JP3614704B2 - 電力変換装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力変換装置の導体及び冷却構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電力変換装置は、平滑コンデンサと、インバータ回路を構成するスイッチング素子と、これらの要素を接続する導体とから構成されており、スイッチング素子を動作させて電力変換を行っているが、スイッチング素子の動作時に、インバータ回路を接続する導体のインダクタンスの影響で、スイッチング素子の端子間にサージ電圧が発生するが、これを低減させるために、接続導体のインダクタンスを低減する必要があり、これを実現する方法として、導体を流れる電流が互いにうち消し合うように密着させて配置する導体構成がとられている。
【0003】
ここで、従来の中性点クランプ式電力変換装置(以下、NPC電力変換装置という)について、図面を用いて説明する。従来のNPC電力変換装置は、図7に示すように、平滑コンデンサ10と、インバータ回路を構成するスイッチング素子11a〜11dと、クランプダイオード11e,11fと、それらを接続するP相導体12a,N相導体12b,AC相導体12c,C相導体12d,PC相導体12e,NC相導体12fから構成されている。
【0004】
そして、素子配置は、図8に示すように、P相導体12aと、P相導体12aに絶縁物13を挟んで密着させ、重なるように配置したPC相導体12eと、これと隣接するように配置したAC相導体12cと、これと隣接するように配置したNC相導体12fと、このNC相導体12fに絶縁物13aを挟んで密着させ、重なるようにN相導体12bが配置されていた。
【0005】
更に、P相導体12aとPC相導体12eに重なるようにスイッチング素子11aが配置され、PC相導体12eとAC相導体12cに重なるようにスイッチング素子11bが配置され、AC相導体12cとNC相導体12fに重なるようにスイッチング素子11cが配置され、NC相導体12fとN相導体12bに重なるようにスイッチング素子11dが配置されていた。
【0006】
このように構成されたNPC電力変換装置においては、スイッチング素子11a〜11dをオンオフさせ、負荷へ所望の電力を供給する。尚、通電モードとしては、出力電圧がP相、C相、N相の場合の3種類がある。
【0007】
次に、実際の通電経路について図7を用いて説明する。P相電圧時の通電経路は、図7の矢印Aに示すように、直流電源からP相導体12a→スイッチング素子11a→PC相導体12e→スイッチング素子11c→AC相導体12cの経路となっている。
【0008】
また、C相電圧時の通電経路は、図7の矢印Bに示すように、電源から負荷への通電経路は、直流電源からC相導体12d→クランプダイオード11e→PC相導体12e→スイッチング素子11c→AC相導体12cの経路であり、負荷から電源への通電経路は、AC相導体12cから→スイッチング素子11c→PC相導体12e→クランプダイオード11e→C相導体12d→直流電源となっている。
【0009】
更に、N相電圧時の通電経路は、図7の矢印Cに示すように、直流電源からN相導体12b→スイッチング素子11b→NC相導体12f→スイッチング素子11d→AC相導体12cの経路となっている。
【0010】
この際、スイッチング素子11a〜11dの動作にて電流通電経路が変わると、配線インダクタンスの影響によりスイッチング素子にサージ電圧が加わり、これがスイッチング素子及びクランプダイオードの耐量をこえると破壊されるため、P相導体12a,N相導体12b,AC相導体12c,C相導体12d,PC相導体12e,NC相導体12fを密着させた構成とすることにより、インダクタンスを低減させてサージ電圧を抑制している。
【0011】
その上、装置容量を拡大するために、スイッチング素子及びクランプダイオードを並列接続しており、各スイッチング素子間の電流値を均等化させるために、各スイッチング素子間を接続している導体の抵抗及びインダクタンスを低減させるために密着積層導体の構成としている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、低インダクタンス化のための密着導体構成としては、各相を構成するすべての導体をまとめて密着することが最も効果的であるが、密着導体の積層数が6層となり、中間層に配置される導体の放熱性が悪化するために導体の通電容量確保の目的で導体サイズの拡大が必要となっている。これを避けるために従来の装置では、部分的に密着導体を用いていた。
