JP3616625B2 - コンベヤチェーン - Google Patents
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- B65G17/086—Conveyors having an endless traction element, e.g. a chain, transmitting movement to a continuous or substantially-continuous load-carrying surface or to a series of individual load-carriers; Endless-chain conveyors in which the chains form the load-carrying surface having a load-carrying surface formed by a series of interconnected, e.g. longitudinal, links, plates, or platforms the surface being formed by the traction element specially adapted to follow a curved path
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- Engineering & Computer Science (AREA)
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- Chain Conveyers (AREA)
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、コンベヤチェーンにかかわり、さらに詳しくは、曲線搬送を行なうチェーンコンベヤに好適なチェーンに関している。
【０００２】
【従来の技術】
従来のこの種のチェーンは、たとえば図７に示すように、リンク１１０を隣接配置し、リンク同士を図示はされていないがピンによって連結したものからなっている。チェーンがスプロケットなどによって矢印Ｘの方向に移動すると、チェーン上の搬送物が一緒に移動するようになっている。
【０００３】
各々のリンク１１０はフラットな上面１１２をもつトッププレート１１１を有する。トッププレート１１１のリーディングエッジ側にはフロントヒンジ１１４があり、トレーリングエッジ側にはリアヒンジ１１５がある。さらに、トッププレート１１１のリーディングエッジ側にはフロントヒンジ１１４の外側に位置してフロントダミーヒンジ１１７があり、トレーリング側にはリアヒンジ１１５の側に位置してリアダミーヒンジ１１８が設けられている。
【０００４】
チェーンは、フロントヒンジ１１４を前方に位置するリンクのリアヒンジの間およびこれらのリアヒンジの外側に配置し、リアヒンジ１１５を後方に位置するリンクのフロントヒンジの間に嵌め、フロントヒンジ１１４にあるピン孔１１６と前方に位置するリンクのリアヒンジのブッシュ孔にピンを差し込むと共に、リアヒンジ１１５にあるブッシュ孔１１６Ａと後方に位置するリンクのフロントヒンジのピン孔に連結ピンを挿入することによって構成されている。
【０００５】
コンベヤは、一対のガイドレールの間にフロントヒンジ１１４およびリアヒンジ１１５によって構成されるヒンジ部１１３を落とし込み、ガイドレールの上面にトッププレート１１１の下面を接触させ、ヒンジ部１１３におけるフロントヒンジ１１４とリアヒンジ１１５との間にある溝にスプロケットのつめを係合させてこのチェーンをスプロケットに巻き掛けることで構成されている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
このようなチェーンは、リンク１１０が曲線搬送区間を通過するときに、水平面方向に傾動する。リンク１１０の長手方向中心線の片側にあるリンクのフロントヒンジ１１４の間に形成された溝の底縁１２１およびフロントヒンジとダミーヒンジ１１７との間に形成された溝の底縁１２２を後方に傾斜させ、リンク１１０の長手方向中心線の残余側にあるリンクのフロントヒンジ１１４の間に形成された溝底縁１２１およびフロントヒンジ１１４とフロントダミーヒンジ１１７との間にある溝の底縁１２２を後方に傾斜させてあり、リアヒンジ１１５およびリアダミーヒンジ１１８は溝の内部にて水平方向に傾動することができる。
【０００７】
さらに、リンク１１０は、曲線搬送区間を通過するときに、垂直方向にも傾動する場合がある。このときに、曲線搬送区間の外側にあるフロントダミーヒンジ１１７、図７において手前側のフロントダミーヒンジ１１７がこれに隣接する前方にあるリアダミーヒンジとの間に段差を生じる。一方、搬送物は、曲線搬送区間において遠心力などの外力の作用を受け、リンク上を動くため、姿勢が前述の段差によって急変し転倒する。搬送ラインを高速化すると、転倒事故が多くなる。
【０００８】
これを改善するために、石鹸水をトッププレート１１１の上面に流して、搬送物との摩擦を小さくしたり、リンク１１０の材質に種々の改良を加えて、低摩擦化を図り、外力が作用したときに、前後に位置するリンクへ移動することができるようにしている。
【０００９】
しかしながら、搬送物は、ペットボトルのような重心位置の高く、姿勢が僅かに傾くだけで転倒するものが増大しており、このような対策では転倒を確実に防ぐことができず、重心の高い搬送物を安定して、しかも高速で搬送できることを要求されているのが現状である。
【００１０】
本発明の目的は、重心の高い搬送物であっても、曲線搬送区間を転倒させずに高速搬送することができる、改良されたコンベヤチェーンを提供することにある。
