JP3590359B2 - エプロンコンベア - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ばら状の搬送物を搬送するエプロンコンベアに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
都市ごみ、建築廃棄物、鉱石等のばら状の搬送物の搬送に用いられるエプロンコンベアは、例えば、図6に示すように、スプロケットホイール51に巻き廻されて周回移動する複数条の無端チェーン52に、搬送物を載せる底板53の幅方向両端に側板54が設けられたエプロン55を前後に連ねて取り付けたものである。なお、エプロン55に側板54のないものもある。このエプロンコンベアの搬送路は、供給端側の水平部と排出端側の傾斜部とから成り、水平部と傾斜部の間には、凹状の屈曲領域56が形成されている。
【0003】
図7に示すように、各エプロン55の底板53は、その前後端部にそれぞれ所定曲率の湾曲部53a、53bを形成され、これらの湾曲部53a、53bが、前後に連なるエプロン55の底板53の湾曲部53b、53aと、所定の隙間57を開けて重なり合っている。
【0004】
この隙間57を開けた重なり合い部は、スプロケットホイール51の巻き廻し領域や搬送路の屈曲領域56等における無端チェーン52の曲線部で、前後に連なった各エプロン55がこの曲線部に沿って円滑に移動できるようにするためのものである。すなわち、湾曲部53a、53b間で隙間57を開けて重なり合う底板53同士が相対傾動することにより、連なった各エプロン55が無端チェーン52の曲線部に沿って移動する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のエプロンコンベアは、前後に連なるエプロンの底板の重なり合い部に隙間が設けられているので、この隙間にばら状の搬送物が入り込む。この隙間への搬送物の侵入量が多いと、スプロケットホイール巻き廻し領域や搬送路の屈曲領域等の無端チェーンの曲線部で、これらの搬送物が、相対傾動する底板の湾曲部間に噛み込まれて、エプロンコンベアの円滑な運転を阻害されることがある。
【0006】
そこで、この発明の課題は、エプロンコンベアにおけるエプロン底板の重なり合い部の隙間への搬送物の侵入を抑制することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、この発明は、スプロケットホイールに巻き廻されて周回移動する複数条の無端チェーンに、その搬送方向に沿って複数のエプロンを前後に連ねて取り付け、これらの前後に連なる各エプロンの底板間に、上下に隙間を開けた重なり合い部を設け、各エプロン上に供給される搬送物を搬送するエプロンコンベアにおいて、前記重なり合い部で下側に重なるエプロンの底板の上面に、前記エプロンコンベアの搬送方向で重なり合い部に近接してエプロンの幅方向に延び、前記重なり合い部の底板間の上下の隙間よりも高く形成した突条を設けた構成を採用した。
【0008】
すなわち、エプロンの底板の重なり合い部で下側に重なる底板の上面に、重なり合い部に近接してエプロンの幅方向に延び、重なり合い部の上下の隙間よりも高く形成した突条を設けることにより、この突条で隙間の開口を塞ぎ、搬送物を隙間に入り難くした。
【0009】
前記突条の上部に、前記重なり合い部と対向させて、上方に逃げる逃げ面を形成することにより、無端チェーンの曲線部で相対傾動する上側の底板と突条に挟まれる塊状の搬送物を上方に逃がし、より搬送物を隙間に入り難くすることができる。
【0010】
上述した各エプロンコンベアは、各エプロンの底板の幅方向両端に、上向きの側板を設けたものとすることもできる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図1乃至図5に基づき、この発明の実施形態を説明する。このエプロンコンベアは、図1に示すように、スプロケットホイール1に巻き廻されて周回移動する複数条の無端チェーン2に、搬送物を載せる底板3の幅方向両端に側板4が設けられたエプロン5を前後に連ねて取り付けたものである。なお、エプロンコンベアの搬送路は、供給端側の水平部と排出端側の傾斜部とから成り、水平部と傾斜部の間には、凹状の屈曲領域6が形成されている。
【0012】
図2乃至図4に示すように、無端チェーン2は左右一対に2条設けられ、各無端チェーン2は、内側リンク材7aと外側リンク材7bとから成るリンクを鍔付きローラ8で連結したものであり、回転自在とされたこれらのローラ8がエプロンコンベアの搬送路に沿って設けられたレール9の上を走行する。また、各エプロン5は、左右一対のリンクの内側リンク材7aに、その底板3を取り付けられている。
【0013】
前記各エプロン5の底板3の前後端部には所定曲率の湾曲部3a、3bが形成され、前端側の湾曲部3aが前方に連なるエプロン5の底板3の後端側の湾曲部3bの上側に、所定の隙間10を開けて重なり合っている。この重なり合い部で下側に重なる底板3の後端側の上面には、重なり合い部に近接してエプロン5の幅方向に延びる突条11が設けられている。