【0013】
しかしながら、従来の装置では、所定の導体のみが密着構成となっており、その他の導体は密着されていないため、インダクタンスを低減できなかった。
また、万一、スイッチング素子及びクランプダイオードが破損した場合は、密着導体を取り外してから素子交換を行った後に復旧作業をするが、ここで従来の装置では、複数の密着導体より構成されていたために、取り付け間違いをする可能性があり、これを回避するために密着導体の用品確認の作業が必要であり、MTTRを長引かせる要因となっていた。
【0014】
そこで、本発明では、同一層に複数の導体を配置する構成とすることにより、積層数を減少させて放熱性を改善し、さらに、導体を一体化することにより低インダクタンス化と組立作業性の改善とMTTRの短縮を図った電力変換装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、直流電源に接続された平滑コンデンサと、この平滑コンデンサの正極電位と負極電位との間に直列に接続される第1乃至第4のスイッチング素子と、この第2と第3のスイッチング素子と上記平滑コンデンサの中性点との間に接続された第1のダイオードと、上記第3と第4のスイッチング素子と上記平滑コンデンサの中性点の間に接続された第2のダイオードと、上記平滑コンデンサの正極電位と上記第1のスイッチング素子とを接続するP相導体と、上記平滑コンデンサの負極電位と上記第4のスイッチング素子とを接続するN相導体と、上記第2と第3のスイッチング素子の接続点から交流出力として導出されるAC相導体と、上記第1と第2のスイッチング素子の接続点と上記第1のダイオードとを接続するPC相導体と、上記第3と第4のスイッチング素子の接続点と上記第2のダイオードとを接続するNC相導体とを備えている。
【0016】
そして、上記PC相導体と上記NC相導体とを同一平面状に配置し第1層を形成し、上記P相導体と上記N相導体と上記AC相導体とを同一平面状に配置し第2層を形成し、上記PC相導体が上記P相導体及び上記AC相導体の少なくとも一部と重なり上記NC相導体が上記N相導体及び上記AC相導体の少なくとも一部と重なるように各々配置されている。
【0017】
また、請求項2に記載の発明は、第1層と前記第2層との間に絶縁層を形成したことを特徴とする。
更に、請求項3に記載の発明は、上記第1層と上記第1及び第2のダイオードとの間に上記平滑コンデンサの中性点電位と上記第1及び第2のダイオードとを接続するC相導体を第3層として形成したことを特徴とする。
【0018】
また更に、請求項4に記載の発明は、上記第1層と上記第2層の間に、C相導体を第3層として形成し、上記第1層と上記第3層の間と上記第2層と上記第3層の間に絶縁層を形成したことを特徴とする。
【0019】
また、請求項5に記載の発明は、直流電源に接続された平滑コンデンサと、この平滑コンデンサの正極電位と負極電位との間に直列に接続される第1乃至第4のスイッチング素子と、この第2と第3のスイッチング素子と上記平滑コンデンサの中性点との間に接続された第1のダイオードと、上記第3と第4のスイッチング素子と上記平滑コンデンサの中性点の間に接続された第2のダイオードと、上記平滑コンデンサの正極電位と上記第1のスイッチング素子とを接続するP相導体と、上記平滑コンデンサの負極電位と上記第4のスイッチング素子とを接続するN相導体と、上記第2と第3のスイッチング素子の接続点から交流出力として導出されるAC相導体と、上記第1と第2のスイッチング素子の接続点と上記第1のダイオードとを接続するPC相導体と、上記第3と第4のスイッチング素子の接続点と上記第2のダイオードとを接続するNC相導体と、上記平滑コンデンサの中性点電位と上記第1及び第2のダイオードとを接続するC相導体とを備えている。
【0020】
そして、上記P相導体と上記PC相導体とを同一平面状に配置し第1層を形成し、上記AC相導体と上記C相導体とを同一平面状に配置し第2層を形成し、上記NC相導体と上記N相導体とを同一平面状に配置し第3層を形成し、上記C相導体は少なくとも上記P相導体及び上記N相導体と重なるように配置され、上記AC相導体は少なくとも上記PC相導体及び上記NC相導体と重なるように配置されたことを特徴とする。
【0021】
更に、請求項6に記載の発明は、上記第1層と上記第2層との間と上記第2層と上記第3層との間とに絶縁層を各々形成したことを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、上記第1乃至第4のスイッチング素子を直列接続し1相分のスイッチング素子群を形成し、当該1相分のスイッチング素子群と直角となる方向に、他相分の第1乃至第4のスイッチング素子を並列接続し、上記各導体で上記第1乃至第4のスイッチング素子を接続したことを特徴とする。