【００１１】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のコンベヤチェーンは、列状配置された複数のリンクを有し、リンクの各々がフラットな上面をもつトッププレートと前方に位置するリンクのヒンジ部および後方に位置するリンクのヒンジ部にピン連結されるトッププレートに設けられたヒンジ部とを備え、トッププレートおよびヒンジにおける前後に位置するリンクとに隣接する縁部が曲面からなっているコンベヤチェーンにおいて、前記曲面に対する接線を含む平面とトッププレートの上面とが形成する傾斜角がリンクの配列方向中心軸からリンク側面に向かうほど小さく形成されていること、を特徴としている。
【００１２】
【作用】
本発明のコンベヤチェーンは、列状配置された複数のリンクを有し、リンクの各々がフラットな上面をもつトッププレートと前方に位置するリンクのヒンジ部および後方に位置するリンクのヒンジ部にピン連結されるトッププレートに設けられたヒンジ部とを備え、トッププレートおよびヒンジにおける前後に位置するリンクとに隣接する縁部が曲面からなっているコンベヤチェーンにおいて、前記曲面に対する接線を含む平面とトッププレートの上面とが形成する傾斜角がリンクの配列方向中心軸からリンク側面に向かうほど小さく形成されているため、リンクが曲線搬送区間を通過するときに、曲線搬送区間の外側にありかつ前後に位置するリンクに隣接する縁部が突出しても、リンクとリンクとがリンク側面に向かうほど角度の緩くなる縁部によってつながれ、縁部と隣接リンクとの間が急変しない。このため、搬送物は外力の作用を受けても、転倒せずに隣接リンクにスムーズに乗り移ることができる。
【００１３】
【発明の実施の形態】
以下に、図１〜６を参照して本発明のコンベヤチェーンの実施の形態を説明する。
【００１４】
図１〜図３は本発明のコンベヤチェーンのある実施の形態を示している。このチェーンは、図１に矢印Ｘで示すように、図の右から左に向かって移動する。
【００１５】
このコンベヤチェーンは列状に配置された多数のリンク１０を有している。各々のリンク１０は、エンジニアリングプラスチックの成型物からなっている。各々のリンク１０はトッププレート１１を備えている。トッププレート１１はフラットな上面１２をもつ板状の形態をなしている。トッププレート１１の下面にはヒンジ部１３が一体成形されている。
【００１６】
ヒンジ部１３は、この実施の形態において、三つのフロントヒンジ１４および二つのリアヒンジ１５を有している。フロントヒンジ１４はトッププレート１１のリーディングエッジ側に等間隔配置され、リアヒンジ１５はトッププレート１１のトレーリングエッジ側にフロントヒンジ１４の幅よりも僅かに広い間隔を形成して配置されている。図２に示すように、三つのフロントヒンジ１４のうち、外側に位置する二つのフロントヒンジ１４は側壁１３Ａによってリアヒンジ１５の各々に接続されている。ピン孔１６がフロントヒンジ１４の各々に設けられている。図示されていないが、リアヒンジ１５の各々にもピン孔１６よりも前後方向に幅の広いピン孔が設けられている。
【００１７】
ヒンジ部１３の外側、つまり外側にある二つのフロントヒンジ１４の外側にはフロントダミーヒンジ１７があり、リアヒンジ１５の外側にはリアダミーヒンジ１８がある。フロントダミーヒンジ１７は、リアダミーヒンジ１８よりも僅かに幅広い間隔をフロントヒンジ１４との間に形成して、トッププレート１１のリーディングエッジに配置されていると共に、トッププレート１１と一体に形成されている。リアダミーヒンジ１８は、フロントヒンジ１４よりも僅かに幅広い間隔をリアヒンジ１５との間に形成して、トッププレート１１のトレーリングエッジに配置されていると共に、トッププレート１１と一体に形成されている。
【００１８】
チェーンは、リンク１０を列状に並べ、フロントヒンジ１４およびフロントダミーヒンジ１７を前方に位置するリンクのリアヒンジの間およびリアヒンジとリアダミーヒンジとの間に、リアヒンジ１５およびリアダミーヒンジ１８を後方に位置するリンクのフロントヒンジの間およびフロントヒンジとフロントダミーヒンジとの間にそれぞれ嵌めると共に、フロントヒンジ１４のピン孔および前方に位置するリンクのリアヒンジのブッシュ孔にピン２０を、リアヒンジ１５のブッシュ孔および後方にあるリンクのフロントヒンジピン孔にピン２０を差し込んで、すべてのリンク１０を連結することによって構成されている。
【００１９】
さらに、このチェーンにおいて、フロントヒンジ１４は前方に位置するリンクに隣接する縁部は円弧面となっている。この円弧面は平面によってトッププレート１１の上面１２に接続している。フロントダミーヒンジ１７も前方に位置するリンクに隣接する縁部が円弧面からなり、円弧面は平面によてトッププレート１１の上面１２に接続している。また、リアヒンジ１５およびリアダミーヒンジ１８も後方に位置するリンクに隣接する縁部が円弧面からなっており、円弧面は平面によってトッププレート１１の上面１２に接続している。
【００２０】
そして、各々のリンク１０のフロントダミーヒンジ１７の縁部１９に対する傾斜角は、リンク１０の長手方向中心軸Ｃからリンク１０の側面１０Ａに向かうにつれて小さくなるように形成されている。詳しく説明する。
【００２１】
フロントダミーヒンジ１７の縁部１９は、図３に示すように、フロントヒンジリンク１０の長手方向中心軸Ｃに近い部分あるいはヒンジ部１３の側の部分に対する接線を含む平面３１と、トッププレート１１の上面１２あるいは水平面となす傾斜角をＡ、反対側となるリンク１０の側面１０Ａの側の部分に対する接線を含む平面３２とトッププレート１１の上面１２あるいは水平面とのなす傾斜角をＢとしたときに、Ａ＞Ｂとなっている。つまり、縁部１９は前記傾斜角がリンク１０の長手方向中心軸Ｃからリンク側面１０Ａに向かうほど次第に小さくなるように形成されている。
