JP3616928B2 - コンピュータ断層撮影装置 - Google Patents

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Description

本発明は、非破壊検査装置のうちのコンピュータ断層撮影装置に係り、特に例えば小型電子部品等を高分解能で検査するための高分解能型のコンピュータ断層撮影装置の改良に関するものである。
近年、例えば小型電子部品等を高分解能で検査することを目的として、高分解能型の産業用のコンピュータ断層撮影装置(CTスキャナとも称する)が製作されるようになってきている。
この従来の高分解能型コンピュータ断層撮影装置は、X線管から発生して被検体を透過したX線ビームを、2次元の検出器で検出して、被検体の透過画像を得るようになっている。
断面像を撮影する場合には、被検体を1回転させながら、多数の透過画像を得る(以下、スキャンと称する)。
そして、この多数の透過画像をデータ処理して、被検体の断面像(1枚ないし複数枚)を得る。
断面像の再構成には、通常、フィルター補正逆投影法(FBP(Filtered Back Projection)法)が用いられている。
この高分解能型コンピュータ断層撮影装置は、X線幾何を自由に設定することができ、色々な対象物に対応できる特徴を有している。
被検体を載せて回転させる回転テーブル、および検出器は、X線管(X線ビーム焦点)に近づけたり遠ざけたりすることができ、撮影距離FCD(Focus to Center Distance)と検出距離FDD(Focus to Detector Distance)とを連続的に変更することができ、被検体の大きさに応じて、撮影倍率(拡大率)(=FDD/FCD)を変えることができる。
図22は、通常スキャンとオフセットスキャンのスキャン領域の一例を示す概念図である。
図22に示すように、スキャン領域(断面像視野)は、回転平面上で撮影X線ビーム102に包含される回転中心Cnを中心とする円Anで、撮影倍率が大きいほど小さな円となる。
回転中心Cnは、通常、機構誤差があるため中心から若干ずれているが、このずれが大きいと(同一撮影倍率で)、スキャン領域が狭くなってしまうため好ましくない。
多数の透過画像をデータ処理して、分解能のよい断面像を得るためには、透過画像上で回転中心位置が1画素よりも細かい単位で正確に知られている必要がある。
従来の高分解能型コンピュータ断層撮影装置では、幾何設定を終えて被検体をスキャンする前に、ピン状ファントムに載せ換えてこれを撮影し、回転中心の較正(目盛づけ)を行なっている。
この回転中心の較正は、回転中心に対応する検出ch位置を求めて、データ処理部に記憶させることで行なわれる。
他方、回転中心をずらし、被検体を片側はみ出してスキャンし、大きな被検体も撮影可能にしたコンピュータ断層撮影装置が知られている(例えば、“特開昭58−116342号公報”)。
このスキャンは、回転中心をずらして設定(オフセット)していることから、オフセットスキャンと呼ばれている。
図22に示すように、オフセットスキャンでのスキャン領域(断面像視野)は、回転平面上で回転中心Cofを中心として、撮影X線ビームの片側に接する円Aofで、同じFCDでは通常スキャンよりも大きくなる。
ところで、オフセットスキャンは、スキャン領域が広げられることから、高分解能型コンピュータ断層撮影装置にも採用することが好ましい。
しかしながら、高分解能型コンピュータ断層撮影装置にテーブルオフセット機構を加えて、オフセットスキャンを採用した場合には、X線幾何が自由に設定できるようになっている利便性の反面、次のような問題点が生じる。
すなわち、第一に、テーブルをオフセット位置に設定することが難しいことがある。
適正なX線幾何としては、被検体がスキャン領域に収まるようなFCDの選択と回転中心を、余裕を含めて視野の端にオフセット設定することであるが、被検体の透過画像上では回転中心を目視することができず、またFCD(やFDD)を変更すると、画面上で回転中心がずれてしまうことが起こるため、被検体とピン状ファントムを載せ換えたり、FCDとオフセットを交互に換えたりしながら幾何設定が行なわれる。
回転中心が視野から外れてしまうと、断面像が正しく再構成されず、内側すぎると、スキャン領域が狭くなってしまう。
これらは、大変厄介な作業である。
第二には、幾何設定が済んだ段階でピン状ファントムを載せ、回転中心の較正を行なう必要があることである。
さらに、この較正が済んだ後で、被検体を元の位置に載せ換えなければならない。
この時、載せ換え位置がずれると、被検体が撮影視野に収まらなくなったりする。
これらも、大変厄介な作業である。
通常スキャンにおいては、機構誤差による回転中心Cnのずれにより(同一撮影倍率で)、スキャン領域が狭くなるという問題点がある。
言い換えると、同じスキャン領域の場合には、撮影倍率が最大まで上げられておらず、無駄があるといえる。
他方、通常スキャンとオフセットスキャンを切換え可能とした場合には、再構成法が異なる問題がある。
オフセットスキャンの再構成法として、従来では、平行ビームに並び替えてから、フィルター補正して逆投影するファンパラ変換FBP法が用いられてきている。
通常スキャンの場合には、ファンビームのままフィルター補正して逆投影する、直接FBP法が用いられている。
このため、再構成手段に2種の再構成法を混在させる必要がある。
本発明の目的は、回転中心の較正を容易に行なうことが可能なコンピュータ断層撮影装置を提供することにある。
請求項1に対応する発明では、X線ビームを放射するX線源と、被検体を載置する回転テーブルと、被検体を透過したX線源からの少なくとも回転テーブルの回転軸に直交する扇状のX線ビームを検出するX線検出器とを備え、回転テーブルの複数の回転位置でそれぞれX線検出器により検出した被検体の複数の透過データから、被検体の断面像を得るコンピュータ断層撮影装置であって、被検体の複数の透過データが作るサイノグラム上で、複数点での透過データと、仮想回転中心を設定することで決まる当該複数点とそれぞれ逆向きX線経路をなす複数点での透過データとの相関をとり、仮想回転中心を変更して最も良い相関を与える仮想回転中心を、回転中心位置として求める回転中心求出手段を備えている。
従って、請求項1に対応する発明のコンピュータ断層撮影装置においては、横軸に扇状のX線ビーム内の配置角、縦軸に回転角をとって、透過データを並べた画像であるサイノグラムから回転中心位置を正確に求める。これは、原理的に、サイノグラム上に仮想回転中心(縦線)を設定すると、サイノグラム上の点から当該点と逆向きX線経路をなす点が計算でき、仮想回転中心が回転中心に一致した時、対応点間のX線経路が一致(逆向き)することで透過データが一致することを用いている。
これにより、被検体を回転中心較正用の専用ファントム等と載せ換えることなく、被検体自身の透過データから、断面像の再構成、あるいは回転テーブルの移動位置計算に必要な回転中心位置が求められるため、断面像の再構成、あるいは回転テーブルの移動を容易に行なうことができる。
本発明のコンピュータ断層撮影装置によれば、回転中心の較正を容易に行なうことが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態によるコンピュータ断層撮影装置の構成例を示す概要図である。
図1において、X線管1としては、発生するX線ビーム2の焦点Fが、数ないし十数μmのマイクロフォーカスX線管を用い、X線検出器(以下、単に検出器と称する)3としては、X線II(像増強管)とテレビカメラからなるものを用いている。
X線管1および検出器3は対向して配置され、xシフト機構8により支持されている。
被検体4は、回転テーブル5上に載置され、回転・昇降機構6によりX線ビーム2内で(断面像の)撮影面14に沿って回転されると共に、撮影面14にほぼ直角に昇降される。
