JP3616689B2 - 農業用フィルム用組成物の製造方法及びそれに用いる配合剤 - Google Patents

農業用フィルム用組成物の製造方法及びそれに用いる配合剤 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、保温性に優れたオレフィン重合体系農業用フィルムを製造するための組成物を経済的に製造する方法に関する。本発明はまた、保温性を付与する無機添加剤をオレフィン重合体中に微細且つ一様に分散させることが可能なオレフィン重合体系農業フィルム用配合剤にも関する。
【0002】
【従来の技術】
農業用フィルムとしてポリ塩化ビニルフィルムが広く使用されてきたが、廃棄処理の際にハロゲン系ガスを発生することや可塑剤のブリードによる表面汚れに起因する経時的な透明性の低下などの欠点が有るところから、近年、オレフィン系重合体をベースとするフィルムに代替されるようになってきた。
【0003】
しかしながらオレフィン系重合体は、ポリ塩化ビニルに比較して保温性に劣るため、かなり多量の保温性を付与する無機添加剤を配合することによって、その欠点を補っている。このような保温剤として種々のものが提案されており、その代表的なものが、透明性や保温効果の優れたハイドロタルサイトおよびその類縁化合物である。
【0004】
このような保温性を付与する無機添加剤は、一般にはオレフィン系重合体への分散性を高めるために、かなり微細な粉末状のものであって表面処理や表面被覆を行ったものが使用されている。しかしながらこのような表面処理品を用いたとしても、フィルム成形に際しあるいはフィルム成形のための組成物を得るために、押出機においてオレフィン系重合体と直接配合しようとしても完全に分散させることができず、一部の粒子同士が結合して大粒径の粒子を形成し、これらが組成物中に極在したものしか得られなかった。このため押出機のスクリーンが早期に目詰まりしたり、あるいは高品質のフィルムを成形することができないという問題点が生じた。
【0005】
したがって、保温性を付与する無機添加剤を配合するに当たっては、予めオレフィン重合体のマスターバッチを作っておくことが必要であり、これとオレフィン重合体を溶融混練することが必須であった。しかしながら、このようなマスターバッチを得るためには、バンバリーミキサーや特殊押出機などの特別な装置と混練作業が必要となり、どうしてもコスト高となった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者は、通常のマスターバッチ法を使用することなく、簡便でかつ安価な方法で保温性を付与する無機添加剤をオレフィン重合体に均一に混合する方法について検討を行った。その結果、農業用フィルムにおいては必須成分ともいえる防曇剤として、常温で固体となるものを選択し、これと保温性を付与する無機添加剤の特定混合物を形成させておくことにより、オレフィン重合体への均一混合を容易に行うことができることを見いだすに至った。
【0007】
したがって、本発明の目的は、保温性を付与する無機添加剤をオレフィン重合体中に微細且つ一様に分散させることが可能であり、保温性に優れたオレフィン重合体系農業用フィルムを製造するための組成物を、安価に製造する方法を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、取り扱いが容易で、保温性を付与する無機添加剤の微細且つ一様な分散性を有するオレフィン重合体系農業フィルム用配合剤を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、金属を2種以上と水酸基もしくはこれと他のアニオン種とを含む、比表面積が50m /g以下である微粉状複合金属化合物を0.5〜100重量倍の常温で固体状をなす防曇剤又は防曇剤組成物にその液状化温度以上の温度で混合分散させた後冷却固化し粉粒体としたものと、オレフィン重合体とを、押出機に供給し、両者を溶融混練させることを特徴とする農業用フィルム用組成物の製造方法に関する。
