JP3615302B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、核磁気共鳴現象(NMR現象)を利用し、被検体内の水素や燐等からの核磁気共鳴信号を計測し、被検体内を画像として描出する磁気共鳴イメージング装置およびそれを用いたイメージング方法に関し、特に高空間分解能の画像を得るのに好適な磁気共鳴イメージング装置および磁気共鳴イメージング方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
MRI装置は、被検体の周囲に均一な静磁場を発生する磁石と、前記均一な静磁場空間に傾斜磁場を発生する傾斜磁場コイルと、前記静磁場空間に高周波磁場を発生するRFコイルと、被検体から発生するNMR信号を検出するRFプローブとを備えている。傾斜磁場コイルはX,Y,Zの3方向の傾斜磁場コイルで構成され、傾斜磁場電源からの信号に応じてそれぞれ傾斜磁場を発生する。RFコイルはRF送信部の信号に応じて高周波磁場(RFパルス)を発生する。NMR現象によりRFプローブに生じた信号は信号検出部で検出され、信号処理部で信号処理され、また計算により画像信号に変換される。得られた画像は画像表示部へ表示される。撮影に際し、被検体は寝台により前記静磁場空間内へ位置させられる。そして、被検体を撮影するために、傾斜磁場電源、RF送信部、信号検出部を所定のタイムチャートに従って制御するが、そのタイムチャートをパルスシーケンスと呼んでいる。
【0003】
現在、MRI装置では、2次元フーリエ変換法の画像再構成法が一般的に行われている。すなわち、被検体の撮影断面の直交する一方向を位相エンコード方向とし、他の一方向を周波数エンコード方向とし、信号計測時にそれらの各方向に対し、傾斜磁場をパルス状に与えて核スピンに位置情報を付与するものである。そして、撮影画像の空間分解能は256×256画素のものが主流であるが、512×512画素のように高分解能のものも用いられている。これらの画像の画素数は前記傾斜磁場の印加ステップ数と信号のサンプリング数で決定される。
【0004】
しかし、上記の如き画素数の画像が得られるのは2次元フーリエ変換法のパルスシーケンスの全てについてではなく、1回のRFパルスの印加で1画像の全ての信号を計測するエコープラナ(EPI)法(ワンショット・エコープラナ法)のような超高速撮像法では32×32画素や64×64画素のものが多い。この理由は、EPI法は励起された核スピンの緩和時間内に、かつ信号強度が有効な時間内に、核スピンのエンコード数をそれ程多くできないことと、一つのエコー信号のサンプリング点数が多くできないことによる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
近年、医療画像診断装置では生体内の微細構造を描出するために高空間分解能化が要求されるとともに、撮像時の被検者の負担を少なくするためと診断効率の向上のため撮影の高速化が求められている。これはMRI装置も例外ではなく、各種の高速なパルスシーケンスのの開発が進められている。これらの画像の高空間分解能化と撮影の高速化のためには、傾斜磁場強度の増大が必要である。すなわち、高分解能化のためにはエコー信号のサンプリング点数を増やす必要があり、撮影の高速化のためには強い傾斜磁場を非常に短時間で立ち上げる必要がある。
【0006】
ところが、強い傾斜磁場を非常に短時間で立ち上げるには、傾斜磁場を発生するための傾斜磁場電源を大きくする必要があるとともに、高速スイッチング回路を必要とするとう技術的課題があった。
【0007】
一方、検査を受ける被検者側からは、強い傾斜磁場を高速で立ち上げると磁場変化率dB/dtが大きくなり、人体に悪影響を与えられることが知られてきている。特に、これらの問題はEPI法で顕著となる。
【0008】
本発明は上記問題点に鑑み成されたもので、高空間分解能の画像が得れるとともに、傾斜磁場の悪影響を人体に与えることが無いMRI装置を提供することを目的として成されたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、均一な静磁場中に被検体を配置し、傾斜磁場と高周波磁場とを印加して前記被検体内よりNMR信号を発生させ、このNMR信号を検出し、信号処理によりMR画像を得る磁気共鳴イメージング装置において、X,Y,Zの3方向の少なくとも1軸方向の傾斜磁場コイルを、その軸方向に複数個の小型傾斜磁場コイルを配列して構成し、各小型傾斜磁場コイルは他の小型傾斜磁場コイルのうちの少なくとも一つと同時に、同一方向・同一強度の傾斜磁場を発生し、空間的に鋸歯状の傾斜磁場を発生するようにしたものである。
