電圧発生回路、及びこの参照電圧発生回路を有するA/Dコンバータに関するものであり、特に、誤差の少ない均一な電位差を持つ複数の参照電圧を発生するための抵抗網、抵抗網を用いた参照電圧発生回路、及び抵抗網を用いた参照電圧発生回路を有するA/Dコンバータ(以下ADCという。)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の抵抗網で形成される参照電圧発生回路を有するADCの構成の概要を図14に示す。図14において、1は抵抗網を用いて構成され基準電圧(Vrb,Vrt)を抵抗分割して参照電圧を生成する参照電圧発生回路、2は参照電圧発生回路1の参照電圧と入力電圧(Vin)との大小関係を判定するコンパレータアレー、3はコンパレータアレー2の比較結果をディジタルコードにするためのロジック部である。
【0003】
抵抗網は、基準電圧Vrb,Vrtが与えられる電源端子4,5の間に、正規の単位抵抗素子を直列に接続して形成される。MビットのADCには、2個の正規の単位抵抗素子が必要である。以下単位抵抗素子を単に抵抗素子という。多ビットのADCでは、Mの値が大きくなると、抵抗網のサイズを縮小するため、しばしば、図15に示すように数個〜十数個の正規の抵抗素子R〜Rを一つのブロックとして、これらのブロックB〜B毎にN回折り返して抵抗網が形成される。一つのブロックは、複数の正規の抵抗素子R〜Rを一直線上に等間隔に配置するとともに直列に接続して構成した正規の直列抵抗体よりなる。上位桁と下位桁とに分けて複数回の比較によりA/D変換を行う場合、例えば、上位と下位とに2つに分けて比較を行う場合には、各ブロックB〜B間には上位桁の比較を行うためにそれぞれタップ6が設けられ、各正規の抵抗素子R〜R間には下位桁の比較を行うためにそれぞれタップ7が設けられる。
【0004】
一般的に、多ビットのADCでは、この種の抵抗網において生成される単位参照電圧(1LSB)が非常に小さくなる。例えば、10ビットADCの参照電圧発生回路に印加する基準電圧の差(Vrt−Vrb)が1Vの場合、1LSBは1/1024V、つまりほぼ1mVと非常に小さな値となる。この参照電圧が正確に生成されないとADCにおいて十分な精度を有する変換を行うことができない。すなわち、変換精度を向上させるには、参照電圧発生回1を構成している正規の抵抗素子の抵抗値の精度をよくすればよい。
また、多ビットのADCでは比較時の電荷の流出入により、参照電圧がS字状の誤差を持つ。図20は、10ビット精度のADCについて、変換速度が20MS/s、全正規の抵抗素子の抵抗値が500Ω、各電圧比較器の入力容量が4pFの場合における、S字状の誤差の状況を示すグラフである。図20において、縦軸にタップ電圧のパーセント誤差をとり、横軸に正規の抵抗素子の位置をとっている。
【0005】
このS字状の誤差は、正規の抵抗素子全体の抵抗値に比例する。このS字状の誤差を低減する手段として、しばしば、図21に示すように抵抗網に並列に、抵抗値の小さいインターメッシュ抵抗素子IR〜IRが挿入される。インターメッシュ抵抗素子IRは、ブロックBの正規の抵抗素子Rの端子のうちで正規の抵抗素子Rが接続されている端子の反対の端子と、ブロックBの正規の抵抗素子Rの端子のうちで正規の抵抗素子Rが接続されている端子の反対の端子との間に接続される。インターメッシュ抵抗素子IRは、ブロックBの正規の抵抗素子Rの端子のうちで正規の抵抗素子Rが接続されている端子の反対の端子と、図示を省略しているブロックBの正規の抵抗素子Rの端子のうちで正規の抵抗素子Rが接続されている端子の反対の端子との間に接続される。このように奇数番目のブロックと偶数番目のブロックの正規の抵抗素子Rの端子間に接続し、このような構成をブロックBN−1とブロックBまで繰り返し形成する。
この時、インターメッシュ抵抗素子の接続ノードと抵抗網の接続ノードとの間(AとBの間、A´とB´の間など)で電圧値を一致させるために、ノード間の抵抗網の抵抗値(各正規の抵抗素子間の配線の抵抗も含む。)の比とインターメッシュ抵抗素子の抵抗値(ノード間の配線の抵抗も含む。)の比を、一定に制御せねばならない。例えば、抵抗網の各ノード間の抵抗値の比が、2:1:1:…:1:2であれば、各インターメッシュ抵抗素子の両端のノード間の抵抗値の比も2:1:1:…:1:2と合わせねばならない。ブロックBとBのノード間、及びブロックBN−1とBのノード間以外は、同一パターンの繰り返しで設計されるため、比率を合わせることは容易だが、両端に関しては設計パターンが異なるため、つまりブロックB,Bの外側にはそれらのブロックと同じパターンの正規の抵抗素子が存在しないため、比率を合わせることが困難である。このため、ノードAとB、ノードA´とB´との間で電圧値が一致せず、参照電圧の精度が低下していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の抵抗網を用いた参照電圧発生回路は、図15のように構成された抵抗網を用いており、各正規の抵抗素子を同一形状に形成しようとしても、各ブロックの配置の粗密の違いにより、抵抗網の両端のブロックB,Bと内側のブロックB〜BN−1とで、正規の抵抗素子の仕上がりが均一にならない。そして、単位面積当たりの正規の抵抗素子数が少なくなる配置の粗なブロックB,Bの正規の抵抗素子、つまり片側にしか他のブロックが存在しないようなブロックの正規の抵抗素子は、配置の密なブロックB〜BN−1の正規の抵抗素子、つまりその両側に他のブロックが存在するブロックのの抵抗素子より太く仕上がる。
そのため、各ブロックB〜Bの抵抗値は、ブロックB,BがブロックB〜BN−1より大きくなる。このような抵抗網を用いて参照電圧を発生させると、抵抗網の一方端のブロックBで内側のブロックB〜BN−1より大きな電圧上昇が起き、他方端のブロックBで内側のブロックB〜BN−1より大きな電圧降下が起こる。本来は、図16に示した点線のように抵抗数の増加に比例して抵抗値が増加し、抵抗値の増加に比例して参照電圧も増加するものである。しかし、ブロックB,Bの抵抗値が他のブロックより大きいために、図16に示す実線のように折れ曲がっている。この参照電圧の誤差は、図17のようなADCの出力の積分非直線性(INL)の原因となっていた。ただし、図17はINLを模式的に示したもので、量子化誤差やノイズによる誤差は示していない。
