JP3618301B2 - パルススワロ方式pll回路 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は通信・信号処理分野に使用するパルススワロ方式PLL回路に関するものであり、特に低消費電力のパルススワロ方式PLL回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5は従来のパルススワロ方式PLL回路の分周器部分のブロック図である。図5において、1は電圧制御発振器(図示せず)の出力を分周するための2つの分周比[1/P、1/(P+1)、Pは2以上の整数]をもつデュアルモジュラスプリスケーラである。
【0003】
3はデュアルモジュラスプリスケーラ1の出力FCKをN分周(Nは2以上の整数)するプログラムカウンタである。
【0004】
4はデュアルモジュラスプリスケーラ1の出力FCKをA分周(AはA<Nの整数)するスワロカウンタである。
【0005】
2はプログラムカウンタ3とスワロカウンタ4の出力によりデュアルモジュラスプリスケーラ1の分周比を制御するモジュラスコントローラである。
【0006】
具体的には、プログラムカウンタ3のNカウント終了信号とスワロカウンタ4のAカウント終了信号とに基づきプログラムカウンタ3がデュアルモジュラスプリスケーラ1の出力をN個カウントする期間においてスワロカウンタ4がデュアルモジュラスプリスケーラ1の出力をA個カウントする前の期間とA個カウントした後の期間とでデュアルモジュラスプリスケーラ1の分周比を切り替え制御する。
【0007】
以下、図6を参照して、このパルススワロ方式PLL回路における分周動作を説明する。なお、図6はN=8、A=3の場合を例にとって図示している。
【0008】
プログラムカウンタ3とスワロカウンタ4とは、デュアルモジュラスプリスケーラ1の出力FCK(図6のa)を受けて同時にカウントを開始する。同時にカウントを開始するのは、以下の理由からである。すなわち、N値、A値のデータが(例えばN=8、A=3)がセットされるのが、同じ信号(後述のリセット信号)に呼応するので、同時にカウントを開始する。
【0009】
そして、プログラムカウンタ3のNカウント終了信号(図6のb)とスワロカウンタ4のAカウント終了信号(図6のc)とがモジュラスコントローラ2に入力されることで、デュアルモジュラスプリスケーラ1は、以下のように分周比が切り替え制御される。
【0010】
すなわち、モジュラスコントローラ2は、プログラムカウンタ3が図6のdに示すように、デュアルモジュラスプリスケーラ1の出力をN個カウントする期間においてスワロカウンタ4がデュアルモジュラスプリスケーラ1の出力をA個カウントする前の期間にローレベルとなり、A個カウントした後の期間にハイレベルとなるモジュラスコントロール信号を出力する。これによって、デュアルモジュラスプリスケーラ1の出力がN個カウントされる期間においてスワロカウンタ4がデュアルモジュラスプリスケーラ1の出力がA個カウントされる前の期間とA個カウントされた後の期間とでデュアルモジュラスプリスケーラ1の分周比が切り替え制御される。
【0011】
具体的に説明すると、スワロカウンタ4がデュアルモジュラスプリスケーラ1の出力をA個カウントする前の期間(スワロカウンタ4のAカウント中[A])はデュアルモジュラスプリスケーラ1は(P+1)分周する。また、スワロカウンタ4がデュアルモジュラスプリスケーラ1の出力をA個カウントした後の期間(スワロカウンタ4のAカウント終了からプログラムカウンタ3のNカウント終了まで[N−A])はP分周する。それにより基準周波数の(P×N+A)分周の周波数を出力することができる。
【0012】
なお、図6のeはスワロカウンタ4へ入力されるクロック入力である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の構成では、プログラムカウンタ3とスワロカウンタ4とは、同じデュアルモジュラスプリスケーラ1の出力FCKをカウントしており、かつデュアルモジュラスプリスケーラ1の出力FCKは高い周波数であるため、プログラムカウンタ3とスワロカウンタ4とは多くの電力を消費することになる。
【0014】
上記したように、従来、通信・信号処理分野に使用するパルススワロ方式PLL回路においては、高周波での動作時や分周数が大きい場合に、分周器ブロックでの低消費電力化が課題であった。
【0015】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、分周器ブロックでの低消費電力化を図ることができるパルススワロ方式PLL回路を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明は、プログラムカウンタおよびスワロカウンタの分周動作の期間を短く(最小限に)制限することによりパルススワロ方式PLL回路の低消費電力化を可能とするものである。
【0017】
すなわち、本発明のパルススワロ方式PLL回路は、図1に示すように、電圧制御発振器の出力を分周するための2つの分周比[1/P、1/(P+1)、Pは2以上の整数]をもつデュアルモジュラスプリスケーラと、デュアルモジュラスプリスケーラの出力をN分周(Nは2以上の整数)するプログラムカウンタと、デュアルモジュラスプリスケーラの出力をA分周(AはA<Nの整数)するスワロカウンタと、プログラムカウンタの出力とスワロカウンタの出力とに基づきデュアルモジュラスプリスケーラの分周比を切り替え制御するモジュラスコントローラと、N−Aのデータを作成してプログラムカウンタに設定するN−A作成回路と、デュアルモジュラスプリスケーラの出力とスワロカウンタの入力との間に設けたスワロカウンタ制御回路と、デュアルモジュラスプリスケーラの出力とプログラムカウンタの入力との間に設けたプログラムカウンタ制御回路とを備えている。
【0018】
