JP3616254B2 - 紫外線硬化用ウレタンアクリレートオリゴマー及び当該オリゴマーを用いた紫外線硬化型塗料組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、紫外線硬化用ウレタンアクリレートオリゴマー及び該オリゴマーを用いた紫外線硬化型塗料組成物に関し、特に木工用の塗料用途に適した紫外線硬化用ウレタンアクリレートオリゴマー及び該オリゴマーを用いた紫外線硬化型塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、床材、壁材又は家具等の木材には、耐久性や光沢等の美観を付与することを目的としてその表面に塗装が施されており、現在では、塗料の乾燥・硬化に要するエネルギーコスト、生産効率、有機溶剤の揮散防止等の問題により紫外線硬化型塗料が多く用いられている。
【0003】
また近年、森林資源の減少、資源の有効利用の観点から、つき板合板の表面材の厚みが低下したり、内部部材に低級品が使用されたりしており、部材表面に割れやささくれ等が生じ易くなっている。この割れやささくれは、木材が温度や湿度の変化によって膨張収縮を繰り返すことにより発生するものであり、特に床材等で発生すると、欠我や被覆の破損等の原因となるため商品価値が低下してしまう。かかる商品価値は、JAS(特殊合板に関する日本農林規格)による、−20℃〜80℃の間の寒熱サイクル試験により規定される。
【0004】
この表面材の割れやささくれを防ぐ方法として、表面を塗装することにより木材の膨張や収縮を抑制することが考えられ、そのための塗装材料としては−20℃〜80℃までの間での弾性率の低下が少なく、かつ破断強度の大きいものが必要とされる。
【0005】
この条件を満足するものとして、硬質のウレタンアクリレートオリゴマーが挙げられ、骨格にEO変性ビスフエノールAの様な硬質のポリオール成分を導入したり、トリメチロールプロパンの様な多官能のポリオールを導入したもの等が挙げられる。しかし、上記のようなウレタンアクリレートオリゴマーでは、粘度が非常に高く、塗装可能な粘度に調整するためには、反応性希釈剤や有機溶剤を大量に添加する必要がある。また、皮膚刺激性(P・工・I)の低いアクリレート系反応性希釈剤は、一般に希釈性能が若干劣り、価格が高い傾向にある。そのため、希釈剤の使用量が少なくて済む低粘度のウレタンアクリレートオリゴマーが望ましい。
【0006】
そこで、ジイソシシアネートの構造的な竪さを利用し、ポリオール成分を使用しないことにより分子量を小さく抑えて架橋密度を高くすることで得られる、ジィソシアネート1モルとヒドロキシアルキルアクリレート2モルとからなる紫外線硬化型ウレタンアクリレートが提案されている。
【0007】
上記の例として市販品に、トリレンジイソシアネートとペンタエリスリトールトリアクリレートを原料としたウレタンアクリレートオリゴマー(共栄社化学(株)製:UA−306T)が挙げられる。このオリゴマーは、架橋密度が非常に高いため硬度や耐熱性に優れてきる反面、硬化歪みが大きいため、基材との密着性が劣る傾向がある。
【0008】
また、特開昭61−97253号公報には、テトラヒドロフラン溶媒中で、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンに2−ヒドロキシエチルアクリレートのみを反応させたウレタンアクリレートが提案されている。
しかし、当該ウレタンアクリレートは、調製する際の溶剤のテトラヒドロフランを除去した後には、オリゴマーが貯蔵中に結晶化を生じてしまう。また、このオリゴマーにトリプロピレングリコールジアクリレートの様な反応性希釈剤を添加混合した場合であっても、冷蔵貯蔵中に結晶が析出するという問題が生じる。
【0009】
また他の、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンに2−ヒドロキシプロピルアクリレートを反応させたウレタンアクリレートや、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンに4−ヒドロキシブチルアクリレートを反応させたウレタンアクリレートは、その紫外線硬化フィルムの性能において上記した寒熱サイクル試験温度範囲の高温側で、部材変形の抑性率が不足するという問題が生じた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、結晶を析出することが無く、−20℃〜80℃までの間で弾性率の低下が少く寒熱サイクル試験温度範囲で高い弾性率を示し、特に木工用途で合板の表面材の割れを防止できる性能を有し、従来のウレタンアクリレートオリゴマーに比べ、有機溶剤や反応性希釈剤を添加しない場合であっても常温での粘度が低くかつ粘度の温度依