JP3618566B2 - 乗員検知装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用の乗員シートに乗員が着座しているか否かを検知する乗員検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、助手席用エアバックの装着拡張に伴い、エアバック装着の確実な効果を生むために、シートベルトの併用が義務付けられている中、乗員検知による助手席用シートベルトウォーニングが装着され始めている。
【0003】
従来の乗員検知装置としては、シート内に組み込まれた着座シート方式が主流であり、例えば、特開昭62−227829号公報に記載された乗員検出装置が知られている。
【0004】
この乗員検出装置では、図15(a)に示すように車両の乗員シート101のシートフレーム102上に圧力センサ(感圧センサ)103を設け、図15(b)に示すように、シート101のシート座面104に乗員が着座して荷重が加わると、圧力センサ103が圧力を感知して乗員の存在を検知している。
【0005】
また、超音波センサを用いた乗員検出装置も考案されており、従来のこの種の乗員検出装置としては、例えば、特開平9−156438号公報、特開平9−295552号公報、特開平9−315263号公報、特開平9−30362号公報、特開平9−66796号公報に記載されたものが知られている。
【0006】
特開平9−156438号公報、特開平9−295552号公報、特開平9−315263号公報に記載された乗員検出装置にあっては、例えば、図16に示すように、車体側に取り付けられた超音波発生器110によって椅子の上方空間に定常波113を発生させ、その定常波113の発生領域内に超音波受信器112を配置し、椅子に座る乗員の動きに伴う超音波受信器112の出力の変化に基づいて乗員の存在を検出している。
【0007】
また、特開平9−30362号公報、特開平9−66796号公報に記載された乗員検出装置にあっては、超音波センサから超音波を乗員に向けて送波し、該乗員から反射されてくる反射超音波を超音波センサで受信して、超音波の送信時刻と受信時刻との差分時間に基づき、超音波センサから乗員までの距離を測定し、その測定結果や距離の変化から乗員の存在を判定している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開昭62−227829号公報に記載された従来の乗員検出装置にあっては、圧力センサに乗員の体重が直接かかるため、圧力センサへの負担が大きく劣化しやすい。また、子供等の体重の軽い乗員が着座した場合やシートの端に着座する等、着座の状態により、乗員を検知することができない場合もあった。
【0009】
また、特開平9−156438号公報、特開平9−295552号公報、特開平9−315263号公報、特開平9−30362号公報、特開平9−66796号公報に記載された超音波センサを用いた乗員検出装置にあっては、超音波センサ側に、超音波発振回路及び超音波受信回路を設けなければならず、乗員検出装置の回路構成が複雑になり、コストが高くなるという問題があった。
【0010】
本発明は、簡単な構成で且つ安価で乗員の検知精度を向上することができる乗員検知装置を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成とした。請求項1の発明は、車両内の乗員シートに乗員が着座しているか否かを検知する乗員検知装置において、音声周波数帯の電気信号を発生する発振器と、前記乗員を検知するための検知動作開始信号を入力したときに前記発振器に電気信号を発生させる発振制御部と、前記発振器で発生した電気信号を音波に変換するスピーカと、前記発振器の前記スピーカへの接続とオーディオ機器の前記スピーカへの接続とを切替え、前記検知動作開始信号を入力したときに前記発振器を前記スピーカに接続させる切替器と、前記スピーカで変換された音波を直接的に受信して音波信号を出力し、前記乗員が前記乗員シートに着座しているときに前記スピーカで変換された音波られ、前記音波信号の出力レベルが小さくなる集音器と、この集音器で出力された前記音波信号の出力レベルに基づき前記乗員が前記乗員シートに着座しているか否かを判定する判定部とを備えることを特徴とする。
【0012】
請求項1の発明によれば、発振制御部が、乗員を検知するための検知動作開始信号を入力したときに発振器に音声周波数帯の電気信号を発生させ、切替器は、検知動作開始信号を入力したときに発振器をスピーカに接続させるため、スピーカが、発振器で発生した電気信号を音波に変換する。また、集音器は、発生した音波を直接的に受信して音波信号を出力し、乗員が乗員シートに着座しているときに音波られ、出力される音波信号は小さくなる。判定部は、集音器で出力された音波信号の出力レベルに基づき乗員が乗員シートに着座しているか否かを判定するので、簡単な構成で確実に乗員を検知でき、乗員の検知精度を向上することができる。
【0013】
請求項2の発明は、ドアの開閉を検知する開閉検知部を備え、前記発振制御部は、前記開閉検知部で検知された検知信号に基づき前記ドアの閉時から所定時間が経過したか否かを判定し、前記ドアの閉時から所定時間が経過した時には前記発振器に電気信号を発生させることを特徴とする。
【0014】
請求項2の発明によれば、開閉検知部がドアの開閉を検知すると、発振制御部は、開閉検知部で検知された検知信号に基づきドアの閉時から所定時間が経過したか否かを判定し、ドアの閉時から所定時間が経過した時には発振器に電気信号を発生させる。すなわち、乗員がドアを閉めた直後は乗員の動きが大きく、検知動作開始時をドア閉から所定時間経過時とすることで、乗員を確実に検知することができる。
【0015】
請求項3の発明では、前記判定部は、前記集音器からの出力レベルの値が予め定められた第1のしきい値よりも小さい場合には、前記乗員が前記乗員シートに着座していると判定することを特徴とする。
【0016】
