JP3618475B2 - モアの刈り高さ設定装置 - Google Patents
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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行機体に装着したロータリーブレード型のモアの高さを変更する構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から走行機体の腹部にロータリーブレード型のモアを装着する構成は公知である。該モアは、走行機体のフレーム前部に配設する吊下ブラケットを用いてモアの前部を吊設し、モアの後部を昇降リンクを用いて吊設し、該昇降リンクは手動によっても、昇降リンクに油圧シリンダーを一体的に設けて昇降駆動することもできる。該モアは前部に前部支持輪を設けて支持し、後部に後部ガイド輪を設けて、該後部ガイド輪は垂直方向に設けた支持杆に支持され、該支持杆はモアデッキ後部に上下方向に摺動可能に取り付けられて、この垂直方向の取付位置を調整することによって、刈り高さを調節し、モアを下げた状態で圃場面に追随させながら走行して刈取作業を行うようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のモアの後部ガイド輪を上下に調整して刈り高さを調整する構成においては、モアの高さを高くするには限度があり、シーズンの始めにおける芝の丈が高くなっている場合や、雑草の生い茂っている圃場面等では、前部支持輪と後部ガイド輪にてモアを圃場面に追随させながら走行させることができず、モアデッキの内部が芝で充満されて、モアが芝によって持ち上げられたり、踏み倒しながら刈取作業を行うので、刈り取り高さを揃えることができず、また、刈り取った刈芝は滞留して側方への排出が十分に行われず、モアデッキの内部に刈芝が詰まったりして、刈取が十分行われなかったりしていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明が解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するために、走行機体の腹部にモアを吊設し、該モアと機体の間に昇降シリンダーを介装して昇降可能とし、モアに設けたゲージホイルを用いて刈取高さを調整する構成において、前記昇降シリンダーのピストンロッド先端にストッパを枢支し、該ストッパに昇降シリンダー縮小時にシリンダー端面と当接する係止体を複数突出し、該係止体とシリンダー端面との当接位置を変更して、モアの下降端位置を調整可能とした。
【0005】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を説明する。図1は腹部にモアを装着したローンモアの側面図、図2は本発明のストッパを有するモアの吊設機構部分を示す側面図、図3〜図5は本発明のストッパの係止状態を示す側面図、図6は本発明のストッパの係止状態を示す平面図、図7は他の形状の係止体を配したストッパの部分側面断面図、図8は同じく他の形状の係止体を配したストッパの部分側面断面図、図9は形状を小型に形成したストッパを示す側面図、図10はストッパの回動角度の調整機構を示す斜視図、図11は操作部を示す平面図一部断面図、図12は操作部の他の実施例を示す側面図、図13は同じくレバー式の操作部を示す正面図一部断面図である。
【0006】
図1において、ロータリーブレード型のモアMとキャッチャボックスBを装着したローンモアAの全体構成から説明する。走行機体であるトラクターの前輪30・30と後輪31・31の間の腹部に、3連のロータリーブレード1を有するモアMが昇降機構Kを介して吊設され、運転席で昇降操作できるようにしている。該モアMは前部に前部支持輪32を設けて支持し、後部にゲージホイル33を設けて刈り高さを調節可能に支持し、モアMを下げた状態で圃場面に追随させながら走行して刈取作業を行うようにしている。
【0007】
また、機体フレームF前部上のボンネット内にエンジンEを載置し、該エンジンEからの動力を変速装置を介して、前輪30・30及び後輪31・31を駆動している。また、フロントアクスルケースのフロントPTO軸からユニバーサルジョイント17を介してモアM上部に設けたギアボックス27に動力が伝達され、該ギアボックス27で変速されてロータリーブレード1と、スロワーSを駆動している。該スロワーSは座席の右側に配置され、該モアMにより刈取られた芝が搬送路を通過し、スロワーSへ放出され、該スロワーSの羽根の回転により、連結ホース21を介してキャッチャーボックスBへ刈芝が搬送される。
【0008】