【００２２】
コンベヤは、公知のこの種のチェーンと同様に、一対のガイドレールの間にヒンジ部１３を落とし込んでトッププレート１１の下面をガイドレールに載せ、スプロケットに巻き掛けることによってなされる。スプロケットのつめはヒンジ部１３におけるフロントヒンジ１４とリアヒンジ１５との間にある溝に係合される。
【００２３】
搬送は、ペットボトルのような搬送物をチェーンに載せ、電動機によってスプロケットを回転することでなされる。チェーンが矢印Ｘの方向に移動すると、各々のリンク１０は直線搬送区間においてガイドレール上を滑り、トッププレート１１の上面１２に載せられたペットボトルを移送する。
【００２４】
各々のリンク１０は、曲線搬送区間を通過するときに、大きな作用張力を受けた場合やチェーンが高速で動いている場合、垂直方向に傾動する。すなわち、リンク１０は、曲線搬送区間に入ると、曲率半径中心に向かって垂直方向に傾動する場合がある。このときに、リンク１０における曲線搬送区間の外側となる端部が高く、反対側端部が低くなるように突出する。図１において手前にあるフロントダミーヒンジ１７が手前にあるリンク１０に対して突出する。しかし、本発明のチェーンでは、前述のように、フロントダミーヒンジ１７における前方に位置するリンクに隣接する縁部１９に対する傾斜角がリンク１０の長手方向中心軸Ｃからリンク側面１０Ａに向かうほど次第に小さくなっているため、リンク１０が垂直方向に傾動して、フロントダミーヒンジ１７の縁部１９が前方に位置するリンク１０より突出しても、フロントダミーヒンジ１７の縁部１９はリンク１０の側面１０Ａに向かうほど傾斜が緩い斜面によって前方に位置するリンク１０につながる。このため、搬送物は、曲線搬送区間を通過するときに、遠心力などの外力を受けても、前方に位置するリンク１０とフロントダミーヒンジ１７とを含むトッププレート１１の上面１２上をスムーズに移動し、転倒しない。
【００２５】
なお、このチェーンでは、フロントヒンジ１４とフロントダミーヒンジ１７との間に形成される溝の底縁２１と、外側にある片方のフロントヒンジ１４と中央のフロントヒンジ１４との間に形成される片方の溝の底縁２２とが、リンク１０あるいはトッププレート１１の中心から側面に向かって外側に傾斜している。残るフロントダミーヒンジ１７とフロントヒンジ１４との間に形成される溝の底縁２１と、外側にあるもう片方のフロントヒンジ１４と中央のフロントヒンジ１４との間に形成される片方の溝の底縁２２とが、リンク１０あるいはトッププレート１１の中心から側面に向かって外側に傾斜している。このため、曲線搬送区間において、リンク１０が水平方向に傾いても、前方に位置するリンクのリアヒンジがフロントヒンジ１４の間に形成される溝内にて自由に動くことができ、リアダミーヒンジもフロントダミーヒンジ１７とフロントヒンジ１４との間に形成される溝内にて自由に動くことができる。
【００２６】
本発明によるコンベヤチェーンは、このように、搬送物が曲線搬送区間においてリンク間をスムーズに移動することができるため、ペットボトルのような重心の高い搬送物でも、倒さずに曲線搬送区間を速い搬送速度で移動させることができる。
【００２７】
図４〜図６は本発明のコンベヤチェーンの他の実施の形態を示している。
【００２８】
このチェーンも、エンドレスのもので、図４に矢印Ｘで示すように、図の右から左に向かって移動するようになっている。図４はリンク１０が曲線搬送区間を通過する状態を示している。
【００２９】
チェーンは列状配置された多数のリンク１０を備えている。各々のリンク１０はトッププレート１１を有している。トッププレート１１はフラットな上面１２をもつ板状の形態をなしている。
【００３０】
トッププレート１１のリーディングエッジにはフロントヒンジ１４が、トレーリングエッジにはリアヒンジ１５がある。フロントヒンジ１４は中央付近に配置されている。リアヒンジ１５はフロントヒンジ１４の幅よりも僅かに広い間隔を形成している。これらのフロントヒンジ１４およびリアヒンジ１５も、図５に示すように、トッププレート１１の下面から延びる壁１３Ａによって接続され、ひとつのヒンジ部１３を形成している。そして、フロントヒンジ１４の側面にはピン孔１６が設けられ、リアヒンジ１５の側面には図６に示すようにピン孔１６よりも横幅の広いブッシュ孔１６Ａが設けられている。
【００３１】
このチェーンにおいて、各々のリンク１０のトッププレート１１はリーディングエッジにダミーヒンジを備えていない。しかしながら、図４に斜線を施して示すように、各々のリンク１０のトッププレート１１は前縁２３を備えている。前縁２３の各々は、上方から見たときに、リンク側面側の幅ＷＯがヒンジ部側の幅ＷＩよりも大きい。リンクの長手方向中心線Ｃの片側にある前縁２３における前方に位置するリンクのトッププレートの後縁に隣接する縁部２４は、後方に傾斜している。そして、リンク１０の長手方向中心線Ｃの反対側にある前縁２３の縁部２４も後方に傾斜している。
【００３２】
前縁２３の縁部２４は図６に示すように円弧面となっている。円弧面は平面によってトッププレート１１の上面１２に接続している。縁部２４におけるフロントヒンジ側の部分あるいはリンクの長手方向中心線側の部分に対する接線を含む平面３１と上面１２あるいは水平面とのなす傾斜角をＡとし、各々の曲面におけるリンクあるいはトッププレート１１の側面側の部分に対する接線を含む平面３２と上面１２あるいは水平面となす傾斜角をＢとしたときに、縁部２４は傾斜角Ｂが傾斜角Ａより小さく、しかも傾斜角Ｂから傾斜角Ａに次第に変わるように形成されている。