請求項3の発明によれば、判定部は、集音器からの出力レベルの値が予め定められた第1のしきい値よりも小さい場合には、乗員が乗員シートに着座していると判定することで、乗員を確実に検知することができる。
【0017】
請求項4の発明では、前記判定部は、前記第1のしきい値が前記出力レベルの値よりも小さい場合には、前記乗員が体を動かしたときの出力レベルの変動を測定し、得られた出力レベルの変動値が予め定められた第2のしきい値よりも大きい場合には、前記乗員が前記乗員シートに着座していると判定し、前記出力レベルの変動値が前記第2のしきい値よりも小さい場合には、前記乗員が前記乗員シートに着座していないと判定することを特徴とする。
【0018】
請求項4の発明によれば、判定部は、第1のしきい値が出力レベルの値よりも小さい場合には、乗員が体を動かしたときの出力レベルの変動を測定し、得られた出力レベルの変動値が予め定められた第2のしきい値よりも大きい場合には、乗員が乗員シートに着座していると判定し、出力レベルの変動値が第2のしきい値よりも小さい場合には、乗員が乗員シートに着座していないと判定することで、乗員シートが後方にある場合や背の低い女性等が乗員シートに着座した場合であっても、乗員を確実に検知することができる。
【0019】
請求項5の発明では、前記スピーカは、前記乗員シート方向に向けて前記車両のフロントドアに設けられ、前記集音器は、前記乗員シート方向に向けて前記車両のセンターコンソールに設けられることを特徴とする。
【0020】
請求項5の発明によれば、スピーカを乗員シート方向に向けて車両のフロントドアに設け、集音器を乗員シート方向に向けて車両のセンターコンソールに設けたので、スピーカと集音器との間に乗員の体の一部が存在すれば音波は遮られるので、乗員の体格や姿勢に左右されずに確実に乗員を検知することができる。
【0021】
請求項6の発明は、前記発振器で発生する前記電気信号の周波数は、可聴周波数帯の高域の周波数であり、この電気信号から変換された音波の出力時間は、前記乗員が前記音波を聞き取り不可能な時間に設定されていることを特徴とする。
【0022】
請求項6の発明によれば、発振器で発生する電気信号の周波数を可聴周波数帯の高域の周波数とし、電気信号から変換された音波の出力時間を乗員が音波を聞き取り不可能な時間に設定したので、乗員は音波を聞き取りにくく、不愉快な思いを感じさせなくすることができる。
【0023】
請求項7の発明は、一定時間を計時するタイマを備え、前記発振制御部は、前記タイマで設定された一定時間毎に前記発振器に電気信号を断続的に発生させることを特徴とする。
【0024】
請求項7の発明によれば、発振制御部は、タイマで設定された一定時間毎に発振器に電気信号を断続的に発生させるため、音波も断続的に発生し、さらに不愉快な思いを感じさせなくなる。
【0025】
請求項8の発明では、前記スピーカは、前記オーディオ機器からの音声電気信号を音波に変換するスピーカと共用することを特徴とする。
【0026】
請求項8の発明によれば、スピーカを、オーディオ機器からの音声電気信号を音波に変換するスピーカと共用することで、装置の構成が簡単になり、安価となる。
【0027】
請求項9の発明では、前記集音器は、前記スピーカで発音した前記可聴周波数帯の高域の周波数の音波を受信する超音波センサであることを特徴とする。
【0028】
請求項9の発明によれば、集音器が、受信用超音波センサであるため、安価となるとともに、その超音波センサがスピーカで発音した可聴周波数帯の高域の周波数の音波を受信するため、発音周波数以外の周波数成分が除去されて検知精度を向上することができる。
【0029】
請求項10の発明は、前記集音器からの音波データを一定間隔毎にサンプリングし、順番にサンプリングされた複数のサンプルデータの内、前記音波データの立ち上がり部分及び立ち下がり部分のサンプルデータを無効とし、残りのサンプルデータを有効データとして前記判定部に出力するデータサンプリング部を備えることを特徴とする。
【0030】
請求項10の発明によれば、データサンプリング部は、集音器からの音波データを一定間隔毎にサンプリングし、順番にサンプリングされた複数のサンプルデータの内、音波データの立ち上がり部分及び立ち下がり部分のサンプルデータを無効とし、残りのサンプルデータを有効データとして判定部に出力するので、音波データのレベル値の低い不安定な部分のデータを取り除くことができるから、検知精度を向上することができる。
【0031】
請求項11の発明は、前記集音器からの前記電気信号発振時の音波データのレベルと前記電気信号無発振時のレベルとが同等レベルである場合には、その音波データを無効とし、前記電気信号無発振時のレベルが前記電気信号発振時の音波データのレベルに対して小さい場合には、その音波データを有効データとして前記判定部に出力するフィルタ処理部を備えることを特徴とする。
【0032】
請求項11の発明によれば、フィルタ処理部は、集音器からの電気信号発振時の音波データのレベルと電気信号無発振時のレベルとが同等レベルである場合には、その音波データを無効とし、電気信号無発振時のレベルが電気信号発振時の音波データのレベルに対して小さい場合には、その音波データを有効データとして判定部に出力するので、瞬時に発生するノイズを除去できるから、検知精度を向上することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の乗員検知装置のいくつかの実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0034】
<第1の実施の形態>
図1は第1の実施の形態の乗員検知装置の構成ブロック図である。この乗員検知装置は、電子制御装置(ECU)1を備えるとともに、このECU1には、助手席用のカーテシスイッチ(カーテシSW)2、バックルスイッチ(バックルSW)3、助手席シートベルトのためのウォーニングランプ4、カーオーディオ機器5、スピーカ6及びマイクロホン7が接続されて構成される。