そして、プログラムカウンタのN−Aカウント終了のタイミングを受けてスワロカウンタへデュアルモジュラスプリスケーラの出力を供給してスワロカウンタのAカウント中(モジュラス動作中)はスワロカウンタにデュアルモジュラスプリスケーラの出力を分周動作させ、スワロカウンタのAカウント終了のタイミングを受けてスワロカウンタへのデュアルモジュラスプリスケーラの出力の供給を止めてスワロカウンタのAカウント終了からプログラムカウンタのN−Aカウント終了まで(モジュラス動作をしていない期間中)はスワロカウンタの不要な動作を停止する制御をスワロカウンタ制御回路で行う。
【0019】
また、スワロカウンタのAカウント終了のタイミングを受けてプログラムカウンタへデュアルモジュラスプリスケーラの出力を供給してプログラムカウンタのN−Aカウント中(モジュラス動作中)はプログラムカウンタにデュアルモジュラスプリスケーラの出力を分周動作させ、プログラムカウンタのN−Aカウント終了のタイミングを受けてプログラムカウンタへのデュアルモジュラスプリスケーラの出力信号の供給を止めてプログラムカウンタのN−Aカウント終了からスワロカウンタのAカウント終了まで(モジュラス動作をしていない期間中)はプログラムカウンタの不要な動作を停止する制御をプログラムカウンタ制御回路で行う。
【0020】
さらに、スワロカウンタの分周動作中とプログラムカウンタの分周動作中とでデュアルモジュラスプリスケーラの分周比を切り替える。
【0021】
この構成によれば、スワロカウンタのAカウント終了からプログラムカウンタのN−Aカウント終了まで(プログラムカウンタのN−Aカウントの間)はスワロカウンタの不要な動作を停止するので、その期間におけるスワロカウンタの消費電力を少なく抑えることができる。また、プログラムカウンタのN−Aカウント終了からスワロカウンタのAカウント終了まで(スワロカウンタのAカウントの間)はプログラムカウンタの不要な動作を停止するので、その期間におけるプログラムカウンタの消費電力を少なく抑えることができる。したがって、分周器ブロックでの低消費電力化が可能となる。
【0022】
本発明の請求項2記載のパルススワロ方式PLL回路は、請求項1記載のパルススワロ方式PLL回路において、スワロカウンタ制御回路は、プログラムカウンタの(N−A−1)カウント終了信号またはそれより少ない任意の数値のカウント終了信号をクロック入力とし、スワロカウンタのAカウント終了信号をリセット入力とし、電源電位をデータ入力とするDフリップフロップと、DフリップフロップのQ出力とデュアルモジュラスプリスケーラの出力とを入力とする2入力論理積回路とで構成されている。
【0023】
この構成によれば、請求項1記載のパルススワロ方式PLL回路と同様の作用効果を有する。
【0024】
本発明の請求項3記載のパルススワロ方式PLL回路は、請求項1記載のパルススワロ方式PLL回路において、スワロカウンタ制御回路は、プログラムカウンタの(N−A−1)カウント終了信号またはそれより少ない任意の数値のカウント終了信号をセット入力とし、スワロカウンタのAカウント終了信号をクロック入力とし、接地電位をデータ入力とするDフリップフロップ(59)と、Dフリップフロップ(59)のQ出力とデュアルモジュラスプリスケーラの出力とを入力とする2入力論理積回路(60)とで構成されている。
【0025】
この構成によれば、請求項1記載のパルススワロ方式PLL回路と同様の作用効果を有する。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について詳しく説明する。
【0027】
図2は本発明の第1の実施の形態におけるパルススワロ方式PLL回路における分周器部分のブロック図を示すものである。図2において、1は電圧制御発振器の出力を分周するための2つの分周比[1/P、1/(P+1)、Pは2以上の整数]をもつデュアルモジュラスプリスケーラである。
【0028】
3はデュアルモジュラスプリスケーラ1の出力FCK(図3のc)をN分周(Nは2以上の整数)するプログラムカウンタである。
【0029】
4はデュアルモジュラスプリスケーラ1の出力FCKをA分周(AはA<Nの整数)するスワロカウンタである。
【0030】
2はプログラムカウンタ3とスワロカウンタ4の出力によりデュアルモジュラスプリスケーラ1の分周比を切り替え制御するモジュラスコントローラである。具体的には、プログラムカウンタ3のN−Aカウント終了信号(図3のd)とスワロカウンタ4のAカウント終了信号(図3のf)とに基づきデュアルモジュラスプリスケーラ1の分周比をモジュラスコントロール信号(図3のg)により切り替え制御する。この際、プログラムカウンタ3のN−Aカウント終了のタイミングからスワロカウンタ4のAカウント終了のタイミングの間は(P+1)分周動作がデュアルモジュラスプリスケーラ1で行われ、スワロカウンタ4のAカウント終了のタイミングからプログラムカウンタ3のN−Aカウント終了のタイミングの間はP分周動作がデュアルモジュラスプリスケーラ1で行われる。
【0031】
5はデュアルモジュラスプリスケーラ1の出力とスワロカウンタ4の入力との間に設けたスワロカウンタ制御回路であり、プログラムカウンタ3の(N−A−1)カウント終了信号(図3のe)とスワロカウンタ3のAカウント終了信号(図3のf)とに基づいてデュアルモジュラスプリスケーラ1の出力FCKのスワロカウンタ4への供給を制御する。
【0032】
6はデュアルモジュラスプリスケーラ1の出力とプログラムカウンタ3の入力との間に設けたプログラムカウンタ制御回路であり、プログラムカウンタ3の(N−A−1)カウント終了信号(図3のe)とスワロカウンタ3のAカウント終了信号(図3のf)とに基づいてデュアルモジュラスプリスケーラ1の出力FCKのプログラムカウンタ3への供給を制御する。
【0033】
7はプログラムカウンタ分周比データNとスワロカウンタ分周比データAとを入力として(N−A)のデータを作成するN−A作成回路であり、このN−A作成回路7で設定されたデータ(N−A)がプログラムカウンタ7に設定される。このときの、プログラムカウンタ7の分周比が結果的にNとなる。
【0034】