存性が大きいため加温すると容易に粘度が低下する紫外線硬化用ウレタンアクリレートオリゴマー及び当該オリゴマーを用いた紫外線硬化型塗料組成物を提供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の紫外線硬化用ウレタンアクリレートオリゴマーは、ポリイソシアネートとヒドロキシアルキルアクリレートとから成る紫外線硬化型ウレタンアクリレートオリゴマーであって、ポリイソシアネートとして1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンを、ヒドロキシアルキルアクリレートとして2−ヒドロキシプロピルアクリレート及び2−ヒドロキシエチルアクリレートを必須成分として用い、2−ヒドロキシプロピルアクリレート/2−ヒドロキシエチルアクリレートの混合モル比率が0.9/0.1〜0.25/0.75であることを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の紫外線硬化型塗料組成物は、請求項1記載の紫外線硬化用ウレタンアクリレートオリゴマーを含有することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の、ポリイソシアネートとヒドロキシルアルキルアクリレートとから成る紫外線硬化用ウレタンアクリレートオリゴマーは、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンに、2−ヒドロキシプロピルアクリレート及び2−ヒドロキシエチルアクリレートを反応させて得られる紫外線硬化用ウレタンアクリレートオリゴマーである。
【0014】
特に、ヒドロキシアルキルアクリレートとしての2−ヒドロキシプロピルアクリレート及び2−ヒドロキシエチルアクリレートの使用混合モル比率割合を、0.9/0.1〜0.25/0.75とすることが重要である。
2−ヒドロキシプロピルアクリレート/2−ヒドロキシエチルアクリレートの混合モル比率が、0.9/0.1よりも2−ヒドロキシプロピルアクリレートの割合が多くなると前記寒熱サイクル試験の高温側の弾性率が不足し、また、0.25/0.75よりも2−ヒドロキシプロピルアクリレートの割合が少なくなると室温での貯蔵中に結晶化を起こすか又は反応性希釈剤を添加混合した場合でも冷蔵貯蔵中に結晶が析出してしまい好ましくない。
【0015】
本発明の、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンに2−ヒドロキシプロピルアクリレー卜及び2−ヒドロキシエチルアクリレートを反応させて得られる紫外線硬化用ウレタンアクリレートオリゴマーは、当業者に周知の方法により調製でき、例えば1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンに2−ヒドロキシエチルアクリレートと2−ヒドロキシプロピルアクリレートとの混合物を反応させる方法や、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンに2−ヒドロキシエチルアクリレートを反応させたウレタンアクリレートと1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンに2−ヒドロキシプロピルアクリレートを反応させたウレタンアクリレートをブレンドする方法等があるが、2−ヒドロキシエチルアクリレートと2−ヒドロキシプロピルアクリレ−トの混合物を反応させる前者の方法で得られたウレタンアクリレートの方が、前記寒熱サイクル試験温度範囲でより高い弾性率を示すために好ましい。
【0016】
また、本発朋においてポリイソシアネートとして1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンを用いるのは、その他の脂環族の4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)やイソホロンジイソシアネートを使用した場合とは異なり、2−ヒドロキシエチルアクリレート及び2−ヒドロキシプロピルアクリレートと反応させて得られるウレタンアクリレートが、前記寒熱サイクル試験温度範囲で高い弾性率を示すとともに、常温及び加温時(60℃)の粘度が低く、溶剤又は反応性希釈剤の添加を特に必要としないからであり、更に、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンの骨格は芳香環ではなく、紫外領域に吸収帯を持たないシクロヘキサン環であるため紫外線硬化塗料組成物に添加する光開始剤を有効に活用することができ、光開始剤の使用量も低減できるからである。
【0017】