【0010】
本発明はまた、常温で固体状で且つ溶融可能な防曇剤または防曇剤組成物のマトリックスと、該マトリックス中に微粒化分散された、金属を2種以上と水酸基もしくはこれと他のアニオン種とを含む比表面積が50m /g以下である微粉状複合金属化合物との造粒物から成り、前記防曇剤または防曇剤組成物が前記複合金属化合物(以下、複合金属化合物を無機保温剤ということがある)の0.5乃至100重量倍で存在することを特徴とするオレフィン重合体系農業フィルム用配合剤に関する。
【0011】
【発明の実施態様】
本発明では、常温で固体でしかも溶融可能な防曇剤または防曇剤組成物を選択し、この防曇剤または防曇剤組成物中に微粉状無機保温剤を微粒化分散させ、この組成物を造粒物とすることが特徴である。
【0012】
オレフィン重合体系農業用フィルムに使用する微粉状無機保温剤は、オレフィン重合体中に微粒化分散させることが非常に困難なものである。即ち、後述する比較例に示すとおり、マスターバッチを経由することなく、微粉状無機保温剤及び防曇剤を直接オレフィン重合体に配合すると(比較例参照)、即座に押出機スクリーンの目詰まりを生じ、成形自体困難になるという問題を生じる。また、微粉状無機保温剤のマスターバッチを製造し、これをオレフィン重合体に配合すると(比較例参照)、フィルムへの成形は可能となるが、形成されるフィルムは、フィッシュアイが多く、強度にも劣ったものとなる。
【0013】
これに対して、本発明に従い、防曇剤または防曇剤組成物のマトリックス中に微粉状無機保温剤が微粒化分散された造粒物を形成し、この造粒物をオレフィン重合体に直接配合すると(実施例参照)、押出機のスクリーンの目詰まりが全くなくなり、フィッシュアイの全くない、透明性、防曇性に優れたフィルムが得られるのである。
【0014】
本発明では、先ず、上記防曇剤または防曇剤組成物を加熱液化し、これに微粉状無機保温剤を混合し、分散させることにより、微粉状無機保温剤が微細且つ一様に分散した分散状態が得られ、この分散体を冷却固化させることにより、無機保温剤が微粒化分散状態のままでマトリックス中に固定される。
【0015】
これを、取り扱いの容易な粉粒体とし、オレフィン重合体に配合すると、防曇剤または防曇剤組成物が溶融してオレフィン重合体中に分散するが、無機保温剤もこれにつられて微粒子分散状態でオレフィン重合体中に分散し、微細且つ一様な無機保温剤の分散が可能となるものと認められる。
【0016】
本発明で用いられる無機保温剤(保温性を付与する無機添加剤)としては、ハイドロタルサイトあるいはその類縁化合物、リチウムアルミニウム複合水酸化物などの金属を2種以上と水酸基もしくはこれと他のアニオン種とを含む複合金属化合物などを挙げることができる。特に好ましいのは、複合金属化合物、とりわけハイドロタルサイトあるいはその類縁化合物であり、その具体例については、例えば特開昭63−149147号公報などに詳細に記載されている。
【0017】
これらの複合金属化合物としては、比表面積(BET法)が50 m/g以下、とくに30m/g以下のものが好ましい。すなわちハイドロタルサイトあるいはその類縁化合物のような複合金属化合物は、一般に保温性が優れるとともに透明性にも優れており、少量の防曇剤の使用でも本発明の実施を容易に行うことができる。
【0018】
これに対し、一般にシリカ、アルミナ、ゼオライトのようなものは、透明性に難が有るのみならず防曇剤を吸着し易く、多くの場合、少量の防曇剤の使用では、本発明の効果を達成できないからである。
【0019】
本発明においてはこのような無機保温剤として微粉状のものが用いられるものであり、その粒径としては通常10μ以下、好ましくは3μ以下のものである。
【0020】
無機保温剤はまた表面未処理品でもよく、例えば、パラフィン、脂肪酸、脂肪酸塩、高級アルコール、多価アルコール、チタネート系カップリング剤、シランカップリング剤のごとき表面処理剤で表面処理されたものであってもよい。
【0021】