そして、スワロカウンタ制御回路6は、遅くともプログラムカウンタ3のN−Aカウント終了のタイミングを受けてスワロカウンタ4へデュアルモジュラスプリスケーラ1の出力を供給してスワロカウンタ4のAカウント中(モジュラス動作中)はスワロカウンタ4にデュアルモジュラスプリスケーラ1の出力を分周動作させ、スワロカウンタ4のAカウント終了のタイミングを受けてスワロカウンタ4へのデュアルモジュラスプリスケーラ1の出力の供給を止めてスワロカウンタ4のAカウント終了からプログラムカウンタ3のN−Aカウント終了まで(モジュラス動作をしていない期間中)はスワロカウンタ4の不要な動作を停止する制御を行う。
【0035】
また、プログラムカウンタ制御回路6は、スワロカウンタ4のAカウント終了のタイミングを受けてプログラムカウンタ3へデュアルモジュラスプリスケーラ1の出力を供給してプログラムカウンタ3のN−Aカウント中(モジュラス動作中)はプログラムカウンタ3にデュアルモジュラスプリスケーラ1の出力を分周動作させ、プログラムカウンタ3のN−Aカウント終了のタイミングを受けてプログラムカウンタ3へのデュアルモジュラスプリスケーラ1の出力信号の供給を止めてプログラムカウンタ3のN−Aカウント終了からスワロカウンタ4のAカウント終了まで(モジュラス動作をしていない期間中)はプログラムカウンタ3の不要な動作を停止する制御を行う。
【0036】
フリップフロップ51はプログラムカウンタ3の(N−A−1)カウント終了信号(図3のe)をCK入力とし、VCC[High]をD入力およびS入力とし、スワロカウンタ4のAカウント終了カウント終了信号(図3のf)の反転信号[Aカウント終了信号入力を反転するインバータ53の出力]をR入力とし、Q出力(図3のh)を論理積回路52への入力としている。また、論理積回路52は、フリップフロップ51のQ出力とFCK信号(図3のc)をそれぞれ入力とし、出力(図3のi)をスワロカウンタ4へのCK入力としている。以上のフリップフロップ51、論理積回路52およびインバータ53で、スワロカウンタ制御回路5が構成される。
【0037】
フリップフロップ54はAカウント終了信号(図3のf)をCK入力とし、VCC[High]をD入力とし、RESET[Low〜Highに立ち上がる]をS入力とし、(N−A−1)カウント終了カウント終了信号(図3のe)の反転信号[(N−A−1)カウント終了信号入力を反転するインバータ57の出力]をR入力とする。フリップフロップ55はFCK信号(図3のc)をCK入力とし、フリップフロップ54のQ出力(図3のj)をD入力とし、論理和回路58の出力[スワロカウンタ4のAの分周比が0の時にLow信号を出力、それ以外の分周比ではHigh信号を出力する]をS入力およびR入力とし、Q出力(図3のk)を論理積回路56への入力とする。論理積回路56は、フリップフロップ55のQ出力(図3のk)とFCK信号(図3のc)をそれぞれ入力とし、出力(図3のl)をプログラムカウンタ3へのCK入力とする。以上のフリップフロップ54,55と論理積回路56とインバータ57とで、プログラムカウンタ制御回路6が構成される。なお、図2において、符号aはN−A作成回路7からプログラムカウンタ3へ与えられる(N−A)のデータ、つまり分周数信号である。また、符号bはスワロカウンタ4へ与えられるAのデータ、つまり分周数信号である。
【0038】
以上のように構成された第1の実施の形態のパルススワロ方式PLL低消費回路について以下、図3を用いてその動作を説明する。
【0039】
図3において、cはデュアルモジュラスプリスケーラ1の分周出力FCK、dはプログラムカウンタ3のN−Aカウント終了信号、eはプログラムカウンタ3の(N−A−1)カウント終了信号、fはスワロカウンタ4のAカウント終了信号、gはデュアルモジュラスプリスケーラ1を制御するためのモジュラス動作コントロール信号、hはフリップフロップ51のQ出力、iは論理積回路52の出力でスワロカウンタ4へのCK入力、jはフリップフロップ54のQ出力、kはフリップフロップ55のQ出力、lは論理積回路56の出力でスワロカウンタ4へのCK入力である。
【0040】
プログラムカウンタ3の(N−A−1)分周終了のタイミングで(N−A−1)カウント終了信号(e)がHigh出力され、フリップフロップ51のQ[論理積回路52への入力(h)]がHigh出力され、論理積回路52の出力(i)にはFCK信号(c)がそのまま出力される。FCK信号(c)がスワロカウンタ4に供給されることにより、スワロカウンタ4はA分周動作を開始する。
【0041】
また、スワロカウンタ4のA分周終了のタイミングでAカウント終了信号(f)がHigh出力され、インバータ53でLowが出力され、フリップフロップ51のR入力に入り、フリップフロップ51のQ出力[論理積回路52への入力(h)]がLow出力され、論理積回路52の出力(i)はLowになる。その結果、FCK信号がスワロカウンタ4に供給されないので、スワロカウンタ4の分周動作は停止する。そのため、その間の消費電力を削減することができる。
【0042】
一方、スワロカウンタ4のA分周終了のタイミングでAカウント終了信号(f)がHigh出力され、フリップフロップ54のQ出力[フリップフロップ55のD入力の(j)]がHigh出力され、その後フリップフロップ55のQ出力[論理積回路56への入力(k)]がHigh出力され、論理積回路56の出力(l)には、FCK信号がそのまま出力される。FCK信号がプログラムカウンタ3に供給されることにより、プログラムカウンタ3はN−A分周動作を開始する。
【0043】
また、プログラムカウンタ3の(N−A−1)分周終了のタイミングで(N−A−1)カウント終了信号(e)がHigh出力され、インバータ57でLowが出力され、フリップフロップ54のR入力に入り、フリップフロップ54のQ出力[フリップフロップ55のD入力(j)]がLow出力され、その後フリップフロップ55のQ出力がLow出力され、論理積回路56の出力(l)はLowになる。その結果、FCK信号がプログラムカウンタ3に供給されないので、プログラムカウンタ3の分周動作は停止するため、その間の消費電力を削減することができる。
【0044】
