JP2851561B2 - 金属管の曲げ加工方法及びその装置 - Google Patents

金属管の曲げ加工方法及びその装置

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JP2851561B2
JP2851561B2 JP7097993A JP9799395A JP2851561B2 JP 2851561 B2 JP2851561 B2 JP 2851561B2 JP 7097993 A JP7097993 A JP 7097993A JP 9799395 A JP9799395 A JP 9799395A JP 2851561 B2 JP2851561 B2 JP 2851561B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属管の曲げ加工方法
及びその方法を実施する装置に関し、更に詳細には、曲
げ半径の小さい曲げ部であっても減肉率及び偏平率の小
さい曲げ部を高い作業能率で形成するように金属管を曲
げ加工を施す方法及びその方法を実施する装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来の金属管の曲げ工法には、冷間曲げ
工法と、熱間曲げ工法との二通りがある。冷間曲げ工法
は、原理的には、図9(a)に示すように、金属管Mを
加熱せず冷間で曲げ型Fに沿って曲げて、図10に示す
ような管径Dの3倍以上の曲げ半径R(R≧3D)の曲
げ部Bを形成する。曲げ型Fは、図9(b)に示すよう
に、その横断面で見て金属管Mの外径より僅かに大きい
直径のほぼ半円形の凹部を曲げ型Fの外周に沿って形成
してなる型面Nを備えている。尚、本明細書で、図10
に示すように、金属管Mに形成された曲げ部Bの曲げ半
径RC (以下、特に必要ないかぎりRで表示)とは曲げ
部Bの中心線で計った曲率半径を言い、曲がり部の内周
り曲げ半径RM とは曲げ部Bの内周り側で計った曲率半
径を言い、曲げ部Bの長さは長手方向中心軸の長さLを
言い、曲げ型又は型面の直径とは図9(c)に示すよう
に曲げ型又は型面の横断面において最大寸法となる差し
渡し寸法DF を言う。
【0003】熱間曲げ工法は、通常、図11に示すよう
に、高周波加熱リングHの中に金属管Mを通しつつ半径
方向内向きに加熱しつつ、金属管Mの先端Tをチェック
等Gで把持し、曲げ型を使用することなく、先端Tを把
持したチャックGを所定の曲げ半径Rで定められた円弧
に沿って中心Cの周りに移動させ、それによって金属管
Mを曲げて行き、冷間曲げ工法と同じく図10に示すよ
うな曲げ部Bを形成する。また、冷間曲げ工法及び熱間
曲げ工法のいずれの工法においても、曲げ部の内周り側
の管壁が圧縮され、外周り側の管壁が引張される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、冷間曲げ工
法にしろ、または熱間曲げ工法にしろ、金属管に曲げ加
工を施すと、図12に示すように管の断面において、減
肉、増肉、偏平変形、及び中空部断面積の減少が発生す
る。この現象は曲げ半径Rが小さいほど顕著になる。図
12は、図10の矢視I−I′での断面であって、偏平
率は、偏平率=(D1−D2)/Dで示される。例え
ば、冷間曲げ工法は、曲げ部の長手方向中心軸で見て、
30mm/sec以上の速い曲げ速度で曲げることがで
きるので、曲げ加工の作業能率は高いが、曲げ部の曲げ
半径を管の直径の3倍以上にしないと、偏平率が大きく
なったり、管が変形したする。しかし、曲げ部の曲げ半
径として管径の3倍以上を必要とする冷間曲げ工法によ
り形成した曲げ部を一般の工場設備の3次元配管に使用
しようとしても、曲げ部のため配管取り付けに要する空
間が大きくなる等の寸法及び形状上の理由から使用でき
ない場合が多い。従って、通常、冷間曲げ工法による曲
げ部は、比較的特殊な用途に使用されている。因みに、
一般の工場設備の3次元配管に使用する曲げ配管部品、
例えばエルボーは、通常、曲がり半径が管の直径の1.
