JP3615964B2 - 車両用ドア及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は、車両用ドア及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】
車両用ドア及びその製造方法は、構成部分毎に各種が知られている。その中で、ドア部品挿入穴を有するインナパネルと、ドア部品を組み付けた上で、このインナパネルのドア部品挿入穴周縁に固定されるモジュラーパネルに着目すると、従来、インナパネルとモジュラーパネルは別個にプレスにより打ち抜き成形されている。そして、インナパネルに部品挿入穴を形成した際生じる打ち落とし部分は、スクラップとして廃棄されていた。しかし、ドア部品の複雑化、高機能化に伴い、部品挿入穴は大型化される傾向にあり、打ち抜き廃棄される部品挿入穴部分の材料コストが無視できない。
【0003】
材料コストを下げるため、インナパネルから部品取付穴を打ち抜いた材料を、該インナパネルに固定するモジュラーパネルとして利用しようという試みもされている。しかし、従来構造は、モジュラーパネルとインナパネルとの接合強度(ドア剛性)、接続作業性、防音性、防水性等に問題があった。
【0004】
【発明の目的】
本発明は、以上の問題意識に基づき、インナパネルのドア部品挿入穴を打ち抜いた材料の無駄を少なくすることができ、しかも、モジュラーパネルとインナパネルとの接合強度(ドア剛性)、接続作業性、防音性、防水性に優れた車両用ドア及びその製造方法を得ることを目的とする。
【0005】
【発明の概要】
本発明は、板材を打ち抜いてインナパネルを形成する際、ドア部品挿入穴に対応する、従来廃棄されていた材料を、モジュラーパネルとして利用するとともに、両パネルを二つの縁部において重ねて固定すれば、材料の無駄が省け、接合強度(ドア剛性)も確保することができるという着眼に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明は、その一態様によると、板材から略L字状に形成されたインナパネル;及び板材からインナパネルを打ち抜いた際の残材からなるモジュラーパネル;を有し、この略L字状のインナパネルとモジュラーパネルとは、該略L字状の二つの縁部において互いに重ね合わせて固定されていることを特徴としている。
この車両用ドアによると、インナパネルとモジュラーパネルは、L字形の二つの縁部において重ねられて固定されるため、高い剛性が得られ、しかも接続作業も容易である。また、防音性、防水性も高めることができる。
【0006】
モジュラーパネルには、ドアガラスを昇降させるウィンドレギュレータを支持させ、支持作業の後、該モジュラーパネルをインナパネルに固定することができる。
【0007】
前方及び上方が開放されている略L字形のインナパネルには、該前方開放部にボディに軸着されるヒンジパネルを固定し、上方開放部にサッシュアッセンブリの水平方向のインナリィンフォースを固定するのが好ましい。
【0008】
本発明は、方法の態様によると、板材から略L字形のインナパネルを形成するステップ;板材から上記インナパネルを打ち抜いた際の残材からなるモジュラーパネルを、インナパネルにその略L字状の二つの縁部において互いに重ね合わせて固定されるモジュラーパネルに加工するステップ;このモジュラーパネルに所要のドア部品を組み込むステップ;及びドア部品を組み込んだモジュラーパネルを、略L字状のインナパネルに、該略L字状の二つの縁部を互いに重ね合わせて固定するステップ;を有することを特徴としている。インナパネルとモジュラーパネルは、打ち抜き加工の際、少なくとも一部を同時に加工することが望ましい。
このように、モジュラーパネルに予めドア部品を組み込んでからインナパネルに固定することにより、ドア部品の組付作業性を高めることができる。
【0009】
略L字形のインナパネルには、その前方開放部にボディに軸着されるヒンジパネルを固定し、上方開放部に水平方向のインナリィンフォースを固定するのが実際的である。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、板材tから、略L字状のインナパネル10と、その残材からなるモジュラーパネル20とを打ち抜き加工する際の平面的な打ち抜き形状例を示している。板材tから打ち抜いたインナパネル10は、下方部11と後方部12を有し、前方及び上方が開放された略L字状をしている。モジュラーパネル20は、別部材の接続ブラケットを要することなくインナパネル10に固定するため、打ち抜き加工時よりも、インナパネル10の略L字状の下方部11及び後方部12側に所定量移動させて、その二つの縁部21、22を、下方部11と後方部12の二つの縁部に重ね、重ねた状態において固定する。