上記において、スワロカウンタ4へ入力されるクロックはカウンタ動作をするためのクロックであるので、全部がカウントされるわけではない。すなわち、プログラムカウンタ3からリセット信号が供給されている。それによって、A値のデータ(例えばA=3)がセットされる。リセット信号は、プログラムカウンタ3のNカウント終了信号またはそれに類似の信号(Nカウント終了の時点でリセットされておればよい。)を用いているので、それゆえ、スワロカウンタ4は(N−A)カウント終了よりカウントを開始することになる。
【0045】
なお、上記実施の形態では、プログラムカウンタ3の(N−A−1)カウント終了信号(図3のe)をクロック入力CKとしていたが、(N−A−1)より少ない数値のカウント終了信号をクロック入力CKとしてもよい。ただ、この場合、クロック入力CKが段々早く入力されることになるので、スワロカウンタの4の消費電力の低減効果が少なくなる。
【0046】
原理的には、プログラムカウンタ3の(N−A)カウント終了信号をクロック入力Sとし、クロックFCKの供給を開始すればよいのである。しかし、(N−A)カウント終了してからクロックFCKの供給が開始されるまでに遅延が伴うので、遅延による誤動作を避けるために、(N−A−1)カウント終了信号またはそれより早い信号を用いている。
【0047】
上記の実施の形態では、スワロカウンタ制御回路5をフリップフロップ51と論理積回路52とインバータ53で構成したが、図4のようにCK入力信号[スワロカウンタ4のAカウント終了信号]の立ち上がりにより、D入力[GND]をQ出力とし、S入力がHighの時Q出力をHigh、R入力がLowの時Q出力をLowにするフリップフロップ59と、フリップフロップ59のQ出力がHighの時はデュアルモジュラスプリスケーラ1の出力FCKをそのまま出力し、Lowの時は出力がLowの論理積回路60と、スワロカウンタ4のA分周比が0の時にLow信号を出力、それ以外の分周比ではHighを出力する論理和回路61とで構成してもよい。
【0048】
なお、上記の説明では、プログラムカウンタ3の(N−A−1)カウント終了信号(図3のe)をセット入力Sとしていたが、(N−A−1)より少ない数値のカウント終了信号をリセット入力Sとしてもよい。ただ、この場合、リセット入力Sが段々早く入力されることになるので、スワロカウンタの4の消費電力の低減効果が少なくなる。
【0049】
原理的には、プログラムカウンタ3の(N−A)カウント終了信号をセット入力Sとし、クロックFCKの供給を開始すればよいのである。しかし、Nカウント終了してからクロックFCKの供給が開始されるまでに遅延が伴うので、遅延による誤動作を避けるために、(N−A−1)カウント終了信号またはそれより早い信号を用いている。
【0050】
【発明の効果】
以上のように、本発明のパルススワロ方式PLL回路によれば、デュアルモジュラスプリスケーラ出力とスワロカウンタの間にスワロカウンタ制御回路を備え、デュアルモジュラスカウンタとプログラムカウンタとの間にプログラムカウンタ制御回路を備え、スワロカウンタが分周動作を行っているときにはプログラムカウンタへのデュアルモジュラスカウンタの出力の供給を停止し、プログラムカウンタが分周動作を行っているときはスワロカウンタへのデュアルモジュラスカウンタの出力の供給を停止することにより、高周波数での動作や分周数が多い場合の分周動作時においても、分周器ブロックの低消費電力化をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパルススワロ方式PLL回路の分周器部分の原理を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるパルススワロ方式PLL回路の分周器部分のブロック図である。
【図3】図1の動作を説明するタイムチャートである。
【図4】スワロカウンタ制御回路の他の回路例を示す回路図である。
【図5】従来のパルススワロ方式PLL回路の分周器部分のブロック図である。
【図6】図5の動作を説明するタイムチャートである。
【符号の説明】
1 デュアルモジュラスプリスケーラ
2 モジュラスコントローラ
3 プログラムカウンタ
4 スワロカウンタ
5 スワロカウンタ制御回路
6 プログラムカウンタ制御回路
7 N−A作成回路
51 フリップフロップ
52 論理積回路
53 インバータ
54 フリップフロップ
55 フリップフロップ
56 論理積回路
57 インバータ
58 論理和回路
59 フリップフロップ
60 論理積回路
61 論理和回路
【発明の属する技術分野】
本発明は通信・信号処理分野に使用するパルススワロ方式PLL回路に関するものであり、特に低消費電力のパルススワロ方式PLL回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5は従来のパルススワロ方式PLL回路の分周器部分のブロック図である。図5において、1は電圧制御発振器(図示せず)の出力を分周するための2つの分周比[1/P、1/(P+1)、Pは2以上の整数]をもつデュアルモジュラスプリスケーラである。
【0003】
3はデュアルモジュラスプリスケーラ1の出力FCKをN分周(Nは2以上の整数)するプログラムカウンタである。
【0004】
4はデュアルモジュラスプリスケーラ1の出力FCKをA分周(AはA<Nの整数)するスワロカウンタである。
【0005】
2はプログラムカウンタ3とスワロカウンタ4の出力によりデュアルモジュラスプリスケーラ1の分周比を制御するモジュラスコントローラである。
【0006】
具体的には、プログラムカウンタ3のNカウント終了信号とスワロカウンタ4のAカウント終了信号とに基づきプログラムカウンタ3がデュアルモジュラスプリスケーラ1の出力をN個カウントする期間においてスワロカウンタ4がデュアルモジュラスプリスケーラ1の出力をA個カウントする前の期間とA個カウントした後の期間とでデュアルモジュラスプリスケーラ1の分周比を切り替え制御する。
【0007】
以下、図6を参照して、このパルススワロ方式PLL回路における分周動作を説明する。なお、図6はN=8、A=3の場合を例にとって図示している。
【0008】