5倍である。
【0005】一方、熱間曲げ工法は、曲げ部の曲げ半径
Rが管の直径Dの1.5〜2倍程度に小さくでき、一般
の工場設備の3次元配管に使用できる場合が多い。しか
し、熱間曲げ工法は、冷間曲げ工法よりも遙に曲げ速度
が低く、曲げ速度が約2mm/secであるため、曲げ
加工の作業能率が低く、加熱費も要して曲げ加工のコス
トも嵩む。しかも、曲げ加工時、曲げ部の外周り部分
(図12参照)が長手方向に引っ張られる引張側となっ
て減肉し、曲げ部の内周り部分(図12参照)が長手方
向に圧縮される圧縮側となって増肉し、図12に示すよ
うに中空部の断面積が減少すると言う問題がある。ま
た、熱間曲げ工法では、曲げ部の偏平率が大きく8%を
超す場合がある。尚、冷間曲げ工法においても、熱間曲
げ工法と同程度の大きさの偏平率が曲げ部に生じる。
【0006】ところで、金属管に曲げ加工を施して所望
の場所に曲げ部のある3次元形状の金属管配管を製作す
ることは、エルボ或いはベンド等の比較的高価な配管部
品が不要となり、また高度の技術を要する溶接箇所を少
なくできる。従って、配管工事において、労務費及び資
材費を節減でき、しかも配管工事の工期も短縮できるの
で、金属管の曲げ加工は、益々重要になっている。そこ
で、本発明の目的は、金属管に形成した曲げ型の断面の
減肉及び偏平率が小さく、しかも高能率で曲げ加工でき
る金属管の曲げ加工方法及びその装置を提供することで
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、研究と実験
を重ねた末、高周波誘導加熱手段等で圧縮側のみを加熱
して材料を軟化させ、塑性変形能を増加させた段階で曲
げ型を用いて曲げれば、引張側は低温で強度が大きいの
で殆ど変形せず(減肉せず)に曲げ型に沿って曲がるこ
とに注目した。また、圧縮側は管内面側に増肉し中空部
断面積の減少と偏平変形が起こるので、曲げ型の型面の
直径を金属管の直径(規格公称直径)よりも1%〜2%
の範囲で小さくすると、更に偏平率を減少できることが
判った。
【0008】上記目的を達成するために、上述の知見に
基づき、本発明に係る金属管の曲げ加工方法は、曲げ加
工を金属管に施して長手方向に沿ってベンド状に曲げた
曲げ部を金属管に形成する際、金属管の横断面で見て、
金属管の長手方向中心軸を中心として45°を超え18
0°未満の所定角度の中心角に対応する円弧を周方向寸
法とし、長手方向に曲げ部の長さの120%以上200
%以下の長さを有する被加熱管壁領域を加熱する加熱工
程と、次いで、曲げ部の内周り曲げ半径と同じ内周り曲
げ半径を備え、かつ曲げ部の内周り部分の外形輪郭を有
する型面を少なくとも曲げ部の長さにわたり有する曲げ
型を使用し、その曲げ型の型面に加熱した被加熱管壁領
域を接触させて金属管を曲げ型に押圧しつつ、被加熱管
壁領域を曲げ部の内周り側にし、かつ被加熱管壁領域に
対向する金属管の管壁領域を外周り側にして曲げ部を形
成するように曲げ型に沿って金属管を曲げる曲げ工程と
を備えることを特徴としている。
【0009】加熱工程で使用する加熱手段には、金属管
の管壁を加熱できる限り特に限定はなく、加熱手段とし
て、例えば、燃焼炎、アーク放電、高周波誘導加熱、レ
ーザ光等を使用できる。加熱する被加熱管壁領域の周寸
法を規定する中心角は、管径、管の材質、曲げ半径等に
より異なるので、予め実験等により定める。
【0010】本発明方法の好適な実施態様は、前記加熱
工程の加熱温度は、炭素鋼及びオーステナイト系ステン
レス鋼管に対して、それぞれ900°C 〜1,050°
C の温度範囲及び1,000°C 〜1,150°C の温
度範囲にあり、昇温時間が120秒以下、通常30秒か
ら60秒であることを特徴としている。また、前記型面
の直径が金属管の直径より僅かに小さいことを特徴とし
ている。これにより、曲げ部の横断面における外形輪郭
の増大を抑制して、偏平率を減少させることができる。
更には、前記被加熱管壁領域の長さが、曲げ部の長さの
120%から200%の範囲にあることにより、曲げ部