各ブロック内の両端の正規の抵抗素子R,Rと内側の正規の抵抗素子R〜RL−1との間でも、同様の現象が観測される。この場合もやはり、各ブロックB〜Bの両端の正規の抵抗素子R,Rの抵抗値が、内側の正規の抵抗素子R〜RL−1よりも大きくなり、参照電圧と正規の抵抗素子数との関係が比例関係にならない。そのため、図18に示すように、各正規の抵抗素子の端子に現れる参照電圧の値は、理想分布からずれる。この誤差は、図19に示すように、各ブロック単位でADCの出力を観た場合のINLの原因となる。ただし、図19に示したINLも模式的に示されたもので、量子化誤差やノイズによる誤差は示されていない。
【0007】
また、従来のインターメッシュ抵抗素子を伴う抵抗網を用いる参照電圧発生回路は、図21のような抵抗網を用いており、一般的に、ブロックBとインターメッシュ抵抗素子IRとの接続ノードとブロックBとインターメッシュ抵抗素子IRとの接続ノード間の抵抗値、及びブロックBN−1とインターメッシュ抵抗素子IRとの接続ノードとブロックBとインターメッシュ抵抗素子IRとの接続ノード間の抵抗値(抵抗網とインターメッシュ抵抗素子の合成抵抗)が、ブロックB〜BN−2のような内側のブロックとインターメッシュ抵抗素子との接続ノード間の抵抗値よりも大きくなる。この場合の参照電圧の分布を、図22に示す。この場合、ブロックBとBに関する前述のノード間、及びブロックBN−1とBに関する前述のノード間で合成抵抗値が大きくなっているため、参照電圧分布は、電源電圧Vrbが与えられる第1の電源端子4からノードAまでは理想分布より大きく、ノードA´から電源電圧Vrtが与えられる第2の電源端子5までは、理想分布より小さくなる。この結果、ADCは、電源電圧Vrbに近い低い電圧を変換するとき、参照電圧が理想的な値よりも高くなっているため、実際の入力電圧Vinの値より小さな値を示すコードを出力する場合が発生する。そして、電源電圧VrbとVrtの中間電圧に近づくにつれてこのような誤動作は発生し難くなる。さらに、電源電圧Vrtに近い高い電圧を変換するとき、参照電圧が理想的な値よりも低くなっているため、実際の入力電圧Vinの値より大きな値を示すコードを出力する場合が発生する。図23にこの場合に対応するINLの概念図を示す。ただし、量子化誤差やノイズによる誤差は示していない。
【0008】
この発明は上記の問題点を解消するためになされてもので、多ビットのA/Dコンバータにおいてよく使用される、上記のような抵抗網を有する参照電圧発生回路が出力する参照電圧の精度を高めることを目的としている。また同時に、ADCにおける出力の積分非直線性を低減することも目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る抵抗網は、半導体基板に設けられた第1及び第2の電源端子と、前記半導体基板上に、それぞれ直線状に並べて配設されるとともに直列に接続された複数の正規の抵抗素子を有し、前記第1及び第2の電源端子間に直列に接続され、相互にほぼ同一形状をした正規の直列抵抗体を複数備え、複数の前記正規の直列抵抗体は、端部を揃えてほぼ等間隔かつほぼ平行に配置されており、前記正規の直列抵抗体が平行配置されている領域の両配置方向側の前記半導体基板上に、前記正規の直列抵抗体とほぼ平行に、かつ両端に配置された前記正規の直列抵抗体に対し各々前記正規の直列抵抗体相互の間隔とほぼ同じ間隔を持つように配設され、前記正規の直列抵抗体とほぼ同一形状の第1及び第2のダミー直列抵抗体をさらに備えて構成される。
【0010】
第2の発明に係る抵抗網は、半導体基板に設けられた第1及び第2の電源端子と、前記半導体基板上に、それぞれ直線状に並べてほぼ等間隔に配置されるとともに前記第1及び第2の電源端子を結ぶ電流経路中において直列に接続され相互にほぼ同一の形状を持つ複数の正規の抵抗素子を有する正規の直列抵抗体と、前記正規の抵抗素子の直線状の並びの両方向の延長線上に、それぞれ、前記正規の直列抵抗体の直線状の並びの両端に配置された前記正規の抵抗素子に対し前記正規の抵抗素子相互の間隔とほぼ同じ間隔を持つように配設され、前記正規の抵抗素子とほぼ同一の形状を持つ第1及び第2のダミー抵抗素子とを備え、前記正規の直列抵抗体は、相互にほぼ同一形状を有し、端部を揃えて等間隔かつほぼ平行に配置され、前記第1及び第2の電源端子間に直列に接続された複数の正規の直列抵抗体を含み、複数の前記正規の直列抵抗体が平行配置されている領域の両配置方向側の前記半導体基板上に、前記正規の直列抵抗体とほぼ平行に、かつ両端に配置された前記正規の直列抵抗体に対し各々前記正規の直列抵抗体相互の間隔とほぼ同じ間隔を持つように配設され、前記正規の直列抵抗体とほぼ同一形状の第1及び第2のダミー直列抵抗体をさらに備えて構成される。
【0013】
第3の発明に係る抵抗網は、半導体基板に設けられた第1及び第2の電源端子と、前記半導体基板上に、それぞれ直線状に並べてほぼ等間隔に配置されるとともに前記第1及び第2の電源端子を結ぶ電流経路中において直列に接続され相互にほぼ同一の形状を持つ複数の正規の抵抗素子を有し、相互にほぼ同一形状を持ち、端部を揃えて等間隔かつほぼ平行に配置され、前記第1及び第2の電源端子間に直列に接続された複数の正規の直列抵抗体と、前記複数の正規の直列抵抗体の全体を囲むように前記半導体基板上に形成された環状のダミーブロックとを備え、前記ダミーブロックは、前記複数の正規の直列抵抗体が平行配置されている領域の両配置方向側では、前記正規の直列抵抗体とほぼ平行に、かつ両端に配置された前記正規の直列抵抗体に対し各々前記正規の直列抵抗体相互の間隔とほぼ同じ間隔を持つように配置されるとともに、前記正規の抵抗素子の直線状の並びの両延長線方向側では、それぞれ、前記正規の直列抵抗体の直線状の並びの両端に配置された前記正規の抵抗素子に対し前記正規の抵抗素子相互の間隔とほぼ同じ間隔を持つように配設され、前記複数の正規の直列抵抗体が平行配置されている領域の両配置方向側では、前記正規の抵抗素子幅以上の幅を持つとともに、前記正規の抵抗素子の直線状の並びの両延長線方向側では、前記正規の抵抗素子の長さ以上の幅を持ち、前記直列抵抗体と同じ材料で同時に形成され、前記ダミーブロックは、接地されていることを特徴とする。
【0015】