プログラムカウンタ3とスワロカウンタ4とは、デュアルモジュラスプリスケーラ1の出力FCK(図6のa)を受けて同時にカウントを開始する。同時にカウントを開始するのは、以下の理由からである。すなわち、N値、A値のデータが(例えばN=8、A=3)がセットされるのが、同じ信号(後述のリセット信号)に呼応するので、同時にカウントを開始する。
【0009】
そして、プログラムカウンタ3のNカウント終了信号(図6のb)とスワロカウンタ4のAカウント終了信号(図6のc)とがモジュラスコントローラ2に入力されることで、デュアルモジュラスプリスケーラ1は、以下のように分周比が切り替え制御される。
【0010】
すなわち、モジュラスコントローラ2は、プログラムカウンタ3が図6のdに示すように、デュアルモジュラスプリスケーラ1の出力をN個カウントする期間においてスワロカウンタ4がデュアルモジュラスプリスケーラ1の出力をA個カウントする前の期間にローレベルとなり、A個カウントした後の期間にハイレベルとなるモジュラスコントロール信号を出力する。これによって、デュアルモジュラスプリスケーラ1の出力がN個カウントされる期間においてスワロカウンタ4がデュアルモジュラスプリスケーラ1の出力がA個カウントされる前の期間とA個カウントされた後の期間とでデュアルモジュラスプリスケーラ1の分周比が切り替え制御される。
【0011】
具体的に説明すると、スワロカウンタ4がデュアルモジュラスプリスケーラ1の出力をA個カウントする前の期間(スワロカウンタ4のAカウント中[A])はデュアルモジュラスプリスケーラ1は(P+1)分周する。また、スワロカウンタ4がデュアルモジュラスプリスケーラ1の出力をA個カウントした後の期間(スワロカウンタ4のAカウント終了からプログラムカウンタ3のNカウント終了まで[N−A])はP分周する。それにより基準周波数の(P×N+A)分周の周波数を出力することができる。
【0012】
なお、図6のeはスワロカウンタ4へ入力されるクロック入力である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の構成では、プログラムカウンタ3とスワロカウンタ4とは、同じデュアルモジュラスプリスケーラ1の出力FCKをカウントしており、かつデュアルモジュラスプリスケーラ1の出力FCKは高い周波数であるため、プログラムカウンタ3とスワロカウンタ4とは多くの電力を消費することになる。
【0014】
上記したように、従来、通信・信号処理分野に使用するパルススワロ方式PLL回路においては、高周波での動作時や分周数が大きい場合に、分周器ブロックでの低消費電力化が課題であった。
【0015】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、分周器ブロックでの低消費電力化を図ることができるパルススワロ方式PLL回路を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明は、プログラムカウンタおよびスワロカウンタの分周動作の期間を短く(最小限に)制限することによりパルススワロ方式PLL回路の低消費電力化を可能とするものである。
【0017】
すなわち、本発明のパルススワロ方式PLL回路は、図1に示すように、電圧制御発振器の出力を分周するための2つの分周比[1/P、1/(P+1)、Pは2以上の整数]をもつデュアルモジュラスプリスケーラと、デュアルモジュラスプリスケーラの出力をN分周(Nは2以上の整数)するプログラムカウンタと、デュアルモジュラスプリスケーラの出力をA分周(AはA<Nの整数)するスワロカウンタと、プログラムカウンタの出力とスワロカウンタの出力とに基づきデュアルモジュラスプリスケーラの分周比を切り替え制御するモジュラスコントローラと、N−Aのデータを作成してプログラムカウンタに設定するN−A作成回路と、デュアルモジュラスプリスケーラの出力とスワロカウンタの入力との間に設けたスワロカウンタ制御回路と、デュアルモジュラスプリスケーラの出力とプログラムカウンタの入力との間に設けたプログラムカウンタ制御回路とを備えている。
【0018】
そして、プログラムカウンタのN−Aカウント終了のタイミングを受けてスワロカウンタへデュアルモジュラスプリスケーラの出力を供給してスワロカウンタのAカウント中(モジュラス動作中)はスワロカウンタにデュアルモジュラスプリスケーラの出力を分周動作させ、スワロカウンタのAカウント終了のタイミングを受けてスワロカウンタへのデュアルモジュラスプリスケーラの出力の供給を止めてスワロカウンタのAカウント終了からプログラムカウンタのN−Aカウント終了まで(モジュラス動作をしていない期間中)はスワロカウンタの不要な動作を停止する制御をスワロカウンタ制御回路で行う。
【0019】
また、スワロカウンタのAカウント終了のタイミングを受けてプログラムカウンタへデュアルモジュラスプリスケーラの出力を供給してプログラムカウンタのN−Aカウント中(モジュラス動作中)はプログラムカウンタにデュアルモジュラスプリスケーラの出力を分周動作させ、プログラムカウンタのN−Aカウント終了のタイミングを受けてプログラムカウンタへのデュアルモジュラスプリスケーラの出力信号の供給を止めてプログラムカウンタのN−Aカウント終了からスワロカウンタのAカウント終了まで(モジュラス動作をしていない期間中)はプログラムカウンタの不要な動作を停止する制御をプログラムカウンタ制御回路で行う。
【0020】
さらに、スワロカウンタの分周動作中とプログラムカウンタの分周動作中とでデュアルモジュラスプリスケーラの分周比を切り替える。
【0021】
この構成によれば、スワロカウンタのAカウント終了からプログラムカウンタのN−Aカウント終了まで(プログラムカウンタのN−Aカウントの間)はスワロカウンタの不要な動作を停止するので、その期間におけるスワロカウンタの消費電力を少なく抑えることができる。また、プログラムカウンタのN−Aカウント終了からスワロカウンタのAカウント終了まで(スワロカウンタのAカウントの間)はプログラムカウンタの不要な動作を停止するので、その期間におけるプログラムカウンタの消費電力を少なく抑えることができる。したがって、分周器ブロックでの低消費電力化が可能となる。
