JP3615419B2 - 感熱記録材料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像の保存性に優れた感熱記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
感熱記録材料は、一般に支持体上に電子供与性の無色もしくは淡色の染料前駆体と電子受容性の顕色剤とを主成分とする感熱発色層を設けたもので、熱ヘッド、熱ペン、レーザー光等で加熱することにより、染料前駆体と顕色剤とが瞬時反応し、記録画像が得られるものであり、特公昭43−4160号、特公昭45−14039号公報等に開示されている。
このような感熱記録材料は、比較的簡単な装置で記録が得られ、保守が容易であること、騒音の発生が少ないなどの利点があり、近年、電子計算機、ファクシミリ、券売機、ラベルプリンター、レコーダー等の記録材料として広範囲な分野に利用されている。
しかしながら、このような電子供与性染料前駆体と電子受容性顕色剤を用いた感熱記録材料は、外観がよい、感触がよい、発色濃度が高い等の優れた特性を有している反面、記録画像部が、ポリ塩化ビニルなどのプラスチック等と接触し、プラスチック中に含有される可塑剤や添加剤などにより消色したり、あるいは食品や化粧品等に含有される薬品と接触して、容易に記録画像部が消色または地肌部が発色するなど、記録材料としての保存性が劣るという欠点を有していた。
【0003】
記録画像の高保存安定性を実現するための手段として高信頼性顕色剤の利用が従来から提案されている。例えば、特開昭58−82788号、特開昭60−13852号にはフェノールスルホン化合物が提案され、特開昭62−169681号には置換サリチル酸化合物が提案されているが、これらの化合物を顕色剤として用いた場合、画像部の可塑剤に対する堅牢性の点では不十分である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、画像部の高保存性、特に画像の耐油性、地肌の耐熱性に優れた感熱記録材料を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、第一に、支持体上にロイコ染料と該ロイコ染料を加熱時に発色させる顕色剤とを主成分とする感熱発色層を有する感熱記録材料において、該顕色剤として、下記一般式(I)で表される化合物を用いたことを特徴とする感熱記録材料が提供される。
【化2】
(式中Xは、カルボニル基、スルホニル基、脂肪族炭化水素から誘導される2価の基、主鎖中に1個以上のヘテロ原子、カルボニル基、スルホニル基、エステル結合、芳香族環を含む脂肪族炭化水素から誘導される2価の基、1個以上のヘテロ原子、カルボニル基、スルホニル基、エステル結合、アルキレン、主鎖中にヘテロ原子を含んだ脂肪族炭化水素で連結された2つの芳香族炭化水素から誘導される2価の基のいずれかを示す。)
【0006】
第二に、前記一般式(I)において、官能基Xが、2価の脂肪族炭化水素から誘導される基のいずれかのものであることを特徴とする上記第一の感熱記録材料が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
一般式(I)で表される化合物を用いた感熱記録材料が高耐油性、高耐熱性を有する理由は明らかではないが、概ね次のような要素が寄与しているものと考えられる。
▲1▼電子吸引性基で置換された強い酸である芳香族カルボン酸が顕色能を持つ。▲2▼芳香族カルボン酸を1分子中に2つ以上含有することにより分子量が大きくなり、油や可塑剤等の不揮発性溶剤に対する溶解性が低下する。
【0008】
一般式(I)で表される芳香族カルボン酸化合物は全く新規な化合物である。これらの化合物は、例えば下記に示される様なルートで合成することが可能である。この場合、通常は、カルボキシル基の置換位置の異なる化合物(異性体)の混合物として得ることができ、これらの化合物を感熱記録材料用の顕色剤として用いる場合には、異性体の混合物として用いることができる。また、必要に応じて異性体の分離精製を行って単独品として用いることも可能である。
【化3】
(上記ルートは、エステル化、エーテル化の概要を示すものであり、実際の合成の際に、必要な保護、加水分解等は省略して記載されている。Yはハロゲン原子等の脱離基を示す。)
【0009】
本発明は、前記したように、顕色剤として一般式(I)で表される化合物を用いるものである。ここで一般式(I)中のXの具体例としては、炭素数1から16のアルキレン、オキシアルキレン、ビスオキシアルキレン、トリスオキシアルキレン、オキソアルキレン、ビスオキソアルキレン、トリスオキソアルキレン、チオアルキレン、ビスチオアルキレン、トリスチオアルキレン、スルフィニルアルキレン、ビススルフィニルアルキレン、トリススルフィニルアルキレン、スルホニルアルキレン、ビススルホニルアルキレン、トリススルホニルアルキレン、ヒドロキシアルキレン、ビスヒドロキシアルキレン、トリスヒドロキシアルキレン、スルホニルジオキシアルキレン、ビススルホニルジオキシアルキレン、トリススルホニルジオキシアルキレン、カルボニルジオキシアルキレン、ビスカルボニルジオキシアルキレン、トリスカルボニルジオキシアルキレン、カルバモイルアルキレン、ビスカルバモイルアルキレン、トリスカルバモイルアルキレン、及び、下記式で表される2価の官能基が挙げられる。
【化4】
【化5】
【0010】
上記式中のRは、異なった種類でもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1から8のアルキル基、アラルキル基、またはアリール基を示し、nは1〜4の整数を示す。