の発明に係る抵抗網を用いた参照電圧発生回路は、半導体基板上に設けられ、第1及び第2のノードを所定の電圧にすることを目的として第3及び第4のノードに所定の電圧を印加するために第1及び第2の電源電圧が供給される第1及び第2の電源端子と、前記半導体基板上に配設され、前記第1のノードと前記第2のノードとの間に直列に接続された所定の数の正規の抵抗素子を有する複数の正規の直列抵抗体と、前記半導体基板上に設けられ、複数の前記正規の直列抵抗体の両端部を、各々接続する複数のインターメッシュ抵抗素子と、一つの前記正規の直列抵抗体が有する前記正規の抵抗素子と同数のダミー抵抗素子を有し、複数の前記正規の直列抵抗体の形成領域の一方側の前記半導体基板上に、前記第1のノードと前記第3のノードとの間に接続された第1のダミー直列抵抗体と、一つの前記正規の直列抵抗体が有する前記正規の抵抗素子と同数のダミー抵抗素子を有し、複数の前記正規の直列抵抗体の形成領域の他方側の前記半導体基板上に、前記第2のノードと前記第4のノードとの間に接続された第2のダミー直列抵抗体と、前記第1のノードと前記第3のノードとの間に接続された第1のダミーインターメッシュ抵抗素子と、前記第2のノードと前記第4のノードとの間に接続された第2のダミーインターメッシュ抵抗素子とを備えて構成される。
【0016】
の発明に係る抵抗網を用いた参照電圧発生回路は、第の発明の参照電圧発生回路において、前記第1の電源端子に接続された非反転入力端子、前記第1のノードに接続された反転入力端子、及び前記第3のノードに接続された出力端子を持つ第1の演算増幅器と、前記第2の電源端子に接続された非反転入力端子、前記第2のノードに接続された反転入力端子、及び前記第4のノードに接続された出力端子を持つ第2の演算増幅器とをさらに備えて構成される。
【0017】
の発明に係る参照電圧発生回路は、第の発明の参照電圧発生回路において、前記第1の電源端子に接続された反転入力端子、前記第1のノードに接続された非反転入力端子、及び出力端子を持つ第1の演算増幅器と、前記第1の演算増幅器の前記出力端子に接続された制御電極、前記第1の電源電圧とは異なる第3の電源電圧が与えられる第1の電流電極、及び前記第3のノードに接続された第2の電流電極を持つ第1のトランジスタと、前記第2の電源端子に接続された反転入力端子、前記第2のノードに接続された非反転入力端子、及び出力端子を持つ第2の演算増幅器と、前記第1の演算増幅器の前記出力端子に接続された制御電極、前記第2の電源電圧とは異なる第4の電源電圧が与えられる第1の電流電極、及び前記第4のノードに接続された第2の電流電極を持つ第2のトランジスタとをさらに備えて構成される。
【0018】
の発明に係るA/Dコンバータは、第1ないし第の発明の抵抗網を用いて発生した参照電圧、または第ないし第の発明の抵抗網を用いた参照電圧発生回路が発生した参照電圧を使用して、アナログ信号からディジタル信号への変換を行うことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1よる抵抗網について説明する。図1はこの発明の実施の形態1による抵抗網の構成を示す平面図である。図1において、6は上位桁のA/D変換を行うための参照電圧を出力するタップ、7は下位桁のA/D変換を行うための参照電圧を出力するタップ、8は各正規の抵抗素子R〜R間の配線、10,11は各ブロックB〜Bの配置領域の両側に設けられたダミーブロックである。これらブロックB〜Bを含む抵抗網及びダミーブロックは一つの半導体基板上に形成されている。ブロックBに含まれる正規の直列抵抗体は、その一方端を第1の電源端子4に接続し、他方端が隣接するブロックBの正規の直列抵抗体の他方端に接続している。ブロックBに含まれる正規の直列抵抗体は、その一方端を第2の電源端子5に接続し、他方端を隣接するブロックBN−1の正規の直列抵抗体の他方端に接続している。偶数番目のブロックB〜BN−2にそれぞれ含まれる正規の直列抵抗体は、その一方端を右側のブロックに含まれる正規の直列抵抗体の一方端に接続し、その他方端を左側のブロックに含まれる正規の直列抵抗体の他方端に接続している。なお、これら各ブロックB〜Bに含まれる正規の直列抵抗体とダミーブロック10,11のダミー直列抵抗体の一方端及び他方端の位置及び各抵抗素子の位置は上下方向について揃えられている。
ダミーブロック10,11は、正規の抵抗素子と同一形状にすべく同じプロセスで同時に形成されたダミー抵抗素子を、ダミー抵抗素子12間を接続する配線13で直列に接続したダミー直列抵抗体で構成される。ダミー抵抗素子12は、他のブロックB〜Bを構成する正規の抵抗素子R〜Rが沿って並んでいる直線と平行に、かつダミー抵抗素子12よりなるダミー直列抵抗体とブロックBの正規の抵抗素子R〜Rよりなる正規の直列抵抗体との間隔が各ブロックを構成している正規の直列抵抗体相互の間隔aと同じになるように配置される。また、ダミー抵抗素子12相互の間隔は、隣接する正規の抵抗素子R〜R相互の間隔と同じになるように各ブロックB〜B,10,11が配置されている。
【0020】
これにより、実際の参照電圧を生成する抵抗網の各ブロックB〜Bは、全て同じ混雑度で配置される。各ブロックB〜Bより左右方向を見たときの光景が同じになり、つまり、どのブロックB〜Bの左右にも同じブロックB〜Bまたはダミーブロック10,11が配置されることとなる。さらに詳しくいえば、各正規の抵抗素子R〜Rの左右にほぼ同じ形状の抵抗素子が配置され、抵抗素子R〜Rを結ぶ配線8の左右にもほぼ同じような配線8または13が設けられていることになる。そのため、抵抗網を構成している各正規の抵抗素子の形状が均一に仕上がり、正確な抵抗分割が行われるため、図2に示すように参照電圧が理想分布に近づく。この結果、従来、抵抗網の両端に近い付近で発生していた抵抗値の誤差が改善される。
【0021】
なお、上記実施の形態1では、正規の抵抗素子R〜Rを等間隔に配置し、それに合わせて、ダミー抵抗素子12を等間隔に配置したものを示したが、ダミーブロック10,11に含まれる正規の直列抵抗体と、ブロックB〜Bに含まれる正規の直列抵抗体の形状がほぼ同一であればよく、それらを構成する正規の抵抗素子R〜Rあるいはダミー抵抗素子12が等間隔に配置されていなくてもよい。なお、ここで形状がほぼ同一とはプロセス等における誤差による多少の変形は同一とみなすことを意味している。
【0022】
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2よる抵抗網について説明する。図3はこの発明の実施の形態2による抵抗網の構成を示す平面図である。図3において、20,21は各ブロックB〜Bを構成している正規の抵抗素子R〜Rの並びの延長上でかつ各ブロックB〜Bの直列抵抗体の両端の外側に配設された複数のダミー抵抗素子22を含むダミー抵抗素子群であり、その他図1と同一符号の部分は図1の同一符号部分に相当するものである。
