JP3614518B2 - 車両用多機能シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、左右方向に並んで複数人掛けが可能なシートの略中央にあたる部分のシートクッション及びシートバックを、幼児用バスケット、子供用シート或いはアームレストとして使用する車両用多機能シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
左側シート及び右側シート間に配置した中央シートのシートクッションの前半部分を昇降可能に支持し、このシートクッションをアームレストとして利用するものが、実開昭58−68153号公報及び実開昭57−5055号公報により公知である。また中央シートのシートバックを前方に倒して幼児用バスケットとして利用するものが実開平6−22061号公報により公知であり、中央シートのシートバックを前方に倒してアームレスト或いは子供用シートとして利用するものが実開昭60−148135号公報により公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の何れのものも、幼児が後向きに座る幼児用バスケット及び子供が前向きに座る子供用シートの両方の機能を兼ね備えておらず、充分な汎用性に欠ける問題がある。
【0004】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、大人用シート、幼児用バスケット、子供用シート及びアームレストに兼用可能な汎用性の高い車両用多機能シートを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、左右方向に並んで複数人掛けが可能なシートの略中央にあたる部分に、シートクッションと、このシートクッションの後端に前後揺動自在に枢支されたシートバックとを備えてなる車両用多機能シートにおいて、上端において相互に開閉自在に枢支された前側の第1半体及び後側の第2半体から構成したシートバックを前記第1半体の下端においてシートクッションの後端に前後揺動自在に枢支し、前記シートバックをシートクッションの上面に重なるように前方に揺動させてアームレストとして使用し、また前方に揺動させたシートバックの第2半体を第1半体に対して前方に開いて幼児用バスケットとして使用し、更にシートクッションは、前側の前部シートクッション及び後側の後部シートクッションに2分割され、その前部シートクッションは、後部シートクッションの前側に連なる下降位置と、後端の下部が後部シートクッションの前端上面に直接乗り上げて上下に重なり合う上昇位置との間を昇降機構により昇降自在に支持されていて、該前部シートクッションを前記下降位置まで下降させれば大人用シートとして使用可能であり、また前記上昇位置まで上昇させればアームレスト及び子供用シートの何れにも使用可能であり、前部シートクッションが前記上昇位置にあるときは、該前部シートクッションの後部に加わる下向き荷重が後部シートクッションで支持されることを特徴とする。
【0006】
また請求項2に記載された発明は、請求項1の構成に加えて、前記シートクッションが、物品を収納する容器と、この容器の上面開口を開閉する蓋体とを備えたことを特徴とする。
【0007】
また請求項3に記載された発明は、請求項2の構成に加えて、前記蓋体の裏面にナビゲーションシステム又はオーディオシステムを装着したことを特徴とする。
【0008】
【作 用】
請求項1の構成によれば、シートバックを前方に揺動させてアームレストとして使用し、更にこのシートバックの第1半体に対して第2半体を前方に開くことにより幼児用バスケットとして使用することができる。またシートクッションは、前側の前部シートクッション及び後側の後部シートクッションに2分割されていると共に、その前部シートクッションは、後部シートクッションの前側に連なる下降位置と、後端が後部シートクッションの前端と重なり合う上昇位置との間を昇降機構により昇降自在に支持されていて、この前部シートクッションを前記下降位置まで下降させれば大人用シートとして使用可能であり、またこの前部シートクッションを前記上昇位置まで上昇させればアームレスト及び子供用シートの何れにも使用することができる。また特に前部シートクッションは、これが上昇位置にあるときには、その前部シートクッションの後端の下部が後部シートクッションの前端上面に直接乗り上げるようにして上下に重なり合うので、前部シートクッションの後部に加わる下向きの荷重を後部シートクッションで支持させることができる。
【0009】
請求項2の構成によれば、蓋体を開いて容器に物品を出し入れすることにより、シートクッションを物入れとして使用することができる。
【0010】
請求項3の構成によれば、シートクッションの蓋体を開くことによりナビゲーションシステム又はオーディオシステムを操作することができ、また蓋体を閉じることによりナビゲーションシステム又はオーディオシステムをシートクッション内に収納することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
図1〜図16は本発明の一実施例を示すもので、図1は車両の前部シートの斜視図、図2は図1の2−2線矢視図、図3はシートバックをアームレストとして使用する状態を示す図、図4はシートバックを幼児用バスケットとして使用する状態を示す図、図5はヘッドレストの分解斜視図、図6はヘッドレストの変形例を示す図、図7はヘッドレストの他の変形例を示す図、図8はヘッドレストの更に他の変形例を示す図、図9は図2の9部拡大図(シートクッションの下降状態)、図10は昇降機構の分解斜視図、図11はシートクッションの上昇状態を示す図、図12はシートクッションを子供用シートとして使用する状態を示す図、図13はシートクッションをアームレストとして使用する状態を示す図、図14はシートクッションを物入れとして使用する状態を示す図、図15は作用の説明図、図16は作用の説明図である。
【0012】