の形成を円滑にし、かつ曲げ部と曲げ部外との間で曲げ
部の圧縮側の肉厚が大きく変化するのを防止できる。
【0011】本発明方法を実施する、本発明に係る金属
管の曲げ加工装置は、曲げ加工を金属管に施して長手方
向に沿ってベンド状に曲げた曲げ部を金属管に形成す
る、金属管の曲げ加工装置であって、金属管の横断面で
見て、金属管の長手方向中心軸を中心とした180°以
下の所定角度の中心角に対応する円弧を周方向寸法と
し、長手方向に少なくとも曲げ部の長さを有する被加熱
管壁領域を加熱する加熱手段と、曲げ部の内周り曲げ半
径と同じ内周り曲げ半径を備え、かつ曲げ部の内周り部
分の外形輪郭を有する型面を少なくとも曲げ部の長さに
わたり有する曲げ型と、曲げ型を回転させる駆動手段
と、曲げ型の型面に加熱した被加熱管壁領域を接触させ
て金属管を曲げ型に押圧しつつ曲げ型と一体的に回転
し、被加熱管壁領域を曲げ部の内周り側にし、かつ被加
熱管壁領域に対向する金属管の管壁領域を外周り側にし
て曲げ部を形成するように曲げ型に沿って金属管を曲げ
る押圧手段と、及び金属管の進退速度を調整し、かつ所
定進退方向に金属管を案内するブースターを備えて、
属管を進退させる進退手段とを備えることを特徴として
いる。
【0012】本発明では、前記進退手段が、金属管の進
退速度を調整し、かつ所定進退方向に金属管を案内する
ブースターを備え、ブースターにより金属管の進退速度
を調整し、かつ所定進退方向に案内することにより、よ
り一層円滑に金属管に曲げ加工を施すことができる。ま
た、本発明の更に好適な実施態様は、前記曲げ型の型面
の直径が金属管の直径より僅かに小さいことを特徴とし
ている。本発明の更に好適な実施態様は、型面の直径の
中点を中心とする10°〜60°の範囲の中心角に対応
する円弧の長さを開口径とする凹部を前記曲げ型の型面
の周方向中央部に長手方向に溝状に設けたことを特徴と
している。これにより、圧縮側の管壁の増肉を凹部に逃
がすことができるので、曲げ管の中空部の断面積の減少
を緩和させる事が出来る。
【0013】
【作用】請求項5の発明では、加熱手段は、横断面で見
て、金属管の長手方向中心軸を中心とした180°以下
の所定角度の中心角に対応する円弧を周方向寸法とし、
長手方向に少なくとも曲げ部の長さを有する被加熱管壁
領域を加熱する。曲げ型は、金属管の曲げ部の型となっ
て駆動手段により回転する。押し型は、金属管の加熱し
た被加熱管壁領域を接触させて金属管を曲げ型に押圧し
つつ曲げ型と一体的に回転し、被加熱管壁領域を内側に
して曲げ部の内周り部分を形成し、かつ被加熱管壁領域
に対向する管壁領域を外側して曲げ部の外周り部分を形
成するように曲げ型と協働して金属管を曲げる。金属管
の進退手段は、加熱手段で加熱する場所に金属管を前進
させ、次いで加熱した金属管を曲げ型に位置決めする。
【0014】
【実施例】本発明に係る金属管の曲げ加工装置の実施例 以下、添付図面を参照し、実施例に基づいて本発明をよ
り詳細に説明する。図1は本発明方法を実施するために
開発された本発明に係る金属管の曲げ加工装置の実施例
の原理的構成を示す模式図である。本実施例の金属管の
曲げ加工装置10(以下、簡単に装置10と略称する)
は、曲げ加工を金属管に施して長手方向に沿ってベンド
状に曲げた曲げ部を金属管に形成する、金属管の曲げ加
工装置であって、金属管Mを進退させる進退手段11
と、金属管Mの送りを加速又は減速するブースター12
と、金属管Mを加熱する加熱手段14と、曲げ型16
と、曲げ型16に沿って金属管Mを押圧する押し型18
とを備えている。
【0015】進退手段11は、金属管端部を把持するチ
ャックと、そのチャックを駆動する油圧装置等の既知の
駆動装置とを備え、金属管端部を把持したチャックを進
退させて金属管を所望の位置に進退させる。ブースター
12は、基本的には、曲げ型16による曲げ加工時、進
退手段11と協働して金属管送り速度及び進路を調整し
つつ金属管Mを曲げ型16の方へ送る手段であって、金