【0022】
本発明の請求項2記載のパルススワロ方式PLL回路は、請求項1記載のパルススワロ方式PLL回路において、スワロカウンタ制御回路は、プログラムカウンタの(N−A−1)カウント終了信号またはそれより少ない任意の数値のカウント終了信号をクロック入力とし、スワロカウンタのAカウント終了信号をリセット入力とし、電源電位をデータ入力とするDフリップフロップと、DフリップフロップのQ出力とデュアルモジュラスプリスケーラの出力とを入力とする2入力論理積回路とで構成されている。
【0023】
この構成によれば、請求項1記載のパルススワロ方式PLL回路と同様の作用効果を有する。
【0024】
本発明の請求項3記載のパルススワロ方式PLL回路は、請求項1記載のパルススワロ方式PLL回路において、スワロカウンタ制御回路は、プログラムカウンタの(N−A−1)カウント終了信号またはそれより少ない任意の数値のカウント終了信号をセット入力とし、スワロカウンタのAカウント終了信号をクロック入力とし、接地電位をデータ入力とするDフリップフロップ(59)と、Dフリップフロップ(59)のQ出力とデュアルモジュラスプリスケーラの出力とを入力とする2入力論理積回路(60)とで構成されている。
【0025】
この構成によれば、請求項1記載のパルススワロ方式PLL回路と同様の作用効果を有する。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について詳しく説明する。
【0027】
図2は本発明の第1の実施の形態におけるパルススワロ方式PLL回路における分周器部分のブロック図を示すものである。図2において、1は電圧制御発振器の出力を分周するための2つの分周比[1/P、1/(P+1)、Pは2以上の整数]をもつデュアルモジュラスプリスケーラである。
【0028】
3はデュアルモジュラスプリスケーラ1の出力FCK(図3のc)をN分周(Nは2以上の整数)するプログラムカウンタである。
【0029】
4はデュアルモジュラスプリスケーラ1の出力FCKをA分周(AはA<Nの整数)するスワロカウンタである。
【0030】
2はプログラムカウンタ3とスワロカウンタ4の出力によりデュアルモジュラスプリスケーラ1の分周比を切り替え制御するモジュラスコントローラである。具体的には、プログラムカウンタ3のN−Aカウント終了信号(図3のd)とスワロカウンタ4のAカウント終了信号(図3のf)とに基づきデュアルモジュラスプリスケーラ1の分周比をモジュラスコントロール信号(図3のg)により切り替え制御する。この際、プログラムカウンタ3のN−Aカウント終了のタイミングからスワロカウンタ4のAカウント終了のタイミングの間は(P+1)分周動作がデュアルモジュラスプリスケーラ1で行われ、スワロカウンタ4のAカウント終了のタイミングからプログラムカウンタ3のN−Aカウント終了のタイミングの間はP分周動作がデュアルモジュラスプリスケーラ1で行われる。
【0031】
5はデュアルモジュラスプリスケーラ1の出力とスワロカウンタ4の入力との間に設けたスワロカウンタ制御回路であり、プログラムカウンタ3の(N−A−1)カウント終了信号(図3のe)とスワロカウンタ3のAカウント終了信号(図3のf)とに基づいてデュアルモジュラスプリスケーラ1の出力FCKのスワロカウンタ4への供給を制御する。
【0032】
6はデュアルモジュラスプリスケーラ1の出力とプログラムカウンタ3の入力との間に設けたプログラムカウンタ制御回路であり、プログラムカウンタ3の(N−A−1)カウント終了信号(図3のe)とスワロカウンタ3のAカウント終了信号(図3のf)とに基づいてデュアルモジュラスプリスケーラ1の出力FCKのプログラムカウンタ3への供給を制御する。
【0033】
7はプログラムカウンタ分周比データNとスワロカウンタ分周比データAとを入力として(N−A)のデータを作成するN−A作成回路であり、このN−A作成回路7で設定されたデータ(N−A)がプログラムカウンタ7に設定される。このときの、プログラムカウンタ7の分周比が結果的にNとなる。
【0034】
そして、スワロカウンタ制御回路6は、遅くともプログラムカウンタ3のN−Aカウント終了のタイミングを受けてスワロカウンタ4へデュアルモジュラスプリスケーラ1の出力を供給してスワロカウンタ4のAカウント中(モジュラス動作中)はスワロカウンタ4にデュアルモジュラスプリスケーラ1の出力を分周動作させ、スワロカウンタ4のAカウント終了のタイミングを受けてスワロカウンタ4へのデュアルモジュラスプリスケーラ1の出力の供給を止めてスワロカウンタ4のAカウント終了からプログラムカウンタ3のN−Aカウント終了まで(モジュラス動作をしていない期間中)はスワロカウンタ4の不要な動作を停止する制御を行う。
【0035】
また、プログラムカウンタ制御回路6は、スワロカウンタ4のAカウント終了のタイミングを受けてプログラムカウンタ3へデュアルモジュラスプリスケーラ1の出力を供給してプログラムカウンタ3のN−Aカウント中(モジュラス動作中)はプログラムカウンタ3にデュアルモジュラスプリスケーラ1の出力を分周動作させ、プログラムカウンタ3のN−Aカウント終了のタイミングを受けてプログラムカウンタ3へのデュアルモジュラスプリスケーラ1の出力信号の供給を止めてプログラムカウンタ3のN−Aカウント終了からスワロカウンタ4のAカウント終了まで(モジュラス動作をしていない期間中)はプログラムカウンタ3の不要な動作を停止する制御を行う。
【0036】
フリップフロップ51はプログラムカウンタ3の(N−A−1)カウント終了信号(図3のe)をCK入力とし、VCC[High]をD入力およびS入力とし、スワロカウンタ4のAカウント終了カウント終了信号(図3のf)の反転信号[Aカウント終了信号入力を反転するインバータ53の出力]をR入力とし、Q出力(図3のh)を論理積回路52への入力としている。また、論理積回路52は、フリップフロップ51のQ出力とFCK信号(図3のc)をそれぞれ入力とし、出力(図3のi)をスワロカウンタ4へのCK入力としている。以上のフリップフロップ51、論理積回路52およびインバータ53で、スワロカウンタ制御回路5が構成される。