ウレタンアクリレートオリゴマーを形成する反応条件は、当業者に周知の反応条件であり、一般に温度は約30℃〜約120℃、好適には約40℃〜約90℃の温度である。
【0018】
また、反応促進のためウレタン化触媒を添加することができ、当該触媒としては、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジアセテート、ジブチル錫オキサイド、オクテン酸鉛、トリエチルアミン、モルホリン、ピベラジン等が挙げられる。
更に、反応中のアクリレート基の重合を防止するため、少量の乾燥空気を吹き込む他、禁止剤を添加することができ、当該禁止剤としては、ハイドロキノン、トルハイドロキノン、p−ベンゾキノン、モノメチルエーテルハイドロキノン、フェノチアジン、モノ−tert−ブチル−ハイドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチル−ハイドロキノン、p−tert−ブチルカテコール等のフェノール系化合物や、ナフテン酸銅、ナフテン酸亜鉛等の金属系の禁止剤が挙げられる。
【0019】
反応は、無溶剤系で実施できるが、必要に応じて有機溶媒中、反応性希釈剤中でも実施できる。
有機溶媒を使用する場合、キシレン、トルエン等の芳香族系、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族系等が使用できる。
また、反応性希釈剤を使用する場合、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、フエノキシエチルアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、スチレン、ビニルトルエン、p−メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等が使用できる。有機溶媒や反応性希釈剤の使用量は一般に、オリゴマーとの合計重量に基づいて0〜50重量%、好適には0〜20重量%である。
【0020】
上記本発明の紫外線硬化用ウレタンアクリレートを必須成分とし、アクリル系反応性希釈剤、ビニル系反応性希釈剤、有機溶剤、光重合開始剤、その他の塗料用添加剤を配合することにより、本発明の紫外線硬化型塗料組成物を調製することができる。
【0021】
アクリル系反応性希釈剤としては、例えば、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられ、その量は、0〜50重量%、好適には0〜20重量%である。
【0022】
ビニル系反応性希釈剤としては例えば、スチレン、ビニルトルエン、p−メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等が挙げられ、その量は、0〜50重量%、好適には0〜20重量%である。
【0023】
有機溶媒としては例えば、キシレン、トルエン等の芳香族系、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族系、メタノール、エタノール、イソプロパノ−ル、ブタノール等のアルコール系等が挙げられ、その量は、0〜50重量%、好適には0〜20重量%である。
【0024】
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン系化合物、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(ベンジルジメチルケタール)、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−tert−ブチル−ジクロロアセトフェノン、4−tert−ブチル−トリクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシー2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリンプロパン−1等のアセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物、チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系化合物が挙げられる。その量は、オリゴマー100重量部に対して約1〜10重量部、好ましくは約2〜5重量部の範囲で添加する。配合割合が1重量部未満だと塗膜内部の硬化性が低下して、物性が低下し、一方10重量部を超えると硬化性の向上があまり認められず、コストが高くなるので好ましくない。
【0025】
また、必要に応じて、光開始助剤を添加することもできる。光開始助剤としては、例えば、p−ジメチルアミノ安息香酸、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソエチル、安息香酸2−ジメチルアミノエチルや、各種アミン類が挙げられる。