【0011】
上記式中Aの具体例としては以下のものが挙げられる。
炭素数1から16のアルキレン、オキシアルキレン、ビスオキシアルキレン、トリスオキシアルキレン、オキソアルキレン、ビスオキソアルキレン、トリスオキソアルキレン、チオアルキレン、ビスチオアルキレン、トリスチオアルキレン、スルフィニルアルキレン、ビススルフィニルアルキレン、トリススルフィニルアルキレン、スルホニルアルキレン、ビススルホニルアルキレン、トリススルホニルアルキレン、ヒドロキシアルキレン、ビスヒドロキシアルキレン、トリスヒドロキシアルキレン、スルホニルジオキシアルキレン、ビススルホニルジオキシアルキレン、トリススルホニルジオキシアルキレン、カルボニルジオキシアルキレン、ビスカルボニルジオキシアルキレン、トリスカルボニルジオキシアルキレン、カルバモイルアルキレン、ビスカルバモイルアルキレン、トリスカルバモイルアルキレン。
【0012】
上記式中Bの具体例としては以下のものが挙げられる。
直接結合(官能基が存在しない場合)、酸素原子、カルボニル基、硫黄原子、スルフィニル基、スルホニル基、スルホニルオキシ基、カルボニルオキシ基、カルボニルアミノ基、尿素基、ヒドラジノカルボニル基、ヒドラジノスルホニル基、フェニレン、ビフェニレン、キシリレン、
【化6】
【化7】
炭素数1から16のアルキレン、オキシアルキレン、ビスオキシアルキレン、トリスオキシアルキレン、オキソアルキレン、ビスオキソアルキレン、トリスオキソアルキレン、チオアルキレン、ビスチオアルキレン、トリスチオアルキレン、スルフィニルアルキレン、ビススルフィニルアルキレン、トリススルフィニルアルキレン、スルホニルアルキレン、ビススルホニルアルキレン、トリススルホニルアルキレン、ヒドロキシアルキレン、ビスヒドロキシアルキレン、トリスヒドロキシアルキレン、スルホニルジオキシアルキレン、ビススルホニルジオキシアルキレン、トリススルホニルジオキシアルキレン、カルボニルジオキシアルキレン、ビスカルボニルジオキシアルキレン、トリスカルボニルジオキシアルキレン、カルバモイルアルキレン、ビスカルバモイルアルキレン、トリスカルバモイルアルキレン。
【0013】
本発明の前記一般式(I)で表される化合物の具体例を列挙すると以下の様な物が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】
本発明において用いられる塩基性色素前駆体(ロイコ染料)は単独又は、2種以上混合して用いることができるが、このようなロイコ染料としては、感熱材料に適用されているものを任意に用いることが可能であり、例えば、次のようなものが挙げられる。
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−メチル−N−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−メチル−N−プロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−プロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−メチル−N−アミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−アミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−イソアミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−ヘキシル−N−イソアミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−フラニルメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチル−N−ブチルアミノ−7−(2’−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ピロジリル−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ビス(ジフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2’−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(2’−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2’,4’−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ブチルアミノ−7−(2’−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン等。
【0017】
また、本発明においては顕色剤として単独で用いる他に、従来公知な顕色剤と併せて利用し、増感剤等の他の目的用途として利用することも可能である。その際利用する従来公知な顕色剤の具体例としては次のようなものが挙げられる。