属管Mを把持しつつ金属管の送りを加速又は減速する送
り速度調整機構20と、その進退を案内するスライドガ
イド22、曲げ加工時に金属管Mを曲げ型16へ押圧す
る押圧機構23とから構成されている。以上の構成によ
り、進退手段11は、加熱手段14による加熱位置まで
金属管Mを前進させ、加熱手段14で金属管Mに加熱工
程を実施した後、加熱した金属管Mを曲げ型16の所定
位置に後退させ、次いで曲げ型16による曲げ加工の進
行と共にブースター12と協働して金属管Mを前進させ
る。
【0016】加熱手段14は、高周波加熱により金属を
誘導加熱する既知の手段であって、本実施例では、横断
面を示す図2(b)において、金属管の長手方向中心軸
を中心とした180°以下の所定角度の中心角θに対応
する円弧を周方向寸法とし、図2(a)に示すように、
長手方向に曲げ部の中心線長さLより長い被加熱管壁領
域24を加熱する。中心角θは、金属管の材質、管径、
曲げ部の曲げ半径等により異なるが、通常、45°より
大きく、180°C より小さい。図2では、中心角θ
は、90°としている。曲げ工程では、被加熱管壁領域
24を中央にして中心角θが180°の金属管Mの第1
半周領域26が曲げ部の内周り部分、即ち圧縮側とな
り、それに対向する第2半周領域28が曲げ部の外周り
部分、即ち引張側となる。金属管Mが進退手段14によ
り駆動されて所定位置に前進すると、加熱手段14が自
動的に金属管Mの被加熱管壁領域24に装着されるよう
になっている。
【0017】曲げ型16は、略円盤状の部材であって、
駆動装置(図示せず)により回転軸30の回りに時計回
りに又は反時計回りに回転するようになっている。曲げ
型16は、図3に示すように、部材の円周面に沿って設
けられた回転軸30に向かって凹形の半円環型溝32
と、その半円環型溝に連続して部材の接線方向に延びた
半円筒溝34とを備えている。
【0018】半円環型溝32は、その内周り曲げ半径R
F が金属管Mの曲げ部の内周り曲げ半径RM (図10参
照)と同じであって、長手方向中心軸Cの長さが少なく
とも曲げ部の全長さLより長い溝である。長手方向中心
軸Cを含む面に直交する溝外形36は、中心Cに向かっ
て開口の差し渡し寸法が大きくなる曲面で形成され、基
本的には曲げ部の内周り部分の所望外形輪郭と同じであ
って、通常、溝外形36の半径R′が金属管Mの外半径
と同じである。この半円環型溝32の型面36(溝外形
36の連続面)が金属管Mの曲げ部の内周り部分の型と
なる。半円筒溝34は、金属管Mの第1半周領域26の
外形と同じ輪郭の円筒溝であって、その長さLF は金属
管Mを押し型18で曲げ型16に向かって押圧する際に
押し型18の押圧面に必要な金属管Mの長さより長けれ
ば良い。
【0019】押し型18は、図4に示すように、その底
部に金属管Mの横断外形の一部と同じ輪郭を備えた半円
筒状凹部38を備え、油圧装置等の既知の駆動装置(図
示せず)により駆動されて曲げ型16の半円筒溝34に
対して金属管Mを押圧する。押し型18は、曲げ型16
と一体的に回転し金属管Mの曲げ加工を行うが、曲げ型
16の回転中も押し型18と曲げ型16との相対的位置
関係は不変である。以上の構成により、その凹部38で
金属管Mの先端を曲げ型16、即ち曲げ型16の半円筒
溝34に押圧して、金属管Mの先端が曲げ型16の回転
に伴って回転するようになっている。
【0020】また、装置10では、加熱手段14による
高周波加熱工程と曲げ型16及び18による曲げ加工工
程とは進退手段11を働かせることにより、同じ装置内
を移動して実施される。そこで、一連の移動動作・位置
決めを迅速に行うためコンピュータ制御(CNC制御)
を適用するのが望ましい。
【0021】進退手段11、ブースター12、曲げ型1
6及び押し型18は、冷間曲げ工法にもそのままで適用
できる。そこで、同じ装置10で、大きな曲げ半径で減
肉率及び偏平率の許容度が大きい場合には冷間曲げ工法
を実施し、小さな曲げ半径で減肉率、偏平率の許容度が
小さい場合には本発明方法を実施するようにすることも