【0011】
つまり、モジュラーパネル20を、打ち抜き時と位置(位相)を同じにしてインナパネル10に固定するには、別の接続ブラケットを不可欠とするのに対し、打ち抜いたモジュラーパネル20をインナパネル10の下方部11及び後方部12側に所定量移動させて、お互いの縁部(フランジ)を重ねて固定すれば、接続ブラケットを要することなく、高い接続強度(ドア剛性)でインナパネル10とモジュラーパネル20を固定することができる。
【0012】
インナパネル10とモジュラーパネル20には、打ち抜き加工時に同時に、必要なプレス加工の全てまたは殆どを施すことが望ましい。この打ち抜き加工時には、例えば、図2、図5、図6に示すように、重ね合わせ縁部のフランジ10f、20fの加工、全体の曲面加工、フランジ10f、20fへのボルト穴13、23の打ち抜き加工等が含まれる。
【0013】
インナパネル10の前方開放部には、別工程で形成したヒンジパネル30が固定され、上方開放部には、同様に別工程で形成したサッシュアッセンブリ40の水平方向のインナリィンフォース41が溶接固定され、その結果、これら構成部品によるインナパネルアッセンブリに、閉じられた部品挿入穴14が形成される。ヒンジパネル30は、ヒンジ31により、車両ボディに軸着されるものである。インナリィンフォース41は、図3、図4の断面図に示すように、少なくとも2つ以上の板材を各々成形した後に結合して形成されている。サッシュアッセンブリ40は、このインナリィンフォース41の他、ドアサッシュ42、ロアフレームサッシュ43、フロントコーナブラケット44等を有している。
【0014】
さらに、インナパネル10、ヒンジパネル30及びサッシュアッセンブリ40は、アウタパネル50と組み合わされて、ドア基体51として完成される。すなわち、ヒンジパネル30は、図3に示すように、その下端部がアウタパネル50の下端部にヘミング加工によって結合され、その上端部がサッシュアッセンブリ40のインナリィンフォース41に溶接によって結合される。また、図4に示すように、インナパネル10の下方部11は、その下端部がアウタパネル50の下端部とヘミング加工によって結合される。
【0015】
一方、モジュラーパネル20には、ドア基体51への組込前に、ドア関連部品が装着される。図2、図5及び図6に示すように、これらのドア関連部品は、少なくとも、Xアーム式ウィンドレギュレータ60、その駆動モータユニット61、ドアガラス60c、インサイドハンドル64、ハーネスアッセンブリ65を含んでいる。Xアーム式ウィンドレギュレータ60は、周知のように、そのセクタギヤ60aを回転駆動することにより、ガラスバー60bに固定したドアガラス60cを昇降させるもので、モジュラーパネル20の室外側の面(アウタパネル50側の面)に固定される。一方、駆動モータユニット61は、モジュラーパネル20の室内側の面に固定されるもので、そのピニオン61aが、モジュラーパネル20に穿設したピニオン穴20aを介してモジュラーパネル20の室外側の面に至り、Xアーム式ウィンドレギュレータ60のセクタギヤ60aと噛み合う。駆動モータユニット61を正逆に駆動すると、ピニオン61a、Xアーム式ウィンドレギュレータ60のセクタギヤ60a及びガラスバー60bを介して、ドアガラス60cが昇降する。
【0016】
以上のドア関連部品を組み込んだモジュラーパネル20は、ドアガラス60c、Xアーム式ウィンドレギュレータ60等を部品挿入穴14からドア基体51内に入れ、そのフランジ20fを、インナパネル10のフランジ10f、ヒンジパネル30のフランジ30f、及びインナリィンフォース41のフランジに重ね、ボルト穴23、13等に挿通した固定ボルト16を介して、ドア基体51に固定される。つまり、モジュラーパネル20は、インナパネル10と、ヒンジパネル30と、インナリィンフォース41にそれぞれ固定されることになる。この固定状態では、モジュラーパネル20の周縁のフランジ20fは、それぞれ相手部品のフランジに重ねられているため、隙間が生じることがなく、高い剛性ばかりか、優れた防音性、防水性が得られる。また、ドアガラス60cを組付けた後のモジュラーパネル20をインナパネル10に取り付けるので、ドアガラスの組付が容易になる。モジュラーパネル20の室内側の面には、最終的にドアトリム67が被せられる。
【0017】
【発明の効果】
本発明によれば、材料の無駄を少なくすることができ、しかも、モジュラーパネルとインナパネルとの接合強度(ドア剛性)、接続作業性、防音性、防水性に優れた車両用ドア及びその製造方法が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車両用ドア及びその製造方法を示す、板材からインナパネルとモジュラーパネルを打ち抜き形成する形状例を示す平面図である。