【0023】
各ダミー抵抗素子22は、それらに隣接する正規の抵抗素子R,Rから、正規の抵抗素子R〜Rがそれぞれ隣接する正規の抵抗素子との間で有する間隔bと同じ間隔を有するように配設される。
【0024】
これにより、各ブロック内の正規の抵抗素子R〜Rは、全て同じ混雑度で配置される。各正規の抵抗素子R〜Rより上下方向を見たときの光景が同じになり、つまり、全ての正規の抵抗素子R〜Rの上下に正規の抵抗素子R〜Rまたはダミー抵抗素子22が配置されることとなる。そのため、抵抗網を構成している各正規の抵抗素子R〜Rの形状が均一に仕上がり、正確な抵抗分割が行われるため、図4に示すように各ブロックB〜B内の参照電圧がそれぞれ理想分布に近づく。この結果、従来、正規の直列抵抗体の両端に近い付近、例えば正規の抵抗素子RやRで発生していた抵抗値の誤差が改善される。
なお、実施の形態1と実施の形態2とを組み合わせて用いることもでき、その場合には、ブロック間及びブロック内の正規の抵抗素子間の抵抗値の均一性を同時に向上させることができる。
また、上記の実施の形態2による抵抗網の説明では、ブロック間隔が均一な場合について説明したが、ブロック間隔が均一でない場合でも、上記実施の形態と同様に正規の抵抗素子間の抵抗値の均一性を向上することができる。
さらに、図5に示すように、インターメッシュ抵抗素子IR〜IRを用いるものについても適用できる。この場合には、ダミー抵抗素子群20はインターメッシュ抵抗素子IR〜IRと正規の抵抗素子Rとの間に配置される。
この時、図6に示すように、インターメッシュ抵抗素子の働きとダミー抵抗素子の働きを兼用する正規の抵抗素子を設けてもよい。図6において、23はダミー抵抗素子とインターメッシュ抵抗素子の働きを兼ねる素子である。これらの素子23は、インターメッシュ抵抗素子を分割して、ダミー抵抗として働くような形状としたものである。しかし、素子23の抵抗値は、インターメッシュ抵抗素子として働くように低く設定されている。このように構成することによって、抵抗網の占有面積を小さくすることができる。
【0025】
実施の形態3.
次に、この発明の実施の形態3による抵抗網について説明する。図7はこの発明の実施の形態3による抵抗網の構成を示す平面図である。図7において、10A,10Bは正規の直列抵抗体を含むブロックB〜Bの配置領域の両側に設けられたダミーブロックであり、その他図1と同一符号のものは図1の同一符号部分に相当する部分である。
ダミーブロック10A,11Aは、抵抗素子R〜Rと同一の材料で形成されている。例えば、抵抗素子R〜Rがポリシリコンで形成されていれば、ダミーブロック10A,11Aも同じポリシリコンで形成される。そして、ダミーブロック10A,11Aは、抵抗素子R〜Rと同時に形成される。
また、ダミーブロック10A,11Aは、各抵抗素子R〜Rの幅W1以上の幅W2を持つように形成されている。また、ダミーブロック10A,11Aは、正規の直列抵抗体の長さL1以上の長さL2を持つように形成されている。
【0026】
このことから、実際の参照電圧を生成する抵抗網の各ブロックB〜Bは、擬似的に全て同じ混雑度で配置される。各ブロックB〜Bより左右方向を見たときの光景がほぼ同じになり、つまり、どのブロックB〜Bの左右にも同じブロックB〜Bまたはダミーブロック10A,11Aが配置されることとなる。
そのため、抵抗網を構成している各正規の抵抗素子の形状が均一に仕上がり、正確な抵抗分割が行われるため、図2に示すように参照電圧が理想分布に近づく。この結果、従来、抵抗網の両端に近い付近で発生していた抵抗値の誤差が改善される。
【0027】
実施の形態4.
次に、この発明の実施の形態4による抵抗網について説明する。図8はこの発明の実施の形態4による抵抗網の構成を示す平面図である。図8において、13は正規の直列抵抗体を含むブロックB〜Bの配置領域の周囲に設けられた環状のダミーブロックであり、その他図1と同一符号のものは図1の同一符号部分に相当する部分である。
【0028】
ダミーブロック13は、抵抗素子R〜Rと同一の材料で形成されている。例えば、抵抗素子R〜Rがポリシリコンで形成されていれば、ダミーブロック13も同じポリシリコンで形成される。そして、ダミーブロック13は、抵抗素子R〜Rと同時に形成される。
また、ダミーブロック13は、ブロックB〜Bの配置領域の両側において、各抵抗素子R〜Rの幅W1以上の幅W3を持つように形成されている。
【0029】
このことから、実際の参照電圧を生成する抵抗網の各ブロックB1〜BNは、擬似的に全て同じ混雑度で配置される。各ブロックB1〜BNより左右方向を見たときの光景がほぼ同じになり、つまり、どのブロックB1〜BNの左右にも同じブロックB1〜BNまたはダミーブロック13が配置されることとなる。そのため、抵抗網を構成している各正規の抵抗素子の形状が均一に仕上がり、正確な抵抗分割が行われるため、図2に示すように参照電圧が理想分布に近づく。この結果、従来、抵抗網の両端に近い付近で発生していた抵抗値の誤差が改善される。
【0030】
さらに、ダミーブロック13は、それに隣接する正規の抵抗素子R,Rから、正規の抵抗素子R〜Rがそれぞれ隣接する正規の抵抗素子との間で有する間隔bと同じ間隔bを有するように配設される。そして、ダミーブロック13は、抵抗素子R〜Rの並びの両延長方向において、抵抗素子R〜Rの長さL3以上の幅W4を有する。
【0031】
これにより、各ブロック内の正規の抵抗素子R〜Rは、擬似的に全て同じ混雑度で配置される。各正規の抵抗素子R〜Rより上下方向を見たときの光景がほぼ同じになり、つまり、全ての正規の抵抗素子R〜Rの上下に正規の抵抗素子R〜Rまたはダミーブロック13が配置されることとなる。そのため、抵抗網を構成している各正規の抵抗素子R〜Rの形状が均一に仕上がり、正確な抵抗分割が行われるため、図4に示すように各ブロックB〜B内の参照電圧がそれぞれ理想分布に近づく。この結果、従来、正規の直列抵抗体の両端に近い付近、例えば正規の抵抗素子RやRで発生していた抵抗値の誤差が改善される。
【0032】
ダミーブロック13は、グランドに接地される。そして、ダミーブロック13によって、抵抗網以外で発生するノイズの抵抗網に与える影響が緩和される。これにより、この抵抗網を、例えば、図14に示したA/Dコンバータに参照電圧発生回路1として組み込んだときには、抵抗網は精度の良い参照電圧を発生できるので、さらなるA/Dコンバータの高精度化が可能になる。
【0033】
実施の形態5.