【0010】
また本発明は上記課題を解決するために、上記構成のMRI装置において、RF受信コイルが互いに信号相関の無い複数の小型受信コイルの配列状体から成り、前記複数の小型傾斜磁場コイルと前記複数の小型RF受信コイルとが互いに同一方向に視野を分割するとともに、傾斜磁場の分割領域と受信コイルの受信領域とが整合性を持って分布するようにしたものである。
【0011】
更に本発明は上記課題を解決するために、前記磁気共鳴イメージング装置において、被検体の単一撮影断面について、前記分割された視野の少なくとも第1の局所領域を撮影する第1のパルスシーケンスと第2の局所領域を撮影する第2のパルスシーケンスとを組み合わせたパルスシーケンスを実行し、前記第1のパルスシーケンスで得られた計測信号と前記第2のパルスシーケンスで得られた計測信号とを別個に画像再構成し、しかる後に前記別個に画像再構成した画像を合成して前記被検体の単一撮影断面の画像を得るようにしたことを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を説明するが、実施の形態の詳細な説明に入る前に、本発明の原理について説明する。
【0013】
傾斜磁場コイルを小型化すると磁場発生効率が向上するとともに、コイルのインダクタンスが減少するので、傾斜磁場の立ち上がり特性が高速化する。したがって、傾斜磁場の増大や、傾斜磁場電源の大型化等の技術課題の解決が容易になる。生体への悪影響は、磁場変化率dB/dtの大きさで決定される。傾斜磁場は、図2に示すように位置(ここでは、z)にたいして直線的に増大するので、通常の傾斜磁場コイルで発生する傾斜磁場では、視野202の端部206でdB/dtが最も大きい。一方、本発明で用いる小型コイルでは、磁場発生領域204が狭いので視野端部207でのdB/dtが小さくなる。したがって、生体への悪影響が少ない。しかし、一つの小型コイルでは磁場発生領域204が狭いので、撮影可能領域も狭くなるため、臨床使用で診断領域をカバーできない等の問題が生じる。本発明ではこれを回避するため、磁場の傾斜軸(z)方向に複数個の小型傾斜磁場コイルを配列し、これらを用い、同一方向・同強度の傾斜磁場を同時に発生させ、全体として鋸歯状の高強度傾斜磁場を発生させる。この結果、高傾斜磁場で広視野の撮影が、生体への影響を抑制しつつ実現できる。
【0014】
次に、本発明の信号受信方式について述べる。鋸歯状の傾斜磁場では、同一傾斜磁場強度の位置から発する磁気共鳴信号が同一信号周波数を有するため、通常の受信方式では、おのおのの位置を区別できない。しかし、本発明では、受信部として複数のRF受信コイルを用いることによりこの問題を回避する。すなわち、複数の小型傾斜磁場コイルと複数の小型RF受信コイルは、互いに同一方向に整列しており、おのおのの小型傾斜磁場でエンコードされた、同一周波数の信号は、傾斜磁場コイルと位置が対応する小型RF受信コイルでのみ検出されるので、どのRFコイルで検出されたかにより、信号発生位置の区別が可能である。なお、前記複数のRF受信コイルの信号は、RFコイル間の信号およびノイズの相関を除去したまま、それぞれ磁気共鳴信号を検出する。
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。先ず、図4を用いて本発明を実施するためのMRI装置の構成を説明する。図4において、401は被検体であり、頭部を検査のために計測空間に置かれている。402は静磁場発生用磁石装置であり、所定空間領域に均一磁場を発生するものである。この静磁場発生用磁石装置402は超電導磁石、常電導磁石または永久磁石を磁場発生源とした各種の方式のものが用いられる。403は傾斜磁場コイルで、計測空間において静磁場へ重畳するように、かつその計測空間内において直交する3方向へ傾斜磁場を発生するもの、404は計測空間に置かれた被検体401へ電磁波を照射するためのRFコイル、405はRFコイル404からの電磁波により核磁気共鳴を起こした被検体内の核スピンから生ずる信号を検出するRF受信コイル、406はRF受信コイル405で検出された信号に対し増幅、検波、A/D変換を行う信号検出部、407は信号検出部406からの信号を用いて各種の処理及び計算を行い画像データを作成する信号処理部、408は信号処理部407で作成された画像データを表示するCRT等を有した画像表示部、409は傾斜磁場コイル403へ電力を供給する傾斜磁場電源、410はRF送信部で、RFコイル404から被検体401へ照射される電磁波に対応した信号を作成するもの、411は制御部で、傾斜磁場電源409、RF送信部410、信号検出部406、信号処理部410等をシステム的に制御するとともに、被検体401から信号を検出するパルスシーケンスの実行を制御するもの、412は被検体401を支持するとともに、被検体401の検査部位を計測空間へ移動する寝台である。