また、被検体4は、回転テーブル5と共に、yシフト機構7によりX線ビーム2を横切って(図示y方向に)移動されると共に、xシフト機構8によりX線管1と検出器3との間を移動して、撮影距離FCDが変更される。
検出器3は、xシフト機構8により移動され、検出距離FDDが変更される。
図1中、Cは回転中心、Dは検出中心を示している。
なお、構成要素として、他に、検出器3からの透過画像を処理するデータ処理部19と、処理結果等を表示する表示部20と、データ処理部19からの指令で機構部を制御する機構制御部18と、X線管1の管電圧、管電流を制御するX線制御部17および高電圧発生器16と、X線管1と被検体4と検出器3とを含む部分を収納するX線の遮蔽箱(図示しない)等がある。
一方、xシフト機構8およびyシフト機構7には、図示しないエンコーダが取付けられており、FCD値、FDD値、およびy値が読み取られ、それぞれ機構制御部18を通してデータ処理部19に送られる。
また、データ処理部19および表示部20は、通常のコンピュータであり、CPU、メモリ、ディスク、キーボード、インターフェース等からなり、断層撮影のシークエンスやデータから断面像を再構成するソフトウェア等をあらかじめ記憶している。
操作者は、データ処理部19および表示部20を用いて、メニュー選択や条件設定、機構部手動操作、断層撮影の開始、装置のステータス読取、断面像の表示、断面像の解析等を行なう。
データ処理部19は、ソフトウェアの機能ブロックとして、断層撮影のスキャン制御部21と、回転テーブル5のシフト量を計算し、制御するシフト計算・制御部22と、透過画像から当該画像上の回転中心位置を求める回転中心求出部23と、断面像を作成する再構成部24とを備えている。
次に、以上のように構成した本実施の形態によるコンピュータ断層撮影装置の作用について説明する。
なお、ここでは、スキャンモード毎に分けてそれぞれ説明する。
<通常スキャン>(従来と同様の作用)
まず、通常スキャンモードで、被検体4の断面像を撮影する場合について述べる。
操作者は、被検体4を回転テーブル5上に載置し、データ処理部19に指令を入力することで、X線管1からX線ビーム2を放射させ、被検体4の透過画像を表示部20にリアルタイムの動画像として表示させながら、手動または電動により回転させて、全ての回転位置で(断面像を得ようとしている位置の)透過像が画像の視野にちょうど収まるように、撮影距離FCD(および検出距離FDD)を変えて撮影倍率を調整する。
通常、回転中心Cは(yシフト原点位置で)画像の中心近くになるように機構調整してあるが、若干の誤差があり、撮影距離FCD(および検出距離FDD)によって、この誤差は変化する。
通常スキャンにおける断面像の最大視野は、図22に示すスキャン領域Anになる。
回転中心Cのずれが大きすぎると、スキャン領域が減少して好ましくない。
しかし、通常、上記撮影距離FCDの調整に支障が生じるほどのずれは起きない。
次に、被検体4を昇降させて、検査位置を撮影面14に合わせる。
次に、データ処理部19に通常スキャンの指令を入力すると、データ処理部19のスキャン制御部21では、回転テーブル5を回転させながら検出器3の出力である透過像を取込み、360°にわたる透過像の撮影面14位置の透過データから、まず、回転中心求出部23で後述するように透過データ上の回転中心位置を求め、再構成部24で当該回転中心位置を用いて、従来と同様にフィルター補正逆投影法等により、撮影面14位置での断面像を再構成する。
再構成部24では、あるいはフェルドカンプ法を用いて、撮影面14位置以外の透過データも用いて多数の断面像を再構成する。
ここで、回転中心Cの画像中心からのずれは、スキャン領域の減少という意味では許容できるずれであっても、再構成にとっては許容できないずれであるため、回転中心求出部23で回転中心Cを求めることにより、調整がなされる。<終了>。
<オフセットスキャン1>
次に、オフセットスキャン1モードで、被検体4の断面像を撮影する場合について述べる。
操作者は、被検体4を回転テーブル5上に載置し、データ処理部19に指令を入力することで、X線管1からX線ビーム2を放射させ、被検体4の透過画像を表示部20にリアルタイムの動画像として表示させながら、電動により回転させて、全ての回転位置で(断面像を得ようとしている位置の)透過像が画像の視野にちょうど収まるように、撮影距離FCD(および検出距離FDD)を変えて撮影倍率を調整する。
通常、回転中心Cは(yシフト原点位置で)画像の中心近くになるように機構調整してあるが、若干の誤差があり、撮影距離FCD(および検出距離FDD)によって、この誤差は変化する。
通常スキャンにおける断面像の最大視野は、図22に示すスキャン領域Anになる。
回転中心Cのずれが大きすぎると、スキャン領域が減少して好ましくない。
しかし、通常、上記撮影距離FCDの調整に支障が生じるほどのずれは起きない。
次に、被検体4を昇降させて、検査位置を撮影面14に合わせる。
次に、データ処理部19に「最適オフセット位置1」への移動指令を入力すると、データ処理部19のシフト計算・制御部22では、現在位置での通常スキャン領域と同じ大きさのオフセットスキャン領域を持つ回転中心のオフセット位置(FCD,y)を計算し、機構制御部18に指令を出して移動させる。
図2は、「最適オフセット位置1」への移動を示す幾何図である。
これは、撮影面14上のX線焦点F、回転中心C、検出中心D等の位置関係を示している。
図3は、「最適オフセット位置1」への移動を示すフローチャートである。
図2および図3を参照して、移動の手順について説明する。
移動指令があると、まず、ステップS1において、回転中心Cのセンターライン30からのずれ(機構誤差)を測定する。
X線ビーム2をONして、回転テーブル5を1回転させながら透過データを収集する。
次に、ステップS2において、この透過データから回転中心求出部23により、透過データ上の回転中心位置dc1を求める。
この回転中心求出部23による回転中心位置の求出については、後で詳しく述べる。
次に、ステップS3において、オフセット位置を計算する。
この計算は、図では簡略化されているので、下記に詳しく説明する。
既知量として、
w :検出器の有効半幅(mm)。固定値。
Lof:オフセット位置(mm)。
w の70%ないし90%の値を予め設定しておく。
(Lofと焦点Fでオフセットライン31が規定される。)
FDD:FDDの現在値(mm)。
FCD1:FCDの現在値(mm)。
がある。
これを用いて、次のような計算を順次行なって、オフセット位置(FCD2,y2)を計算する。
θw =atan(Lw /FDD) …(1)
θof=atan(Lof/FDD) …(2)
θc1=atan(dc1/FDD) …(3)
r=FCD1・sin(θw −|θc1|)/cos(θc1)
≒FCD1・sin(θw −|θc1|) …(4)
FCD2=r・cos(θof)/sin(θw +|θof|) …(5)
y2=FCD2・tan(θof) …(6)
次に、ステップS4において、撮影距離FCDのみ、FCD2に移動させる。
次に、ステップS5において、回転中心Cのセンターライン30からのずれ(機構誤差)の測定として、X線ビーム2をONして、回転テーブル5を1回転させながら透過データを収集する。
次に、ステップS6において、この透過データから回転中心求出部23により、透過データ上の回転中心位置dc2を求める。
次に、ステップS7において、yの移動量Δyを計算する。
Δy=y2−dc2・FCD2/FDD …(7)
次に、ステップS8において、yをΔyだけ移動させることにより、機構誤差を修正して回転中心Cをオフセットライン31上のオフセット位置(FCD2,y2)に設定することができる。