【0022】
更に、請求項8に記載の発明は、スイッチング素子及びダイオードを冷却する冷却器を設け、この冷却器の両面に、上記スイッチング素子及び上記ダイオードを配置し、互いに並列接続したことを特徴とする。
【0023】
また、請求項9に記載の発明は、上記冷却器は受熱部と放熱部とから構成され、上記各導体の冷却経路と上記冷却器の放熱部の冷却経路を同一経路として形成すると共に、上記各導体の冷却経路の下流側に上記冷却器の放熱部を配置することを特徴とした。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0025】
(第1の実施の形態)本発明の第1の実施の形態について、図1を用いて説明する。図1に示すように、本実施の形態は、密着導体が2層構成となっており、第1層にP相導体12aとN相導体12bを平行に同一平面状に配置し、P相導体12aとN相導体12bの間にAC相導体12cを隣接するように同一平面状に配置し、第1層の導体に絶縁物13を挟んで密着させて配置した第2層に、P相導体12aと重なるようにPC相導体12eを配置し、N相導体12bと重なるようにNC相導体12fを配置して一体化させた構成とし、P相導体12a,N相導体12b,PC相導体12e,NC相導体12fと重なるようにC相導体12dを配置し、P相導体12aの端子部15及びN相導体12bの端子部15にて平滑コンデンサ10と接続し、AC相導体12cの端子部16から出力する。
【0026】
更に、スイッチング素子の配置は、P相導体12aとPC相導体12eに重なるように第1のスイッチング素子11aを配置し、N相導体12bとNC相導体12fに重なるように第4のスイッチング素子11bを配置し、PC相導体12eとAC相導体12cに重なるように第2のスイッチング素子11cを配置し、NC相導体12fとAC相導体12cに重なるように第3のスイッチング素子11dを配置し、C相導体12dとPC相導体12eに重なるように第1のクランプダイオード11eを配置し、C相導体12dとNC相導体12fに重なるように第2のクランプダイオード11fを配置し、各スイッチング素子の端子とそれぞれの導体を導電性のボス14にて接続する構成とする。
【0027】
このように構成された本実施の形態の通電経路は、プラス、ゼロ、マイナスの3モードがある。
プラスモードの通電経路は、図1の矢印Aに示すように、P相導体12aから第1のスイッチング素子11aを経由して、PC相導体12eから第2のスイッチング素子11cを通り、AC相導体12cから出力される。このため、図1のA1とA2,A3,A4で通電経路が反転しているため、互いにうち消し合うような通電経路となっている。マイナスモードも通電経路は、プラスモードと対称の経路を通電するため、プラスモードと同様なうち消し合う通電経路となっている。
【0028】
このようにすると、接続導体をーつの密着導体で構成でき、かつ、密着導体の積層数を2層にできるので、放熱性の改善を図れる。更に、導体がうち消し合うような通電経路の構成となっているため、インダクタンスの低減を図れる。また、万一、スイッチング素子及びクランプダイオードが破損した場合は、前述した一体構成の密着導体であるため、スイッチング素子及びクランプダイオードの電極部の接続ネジを脱着するのみで、対称となるスイッチング素子及びクランプダイオードを交換可能となり、更に、密着導体が一体構成であるため、取り付け間違いもなく、大幅なMTTRの短縮を可能とする。
【0029】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態について、図2を用いて説明する。
図2に示すように、密着導体は3層構成となっており、第1層にP相導体12aとAC相導体12cとN相導体12bを平行に配置し、第1層の導体に絶縁物13を挟んで密着させて配置した第2層にC相導体12dを配置し、第2層の導体に絶縁物13aを挟んで密着させて配置した第3層にPC相導体12eとNC相導体12fを平行に配置して一体化した構成とする。
【0030】
尚、P相導体12aの端子部15及びN相導体12bの端子部15及びC相導体12dの端子部15にて平滑コンデンサ10と接続し、AC相導体12cの端子部16から出力する。
【0031】