【0016】
次に、図1を用いて本発明の一実施例を開示する。z方向の傾斜磁場コイル101は、4つの平面状コイル103〜106からなる。各コイルの電流により発生する磁場は、コイル106について示したように、107、108の如く発生する。ここで、107と108は、z方向すなわち平面コイル106の面内またはそれと平行な面内でのz方向について逆向きの磁場を発生している。したがって、コイル106の磁場強度Gzは、110のようになる。110のプロファイルは、中心部分がほぼ直線状なので、この部分は、z方向の傾斜磁場として利用できる。各コイルの傾斜磁場のプロファイルは等しく、たとえば、コイル104が発生する磁場プロファイルは109のようになる。従来、傾斜磁場コイルを分割して駆動する方法は、磁場発生効率の向上のみの面からすでに特開平1−227747号公報に提案されているが、それは、複数コイルで、一つの直線状傾斜磁場パターンを作るのが、目的であり、本実施例のように、それぞれのコイルが、同じプロファイルの傾斜磁場を発生し、全体として鋸歯状に傾斜磁場を形成する例は無い。また、本実施例では、各コイル103〜106は、隣接するコイルがオーバーラップしており、互いの直線領域にギャップが無い状態に配置されている。このような、複数小領域傾斜磁場の特長を図2を使って更に詳細に説明する。図2は横軸がz、縦軸が磁場強度Bである。通常の傾斜磁場201は、撮影領域202の全体でほぼ直線的である(視野外の折り返し部分は図示していない)。傾斜磁場強度が高い場合プロファイルは、203となる。傾斜磁場のオンオフ時に、最も磁場変化率dB/dtが大きいのは、視野の端部206である。この部分で、生体への悪影響が最も大きい。磁場強度を202から203と2倍にすれば、dB/dtも2倍になる。一方、小型傾斜磁場を使うと、傾斜磁場プロファイルは、例えば205となり、直線領域すなわち撮影可能領域は、204と狭まる。しかし、傾斜磁場強度(直線の傾き)を203より強くしても、視野端部207のdB/dtは視野が縮小したぶんだけ抑制でき、201の場合と同等にまで抑制できる。また、図3に、小型傾斜磁場を複数個用いた撮影領域拡大法を示す。図3では、小型傾斜磁場を4個並べて、同一の磁場傾斜(209,205,209,211)を4領域(208,204,206,210)にわたって発生させ、全体として、202の撮影可能領域を得る。
【0017】
次に、図5と図6を使って、傾斜磁場電源409と傾斜磁場コイル403の接続方法を示す。図5は、従来例で、傾斜磁場電源409は、x電源501、y電源502、z電源503から成る。それぞれは、x,y,z傾斜磁場コイル504、505、506に接続される。一方、図6に示す本実施例では、各方向の傾斜磁場電源(501、502、503)は、それぞれ4個(501a〜501d,502a〜502d,503a〜503d)に分割されている。そして、分割された電源のそれぞれが、小型傾斜磁場コイルに接続される(601〜612)。なお、図6のコイル(609〜612)は、図1のコイル(103〜106)に対応するものである。図6の構成により、各小型傾斜磁場コイル(601〜612)が、図3、図1に示したように相似形の傾斜磁場を発生できる。
【0018】
図1に戻り、RFコイル102の説明を行う。RFコイル102は、8個の小型受信用コイル(111〜118)から成る。各々は、表面コイルであり、隣接するコイルは、コイル間の相互結合を除去する目的で、約10%オーバーラップしている。図1ではわかり易くするため、RFコイルを傾斜磁場コイル103−106の位置からずらして描いてあるが、実際にはRFコイルは、傾斜磁場コイル103−106の上にオーバーラップして配置されている。そして、傾斜磁場コイル103の位置に対応して、RFコイル111と112が、傾斜磁場コイル104の位置に対応して、RFコイル113と114が配置され、この様に、全てRFコイルと傾斜磁場コイルとの位置が対応している。この関係をさらに、図9と図10を使って詳細に述べる。図9、傾斜磁場109と110および、RF受信コイル113、114、117、118の相対位置を示す。RFコイルの感度領域は、それぞれ、901、902、903、904で示してある。各感度領域は傾斜磁場109と110の直線部分にのみ感度を有すようにする。したがって、一つのコイルで検出される信号には、異なる位置でかつ同一強度の傾斜磁場が印加される(すなわち信号周波数が等しい)信号は混入しない。これが、本実施例の大きな特徴となっている。図10は、傾斜磁場コイル103および105によって発生される傾斜磁場120と121および、RF受信コイル111、112、115、116の相対位置を示す。RFコイルの感度領域は、それぞれ、1001、1002、1003、1004で示した。この場合も各感度領域は傾斜磁場109と110の直線部分にのみ感度を有しており、一つのコイルで検出される信号には、異なる位置であるにもかかわらず同一強度の傾斜磁場が印加されるような位置からの信号が混入しない。