【００３３】
チェーンは、フロントヒンジ１４を前方に位置するリンクのリアヒンジの間およびこれらのリアヒンジの外側に配置し、リアヒンジ１５を後方に位置するリンクのフロントヒンジの間に嵌め、フロントヒンジ１４にあるピン孔１６と前方に位置するリンクのリアヒンジのブッシュ孔にピン２０を差し込むと共に、リアヒンジ１５にあるブッシュ孔１６Ａと後方に位置するリンクのフロントヒンジのピン孔に連結ピンを挿入することによってエンドレスに構成されている。
【００３４】
コンベヤは、一対のガイドレールの間にヒンジ部１３を落とし込んでトッププレート１１の下面をガイドレールに載せて、このチェーンをスプロケットに巻き掛けることによってなされる。スプロケットのつめはヒンジ部１３におけるフロントヒンジ１４とリアヒンジ１５との間にある溝に係合される。
【００３５】
搬送はペットボトルのような搬送物をトッププレート１１の上面１２に載せ、電動機によってスプロケットを回転することでなされる。スプロケットが回転すると、各々のリンク１０は図４において矢印Ｘで示す方向にガイドレール上を滑り、トッププレート１１に搭載されたペットボトルを移送する。
【００３６】
曲線搬送区間において、リンク１０が水平方向に傾動し、前方に位置するリンクにおける曲線搬送区間の内側に位置する部分、つまりトッププレートにおける図４において手前に示す後縁がリンク１０の前縁２３に接近しても、前縁２３の縁部２４がフロントヒンジ１４に接続する端部からリーディングエッジあるいは後方に位置するリンクに向かって傾斜しているため、前方に位置するリンクは自由に水平方向の傾動することができる。
【００３７】
また、このときに、リンク１０が、大きな作用張力を受けたり、チェーンが高速で動いたりすると、曲線搬送区間の半径中心に関して垂直方向に傾動する場合がある。その場合、トッププレート１１の前縁２３における曲線搬送区間の外側となる端部、つまり図４の上部となるリンク１０の側面１０Ａが前方に位置するリンクのトッププレートよりも高くなる。しかし、前縁２３における曲線搬送区間における外側となる部分に対する傾斜角Ｂが内側となる部分の傾斜角Ａよりも小さく、かつこれらの間の傾斜角が次第に小さく形成され、前縁２３の傾斜がヒンジ部１３からリンク１０の側面に向かうに連れて緩くなっているため、搬送物は、曲線搬送区間を通過するときに、遠心力などの外力の作用を受けても、前方に位置するリンクに向かってスムーズに移動し、転倒しない。
【００３８】
このように、本発明によるコンベヤチェーンは、搬送物が曲線搬送区間においてトッププレート上をスムーズに移動することができるため、搬送速度が高くても曲線搬送区間を倒れずに移動し、搬送物がペットボトルのような重心の高いものであっても、曲線搬送区間を倒れずに移動させることができる。
【００３９】
なお、以上説明した実施例において、双方のフロントダミーヒンジ１７の縁部１９あるいはトッププレート前縁２３の縁部２４がこれらに対する接線を含む平面３１とトッププレート１１の上面１２あるいは水平面とのなす傾斜角が内側から外側に向かって次第に小さくなるように形成されているが、片方のフロントダミーヒンジ１７の縁部１９あるいは前縁２３の縁部２４のみをそのように形成して、曲がり方向ごとにチェーンを専用化するようにしてもよい。
【００４０】
さらに、フロントヒンジ１４、リアヒンジ１５、フロントダミーヒンジ１７およびリアダミーヒンジ１８の平面が、曲線搬送区間にあるときに、互いにオーバーラップしかつトッププレート１１の上面１２と実質的に同じ高さになるように構成してもよい。このようなチェーンは、そのほとんどがトッププレート１１の上面１２と同じ平面となり、搬送物が外力を受けても、リンク間をスムーズに移動することができるため、搬送物の転倒をさらに確実に防ぐことができる。
【００４１】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のコンベヤチェーンは、列状配置された複数のリンクを有し、リンクの各々がフラットな上面をもつトッププレートと前方に位置するリンクのヒンジ部および後方に位置するリンクのヒンジ部にピン連結されるトッププレートに設けられたヒンジ部とを備え、トッププレートおよびヒンジにおける前後に位置するリンクとに隣接する縁部が曲面からなっているコンベヤチェーンにおいて、縁部に対する接線を含む平面とトッププレートの上面とが形成する傾斜角がリンクの配列方向中心軸からリンク側面に向かうほど小さく形成され、リンクが曲線搬送区間を通過するときに、曲線搬送区間の外側にありかつ前後に位置するリンクに隣接する縁部が突出しても、リンクとリンクとがリンク側面に向かうほど角度の緩くなる縁部によってつながれ、縁部と隣接リンクとの間が急変せず、搬送物が外力の作用を受けても、転倒せずに隣接リンクにスムーズに乗り移ることができるため、重心の高い搬送物であっても、安定して曲線搬送することができ、搬送ラインの高速化を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明のコンベヤチェーンのある実施の形態を示す斜視図である。
【図２】図１に示すコンベヤチェーンの下面図である。
【図３】図１に示すコンベヤチェーンのリンクにおけるフロントダミーヒンジまわりの拡大側面図である。
【図４】本発明のコンベヤチェーンの他の実施の形態を示す平面図である。
【図５】図４に示すコンベヤチェーンの下面図である。
【図６】図４に示すコンベヤチェーン側面図である。
【図７】従来のコンベヤチェーンを示す斜視図である。
【符号の説明】
１０ リンク
１１ トッププレート
１３ ヒンジ部
１７ フロントダミーヒンジ
１９ フロントダミーヒンジの縁部