次に、この発明の実施の形態5よる抵抗網について説明する。図9はこの発明の実施の形態5による抵抗網の構成を示す平面図である。図9において、6は上位桁のA/D変換を行うための参照電圧を出力するタップ、7は下位桁のA/D変換を行うための参照電圧を出力するタップ、Sr〜Srは一つの直線上に並べられ直列に接続された複数の正規の抵抗素子F〜Fとその直線と平行な直線上に並べられ直列に接続された複数の正規の抵抗素子G〜Gとを有しそれらの一端を接続することによって複数の正規の抵抗素子F〜F,G〜GをU字型に直列に接続した正規の直列抵抗体、DS,DSは一つの直線上に並べられ直列に接続された複数のダミー抵抗素子30〜30とその直線と平行な直線上に並べられ直列に接続された複数のダミー抵抗素子31〜31とを有しそれらの一端を接続することによって複数のダミー抵抗素子30〜30,31〜31をU字型に直列に接続したダミー直列抵抗体、32はノードn1とノードn3との間に接続されたダミーインターメッシュ抵抗素子、33はノードn2とノードn4との間に接続されたダミーインターメッシュ抵抗素子、IR〜IRは正規の直列抵抗体Sr〜Srそれぞれの両端を接続するインターメッシュ抵抗である。
正規の直列抵抗体Sr及びSrは、複数の正規の直列抵抗体Sr〜Srのうちの端に設けられている正規の直列抵抗体である。ノードn1は、正規の直列抵抗体Srの正規の抵抗素子Fの端子のうち隣接する正規の抵抗素子Fに接続されていない方の端子と、ダミー直列抵抗体DSのダミー抵抗素子31の端子のうちダミー抵抗素子31に接続されていない方の端子とに接続されている接続ノードである。ノードn2は、正規の直列抵抗体Srの正規の抵抗素子Fの端子のうち隣接する正規の抵抗素子Fに接続されていない方の端子と、ダミー直列抵抗体DSのダミー抵抗素子31の端子のうちダミー抵抗素子31に接続されていない方の端子とに接続されている接続ノードである。ノードn3は、第1の電源端子4´とダミーインターメッシュ抵抗素子32とダミー直列抵抗体DSのダミー抵抗素子30とが接続された接続ノードである。ノードn4は、第2の電源端子5´とダミーインターメッシュ抵抗素子33とダミー直列抵抗体DSのダミー抵抗素子31とが接続された接続ノードである。
正規の直列抵抗体Sr〜Srの隣接する正規の抵抗素子間の間隔は、各正規の直列抵抗体Sr〜Srを構成している第1の直線上に並んだ正規の抵抗素子F〜Fと第2の直線上に並んだ正規の抵抗素子G〜Gとの間隔cと同じである。また、各正規の抵抗素子F〜Fにおける隣接する素子相互の間隔及び正規の抵抗素子G〜Gにおける隣接する素子相互の間隔並びにダミー抵抗素子30〜30における隣接する素子相互の間隔及びダミー抵抗素子31〜31における隣接する素子相互の間隔は、同じに設定されている。このように設定するのは、各正規の直列抵抗体Sr〜Sr及びダミー直列抵抗体DS,DSを同一形状に形成することが容易であるためであり、これら正規の直列抵抗体Sr〜Sr及びダミー直列抵抗体DS,DSをほぼ同一形状に形成するのであれば、正規の抵抗素子F〜F,G〜G及びダミー抵抗素子30〜30,31〜31を等間隔に配置する必要はない。ただし、正規の抵抗素子F〜Fからなる直列抵抗体と正規の抵抗素子G〜Gからなる直列抵抗体は、互いが同じ抵抗値を有するように構成するために、相互にほぼ同一形状に形成されている。
【0034】
図9に示すように電源電圧Vrb,Vrtが印加される電源端子の外側に、ダミーインターメッシュ抵抗32,33及びダミー直列抵抗体DS,DSを追加する。そして、第1の電源電圧である擬基準電圧Vrb´(<Vrb)が供給される第1の電源端子4´にダミーインターメッシュ抵抗素子32の他方端を接続する。また、第2の電源電圧である擬基準電圧Vrt´(>Vrt)が供給される第2の電源端子5´にダミーインターメッシュ抵抗素子33の他方端を接続する。ダミー直列抵抗体DSのダミー抵抗素子30の端子のうちダミー抵抗素子30に接続されていない方の端子を第1の電源端子4´に接続する。
【0035】
この時、電源電圧Vrb´,Vrt´の電圧値は、抵抗網の本来の電源端子として基準電圧が印加されるノードn1,n2が基準電圧Vrb,Vrtになるように調整される。ノードn1,n2間に接続された抵抗網は、全て同一パターンの繰り返しとなるため、各ノード間の抵抗値の比率を合わせることが容易になる。そのため、例えば、ノードAとB間及びノードA´とB´間の電位差を従来より小さくでき、抵抗網が発生する参照電圧の精度を高めて、参照電圧の誤差を低減することができる。
【0036】
この場合にも、実施の形態2で説明したように、図10に示すような正規の抵抗素子F〜Fの並びの延長線上、及び正規の抵抗素子G〜Gの並びの延長線上に配設された複数のダミー抵抗素子40を配設してもよく、実施の形態2と同様の効果を奏する。
また、実施の形態2で説明したように、図11に示すようなインターメッシュ抵抗素子の働きとダミー抵抗素子の働きを兼用する正規の抵抗素子を設けてもよい。図11において、45a,45bはダミー抵抗素子とインターメッシュ抵抗素子の働きを兼ねる素子である。これらの素子45a,45bは、図10に示したインターメッシュ抵抗素子IRを分割して、ダミー抵抗として働くような形状としたものである。しかし、素子45a,45bの抵抗値は、インターメッシュ抵抗として働くように低く設定されるとともに、2つの抵抗素子45a,45bで一つのインターメッシュ抵抗素子として働くように設定されている。このように構成することによって、抵抗網の占有面積を小さくすることができる。
【0037】
図9に示した参照電圧発生回路では、基準電圧になっていなければならないノードn1,n2の電圧値をモニタしながら、擬基準電圧である電源電圧Vrb´,Vrt´の値を調整しなければならない。その調整を行わなくなもよいように改良したのが、図12に示す参照電圧発生回路である。図12において、50は第1の電源端子4に接続した非反転入力端子とノードn1に接続した反転入力端子とノードn3に接続した出力端子を有する演算増幅器、51は第2の電源端子5に接続された非反転入力端子とノードn2に接続された反転入力端子とノードn4に接続された出力端子とを有する演算増幅器であり、その他の図9と同一符号の部分は、図9の同一符号部分に相当する部分である。
このように接続された演算増幅器50,51の反転入力端子と非反転入力端子とはイマジナリーショートとなるため、ノードn1は電源端子4と同じ電圧Vrbとほぼ等しくなり、ノードn2は電源端子5と同じ電圧Vrtとほぼ等しくなる。この時、ノードn3には演算増幅器50の出力端子から電圧Vrb´が与えられ、ノードn4には演算増幅器51の出力端子から電圧Vrt´が与えられる。