【0019】
次に、図7を使ってRFコイル405と信号検出部406の構成を述べる。各RFコイル(111〜118)はそれぞれ独立した信号検出回路707a〜707hで増幅、検波、サンプリングされ、信号処理部407の画像再構成部708a〜708hで、2次元フーリエ変換、もしくはバックプロジェクション法など公知の画像再構成方法を用いて8枚の画像7091〜7098に変換される。その後、それぞれの画像は画像合成部710a〜710dで合成される。なお、本画像合成法の詳細は後述する。
【0020】
次に、撮影シーケンスを図12を使って説明する。図12では、典型的な例としてシングルスライスを2分割2次元GrE EPI(Gradient echo echo planar imaging)法で撮影する例を示している。本実施例では、撮影断面は、読み出し傾斜磁場方向Grをz軸方向とし、位相エンコード方向Gpをy方向、スライス方向Gsをx方向としている。先ず、x傾斜磁場コイルを使ってスライス選択(Gs)パルス1203を撮影空間全体に印加しつつ、RFパルス1201を印加する。RFパルスは、公知のとおり撮影視野全体を励起するものとするが、RFパルスの生体への影響を低減するには、局所撮影領域に対応した部位のみRF照射することが望ましい。さてその後、位相エンコード(Gp)パルス1205、1206を印加し、また、読み出し傾斜磁場(Gr1)パルス1209、1210を、傾斜磁場コイル104、106(図1参照)を使って空間分布109と110にしたがってを印加する。そして、RFコイル113、114、117、118により領域901、902、903、904からのエコー信号をタイミング1212で検出する(図9、図12)。ここで計測されるエコー信号数と1エコーのサンプリング数は32,64のように画像の空間分解能を幾つにするかで決めて良い。
【0021】
次に、x傾斜磁場コイルを使ってスライス選択(Gs)パルス1217を撮影空間全体に印加しつつ、RFパルス1215を印加する。RFパルスは、前記と同じく撮影視野全体を励起する。RFパルス間隔はTRとする。その後位相エンコード(Gp)パルス1219、1220を印加し、また読み出し傾斜磁場(Gr2)パルス1223、1224を、傾斜磁場コイル103、105を使って空間分布120と121にしたがってを印加する(図1、10)。そして、RFコイル111、112、115、116により領域1001、1002、1003、1004からのエコー信号をタイミング1227で上記と同様に検出する(図10、図12)。
【0022】
次に、再度読み出し傾斜磁場Gr1(1211)およびGr2(1226)を使ったエコー計測を繰り返して行い、全撮影を終了する。この結果、おのおのの領域ごとに、画像化に必要な全エコーが計測される。この結果、読み出し方向の信号は、図11に示したように、z方向に連続した領域で各傾斜磁場120、109、121、110に対応したRFコイル111〜118の信号として検出される。画像再構成は、前記および図7のごとく、各領域すなわち各受信コイルごとに行う。ここでRFコイル111、112、115、116の信号に関しては、1227と1228のタイミングで得られた信号から再構成する。また、RFコイル113、114、117、118の信号に関しては、1210と1211のタイミングで得られた信号から再構成する。
【0023】
次に、再構成画像図8を使って、画像合成方法を説明する。図8は、通常の撮影または本実施例で得られる最終画像を示している。画像801のz方向視野は202である。また、被検体802は棒状とする。さて、本実施例の各RF受信コイルの信号から得た画像7091−7098を図13に示す。画像7091と7092の視野は208である。画像7091では、被検体802のうちRFコイルの有感領域1001に対応する部分の被検体808が画像化される。画像7092では、RFコイルの有感領域1002の被検体809が画像化される。
【0024】