できる。これにより、1台の装置で冷間曲げ工法及び本
発明方法のいずれでも実施できるので、本装置10は、
冷間曲げ工法の高い生産性と本発明方法の精密な曲げ加
工性の双方の利点を有する。
【0022】曲げ型の改変例1 本改変例では、図5(a)に示すように、曲げ型16の
型面36は、その直径DF が金属管Mの直径より1%な
いし2%小さく形成されている。これにより、曲げ部の
横断面における外形輪郭の増大を抑制して、偏平率を減
少させることができる。尚、曲げ型16の直径を小さく
しているため、そのままでは曲げ加工の後に金属管が曲
げ型16から外れ難いこともある。その際には、押し型
18を後退させ曲げ型16を逆回転させつつ(図8にお
いて反時計周りに回転させる)進退手段11及びブース
ター12により金属管を後退させることによって金属管
を曲げ型16から容易に外すことができる。
【0023】曲げ型の改変例2 本改変例では、図5(a)に示すように、溝状の凹部4
0が、曲げ型16の型面36の中央部であって、型面3
6の長手方向中心軸Cから中心角ψが10°から60°
の範囲の角度に対応する部分に形成されている。以上の
構成により、図5(b)に示すように、金属管Mを型面
36に沿って曲げた時、圧縮側の管壁の増肉を凹部40
に逃がすことができるので、金属管Mの曲げ部の中空部
の断面積の減少を緩和させる事が出来る。
【0024】本発明に係る金属管の曲げ加工方法の実施
以下に、本実施例の装置10を使用した本発明方法の実
施例を説明する。先ず、図6に示すように、金属管Mを
曲げ型16の半円筒溝34に沿って摺動させつつ進退手
段11により図6の右に向かって前進させ、先端部42
に続く第1半周領域26の一部である加熱領域24を加
熱できるように加熱手段14をセットし、所定温度まで
昇温する。尚、この場合、金属管Mの進行方向から曲げ
型16を後退させ、金属管Mが曲げ型16の半円筒溝3
4に沿って摺動しないようにすることもできる。昇温
後、図7に示すように、金属管Mの先端部42が押し型
18の直下に来るまで、曲げ型16の半円筒溝34に沿
って金属管Mを進退手段11により後退させ、次いで押
し型18で金属管Mを曲げ型16の半円筒溝34に押圧
して固定する。続いて、図8に示すように、押し型18
によって金属管Mを曲げ型16に押圧しつつ曲げ型16
を矢印方向(時計回りに)に回転させる。金属管Mの回
転の伴い進退手段11により金属管Mを曲げ型16に向
け送り出すと共にブースター12により金属管の外周り
部分の送りを加速させ金属管の外周り部の減肉を軽減さ
せる。
【0025】本発明方法による実験例1 本発明に係る金属管の曲げ加工方法を評価するために、
図1に示した装置10を使用し、呼び径が4インチで肉
厚がSCH40の炭素鋼管を試料として本発明方法によ
る曲げ加工を下記の条件で施した。 曲げ加工の条件 加熱温度:約950°C 曲げ半径:R=2D 曲げ部の長手方向中心軸の中心角:90 被加熱管壁領域の周寸法を規定する中心角:90° 1日で40本の試料に曲げ加工を施すことができた。得
た曲げ部を測定し、次の結果を平均値として得た。 減肉率:3.3% 偏平率:4.0% 曲げ工程に要する時間:2〜3sec
【0026】本発明方法による実験例2 本実験例では、改変例1及び2を組み合わせた曲げ型を
使用したこと以外は、実験例1と同じ試料を使用し、同
じ条件で本発明方法による曲げ加工を施した。本実験例
に使用した曲げ型16は、試料の公称管外径114.3
mmに対して型面36の直径DF (図5(a)参照)を1
12.0mmとし、型面36から中心Cから中央部の型面
36までの距離(R′に相当)を57.2mmとし、更に
中央部の型面36には中心角ψ(図5(a)参照)が3
0°で深さ2mmの凹部40が形成されている。1日で8
0本の試料に曲げ加工を施した結果、その平均値として
次の結果を得た。 減肉率:4% 偏平率:4% 曲げ工程に要する時間:2〜3sec
【0027】熱間曲げ工法による実験例 実験例1と同じ試料を使用し、従来の熱間曲げ工法によ