１８ リアダミーヒンジ
２０ ピン
２３ トッププレートの前縁
２４ トッププレートの縁部
【発明の属する技術分野】
この発明は、コンベヤチェーンにかかわり、さらに詳しくは、曲線搬送を行なうチェーンコンベヤに好適なチェーンに関している。
【０００２】
【従来の技術】
従来のこの種のチェーンは、たとえば図７に示すように、リンク１１０を隣接配置し、リンク同士を図示はされていないがピンによって連結したものからなっている。チェーンがスプロケットなどによって矢印Ｘの方向に移動すると、チェーン上の搬送物が一緒に移動するようになっている。
【０００３】
各々のリンク１１０はフラットな上面１１２をもつトッププレート１１１を有する。トッププレート１１１のリーディングエッジ側にはフロントヒンジ１１４があり、トレーリングエッジ側にはリアヒンジ１１５がある。さらに、トッププレート１１１のリーディングエッジ側にはフロントヒンジ１１４の外側に位置してフロントダミーヒンジ１１７があり、トレーリング側にはリアヒンジ１１５の側に位置してリアダミーヒンジ１１８が設けられている。
【０００４】
チェーンは、フロントヒンジ１１４を前方に位置するリンクのリアヒンジの間およびこれらのリアヒンジの外側に配置し、リアヒンジ１１５を後方に位置するリンクのフロントヒンジの間に嵌め、フロントヒンジ１１４にあるピン孔１１６と前方に位置するリンクのリアヒンジのブッシュ孔にピンを差し込むと共に、リアヒンジ１１５にあるブッシュ孔１１６Ａと後方に位置するリンクのフロントヒンジのピン孔に連結ピンを挿入することによって構成されている。
【０００５】
コンベヤは、一対のガイドレールの間にフロントヒンジ１１４およびリアヒンジ１１５によって構成されるヒンジ部１１３を落とし込み、ガイドレールの上面にトッププレート１１１の下面を接触させ、ヒンジ部１１３におけるフロントヒンジ１１４とリアヒンジ１１５との間にある溝にスプロケットのつめを係合させてこのチェーンをスプロケットに巻き掛けることで構成されている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
このようなチェーンは、リンク１１０が曲線搬送区間を通過するときに、水平面方向に傾動する。リンク１１０の長手方向中心線の片側にあるリンクのフロントヒンジ１１４の間に形成された溝の底縁１２１およびフロントヒンジとダミーヒンジ１１７との間に形成された溝の底縁１２２を後方に傾斜させ、リンク１１０の長手方向中心線の残余側にあるリンクのフロントヒンジ１１４の間に形成された溝底縁１２１およびフロントヒンジ１１４とフロントダミーヒンジ１１７との間にある溝の底縁１２２を後方に傾斜させてあり、リアヒンジ１１５およびリアダミーヒンジ１１８は溝の内部にて水平方向に傾動することができる。
【０００７】
さらに、リンク１１０は、曲線搬送区間を通過するときに、垂直方向にも傾動する場合がある。このときに、曲線搬送区間の外側にあるフロントダミーヒンジ１１７、図７において手前側のフロントダミーヒンジ１１７がこれに隣接する前方にあるリアダミーヒンジとの間に段差を生じる。一方、搬送物は、曲線搬送区間において遠心力などの外力の作用を受け、リンク上を動くため、姿勢が前述の段差によって急変し転倒する。搬送ラインを高速化すると、転倒事故が多くなる。
【０００８】
これを改善するために、石鹸水をトッププレート１１１の上面に流して、搬送物との摩擦を小さくしたり、リンク１１０の材質に種々の改良を加えて、低摩擦化を図り、外力が作用したときに、前後に位置するリンクへ移動することができるようにしている。
【０００９】
しかしながら、搬送物は、ペットボトルのような重心位置の高く、姿勢が僅かに傾くだけで転倒するものが増大しており、このような対策では転倒を確実に防ぐことができず、重心の高い搬送物を安定して、しかも高速で搬送できることを要求されているのが現状である。
【００１０】
本発明の目的は、重心の高い搬送物であっても、曲線搬送区間を転倒させずに高速搬送することができる、改良されたコンベヤチェーンを提供することにある。
【００１１】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のコンベヤチェーンは、列状配置された複数のリンクを有し、リンクの各々がフラットな上面をもつトッププレートと前方に位置するリンクのヒンジ部および後方に位置するリンクのヒンジ部にピン連結されるトッププレートに設けられたヒンジ部とを備え、トッププレートおよびヒンジにおける前後に位置するリンクとに隣接する縁部が曲面からなっているコンベヤチェーンにおいて、前記曲面に対する接線を含む平面とトッププレートの上面とが形成する傾斜角がリンクの配列方向中心軸からリンク側面に向かうほど小さく形成されていること、を特徴としている。
【００１２】
【作用】
本発明のコンベヤチェーンは、列状配置された複数のリンクを有し、リンクの各々がフラットな上面をもつトッププレートと前方に位置するリンクのヒンジ部および後方に位置するリンクのヒンジ部にピン連結されるトッププレートに設けられたヒンジ部とを備え、トッププレートおよびヒンジにおける前後に位置するリンクとに隣接する縁部が曲面からなっているコンベヤチェーンにおいて、前記曲面に対する接線を含む平面とトッププレートの上面とが形成する傾斜角がリンクの配列方向中心軸からリンク側面に向かうほど小さく形成されているため、リンクが曲線搬送区間を通過するときに、曲線搬送区間の外側にありかつ前後に位置するリンクに隣接する縁部が突出しても、リンクとリンクとがリンク側面に向かうほど角度の緩くなる縁部によってつながれ、縁部と隣接リンクとの間が急変しない。このため、搬送物は外力の作用を受けても、転倒せずに隣接リンクにスムーズに乗り移ることができる。