【0035】
ECU1は、ボディECU等であり、処理を実行する中央処理装置(CPU)等の処理装置11、発振器12、増幅器13、切替器14、増幅器15、検波器16を備えて構成される。処理装置11は、ドア開閉判定部21、タイマ22、発振制御部23、乗員有無判定部24を備えて構成される。
【0036】
カーテシSW2は、ドアの開閉を検知するスイッチであり、例えば、ドアの開によりオンしドアの閉によりオフして、開閉検知信号を処理装置11に出力する。バックルSW3は、乗員が助手席のシートベルトを着用のときにオンし、シートベルトを非着用のときにオフする。ウォーニングランプ4は、イグニッションスイッチ(IGNSW)がオン中で、バックルSW3がオフ時に点滅し、バックルSW3がオン時に消灯する。
【0037】
ドア開閉判定部21は、カーテシSW2からの開閉検知信号に基づきドアが開から閉になったか否かを判定する。タイマ22は、一定時間を計時する。発振制御部23は、タイマ22で計時された一定時間毎に、発振器12に所定周波数の電気信号を発生させる。また、発振制御部23は、電気信号を発生させた時に、切替器14にリレー制御信号を出力する。
【0038】
発振器12は、発振制御部23の制御により、スピーカ6で音波に変換可能な周波数帯の高域の周波数、例えば16KHzの電気信号を発振する。高域の周波数の音波は、乗員が非常に聞き取りにくくなり、乗員に不愉快な思いを感じさせないからである。増幅器13は、発振器12で発振した電気信号を所定のレベルまで増幅する。
【0039】
切替器14は、端子a、この端子aに接続される接片14a、カーオーディオ機器5に接続される端子b、増幅器13に接続される端子cを有し、通常では、接片14aが端子bに接続され、リレー制御信号が入力されたときに接片14aが端子cに接続される。
【0040】
カーオーディオ機器5は、ラジオ、カセット、コンパクトディスク(CD)等の機器である。スピーカ6は、発振器12で発振した電気信号を音波に変換するもので、発振器12とカーオーディオ機器5とで共用している。スピーカ6は、図2に示すように、シート30の前方に配置され且つフロントドア31に取り付けられている。
【0041】
マイクロホン7は、シート30の前方に配置され且つセンターコンソール32に取り付けられ、スピーカ6からの音波の伝搬通路を乗員が着座したときに遮られる位置であって、音の干渉による影響が小さく、乗員の変動を検知可能な位置に配置される。
【0042】
このマイクロホン7は、スピーカ6からの音波を受信する受信用の超音波センサであり、この超音波センサは、発振器12の発振周波数の音波(例えば、16KHzの音波)のみを取り込むように、共振周波数が16KHzとなる共振用フィルタなどを備えている。これにより、他の雑音音波の影響をなくすことができる。
【0043】
増幅器15は、マイクロホン7で受信した音波を増幅し、検波器16は、増幅された音波信号の包絡線を検波する。乗員有無判定部24は、検波器16からの音波の出力レベル(音圧レベルの絶対値)を予め定められた絶対しきい値と比較し、絶対しきい値が音圧レベルの絶対値よりも大きい場合には乗員有り(乗員シートに着座している。)と判定する。
【0044】
また、乗員有無判定部24は、絶対しきい値が音圧レベルの絶対値よりも小さい場合には、乗員が足等を動かしたときの音圧レベルの変動を測定し、得られた音圧レベルの変動値を予め定められた変動しきい値と比較する。乗員有無判定部24は、音圧レベルの変動値が予め定められた変動しきい値よりも大きい場合には乗員有りと判定し、音圧レベルの変動値が予め定められた変動しきい値よりも小さい場合には乗員無し(乗員シートに着座していない。)と判定する。
【0045】
次に、第1の実施の形態の乗員検知装置の動作を図面を参照して説明する。図5は第1の実施の形態の乗員検知装置に設けられた各部の信号のタイミングチャートである。図6は第1の実施の形態の乗員検知装置の動作を示すフローチャートである。
【0046】
まず、乗員が時刻tに、助手席のドアを開から閉にすると、カーテシSW2はオンからオフに変化し、オンからオフに変化したことを示す開閉検知信号を処理装置11に出力する。
【0047】
一方、処理装置内のドア開閉判定部21は、カーテシSW2からの開閉検知信号に基づきドアが開から閉になったか否かを判定する(ステップS101)。ドア開閉判定部21によりドアが開から閉になったと判定された場合には、発振制御部23は、ドアの閉の時から所定時間経過したか否かを判定する(ステップS103)。
【0048】
ドアが閉になった時から所定時間が経過した時、例えば時刻tから0.7秒経過した時刻tから時刻tまでの一定時間(例えば3秒間)だけ乗員の検知動作を行う。このとき、タイマ22は、設定された計時時間T(例えば、Tが0.5秒)計時されたか否かを判定し、T時間計時されるまで待機する(ステップS105)。
【0049】
次に、発振制御部23は、発振器12を制御して発振器12に電気信号を発生させる(ステップS107)。また、発振制御部23は、切替器14へリレー制御信号を送出し、切替器14の接片14aを端子bから端子cに切替えて、カーオーディオ機器5側から発振器12側に切り替える(ステップS109)。
【0050】
すると、発振器12で発生した電気信号は、増幅器13で増幅された後、切替器14を介してスピーカ6に送られ、スピーカ6で音波に変換されてスピーカ6から例えば16KHzの音波をマイクロホン7に向けて送波する(ステップS111)。
【0051】
一方、マイクロホン7が、スピーカ6からの16KHzの音波を音圧レベルとして取り込むと(ステップS113)、その音圧レベルは、増幅器15で増幅され、検波器16で検波された後、乗員有無判定部24に入力される。
【0052】
乗員有無判定部24は、検波器16からの音圧レベルの絶対値を絶対しきい値と比較し(ステップS115)、絶対しきい値が音圧レベルの絶対値よりも大きい場合には乗員有りと判定する(ステップS117)。