【0037】
フリップフロップ54はAカウント終了信号(図3のf)をCK入力とし、VCC[High]をD入力とし、RESET[Low〜Highに立ち上がる]をS入力とし、(N−A−1)カウント終了カウント終了信号(図3のe)の反転信号[(N−A−1)カウント終了信号入力を反転するインバータ57の出力]をR入力とする。フリップフロップ55はFCK信号(図3のc)をCK入力とし、フリップフロップ54のQ出力(図3のj)をD入力とし、論理和回路58の出力[スワロカウンタ4のAの分周比が0の時にLow信号を出力、それ以外の分周比ではHigh信号を出力する]をS入力およびR入力とし、Q出力(図3のk)を論理積回路56への入力とする。論理積回路56は、フリップフロップ55のQ出力(図3のk)とFCK信号(図3のc)をそれぞれ入力とし、出力(図3のl)をプログラムカウンタ3へのCK入力とする。以上のフリップフロップ54,55と論理積回路56とインバータ57とで、プログラムカウンタ制御回路6が構成される。なお、図2において、符号aはN−A作成回路7からプログラムカウンタ3へ与えられる(N−A)のデータ、つまり分周数信号である。また、符号bはスワロカウンタ4へ与えられるAのデータ、つまり分周数信号である。
【0038】
以上のように構成された第1の実施の形態のパルススワロ方式PLL低消費回路について以下、図3を用いてその動作を説明する。
【0039】
図3において、cはデュアルモジュラスプリスケーラ1の分周出力FCK、dはプログラムカウンタ3のN−Aカウント終了信号、eはプログラムカウンタ3の(N−A−1)カウント終了信号、fはスワロカウンタ4のAカウント終了信号、gはデュアルモジュラスプリスケーラ1を制御するためのモジュラス動作コントロール信号、hはフリップフロップ51のQ出力、iは論理積回路52の出力でスワロカウンタ4へのCK入力、jはフリップフロップ54のQ出力、kはフリップフロップ55のQ出力、lは論理積回路56の出力でスワロカウンタ4へのCK入力である。
【0040】
プログラムカウンタ3の(N−A−1)分周終了のタイミングで(N−A−1)カウント終了信号(e)がHigh出力され、フリップフロップ51のQ[論理積回路52への入力(h)]がHigh出力され、論理積回路52の出力(i)にはFCK信号(c)がそのまま出力される。FCK信号(c)がスワロカウンタ4に供給されることにより、スワロカウンタ4はA分周動作を開始する。
【0041】
また、スワロカウンタ4のA分周終了のタイミングでAカウント終了信号(f)がHigh出力され、インバータ53でLowが出力され、フリップフロップ51のR入力に入り、フリップフロップ51のQ出力[論理積回路52への入力(h)]がLow出力され、論理積回路52の出力(i)はLowになる。その結果、FCK信号がスワロカウンタ4に供給されないので、スワロカウンタ4の分周動作は停止する。そのため、その間の消費電力を削減することができる。
【0042】
一方、スワロカウンタ4のA分周終了のタイミングでAカウント終了信号(f)がHigh出力され、フリップフロップ54のQ出力[フリップフロップ55のD入力の(j)]がHigh出力され、その後フリップフロップ55のQ出力[論理積回路56への入力(k)]がHigh出力され、論理積回路56の出力(l)には、FCK信号がそのまま出力される。FCK信号がプログラムカウンタ3に供給されることにより、プログラムカウンタ3はN−A分周動作を開始する。
【0043】
また、プログラムカウンタ3の(N−A−1)分周終了のタイミングで(N−A−1)カウント終了信号(e)がHigh出力され、インバータ57でLowが出力され、フリップフロップ54のR入力に入り、フリップフロップ54のQ出力[フリップフロップ55のD入力(j)]がLow出力され、その後フリップフロップ55のQ出力がLow出力され、論理積回路56の出力(l)はLowになる。その結果、FCK信号がプログラムカウンタ3に供給されないので、プログラムカウンタ3の分周動作は停止するため、その間の消費電力を削減することができる。
【0044】
上記において、スワロカウンタ4へ入力されるクロックはカウンタ動作をするためのクロックであるので、全部がカウントされるわけではない。すなわち、プログラムカウンタ3からリセット信号が供給されている。それによって、A値のデータ(例えばA=3)がセットされる。リセット信号は、プログラムカウンタ3のNカウント終了信号またはそれに類似の信号(Nカウント終了の時点でリセットされておればよい。)を用いているので、それゆえ、スワロカウンタ4は(N−A)カウント終了よりカウントを開始することになる。
【0045】
なお、上記実施の形態では、プログラムカウンタ3の(N−A−1)カウント終了信号(図3のe)をクロック入力CKとしていたが、(N−A−1)より少ない数値のカウント終了信号をクロック入力CKとしてもよい。ただ、この場合、クロック入力CKが段々早く入力されることになるので、スワロカウンタの4の消費電力の低減効果が少なくなる。
【0046】
原理的には、プログラムカウンタ3の(N−A)カウント終了信号をクロック入力Sとし、クロックFCKの供給を開始すればよいのである。しかし、(N−A)カウント終了してからクロックFCKの供給が開始されるまでに遅延が伴うので、遅延による誤動作を避けるために、(N−A−1)カウント終了信号またはそれより早い信号を用いている。
【0047】
上記の実施の形態では、スワロカウンタ制御回路5をフリップフロップ51と論理積回路52とインバータ53で構成したが、図4のようにCK入力信号[スワロカウンタ4のAカウント終了信号]の立ち上がりにより、D入力[GND]をQ出力とし、S入力がHighの時Q出力をHigh、R入力がLowの時Q出力をLowにするフリップフロップ59と、フリップフロップ59のQ出力がHighの時はデュアルモジュラスプリスケーラ1の出力FCKをそのまま出力し、Lowの時は出力がLowの論理積回路60と、スワロカウンタ4のA分周比が0の時にLow信号を出力、それ以外の分周比ではHighを出力する論理和回路61とで構成してもよい。
