JP3616673B2 - 曲げ加工装置 - Google Patents
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【産業上の利用分野】
本発明は、パイプを曲げ加工、特に極小曲率でパイプを曲げ加工する曲げ加工装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、パイプの曲げ加工の際のしわの発生や偏平化を防止するために、特開平3−32426号公報や特開平3−32427号公報にあるように、外側周面に溝を有する曲げ型と、この溝に対向した溝を有する締め型とを備え、2つの溝が作る孔型をパイプ外径よりも小さく形成し、パイプをこの孔型の中でほぼ全外側周面から周方向ほぼ均等に圧下し塑性状態としながら曲げ加工するものが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
特開平7−12283号公報にあるように、接続継手の高さを低く押さえるために、パイプの曲げ内側の半径がほぼ0でL字形に曲げられた冷媒配管を、この内側曲部を固定ブロックに収納した状態で、固定ブロックに固定するようにした継手が提案されている。
【0004】
この接続継手では、冷媒配管をパイプの曲げ内側の半径がほぼ0でL字形に曲げ加工する必要があるが、前述した曲げ加工装置では、パイプの曲げ内側の半径がほぼ0になるような極小曲率で曲げ加工することができない。即ち、曲げ型は、曲げ半径に応じた半径を有するロール状に形成されており、パイプの曲げ内側の半径がほぼ0である場合には、ロールの半径はほぼ0になってしまう。このため、孔型を形成する溝を曲げ型に形成できなくなるという問題があった。また、孔型を通過した部分のパイプの外径のみが塑性変形されて、その外径が小さくなるので、孔型を通過していない部分の外径との境に段差ができてしまうという問題があった。
【0005】
そこで本発明は上記の課題を解決することを目的とし、有効に極小曲率で曲げ加工することができる曲げ加工装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成すべく、本発明は課題を解決するための手段として次の構成を取った。即ち、
パイプを曲げ型と締め型とにより挟持して、前記締め型と前記曲げ型とを曲げ中心の廻りに回転して前記パイプを曲げ加工する曲げ加工装置において、
圧力型と、該圧力型に対向して配置されたワイパ型とにより前記パイプ外径よりも小さい径の挿通孔を形成し、該挿通孔に前記パイプを押し通す押出部材を配置し、前記押出部材により前記挿通孔を挿通させた前記パイプを前記曲げ型と前記締め型とにより挟持して曲げ加工することを特徴とする曲げ加工装置の構成がそれである。
【0007】
また、前記圧力型を前記パイプの軸方向に摺動可能に支持した構成としてもよく、あるいは、前記圧力型と前記ワイパ型とを摺動孔内に挿入した構成としてもよい。
【0008】
【作用】
前記構成を有する曲げ加工装置は、押出部材がパイプを挿通孔に押し通して、このパイプを締め型と曲げ型とにより挟持し、締め型と曲げ型とを曲げ中心の廻りに回転して曲げ加工する。よって、パイプは塑性状態におかれているときに曲げ加工されるので、極小曲率で曲げ加工できる。
【0009】
また、圧力型をパイプの軸方向に摺動させると、パイプの肉厚の減少を防止できる。更に、圧力型とワイパ型とを摺動孔内に挿入すると、挿通孔にパイプを押し通した際に、挿通孔が拡がるのを防止できる。
【0010】
【実施例】
以下本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、1はパイプで、本実施例では材質はアルミ(JIS−A6063)である。このパイプ1の両側に、それぞれ曲げ型2と締め型4とが配置されており、締め型4は曲げ型2に向かって摺動できるように構成されている。そして、曲げ型2と締め型4とにそれぞれ形成された溝6,8でパイプ1を挟持できるようにされている。
【0011】
曲げ型2と締め型4とは、曲げ中心Cを中心として回転駆動されるように構成されており、曲げ中心Cはパイプ1の外周に接近した位置に形成されている。曲げ型2は、曲げ中心C側がほぼ楔型に形成されており、その先端は、曲げ中心Cを中心とした極小の、例えば0.5mm程度の小さな半径の曲面に形成されている。
【0012】
パイプ1に対して締め型4と同じ側に圧力型10が配置されており、パイプ1を間にして圧力型10に対向してワイパ型12が配置されている。圧力型10とワイパ型12とには、圧力型10とワイパ型12とを合わせた状態で、パイプ1の外径よりも小さな挿通孔14が形成されている。挿通孔14は、パイプ1の外径よりも1%〜4%程度小さい径とするのが好ましい。
【0013】
更に、挿通孔14は、曲げ型2が配置されている側に開口して形成されており、その反対側には、挿通孔14と連通してテーパ孔16が形成されている。また、テーパ孔16に連通して挿通孔14よりも大径のガイド孔18が形成されており、ガイド孔18は曲げ型2と反対側に開口されている。
【0014】
圧力型10とワイパ型12とは、互いに合わせられた状態で、図示しない本体に固定された取付台20に形成された摺動孔22に挿入されている。ワイパ型12は、取付部材20を貫通した1組のボルト24により固定されており、圧力型10は、摺動孔22に摺動可能に挿入されている。圧力型10は、油圧シリンダ23により駆動されてパイプ1の軸方向に移動できるように構成されている。
【0015】
また、パイプ1と同軸上に押出部材32が設けられており、押出部材32の先端は、パイプ1の断面形状とほぼ同じに形成されている。押出部材32は、図示しない油圧シリンダ等によりパイプ1の軸方向に移動されて、パイプ1の後端を押すことができるように構成されている。更に、この押出部材32を貫通して、パイプ1内に芯金34が挿入されており、芯金34の先端は、曲げ中心Cに至るまで延出されている。
【0016】