【0053】
乗員がシート30に着座しているときには、図3に示すように、スピーカ6からの音波は、乗員の膝35で遮られ、マイクロホン7で取り込まれる音圧レベルの絶対値が絶対しきい値よりもかなり小さくなるため、乗員有りと判定することができる。
【0054】
なお、この場合、絶対しきい値は、シートに乗員を着座させたときのマイクロホン7の出力レベルと着座させないときの出力レベルとを比較して確実に誤りなく判定できるレベルを試験等によって求め、求められた値を絶対しきい値として図示しないメモリ等に記録しておく。
【0055】
一方、シート30が後方にある場合や背の低い女性や子供等が助手席に着座した場合には、図4に示すように乗員の膝35や足37等によって音波は遮られないため、音圧レベルの絶対値は減少しない。
【0056】
このため、乗員有無判定部24は、絶対しきい値が音圧レベルの絶対値よりも小さい場合には、図4に示すように、乗員が足37や膝35等を動かしたときの音圧レベルの変動を測定し、測定された音圧レベルの変動値を予め定められた変動しきい値と比較する(ステップS119)。ここで、変動しきい値は、実車試験により求められた乗員無しの場合の値であり、この値を変動しきい値として図示しないメモリ等に記録しておく。
【0057】
次に、乗員有無判定部24は、音圧レベルの変動値が予め定められた変動しきい値よりも大きい場合には乗員有りと判定する(ステップS117)。また、乗員有無判定部24は、音圧レベルの変動値が予め定められた変動しきい値よりも小さい場合には乗員無しと判定する(ステップS121)。
【0058】
その後、乗員有無判定部24は、発振制御部23に発振停止信号を送出し、発振制御部23は、発振停止信号に基づき発振器12での電気信号の発振を停止させる(ステップS123)。さらに、ステップS105の処理に戻る。すなわち、計時時間T毎に音波を断続的に発生させて判定を行い、音波発生による不愉快さをなくすことができる。
【0059】
さらに、時刻tにIGNSWをオンさせると、シートベルト用のウォーニングランプ4が点滅し、時刻tにシートベルトを着用すると、バックルSW3がオンし、ウォーニングランプ4が消灯する。なお、時刻tから時刻t10までの動作は、時刻tから時刻tまでの動作と同様である。
【0060】
このように第1の実施の形態の乗員検知装置によれば、絶対しきい値を用いてシート前方にいる乗員の有無を判定し、また、変動しきい値を用いてシート後方にいる乗員の有無を判定するようにしたので、乗員シートが後方にある場合や背の低い女性等が乗員シートに着座した場合であっても、乗員を確実に検知することができ、検知精度の高い乗員検知装置を提供することができる。これにより、乗員と荷物との判別を行うこともできる。
【0061】
また、カーオーディオ機器5用に設けられた既存のスピーカ6を用いるとともに、マイクロホン7である超音波センサが受信用のみで済むため、回路を簡略化できるから、安価な乗員検知装置を提供することができる。
【0062】
さらに、第1の実施の形態では、スピーカ6及びマイクロホン7による非接触式検知を行う。すなわち、従来の圧力センサ(着座センサ)のように機械的な接触方式を用いていないため、センサの性能劣化が少なくなる。また、従来のようにシートに着座センサを組み込む必要がないため、シート設計上の制限(形状、座り心地等)が不要となる。また、ボディECUの付加価値を向上することができる。
【0063】
また、乗員検知動作時にはカーオーディオ機器5からの出力信号に含まれる高周波成分、すなわち、発振器12の発振周波数と同一周波数成分の影響がなくなり、乗員の検知精度を向上することができる。
【0064】
また、第1の実施の形態では、超音波センサを用いており、この超音波センサは、実験データとして、乗員検知率が約92%と高く、風の影響による誤検知率はほぼ零であり、ノイズ音による誤検知率は約8%と非常に低く、温度特性は3dBと温度に対する出力レベルの変動が小さい。このため、超音波センサは、従来より使用された来たコンデンサマイクロホン(ECM)の検知性能に対して、検知性能を大幅に向上することができる。
【0065】
また、超音波センサを用いた場合の乗員検知性能において、フロアに足を投出し正常な姿勢で着座した場合、フロアに足を投出しリクライリングを少し倒して着座した場合、フロアで足を組んで正常な姿勢で着座した場合等に乗員検知率が非常に高い。
【0066】
<第2の実施の形態>
図7は第2の実施の形態の乗員検知装置の構成ブロック図である。第2の実施の形態の乗員検知装置は、図1に示す第1の実施の形態の乗員検知装置に対して、処理装置11内にデータサンプリング部25を設けたことを特徴とする。
【0067】
データサンプリング部25は、マイクロホン7からの音波データを一定間隔毎にサンプリングし、順番にサンプリングされた複数のサンプルデータの内、音波データの立ち上がり部分及び立ち下がり部分のサンプルデータを無効とし、残りのサンプルデータを有効データとして乗員有無判定部24に出力する。
【0068】
なお、図7に示す部分で、図1に示す部分と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0069】
次に、第2の実施の形態の乗員検知装置の動作を説明する。図8は第2の実施の形態の乗員検知装置による乗員の検知動作のタイミングチャートである。図9は第2の実施の形態の乗員検知装置のデータサンプリング部のデータサンプリングを示す図である。図10は第2の実施の形態の乗員検知装置の動作を示すフローチャートである。
【0070】
まず、ドア開閉判定部21は、ドアが開から閉になったか否かを判定する(ステップS201)。ドア開閉判定部21によりドアが開から閉になったと判定された場合には、発振制御部23は、ドアの閉の時(時刻t)から所定時間経過(時刻tから0.7秒経過した時刻t)したか否かを判定する(ステップS203)。
【0071】
