JP3904006B2 - 乗用芝刈機のジャッキ装置 - Google Patents
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即ち、請求項1の発明は、走行車体(1)に設けられた一対の前輪(2,2)と一対の後輪(3,3)と、
該一対の前輪(2,2)と一対の後輪(3,3)の間で走行車体(1)に支持された芝刈り装置(12)と、
走行車体(1)の進行方向に向かって左右巾方向に亘って該走行車体(1)の前方に設けたフレーム部材(32)と、
2以上の異なる直径を有し、内外に重ね合わせて収納した位置から内側の筒体(31c)を突出させて伸長する位置に伸縮自在とした筒体(31b,31c)と、接地面に当接し、内側の筒体(31c)の端部に回動自在に取り付けられた接地板(31d)と、前記筒体(31c)と接地板(31d)とを回動自在に連結する連結部(31e)を有する伸縮式ジャッキ装置(31)と、
該伸縮式ジャッキ装置(31)を着脱自在に収納するために、前記フレーム部材(32)に設けた収納用ブラケット部材(33,33)と、
前記伸縮式ジャッキ装置(31)を収納用ブラケット部材(33,33)から取り外して、該ジャッキ装置(31)を、鉛直方向より前傾した姿勢で連結支持するために、フレーム部材(32)の前記左右方向中央部に設けたジャッキ装置支持用ブラケット部材(34)とを備え、
前記伸縮式ジャッキ装置(31)は、前記ジャッキ装置支持用ブラケット部材(34)に連結した初期状態では、筒体(31c)と接地板(31d)との連結部(31e)を接地揺動支点として鉛直方向より前傾姿勢で該ジャッキ装置支持用ブラケット部材(34)に支持され、ジャッキ装置(31)が順次伸長するに伴って鉛直方向を経て後傾姿勢になり、該後傾姿勢で前記ジャッキ装置支持用ブラケット部材(34)に支持される構成とした乗用芝刈機のジャッキ装置である。
請求項2記載の発明は、走行車体(1)に支持された芝刈り装置(12)の上方を覆うフロア(7)と、
フレーム部材(32)と収納用ブラケット部材(33,33)とジャッキ装置支持用ブラケット部材(34)を覆う開閉部(24)と、
を設けた請求項1記載の乗用芝刈機のジャッキ装置である。
請求項3記載の発明は、収納用ブラケット部材(33,33)と開閉部(24)との間に開閉部(24)が閉じたときに該開閉部(24)を補強支持する補強支持部材(37,38)を設けた請求項1記載の乗用芝刈機のジャッキ装置である。
請求項1記載の本発明によると、走行車体(1)に装着している芝刈り装置(12)を走行車体(1)から取り外してメンテナンスする場合は、収納用ブラケット部材(33,33)からジャッキ装置(31)を取り外し、左右方向中央部に設けたジャッキ装置支持用ブラケット部材(34)に連結すると、初期状態では、該ジャッキ装置(31)の筒体(31c)と接地板(31d)との連結部(31e)を接地揺動支点として、ジャッキ装置(31)は鉛直方向より前傾姿勢となる。
ジャッキ装置(31)を前記ブラケット部材(34)に連結した初期状態では、ジャッキ装置(31)は、該ジャッキ装置(31)の伸長時に接地面に当接する筒体(31c)の端部に回動自在に取り付けられている接地板(31d)の前記連結部(31e)を接地揺動支点として鉛直方向より前傾姿勢となる。このような前傾姿勢で、ジャッキ装置(31)は前記ブラケット部材(34)に連結支持される。そして、ジャッキ装置(31)の筒体(31c)が順次伸長するに伴って、ジャッキ装置(31)は鉛直方向を経て後傾姿勢になり、このような後傾姿勢で支持用ブラケット部材(34)に連結支持される。
前記ジャッキ装置(31)の伸長は複数の筒体が重なった状態から支持用ブラケット部材(34)に連結している筒体内を他の筒体がスライドすることで行われるが、ジャッキ装置(31)の接地面上にある連結部(31e)を揺動支点として鉛直方向より前傾した姿勢から鉛直方向を経由して後傾姿勢に揺動しながらジャッキ装置(31)が伸長していく。
仮に前記初期状態が鉛直方向であると後傾姿勢の角度が大きくなってしまい、ジャッキ装置(31)のたわみ量は大きくなってしまうが、前述のように、後傾姿勢になる角度分をあらかじめ見越して、前傾姿勢からジャッキ装置(31)を伸長させると、ジャッキ装置(31)を伸長させてもジャッキ装置(31)の後傾姿勢の傾斜角度は鉛直方向に対して小さくなる。
また、ジャッキ装置(31)の接地面上にある接地板(31d)の揺動支点である連結部(31e)が不動であるのでジャッキ装置(31)の伸縮操作性に優れている。