演算増幅器50,51がノードn3,n4に出力する電圧を調整するため、ノードn3,n4の電圧を参照電圧発生回路の外部から調整する必要がなくなり、図9に示した参照電圧発生回路に比べて取り扱いが容易になる。
【0038】
また、図13に示す参照電圧発生回路も、図9に示した参照電圧発生回路に対し図12に示した参照電圧発生回路が持っていると同様の利点を持つ。図13において、60は第1の電源端子4に接続された反転入力端子とノードn1に接続された非反転入力端子とこれら入力端子間の電位差を増幅して出力するための出力端子とを有する演算増幅器、61は接地電位を与える第3の電源端子64に接続されたソースとノードn3に接続されたドレインと演算増幅器60の出力端子に接続されたゲートを有するNチャネルMOSトランジスタ、62は第2の電源端子5に接続された反転入力端子とノードn2に接続された非反転入力端子とこれら入力端子間の電位差を増幅して出力するための出力端子を有する演算増幅器、63は電源電圧Vddを与える第4の電源端子65に接続されたソースと演算増幅器62の出力端子に接続されたゲートとノードn4に接続されたドレインとを有するPチャネルMOSトランジスタであり、その他図9と同一符号のものは図9の同一符号部分に相当する部分である。演算増幅器60,62の出力にトランジスタ61,63を入れることで、図12に示した演算増幅器50,51に比べて演算増幅器60,62のサイズを小さくできる。これは、演算増幅器60,62がトランジスタ61,63をドライブするだけでノードn3,n4の電圧を制御できるためである。なお、トランジスタ61,63は、飽和領域で動作するようにサイズが最適化されるのが望ましい。
【0039】
なお、図12,図13に示した参照電圧発生回路においても、実施の形態1のダミーブロック10,11を用いることができる。また、実施の形態2のダミー抵抗素子群20,21を用いることができる。また、これらを組み合わせて用いることもできる。
【0040】
実施の形態6.
次に、この発明の実施の形態6によるADCについて説明する。図14に示した従来のADCの構成のうち、抵抗網1の構成に、図1、図7または図8に示した抵抗網の構成を用いることができる。この場合には、上位桁の変換におけるINLが改善される。
また、図14に示した従来のADCの構成のうち、抵抗網1の構成に、図3、図5、図6または図8に示した抵抗網の構成を用いることができる。この場合には、下位桁の変換におけるINLが改善される。
また、図14に示した従来のADCの構成のうち、抵抗網1の構成に、図9ないし図13のいずれかに記載した参照電圧発生回路を用いることができる。この場合には、インターメッシュ抵抗素子によって発生するノードAとBの間、ノードA´とB´の間での電圧値の不一致を解消することができる。
【0041】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載の発明の抵抗網によれば、正規の直列抵抗体が平行配置されている領域の両配置方向側の半導体基板上に、正規の直列抵抗体とほぼ平行に、かつ両端に配置された正規の直列抵抗体に対し各々正規の直列抵抗体相互の間隔とほぼ同じ間隔を持つように配設され、正規の直列抵抗体とほぼ同一形状の第1及び第2のダミー直列抵抗体を備えて構成されているので、複数の正規の直列抵抗体のうち、両端に配置された正規の直列抵抗体の両側にもほぼ同じ形状の直列抵抗体が配置されることとなり、抵抗網を構成している各正規の抵抗素子の形状を、どの正規の直列抵抗体間で比較しても均一に仕上がっており、正確な抵抗分割が行われる。そのため、抵抗網で発生することができる参照電圧が理想分布に近づき、抵抗網の両端に近い正規の直列抵抗体が他の正規の直列抵抗体より高い抵抗値を持つという誤差を改善することができるという効果がある。
【0042】
請求項2記載の発明の抵抗網によれば、正規の抵抗素子の直線状の並びの両方向の延長線上に、それぞれ、正規の直列抵抗体の直線状の並びの両端に配置された正規の抵抗素子に対し正規の抵抗素子相互の間隔とほぼ同じ間隔を持つように配設され、正規の抵抗素子とほぼ同一の形状を持つ第1及び第2のダミー抵抗素子を備えて構成されているので、複数の正規の抵抗素子のうち、両端に配置された正規の抵抗素子の両側にも同じ形状の抵抗素子が配置されることとなり、抵抗網を構成している各正規の抵抗素子の形状が均一に仕上がり、正確な抵抗分割が行われる。そのため、抵抗網で発生することができる参照電圧が理想分布に近づき、直列抵抗体の両端に近い正規の抵抗素子が他の抵抗素子より高い抵抗値を持つという誤差を改善することができるという効果がある。
更に、複数の正規の直列抵抗体が平行配置されている領域の両配置方向側の半導体基板上に、正規の直列抵抗体とほぼ平行に、かつ両側に配置された正規の直列抵抗体に対し各々正規の直列抵抗体相互の間隔とほぼ同じ間隔を持つように配設され、正規の直列抵抗体とほぼ同一形状の第1及び第2のダミー直列抵抗体を備えて構成されているので、複数の正規の直列抵抗体のうち、両端に配置された正規の直列抵抗体の両側にも同じ形状の直列抵抗体が配置されることとなり、抵抗網を構成している各正規の抵抗素子の形状を、どの正規の直列抵抗体間で比較しても均一に仕上がっており、正確な抵抗分割が行われる。そのため、請求項2の発明の効果に加えて、抵抗網で発生することができる参照電圧が理想分布に近づき、抵抗網の両端に近い正規の直列抵抗体が他の正規の直列抵抗体より高い抵抗値を持つという誤差を改善することができるという効果がある。
【0045】
請求項3記載の発明の抵抗網によれば、複数の正規の直列抵抗体の全体を囲むように半導体基板上に形成された環状のダミーブロックを、複数の正規の直列抵抗体が平行配置されている領域の両配置方向側では、正規の直列抵抗体とほぼ平行に、かつ両端に配置された正規の直列抵抗体に対し各々正規の直列抵抗体相互の間隔とほぼ同じ間隔を持つように配置するとともに、正規の抵抗素子の直線状の並びの両延長線方向側では、それぞれ、正規の直列抵抗体の直線状の並びの両端に配置された正規の抵抗素子に対し正規の抵抗素子相互の間隔とほぼ同じ間隔を持つように配設し、複数の正規の直列抵抗体が平行配置されている領域の両配置方向側では、正規の抵抗素子幅以上の幅を持つとともに、正規の抵抗素子の直線状の並びの両延長線方向側では、正規の抵抗素子の長さ以上の幅を持ち、直列抵抗体と同じ材料で同時に形成するようにしたので、ダミーブロックによって、複数の正規の抵抗素子のうち、両端に配置された正規の抵抗素子の両側にも同じ形状の抵抗素子が配置されたのと同じ状況を擬似的につくり出すことができ、抵抗網を構成している各正規の抵抗素子の形状が均一に仕上がり、正確な抵抗分割が行われるため、抵抗網で発生することができる参照電圧が理想分布に近づき、直列抵抗体の両端に近い正規の抵抗素子が他の抵抗素子より高い抵抗値を持つという誤差を改善することができるという効果がある。更に、接地されているダミーブロックが、正規の直列抵抗体の配置領域を囲うことになるので、直列抵抗体以外で発生したノイズが直列抵抗体に与える影響を減少させることができる。