次に、前記モアMの吊設機構Kについて図1、図2を用いて説明する。該吊設機構Kは、モアMを吊設する平行リンクである前部の吊下リンク28と後部の昇降リンク3・3、該昇降リンク3・3を昇降駆動する昇降シリンダーD、ベルクランクアーム2a・2b、調整杆5より構成されている。即ち、前記モアMの前部を吊下リンク28を介して機体フレームFの前部に吊設し、モアM後部を昇降リンク3・3を介して機体フレームFの前後途中部に吊設している。前記機体フレームFの前後中央位置に昇降シリンダーDを配置し、該昇降シリンダーDのピストンロッド41先端の枢支軸12にベルクランクアーム2aの一端を枢支し、該ベルクランクアーム2aの他端を中心軸14に枢支し、該中心軸14より突出されたベルクランクアーム2bに調整杆5を連結し、該調整杆5の下端を昇降リンク3と枢結し、該昇降リンク3の後端をモアMのフックブラケット4と係合している。従って、前記昇降シリンダーDのピストンロッド41を伸長することで、昇降リンク3が上方に回動されてモアMが上昇し、ゲージホイル33の高さ位置を設定することで、モアMの刈り取り高さを調整できる。
【0009】
そして、前記ゲージホイル33の調整範囲は限定され、その範囲を越えた高所位置では任意位置にモアMを保持することができない。そこで本発明は、高刈り用刈り高さ設定装置としてストッパ10を吊設機構Kの昇降シリンダーDに配設している。該ストッパ10は、図2〜図6に示すように左右側板と上板より成る断面視「コ」字状に構成され、ストッパ10が昇降シリンダーDのピストンロッド41とシリンダー42を上方から被装して跨ぐように構成している。左右側板は略長方形状であり、側板の後部がピストンロッド41先端に枢支軸12によって支持されている。
【0010】
そして、前記ストッパ10の左右側板の内側面において、数カ所係止体11・11・・・が固設され、該係止体11は図6に示す平面図のように、左右対向して固設して、シリンダー42の後面に当接できる位置まで突設している。本実施例においては、前記係止体11は第一係止体11a、第二係止体11b、第三係止体11cの三対を前後方向に配置し、該係止体11a・11b・11cは四角柱状の突起物とし、四角柱の一面を昇降シリンダーDのシリンダー42後面に当接するようにしている。また、前記係止体11の形状は四角柱状に限定するものでなく、図7に示す如くに円柱状の係止体11’に形成し、昇降シリンダーDのシリンダー42の後端部に溝部42aを形設し、円柱状の係止体11’を係合する構成にすることもできる。同様に、前記係止体11を図8に示す側面視のようにL字型の係止体11”に形成して、シリンダー42の後角部と係合するように構成することもできる。
【0011】
また、前記昇降シリンダーDのシリンダー42を、図9に示す如く形成することもできる。即ち、シリンダー42の後部左右側方を伸長方向に突出して突出部42bを形設し、該突出部42bの先端面に係止体11を係止するように構成することもできる。この場合、ストッパ10を枢支軸12を中心に回動して係止位置を調節する時に、係止体11・11・11がシリンダー42の後上端面に引っ掛かりにくくなり、ストッパ10の長手方向の長さを短くして小型のストッパ10’とすることができる。
【0012】
このような構成において、モアMを上げた状態で図3に示すストッパ10を上方へ回動した位置で、昇降シリンダーDを縮小したときにシリンダー42の後面が第一係止体11aに当接するように設定すると、ピストンロッド41は通常の刈取作業の最下降位置手前で縮小が停止され、ゲージホイル33が浮いた状態で停止され、ゲージホイル33で調整できない丈の高い草の刈取ができるようにしている。また、モアMを上げた状態で図4に示す様にストッパ10を下方へ回動した位置で、昇降シリンダーDを縮小したときにシリンダー42の後面が第二係止体11bに当接するように設定すると、前記よりも高い丈の草を刈り、同様に、図5に示す様にストッパ10を回動してシリンダー42の後面が第三係止体11cに当接するように設定すると、最も丈の高い草を刈り取るようにできる。
【0013】
次に、前記ストッパ10を操作するリンク及び操作部について図10を用いて説明する。前記ストッパ10には操作リンク15・16を介して操作部の操作レバー22を連結しており、該操作レバー22を操作することによってストッパ10の回動角度を調整して昇降シリンダーDとの係合、離脱を操作するようにしている。即ち、ストッパ10の閉塞面である上部板の後部に連結板13を固設し、該連結板13に操作リンク15・16を順に枢結している。該操作リンク16の端部を枢軸18に固設し、該枢軸18上に更に操作レバー22を上方に延出して固設し、該操作レバー22をステップ43(図2)より上方に突出して、オペレーターによる操作によってストッパ10を回動できるように構成している。また、前記枢軸18を機体フレームFの側面に配することで、剛性の高いリンク機構とし、操作リンク15・16や操作レバー22は調整の少ない構成としている。
【0014】