【0014】
この突条11は、後述するように、搬送物の隙間10への侵入を抑制するためのものであり、その高さは、図3に示すような無端チェーン2の直線部、すなわち搬送路の直線部において、隙間10の寸法よりも高くなるように形成されている。具体的には、突条11の上面を湾曲部3aの上面とほぼ同じ高さにするのがよい。なお、突条11をあまり高くするのは無駄であり、その最大高さは、湾曲部3aの上面から隙間10の寸法だけ突出させる程度とするのが目安である。また、重なり合い部と対向する側の突条11の上部には、上方に逃げる逃げ面11aが形成されている。
【0015】
また、前記各エプロン5の左右の側板4は、エプロンコンベアの搬送方向に向かって、内狭まりの僅かな傾斜角度を設けられており、前後に連なるエプロン5の各側板4と干渉しないようになっている。
【0016】
図5(a)、(b)は、前記無端チェーン2の曲線部における、前後に連なるエプロン5の底板3間の相対傾動の様子を示す。図5(a)は、曲線部が凸状となる前記スプロケットホイール1の巻き廻し領域を示すものであり、各底板3の湾曲部3a、3bは、曲線部の曲率中心、すなわち、概ねスプロケットホイール1の回転中心の回りに、その重なり合い代が少なくなるように相対傾動する。したがって、突条11と隙間10の開口間の距離は少し増加するので、搬送物の隙間10への侵入を完全に防止することはできないが、その侵入量はかなり少なくなる。なお、この相対傾動は、スプロケットホイール1の巻き廻し領域の出側で、図3に示した無端チェーン2の直線部での状態に戻る。
【0017】
図5(b)は、曲線部が凹状となる前記搬送路の屈曲領域6を示す。この場合は、湾曲部3a、3bの重なり合い代が多くなるように各底板3が相対傾動し、突条11が隙間10の開口に近づいて、この開口をほぼ閉塞する。さらに、突条11と上側の底板3の端面に挟まれる搬送物が、突条11の逃げ面11aで上方に逃がされるので、隙間10への搬送物の侵入はほぼ完全に抑制される。
【0018】
上述した実施形態では、後方の底板前端側の湾曲部を前方の底板後端側の湾曲部の上側に重ね合わせたが、逆に、前方の底板後端側の湾曲部を後方の底板前端側の湾曲部の上側に重ね合わせてもよく、この場合の突状は、底板の前端側の上面に設けられる。
【0019】
また、この実施形態では、各突状を底板の湾曲部との境界付近の平坦部に設けたが、湾曲部に設けることもできる。すなわち、搬送物の底板間の隙間への侵入を抑制するためには、突状を底板の重なり合い部の近くに設ける方がよく、重なり合い部と干渉しない範囲であれば、湾曲部に設けることができる。さらに、突状の断面形状は実施形態のものに限定されることはなく、逃げ面の断面形状も含めて任意に設計することができる。
【0020】
【発明の効果】
以上のように、この発明のエプロンコンベアは、エプロンの底板の重なり合い部で下側に重なる底板の上面に、重なり合い部に近接してエプロンの幅方向に延び、重なり合い部の上下の隙間よりも高く形成した突条を設け、この突条で隙間の開口を塞いで搬送物を隙間に入り難くしたので、相対傾動する底板の重なり合い部での搬送物の噛み込みを防止して、エプロンコンベアを円滑に運転することができる。
【0021】
また、前記突条の上部に、前記重なり合い部と対向させて、上方に逃げる逃げ面を形成することにより、無端チェーンの曲線部で相対傾動する上側の底板と突条に挟まれる塊状の搬送物を上方に逃がし、より搬送物を隙間に入り難くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エプロンコンベアの実施形態を示す一部省略正面図
【図2】図1の要部拡大平面図
【図3】図2の一部切欠き正面図
【図4】図2のIV−IV線に沿った断面図
【図5】a、bは、それぞれ図3のエプロン底板の相対傾動状態を示す正面断面図
【図6】従来のエプロンコンベアを示す一部省略正面図
【図7】図6の要部を拡大して示す一部切欠き正面図
【符号の説明】
1 スプロケットホイール
2 無端チェーン
3 底板
3a、3b 湾曲部
4 側板
5 エプロン
6 屈曲領域
7a、7b リンク材
8 ローラ
9 レール
10 隙間
11 突状
11a 逃げ面

Claims (2)

  1. スプロケットホイールに巻き廻されて周回移動する複数条の無端チェーンに、その搬送方向に沿って複数のエプロンを前後に連ねて取り付け、これらの前後に連なる各エプロンの底板間に、上下に隙間を開けた重なり合い部を設け、各エプロン上に供給される搬送物を搬送するエプロンコンベアにおいて、前記重なり合い部で下側に重なるエプロンの底板の上面に、前記エプロンコンベアの搬送方向で重なり合い部に近接してエプロンの幅方向に延び、前記重なり合い部の底板間の上下の隙間よりも高く形成した突条を設けたことを特徴とするエプロンコンベア。
  2. 前記突条の上部に、前記重なり合い部と対向させて、上方に逃げる逃げ面を形成した請求項1に記載のエプロンコンベア。
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