る曲げ加工を施した。1日で30本の試料に曲げ加工を
施すことができた。得た曲げ部を測定し、次の結果を平
均値として得た。 減肉率:10% 偏平率:7% 曲げ工程に要する時間:180〜200sec
【0028】冷間曲げ工法による参考実験例 実験例1と同じ試料を使用し、曲げ半径R=2Dで従来
の冷間曲げ工法による曲げ加工を施したが、曲げ加工の
途中で試料の変形が酷くなり、曲げ加工を完了すること
ができなかった。そこで、参考のため、実験例1と同じ
試料を使用し、曲げ半径R=3Dで従来の冷間曲げ工法
による曲げ加工を1日で60本の試料に施すことができ
た。得た曲げ部を測定し、次の結果を平均値として得
た。 減肉率:12% 偏平率:7% 曲げ工程に要する時間:2〜3sec
【0029】実験例から判断すると、従来の熱間曲げ工
法及び冷間曲げ工法に比べて、本発明方法による曲げ加
工により生じる減肉率が約1/3に減少し、偏平率が約
40%から50%減少している。また、生産性も、熱間
曲げ工法に比べて遙に高い。
【0030】
【発明の効果】本発明に係る金属管の曲げ加工方法の構
成によれば、金属管の曲げ部の内周り側となる部分を長
手方向に加熱し、その部分を曲げ型に接触させ、加熱し
なかった部分を曲げ部の外周り部分になるように曲げ工
程を実施することにより、曲げ半径の小さい曲げ部であ
っても、従来の冷間曲げ工法及び熱間曲げ工法より減肉
率及び偏平率の低い曲げ部を形成することができる。
【0031】本発明に係る金属管の曲げ加工装置の構成
によれば、金属管の曲げ部の内周り側となる部分を長手
方向に加熱する加熱手段と、曲げ型と、曲げ型を回転さ
せる駆動手段と、金属管の加熱した部分を接触させて金
属管を曲げ型に押圧しつつ曲げ型と一体的に回転し、加
熱しなかった部分を外側して曲げ部の外周り部分を形成
するように曲げ型に沿って金属管を曲げる押圧手段と、
及びブースターを有する金属管の進退手段とを備えるこ
とにより、本発明方法を好適に実施できる。本発明に係
る方法及び装置を使用することにより、曲げ半径の小さ
い曲げ部であっても、従来の冷間曲げ工法及び熱間曲げ
工法より減肉率及び偏平率の低い曲げ部を従来の冷間曲
げ工法と同じ程度の生産性で形成することができる。ま
た、CNC制御を適用することにより、施工を自動化し
て、労力の軽減とコスト削減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施するための本発明に係る金属
管の曲げ加工装置の実施例の原理的構成を示す模式図で
ある。
【図2】図2(a)及び(b)はそれぞれ金属管の被加
熱管壁領域を説明する図であって、図2(b)は図2
(a)の断面図である。
【図3】図3(a)は曲げ型の平面図であって、図3
(b)は図3(a)の曲げ型をIの方向から見た側面図
であり、図3(c)は図3(a)の曲げ型をII−IIの方
向から見た側面図である。
【図4】図1の押し型の線IV−IVでの押し型の側面図で
ある。
【図5】図5(a)は曲げ型の内径方向断面図であり、
図5(b)はその曲げ型の機能を説明する図である。
【図6】本発明方法の加熱工程における金属管の曲げ加
工装置の状態を示す図である。
【図7】本発明方法の曲げ加工工程の開始時点での金属
管の曲げ加工装置の状態を示す図である。
【図8】本発明方法の曲げ加工工程の終了時点での金属
管の曲げ加工装置の状態を示す図である。
【図9】図9(a)は、冷間曲げ工法を説明する模式
図、図9(b)は矢視III −IIIでの断面図、及び図9
(c)は曲げ型の直径を説明する図である。
【図10】金属管の曲げ部を説明する模式図である。
【図11】熱間曲げ工法を説明する模式図である。
【図12】図10の矢視IV−IVでの曲げ部断面の変形を
説明する断面図である。
【符号の説明】
10 本発明に係る金属管の曲げ加工装置の実施例 11 進退手段 12 ブースター 14 加熱手段 16 曲げ型 18 押し型 20 チャック機構 22 ガイド部 23 押圧機構 24 被加熱管壁領域 26 第1半周領域 28 第2半周領域 30 回転軸 32 半円環型溝 34 半円筒溝 36 型面 38 半円筒状凹部 40 溝状の凹部 42 金属管の先端部