【００１３】
【発明の実施の形態】
以下に、図１〜６を参照して本発明のコンベヤチェーンの実施の形態を説明する。
【００１４】
図１〜図３は本発明のコンベヤチェーンのある実施の形態を示している。このチェーンは、図１に矢印Ｘで示すように、図の右から左に向かって移動する。
【００１５】
このコンベヤチェーンは列状に配置された多数のリンク１０を有している。各々のリンク１０は、エンジニアリングプラスチックの成型物からなっている。各々のリンク１０はトッププレート１１を備えている。トッププレート１１はフラットな上面１２をもつ板状の形態をなしている。トッププレート１１の下面にはヒンジ部１３が一体成形されている。
【００１６】
ヒンジ部１３は、この実施の形態において、三つのフロントヒンジ１４および二つのリアヒンジ１５を有している。フロントヒンジ１４はトッププレート１１のリーディングエッジ側に等間隔配置され、リアヒンジ１５はトッププレート１１のトレーリングエッジ側にフロントヒンジ１４の幅よりも僅かに広い間隔を形成して配置されている。図２に示すように、三つのフロントヒンジ１４のうち、外側に位置する二つのフロントヒンジ１４は側壁１３Ａによってリアヒンジ１５の各々に接続されている。ピン孔１６がフロントヒンジ１４の各々に設けられている。図示されていないが、リアヒンジ１５の各々にもピン孔１６よりも前後方向に幅の広いピン孔が設けられている。
【００１７】
ヒンジ部１３の外側、つまり外側にある二つのフロントヒンジ１４の外側にはフロントダミーヒンジ１７があり、リアヒンジ１５の外側にはリアダミーヒンジ１８がある。フロントダミーヒンジ１７は、リアダミーヒンジ１８よりも僅かに幅広い間隔をフロントヒンジ１４との間に形成して、トッププレート１１のリーディングエッジに配置されていると共に、トッププレート１１と一体に形成されている。リアダミーヒンジ１８は、フロントヒンジ１４よりも僅かに幅広い間隔をリアヒンジ１５との間に形成して、トッププレート１１のトレーリングエッジに配置されていると共に、トッププレート１１と一体に形成されている。
【００１８】
チェーンは、リンク１０を列状に並べ、フロントヒンジ１４およびフロントダミーヒンジ１７を前方に位置するリンクのリアヒンジの間およびリアヒンジとリアダミーヒンジとの間に、リアヒンジ１５およびリアダミーヒンジ１８を後方に位置するリンクのフロントヒンジの間およびフロントヒンジとフロントダミーヒンジとの間にそれぞれ嵌めると共に、フロントヒンジ１４のピン孔および前方に位置するリンクのリアヒンジのブッシュ孔にピン２０を、リアヒンジ１５のブッシュ孔および後方にあるリンクのフロントヒンジピン孔にピン２０を差し込んで、すべてのリンク１０を連結することによって構成されている。
【００１９】
さらに、このチェーンにおいて、フロントヒンジ１４は前方に位置するリンクに隣接する縁部は円弧面となっている。この円弧面は平面によってトッププレート１１の上面１２に接続している。フロントダミーヒンジ１７も前方に位置するリンクに隣接する縁部が円弧面からなり、円弧面は平面によてトッププレート１１の上面１２に接続している。また、リアヒンジ１５およびリアダミーヒンジ１８も後方に位置するリンクに隣接する縁部が円弧面からなっており、円弧面は平面によってトッププレート１１の上面１２に接続している。
【００２０】
そして、各々のリンク１０のフロントダミーヒンジ１７の縁部１９に対する傾斜角は、リンク１０の長手方向中心軸Ｃからリンク１０の側面１０Ａに向かうにつれて小さくなるように形成されている。詳しく説明する。
【００２１】
フロントダミーヒンジ１７の縁部１９は、図３に示すように、フロントヒンジリンク１０の長手方向中心軸Ｃに近い部分あるいはヒンジ部１３の側の部分に対する接線を含む平面３１と、トッププレート１１の上面１２あるいは水平面となす傾斜角をＡ、反対側となるリンク１０の側面１０Ａの側の部分に対する接線を含む平面３２とトッププレート１１の上面１２あるいは水平面とのなす傾斜角をＢとしたときに、Ａ＞Ｂとなっている。つまり、縁部１９は前記傾斜角がリンク１０の長手方向中心軸Ｃからリンク側面１０Ａに向かうほど次第に小さくなるように形成されている。
【００２２】
コンベヤは、公知のこの種のチェーンと同様に、一対のガイドレールの間にヒンジ部１３を落とし込んでトッププレート１１の下面をガイドレールに載せ、スプロケットに巻き掛けることによってなされる。スプロケットのつめはヒンジ部１３におけるフロントヒンジ１４とリアヒンジ１５との間にある溝に係合される。
【００２３】
搬送は、ペットボトルのような搬送物をチェーンに載せ、電動機によってスプロケットを回転することでなされる。チェーンが矢印Ｘの方向に移動すると、各々のリンク１０は直線搬送区間においてガイドレール上を滑り、トッププレート１１の上面１２に載せられたペットボトルを移送する。
【００２４】
各々のリンク１０は、曲線搬送区間を通過するときに、大きな作用張力を受けた場合やチェーンが高速で動いている場合、垂直方向に傾動する。すなわち、リンク１０は、曲線搬送区間に入ると、曲率半径中心に向かって垂直方向に傾動する場合がある。このときに、リンク１０における曲線搬送区間の外側となる端部が高く、反対側端部が低くなるように突出する。図１において手前にあるフロントダミーヒンジ１７が手前にあるリンク１０に対して突出する。しかし、本発明のチェーンでは、前述のように、フロントダミーヒンジ１７における前方に位置するリンクに隣接する縁部１９に対する傾斜角がリンク１０の長手方向中心軸Ｃからリンク側面１０Ａに向かうほど次第に小さくなっているため、リンク１０が垂直方向に傾動して、フロントダミーヒンジ１７の縁部１９が前方に位置するリンク１０より突出しても、フロントダミーヒンジ１７の縁部１９はリンク１０の側面１０Ａに向かうほど傾斜が緩い斜面によって前方に位置するリンク１０につながる。このため、搬送物は、曲線搬送区間を通過するときに、遠心力などの外力を受けても、前方に位置するリンク１０とフロントダミーヒンジ１７とを含むトッププレート１１の上面１２上をスムーズに移動し、転倒しない。