画像7093と7094の視野は204である。画像7093では、RFコイルの有感領域901の被検体810が画像化される。画7094では、RFコイルの有感領域902の被検体811が画像化される。
【0025】
画像7095と7096の視野は206である。画像7094では、RFコイルの有感領域1003の被検体812が画像化される。画像7096では、有感領域1004部分の被検体813が画像化される。
【0026】
画像7097と7098の視野は210である。画像7097では、RFコイルの有感領域903の被検体814が画像化される。画像7098では、RFコイルの有感領域904の被検体815が画像化される。
【0027】
同一傾斜磁場の元で撮影された画像、7091と7092、7093と7094、7095と7096、7097と7098は互いに各絵素番地が空間の同一点を表わすので、絵素毎の重み係数を用いて信号合成部710(図7)で合成する。これは、典型的には数1で表わされる。
【数1】
Figure 0003615302
【0028】
ここで、I(z,y)は合成画像、s(z,y)は合成前の画像、w(z,y)は重み関数である。添え字は、画像番号を示す。
【0029】
この結果、互いにほぼ隣接する視野を有する4枚の画像7111〜711が得られる。次に、それぞれの視野の相対位置Δzを考慮して画像接続部712(図7)で画像接続を行う(図14)。この際、各視野が部分的にオーバーラップしているので、710の方法と類似の重み関数を併用して合成する。典型的には、数2で合成する。
【数2】
Figure 0003615302
【0030】
ここで、I(z,y)は合成画像、s(z,y)は合成前の画像(数式1のI(z,y))、w(Z,Y)は重み関数である。添え字は、画像番号を示す。こうして得られた画像713は、通常の撮影で得られる画像801に比べて、高磁場強度で撮影していることになる。
【0031】
本撮影法を行うと以下のような効果がもたらされる。すなわち、傾斜磁場強度を増し、信号サンプリングピッチを短縮できるので、高空間分解能撮影が可能である。本実施例では、4倍の高空間分解能化ができる。また、傾斜磁場強度が増し信号サンプリング時間を短縮できかつ、立ち上がり時間も短縮するので、短エコー時間(RFパルスからエコーまでの時間)の撮影が可能になる。
【0032】
また、本実施例では、読み出し方向の傾斜磁場を分割しているが、EPIなどの高速シーケンスでは、読み出し方向傾斜磁場のみが強く、他は弱くてもよいので、本実施例は、このような高速シーケンスに好適である。
【0033】
そして、本実施例では、高強度の傾斜磁場を印加しても生体への影響が少ないため、公知の拡散イメージング、拡散強調イメージングで、高強度の拡散傾斜磁場(MPG;motion probing gradient)を印加できる。
【0034】
本実施例では、個々の画像は、小視野の撮影で撮影されている。したがって、視野内の静磁場不均一は、視野の狭さに比例して小さくなっていると予想される。一般に、EPI等の超高速イメージングでは、視野内の静磁場均一性が向上すると、フーリエ変換の過程で発生する画像アーチファクトが減少し画質が向上する。それゆえ、本実施例でも、静磁場不均一が減少し画質が向上すると期待される。
【0035】
本実施例では、撮影シーケンスにて視野を複数回(2回)に分割しているので、各々の分割撮影視野に対応して、公知の局所静磁場シミングを施すことにより、さらに前記画質を向上できる可能性を含んでいる。
【0036】
本発明では、視野を複数の小視野に分割しているが、分割方向を、位相エンコード方向またはスライスエンコード方向とすれば、血流アーチファクトや、被検体の動きによるアーチファクトが各小視野内に限定され、アーチファクトが画像全体に広がることがない。したがって、合成画像のアーチファクトが低減し、画質が向上する。
【0037】
本実施例は、RF受信コイルに、マルチプルコイル(フェイズドアレイコイル)の技術を用いているので、高SN比である。
【0038】
本実施例では、各傾斜磁場コイルが、小型なので、高強度の傾斜磁場を印加しても、各傾斜磁場の変位量が小さく、当業者間で問題となっている、騒音、振動の発生要因が低減する。この効果は、さらに、各傾斜磁場が同相で作動するため、磁場のプラス部分とマイナス部分が空間的に交互に現われる(図1)ことから、一層、騒音、振動の発生要因が低減するものと期待される。したがって、MRI装置が静音化できると期待される。
【0039】
本発明に依れば、傾斜磁場コイルが小型なので、磁場発生効率が高い。したがって、傾斜磁場電源が相対的に小さくて良く、装置が小型化、低コスト化できる。