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B21D 7/024 B21D 7/025 B21D 7/16

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 曲げ加工を金属管に施して長手方向に沿
    ってベンド状に曲げた曲げ部を金属管に形成する際、 金属管の横断面で見て、金属管の長手方向中心軸を中心
    として45°を超え180°未満の所定角度の中心角に
    対応する円弧を周方向寸法とし、長手方向に曲げ部の長
    の120%以上200%以下の長さを有する被加熱管
    壁領域を加熱する加熱工程と、 次いで、曲げ部の内周り曲げ半径と同じ内周り曲げ半径
    を備え、かつ曲げ部の内周り部分の外形輪郭を有する型
    面を少なくとも曲げ部の長さにわたり有する曲げ型を使
    用し、その曲げ型の型面に加熱した被加熱管壁領域を接
    触させて金属管を曲げ型に押圧しつつ、被加熱管壁領域
    を曲げ部の内周り側にし、かつ被加熱管壁領域に対向す
    る金属管の管壁領域を外周り側にして曲げ部を形成する
    ように曲げ型に沿って金属管を曲げる曲げ工程とを備え
    ることを特徴とする金属管の曲げ加工方法。
  2. 【請求項2】 前記加熱工程の加熱温度は、炭素鋼及び
    オーステナイト系ステンレス鋼管に対して、それぞれ9
    00°C 〜1,050°C の温度範囲及び1,000°
    C 〜1,150°C の温度範囲にあり、昇温時間が12
    0秒以下であることを特徴とする請求項1に記載の金属
    管の曲げ加工方法。
  3. 【請求項3】 前記型面の直径が金属管の直径より僅か
    に小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載の金属
    管の曲げ加工方法。
  4. 【請求項4】 曲げ加工を金属管に施して長手方向に沿
    ってベンド状に曲げた曲げ部を金属管に形成する、金属
    管の曲げ加工装置であって、 金属管の横断面で見て、金属管の長手方向中心軸を中心
    とした180°以下の所定角度の中心角に対応する円弧
    を周方向寸法とし、長手方向に少なくとも曲げ部の長さ
    を有する被加熱管壁領域を加熱する加熱手段と、 曲げ部の内周り曲げ半径と同じ内周り曲げ半径を備え、
    かつ曲げ部の内周り部分の外形輪郭を有する型面を少な
    くとも曲げ部の長さにわたり有する曲げ型と、 曲げ型を回転させる駆動手段と、 曲げ型の型面に加熱した被加熱管壁領域を接触させて金
    属管を曲げ型に押圧しつつ曲げ型と一体的に回転し、被
    加熱管壁領域を曲げ部の内周り側にし、かつ被加熱管壁
    領域に対向する金属管の管壁領域を外周り側にして曲げ
    部を形成するように曲げ型に沿って金属管を曲げる押圧
    手段と、及び金属管の進退速度を調整し、かつ所定進退方向に金属管
    を案内するブースターを備えて、 金属管を進退させる進
    退手段とを備えることを特徴とする金属管の曲げ加工装
    置。
  5. 【請求項5】 前記曲げ型の型面の直径が金属管の直径
    より僅かに小さいことを特徴とする請求項に記載の金
    属管の曲げ加工装置。
  6. 【請求項6】 前記曲げ型の型面の直径の中点を中心と
    する10°〜60°の範囲の中心角に対応する円弧の長
    さを開口径とし、かつ型面の周方向中央部に位置する凹
    部を型面の長手方向に溝状に設けたことを特徴とする請
    求項4又は5に記載の金属管の曲げ加工装置。
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