【図2】本発明による車両用ドア及びその製造方法を示す、要部の斜視図である。
【図3】図2のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】図2のIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】モジュラーパネルに対するXアーム式ウィンドレギュレータの取付状態を示す斜視図である。
【図6】本発明による車両用ドア及びその製造方法を示す、全体の斜視図である。
【符号の説明】
10 インナパネル
10f フランジ
11 下方部
12 後方部
13 ボルト穴
14 部品挿入穴
20 モジュラーパネル
20f フランジ
21 22 縁部
23 ボルト穴
30 ヒンジパネル
31 ヒンジ
40 サッシュアッセンブリ
41 インナリィンフォース
42 ドアサッシュ
43 ロアフレームサッシュ
44 フロントコーナブラケット
50 アウタパネル
51 ドア基体
60 Xアーム式ウィンドレギュレータ
60a セクタギヤ
60b ガラスバー
60c ドアガラス
61 駆動モータユニット
61a ピニオン
Claims (6)
- 板材から略L字状に形成されたインナパネル;及び
上記板材から上記インナパネルを打ち抜いた際の残材からなるモジュラーパネル;
を有し、
上記略L字状のインナパネルとモジュラーパネルとは、該略L字状の二つの縁部において互いに重ね合わせて固定されていることを特徴とする車両用ドア。 - 請求項1記載の車両用ドアにおいて、上記モジュラーパネルには、ドアガラスを昇降させるウィンドレギュレータが支持されている車両用ドア。
- 請求項1または2記載の車両用ドアにおいて、略L字形のインナパネルは、前方及び上方が開放されていて、該前方開放部にボディに軸着されるヒンジパネルが固定され、上方開放部にサッシュアッセンブリの水平方向のインナリィンフォースが固定されている車両用ドア。
- 板材から略L字形のインナパネルを形成するステップ;
上記板材から上記インナパネルを打ち抜いた際の残材からなるモジュラーパネルを、上記インナパネルにその略L字状の二つの縁部において互いに重ね合わせて固定されるモジュラーパネルに加工するステップ;
このモジュラーパネルに所要のドア部品を組み込むステップ;及び
このドア部品を組み込んだモジュラーパネルを、上記L字状のインナパネルに、該略L字状の二つの縁部を互いに重ね合わせて固定するステップ;
を有することを特徴とする車両用ドアの製造方法。 - 請求項4記載の製造方法において、さらに、前方及び上方が開放された略L字形のインナパネルの該前方開放部にボディに軸着されるヒンジパネルを固定するステップと、該上方開放部に水平方向のインナリィンフォースを固定するステップとを有する車両用ドアの製造方法。
- 請求項4または5記載の製造方法において、上記インナパネルとモジュラーパネルは、打ち抜き加工の際、少なくとも一部が同時に加工される車両用ドアの製造方法。
Priority Applications (1)
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JP17990199A JP3615964B2 (ja) | 1999-06-25 | 1999-06-25 | 車両用ドア及びその製造方法 |
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JP17990199A Expired - Fee Related JP3615964B2 (ja) | 1999-06-25 | 1999-06-25 | 車両用ドア及びその製造方法 |
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JP2003104059A (ja) * | 2001-09-28 | 2003-04-09 | Hirotec Corp | 自動車ドア及び自動車ドアの製造方法 |
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1999
- 1999-06-25 JP JP17990199A patent/JP3615964B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2001010343A (ja) | 2001-01-16 |
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