本発明で用いられる防曇剤は、常温(20℃)で固体状となるものであれば、ただ1種の防曇剤でもよく、また2種以上の防曇剤の混合物であってもよい。このような混合物の場合、全てが常温で固体状のものである必要はなく、混合物が常温で固体状となれば、その一部は常温で液状のものを使用してもよいが、その場合、あまり液状のものの割合が多くなりすぎると、冷却固化させたものが粉砕しにくくなったり、また粉砕したものがブロッキングして取扱性に欠けるようになったりすることがあるので、その割合を50%以下、とくに40%以下とするのが望ましい。
【0022】
好ましい防曇剤又は防曇剤混合物は、融点が好ましくは30〜80℃、とくに35〜70℃程度のものである。融点が高すぎるものを用いると、無機保温剤との混合のために高温度に維持する必要があり、経済的には有利とはいえない。
【0023】
防曇剤としてより具体的には、非イオン系のものが好適であり、例えばポリオキシアルキレングリコールモノアルキルエーテル、多価アルコールの部分エステル、多価アルコールのエチレンオキシド付加物の部分エステルなどを例示することができる。これらの代表的なものは、ポリオキシエチレンパルミチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノオレート、ジグリセリンモノラウレート、ジグリセリンモノパルミテート、ジグリセリンモノステアレート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノベヘネート、ソルビタンジステアレート、トリグリセリンジオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、グリセリンモノヒドロキシステアレート、ジグリセリンモノヒドロキシステアレート、ソルビタンモノヒドロキシステアレートなどを挙げることができる。これらは、上記したように1種又は2種以上混合して用いることができる。
【0024】
本発明においては、上記防曇剤もしくは防曇剤混合物を液状となる温度以上に保ち、無機保温剤をそこに分散させて良く混合した後、防曇剤の融点以下まで冷却固化し、微粒子状混合物とする。
【0025】
防曇剤の使用量は無機保温剤の種類によっても異なるが、無機保温剤の0.5〜100重量倍、好ましくは1〜50重量倍である。防曇剤の使用割合が上記範囲より少なくなると、防曇剤が無機保温剤の細部まで行き渡らないため、得られる微粒子状混合物を押出機に供給してオレフィン重合体と溶融混練した場合に、無機保温剤を完全に均一混合させることが難しくなり、押出機中で無機保温剤の一部が凝集して大粒径の粒子を生成し、押出機のスクリーンの目詰まりを引き起こしたり、あるいはフィルム成形した場合にゲルやフィッシュアイの原因となり、フィルムの外観を損なったり、あるいはその強度を低下させる。上記割合の範囲内であれば得られる微粒子状混合物の取扱性が優れており、押出機への供給を円滑に行うことができるので、オレフィン重合体への配合比に合致した割合とするのが合理的である。とくに防曇剤/無機保温剤の配合比をできるだけ小さくしたい場合には、例えば配合比を0.5〜3のごとき低い割合を選択することができる。
【0026】
防曇剤と無機保温剤の混合は、加熱及び攪拌の手段を備えた容器中、防曇剤が液状をなす温度、例えば50〜80℃程度の温度で容易に行うことができる。両者の混合において、液状の防曇剤が無機保温剤の一次粒子間まで浸透し、その状態で固化されるため、2次粒子の成長が抑えられ、オレフィン重合体に均一に分散するものと想定される。
【0027】
防曇剤と無機保温剤がよく混合された段階で冷却することにより通常は塊状の混合物が得られるので、これを破砕して適当な大きさに調節することが望ましく、あるいは冷却固化前に適当な大きさのタブレット状等に造型したのち、冷却固化してもよい。勿論、上記混合物の造粒は、上記のものに限定されず、
噴霧造粒法、押出造粒法、転動造粒法、撹拌造粒法等のそれ自体公知の造粒法によるものでもよい。取扱性や押出機中での分散性等を考慮すると、粒径が1〜10mm、とくに3〜6mm程度の大きさのものとするのが好ましい。