【0026】
更に必要に応じて、光安定剤、紫外線吸収剤、ハジキ防止剤、顔料分散剤、流動性調整剤、帯電防止剤、その他添加剤等を、当業者が通常使用する範囲で配合できる。
【0027】
本発明の紫外線硬化型塗料組成物を、部材、特に木工部材表面に塗装する方法は、公知の塗装方法、例えば、スプレー、フローコーティング、ローラーコーティング等により行うことができる。
【0028】
次いで塗装した後に、紫外線を照射して塗膜を硬化させる。その際の紫外線源としては、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等が使用できる。
【0029】
なお、本発明の紫外線硬化用ウレタンアクリレートオリゴマーは、木工用紫外線塗料用途に限定されるものではなく、高弾性率、高破断強度、低粘度等の特長を有するので、プラスチックのハードコートやインキ等の用途にも好適に使用できる。
【0030】
【実施例】
本発明を以下の実施例及び比較例により説明する。
【0031】
なお、部または%とあるのは、特に断りのない限り各々重量部または重量%を示す。
【0032】
紫外線硬化用ウレタンアクリレートオリゴマー
実施例1〜4
攪拌機、温度計、冷却器、モノマ一滴下ロート及び乾燥空気導入管を備えた5つ口フラスコに、予め乾燥空気を流入させて系内を乾燥させた後、表1の割合に従って1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンを添加した。次いでこれに、ジブチル錫ジラウレート1g、ハイドロキノン2gを添加し、乾燥空気気流下で、表1に従ってヒドロキシアルキルアクリレートを発熱に注意しながら40〜70℃で1〜2時間かけて徐々に滴下し、ウレタン化反応を行った。その後80〜85℃で2〜3時間の熟成を行い、本発明の紫外線硬化用ウレタンアクリレートオリゴマーUA−1〜UA−4を得た。得られた樹脂の特性値を各々表1に示す。なお性状値は、粘度を60℃でコーンプレート粘度計(東亜科学(株)製CV−1S)で測定し、GPC分子量をWATERS社製150−CVで測定した。また、外観を日視で判定し透明で濁りのない場合を○とした。常温流動性は、試料入りの瓶を横倒した際に2分以内に流動した場合を「あり」と判定した。溶解性は、TPGDA(トリプロピレングリコールジアクリレート)を30%添加した試料を作製し、冷蔵庫で7日間貯蔵した後の外観が透明な場合を○と判定した。
【0033】
比較例1〜6
表2に示すイソシアネートとヒドロキシアルキルアクリレートとを用いた以外は、実施例1と同様にして、紫外線硬化用ウレタンアクリレートオリゴマーUA−5〜UA−10を得た。得られた樹脂の特性値を各々表2に示す。
【0034】
オリゴマーブレンド
実施例5〜6
比較例1で得られたウレタンアクリレートオリゴマーUA−5と比較例2で得られたUA−6を50g/50gでブレンドしたものをUA−11、80g/20gでブレンドしたものをUA−12とした。得られた樹脂の特性値を表1に示す。
【0035】
比較例7
比較例1で得られたウレタンアクリレートオリゴマーUA−5と比較例2で得られたUA−6を、20g/80gでブレンドしたものをUA−13とした。得られた樹脂の特性値を表2に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
紫外線硬化型塗料組成物
実施例7〜12、比較例8〜14
実施例1〜6及び比較例1〜7で得られたウレタンアクリレートオリゴマーUA−1〜UA−13各々を30g、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(IRGACURE 184:チバガイギー社製)を1.2g(4重量部)添加混合し、紫外線硬化型塗料組成物を各々得た。
【0039】
試験例
実施例7〜12及び比較例8〜14で得られた塗料組成物の性能を、以下の試験により評価した。
塗装・紫外線硬化(1)
上記各紫外線硬化塗料組成物に酢酸エチルを7.5g添加して低粘度化したものを、ナラ突き板合板(日本テストパネル社製:75×150×6mm)にバーコーター#40で塗装し、80℃で10分間セッテイングして溶剤を揮発させた後、紫外線硬化した。
紫外線硬化条件は、80W/cmの高圧水銀灯、集光タイプのアルミミラーを用いランプ距離25cm、ラインスピード10m/分としたコンベアー型紫外線硬化装置を使用した。1パス当たりの紫外線エネルギーは74mJ/cm2 であった(アイグラフイツクス(株)製UVPZ−2(365センサー)で測定)。
上記紫外線硬化条件で、3パスさせたものを下塗りとして#240サンドペーパーで下地を調整した後、再度、同じ組成物をバーコータ#40で塗装し、80℃で10分間セッティングして溶剤を揮散させた後、再び紫外線硬化(3パス)させ、表3に示す試験片を各々得た。