【0040】
以上本発明の実施の形態を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内で適宜、変更可能である。例えば、傾斜磁場の配列は、z方向でなく、x,,y方向でも良い。また、3軸とも分割しても良い。小型傾斜磁場コイルの形状は、ループコイル以外に8の字型コイルでも良い。8の字型コイルは、垂直磁場方式MRI装置のX,Y軸傾斜磁場コイルに好適である。RFコイルは、QDのアレイコイルでも良い。撮影シーケンスは、3次元でも良く、また、シングルショットのEPIでも良い。その他、スパイラルスキャン等他のシーケンスでも良い。
【0041】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、小型の傾斜磁場コイルを用いて鋸歯状の傾斜磁場を発生して視野を確保するようにしたので、傾斜磁場強度を上げても一つ一つ傾斜磁場は端部においてそれ程強い磁場とはならないため、傾斜磁場を高速にスイッチングしても、その端部において磁場の変化率が大きくならず、生体に対する悪影響が少なくできる。したがって、傾斜磁場強度を強くして高分解能の画像を撮影することが臨床において可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明するための傾斜磁場コイルとRFコイルの関係を示す図。
【図2】本発明で用いる傾斜磁場と従来の装置で用いる傾斜磁場との差異を示す図。
【図3】本発明の傾斜磁場と視野の関係を説明する図。
【図4】本発明が適用されるMRI装置のブロック図。
【図5】従来装置における傾斜磁場コイルと傾斜磁場電源の接続関係を表わす図。
【図6】本発明における傾斜磁場コイルと傾斜磁場電源の接続関係を表わす図。
【図7】本発明において信号の処理過程を司る部分の構成図。
【図8】本発明で得ようとしている画像を示す図。
【図9】本発明の傾斜磁場とRF受信コイルの関係図。
【図10】図9に示す傾斜磁場とRF受信コイルの関係と組みを成して用いられる傾斜磁場とRF受信コイルの関係図。
【図11】本発明の傾斜磁場とRF受信コイルによる総合的視野を示す図。
【図12】本発明の一実施例を示すパルスシーケンス。
【図13】本発明の一実施例で得られる分割された画像を示す図。
【図14】図13に示す分割画像の合成法を示す図。
【符号の説明】
101…傾斜磁場コイル、102…RF受信コイル、103〜106…小型傾斜磁場コイル、109,110…傾斜磁場プロファイル、111〜118…小型RF受信コイル、202…視野、501〜503…傾斜磁場電源、601〜612…小型傾斜磁場コイル、707…信号検出回路、708…画像再構成部、710…画像合成部、712…画像接続部

Claims (3)

  1. 均一な静磁場中に被検体を配置し、傾斜磁場と高周波磁場とを印加して前記被検体内よりNMR信号を発生させ、このNMR信号を検出し、信号処理によりMR画像を得る磁気共鳴イメージング装置において、X,Y,Zの3方向の少なくとも1軸方向の傾斜磁場コイルを、その軸方向に複数個の小型傾斜磁場コイルを配列して構成し、各小型傾斜磁場コイルは他の小型傾斜磁場コイルのうちの少なくとも一つと同時に、同一方向・同一強度の傾斜磁場を発生し、空間的に鋸歯状の傾斜磁場を発生することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. RF受信コイルが互いに信号相関の無い複数の小型受信コイルの配列状体から成り、前記複数の小型傾斜磁場コイルと前記複数の小型RF受信コイルとが互いに同一方向に視野を分割するとともに、傾斜磁場の分割領域と受信コイルの受信領域とが整合性を持って分布していることを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  3. 前記請求項1又は2に記載の磁気共鳴イメージング装置において、被検体の単一撮影断面について、前記分割された視野の少なくとも第1の局所領域を撮影する第1のパルスシーケンスと第2の局所領域を撮影する第2のパルスシーケンスとを組み合わせたパルスシーケンスを実行し、前記第1のパルスシーケンスで得られた計測信号と前記第2のパルスシーケンスで得られた計測信号とを別個に画像再構成し、しかる後に前記別個に画像再構成した画像を合成して前記被検体の単一撮影断面の画像を得ることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置
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