さらに、収納用ブラケット部材(33,33)を取り付けたフレーム部材(32)は、フロア7下方の左右巾に亘って設けているので、走行車体(1)の最大の左右幅の長さを確保できる。このため、収納用ブラケット部材(33,33)に収納させるジャッキ装置(31)自体の長さが長く構成できる。即ち、ジャッキ装置(31)の各筒体をスライドさせた場合のジャッキ装置(31)の伸長長さは長くなるので、芝刈り装置(12)を走行車体(1)から取り外してメンテナンスする場合に十分の高さを確保でき、芝刈り装置(12)のメンテナンス性も優れたものとなる。
さらに、ジャッキ装置(31)を使用する時には、ジャッキ装置(31)の接地面上にある下端部を揺動支点として鉛直方向より前傾した姿勢から鉛直方向を経由して後傾姿勢にまで揺動しながらジャッキ装置(31)が伸長するため、小さな操作力でジャッキ装置(31)を伸長でき、また、ジャッキ装置(31)の基礎面上にある下端部を揺動支点が不動であるのでジャッキ装置(31)の伸縮操作性に優れている。
請求項2記載の発明によれば、ジャッキ装置(31)を使用しない場合には、開閉部(24)を閉じておくことで、作業者の作業時の障害にならないように、かつ安全にジャッキ装置(31)を収納用ブラケット部材(33,33)に収納できる。
請求項3記載の発明によれば、補強支持する補強支持部材(37,38)があるので、開閉部(24)が閉じたときに該開閉部(24)が変形することがない。
乗用芝刈機は、図1に示すように、走行車体1をミッションケース1aと、この前端部に取り付けられている車体フレーム1bにより構成されていて、同車体1の前端側に左右一対のキャスター式前輪2,2を設け、同車体1の後端側に駆動用の左右一対の後輪3,3を設けると共に、この車体1後部には後輪3,3の車軸の上方にエンジン4を設けている。また走行車体1のエンジン4よりも前側に操縦席6を設け、走行車体1上には操縦席6の下方から前側にかけてフロア7を設けている。また、走行車体1の前輪2,2と後輪3,3間には、刈刃17を内装する芝刈り装置12を昇降リンク機構13を介して昇降自在に取り付け、左右の後輪3,3の間に位置する伝動装置からPTO動力を取り出し、前記芝刈り装置12に伝達している。
次に、図3及び図4によりフロア7前部の構成について説明する。
このステップフレーム21は、上下方向の左右2つの上下ステップフレーム21a,21aと、上下ステップフレーム21a,21aの上端部を接続する横方向の左右ステップフレーム21bとで正面視門型に構成されていて、上下ステップフレーム21a,21aの下端部を車体フレーム1bに取り付け、左右ステップフレーム21bの上面にフロア7の下面を当接支持している。
車体フレーム1bの前端部には、取付フレーム32を左右方向に沿うように取り付け、同フレーム32に前記前輪2,2の支持ブラケット20を左右ローリング自在に支持すると共に、この上方を開閉カバー24により覆う構成としている。また、取付フレーム32の上部には、適度間隔を空けて凹状のジャッキ装置31収納用ブラケット33,33を取り付け、このブラケット33,33の凹部にジャッキ装置31を左右方向に沿わせて嵌合支持する構成としている。また、取付フレーム32の左右中央部には、前側に向けて突出する凹状の支持用ブラケット34を取り付けている。なお、ジャッキ装置31は、ねじ嵌合している軸及び筒体により構成されていて、ハンドル31aを正逆回転することにより軸及び筒体が伸縮し、下端部には接地板31bが横方向のピンで軸支されている。
第一の別形態は、図6に示すように、収納用ブラケット33の後部に上方へ延出する延長部36を構成し、この上端に屈折部36aを構成し、この屈折部36aにより閉鎖状態の開閉カバー24の下面を受ける構成としている。
また、第二の別形態は、図7に示すように、開閉カバー24の下面に押圧板37を取り付け、開閉カバー24の閉鎖時に収納用ブラケット33に支持されているジャッキ装置31を押圧板37により下向きに押さえる構成としている。
また更に、第三の別形態は、図8に示すように、前記ストッパ板37に板バネ材を有する支持部38を取り付け、収納用ブラケット33に支持されているジャッキ装置31を閉鎖した開閉カバー24のストッパ板37により押さえると共に、支持部38でジャッキ装置31を前後から挟むように構成している。