そして、前記選択したストッパ10の係止体11a・11b・11cのいずれかが昇降シリンダーDを縮小した時に、シリンダー42の後面に当接するようにするために、前記操作レバー22は設定位置で維持できるようにしている。先ず、菊座式の回動規制部に付いて図11を用いて説明する。前記機体フレームF側面には固定座49が固設され、枢軸18が機体フレームFと固定座49に回転自在に枢支されている。該機体フレームFと固定座49の一側の枢軸18上に皿バネ50がワッシャ51にて係止され、他側の枢軸18上に回動座48が枢支されて、ノブ46を枢軸18上に螺装している。前記回動座48と固定座49の当接する面にはそれぞれ菊座状の噛合面48aと噛合面49aを形成して、皿バネ50によって噛合方向に付勢されている。この付勢力はノブ46を回動することによって調整できるようにしている。
【0015】
また、波板式の回動規制部に付いて図12、図13より説明する。操作レバー22は枢軸18に固定され、該操作レバー22の回動軌跡内に規制プレート54を配置し、該規制プレート54は操作レバー22と略直角に配置して波型に形成され、凹部54a・54a・・・に操作レバー22を係止できるようにしている。操作レバー22を回動した時には規制プレート54はそれ自体が有する剛性によって退避して、任意の凹部54a位置で操作レバー22を嵌合して停止できるようにしている。
【0016】
この様に構成して、モアMを上げた状態で、操作レバー22は三段階またはストッパ10を外した四段階に回動でき、芝や草の長さに合わせて操作レバー22を操作してストッパ10を回動すると、昇降シリンダーDを縮小してモアMを下降させると、ストッパ10は昇降シリンダーDの縮小とともに回動して、設定した係止体11a・11b・11cのいずれかが昇降シリンダーDのシリンダー42の後面に当接して下降が停止され、モアMを所望の高さに維持できる。但し、前記菊座式の回動規制部を枢支軸12とストッパ10の間に配置することもでき、この場合昇降シリンダーDの伸縮時には枢支軸12とストッパ10の間の相対位置は一定となり、調整がし易くなる。そして、操作レバー22をストッパ10の係止を外す位置に操作することで、昇降シリンダーDを通常状態で使用でき、モアMをゲージホイル33により圃場面を追随させて刈り取り作業を行うことができる。更に、ローンモアAに他の作業機を挿着し、該作業機を昇降シリンダーDに連動して昇降させる場合にも、作業機の取付高さを調整することができる。
【0017】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。モアの吊設機構を構成する昇降シリンダーにストッパを配することによって、ピストンロッドの縮小位置を規制して、簡単で安価な構成の刈り高さ調整機構を得ることができたのである。また、ストッパにより昇降シリンダーの縮小位置を保持する構成としたことで、油圧でモアの荷重を支えないので、油漏れでモアが下降して刈り高さが変動することがない。また、モアをゲージホイルで調整する以上の刈り高さの位置で保持するので、芝長の長い圃場や雑草の生い茂っている圃場等の様々な場所の草刈りに適用することができ、作業範囲を拡大できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】腹部にモアMを装着したローンモアの側面図である。
【図2】本発明のストッパを有するモアの吊設機構部分を示す側面図である。
【図3】本発明のストッパの下係止状態を示す側面図である。
【図4】本発明のストッパの中係止状態を示す側面図である。
【図5】本発明のストッパの上係止状態を示す側面図である。
【図6】本発明のストッパの係止状態を示す平面図である。
【図7】他の形状の係止体を配するストッパの部分側面断面図である。
【図8】同じく他の形状の係止体を配するストッパの部分側面断面図である。
【図9】形状を小型に形成したストッパを示す側面図である。
【図10】ストッパの回動角度の調整機構を示す斜視図である。
【図11】操作部を示す平面図一部断面図である。
【図12】操作部の他の実施例を示す側面図である。
【図13】同じく正面図一部断面図である。
【符号の説明】
M モア
D 昇降シリンダー
10 ストッパ
11 係止体
33 ゲージホイル
41 ピストンロッド
42 シリンダー
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行機体に装着したロータリーブレード型のモアの高さを変更する構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から走行機体の腹部にロータリーブレード型のモアを装着する構成は公知である。該モアは、走行機体のフレーム前部に配設する吊下ブラケットを用いてモアの前部を吊設し、モアの後部を昇降リンクを用いて吊設し、該昇降リンクは手動によっても、昇降リンクに油圧シリンダーを一体的に設けて昇降駆動することもできる。