更に、スイッチング素子の配置は、P相導体12aとPC相導体12eに重なるようにスイッチング素子11aを配置し、N相導体12bとNC相導体12fに重なるようにスイッチング素子11bを配置し、PC相導体12eとAC相導体12cに重なるようにスイッチング素子11cを配置し、NC相導体12fとAC相導体12cに重なるようにスイッチング素子11dを配置し、C相導体12dとPC相導体12eに重なるようにクランプダイオード11eを配置し、C相導体12dとNC相導体12fに重なるようにクランプダイオード11fを配置し、それぞれの導体とスイッチング素子の端子を導電性のボス14にて接続する構成とする。
【0032】
このようにすると、接続導体をーつの密着導体で構成でき、かつ、密着導体の積層数を3層にでき、更に通電量が最も小さいために発熱量の少ないC相導体を中間層とする事により、放熱性を改善できる。また、インバータ回路の接続導体のすべてを、一体化した密着導体で構成できるため、組立性の改善を図れる。
【0033】
その上、万一、スイッチング素子及びクランプダイオードが破損した場合は、前述した一体構成の密着導体であるため、スイッチング素子及びクランプグイオードの電極部の接続ネジを脱着するのみで、対称となるスイッチング素子及びクランプダイオードを交換可能となり、さらに、密着導体が一体構成であるため、取付け間違いもなく、大幅なMTTRの短縮を可能とする。
【0034】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態について、図3を用いて説明する。
図3に示すように、本実施の形態は、密着導体は3層で構成されており、第1層にP相導体12aと、これと隣接するようにPC相導体12eを配置し、第1層導体に絶縁物13を挟んで密着させて配置した第2層に、P相導体12aとPC相導体12eと重なるように、C相導体12dを配置し、これと隣接する位置にPC相導体12eと重なるようにAC相導体12cを配置し、第2層導体に絶縁物13aを挟んで密着させて配置した第3層に、P相導体12a及びC相導体12dと重なるようにN相導体12bを配置する。
【0035】
更に、PC相導体12e及びAC相導体12cと重なるように、NC相導体12fを配置した構成とする。また更に、スイッチング素子の配置は、P相導体12aとPC相導体12eに重なるようにスイッチング素子11aを配置し、N相導体12bとNC相導体12fに重なるようにスイッチング素子11bを配置し、PC相導体12eとAC相導体12cに重なるようにスイッチング素子11cを配置し、NC相導体12fとAC相導体12cに重なるようにスイッチング素子11dを配置し、C相導体12dとPC相導体12eに重なるようにクランプダイオード11eを配置し、C相導体12dとNC相導体12fに重なるようにクランプダイオード11fを配置し、それぞれの導体とスイッチング素子の端子を導電性のボス14にて接続する構成とする。
【0036】
この構成とすることにより、密着導体は3層構成となるため、表面側に配置される導体は片面から放熱できるので放熱性を確保できる。更に、通電量の少ないC相導体を放熱性の悪い中間層に配置することにより温度上昇を抑制できる。また、インバータ回路の接続導体のすべてを、一体化した密着導体で構成できるため、組立性の改善を図れる。その上、更に、密着導体の入力端子が、P相導体とC相導体とN相導体と密着されているため、平滑コンデンサとスイッチング素子及びクランプダイオードの接続を密着導体にて接続できるためインダクタンスの低減を図る。
【0037】
その上、万一、スイッチング素子及びクランプダイオードが破損した場合は、前述した一体構成の密着導体であるため、スイッチング素子及びクランプダイオードの電極部の接続ネジを脱着するのみで、対称となるスイッチング素子及びクランプダイオードを交換可能となり、更に、密着導体が一体構成であるため、取り付け間違いもなく、大幅なMTTRの短縮を可能とする。
【0038】
(第4の実施の形態)本発明の第4の実施の形態について、図4を用いて説明する。図4に示すように、本実施の形態は、密着導体が2層構成となっており、第1層にP相導体12aとN相導体12bを平行に配置し、上記P相導体12aとN相導体12bの間にAC相導体12cを隣接するように配置し、第1層の導体に絶縁物13を挟んで密着させて配置した第2層に、上記P相導体12aと重なるようにPC相導体12eを配置し、上記N相導体12bと重なるようにNC相導体12fを配置して一体化させた構成とし、上記P相導体12a,N相導体12b,PC相導体12e,NC相導体12fと重なるようにC相導体12dを配置する。
【0039】