以上のようにして、回転中心位置求出ステップS2,S6以外は、シフト計算・制御部22で計算と制御(指令)がそれぞれ行なわれる。
次に、データ処理部19にオフセットスキャンの指令を入力すると、データ処理部19のスキャン制御部21では、回転テーブル5を回転させながら検出器3の出力である透過像を取込み、360°にわたる透過像の撮影面14位置の透過データから、まず、回転中心求出部23で後述するように回転中心を求め、再構成部24で当該回転中心を用いて、後述する「リバース変換再構成」で撮影面14位置での断面像を再構成する。
再構成部24では、あるいは例えば“特開2001−330568号公報”に記載されているオフセットスキャンの「窓関数掛け+3次元的な逆投影(BP)」の再構成法を適用して、撮影面14以外の透過データも用いて撮影面14以外の多数の断面像を再構成する。
ここで、このオフセットスキャンにより、移動前の通常スキャン領域と同じ大きさのオフセットスキャン領域の断面像を得ることができる。
すなわち、通常スキャン状態で撮影倍率を調整して、被検体4がスキャン領域にちょうど収まるように設定すれば、自動的に同じスキャン領域を持つオフセットスキャン位置に移動することができる。<終了>。
<オフセットスキャン2>
次に、オフセットスキャン2モードで、被検体4の断面像を撮影する場合について述べる。
前述したオフセットスキャン1との違いは「最適オフセット位置1」への移動のみである。
すなわち、相違する点は、機構誤差がある場合の、つまり実際の現在位置での通常スキャン領域半径rの代用として、機構誤差が無い場合の想定半径r′を用いることのみである。
機構誤差が小さい場合には、r′はrにほぼ等しく、少し大き目になるため、オフセットすることにより、若干大き目のスキャン領域となり、安全サイドとなる。
これにより、現在位置での回転中心測定を省略することができ、移動が早くなる。
図4は、「最適オフセット位置2」への移動を示す幾何図である。
図5は、「最適オフセット位置2」への移動を示すフローチャートである。
図4および図5を参照して、移動の手順について説明する。
移動指令があると、まず、ステップS11において、オフセット位置を計算する。
この計算は、図では簡略化されているので、下記に詳しく説明する。
下記のような式を順次計算して、オフセット位置(FCD2,y2)を計算する。
θw =atan(Lw /FDD) …(1)
θof=atan(Lof/FDD) …(2)
r′=FCD1・sin(θw ) …(8)
FCD2=r′・cos(θof)/sin(θw +|θof|) …(9)
y2=FCD2・tan(θof) …(10)
次に、ステップS12において、撮影距離FCDのみ、FCD2に移動させる。
次に、ステップS13において、回転中心Cのセンターライン30からのずれ(機構誤差)の測定として、X線ビーム2をONして、回転テーブル5を1回転させながら透過データを収集する。
次に、ステップS14において、この透過データから回転中心求出部23により、透過データ上の回転中心位置dc2を求める。
次に、ステップS15において、yの移動量Δyを計算する。
Δy=y2−dc2・FCD2/FDD …(7)
次に、ステップS16において、yをΔyだけ移動させることにより、機構誤差を修正して回転中心Cをオフセットライン31上のオフセット位置(FCD2,y2)に設定することができる。
以上のようにして、回転中心位置求出ステップS14以外においては、シフト計算・制御部22で計算と制御(指令)とがそれぞれ行なわれる。<終了>。
<最適通常スキャン>
次に、最適通常スキャンモードで、被検体4の断面像を撮影する場合について述べる。
操作者は、被検体4を回転テーブル5上に載置し、データ処理部19に指令を入力することで、X線管1からX線ビーム2を放射させ、被検体4の透過画像を表示部20にリアルタイムの動画像として表示させながら、電動により回転させて、全ての回転位置で(断面像を得ようとしている位置の)透過像が画像の視野にちょうど収まるように、撮影距離FCD(および検出距離FDD)を変えて撮影倍率を調整する。
この時、回転中心は画像中心から若干ずれるが、通常、上記撮影距離FCDの調整に支障が生じるほどのずれは起きない。
次に、被検体4を昇降させて、検査位置を撮影面14に合わせる。
図6は、「最適通常スキャン位置」への移動を示す幾何図である。
これは、撮影面14を上から見た図である。
上記撮影倍率の調整が終わった段階で、一般に、回転中心Cはセンターライン30からずれた位置C1にある。
操作者が、「最適通常スキャン位置」への移動指令を入力すると、データ処理部19のシフト計算・制御部22では、現在位置での通常スキャン領域A1と同じ大きさの通常スキャン領域A2を持ち、かつセンターライン30上に位置する回転中心Cの最適通常スキャン位置C2への移動量を計算し、機構制御部18に指令を出して移動させる。
図7は、「最適通常スキャン位置」への移動を示すフローチャートである。
図6および図7を参照して、移動の手順について説明する。
移動指令があると、まず、ステップS20において、回転中心Cのセンターライン30からのずれ(機構誤差)を測定する。
X線ビーム2をONして、回転テーブル5を1回転させながら透過データを収集する。
次に、ステップS21において、この透過データから回転中心求出部23により、透過データ上の回転中心位置dc1を求める。
この回転中心求出部23による回転中心位置の求出については、後で詳しく述べる。
ステップS22において、移動量を計算する。
Δy=−dc1・FCD1/FDD …(11)
ΔFCD=−|Δy|・FDD/Lw …(12)
次に、ステップS23において、Δy,ΔFCDの移動を行なう。
回転テーブル5の移動後は、前述した「通常スキャン」の場合と同様にスキャンが行なわれ、断面像が再構成される。<終了>。
<回転中心求出1>
360°にわたる被検体4の透過像の撮影面14位置の透過データを、横軸に検出チャンネル、縦軸に回転角をとって並べた、いわゆるサイノグラムを用いて、当該サイノグラム上の回転中心位置を求める。
サイノグラムは、検出チャンネルのセット角θ(扇状X線ビーム内の配置角)と回転角φで記述され、それぞれの角度の等角度間隔おきの透過データとして得られる。
この回転中心求出1の基本原理は、「互いに逆向きのX線経路の透過データはほぼ同一である」ことである。
この回転中心求出では、リバース変換を用いる。
図8は、リバース変換を説明するためのX線経路を示す図である。
これは、回転テーブル5に固定した座標で回転軸13方向から見たX線経路を示し、X線ビーム2の焦点Fが回転する。
1つのX線経路(θ,φ)から、その逆向き経路(θr,φr)を求めるのが、リバース変換40である。
リバース変換40は、下記のような式で表わされる。
θr−θ0=−(θ−θ0)
すなわち、
θr=2・θ0−θ …(13)
φr=φ+180°−2・(θ−θ0) …(14)
ここで、θ0は回転中心(のセット角)である。
図9は、サイノグラムP(θ,φ)を示す図である。
この図9で、仮想回転中心θ0を設定すると、(θ,φ)からその逆向き経路(θr,φr)が計算できる。
回転中心を求めるには、ある所定の領域内の(θ,φ)と各逆向き経路(θr,φr)とで、サイノグラム値Pの相関をとる。
θ0が正しく回転中心に設定された場合には、各経路が一致(逆向き)することでP(θ,φ)はP(θr,φr)にほぼ一致し、相関が良くなる。
θ0を変えて相関をとることで、回転中心が求められる。
サイノグラムP(θ,φ)は、通常、透過データを対数変換まで行なったものであるが、対数変換前でもよく、処理のどの段階のデータでもよい。
これは、上述した基本原理からわかることである。
(θ,φ)の所定の領域としては、通常、θ0の左右の狭い側(θ0〜θw ,全φ)か、この領域をθ0を中心に折り返した領域(2・θ0−θw 〜θ0,全φ)を用いるが、それぞれの一部であってもよい。