該モアは前部に前部支持輪を設けて支持し、後部に後部ガイド輪を設けて、該後部ガイド輪は垂直方向に設けた支持杆に支持され、該支持杆はモアデッキ後部に上下方向に摺動可能に取り付けられて、この垂直方向の取付位置を調整することによって、刈り高さを調節し、モアを下げた状態で圃場面に追随させながら走行して刈取作業を行うようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のモアの後部ガイド輪を上下に調整して刈り高さを調整する構成においては、モアの高さを高くするには限度があり、シーズンの始めにおける芝の丈が高くなっている場合や、雑草の生い茂っている圃場面等では、前部支持輪と後部ガイド輪にてモアを圃場面に追随させながら走行させることができず、モアデッキの内部が芝で充満されて、モアが芝によって持ち上げられたり、踏み倒しながら刈取作業を行うので、刈り取り高さを揃えることができず、また、刈り取った刈芝は滞留して側方への排出が十分に行われず、モアデッキの内部に刈芝が詰まったりして、刈取が十分行われなかったりしていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明が解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するために、走行機体の腹部にモアを吊設し、該モアと機体の間に昇降シリンダーを介装して昇降可能とし、モアに設けたゲージホイルを用いて刈取高さを調整する構成において、前記昇降シリンダーのピストンロッド先端にストッパを枢支し、該ストッパに昇降シリンダー縮小時にシリンダー端面と当接する係止体を複数突出し、該係止体とシリンダー端面との当接位置を変更して、モアの下降端位置を調整可能とした。
【0005】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を説明する。図1は腹部にモアを装着したローンモアの側面図、図2は本発明のストッパを有するモアの吊設機構部分を示す側面図、図3〜図5は本発明のストッパの係止状態を示す側面図、図6は本発明のストッパの係止状態を示す平面図、図7は他の形状の係止体を配したストッパの部分側面断面図、図8は同じく他の形状の係止体を配したストッパの部分側面断面図、図9は形状を小型に形成したストッパを示す側面図、図10はストッパの回動角度の調整機構を示す斜視図、図11は操作部を示す平面図一部断面図、図12は操作部の他の実施例を示す側面図、図13は同じくレバー式の操作部を示す正面図一部断面図である。
【0006】
図1において、ロータリーブレード型のモアMとキャッチャボックスBを装着したローンモアAの全体構成から説明する。走行機体であるトラクターの前輪30・30と後輪31・31の間の腹部に、3連のロータリーブレード1を有するモアMが昇降機構Kを介して吊設され、運転席で昇降操作できるようにしている。該モアMは前部に前部支持輪32を設けて支持し、後部にゲージホイル33を設けて刈り高さを調節可能に支持し、モアMを下げた状態で圃場面に追随させながら走行して刈取作業を行うようにしている。
【0007】
また、機体フレームF前部上のボンネット内にエンジンEを載置し、該エンジンEからの動力を変速装置を介して、前輪30・30及び後輪31・31を駆動している。また、フロントアクスルケースのフロントPTO軸からユニバーサルジョイント17を介してモアM上部に設けたギアボックス27に動力が伝達され、該ギアボックス27で変速されてロータリーブレード1と、スロワーSを駆動している。該スロワーSは座席の右側に配置され、該モアMにより刈取られた芝が搬送路を通過し、スロワーSへ放出され、該スロワーSの羽根の回転により、連結ホース21を介してキャッチャーボックスBへ刈芝が搬送される。
【0008】
次に、前記モアMの吊設機構Kについて図1、図2を用いて説明する。該吊設機構Kは、モアMを吊設する平行リンクである前部の吊下リンク28と後部の昇降リンク3・3、該昇降リンク3・3を昇降駆動する昇降シリンダーD、ベルクランクアーム2a・2b、調整杆5より構成されている。即ち、前記モアMの前部を吊下リンク28を介して機体フレームFの前部に吊設し、モアM後部を昇降リンク3・3を介して機体フレームFの前後途中部に吊設している。前記機体フレームFの前後中央位置に昇降シリンダーDを配置し、該昇降シリンダーDのピストンロッド41先端の枢支軸12にベルクランクアーム2aの一端を枢支し、該ベルクランクアーム2aの他端を中心軸14に枢支し、該中心軸14より突出されたベルクランクアーム2bに調整杆5を連結し、該調整杆5の下端を昇降リンク3と枢結し、該昇降リンク3の後端をモアMのフックブラケット4と係合している。従って、前記昇降シリンダーDのピストンロッド41を伸長することで、昇降リンク3が上方に回動されてモアMが上昇し、ゲージホイル33の高さ位置を設定することで、モアMの刈り取り高さを調整できる。
【0009】