【0047】
請求項記載の発明の参照電圧発生回路によれば、一つの前記正規の直列抵抗体が有する正規の抵抗素子と同数のダミー抵抗素子を有し、複数の正規の直列抵抗体の形成領域の一方側の半導体基板上に、第1のノードと第3のノードとの間に接続された第1のダミー直列抵抗体と、一つの正規の直列抵抗体が有する正規の抵抗素子と同数のダミー抵抗素子を有し、複数の正規の直列抵抗体の形成領域の他方側の半導体基板上に、第2のノードと第4のノードとの間に接続された第2のダミー直列抵抗体と、第1のノードと第3のノードとの間に接続された第1のダミーインターメッシュ抵抗素子と、第2のノードと第4のノードとの間に接続された第2のダミーインターメッシュ抵抗素子を備えて構成されているので、第1及び第2のノード間に接続された抵抗網は、全て同一パターンの繰り返しとなるため、各ノード間の抵抗値の比率を合わせることが容易になる。そのため、互いに接続されるインターメッシュ抵抗間のノードと正規の直列抵抗体間のノードとの電位差を従来より小さくでき、抵抗網が発生する参照電圧の精度を高めることができるという効果がある。
【0048】
請求項記載の発明の参照電圧発生回路によれば、第1の電源端子に接続された非反転入力端子、第1のノードに接続された反転入力端子、及び第3のノードに接続された出力端子を持つ第1の演算増幅器と、第2の電源端子に接続された非反転入力端子、第2のノードに接続された反転入力端子、及び第4のノードに接続された出力端子を持つ第2の演算増幅器を備えて構成されているので、第1及び第2の電源端子に、第1及び第2のノードに印加されていなければならない所定の電圧を第1及び第2の電源電圧として直接与えるため、電圧の種類を制限でき、取り扱いが容易になるという効果がある。また、第1及び第2の演算増幅器が第3及び第4のノードに出力する電圧を調整するため、第3及び第4のノードの電圧を参照電圧発生回路の外部から調整する必要がなくなり、取り扱いが容易になるという効果がある。
【0049】
請求項記載の発明の参照電圧発生回路によれば、請求項記載の発明の参照電圧発生回路に対し、第1の演算増幅器の出力によりドライブされ、第3のノードの電圧を制御するための第1のトランジスタと、第2の演算増幅器の出力によれドライブされ、第4のノードの電圧を制御するための第2のトランジスタとを備えて構成されているので、請求項記載の発明の効果に加えて、第1及び第2の演算増幅器を小型化することができるという効果がある。
【0050】
請求項記載の発明のA/Dコンバータによれば、請求項1ないし請求項のいずれかに記載の抵抗網を用いて発生した参照電圧、または請求項ないし請求項のいずれかに記載の抵抗網を用いた参照電圧発生回路が発生した参照電圧を使用するので、アナログ信号からディジタル信号への変換を行う際の積分非直線性を改善することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による抵抗網の構成を示す平面図である。
【図2】図1に示した抵抗網で発生する参照電圧と抵抗素子の位置との関係を示すグラフである。
【図3】この発明の実施の形態2による抵抗網の構成を示す平面図である。
【図4】図3に示した抵抗網の一ブロック内の参照電圧分布と抵抗素子の位置との関係を示すグラフである。
【図5】この発明の実施の形態2の第2の態様による抵抗網の構成を示す平面図である。
【図6】この発明の実施の形態2の第3の態様による抵抗網の構成を示す平面図である。
【図7】この発明の実施の形態3による抵抗網の構成を示す平面図である。
【図8】この発明の実施の形態4による抵抗網の構成を示す平面図である。
【図9】この発明の実施の形態5による参照電圧発生回路の構成を示す平面図である。
【図10】この発明の実施の形態5の第2の態様による参照電圧発生回路の構成を示す平面図である。
【図11】この発明の実施の形態5の第3の態様による参照電圧発生回路の構成を示す平面図である。
【図12】この発明の実施の形態5の第4の態様による参照電圧発生回路の構成を示す平面図である。
【図13】この発明の実施の形態5の第5の態様による参照電圧発生回路の構成を示す平面図である。
【図14】抵抗網を用いる参照電圧発生回路を有するADCの構成の概要を示すブロック図である。
【図15】従来の抵抗網の構成を示す平面図である。
【図16】図15に示した抵抗網が発生する参照電圧と抵抗素子の位置との関係を示すグラフである。
【図17】図15の抵抗網を適用したADCの出力の積分非直線性を示すグラフである。
【図18】図15に示した抵抗網の一ブロック内の参照電圧分布と抵抗素子の位置との関係を示すグラフである。
【図19】図15の抵抗網を適用したADCの一ブロック内の積分非直線性を示すグラフである。
【図20】従来の抵抗網のS字状の誤差を示すグラフである。
【図21】従来のインターメッシュ抵抗素子を用いる参照電圧発生回路の構成を示す平面図である。
【図22】図21に示した参照電圧発生回路のタップ位置と参照電圧との関係を示すグラフである。
【図23】図21に示した参照電圧発生回路を使用したADCの出力の積分非直線を示すグラフである。
【符号の説明】
1 参照電圧発生回路、2 コンパレータアレイ、3 ロジック部、4,5 電源端子、6,7 タップ、8 配線、10,11,10A,11A,13 ダミーブロック、20,21 ダミー抵抗素子群、Sr〜Sr 直列抵抗体、DS,DS ダミー直列抵抗体、R〜R,F〜F,G〜G 正規の抵抗素子、30〜30,31〜31,40,45a,45b ダミー抵抗素子、32,33 ダミーインターメッシュ抵抗素子、50,51,60,62 演算増幅器。

Claims (7)

  1. 半導体基板に設けられた第1及び第2の電源端子と、
    前記半導体基板上に、それぞれ直線状に並べて配設されるとともに直列に接続された複数の正規の抵抗素子を有し、前記第1及び第2の電源端子間に直列に接続され、相互にほぼ同一形状をした正規の直列抵抗体を複数備え、
    複数の前記正規の直列抵抗体は、端部を揃えてほぼ等間隔かつほぼ平行に配置されており、