【0040】
塗装・紫外線硬化(2)
上記各紫外線硬化塗料組成物を80℃に加温して低粘度化させた後、ガラス板に400μmアプリケーターで塗装し、80℃で1分間セッティングしてレベリングさせた後、上記塗装・紫外線硬化(1)と同じ条件で紫外線硬化(3パス)させた。
この硬化フィルムをガラス板から剥離し、幅1cm×長さ7cmの短冊状にカットし、端面をサンドペーパーで削り平滑にして、表4、表5に示す試験片を得た(厚み0.1〜0.2mm)。
【0041】
密着性試験
表3で得られた試験片に、カッターで2mm間隔の縦横各6本カットを入れ、合計25個のます目を作りセロテープで剥離試験を行い、試験片に残った塗膜のます目の数で密着性を表示し、その結果を表3に示した。
【0042】
硬化試験
上記塗装・紫外線硬化(2)でのガラスから剥離する前の硬化フィルムを、三菱鉛筆ユニにて傷付け試験し、傷付きの無い最大硬度を表4及び5に表示した。
【0043】
フィルム引張試験
表4及び5に示す各試験片(幅1cm×長さ7cm×厚み0.1〜0.2mm)を、温度:23℃、湿度:50%の条件で、チャック間距離:50mm、引張速度:50mm/分、繰り返し数7で引張試験を行い、弾性率、最大破断強度、破断時の伸び率を測定し、その結果を表4及び5に示した。
【0044】
動的粘弾性試験
本発明では、JAS規格の寒熱サイクル試験を実施する代わりにレオバイブロンによる動的粘弾性試験を行い、性能を評価した。 即ち、JAS規格の寒熱サイクル試験で性能比較をする場合は、基材の材質を一定にするべきであるが、合板は天然素材であるため、表面材の材質のばらつき、内部剤の材質のばらつき、合板製造後の含水率の経時変化等を管理して一定条件で試験することが困難である。また、実際の塗装合板製造ラインにおいては、合板製造後短時間で塗装工程に入る場合が殆どである。そこで、市販のUV塗料用ウレタンアクリレトオリゴマー(例えば、日本合成化学工業製のUV−755OB)の中でJAS規格寒熱サイクル試験の成績が良好である物についてUV硬化フィルムを作製し、その物性を基準とすることにした。その結果、動的粘弾性試験における80℃の貯蔵弾性率E′が1.0E+10 dyn/cm2 以上あれば良いことがわかったので、この値を基準とした。
【0045】
表4及び5に示す各試験片(幅1cm×長さ6cm×厚み0.1〜0.2.mm)を、レオバイブロン((株)オリエンテック DDV−25FP)で−40℃〜180℃の温度範囲、昇混速度:2℃/分、チャック間距灘:40mm、加振周波数:単一波形10Hz、加振振幅:25μm、プリロード:25gfの条件で動的粘弾性を試験した。試験の結果から、−20、0、20、40、60、80℃の貯蔵弾性率E′、tanδが最大値になる温度(Ttanδmax)及び架橋間分子量を求め、その結果を表4及び5に示した。
但し、架橋間分子量Mcは、下式から求めた。
Mc=3ρRT/Eh
ρ:密度、R:ガス定数、T:高温弾性率到達温度、Eh:高温弾性率
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】
【表5】
【0049】
【発朋の効果】
本発明の紫外線硬化用ウレタンアクリレートオリゴマーは、貯蔵中に結晶を析出することなく、常温及び加温状態で粘度が低いため、紫外線硬化型塗料組成物を調製する際に添加する有機溶剤や反応性希釈剤量を低減することができる。
【0050】
また、本発明の紫外線硬化用ウレタンアクリレートオリゴマーを用いた紫外線硬化型塗料組成物は、JAS規格の寒熱サイクル試験(−20℃〜80℃)の温度範囲で高い弾性率を示し、木材の膨張収縮を抑制することで、床材、壁材として使用される合板の表面材の割れやささくれを防止することができる。
Claims (2)
- ポリイソシアネートとヒドロキシアルキルアクリレートとから成る紫外線硬化型ウレタンアクリレートオリゴマーであって、ポリイソシアネートとして1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンを、ヒドロキシアルキルアクリレートとして2−ヒドロキシプロピルアクリレート及び2−ヒドロキシエチルアクリレートを必須成分として用い、2−ヒドロキシプロピルアクリレート/2ヒドロキシエチルアクリレートの混合モル比率が0.9/0.1〜0.25/0.75であることを特徴とする紫外線硬化用ウレタンアクリレートオリゴマー。
- 請求項1記載の紫外線硬化用ウレタンアクリレートオリゴマーを含有することを特徴とする紫外線硬化型塗料組成物。
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