ドアが閉になった時から所定時間が経過した時から一定時間(例えば3秒間)だけ乗員の検知動作を行う。すなわち、検知動作開始は、ドアを閉めた直後とする。これは、実験結果により、ドアを閉めた直後の乗員の動きが大きく、確実に乗員を検知できるため、検知動作開始をドアを閉めた直後とした。
【0072】
次に、タイマ22は、設定された計時時間T(初回はTは0で、次回からTが例えば、0.5秒)計時されたか否かを判定し、T時間計時されるまで待機する(ステップS205)。
【0073】
次に、発振制御部23は、発振器12を制御して発振器12に電気信号を発生させる(ステップS207)。この場合、発振制御部23は、16KHzの電気信号を12msだけ発振する発振動作を、0.5s周期で6回繰り返す。ここで、16KHzは、可聴周波数であるため、音波出力時間は、乗員が聞こえない時間、例えば、12msを設定している。
【0074】
次に、切替器14の接片14aを端子bから端子cに切替えて、カーオーディオ機器5側から発振器12側に切り替える(ステップS209)。すると、発振器12で発生した電気信号は、増幅器13、切替器14を介してスピーカ6に送られ、スピーカ6で音波に変換されて、スピーカ6から例えば16KHz音波US1を12msだけマイクロホン7に向けて送波する(ステップS211)。
【0075】
一方、マイクロホン7が、スピーカ6からの12msの16KHz音波US1を取り込むと(ステップS213)、その音圧レベルは、増幅器15、検波器16を介してデータサンプリング部25に入力される。
【0076】
データサンプリング部25は、マイクロホン7からの音波データを一定間隔毎度にサンプリングし(ステップS215)、サンプリングされた複数のサンプルデータの内、音波データの立ち上がり部分及び立ち下がり部分のサンプルデータを無効とし、残りのサンプルデータを有効データとして乗員有無判定部24に出力する(ステップS217)。
【0077】
このデータサンプリングを図9を参照して説明すると、まず、スピーカ出力波形(16KHz音波US1)に対してマイクロホン7の入力波形IW(超音波センサ入力波形)は2ms遅れている。これは、発振器12から16KHzの電気信号を出力してからスピーカ6が発音するまでの時間及びスピーカ6が発音してから音波がマイクロホン7に到達するまでの時間が実験結果により、約2msあるからである。
【0078】
このため、データサンプリング部25は、マイクロホン7からの入力波形IWの立ち上がりタイミングに同期させて、音波データのサンプリングを開始し、例えば0.75秒間隔で16個のサンプルデータS1〜S16を読み取る。
【0079】
そして、図9に示す16個のサンプルデータの内、サンプルデータS1〜S6及びサンプルデータS11〜S16は、入力波形IWの立ち上がり及び立ち下がりで不安定であるために無効データとし、サンプルデータS7〜S10を有効データとして乗員有無判定部24に出力する。
【0080】
次に、乗員有無判定部24は、検波器16からのサンプルデータS7〜S10である有効データに基づく音圧レベルの絶対値を絶対しきい値と比較し(ステップS219)、絶対しきい値が音圧レベルの絶対値よりも大きい場合には乗員有りと判定する(ステップS221)。
【0081】
一方、乗員有無判定部24は、絶対しきい値が音圧レベルの絶対値よりも小さい場合には、乗員が足37や膝35等を動かしたときの音圧レベルの変動を測定し、測定された音圧レベルの変動値を予め定められた変動しきい値と比較する(ステップS223)。
【0082】
乗員有無判定部24は、音圧レベルの変動値が予め定められた変動しきい値よりも大きい場合には乗員有りと判定する(ステップS221)。また、乗員有無判定部24は、音圧レベルの変動値が予め定められた変動しきい値よりも小さい場合には乗員無しと判定する(ステップS225)。
【0083】
その後、乗員有無判定部24は、発振制御部23に発振停止信号を送出し、発振制御部23は、発振停止信号に基づき発振器12での電気信号の発振を停止させる(ステップS227)。さらに、ステップS205の処理に戻る。すなわち、計時時間T(0.5秒)毎に12msの音波を断続的に発生させて判定を行う。つまり、16KHz音波US1のデータサンプリングが終了した後には、図8に示すように、16KHz音波US2,US3,US4,US5,US6の順番にデータサンプリングが行われる。
【0084】
このように第2の実施の形態の乗員検知装置によれば、マイクロホン7からの音波データを一定間隔毎にサンプリングし、サンプリングされた複数のサンプルデータの内、、音波データの立ち上がり部分及び立ち下がり部分のサンプルデータを無効とし、残りのサンプルデータを有効データとして乗員有無判定部24に出力する。すなわち、サンプルデータの不安定な部分(サンプルデータのレベル値が低い部分)を取り除くことで、検知精度を向上することができる。
【0085】
また、検知動作開始タイミングを乗員の動きが大きいドア開閉直後とすることで、さらに検知精度を向上することができる。また、16KHzは、可聴周波数であるが、その16KHz音波出力の時間が12msと非常に短いため、乗員が非常に聞き取りにくくなり、乗員に不愉快な思いを感じさせないようにすることができる。
【0086】
また、超音波センサがスピーカで発音した可聴周波数帯の高域の周波数の音波を受信するため、発音周波数以外の周波数成分が除去されて検知精度を向上することができる。
【0087】
なお、発振器12で発生する電気信号の周波数は、16KHzに限定されることなく、スピーカ6で音波に変換可能な周波数帯の高域の周波数であれば、15KHz、17KHz等を用いても良い。
【0088】
<第3の実施の形態>
図11は第3の実施の形態の乗員検知装置の構成ブロック図である。前述ように、マイクロホン7は、16KHz音波を取り込むようになっているが、瞬時に発生する16KHz周辺の外来ノイズがマイクロホン7に取り込まれた場合には、外来ノイズが重畳された検知音波と他の検知音波との間で出力レベル差を発生し、この出力レベル差の変動のために、乗員の動きがあったと誤判定を行うことになってしまう。