サイノグラムP(θ,φ)のθ,φは、一定間隔の離散値であるため、具体的にはP(m,n)と記載する。
図10は、サイノグラムP(m,n)を示す図である。
θ,φとm,nには、
θ=m・Δθ , (Δθ=θw /M) …(15)
φ=n・Δφ , (Δφ=360°/N) …(16)
の関係がある。
(m,n)から逆向き経路(mr,nr)を求めるリバース変換40は、式(13)ないし(16)を用いれば求められる。
図11は、回転中心求出1のアルゴリズムを示すフローチャートである。
図10および図11を参照して、回転中心求出1について具体的に説明する。
ステップS30:θ0の初期設定をする。
ステップS31:相関値SOKANをリセットする。
ステップS32:mのループ開始値msを求める。
ms=INT(θ0/Δθ)+1 …(17)
ステップS33:m=ms〜Mのループに入る。
ステップS34:リバース変換でmrを求める。
ここで、mrは一般に整数でなく、実数となる。
θ=m・Δθ …(15)
θr=2・θ0−θ …(13)
mr=θr/Δθ …(18)
ステップS35:n=0〜N−1のループに入る。
ステップS36:リバース変換でnrを求める。
ここで、nrは一般に整数でなく、実数となる。
φ=n・Δφ …(16)
φr=φ+180°−2・(θ−θ0) …(14)
nr=φr/Δφ …(19)
ステップS37:mrとnrが実数なので点(mr,nr)はデータ点と異なる。
そこで、補間計算により周囲のデータから、この点での値Pr(mr,nr)を求める。
ステップS38:逆経路のデータ値の差の絶対値を相関値に積算する。
SOKAN=SOKAN+ABS(Pr(mr,nr)−P(m,n))
…(20)
なお、ここで絶対値をとる代わりに、二乗して、相関値として平均二乗誤差に相当するものを求めるようにしてもよいが、最終結果(回転中心)に大きな違いは生じない。
ステップS39:m,nのループを繰り返す。
ステップS40:SOKAN値が最小か判定する。
ステップS41:SOKAN値が最小でないと判定した場合、θ0を変更してステップS31に戻る。
ステップS42:SOKAN値が最小と判定した場合、θ0あるいはmcを回転中心として終了する。
mc=θ0/△θ …(21)
ここで、最小のSOKAN値を見つけるためのループ形式は、分かり易くするために簡略化された説明を行なっている。
実際には、例えばθ0をあるステップで変えてそれぞれSOKAN値を求め、SOKAN値の小さなθ0の領域を決め、この領域を細かいステップでSOKAN値を計算し、一番小さなSOKAN値のθ0を回転中心とするような計算を行なう。
フローチャートは、基本的な計算のみについて示しており、実際には、計算精度を上げるための種々の処理が加えられ得る。
例えば、サイノグラムP(m,n)に対して、ローカット(周波数)フィルタをかけておくことにより、低周波成分の不安定性が緩和されて、精度を上げることができる。
また、相関値の積算(式(20))で、ABS(Pr(mr,nr)−P(m,n))に対して、P(m,n)に依存するウエイトをかけることもできる。
この場合、吸収が強すぎ、透過X線ビーム量が少ない部分(P大)や、ほとんど被検体4が懸らず透過X線ビーム量が多すぎる部分(P小)に対しては、小さなウエイトを用いることで精度を上げることができる。
この他、精度に関わり無くても、さまざまな変形が可能である。
例えば、SOKAN値は、計算の(m,n)点の数で割って平均値として求めても良い。
ここで述べた「回転中心求出1」は、後述する「回転中心求出2」と比べて、サイノグラムから直接相関をとっているため、中心求出の精度が良く、特に回転中心がサイノグラムの端に近いオフセットスキャンの場合でも(相関をとる領域が小さくなるにも関わらず)、良好に中心求出を行なうことができる。
また、被検体4が細長く、一方向に吸収が非常に大きくなるような場合でも、サイノグラム上で(Pが大きくなる)その領域のウエイトを落とすことで、良好に中心求出を行なうことができる利点がある。<終了>。
次に、上述した「回転中心求出1」で用いる補間法について述べる。
<補間法>
データ点間隔が一定(=1)であることを前提とすることで、補間は補間関数で記述することが可能になる。
図12は、補間関数の一例を示す図である。
この図12に、2種の補間関数gIとfIを示す。
gIは、通常よく使用される「一次補間」の補間関数で、下記のような式で表わされる。
gI(Δi)=0 (|Δi|≧1の場合)
=1−|Δi| (|Δi|<1の場合) …(22)
ここで、Δiは、i−irのことで、iは補間元の位置(整数)、irは補間先の位置(実数)である。
補間gIは、補間先の位置irから±1以内の2点からの補間となる。
fIは、あまり使用されない関数であるが、ここでは「COS補間」としておく。
fIは、下記のような式で表わされる。
fI(Δi)=0 (|Δi|≧1.5の場合)
=(1+COS(2π・Δi/3))/3
(|Δi|<1.5の場合) …(23)
ここで、Δiは同様である。
この関数は、コーサインカーブを持ち上げた形をしている。
補間fIは、補間先の位置irから±1.5以内の3点からの補間となる。
Pr(mr,nr)を補間で求める時、上述したいずれかの関数を縦横に用いて、2次元の補間を行なう。
まず、補間gIを用いる場合には、補間は下記のような式、
Pr(mr,nr)=ΣmΣn{gI(m−mr)・gI(n−nr)・P(m,n)}
…(24)
で行なわれる。
ここで、Σmはmrの前後±1以内のmで加算を行ない、Σnはnrの前後±1以内のnで加算を行なう。
補間は、4点補間となる。
補間fIを用いる場合は、補間は下記のような式、
Pr(mr,nr)=ΣmΣn{fI(m−mr)・fI(n−nr)・P(m,n)}
…(25)
で行なわれる。
ここで、Σmはmrの前後±1.5以内のmで加算を行ない、Σnはnrの前後±1.5以内のnで加算を行なう。
補間は、9点補間となる。
また、補間関数は、必ずしも縦と横で同じ関数にする必要はなく、gIとfIとを混在させるようにしてもよい。
例えば、
Pr(mr,nr)=ΣmΣn{fI(m−mr)・gI(n−nr)・P(m,n)}
…(26)
としてもよい。
補間は、6点補間となる。
通常、「回転中心求出1」では、前記式(25)の9点補間を用いるのが望ましい。
これは、データに含まれるノイズの影響を受け難くするためである。
この詳細について、以下に説明する。
一般に、データはノイズを含んでおり、データを2点平均するとノイズが減少する。
1次補間を用いた場合には、補間元データ点と補間先データ点とが合った時に、1点平均になり、ノイズが変わらず、半ピッチずれた時に、2点平均になり、ノイズが減る現象が生じる。
補間元点と補間先点との一致具合(補間フェイズ)によって、補間で求めた値のノイズが変化してしまう。
[「回転中心求出1」の場合では、θ0の設定がデータ点の1/4と3/4位置の場合、補間が半ピッチずれとなって補間値のノイズが減り、相関値が小さくなって優先的に1/4と3/4位置が回転中心に選ばれるという不具合が生じる。]
これに対して、COS補間を用いれば、常にノイズの増減が均質である。
これは、次のように証明される。
補間フェイズをx(−1/2〜1/2)、元データのノイズをσとすると、変換後ノイズσ′は、ウエイト付3点平均となり、
σ′=σ・√{(fI(x−1))2+(fI(x))2+(fI(x+1))2} …(27)
で表わされるが、fIに具体的に式(23)を代入して変形すると、右辺はxによらず、σ/√2で一定になる。<証明終わり>。
ここで、COS補間は、精度よいコーサインカーブでなくても、近似的なカーブを用いて3点補間を行なえば、同様の効果を得ることができる。