【0028】
農業用フィルム用オレフィン系重合体としては、オレフィンの単独重合体、オレフィン同士の共重合体、オレフィンと極性モノマーの共重合体、これらの任意の混合物などである。
【0029】
透明性、フィルム強度などを勘案すると、好適なオレフィン系重合体としては、高圧法ポリエチレン、エチレンと少割合のα−オレフィンの共重合体である密度が0.900〜0.940g/cm、好ましくは0.905〜0.930g/cmの直鎖低密度ポリエチレン(α−オレフィン成分が、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテンなど)、エチレンと少割合、例えば25重量%以下、好ましくは20重量%以下の酢酸ビニルとの共重合体、エチレンと少割合、例えば25重量%、好ましくは20重量%以下の不飽和カルボン酸エステル、例えばアクリル酸エステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)やメタクリル酸エステル(メチルエステル、イソプロピルエステルなど)との共重合体、エチレンと少割合、例えば20重量%以下、好ましくは15重量%以下の不飽和カルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸などとの共重合体、エチレンと少割合、例えば25重量%以下、好ましくは20重量%以下の不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸エステルとの共重合体、上記エチレン・不飽和カルボン酸共重合体又はエチレン・不飽和カルボン酸・不飽和カルボン酸エステル共重合体のアイオノマー(リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、亜鉛などを金属イオン種とするもの)、これらの混合物などを例示することができる。
【0030】
上記オレフィン重合体が、ポリエチレンあるいはエチレンを主体とする共重合体の場合には、フィルム成形性やフィルム強度などを考慮すると、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.1〜20g/10分、とくに0.2〜5g/10分程度のものを使用するのが望ましい。
【0031】
防曇剤と無機保温剤からなる微粒子状混合物と上記オレフィン重合体は、押出機中、オレフィン重合体の融点以上、好ましくは150〜200℃程度の温度で溶融混練する。この押出機はフィルム成形機のものであってもよく、この場合は直接フィルム成形される。またこの押出機は、フィルム成形用の樹脂組成物を得るためのものであってもよく、この場合は、ペレット状などのフィルム成形機に供給し易い形に成形される。いずれにしてもオレフィン重合体中、無機保温剤の割合が0.1〜5重量%程度、とくに0.2〜3重量%の如き割合となるように両者を使用することが好ましい。
【0032】
上記組成物を製造するに際し、各種添加剤を同時に配合することができる。このような添加剤の例としては、酸化防止剤(フェノール系、リン系など)、光安定剤(ヒンダードアミン系など)、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤、防徴剤、防藻剤、着色剤、ポリアセタールのような高分子型保温剤などを挙げることができる。これらの一部または全部は、防曇剤と無機保温剤の混合の際に共存させ、両者の微粒子状混合物に含有させておいてもよい。また防曇剤の追加量あるいは別の防曇剤を新たに添加してもよい。さらには無機保温剤の配合量を一層高めたい場合には、無機保温剤のマスターバッチを併用することを妨げない。
【0033】