次に、前述した本実施例の曲げ加工装置の作動について説明する。
まず、所定長さに切断されたパイプ1が、押出部材32により後ろから押されてガイド孔18に挿入される。そして、テーパ孔16により挿通孔14に導かれ、挿通孔14に挿入される。挿通孔14に挿入されたパイプ1は、その外径が絞られ塑性変形されて挿通孔14に応じて小さくされる。
【0017】
パイプ1が引続き押出部材32により押され、挿通孔14を押し通されて、パイプ1の先端が所定量、圧力型10とワイパ型12とから突き出される。そして、締め型4が曲げ型2に向かって移動されて、図1に示すように、パイプ1の先端が、曲げ型2と締め型4とにより挟持される。
【0018】
そして、曲げ型2と締め型4とを、曲げ中心Cの廻りに回転すると共に、押出部材32によりパイプ1に軸方向圧縮力を付与する。よって、パイプ1は挿通孔14から引き出されると共に、曲げ型2の先端により、図3に示すように、パイプ1の曲げ内側の半径がほぼ0となるように、「L」字状に、極小曲率で曲げ加工される。
【0019】
このとき、圧力型10は、油圧シリンダ23により曲げ型2の回転に応じてパイプ1の軸方向に移動され、押出部材32による軸方向圧縮力とあいまって、パイプ1の曲げ外側の肉厚が減少するのを防止する。また、圧力型10には、挿通孔14内を通るパイプ1により、圧力型10とワイパ型12とが拡く方向に反力を受けるが、圧力型10は摺動孔22内を摺動するので、摺動孔22により圧力型10とワイパ型12とが拡くのが防止されるので、挿通孔14の径が大きくなることはない。よって、パイプ1の外径を精度よく加工することができる。
【0020】
曲げ型2を所定角度まで回転して、パイプ1を所定角度に曲げ加工した後は、締め型4を曲げ型2から離間させ、押出部材32等によりパイプ1を挿通孔14から押し出して曲げ加工を終了する。パイプ1は全長にわたって挿通孔14を押し通されるので、その外径は、挿通孔14により塑性加工されて、全長にわたって均一な外径が得られる。また、こうして曲げ加工された多数のパイプ1の各外径のばらつきも小さくなる。
【0021】
以上本発明はこの様な実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得る。
【0022】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明の曲げ加工装置は、パイプを極小曲率で曲げ加工することができるという効果を奏する。また、パイプの外径をほぼ均一にすることもできる。圧力型を移動させることにより、パイプの曲げ外側の肉厚の減少を防止することができると共に、圧力型とワイパ型とを摺動孔内に挿入することにより、パイプの外周を精度よく均一にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての曲げ加工装置の断面図である。
【図2】図1のAA断面図である。
【図3】本実施例の曲げ型を所定角度に回転した状態の曲げ加工装置の断面図である。
【符号の説明】
1…パイプ 2…曲げ型
4…締め型 10…圧力型
12…ワイパ型 14…挿通孔
22…摺動孔 32…押出部材
34…芯金
Claims (3)
- パイプを曲げ型と締め型とにより挟持して、前記締め型と前記曲げ型とを曲げ中心の廻りに回転して前記パイプを曲げ加工する曲げ加工装置において、
圧力型と、該圧力型に対向して配置されたワイパ型とにより前記パイプ外径よりも小さい径の挿通孔を形成し、該挿通孔に前記パイプを押し通す押出部材を配置し、前記押出部材により前記挿通孔を挿通させた前記パイプを前記曲げ型と前記締め型とにより挟持して曲げ加工することを特徴とする曲げ加工装置。 - 前記圧力型を前記パイプの軸方向に摺動可能に支持したことを特徴とする請求項1記載の曲げ加工装置。
- 前記圧力型と前記ワイパ型とを摺動孔内に挿入したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の曲げ加工装置。
Priority Applications (1)
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JP13378895A JP3616673B2 (ja) | 1995-05-31 | 1995-05-31 | 曲げ加工装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP13378895A JP3616673B2 (ja) | 1995-05-31 | 1995-05-31 | 曲げ加工装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH08323425A JPH08323425A (ja) | 1996-12-10 |
JP3616673B2 true JP3616673B2 (ja) | 2005-02-02 |
Family
ID=15113031
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP13378895A Expired - Fee Related JP3616673B2 (ja) | 1995-05-31 | 1995-05-31 | 曲げ加工装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3616673B2 (ja) |
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1995
- 1995-05-31 JP JP13378895A patent/JP3616673B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH08323425A (ja) | 1996-12-10 |
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