4,4’−イソプロピリデンビスフェノ−ル、4,4’−イソプロピリデンビス(o−メチルフェノール)、4,4’−sec−ブチリデンビスフェノール、4,4’−イソプロピリデンビス(2−tert−ブチルフェノール)、p−ニトロ安息香酸亜鉛、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸、2,2−(3,4−ジヒドロキシフェニルプロパン)、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニルスルフイド)、4−(β−(p−メトキシフェノキシ)エトキシ)サリチル酸、1,7−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3,5−ジオキサヘプタン、フタル酸モノベンジルエステルモノカルボン酸、4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノ−ル、4,4’−イソプロピリデンビス(2−クロロフェノ−ル)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノ−ル)、4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−2−メチル)フェノ−ル、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシル)ブタン、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル2−メチルフェノ−ル)4,4’−ジフェノールスルホン、4−ベンジルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−イソプロピルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジフェノールスルホキシド、p−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、プロトカテキュ酸ベンジル、没食子酸ステアリル、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)プロパン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−2−ヒドロキシプロパン、N,N−ジフェニルチオ尿素、N,N−ジ(m−クロロフェニルチオ尿素)、サリチルアニリド、5−クロロサリチルアニリド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチルエステル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジルエステル、1,3−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、1,4−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、2,4’−ジフェノ−ルスルホン、2,2’−ジアリル−4,4’−ジフェノールスルホン、3,4−ジヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−α−メチルトルエン、4,4’−チオビス(2−メチルフェノ−ル)、4,4’−チオビス(2−クロロフェノール)等。
【0018】
また、本発明においては、感度向上剤及び滑剤として、種々の熱可融性物質を単独又は2種以上混合して利用することができる。その具体例としては以下の物が挙げられる。
ステアリン酸、ベヘン酸等の脂肪酸類、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド等の脂肪酸アミド類、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸亜鉛、べヘン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩類、p−ベンジルビフェニル、ターフェニル、トリフェニルメタン、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、β−ベンジルオキシナフタレン、β−ナフトエ酸フェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチル、ジフェニルカーボネート、テレフタル酸ベンジル、1,4−ジメトキシナフタレン、1,4−ジエトキシナフタレン、1,4−ジベンジルオキシナフタレン、1,2−ジフェノキシエタン、1,2−ビス(4−メチルフェノキシエタン)、1,4−ジフェノキシ−2−ブテン、1,2−ビス(4−メトキシフェニルチオ)エタン、ジベンゾイルメタン、1,4−ジフェニルチオブタン、1,4−ジフェニルチオ−2−ブテン、1,3−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、p−(2−ビニルオキシエトキシ)ビフェニル、p−アリールオキシビフェニル、ジベンゾイルオキシメタン、ジベンゾイルオキシプロパン、ジベンジルジスルフイド、1,1−ジフェニルエタノール、1,1−ジフェニルプロパノール、p−ベンジルオキシベンジルアルコール、1,3−フェノキシ−2−プロパノール、N−オクタデシルカルバモイル−p−メトキシカルボニルベンゼン、N−オクタデシルカルバモイルベンゼン、1,2−ビス(4−メトキシフェノキシ)プロパン、1,5−ビス(4−メトキシフェノキシ)−3−オキサペンタン、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ビス(4−メチルベンジル)、シュウ酸ビス(4−クロロベンジル)等。
【0019】
また、本発明の感熱記録材料を作製するにあたっては、上記の顕色剤、ロイコ染料、熱可融物質以外にも、感熱記録材料を構成するのに慣用的に用いられる各種材料を適宜用いることができる。それらの例としては例えば、感熱記録層中において各種材料を支持体等の上に結着させる為の結着剤があり、それらは単独又は2種以上混合して用いることができ、具体的には以下のものが挙げられる。