    前記正規の直列抵抗体が平行配置されている領域の両配置方向側の前記半導体基板上に、前記正規の直列抵抗体とほぼ平行に、かつ両端に配置された前記正規の直列抵抗体に対し各々前記正規の直列抵抗体相互の間隔とほぼ同じ間隔を持つように配設され、前記正規の直列抵抗体とほぼ同一形状の第1及び第2のダミー直列抵抗体をさらに備える、抵抗網。
  2. 半導体基板に設けられた第1及び第2の電源端子と、
    前記半導体基板上に、それぞれ直線状に並べてほぼ等間隔に配置されるとともに前記第1及び第2の電源端子を結ぶ電流経路中において直列に接続され相互にほぼ同一の形状を持つ複数の正規の抵抗素子を有する正規の直列抵抗体と、
    前記正規の抵抗素子の直線状の並びの両方向の延長線上に、それぞれ、前記正規の直列抵抗体の直線状の並びの両端に配置された前記正規の抵抗素子に対し前記正規の抵抗素子相互の間隔とほぼ同じ間隔を持つように配設され、前記正規の抵抗素子とほぼ同一の形状を持つ第1及び第2のダミー抵抗素子と
    を備え、
    前記正規の直列抵抗体は、相互にほぼ同一形状を有し、端部を揃えて等間隔かつほぼ平行に配置され、前記第1及び第2の電源端子間に直列に接続された複数の正規の直列抵抗体を含み、
    複数の前記正規の直列抵抗体が平行配置されている領域の両配置方向側の前記半導体基板上に、前記正規の直列抵抗体とほぼ平行に、かつ両端に配置された前記正規の直列抵抗体に対し各々前記正規の直列抵抗体相互の間隔とほぼ同じ間隔を持つように配設され、前記正規の直列抵抗体とほぼ同一形状の第1及び第2のダミー直列抵抗体をさらに備える、抵抗網。
  3. 半導体基板に設けられた第1及び第2の電源端子と、
    前記半導体基板上に、それぞれ直線状に並べてほぼ等間隔に配置されるとともに前記第1及び第2の電源端子を結ぶ電流経路中において直列に接続され相互にほぼ同一の形状を持つ複数の正規の抵抗素子を有し、相互にほぼ同一形状を持ち、端部を揃えて等間隔かつほぼ平行に配置され、前記第1及び第2の電源端子間に直列に接続された複数の正規の直列抵抗体と、
    前記複数の正規の直列抵抗体の全体を囲むように前記半導体基板上に形成された環状のダミーブロックとを備え、
    前記ダミーブロックは、
    前記複数の正規の直列抵抗体が平行配置されている領域の両配置方向側では、前記正規の直列抵抗体とほぼ平行に、かつ両端に配置された前記正規の直列抵抗体に対し各々前記正規の直列抵抗体相互の間隔とほぼ同じ間隔を持つように配置されるとともに、前記正規の抵抗素子の直線状の並びの両延長線方向側では、それぞれ、前記正規の直列抵抗体の直線状の並びの両端に配置された前記正規の抵抗素子に対し前記正規の抵抗素子相互の間隔とほぼ同じ間隔を持つように配設され、
    前記複数の正規の直列抵抗体が平行配置されている領域の両配置方向側では、前記正規の抵抗素子幅以上の幅を持つとともに、前記正規の抵抗素子の直線状の並びの両延長線方向側では、前記正規の抵抗素子の長さ以上の幅を持ち、
    前記直列抵抗体と同じ材料で同時に形成され
    前記ダミーブロックは、接地されていることを特徴とする、抵抗網。
  4. 半導体基板上に設けられ、第1及び第2のノードを所定の電圧にする ことを目的として第3及び第4のノードに所定の電圧を印加するために第1及び第2の電源電圧が供給される第1及び第2の電源端子と、
    前記半導体基板上に配設され、前記第1のノードと前記第2のノードとの間に直列に接続された所定の数の正規の抵抗素子を有する複数の正規の直列抵抗体と、
    前記半導体基板上に設けられ、複数の前記正規の直列抵抗体の両端部を、各々接続する複数のインターメッシュ抵抗素子と、
    一つの前記正規の直列抵抗体が有する前記正規の抵抗素子と同数のダミー抵抗素子を有し、複数の前記正規の直列抵抗体の形成領域の一方側の前記半導体基板上に、前記第1のノードと前記第3のノードとの間に接続された第1のダミー直列抵抗体と、
    一つの前記正規の直列抵抗体が有する前記正規の抵抗素子と同数のダミー抵抗素子を有し、複数の前記正規の直列抵抗体の形成領域の他方側の前記半導体基板上に、前記第2のノードと前記第4のノードとの間に接続された第2のダミー直列抵抗体と、
    前記第1のノードと前記第3のノードとの間に接続された第1のダミーインターメッシュ抵抗素子と、
    前記第2のノードと前記第4のノードとの間に接続された第2のダミーインターメッシュ抵抗素子とを備える、抵抗網を用いた参照電圧発生回路
  5. 前記第1の電源端子に接続された非反転入力端子、前記第1のノードに接続された反転入力端子、及び前記第3のノードに接続された出力端子を持つ第1の演算増幅器と、
    前記第2の電源端子に接続された非反転入力端子、前記第2のノードに接続された反転入力端子、及び前記第4のノードに接続された出力端子を持つ第2の演算増幅器と
    をさらに備える、請求項4記載の抵抗網を用いた参照電圧発生回路。
  6. 前記第1の電源端子に接続された反転入力端子、前記第1のノードに接続された非反転入力端子、及び出力端子を持つ第1の演算増幅器と、
    前記第1の演算増幅器の前記出力端子に接続された制御電極、前記第1の電源電圧とは異なる第3の電源電圧が与えられる第1の電流電極、及び前記第3のノードに接続された第2の電流電極を持つ第1のトランジスタと、
    前記第2の電源端子に接続された反転入力端子、前記第2のノードに接続された非反転入力端子、及び出力端子を持つ第2の演算増幅器と、
    前記第1の演算増幅器の前記出力端子に接続された制御電極、前記第2の電源電圧とは異なる第4の電源電圧が与えられる第1の電流電極、及び前記第4のノードに接続された第2の電流電極を持つ第2のトランジスタ
    をさらに備える、請求項記載の抵抗網を用いた参照電圧発生回路。
  7. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の抵抗網を用いて発生した参照電圧、または請求項4ないし請求項6のいずれかに記載の抵抗網を用いた参照電圧発生回路が発生した参照電圧を使用して、アナログ信号からディジタル信号への変換を行うことを特徴とする、A/Dコンバータ
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP7048821B2 (ja) 2018-10-01 2022-04-05 サルヴァニーニ イタリア エッセ.ピ.ア. 打抜き装置のための油圧運転システム

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