無機保温剤を使用するオレフィン系重合体を用いた農業用フィルムにおいては、勿論、無機保温剤を含有するオレフィン系重合体層のみからなる単層フィルムで用いることができるが、通常は無機保温剤を多量に含む層と、無機保温剤を全く含まないかあるいは無機保温剤を少量含有する層からなる少なくとも2層からなる多層フィルム、好ましくは無機保温剤を多量に含む層を中間層とし、その両側に後者の層を配した3層フィルムが、総合的な性能を考慮すると優れており、多用されている。このような多層フィルムは、一般に共押出法によって製造される。本発明における農業用フィルム用組成物は、このような単層フィルムの材料として、あるいは多層フィルムの無機保温剤含有層の材料として使用することができる。
【0034】
〔実施例1〕
防曇剤として、ソルビタン脂肪酸エステル(融点59〜63℃)1.0kgを攪拌装置付加熱釜に入れて70℃まで加熱して溶融した後、攪拌しながらハイドロタルサイト(協和化学工業(株)製 DHT−4A,95%以上が1μm以下の粒径)を徐々に投入して、DHT−4Aと防曇剤(ソルビタン脂肪酸エステル)の比が1対1の重量比に達したところでDHT−4Aの投入をやめる。系内が均一状態であることを目視確認後攪拌を停止、その後冷却して常温において塊状の混合物を得、更にこれを破砕して3〜6mm大程度の砕状物(A)を回収した。
【0035】
〔実施例2〕
実施例1において、防曇剤として、ソルビタン脂肪酸エステルをグリセリン及びジグリセリンの脂肪酸エステル(融点54℃)に代えた以外は実施例1と同様にして、DHT−4Aと防曇剤が均一に混合した砕状物(B)を回収した。
【0036】
〔実施例3〕
実施例1において、防曇剤としてソルビタン脂肪酸エステルを、ソルビタン脂肪酸エステル(融点59〜63℃)とグリセリン脂肪酸エステル(常温で液状)の1対1重量配合した防曇剤に代えた以外は実施例1と同様にして、DHT−4Aと防曇剤が均一に混合した砕状物(C)を回収した。
【0037】
〔実施例4〕
実施例1において、DHT−4Aの投入をDHT−4Aと防曇剤(ソルビタン脂肪酸エステル)の比が1対50重量比までとした以外は実施例1と同様にして、DHT−4Aと防曇剤が均一に混合した砕状物(D)を回収した。
【0038】
〔比較例1〕
実施例1において、DHT−4Aの投入をDHT−4Aと防曇剤(ソルビタン脂肪酸エステル)の比が3対1重量比になるまでとした以外は実施例1と同様にして、DHT−4Aと防曇剤の混合物(E)を回収した。回収した混合物は均一性に欠け、DHT−4Aの一部は溶融した防曇剤が浸透していない継粉状であった。
【0039】
〔実施例5〕
単層ダイスを装備した単層インフレーション成形機を用い、該成形機の押出機に、エチレン・酢酸ビニル共重合体として三井デュポンポリケミカル(株)製エバフレックスP1403(密度930kg/m、MFR1.3g/10分)を95.45重量%と、実施例1により得たハイドロタルサイトと防曇剤の混合物砕状物(A)を4.0重量%と、耐候安定剤としてヒンダードアミン系化合物を0.3重量%と、酸化防止剤としてヒンダードフェノール系化合物を0.15重量%と、融着防止剤としてビスアマイドを0.1重量%の配合組成になるように各々についてコンスタントフィーダーを用いて供給して、ダイスより押出成形される単層フィルムを得た。このフィルム成形においては、押出機スクリーンの目詰まりは全くなく、フィルムは、防曇性、透明性、均一性に優れていた。
【0040】
〔実施例6〕
実施例5において、砕状物(A)を、実施例2により得た同(B)に代えた以外は実施例5と同様にして単層フィルムを得た。このフィルム成形において、押出機スクリーンの目詰まりは全くなく、フィルムは、防曇性、透明性、均一性に優れていた。
【0041】
〔実施例7〕
実施例5において、砕状物(A)を、実施例3で得た(C)に代えた以外は実施例5と同様にして単層フィルムを得た。このフィルム成形において、押出機スクリーンの目詰まりは全くなく、フィルムは、防曇性、透明性、均一性に優れていた。
【0042】
〔実施例8〕
実施例5において、砕状物(A)を、実施例4で得た(D)に代えた以外は実施例5と同様にして単層フィルムを得た。このフィルム成形において、押出機スクリーンの目詰まりは全くなく、フィルムは、防曇性、透明性、均一性に優れていた。