そして、前記ゲージホイル33の調整範囲は限定され、その範囲を越えた高所位置では任意位置にモアMを保持することができない。そこで本発明は、高刈り用刈り高さ設定装置としてストッパ10を吊設機構Kの昇降シリンダーDに配設している。該ストッパ10は、図2〜図6に示すように左右側板と上板より成る断面視「コ」字状に構成され、ストッパ10が昇降シリンダーDのピストンロッド41とシリンダー42を上方から被装して跨ぐように構成している。左右側板は略長方形状であり、側板の後部がピストンロッド41先端に枢支軸12によって支持されている。
【0010】
そして、前記ストッパ10の左右側板の内側面において、数カ所係止体11・11・・・が固設され、該係止体11は図6に示す平面図のように、左右対向して固設して、シリンダー42の後面に当接できる位置まで突設している。本実施例においては、前記係止体11は第一係止体11a、第二係止体11b、第三係止体11cの三対を前後方向に配置し、該係止体11a・11b・11cは四角柱状の突起物とし、四角柱の一面を昇降シリンダーDのシリンダー42後面に当接するようにしている。また、前記係止体11の形状は四角柱状に限定するものでなく、図7に示す如くに円柱状の係止体11’に形成し、昇降シリンダーDのシリンダー42の後端部に溝部42aを形設し、円柱状の係止体11’を係合する構成にすることもできる。同様に、前記係止体11を図8に示す側面視のようにL字型の係止体11”に形成して、シリンダー42の後角部と係合するように構成することもできる。
【0011】
また、前記昇降シリンダーDのシリンダー42を、図9に示す如く形成することもできる。即ち、シリンダー42の後部左右側方を伸長方向に突出して突出部42bを形設し、該突出部42bの先端面に係止体11を係止するように構成することもできる。この場合、ストッパ10を枢支軸12を中心に回動して係止位置を調節する時に、係止体11・11・11がシリンダー42の後上端面に引っ掛かりにくくなり、ストッパ10の長手方向の長さを短くして小型のストッパ10’とすることができる。
【0012】
このような構成において、モアMを上げた状態で図3に示すストッパ10を上方へ回動した位置で、昇降シリンダーDを縮小したときにシリンダー42の後面が第一係止体11aに当接するように設定すると、ピストンロッド41は通常の刈取作業の最下降位置手前で縮小が停止され、ゲージホイル33が浮いた状態で停止され、ゲージホイル33で調整できない丈の高い草の刈取ができるようにしている。また、モアMを上げた状態で図4に示す様にストッパ10を下方へ回動した位置で、昇降シリンダーDを縮小したときにシリンダー42の後面が第二係止体11bに当接するように設定すると、前記よりも高い丈の草を刈り、同様に、図5に示す様にストッパ10を回動してシリンダー42の後面が第三係止体11cに当接するように設定すると、最も丈の高い草を刈り取るようにできる。
【0013】
次に、前記ストッパ10を操作するリンク及び操作部について図10を用いて説明する。前記ストッパ10には操作リンク15・16を介して操作部の操作レバー22を連結しており、該操作レバー22を操作することによってストッパ10の回動角度を調整して昇降シリンダーDとの係合、離脱を操作するようにしている。即ち、ストッパ10の閉塞面である上部板の後部に連結板13を固設し、該連結板13に操作リンク15・16を順に枢結している。該操作リンク16の端部を枢軸18に固設し、該枢軸18上に更に操作レバー22を上方に延出して固設し、該操作レバー22をステップ43(図2)より上方に突出して、オペレーターによる操作によってストッパ10を回動できるように構成している。また、前記枢軸18を機体フレームFの側面に配することで、剛性の高いリンク機構とし、操作リンク15・16や操作レバー22は調整の少ない構成としている。
【0014】
そして、前記選択したストッパ10の係止体11a・11b・11cのいずれかが昇降シリンダーDを縮小した時に、シリンダー42の後面に当接するようにするために、前記操作レバー22は設定位置で維持できるようにしている。先ず、菊座式の回動規制部に付いて図11を用いて説明する。前記機体フレームF側面には固定座49が固設され、枢軸18が機体フレームFと固定座49に回転自在に枢支されている。該機体フレームFと固定座49の一側の枢軸18上に皿バネ50がワッシャ51にて係止され、他側の枢軸18上に回動座48が枢支されて、ノブ46を枢軸18上に螺装している。前記回動座48と固定座49の当接する面にはそれぞれ菊座状の噛合面48aと噛合面49aを形成して、皿バネ50によって噛合方向に付勢されている。この付勢力はノブ46を回動することによって調整できるようにしている。
【0015】
また、波板式の回動規制部に付いて図12、図13より説明する。操作レバー22は枢軸18に固定され、該操作レバー22の回動軌跡内に規制プレート54を配置し、該規制プレート54は操作レバー22と略直角に配置して波型に形成され、凹部54a・54a・・・に操作レバー22を係止できるようにしている。操作レバー22を回動した時には規制プレート54はそれ自体が有する剛性によって退避して、任意の凹部54a位置で操作レバー22を嵌合して停止できるようにしている。