また、第四の別形態では、図9に示すように、前記ジャッキ装置31の支持用ブラケット34を利用して、キャリアを取り付ける構成としている。詳しくは、前記支持用ブラケット34に、側面視凹部を屈曲形成したプレート41を前後回動自在に軸支し、前方に回動した突出状態で前記凹部をキャリヤの受部として利用し、後方に回動した収納状態では開閉カバー24の上方を覆い、開閉カバー24のガードとして利用するものである。
前記乗用芝刈機には、操縦席6の右側方に操作パネル46を設け、この操作パネル46には芝刈り装置12の下限位置を調節設定する刈高さ調整器47を設けている。
操作パネル46には、開口部が設けられ、この開口部に、各種設定器を一体的に取り付ける操作盤46bが嵌め込み固定されている。操作盤46bの右側部には、車体前側から後側にかけて非常停止スイッチ48、ダイヤル用長孔44及び同穴44から望む前記操作用ダイヤル47a、燃料計49、各種パイロットランプ51,51…を設けている。また、操作盤46bの左右中央部には、その前側部にエンジンキースイッチ52を、その後側部に前記芝刈り装置12の昇降レバー及びそのレバーガイド53を設けている。また、操作盤46bの内側には、その前側部にアクセルレバー及びそのレバーガイド54、その後側部にアワーメータ56設けている。しかして、操縦席6の右側方の操作部46に操作具や操作状態を示すパイロットランプ類をまとめて配置したので操作性を向上させることができる。
走行車体1の後部には、操縦席6の後側に位置するようにエンジン4を横向きに搭載し、走行車体1のエンジン4と操縦席6と間にミッションケース1aを設けている。エンジン4の左右方向に沿ったクランク軸4aの動力は伝動軸62、伝動ケース63内の伝動装置を経てHST(静油圧式無段変速装置)77に伝達される。このHST77は、左右の独立した油圧ポンプ77a,77a及び油圧モータ77b,77bで構成されていて、伝動ケース63内の伝動装置、入力軸64を経由した動力が左右の油圧ポンプ77a,77aに伝達され、左右のトラニオン軸の回動操作により油圧ポンプ77a,77aが独立的に変速され、変速後の油圧が左右の油圧モータ77b,77bに送られて駆動され、左右の出力軸66,66から独立的に変速された動力が取り出され、次いで、左右の縦方向の走行伝動ケース67,67内の走行伝動装置を経て左右の後輪3,3に伝達される。
2 前輪
3 後輪
7 フロア
12 芝刈り装置
24 開閉カバー(開閉部)
31 ジャッキ装置
31b 筒体
31c 筒体
31d 接地板
31e 連結部
32 フレーム部材
33 収納用ブラケット部材
34 支持用ブラケット部材
37 補強支持部材
38 補強支持部材
Claims (3)
- 走行車体に設けられた一対の前輪と一対の後輪と、
該一対の前輪と一対の後輪の間で走行車体に支持された芝刈り装置と、
走行車体の進行方向に向かって左右巾方向に亘って該走行車体の前方に設けたフレーム部材と、
2以上の異なる直径を有し、内外に重ね合わせて収納した位置から内側の筒体を突出させて伸長する位置に伸縮自在とした筒体と、接地面に当接し、内側の筒体の端部に回動自在に取り付けられた接地板と、前記筒体と接地板とを回動自在に連結する連結部を有する伸縮式ジャッキ装置と、
該伸縮式ジャッキ装置を着脱自在に収納するために、前記フレーム部材に設けた収納用ブラケット部材と、
前記伸縮式ジャッキ装置を収納用ブラケット部材から取り外して、該ジャッキ装置を、鉛直方向より前傾した姿勢で連結支持するために、フレーム部材の前記左右方向中央部に設けたジャッキ装置支持用ブラケット部材とを備え、
前記伸縮式ジャッキ装置は、前記ジャッキ装置支持用ブラケット部材に連結した初期状態では、筒体と接地板との連結部を接地揺動支点として鉛直方向より前傾姿勢で該ジャッキ装置支持用ブラケット部材に支持され、ジャッキ装置が順次伸長するに伴って鉛直方向を経て後傾姿勢になり、該後傾姿勢で前記ジャッキ装置支持用ブラケット部材に支持される構成とした乗用芝刈機のジャッキ装置。 - 走行車体に支持された芝刈り装置の上方を覆うフロアと、
フレーム部材と収納用ブラケット部材とジャッキ装置支持用ブラケット部材を覆う開閉部と、
を設けた請求項1記載の乗用芝刈機のジャッキ装置。 - 収納用ブラケット部材と開閉部との間に開閉部が閉じたときに該開閉部を補強支持する補強支持部材を設けた請求項1記載の乗用芝刈機のジャッキ装置。
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