【0089】
そこで、第3の実施の形態の乗員検知装置は、図1に示す第1の実施の形態の乗員検知装置に対して、処理装置11内にフィルタ処理部27を設けたことを特徴とする。
【0090】
フィルタ処理部27は、検波器16から送られてくる16KHz発振時における12msの検知音波のレベルと、16KHz無発振状態におけるレベル(12msの検知音波の0.2秒前のレベル)とを比較し、検知音波のレベルと16KHz無発振状態におけるレベルとが同等レベルである場合には、そのときの外来ノイズを含む検知音波のデータを無効として用いず、16KHz無発振状態におけるレベルが検知音波のレベルに対して十分に小さい場合には、そのときの検知音波のデータを有効データとして乗員有無判定部24に出力する。
【0091】
なお、図11に示す部分で、図1に示す部分と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0092】
次に、第3の実施の形態の乗員検知装置の動作を説明する。図12は第3の実施の形態の乗員検知装置による乗員の検知動作のタイミングチャートである。図13は第3の実施の形態の乗員検知装置のフィルタ処理部のフィルタ処理を示す図である。図14は第3の実施の形態の乗員検知装置の動作を示すフローチャートである。
【0093】
まず、ドア開閉判定部21は、ドアが開から閉になったか否かを判定する(ステップS301)。ドア開閉判定部21によりドアが開から閉になったと判定された場合には、発振制御部23は、ドアの閉の時から所定時間経過したか否かを判定する(ステップS303)。ドアが閉になった時から所定時間が経過した時から一定時間(例えば3秒間)だけ乗員の検知動作を行う。
【0094】
タイマ22は、設定された計時時間T(初回はTは0で、次回からTが例えば、0.5秒)計時されたか否かを判定し、T時間計時されるまで待機する(ステップS305)。
【0095】
次に、発振制御部23は、発振器12を制御して発振器12に電気信号を発生させる(ステップS307)。この場合、発振制御部23は、16KHzの電気信号を12msだけ発振する発振動作を、0.5s周期で6回繰り返す。
【0096】
次に、切替器14の接片14aを端子bから端子cに切替えて、カーオーディオ機器5側から発振器12側に切り替える(ステップS309)。すると、発振器12で発生した電気信号は、増幅器13、切替器14を介してスピーカ6に送られ、スピーカ6で音波に変換されて、スピーカ6から例えば16KHz音波US1を12msだけマイクロホン7に向けて送波する(ステップS311)。
【0097】
一方、マイクロホン7が、スピーカ6からの12msの16KHz音波US1を取り込むと(ステップS313)、その音圧レベルは、増幅器15、検波器16を介してフィルタ処理部27に入力される。
【0098】
フィルタ処理部27は、検知音波のレベルとこの検知音波の0.2秒前の16KHz無発振状態のレベルとが同等レベルか否かを判定し(ステップS315)、検知音波のレベルと16KHz無発振状態のレベルとが同等レベルである場合にはその検知音波の音波データを無効とし(ステップS316)、直ちに、ステップS327の処理に進む。
【0099】
一方、16KHz無発振状態のレベルが検知音波のレベルに対して十分に小さい場合には、そのときの検知音波のデータを有効データとして乗員有無判定部24に出力する。(ステップS317)。
【0100】
このフィルタ処理部27のフィルタ処理を図13を参照して説明すると、まず、検知音波US1に16KHz周辺の外来ノイズが重畳されている場合には、検知音波US1のレベルはL1であり、この検知音波の0.2秒前の16KHz無発振状態のレベルはL2であり、L1とL2とはほぼ同等レベルである。このため、16KHz周辺の外来ノイズを含む検知音波US1を無効データとし、この無効データは乗員有無判定部24に出力せず無効にする。
【0101】
また、検知音波US2に16KHz周辺の外来ノイズが重畳されておらず、この場合には、検知音波US2のレベルはL3であり、この検知音波の0.2秒前の16KHz無発振状態のレベルはL4であり、ほぼ零である。L4がL3に対して十分に小さいため、そのときの検知音波US2のデータを有効データとして乗員有無判定部24に出力する。
【0102】
次に、乗員有無判定部24は、検波器16からの有効データに基づく検知音波の音圧レベルの絶対値を絶対しきい値と比較し(ステップS319)、絶対しきい値が音圧レベルの絶対値よりも大きい場合には乗員有りと判定する(ステップS321)。
【0103】
一方、乗員有無判定部24は、絶対しきい値が音圧レベルの絶対値よりも小さい場合には、乗員が足37や膝35等を動かしたときの音圧レベルの変動を測定し、測定された音圧レベルの変動値を予め定められた変動しきい値と比較する(ステップS323)。
【0104】
乗員有無判定部24は、音圧レベルの変動値が予め定められた変動しきい値よりも大きい場合には乗員有りと判定する(ステップS321)。また、乗員有無判定部24は、音圧レベルの変動値が予め定められた変動しきい値よりも小さい場合には乗員無しと判定する(ステップS325)。
【0105】
その後、乗員有無判定部24は、発振制御部23に発振停止信号を送出し、発振制御部23は、発振停止信号に基づき発振器12での電気信号の発振を停止させる(ステップS327)。さらに、ステップS305の処理に戻る。すなわち、計時時間T(0.5秒)毎に音波を12msだけ断続的に発生させて判定を行うことになる。
【0106】
また、6回の検知音波データの内、いくつかの検知音波データが外来ノイズにより無効データとなった場合には、その無効データを除く残りのいくつかの有効データを平均して、その平均データにより乗員有無の判定を行うようにしてもよい。
【0107】
なお、検知動作中に連続して外来ノイズをマイクロホン7が取り込んだ場合には、図12に示す検知動作を再度行うようにすればよい。