[「回転中心求出1」の場合では、COS補間を用いると、ノイズが均質となって1/4と3/4位置で相関値が小さくなることが生じないため、データピッチよりも細かい単位で精度良く回転中心が求められる。]<終了>。
<回転中心求出2>
この回転中心求出2は、「360°加算した透過データは左右対称である」ことを利用している。
これは、データの前処理のどの段階でも成り立つ。
これは、例えば“特開2000−298105号公報”に記載されている回転中心求出であるが、ここで、略述すると共に新たな改良点についても説明する。
図13(a)(b)は、回転中心求出2のアルゴリズムを説明するための概念図である。
まず、サイノグラムP(m,n)を、回転角φ、すなわちnの方向に加算(平均)して、平均投影データ(対数変換後の透過データを投影データと称する)P(m)を求める。
次に、仮想回転中心m0を設定し、ここで折り返したP′(m)を求め、P(m)との差の絶対値をmについて加算して相関値を求め、m0を変えて相関値が最小になるm0を回転中心mcとする。
図14は、回転中心求出2のアルゴリズムを示すフローチャートである。
図13および図14を参照して、回転中心求出2について具体的に説明する。
ステップS50:P(m)に対してローカット(周波数)フィルタを掛ける。
また、所定値PH 以上の値はPH でおきかえ、所定値PL 以下の値はPL でおきかえる(飽和処理)。(この飽和処理は、PH 以上やPL 以下のP値で相関計算のウエイトを0にするウエイト掛けと等価である。)
ステップS51:m0の初期設定をする。
ステップS52:相関値SOKANをリセットする。
ステップS53:mのループ開始値msを求める。
ms=INT(m0)+1 …(28)
ステップS54:m=ms〜Mのループに入る。
ステップS55:折り返し点mrを求める。
ここで、mrは一般に整数でなく、実数となる。
mr=2・m0−m …(29)
ステップS56:点mrは(実数なので)データ点と異なる。
そこで、補間計算により周囲のデータから、この点での値P′(m)を求める。
補間には、COS補間を用いる。
補間は、式(23)のような関数fIを用いて、
P′(m)=Σi(fI(i−mr)・P(i)) …(30)
で行なう。
ここで、Σiはmrの前後±1.5以内のiで加算をおこない、3点補間となる。
ステップS57:逆経路のデータ値の差の絶対値を相関値に積算する。
SOKAN=SOKAN+ABS(P′(m)−P(m)) …(31)
なお、ここで絶対値をとる代わりに、二乗して、相関値として平均二乗誤差に相当するものを求めるようにしてもよいが、最終結果(回転中心)に大きな違いは生じない。
ステップS58:mのループを繰り返す。
ステップS59:SOKAN値が最小か判定する。
ステップS60:SOKAN値が最小でないと判定した場合、m0を変更してステップS52に戻る。
ステップS61:SOKAN値が最小と判定した場合、m0を回転中心として終了する。
mc=m0 …(32)
ここで、前述した回転中心求出1の場合と同様に、最小のSOKAN値を見つけるためのループ形式は、分かり易くするために簡略化された説明を行なっている。
その他、前述した回転中心求出1の場合と同様に、基本的な計算のみを説明している。
また、前述した回転中心求出1の場合と同様に、色々な変形が可能である。
ここで述べた“特開2000−298105号公報”に記載されている回転中心求出からの新たな改良点は、下記のような点である。
まず、ステップS50で、P(m)に対してローカットフィルタを掛けることにより、低周波成分の不安定性が緩和されて精度を上げることができる。
第二には、ステップS56の補間計算で、COS補間を用いる点である。
一次補間を使った場合、m0の設定がデータ点の1/4と3/4位置の場合、補間が半ピッチずれとなって補間値のノイズが減り、相関値が小さくなって、優先的に1/4と3/4位置が回転中心に選ばれるという不具合が生じる。
COS補間を用いると、このような点が解消され、ノイズが均質となって、1/4と3/4位置で相関値が小さくなることが生じないため、データピッチよりも細かい単位で精度良く回転中心が求められる。<終了>。
<リバース変換再構成>
オフセットスキャンの再構成法として、従来では、平行ビームに並び替えてからフィルター補正して逆投影するファンパラ変換FBP法が用いられている。
通常スキャンの場合には、ファンビームのままフィルター補正して逆投影する直接FBP法が用いられている。
このため、通常スキャンとオフセットスキャンとが混在するコンピュータ断層撮影装置では、2種の再構成法が混在している。
オフセットスキャンに対して、ここで説明する「リバース変換再構成」を採用することにより、再構成法を直接FBP法の1種にすることができる。
「リバース変換再構成」は、サイノグラムのリバース処理+直接FBP法ということができる。
図15は、サイノグラムのリバース処理を説明するための概念図である。
m=−M〜Mの領域が元のサイノグラム45で、ms〜M′の領域が再計算部46、−M〜M′の領域がリバース処理後のサイノグラム47である。
元のサイノグラム45に、再計算部46を付け加えて(一部上書きして)、リバース処理後のサイノグラム47が得られる。
原理的には、収集されていないX線経路(m,n)のデータとして、逆向き経路(mr,nr)のデータを用いることにより、回転中心mcを中心とする左右同じ範囲のサイノグラムを作り出す処理である。
(mr,nr)は、(m,n)から前述したリバース変換40で計算される。
図16は、サイノグラムのリバース処理を示すフローチャートである。
ステップS70:回転中心mc(実数)を用いて回転中心のセット角θ0とmのループ範囲を求める。
θ0=mc・Δθ …(33)
ms=INT(mc)+1 …(34)
M′=INT(2・mc+M) …(35)
ステップS71:m=ms〜M′のループに入る。
ステップS72:リバース変換でmrを求める。
ここで、mrは一般に整数でなく、実数となる。
θ=m・Δθ …(15)
θr=2・θ0−θ …(13)
mr=θr/Δθ …(18)
ステップS73:n=0〜N−1のループに入る。
ステップS74:リバース変換でnrを求める。
ここで、nrは一般に整数でなく、実数となる。
φ=n・Δθ …(16)
φr=φ+180°−2・(θ−θ0) …(14)
nr=φr/Δφ …(19)
ステップS75:mrとnrが実数であるので、点(mr,nr)はデータ点と異なる。
そこで、補間計算により周囲のデータから、当該点での値Pr(mr,nr)を求める。
ここで、補間は、通常、式(24)の一次補間で十分であるが、式(25)のCOS補間や、式(26)等の混在の補間を用いるようにしても構わない。
ステップS76:P(m,n)を置き換える。
P(m,n)=Pr(mr,nr) …(36)
ステップS77:m,nのループを繰り返す。
ステップS78:m=−M〜M′の領域でサイノグラムが完成する。
なお、以上のような計算フローにおいて、m=ms〜Mの範囲は元の値P(m,n)を用いるか、P(m,n)とPr(mr,nr)の平均とする変形も可能である。
リバース処理後のサイノグラム47を用いて、通常の直接FBP法で再構成することにより、回転中心とX線ビームの両縁との距離のうち大きい方の距離を最大断面像半径とすることができ、オフセットスキャン領域半径内の断面像を再構成できることになる。
以上のような「リバース変換再構成」を採用することにより、通常スキャンとオフセットスキャンとが混在していても、再構成法を直接FBP法の1種にすることができる。
これにより、再構成部24の構成(ソフトウェア)を整理することが可能となる。<終了>。
上述したように、本実施の形態によるコンピュータ断層撮影装置では、次のような効果を得ることが可能となる。