ポリビニルアルコール、変成ポリビニルアルコール、澱粉及びその誘導体、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタアクリル酸三元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アリカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体アリカリ塩、ポリアクリルアミド、変成ポリアクリルアミド、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体、カルボキシ変成ポリエチレン、ポリビニルアルコール/アクリルアミドブロック共重合体、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレン/ブタジェン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、エチレン/酢酸ビニル共重合体等のエマルジョンが挙げられる。
これらは、単独もしくは、混合して使用され、更に、必要に応じて架橋剤(硬化剤)を添加して硬化させてもよい。この場合の架橋剤(硬化剤)としては、結着剤と反応するもので、例えば、グリオキザール誘導体、メチロール誘導体、エピクロルヒドリン誘導体、エポキシ化合物、アジリジン化合物等が挙げられる。
【0020】
また、感熱記録材料中に単独又は2種以上混合用いられる顔料の具体例としては以下のものが挙げられる。
シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、カオリン、焼成カオリン、タルク、表面処理されたシリカ等の無機系微粉末。尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、スチレン/アクリル共重合体、プラスチック球状中空微粒子などの有機系微粉末。
【0021】
更に本発明の感熱記録材料は必要に応じて、ヘッドマッチング性、記録材料への筆記性向上等の目的により感熱発色層の上に顔料、結着剤、架橋剤、滑剤等を主成分とする保護層を設けることが可能であり、この場合の顔料、結着剤、架橋剤、滑剤としては前記の顔料、結着剤、架橋剤、滑剤(熱可融物質)を各々単独又は2種以上混合して用いることができる。
【0022】
なお、本発明において、前記一般式(I)で表される化合物を感熱発色層に利用する場合の含有量としては、乾燥重量で1〜10g/m2、好ましくは1〜5g/m2が適当である。
【0023】
本発明において、支持体と感熱発色層との間には顔料、結着剤等を主成分とするアンダーコート層を設けることができる。このアンダーコート層は断熱層として作用し、サーマルヘッド等からの熱エネルギーの効率的活用による感度向上をもたらす。アンダーコート層を構成する顔料、結着剤としては、前記の顔料、結着剤を各々単独又は2種以上混合して用いることができる。この場合、顔料にはプラスチック球状中空微粒子が使用されるのが望ましい。
【0024】
上記の“プラスチック球状中空微粒子”とは、熱可塑性樹脂を殻としており、内部に空気その他の気体を含有してすでに発泡状態となっている微小中空粒子であり、平均粒子径は0.2〜20μm程度のものである。この平均粒子径(粒子外径)が0.2μmより小さいものは、任意の中空率にすることが難かしい等の生産上の問題があってコスト面で難点があり、逆に20μmより大きいものは塗布乾燥後の表面平滑性が低下するためにサーマルヘッドとの密着性が低下し、熱感度向上効果が低下する。従って、該粒子は粒子径が前記範囲にあると共に粒子径のバラツキが少ないものが好ましい。
【0025】
更に、このプラスチック球状該中空微粒子は、その断熱効果を勘案すると中空率は40%以上のものが好ましく、90%以上のものが更に好ましい。中空率が低いものは、断熱効果が不充分なためにサーマルヘッドからの熱エネルギーが支持体を通じて感熱記録材料の外へ放出され、熱感度向上効果が劣る。なお、ここで言う“中空率”とは中空微粒子の外径と内径の比であり、下式で表わされるものである。
中空率(%)=(中空微粒子の内径)/(中空微粒子の外径)×100
【0026】
プラスチック球状中空微粒子は、前記したように熱可塑性樹脂を殻とするものであるが、該樹脂としては、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ポリブタジエンあるいはそれらの共重合体樹脂等が挙げられる。これらの中でも、特に塩化ビニリデンとアクリロニトリルを主体とする共重合体樹脂が好ましい。
【0027】
本発明において、前記アンダーコート層を形成する際に使用される結着樹脂としては、従来公知の水溶性高分子及び(又は)水性高分子エマルジョンから適宜選択される。その具体例としては、水溶性高分子として例えば、ポリビニルアルコール、澱粉及びその誘導体、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等が挙げられる。また、水性高分子エマルジョンとしては、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体等のラテックスや酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル/アクリル酸共重合体、スチレン/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル樹脂、ポリウレタン樹脂等のエマルジョン等が挙げられる。