【００２５】
なお、このチェーンでは、フロントヒンジ１４とフロントダミーヒンジ１７との間に形成される溝の底縁２１と、外側にある片方のフロントヒンジ１４と中央のフロントヒンジ１４との間に形成される片方の溝の底縁２２とが、リンク１０あるいはトッププレート１１の中心から側面に向かって外側に傾斜している。残るフロントダミーヒンジ１７とフロントヒンジ１４との間に形成される溝の底縁２１と、外側にあるもう片方のフロントヒンジ１４と中央のフロントヒンジ１４との間に形成される片方の溝の底縁２２とが、リンク１０あるいはトッププレート１１の中心から側面に向かって外側に傾斜している。このため、曲線搬送区間において、リンク１０が水平方向に傾いても、前方に位置するリンクのリアヒンジがフロントヒンジ１４の間に形成される溝内にて自由に動くことができ、リアダミーヒンジもフロントダミーヒンジ１７とフロントヒンジ１４との間に形成される溝内にて自由に動くことができる。
【００２６】
本発明によるコンベヤチェーンは、このように、搬送物が曲線搬送区間においてリンク間をスムーズに移動することができるため、ペットボトルのような重心の高い搬送物でも、倒さずに曲線搬送区間を速い搬送速度で移動させることができる。
【００２７】
図４〜図６は本発明のコンベヤチェーンの他の実施の形態を示している。
【００２８】
このチェーンも、エンドレスのもので、図４に矢印Ｘで示すように、図の右から左に向かって移動するようになっている。図４はリンク１０が曲線搬送区間を通過する状態を示している。
【００２９】
チェーンは列状配置された多数のリンク１０を備えている。各々のリンク１０はトッププレート１１を有している。トッププレート１１はフラットな上面１２をもつ板状の形態をなしている。
【００３０】
トッププレート１１のリーディングエッジにはフロントヒンジ１４が、トレーリングエッジにはリアヒンジ１５がある。フロントヒンジ１４は中央付近に配置されている。リアヒンジ１５はフロントヒンジ１４の幅よりも僅かに広い間隔を形成している。これらのフロントヒンジ１４およびリアヒンジ１５も、図５に示すように、トッププレート１１の下面から延びる壁１３Ａによって接続され、ひとつのヒンジ部１３を形成している。そして、フロントヒンジ１４の側面にはピン孔１６が設けられ、リアヒンジ１５の側面には図６に示すようにピン孔１６よりも横幅の広いブッシュ孔１６Ａが設けられている。
【００３１】
このチェーンにおいて、各々のリンク１０のトッププレート１１はリーディングエッジにダミーヒンジを備えていない。しかしながら、図４に斜線を施して示すように、各々のリンク１０のトッププレート１１は前縁２３を備えている。前縁２３の各々は、上方から見たときに、リンク側面側の幅ＷＯがヒンジ部側の幅ＷＩよりも大きい。リンクの長手方向中心線Ｃの片側にある前縁２３における前方に位置するリンクのトッププレートの後縁に隣接する縁部２４は、後方に傾斜している。そして、リンク１０の長手方向中心線Ｃの反対側にある前縁２３の縁部２４も後方に傾斜している。
【００３２】
前縁２３の縁部２４は図６に示すように円弧面となっている。円弧面は平面によってトッププレート１１の上面１２に接続している。縁部２４におけるフロントヒンジ側の部分あるいはリンクの長手方向中心線側の部分に対する接線を含む平面３１と上面１２あるいは水平面とのなす傾斜角をＡとし、各々の曲面におけるリンクあるいはトッププレート１１の側面側の部分に対する接線を含む平面３２と上面１２あるいは水平面となす傾斜角をＢとしたときに、縁部２４は傾斜角Ｂが傾斜角Ａより小さく、しかも傾斜角Ｂから傾斜角Ａに次第に変わるように形成されている。
【００３３】
チェーンは、フロントヒンジ１４を前方に位置するリンクのリアヒンジの間およびこれらのリアヒンジの外側に配置し、リアヒンジ１５を後方に位置するリンクのフロントヒンジの間に嵌め、フロントヒンジ１４にあるピン孔１６と前方に位置するリンクのリアヒンジのブッシュ孔にピン２０を差し込むと共に、リアヒンジ１５にあるブッシュ孔１６Ａと後方に位置するリンクのフロントヒンジのピン孔に連結ピンを挿入することによってエンドレスに構成されている。
【００３４】
コンベヤは、一対のガイドレールの間にヒンジ部１３を落とし込んでトッププレート１１の下面をガイドレールに載せて、このチェーンをスプロケットに巻き掛けることによってなされる。スプロケットのつめはヒンジ部１３におけるフロントヒンジ１４とリアヒンジ１５との間にある溝に係合される。
【００３５】
搬送はペットボトルのような搬送物をトッププレート１１の上面１２に載せ、電動機によってスプロケットを回転することでなされる。スプロケットが回転すると、各々のリンク１０は図４において矢印Ｘで示す方向にガイドレール上を滑り、トッププレート１１に搭載されたペットボトルを移送する。
【００３６】
曲線搬送区間において、リンク１０が水平方向に傾動し、前方に位置するリンクにおける曲線搬送区間の内側に位置する部分、つまりトッププレートにおける図４において手前に示す後縁がリンク１０の前縁２３に接近しても、前縁２３の縁部２４がフロントヒンジ１４に接続する端部からリーディングエッジあるいは後方に位置するリンクに向かって傾斜しているため、前方に位置するリンクは自由に水平方向の傾動することができる。
【００３７】