前述した「オフセットスキャン1」では、通常スキャン状態で撮影倍率を調整して、被検体4がスキャン領域にちょうど収まるように設定するだけで自動的に、被検体4がちょうど収まるような同じスキャン領域を持つ「最適オフセット位置1」に移動することができる。
前述した「オフセットスキャン2」では、通常スキャン状態で撮影倍率を調整して、被検体4がスキャン領域にちょうど収まるように設定するだけで自動的に、被検体4がちょうど収まるようなほぼ同じで若干大き目のスキャン領域を持つ「最適オフセット位置2」に(オフセットスキャン1よりも早く)移動することができる。
以上のオフセットスキャンでは、大きな撮影倍率で透過像が得られるため、高分解能の断面像を得ることができる。
これにより、本実施の形態では、X線幾何が自由に設定可能なコンピュータ断層撮影装置においても、オフセットスキャンの幾何設定が容易に行なえるため、容易に高分解能の断面像を得ることが可能となる。
また、「最適通常スキャン」では、通常スキャン状態で撮影倍率を調整して、被検体4がスキャン領域にちょうど収まるように設定するだけで自動的に、被検体4がちょうど収まるような同じスキャン領域で撮影倍率を最大に上げた「最適通常スキャン位置」に移動することができる。
さらに、「回転中心求出1」では、特別の治具を用いることなく、被検体4の透過画像自身から精度良く回転中心を求めることができる。
前述した「回転中心求出2」と比べ、サイノグラムから直接相関をとっているため、中心求出の精度が良く、特に回転中心がサイノグラムの端にあるオフセットスキャンの場合でも(相関をとる領域が小さくなるにも関わらず)、良好に中心求出を行なうことができる。
また、被検体4が細長く、一方向に吸収が非常に大きくなるような場合でも、サイノグラム上で(Pが大きくなる)その領域のウエイトを落すことで、良好に中心求出を行なうことができる。
さらに、「回転中心求出2」では、同様に、特別の治具を用いることなく、被検体4の透過画像自身から精度良く回転中心を求めることができる。
これは、サイノグラムを回転方向に加算した加算透過データ(投影データ)から、その対象性を自己相関をとって回転中心を求めるが、特に従来のこの方法に、加算透過データへのローカットフィルタ掛けと、相関取り時の補間のコーサインカーブの補間関数による3点補間とを採用するようにしているので、精度の高い回転中心求出を行なうことが可能となる。
また、「リバース変換再構成」を採用するようにしているので、通常スキャンとオフセットスキャンとが混在していても、再構成法を直接FBP法の1種にすることができる。
これにより、再構成部24の構成(ソフトウェア)を整理することが可能となる。
(変形例)
(a)前記第1の実施の形態において、移動指令を切換えるだけで、自動的に回転テーブル5を、「最適オフセット位置1」と、「最適オフセット位置2」と、「最適通常スキャン位置」との間を移動させる機能を付加するようにすることも可能である。
(b)前記第1の実施の形態において、「最適オフセット位置1(または2)」や「最適通常スキャン位置」への移動の際に自動的に移動されるため、回転テーブル5とX線管1、あるいは被検体4とX線管1等が干渉する恐れがある。
そこで、シフト計算・制御部22に、干渉防止機能(ソフト)を持たせて、撮影距離FCD、検出距離FDD、y、テーブル高さh、被検体最大半径ro(手動入力)等を読み込み、計算処理によって干渉条件が成立した時(直前)に停止させるように機構を制御することができる。
(c)前記第1の実施の形態において、シフト計算・制御部22に、上記干渉防止機能を組込む代わりに、操作者が操作ボタン「テーブル移動」を押し続けている間だけ目的位置に向かって動き続けるような機能を付加することも可能である。
操作者は、干渉しないか(X線遮蔽箱の鉛ガラス窓を透して)目視確認しながら、この手動操作ボタンを押す。
シフト計算・制御部22では、目的位置に達した時に停止させて、完了表示を行なうようにする。
これにより、簡単な機能で、あらゆるケースに柔軟に対応可能な干渉防止となる。
(d)前記第1の実施の形態において、「オフセットスキャン1」で、図3のステップS4ないしステップS8のステップの代わりに、ステップS9、ステップS10を実施することが可能である。
ステップS9において、y2に機構誤差補正を加えてy2′を求め、
y2′=y2−δy …(37)
ステップS10において、直接回転中心をオフセット位置(FCD2,y2′)に移動させる。
また、同様に、「オフセットスキャン2」で、図5のステップS12乃至ステップS16のステップの代わりに、ステップS17,ステップS18を実施することが可能である。
ステップS17において、前記式(37)でy2に機構誤差補正を加えてy2′を求め、ステップS18において、直接回転中心をオフセット位置(FCD2,y2′)に移動させる。
機構誤差δyは、次のような「機構誤差δy計算1」、あるいは「機構誤差δy計算2」で求める。
<機構誤差δy計算1>
図17は、機構誤差δy計算1の一例を説明するための図である。
これは、撮影面14上のX線ビーム2の焦点F、回転中心C、検出中心Dの位置関係を示している。
ここでの機構誤差δy計算は、撮影距離FCDおよび検出距離FDDを変えた時に、C点およびD点がほぼ直線的に移動することを前提にしている。
座標XYは不動の座標で、50は回転中心Cの移動軌跡、51は検出中心Dの移動軌跡を示している。
X線ビーム2の焦点Fと検出中心Dとを結ぶ方向が、センターライン30すなわちx軸で、このx軸は検出中心Dの移動で変化する。
なお、図17では、機構誤差δyを強調するために、Y軸方向を引き伸ばしている。
回転中心C、検出中心Dの座標を、それぞれ(Yc,FCD)、(Yd,FDD)として、回転中心Cの移動軌跡50、および検出中心Dの移動軌跡51をそれぞれ式で表わすと、
Yc=Ac+Bc・FCD …(38)
Yd=Ad+Bd・FDD …(39)
となる。
Ac、Bc、Ad、Bdは、定数である。
C点のx軸からのずれである機構誤差δyは、Yc、Ydを用いて、
δy=Yc−Yd・FCD/FDD …(40)
で表わされることが、図17からわかる。
上記式(38)、(39)を、式(40)に代入して、
δy=Ac+(Bc−Bd)・FCD−Ad・FCD/FDD …(41)
となる。
定数を名称変更して、機構誤差δy計算式として、下記のような式が求められる。
δy=a+b・FCD+c・FCD/FDD …(42)
あらかじめ定数a、b、cを求めておけば、この式により、撮影距離FCDと検出距離FDDとから機構誤差δyを計算することができる。
次に、定数a、b、cを求める較正について説明する。
未知数が3つであるので、最低で撮影距離FCD、検出距離FDDの組み合せ3点について機構誤差δyが知れれば、定数a、b、cを求めることができる。
この3点較正は、以下のようにして行なう。
まず、yシフトを原点に、すなわち回転中心Cをセンターライン30に合わせて(機構誤差分はずれる)、3点の測定を行なう。
(1)FCD1(C1)点、FDD1(D1点)で、回転中心位置dcを測定し、下記式により機構誤差δyを求める。
δy11=dc11・FCD1/FDD1 …(43)
(2)FCD1(C1)点、FDD2(D2点)で、回転中心位置dcを測定し、下記式により機構誤差δyを求める。
δy12=dc12・FCD1/FDD2 …(44)
(3)FCD2(C2)点、FDD2(D2点)で、回転中心位置dcを測定し、下記式により機構誤差δyを求める。
δy22=dc22・FCD2/FDD2 …(45)
次に、各測定値を、それぞれ式(42)に代入すると、
δy11=a+b・FCD1+c・FCD1/FDD1 …(46)
δy12=a+b・FCD1+c・FCD1/FDD2 …(47)
δy22=a+b・FCD2+c・FCD2/FDD2 …(48)
となる。