【0108】
このように第3の実施の形態の乗員検知装置によれば、フィルタ処理部27により、16KHz無発振状態のレベルと検知音波のレベルとを比較し、瞬時に発生する外来ノイズを除去するフィルタ処理を行う。従って、瞬時に発生する16KHz周辺の外来ノイズがマイクロホン7に取り込まれた場合であっても、乗員の動きがあったと誤判定を行うことがなくなり、検知精度を向上することができる。
【0109】
なお、本発明は第1の実施の形態乃至第3の実施の形態の乗員検知装置に限定されるものではない。第1の実施の形態乃至第3の実施の形態の乗員検知装置では、絶対しきい値判定、及び変動しきい値判定を、検知音波データ毎(1回毎)に行ったが、例えば、6回の検知音波データを加算平均して、平均データの絶対値を絶対しきい値や変動しきい値と比較してもよい。このほか、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で、種々変形して実施可能であるのは勿論である。
【0110】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、発振制御部が、乗員を検知するための検知動作開始信号を入力したときに発振器に音声周波数帯の電気信号を発生させ、切替器は、検知動作開始信号を入力したときに発振器をスピーカに接続させるため、スピーカが、発振器で発生した電気信号を音波に変換する。また、集音器は、発生した音波を直接的に受信して音波信号を出力し、乗員が乗員シートに着座しているときに音波られ、出力される音波信号は小さくなる。判定部は、集音器で出力された音波信号の出力レベルに基づき乗員が乗員シートに着座しているか否かを判定するので、簡単な構成で確実に乗員を検知でき、乗員の検知精度を向上することができる。
【0111】
請求項2の発明によれば、開閉検知部がドアの開閉を検知すると、発振制御部は、開閉検知部で検知された検知信号に基づきドアの閉時から所定時間が経過したか否かを判定し、ドアの閉時から所定時間が経過した時には発振器に電気信号を発生させる。すなわち、乗員がドアを閉めた直後は乗員の動きが大きく、検知動作開始時をドア閉から所定時間経過時とすることで、乗員を確実に検知することができる。
【0112】
請求項3の発明によれば、判定部は、集音器からの出力レベルの値が予め定められた第1のしきい値よりも小さい場合には、乗員が乗員シートに着座していると判定することで、乗員を確実に検知することができる。
【0113】
請求項4の発明によれば、判定部は、第1のしきい値が出力レベルの値よりも小さい場合には、乗員が体を動かしたときの出力レベルの変動を測定し、得られた出力レベルの変動値が予め定められた第2のしきい値よりも大きい場合には、乗員が乗員シートに着座していると判定し、出力レベルの変動値が第2のしきい値よりも小さい場合には、乗員が乗員シートに着座していないと判定することで、乗員シートが後方にある場合や背の低い女性等が乗員シートに着座した場合であっても、乗員を確実に検知することができる。
【0114】
請求項5の発明によれば、スピーカを乗員シート方向に向けて車両のフロントドアに設け、集音器を乗員シート方向に向けて車両のセンターコンソールに設けたので、スピーカと集音器との間に乗員の体の一部が存在すれば音波は遮られるので、乗員の体格や姿勢に左右されずに確実に乗員を検知することができる。
【0115】
請求項6の発明によれば、発振器で発生する電気信号の周波数を可聴周波数帯の高域の周波数とし、電気信号から変換された音波の出力時間を乗員が音波を聞き取り不可能な時間に設定したので、乗員は音波を聞き取りにくく、不愉快な思いを感じさせなくすることができる。
【0116】
請求項7の発明によれば、発振制御部は、タイマで設定された一定時間毎に発振器に電気信号を断続的に発生させるため、音波も断続的に発生し、さらに不愉快な思いを感じさせなくなる。
【0117】
請求項8の発明によれば、スピーカを、オーディオ機器からの音声電気信号を音波に変換するスピーカと共用することで、装置の構成が簡単になり、安価となる。
【0118】
請求項9の発明によれば、集音器が、受信用超音波センサであるため、安価となるとともに、その超音波センサがスピーカで発音した可聴周波数帯の高域の周波数の音波を受信するため、発音周波数以外の周波数成分が除去されて検知精度を向上することができる。
【0119】
請求項10の発明によれば、データサンプリング部は、集音器からの音波データを一定間隔毎にサンプリングし、順番にサンプリングされた複数のサンプルデータの内、音波データの立ち上がり部分及び立ち下がり部分のサンプルデータを無効とし、残りのサンプルデータを有効データとして判定部に出力するので、音波データのレベル値の低い不安定な部分のデータを取り除くことができるから、検知精度を向上することができる。
【0120】
請求項11の発明によれば、フィルタ処理部は、集音器からの電気信号発振時の音波データのレベルと電気信号無発振時のレベルとが同等レベルである場合には、その音波データを無効とし、電気信号無発振時のレベルが電気信号発振時の音波データのレベルに対して小さい場合には、その音波データを有効データとして判定部に出力するので、瞬時に発生するノイズを除去できるから、検知精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の乗員検知装置の構成ブロック図である。
【図2】スピーカとマイクロホンとの配置関係を示す図である。
【図3】スピーカからの音波を乗員の体が遮った状態を示す図である。
【図4】背の低い乗員等がシートに着座したときにスピーカからの音波を乗員の体が遮らない状態を示す図である。
【図5】第1の実施の形態の乗員検知装置に設けられた各部の信号のタイミングチャートである。
【図6】第1の実施の形態の乗員検知装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】第2の実施の形態の乗員検知装置の構成ブロック図である。