また、このときに、リンク１０が、大きな作用張力を受けたり、チェーンが高速で動いたりすると、曲線搬送区間の半径中心に関して垂直方向に傾動する場合がある。その場合、トッププレート１１の前縁２３における曲線搬送区間の外側となる端部、つまり図４の上部となるリンク１０の側面１０Ａが前方に位置するリンクのトッププレートよりも高くなる。しかし、前縁２３における曲線搬送区間における外側となる部分に対する傾斜角Ｂが内側となる部分の傾斜角Ａよりも小さく、かつこれらの間の傾斜角が次第に小さく形成され、前縁２３の傾斜がヒンジ部１３からリンク１０の側面に向かうに連れて緩くなっているため、搬送物は、曲線搬送区間を通過するときに、遠心力などの外力の作用を受けても、前方に位置するリンクに向かってスムーズに移動し、転倒しない。
【００３８】
このように、本発明によるコンベヤチェーンは、搬送物が曲線搬送区間においてトッププレート上をスムーズに移動することができるため、搬送速度が高くても曲線搬送区間を倒れずに移動し、搬送物がペットボトルのような重心の高いものであっても、曲線搬送区間を倒れずに移動させることができる。
【００３９】
なお、以上説明した実施例において、双方のフロントダミーヒンジ１７の縁部１９あるいはトッププレート前縁２３の縁部２４がこれらに対する接線を含む平面３１とトッププレート１１の上面１２あるいは水平面とのなす傾斜角が内側から外側に向かって次第に小さくなるように形成されているが、片方のフロントダミーヒンジ１７の縁部１９あるいは前縁２３の縁部２４のみをそのように形成して、曲がり方向ごとにチェーンを専用化するようにしてもよい。
【００４０】
さらに、フロントヒンジ１４、リアヒンジ１５、フロントダミーヒンジ１７およびリアダミーヒンジ１８の平面が、曲線搬送区間にあるときに、互いにオーバーラップしかつトッププレート１１の上面１２と実質的に同じ高さになるように構成してもよい。このようなチェーンは、そのほとんどがトッププレート１１の上面１２と同じ平面となり、搬送物が外力を受けても、リンク間をスムーズに移動することができるため、搬送物の転倒をさらに確実に防ぐことができる。
【００４１】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のコンベヤチェーンは、列状配置された複数のリンクを有し、リンクの各々がフラットな上面をもつトッププレートと前方に位置するリンクのヒンジ部および後方に位置するリンクのヒンジ部にピン連結されるトッププレートに設けられたヒンジ部とを備え、トッププレートおよびヒンジにおける前後に位置するリンクとに隣接する縁部が曲面からなっているコンベヤチェーンにおいて、縁部に対する接線を含む平面とトッププレートの上面とが形成する傾斜角がリンクの配列方向中心軸からリンク側面に向かうほど小さく形成され、リンクが曲線搬送区間を通過するときに、曲線搬送区間の外側にありかつ前後に位置するリンクに隣接する縁部が突出しても、リンクとリンクとがリンク側面に向かうほど角度の緩くなる縁部によってつながれ、縁部と隣接リンクとの間が急変せず、搬送物が外力の作用を受けても、転倒せずに隣接リンクにスムーズに乗り移ることができるため、重心の高い搬送物であっても、安定して曲線搬送することができ、搬送ラインの高速化を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明のコンベヤチェーンのある実施の形態を示す斜視図である。
【図２】図１に示すコンベヤチェーンの下面図である。
【図３】図１に示すコンベヤチェーンのリンクにおけるフロントダミーヒンジまわりの拡大側面図である。
【図４】本発明のコンベヤチェーンの他の実施の形態を示す平面図である。
【図５】図４に示すコンベヤチェーンの下面図である。
【図６】図４に示すコンベヤチェーン側面図である。
【図７】従来のコンベヤチェーンを示す斜視図である。
【符号の説明】
１０ リンク
１１ トッププレート
１３ ヒンジ部
１７ フロントダミーヒンジ
１９ フロントダミーヒンジの縁部
１８ リアダミーヒンジ
２０ ピン
２３ トッププレートの前縁
２４ トッププレートの縁部
Claims (3)
- 列状配置された複数のリンクを有し、該リンクの各々がフラットな上面をもつトッププレートと前方に位置するリンクのヒンジ部および後方に位置するリンクのヒンジ部にピン連結される前記トッププレートに設けられたヒンジ部とを備え、前記トッププレートおよび前記ヒンジにおける前後に位置するリンクとに隣接する縁部が曲面からなっているコンベヤチェーンにおいて、前記縁部が曲面に形成され、該曲面に対する接線を含む平面と前記トッププレートの前記上面とが形成する傾斜角が前記リンクの配列方向中心軸からリンク側面に向かうほど小さく形成されていること、を特徴とするコンベヤチェーン。
- 前記トッププレートがリンク部の両側にダミーフロントヒンジを備え、該フロントダミーヒンジにおける前方に位置するリンクに隣接する縁部が曲面に形成され、該曲面に対する接線を含む平面と前記トッププレートの前記上面とが形成する傾斜角が前記リンクの配列方向中心軸からリンク側面に向かうほど小さく形成されている請求項１に記載のコンベヤチェーン。
- 前記トッププレートが前記リンク部の外側に配置されかつ後方に位置するリンクに向かって傾斜する前縁を有し、該前縁が前方に位置するリンクの後縁に隣接する縁部が曲面に形成され、該曲面に対する接線を含む平面と前記トッププレートの前記上面とが形成する傾斜角が前記リンクの配列方向中心軸からリンク側面に向かうほど小さく形成されている請求項１に記載のコンベヤチェーン。
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