この連立方程式(46)、(47)、(48)を解いて、定数a、b、cを求める。
上記式(46)から式(47)を引いて、定数cについて解くと、
c=(δy11−δy12)/{FCD1・(1/FDD1−1/FDD2) }
…(49)
となる。
上記式(47)から式(48)を引いて、定数bについて解くと、
b=(δy12−δy22)/(FCD1−FDD2)−c/FDD2
…(50)
となる。
上記式(47)×FCD2−上記式(48)×FCD1より、定数aについて解いて、
a=(δy12・FCD2−δy22・FCD1)/(FCD2−FCD1)
…(51)
となる。
これにより、上記式(43)、(44)、(45)、(49)、(50)、(51)を用いて、定数a、b、cが求まり、較正ができたことになる。
図17に示すように、較正においてC1点とC2点は、Fに近い点をとっている。
これは、撮影倍率が大きな時に機構誤差δyの影響が大きくなることから、撮影倍率が大きな配置にウエイトをおいて較正を行なうためである。
これにより、C点の移動軌跡50に直線からのずれが若干ある場合でも、その影響を減らすことができる。
なお、較正は、3点以上行なうようにして、統計精度を上げることもできる。<終了>。
<機構誤差δy計算2>
ここでの機構誤差δy計算は、C点およびD点の移動軌跡が直線から大きくずれている場合でも、機構誤差δyを正確に計算することができるものである。
図18は、機構誤差δy計算2の較正の一例を説明するための図である。
図18では、撮影距離FCD、検出距離FDDの組み合せによる較正点53を示している。
撮影距離FCDは、撮影倍率が大きな位置で較正点を増やし、精度を上げるようにしている。
較正点の撮影距離FCDは昇順に並べ、FCD0(i)、FDDも昇順に並べて、FDD0(j)として設定する。
yシフトを原点に合わせ、各較正点で回転中心位置dcを測定し、
δy0(i,j)=dcij・FCD0(i)/FDD0(j)…(52)
により、δy0を求める。
誤差テーブルとして、FCD0(i)、FDD0(j)、δy0(i,j)を記憶して、較正が完了する。
以上の較正を、全自動で行なうことができる。
図19は、機構誤差δy計算2のアルゴリズムの一例を示すフローチャートである。
これは、撮影距離FCDと検出距離FDDとから、この配置での機構誤差δyを計算するものである。
ステップS80:iを増加方向に変えながら、FCD<FCD0(i)となるiを見つける。
ステップS81:i−1とiとの分割の割合giを求める。
gi=(FCD−FCD0(i−1))
/(FCD0(i)−FCD0(i−1))
…(53)
ステップS82:jを増加方向に変えながら、FDD<FDD0(j)となるjを見つける。
ステップS83:j−1とjの分割の割合giを求める。
gj=(FDD−FDD0(j−1))/(FDD0(j)−FDD0(j−1))
…(54)
ステップS84:一次補間(4点補間)でδyを求める。
δy={δy0(i,j)・gi+δy0(i−1,j)・(1−gi)}・gj
+{δy0(i,j−1)・gi+δy0(i−1,j−1)・(1−gi)}・(1−gj)
…(55)
これにより、C点、D点の移動軌跡が直線からずれている場合であっても、撮影距離FCDと検出距離FDDとから、この配置での機構誤差δyを正確に計算することができる。
直線からのずれが大きい場合には、較正点の数を増やすことにより、精度を落さないようにすることができる。<終了>。
(e)上記においては、機構誤差δy計算としては、対照的な2つについて説明した。
1つは軌跡を直線と考える補正、もう1つは補間を用いたものである。
これら以外にも、いろいろな変形が可能であり、例えばδy−FCDの関係を直線あるいは曲線(多項式)と考え、検出距離FDDの数点に対して、その直線あるいは曲線の係数を求めておき、機構誤差δyを計算する時に、検出距離FDDの値で係数を補間して用いるような方法もある。
(f)「オフセットスキン1」および「オフセットスキャン2」で、オフセットライン31は単一の直線を設定したが、曲線でもよく、折れ線状でもよい。
これは、すなわちLofの値を、撮影距離FCDないし撮影倍率により変化させてもよいことを意味する。
ただし、オフセット位置が一意に求まるために、オフセットラインは、撮影距離FCDを小さくした時にオフセットスキャン領域半径rが単調減少するように決める必要がある。
(第2の実施の形態)
本実施の形態によるコンピュータ断層撮影装置は、ハード的な構成については、前記第1の実施の形態における構成と同じであるので、図1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
すなわち、本実施の形態によるコンピュータ断層撮影装置は、前記図1におけるソフトウェアの機能ブロックの一つである、シフト計算・制御部22に、前述したオフセットスキャンで撮影距離FCDと検出距離FDDとを変更して、スキャン領域に被検体4がちょうど収まるように調整する場合に、回転中心位置(dc)がずれないように回転テーブル5を制御する機能を、付加した構成としている。
次に、以上のように構成した本実施の形態によるコンピュータ断層撮影装置の作用について説明する。
まず、被検体4の断面像を撮影する場合、操作者は、通常スキャンモードかオフセットスキャンモードかを選択する。
操作者は、被検体4を回転テーブル5上に戴置し、データ処理部19に指令を入力することで、X線管1からX線ビーム2を放射させ、被検体4の透過画像を表示部20にリアルタイムの動画像として表示させながら、撮影距離FCD(および検出距離FDD)を変えて撮影倍率を調整する。
この時、データ処理部19のシフト計算・制御部22では、モードにより回転中心Cが、常にセンターライン30上かオフセットライン31上にくるように、yシフトを制御する。
この制御については、後述の「回転中心連続設定」の箇所で説明する。
通常スキャンモードの場合には、電動により回転させて、全ての回転位置で(断面像を得ようとしている位置の)透過像が画像の視野にちょうど収まるように、撮影距離FCD(および検出距離FDD)を設定する。
また、オフセットスキャンの場合には、電動により回転させて、全ての回転位置で(断面像を得ようとしている位置の)透過像の一方の側が画像の視野にちょうど収まるように、撮影距離FCD(および検出距離FDD)を設定する。
次に、前述した第1の実施の形態の場合と同様にして、通常スキャン、あるいはオフセットスキャンを行ない、断面像を得る。
「回転中心連続設定」は、再構成に十分なほどの精度はないため、第1の実施の形態の場合と同様にして、透過像の撮影面14位置の透過データから、回転中心を求めて後、これを用いて再構成する。
<回転中心連続設定>(本実施の形態による作用)
図20は、上記「回転中心連続設定」の状態を示す幾何図である。
これは、撮影面14上のX線ビーム2の焦点F、回転中心C、検出中心D等の位置関係を示している。
「回転中心連続設定」は、操作者が、手動または電動により撮影距離FCD、検出距離FDDを変化させた時に、シフト計算・制御部22により、回転中心Cが自動的にオフセットライン31あるいはセンターライン30上にくるように、yシフトが制御されるものである。
図21は、「回転中心連続設定」のアルゴリズムの一例を示すフローチャートである。
以下、ステップ順に説明する。
ステップS90:テーブル位置連続設定終了が入力されると終了する。
ステップS91:撮影距離FCDまたは検出距離FDDの移動指令により分技する。
ステップS92:移動指令ありの場合、撮影距離FCD、検出距離FDDを移動させる。
ステップS93:撮影距離FCD、検出距離FDDでのy方向機構誤差δyを計算する。
これは、前述した「機構誤差δy計算1」、「機構誤差δy計算2」等を用いる。
ステップS94:モードにより分技する。