【0028】
なお、アンダーコート層においては、前記中空微粒子及び結着樹脂と共に、必要に応じて、更にこの種の感熱記録材料に慣用される補助添加成分、例えば、フィラー、熱可融性物質、界面活性剤、圧力発色防止剤等を併用することができる。この場合、フィラー及び熱可融性物質の具体例としては、前記において感熱発色層成分との関連で示された各種のものが挙げられる。また、アンダーコート層にプラスチック球状中空微粒子を用いた場合には、サーマルヘッドとのマッチング性を向上させる目的で、他の無機顔料を添加することが可能である。
【0029】
なお、アンダーコート層と感熱発色層との間に、必要に応じて中間層として、顔料、結合剤、熱溶融性物質等を含有する層を設けることができる。
更に、本発明の感熱記録材料は、印字時のヘッドマッチング性を向上させたり、記録画像の保存安定性を向上させたり、記録材料への筆記性、捺印性向上等の目的により、感熱発色層の上に保護層を設けることも可能である。この場合、保護層を構成する成分としては前記の填料、結着樹脂、熱溶融性物質等を用いることができる。
【0030】
本発明の感熱記録材料においては、支持体の裏面に顔料、結着剤、架橋剤等を主成分とするバック層を設けることも可能である。この場合にも顔料、結着剤、滑剤としては前記の顔料、結着剤、滑剤(熱可融物質)が用いられる。
【0031】
本発明の感熱記録材料の支持体としては、通常の紙(酸性紙、中性紙)以外にも、塗布加工可能なものを任意に用いることが可能であり、例えば、合成紙、高分子フイルム等が挙げられる。
【0032】
また、本発明の感熱記録材料の用途としては、従来感熱記録材料が利用されている分野いずれでも可能である。具体的に挙げると、ファクシミリペーパー、食品POSラベル、産業用バーコードラベル、ライナーレスラベル、券紙、磁気付き付紙、CADペーパー、透明感度フィルム等が有る。
【0033】
【実施例】
次に、本発明の感熱記録材料を実施例により更に詳細に説明する。なお、以下の部及び%はいずれも重量基準である。
【0034】
合成例1(具体例No.1の化合物の合成)
反応容器に4−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸45.5g(0.25mol)、無水トリメリット酸57.1g(0.30mol)、トリエチルアミン90.9g(0.90mol)をテトラヒドロフラン(THF)150gとジメチルホルムアミド50gの混合液に懸濁させて仕込み、溶媒還流下約83℃にて3時間反応させた。冷却後、反応混合物に水100mlを滴下し、約30分撹拌させ、希塩酸をpH2以下となるまで滴下した。静置により二層分離させ、有機層を結晶化が起こるまで水洗し、白色結晶91.5gを得た(収率98%)。この生成物は、2種の構造異性体混合物で、2種合わせた純度は97.7%(HPLC)、融点は258℃であり、1H−NMR分析は、目的の化合物であることを示していた。そのNMRスペクトルを以下に示す。
δ(ppm)=13.20(broad s),8.25(1H,d),8.16(1H,d),7.87(3H,d),7.05(2H,d),4.48(4H,broad s).
【0035】
実施例1
下記組成よりなる混合物を磁性ボールミルで分散し〔A液〕〜〔E液〕を調製する。
次に、下記組成の混合物をディスパーにで撹拌分散してE液を調製した。
次に、〔A液〕〜〔E液〕を用いて感熱発色層塗布液とアンダーコート塗布液を下記の混合比で調製した。
(感熱発色層塗布液)
〔A液〕:〔B液〕:〔C液〕:〔D液〕=1:4:4:0.5
(アンダーコート塗布液)
〔E液〕:〔C液〕=2:1
〈各層の塗工〉
市販の上質紙(坪量60g/m2)の表面に(アンダーコート塗布液)を乾燥重量が3g/m2となるように塗布乾燥して中間コート紙(アンダーコート層塗布済紙)を得た。このアンダーコート層上に感熱発色層塗布液をロイコ染料の乾燥重量が0.5g/m2となるように塗布乾燥して感熱発色層を設けた。その後、10kg/cm2の圧力でキャレンダー処理して本発明の感熱記録材料を得た。
【0036】
比較例1
応用例1の〔B液〕において、具体例No.1の化合物の代わりに、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)を用いた以外は実施例1と同様にして調製し感熱記録材料を得た。
【0037】
以上のように作成した感熱記録材料について、次に示す試験を行った。その結果を表3に示す。
〈発色性試験〉
松下部品(株)製薄膜ヘッドを有するシミュレータ印字実験装置にてヘッド電力0.68W/dot、1ライン記録時間10ms/ライン、走査線密度8×3.85dot/mmの条件でパルス幅0.9msで印字を行い、得られた印字画像部に綿実油を塗布した後、40℃、15時間放置後の画像濃度をマクベス濃度計で測定し耐油性を評価した。更に、同様の試験片を80℃及び100℃の環境下に15時間放置後の地肌濃度をマクベス濃度計で測定し、耐熱性を評価した。
【0038】
【表3】
表3の結果より、本発明の感熱記録材料は画像の耐油性、地肌の耐熱性に優れていることが明らかである。
【0039】
【発明の効果】
本発明の感熱記録材料は顕色剤として前記一般式(I)で示される化合物を用いた感熱発色層を有するものであるから、画像の耐熱性、地肌の耐熱性に優れたものである。
Claims (2)
- 前記一般式(I)において、官能基Xが、2価の脂肪族炭化水素から誘導される基のいずれかのものであることを特徴とする請求項1記載の感熱記録材料。
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