更に、スイッチング素子の配置は、P相導体12aとPC相導体12eに重なるように第1のスイッチング素子11aを配置しN相導体12bとNC相導体12fに重なるように第4のスイッチング素子11bを配置し、PC相導体12eとAC相導体12cに重なるように第2のスイッチング素子11cを配置し、NC相導体12fとAC相導体12cに重なるように第3のスイッチング素子11dを配置し、C相導体12dとPC相導体12eに重なるように第1のクランプダイオード11eを配置し、C相導体12dとNC相導体12fに重なるように第2のクランプダイオード11fを配置する。
【0040】
スイッチング素子11a〜11dの並列接続(本実施例では4並列接続)は、上記第1〜第4のスイッチング素子の直列接続方向と直角となる方向に行い、P相導体12aの端子部15及びN相導体12bの端子部15にて平滑コンデンサ10と接続し、AC相導体12cの端子部16から出力する。尚、各スイッチング素子の端子とそれぞれの導体を導電性のボス14にて接続する構成とする。
【0041】
このようにすると、接続導体をーつの密着導体で構成でき、かつ、密着導体の積層数を2層にできるので放熱性の改善を図れ、更に、第1の実施の形態における通電経路と同様に、互いの導体がうち消し合うような通電経路の構成となっているため、インダクタンスの低減を図れる。その上、並列接続されたスイッチング素子間の接続は、表面積の広い導体で接続され、かつ、電流の出力は入力側と反対方向からとなるため、各スイッチング素子間の電流は均等に分布される。
【0042】
(第5の実施の形態)本発明の第5の実施の形態について、図5を用いて説明する。図5に示すように、本実施の形態は、スイッチング素子11を冷却するための冷却器17の受熱部17aの両面にスイッチング素子11を取り付け、スイッチング素子端子に密着導体12を取付け、上記密着導体の端子部15から導体を引き出して一括にまとめた後、平滑コンデンサ10に接続し、また、密着導体の端子部16から導体を引き出して一括にまとめた後、負荷へ出力する構成とする。この構成とすることにより、冷却器の両面にインバータ回路を実装できるため装置の小型化が達成できる。
【0043】
(第6の実施の形態)
本発明の第6の実施の形態について、図6を用いて説明する。
図6に示すように、本実施の形態は、スイッチング素子11を冷却するための冷却器17の受熱部17aに、スイッチング素子11を取り付け、スイッチング素子11の端子に密着導体12を取付け、密着導体12と上記冷却器の放熱部17bを同一の冷却風経路で、かつ、密着導体12よりも排気側に冷却器の放熱部17bを配置する。
【0044】
この構成とすることにより、密着導体を冷却した冷却風と、冷却器の冷却風を共有できるため、装置に必要な冷却風量の削減により装置冷却用ファンを小型化し、装置の小型化を達成できる。
【0045】
【発明の効果】
このように本発明によれば、インバータ回路の接続に用いる密着導体を、積層数を2〜3層で一体化できるため、放熱性及び組立性を改善した上でインダクタンスの低減を達成できる。また、NPC主回路を一体化した密着導体にて構成できるため、万一のスイッチング素子交換時にMTTRを短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す組立図。
【図2】本発明の第2の実施の形態を示す組立図。
【図3】本発明の第3の実施の形態を示す組立図。
【図4】本発明の第4の実施の形態を示す組立図。
【図5】本発明の第5の実施の形態を示す組立図。
【図6】本発明の第6の実施の形態を示す組立図。
【図7】一般的なNPC電力変換装置の1相分の主回路を示す結線図。
【図8】従来のスイッチング素子と導体の配置関係を示す組立図。
【符号の説明】
A…電圧がP相時の電流通電経路、B…電圧がN相時の電流通電経路、
C…電圧がC相時の電流通電経路、
10…平滑コンデンサ、
11a…P相側スイッチング素子、11b…N相側スイッチング素子、
11c…P相−AC相間スイッチング素子、
11d…N相−AC相間スイッチング素子、
11e…P相側クランプダイオード、11f…N相側クランプダイオード、
12a…P相導体、12b…N相導体、12c…AC相導体、
12d…C相導体、12e…PC相導体、12f…NC相導体、
13、13a…絶縁物
14…ボス
15、16…端子
17…冷却器、17a…冷却器の受熱部、17b…冷却器の放熱部
Claims (9)