【0016】
この様に構成して、モアMを上げた状態で、操作レバー22は三段階またはストッパ10を外した四段階に回動でき、芝や草の長さに合わせて操作レバー22を操作してストッパ10を回動すると、昇降シリンダーDを縮小してモアMを下降させると、ストッパ10は昇降シリンダーDの縮小とともに回動して、設定した係止体11a・11b・11cのいずれかが昇降シリンダーDのシリンダー42の後面に当接して下降が停止され、モアMを所望の高さに維持できる。但し、前記菊座式の回動規制部を枢支軸12とストッパ10の間に配置することもでき、この場合昇降シリンダーDの伸縮時には枢支軸12とストッパ10の間の相対位置は一定となり、調整がし易くなる。そして、操作レバー22をストッパ10の係止を外す位置に操作することで、昇降シリンダーDを通常状態で使用でき、モアMをゲージホイル33により圃場面を追随させて刈り取り作業を行うことができる。更に、ローンモアAに他の作業機を挿着し、該作業機を昇降シリンダーDに連動して昇降させる場合にも、作業機の取付高さを調整することができる。
【0017】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。モアの吊設機構を構成する昇降シリンダーにストッパを配することによって、ピストンロッドの縮小位置を規制して、簡単で安価な構成の刈り高さ調整機構を得ることができたのである。また、ストッパにより昇降シリンダーの縮小位置を保持する構成としたことで、油圧でモアの荷重を支えないので、油漏れでモアが下降して刈り高さが変動することがない。また、モアをゲージホイルで調整する以上の刈り高さの位置で保持するので、芝長の長い圃場や雑草の生い茂っている圃場等の様々な場所の草刈りに適用することができ、作業範囲を拡大できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】腹部にモアMを装着したローンモアの側面図である。
【図2】本発明のストッパを有するモアの吊設機構部分を示す側面図である。
【図3】本発明のストッパの下係止状態を示す側面図である。
【図4】本発明のストッパの中係止状態を示す側面図である。
【図5】本発明のストッパの上係止状態を示す側面図である。
【図6】本発明のストッパの係止状態を示す平面図である。
【図7】他の形状の係止体を配するストッパの部分側面断面図である。
【図8】同じく他の形状の係止体を配するストッパの部分側面断面図である。
【図9】形状を小型に形成したストッパを示す側面図である。
【図10】ストッパの回動角度の調整機構を示す斜視図である。
【図11】操作部を示す平面図一部断面図である。
【図12】操作部の他の実施例を示す側面図である。
【図13】同じく正面図一部断面図である。
【符号の説明】
M モア
D 昇降シリンダー
10 ストッパ
11 係止体
33 ゲージホイル
41 ピストンロッド
42 シリンダー
Claims (1)
- 走行機体の腹部にモアを吊設し、該モアと機体の間に昇降シリンダーを介装して昇降可能とし、モアに設けたゲージホイルを用いて刈取高さを調整する構成において、前記昇降シリンダーのピストンロッド先端にストッパを枢支し、該ストッパに昇降シリンダー縮小時にシリンダー端面と当接する係止体を複数突出し、該係止体とシリンダー端面との当接位置を変更して、モアの下降端位置を調整可能としたことを特徴とするモアの刈り高さ設定装置。
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---|---|---|---|
JP20458996A JP3618475B2 (ja) | 1996-08-02 | 1996-08-02 | モアの刈り高さ設定装置 |
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JP20458996A JP3618475B2 (ja) | 1996-08-02 | 1996-08-02 | モアの刈り高さ設定装置 |
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JPH1042654A JPH1042654A (ja) | 1998-02-17 |
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-
1996
- 1996-08-02 JP JP20458996A patent/JP3618475B2/ja not_active Expired - Fee Related
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