【図8】第2の実施の形態の乗員検知装置による乗員の検知動作のタイミングチャートである。
【図9】第2の実施の形態の乗員検知装置のデータサンプリング部のデータサンプリングを示す図である。
【図10】第2の実施の形態の乗員検知装置の動作を示すフローチャートである。
【図11】第3の実施の形態の乗員検知装置の構成ブロック図である。
【図12】第3の実施の形態の乗員検知装置による乗員の検知動作のタイミングチャートである。
【図13】第3の実施の形態の乗員検知装置のフィルタ処理部のフィルタ処理を示す図である。
【図14】第3の実施の形態の乗員検知装置の動作を示すフローチャートである。
【図15】圧力センサを用いた従来の乗員検出装置の一例を示す図である。
【図16】超音波センサを用いた従来の乗員検出装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 ECU
2 カーテシSW
3 バックルSW
4 ウォーニングランプ
5 カーオーディオ機器
6 スピーカ
7 マイクロホン
11 処理装置
12 発振器
13,15 増幅器
14 切替器
16 検波器
21 ドア開閉判定部
22 タイマ
23 発振制御部
24 乗員有無判定部
25 データサンプリング部
27 フィルタ処理部
30 シート
31 フロントドア
32 センターコンソール

Claims (11)

  1. 車両内の乗員シートに乗員が着座しているか否かを検知する乗員検知装置において、
    音声周波数帯の電気信号を発生する発振器と、
    前記乗員を検知するための検知動作開始信号を入力したときに前記発振器に電気信号を発生させる発振制御部と、
    前記発振器で発生した電気信号を音波に変換するスピーカと、
    前記発振器の前記スピーカへの接続とオーディオ機器の前記スピーカへの接続とを切替え、前記検知動作開始信号を入力したときに前記発振器を前記スピーカに接続させる切替器と、
    前記スピーカで変換された音波を直接的に受信して音波信号を出力し、前記乗員が前記乗員シートに着座しているときに前記スピーカで変換された音波られ、前記音波信号の出力レベルが小さくなる集音器と、
    この集音器で出力された前記音波信号の出力レベルに基づき前記乗員が前記乗員シートに着座しているか否かを判定する判定部と、
    を備えることを特徴とする乗員検知装置。
  2. ドアの開閉を検知する開閉検知部を備え、
    前記発振制御部は、前記開閉検知部で検知された検知信号に基づき前記ドアの閉時から所定時間が経過したか否かを判定し、前記ドアの閉時から所定時間が経過した時には前記発振器に電気信号を発生させることを特徴とする請求項1記載の乗員検知装置。
  3. 前記判定部は、前記集音器からの出力レベルの値が予め定められた第1のしきい値よりも小さい場合には、前記乗員が前記乗員シートに着座していると判定することを特徴とする請求項1または請求項2記載の乗員検知装置。
  4. 前記判定部は、前記第1のしきい値が前記出力レベルの値よりも小さい場合には、前記乗員が体を動かしたときの出力レベルの変動を測定し、得られた出力レベルの変動値が予め定められた第2のしきい値よりも大きい場合には、前記乗員が前記乗員シートに着座していると判定し、前記出力レベルの変動値が前記第2のしきい値よりも小さい場合には、前記乗員が前記乗員シートに着座していないと判定することを特徴とする請求項3記載の乗員検知装置。
  5. 前記スピーカは、前記乗員シート方向に向けて前記車両のフロントドアに設けられ、前記集音器は、前記乗員シート方向に向けて前記車両のセンターコンソールに設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の乗員検知装置。
  6. 前記発振器で発生する前記電気信号の周波数は、可聴周波数帯の高域の周波数であり、この電気信号から変換された音波の出力時間は、前記乗員が前記音波を聞き取り不可能な時間に設定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の乗員検知装置。
  7. 一定時間を計時するタイマを備え、
    前記発振制御部は、前記タイマで設定された一定時間毎に前記発振器に電気信号を断続的に発生させることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の乗員検知装置。
  8. 前記スピーカは、前記オーディオ機器からの音声電気信号を音波に変換するスピーカと共用することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載の乗員検知装置。
  9. 前記集音器は、前記スピーカで発音した前記可聴周波数帯の高域の周波数の音波を受信する超音波センサであることを特徴とする請求項6記載の乗員検知装置。
  10. 前記集音器からの音波データを一定間隔毎にサンプリングし、順番にサンプリングされた複数のサンプルデータの内、前記音波データの立ち上がり部分及び立ち下がり部分のサンプルデータを無効とし、残りのサンプルデータを有効データとして前記判定部に出力するデータサンプリング部を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項記載の乗員検知装置。
  11. 前記集音器からの前記電気信号発振時の音波データのレベルと前記電気信号無発振時のレベルとが同等レベルである場合には、その音波データを無効とし、前記電気信号無発振時のレベルが前記電気信号発振時の音波データのレベルに対して小さい場合には、その音波データを有効データとして前記判定部に出力するフィルタ処理部を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項記載の乗員検知装置。
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