- 直流電源に接続された平滑コンデンサと、この平滑コンデンサの正極電位と負極電位との間に直列に接続される第1乃至第4のスイッチング素子と、この第2と第3のスイッチング素子と前記平滑コンデンサの中性点との間に接続された第1のダイオードと、前記第3と第4のスイッチング素子と前記平滑コンデンサの中性点の間に接続された第2のダイオードと、前記平滑コンデンサの正極電位と前記第1のスイッチング素子とを接続するP相導体と、前記平滑コンデンサの負極電位と前記第4のスイッチング素子とを接続するN相導体と、前記第2と第3のスイッチング素子の接続点から交流出力として導出されるAC相導体と、前記第1と第2のスイッチング素子の接続点と前記第1のダイオードとを接続するPC相導体と、前記第3と第4のスイッチング素子の接続点と前記第2のダイオードとを接続するNC相導体とを具備し、前記PC相導体と前記NC相導体とを同一平面状に配置し第1層を形成し、前記P相導体と前記N相導体と前記AC相導体とを同一平面状に配置し第2層を形成し、前記PC相導体が前記P相導体及び前記AC相導体の少なくとも一部と重なり前記NC相導体が前記N相導体及び前記AC相導体の少なくとも一部と重なるように各々配置したことを特徴とする電力変換装置。
- 前記第1層と前記第2層との間に絶縁層を形成したことを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
- 前記第1層と前記第1及び第2のダイオードとの間に前記平滑コンデンサの中性点電位と前記第1及び第2のダイオードとを接続するC相導体を第3層として形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の電力変換装置。
- 前記第1層と前記第2層の間に、前記C相導体を第3層として形成し、前記第1層と前記第3層の間と前記第2層と前記第3層の間に絶縁層を形成したことを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
- 直流電源に接続された平滑コンデンサと、この平滑コンデンサの正極電位と負極電位との間に直列に接続される第1乃至第4のスイッチング素子と、この第2と第3のスイッチング素子と前記平滑コンデンサの中性点との間に接続された第1のダイオードと、前記第3と第4のスイッチング素子と前記平滑コンデンサの中性点の間に接続された第2のダイオードと、前記平滑コンデンサの正極電位と前記第1のスイッチング素子とを接続するP相導体と、前記平滑コンデンサの負極電位と前記第4のスイッチング素子とを接続するN相導体と、前記第2と第3のスイッチング素子の接続点から交流出力として導出されるAC相導体と、前記第1と第2のスイッチング素子の接続点と前記第1のダイオードとを接続するPC相導体と、前記第3と第4のスイッチング素子の接続点と前記第2のダイオードとを接続するNC相導体と、前記平滑コンデンサの中性点電位と前記第1及び第2のダイオードとを接続するC相導体とを具備し、前記P相導体と前記PC相導体とを同一平面状に配置し第1層を形成し、前記AC相導体と前記C相導体とを同一平面状に配置し第2層を形成し、前記NC相導体と前記N相導体とを同一平面状に配置し第3層を形成し、前記C相導体は少なくとも前記P相導体及び前記N相導体と重なるように配置され、前記AC相導体は少なくとも前記PC相導体及び前記NC相導体と重なるように配置されたことを特徴とする電力変換装置。
- 前記第1層と前記第2層との間と前記第2層と前記第3層との間とに絶縁層を各々形成したことを特徴とする請求項5記載の電力変換装置。
- 前記第1乃至第4のスイッチング素子を直列接続し1相分のスイッチング素子群を形成し、当該1相分のスイッチング素子群と直角となる方向に、他相分の第1乃至第4のスイッチング素子を並列接続し、前記各導体で前記第1乃至第4のスイッチング素子を接続したことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の電力変換装置。
- 前記スイッチング素子及び前記ダイオードを冷却する冷却器を設け、この冷却器の両面に、前記スイッチング素子及び前記ダイオードを配置し、互いに並列接続したことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の電力変換装置。
- 前記冷却器は受熱部と放熱部とから構成され、前記各導体の冷却経路と前記冷却器の放熱部の冷却経路を同一経路として形成すると共に、前記各導体の冷却経路の下流側に前記冷却器の放熱部を配置することを特徴とした請求項1乃至8のいずれかに記載の電力変換装置。
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