ステップS95:通常スキャンモードの場合には、
y=−δy …(56)
で、yを求める。
ステップS96:オフセットスキャンモードの場合には、
y=Lof・FCD/FDD−δy …(57)
で、yを求める。
ステップS97:yへ移動して、ステップS90に戻る。
以上のようなフローで、撮影距離FCD、検出距離FDDの細かい移動毎にyを移動させることにより、機構誤差δyを補正して回転中心Cをオフセットライン31あるいはセンターライン30に沿って移動させることができる。
また、モードを切換えることにより、回転中心Cをオフセットライン31上とセンターライン30上間で切換えることができる。<終了>。
上述したように、本実施の形態によるコンピュータ断層撮影装置では、次のような効果を得ることが可能となる。
本実施の形態では、オフセットスキャンで撮影距離FCDと検出距離FDDとを変更して、スキャン領域に被検体4がちょうど収まるように調整する時、シフト計算・制御部22により回転中心位置(Lof)がずれないように回転テーブル5を制御するようにしているので、極めて容易に調整を行なうことができる。
また、通常スキャンの場合にも同様に、撮影距離FCDと検出距離FDDとを変更しても機構誤差δyが修正されて、回転中心位置が検出中心Dからずれないように回転テーブル5を制御するようにしているので、(同じ撮影距離FCDの時にスキャン領域を最大にでき)無駄のない幾何設定を行なうことができる。
さらに、モード切換え入力で簡単に、回転テーブル位置をセンター、オフセット位置間で切換えることができる。
オフセットスキャンでは、大きな撮影倍率で透過像が得られるため、高分解能の断面像を得ることが可能となる。
これにより、本実施の形態では、X線幾何が自由に設定可能なコンピュータ断層撮影装置においても、オフセットスキャンの幾何設定が容易に行なえるため、容易に高分解能の断面像を得ることが可能となる。
その他、前述した第1の実施の形態の場合と同様な効果を得ることが可能である。
(その他の実施の形態)
尚、本発明は、上記各実施の形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で、種々に変形して実施することが可能である。
また、上記各実施の形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合には組み合わせた作用効果を得ることができる。
さらに、上記各実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより、種々の発明を抽出することができる。
例えば、実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題(の少なくとも一つ)が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果(の少なくとも一つ)が得られる場合には、この構成要件が削除された構成を発明として抽出することができる。
本発明によるコンピュータ断層撮影装置の第1の実施の形態を示す概要図。 同第1の実施の形態のコンピュータ断層撮影装置における「最適オフセット位置1」への移動を示す幾何図。 同第1の実施の形態のコンピュータ断層撮影装置における「最適オフセット位置1」への移動を示すフローチャート。 同第1の実施の形態のコンピュータ断層撮影装置における「最適オフセット位置2」への移動を示す幾何図。 同第1の実施の形態のコンピュータ断層撮影装置における「最適オフセット位置2」への移動を示すフローチャート。 同第1の実施の形態のコンピュータ断層撮影装置における「最適通常スキャン位置」への移動を示す幾何図。 同第1の実施の形態のコンピュータ断層撮影装置における「最適通常スキャン位置」への移動を示すフローチャート。 同第1の実施の形態のコンピュータ断層撮影装置におけるリバース変換を説明するためのX線経路を示す図。 同第1の実施の形態のコンピュータ断層撮影装置におけるサイノグラムP(θ,φ)を示す図。 同第1の実施の形態のコンピュータ断層撮影装置におけるサイノグラムP(m,n)を示す図。 同第1の実施の形態のコンピュータ断層撮影装置における回転中心求出1のアルゴリズムを示すフローチャート。 同第1の実施の形態のコンピュータ断層撮影装置における補間関数の一例を示す図。 同第1の実施の形態のコンピュータ断層撮影装置における回転中心求出2のアルゴリズムを説明するための概念図。 同第1の実施の形態のコンピュータ断層撮影装置における回転中心求出2のアルゴリズムを示すフローチャート。 同第1の実施の形態のコンピュータ断層撮影装置におけるサイノグラムのリバース処理を説明するための概念図。 同第1の実施の形態のコンピュータ断層撮影装置におけるサイノグラムのリバース処理を示すフローチャート。 同第1の実施の形態の変形例のコンピュータ断層撮影装置における機構誤差δy計算1の一例を説明するための図。 同第1の実施の形態の変形例のコンピュータ断層撮影装置における機構誤差δy計算2の較正の一例を説明するための図。 同第1の実施の形態の変形例のコンピュータ断層撮影装置における機構誤差δy計算2のアルゴリズムの一例を示すフローチャート。 本発明の第2の実施の形態のコンピュータ断層撮影装置における「回転中心連続設定」の状態を示す幾何図。 同第2の実施の形態のコンピュータ断層撮影装置における「回転中心連続設定」のアルゴリズムの一例を示すフローチャート。 通常スキャンとオフセットスキャンのスキャン領域の一例を示す概念図。
符号の説明
1…X線管、2…X線ビーム、3…検出器、4…被検体、5…回転テーブル、6…回転・昇降機構、7…yシフト機構、8…xシフト機構、9…検出器支持フレーム、10…X線管支持フレーム、13…回転軸、14…撮影面、16…高電圧発生器、17…X線制御部、18…機構制御部、19…データ処理部、20…表示部、21…スキャン制御部、22…シフト計算・制御部、23…回転中心求出部、24…再構成部、30…センターライン、31…オフセットライン、40…リバース変換、45…元のサイノグラム、46…再計算部、47…リバース処理後のサイノグラム、50…回転中心Cの移動軌跡、51…検出中心Dの移動軌跡、53…較正点、101…X線管、102…撮影X線ビーム、103…検出器、FCD…撮影距離、FDD…検出距離、C…回転中心、Cn…回転中心、Cof…回転中心、D…検出中心、F…X線ビーム2の焦点、θ…検出チャンネルのセット角、φ…検出チャンネルの回転角、An…スキャン領域(通常スキャン)、Aof…スキャン領域(オフセットスキャン)、δy…機構誤差、Lw …検出器3の有効半幅、Lof…オフセット位置、r…通常スキャン領域半径、r′…機構誤差が無い場合の想定半径、θ0…回転中心のセット角、h…テーブル高さ、ro…被検体4の最大半径、dc…回転中心位置。

Claims (1)

  1. X線ビームを放射するX線源と、
    被検体を載置する回転テーブルと、
    前記被検体を透過した前記X線源からの少なくとも前記回転テーブルの回転軸に直交する扇状のX線ビームを検出するX線検出器とを備え、
    前記回転テーブルの複数の回転位置でそれぞれ前記X線検出器により検出した前記被検体の複数の透過データから、前記被検体の断面像を得るコンピュータ断層撮影装置であって、
    前記被検体の複数の透過データが作るサイノグラム上で、複数点での透過データと、仮想回転中心を設定することで決まる当該複数点とそれぞれ逆向きX線経路をなす複数点での透過データとの相関をとり、前記仮想回転中心を変更して最も良い前記相関を与える前記仮想回転中心を回転中心位置として求める回転中心求出手段を備えて成ることを特徴とするコンピュータ断層撮影装置。
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