【0048】
なお、上記の説明では、プログラムカウンタ3の(N−A−1)カウント終了信号(図3のe)をセット入力Sとしていたが、(N−A−1)より少ない数値のカウント終了信号をリセット入力Sとしてもよい。ただ、この場合、リセット入力Sが段々早く入力されることになるので、スワロカウンタの4の消費電力の低減効果が少なくなる。
【0049】
原理的には、プログラムカウンタ3の(N−A)カウント終了信号をセット入力Sとし、クロックFCKの供給を開始すればよいのである。しかし、Nカウント終了してからクロックFCKの供給が開始されるまでに遅延が伴うので、遅延による誤動作を避けるために、(N−A−1)カウント終了信号またはそれより早い信号を用いている。
【0050】
【発明の効果】
以上のように、本発明のパルススワロ方式PLL回路によれば、デュアルモジュラスプリスケーラ出力とスワロカウンタの間にスワロカウンタ制御回路を備え、デュアルモジュラスカウンタとプログラムカウンタとの間にプログラムカウンタ制御回路を備え、スワロカウンタが分周動作を行っているときにはプログラムカウンタへのデュアルモジュラスカウンタの出力の供給を停止し、プログラムカウンタが分周動作を行っているときはスワロカウンタへのデュアルモジュラスカウンタの出力の供給を停止することにより、高周波数での動作や分周数が多い場合の分周動作時においても、分周器ブロックの低消費電力化をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパルススワロ方式PLL回路の分周器部分の原理を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるパルススワロ方式PLL回路の分周器部分のブロック図である。
【図3】図1の動作を説明するタイムチャートである。
【図4】スワロカウンタ制御回路の他の回路例を示す回路図である。
【図5】従来のパルススワロ方式PLL回路の分周器部分のブロック図である。
【図6】図5の動作を説明するタイムチャートである。
【符号の説明】
1 デュアルモジュラスプリスケーラ
2 モジュラスコントローラ
3 プログラムカウンタ
4 スワロカウンタ
5 スワロカウンタ制御回路
6 プログラムカウンタ制御回路
7 N−A作成回路
51 フリップフロップ
52 論理積回路
53 インバータ
54 フリップフロップ
55 フリップフロップ
56 論理積回路
57 インバータ
58 論理和回路
59 フリップフロップ
60 論理積回路
61 論理和回路
Claims (3)
- 電圧制御発振器の出力を分周するための2つの分周比[1/P、1/(P+1)、Pは2以上の整数]をもつデュアルモジュラスプリスケーラと、
前記デュアルモジュラスプリスケーラの出力をN分周(Nは2以上の整数)するプログラムカウンタと、
前記デュアルモジュラスプリスケーラの出力をA分周(AはA<Nの整数)するスワロカウンタと、
前記プログラムカウンタの出力と前記スワロカウンタの出力とに基づき前記デュアルモジュラスプリスケーラの分周比を切り替え制御するモジュラスコントローラと、
N−Aのデータを作成して前記プログラムカウンタに設定するN−A作成回路と、
前記デュアルモジュラスプリスケーラの出力と前記スワロカウンタの入力との間に設けたスワロカウンタ制御回路と、
前記デュアルモジュラスプリスケーラの出力と前記プログラムカウンタの入力との間に設けたプログラムカウンタ制御回路とを備え、
前記プログラムカウンタのN−Aカウント終了のタイミングを受けて前記スワロカウンタへ前記デュアルモジュラスプリスケーラの出力を供給して前記スワロカウンタがAカウント中は前記スワロカウンタに前記デュアルモジュラスプリスケーラの出力を分周動作させ、前記スワロカウンタのAカウント終了のタイミングを受けて前記スワロカウンタへの前記デュアルモジュラスプリスケーラの出力の供給を止めて前記スワロカウンタのAカウント終了から前記プログラムカウンタのN−Aカウント終了までは前記スワロカウンタの不要な動作を停止する制御を前記スワロカウンタ制御回路で行い、
前記スワロカウンタのAカウント終了のタイミングを受けて前記プログラムカウンタへ前記デュアルモジュラスプリスケーラの出力を供給して前記プログラムカウンタのN−Aカウント中は前記プログラムカウンタに前記デュアルモジュラスプリスケーラの出力を分周動作させ、前記プログラムカウンタのN−Aカウント終了のタイミングを受けて前記プログラムカウンタへの前記デュアルモジュラスプリスケーラの出力信号の供給を止めて前記プログラムカウンタのN−Aカウント終了から前記スワロカウンタがAカウント終了までは前記プログラムカウンタの不要な動作を停止する制御を前記プログラムカウンタ制御回路で行うようにし、
前記スワロカウンタの分周動作中と前記プログラムカウンタの分周動作中とで前記デュアルモジュラスプリスケーラの分周比を切り替えるようにしたパルススワロ方式PLL回路。 - スワロカウンタ制御回路は、プログラムカウンタの(N−A−1)カウント終了信号またはそれより少ない任意の数値のカウント終了信号をクロック入力とし、スワロカウンタのAカウント終了信号をリセット入力とし、電源電位をデータ入力とするDフリップフロップと、前記DフリップフロップのQ出力とデュアルモジュラスプリスケーラの出力とを入力とする2入力論理積回路とで構成されている請求項1記載のパルススワロ方式PLL回路。
- スワロカウンタ制御回路は、プログラムカウンタの(N−A−1)カウント終了信号またはそれより少ない任意の数値のカウント終了信号をセット入力とし、スワロカウンタのAカウント終了信号をクロック入力とし、接地電位をデータ入力とするDフリップフロップと、前記DフリップフロップのQ出力とデュアルモジュラスプリスケーラの出力とを入力とする2入力論理積回路とで構成されている請求項1記載のパルススワロ方式PLL回路。
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