【0043】
〔比較例2〕
実施例5において、ハイドロタルサイトと防曇剤の混合物砕状物(A)を比較例1により得た(E)に代えた以外は実施例5と同様にして単層フィルムの成形を試みた。このフィルム成形においては押出機スクリーンが即座に目詰まりして押出圧力が急上昇、押出スクリュー用モーター負荷の急上昇となり、成形を断念した。
【0044】
〔比較例3〕
実施例5において、実施例1により得たハイドロタルサイトと防曇剤の混合物砕状物(A)を、DHT−4A2.0重量%と同防曇剤(ソルビタン脂肪酸エステル)2.0重量%、それぞれ(A)を作る前の原料の状態で供給する方法に代えた以外は実施例5と同様にして、単層フィルムの成形を試みた。この成形においては押出機スクリーンが即座に目詰まりして押出圧力が急上昇、押出スクリュー用モーター負荷の急上昇となり成形を断念した。
【0045】
〔比較例4〕
2軸押出機を用いて、ハイドロタルサイトDHT−4Aを50重量%と実施例5において使用したエチレン・酢酸ビニル共重合体P1403を50重量%を、各々コンスタントフィーダーで供給し、混練温度170℃でダイスから押出されたストランドを水冷後カッターに導き、エチレン・酢酸ビニル共重合体P1403をベースレジンとするDHT−4Aの50重量%のマスターバッチ(F)を得た。この押出においてはスクリュー用モーター負荷が徐々に上昇したため途中何度かスクリーンの清掃を行なった。得られたスマターバッチ(F)をプレス成形機により薄く製膜したところ、分散不良が目視された。
尚、分散良好なマスターバッチを得るためには、2軸押出機のスクリューセダメントを取り替える必要があった。
【0046】
〔比較例5〕
実施例5において、実施例1により得たハイドロタルサイトと防曇剤の混合物砕状物(A)を、比較例4において得たエチレン・酢酸ビニル共重合体P1403をベースレジンとするDHT−4Aの50重量%のマスターバッチ(F)を4重量%と混合物砕状物(A)を作る前の原料である防曇剤(ソルビタン脂肪酸エステル)を2重量%に代えた以外は実施例5と同様にして、単層フィルムの成形を行なった。得られたフィルムはフイッシュアイが多く、強度も低下していた。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、固体の防曇剤乃至防曇剤組成物中に特定の比表面積を有する微粉状複合金属化合物を微粒子状に分散固定することにより、オレフィン重合体に直接配合した場合にも、前記複合金属化合物をオレフィン重合体中に微細且つ一様に分散させることが可能となった。かくして、前記複合金属化合物を含有するオレフィン系重合体農業用フィルムを、安価かつ作業性よく製造することができる。かくして得られる農業用フィルムは、保温性、透明性、均一性に優れている。

Claims (4)

  1. 金属を2種以上と水酸基もしくはこれと他のアニオン種とを含む、比表面積が50m /g以下である微粉状複合金属化合物を0.5〜100重量倍の常温で固体状をなす防曇剤又は防曇剤組成物にその液状化温度以上の温度で混合分散させた後冷却固化し粉粒体としたものと、オレフィン重合体とを、押出機に供給し、両者を溶融混練させることを特徴とする農業用フィルム用組成物の製造方法。
  2. 前記複合金属化合物がハイドロタルサイトである請求項1に記載の農業用フィルム用組成物の製造方法。
  3. 常温で固体状で且つ溶融可能な防曇剤または防曇剤組成物のマトリックスと、該マトリックス中に微粒化分散された、金属を2種以上と水酸基もしくはこれと他のアニオン種とを含む比表面積が50m /g以下である微粉状複合金属化合物との造粒物から成り、前記防曇剤または防曇剤組成物が前記複合金属化合物の0.5乃至100重量倍で存在することを特徴とするオレフィン重合体系農業フィルム用配合剤。
  4. 前記複合金属化合物がハイドロタルサイトである請求項3に記載のオレフィン重合体系農業フィルム用配合剤。
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