図1及び図2に示すように、車両の車室前部には運転者席としての右側シートSR と、助手席としての左側シートSL と、両シートSL ,SR 間に挟まれた中央シートSC とが左右方向に並設される。左側シートSL 及び右側シートSR は、それぞれシートクッション1L ,1R 、シートバック2L ,2R 及びヘッドレスト3L ,3R から構成される。中央シートSC はシートクッション1c,シートバック2C 及びヘッドレスト3C から構成されており、シートクッション1C は前側の前部シートクッション4及び後側の後部シートクッション5に2分割される。
【0013】
中央シートScのシートバック2cは前方に倒伏可能であり、後述するようにアームレスト及び幼児用バスケットとして使用することができる。また中央シートScのシートクッション1cの前部シートクッション4は、後部シートクッション5の前側に連なる下降位置と、その後端が後部シートクッション5の前端に重なり合う上昇位置との間を昇降可能である。中央シートSC の前部シートクッション4を下降させれば大人用シートとして使用することができ、また前部シートクッション4を上昇させればアームレスト又は子供用シートとして使用することができる。
【0014】
図2から明らかなように、中央シートSC のシートバック2cはリクライニング軸6を介して前後回動自在であり、且つヘッドレスト3cは上方に引抜き可能である。従って、図3に示すように、中央シートSC のヘッドレスト3cを取り外した状態でシートバック2cを前方に倒伏させると、そのシートバック2cを右側シートSR 又は左側シートSL のアームレストとして使用することができる。このとき、前方に倒伏させたシートバック2cの前部上面に小物物品を載置するトレー7が凹設される。
【0015】
図4に示すように、シートバック2cはピン8によって相互に枢支された第1半体9及び第2半体10から構成されており、第2半体10をピン8回りに前方に回動させて両半体9,10を接続するリンク11,12で回動角をロックすることにより、幼児用バスケットを構成することができる。制動時等に第2半体10に幼児の慣性力が前向きに作用しても、前記リンク11,12により第2半体10の回動角は確実にロックされる。第1半体9及び第2半体10の内面には幼児の身体を支持するパッド13が設けられており、また幼児の身体を拘束すべく第2半体10に一端を支持したベルト14、ベルト14の他端に固着したバックル15及び第1半体9に支持したタング16よりなるシートベルト装置17が設けられる。
【0016】
起立した第2半体10の上端には着脱自在のヘッドレスト18が設けられる。即ち、図5を併せて参照すると明らかなように、第2半体10の内面に一対のボス101 ,101 を介して概略コ字状のヘッドレスト支持部材19が回動自在に支持されており、このヘッドレスト支持部材19を第2半体10の内面に沿う格納位置から略180°回動させ、そこにヘッドレスト18の内面に設けた4個の係止突起181 …を係合させることにより、ヘッドレスト18が第2半体10の上端に装着される。
【0017】
上述のようにして、通常は大人用のシートとして使用される中央シートScのシートバック2cを前方に倒伏させることによりアームレストとして使用し、更に前記シートバック2cの第2半体10を第1半体9に対して回動させることにより幼児用バスケットとして使用することができる(図15参照)。このとき、幼児用バスケットの幼児は車体後ろ向きになるため、右側シートSR 或いは左側シートSL に座った大人は幼児と対話したり幼児の様子を容易に確認することができる。しかも、前方からの衝撃に対して第2半体10が幼児の背中を支持するため、幼児を確実に拘束することができる。
【0018】
図6はヘッドレスト18の変形例を示すもので、このヘッドレスト18は第2半体10の上端に形成した左右一対のピン孔102 ,102 にピン201 ,201 を介して回動自在に枢支された支持枠20と、この支持枠20に着脱自在に装着されるパッド21とから構成される。幼児用バスケットの不使用時には、パッド21を取り外した状態で、支持枠20を矢印方向に回動させて第2半体10の内部に格納することができる。
【0019】
図7はヘッドレスト18の他の変形例を示すもので、このヘッドレスト18は支持枠20の左右両側面に形成したガイド溝202 ,202 が第2半体10の側壁内面に突設した左右一対のガイドレール103 ,103 に摺動自在に係合しており、支持枠20は第2半体10に重なる格納位置と第2半体10から突出する使用位置との間をスライドすることができる。幼児用バスケットの使用時に、支持枠20に着脱自在なパッド21が装着される。
【0020】
図8はヘッドレスト18の更に他の変形例を示すもので、このヘッドレスト18は、その下方に突出させた係合腕182 を第2半体10の支持部104 に上方から挿入することにより、第2半体10に対して着脱自在である。ヘッドレスト18は、幼児用バスケットの不使用時に第2半体10の内面に沿う鎖線位置に保持される。
【0021】
次に、図9〜図11に基づいて中央シートScのシートクッション1cの前部シートクッション4を昇降させる昇降機構25の構造を説明する。
【0022】
車室の床面に前後摺動自在に設けたスライダ26上にシートベース27が固設されており、シートベース27の後部に後部シートクッション5が固定され、シートベース27の前部に前記昇降機構25を介して前部シートクッション4が昇降自在に支持される。インナパイプ28の右端がシートベース27の右側前端にボルト29で固定されるとともに、インナパイプ28の左端に溶接したブラケット30がシートベース27の左側前端にボルト31,31で固定される。インナパイプ28の外周に回転自在に嵌合するアウタパイプ32に、左右一対の前部リンク33,33が溶接される。シートベース27にコ字状のストッパアーム34が固定されており、このストッパアーム34に当接可能なストッパ部331 ,331 が前記一対の前部リンク33,33の後端に形成される。
【0023】
クッションベース35の下面にロックブラケット43が複数本のボルト44…で固定される。ロックブラケット43の左右両側面に前後方向に延びる長孔431 ,431 が形成されており、この長孔431 ,431 に左右の前部リンク33,33の先端間に架設したピン45が嵌合する。左右の前部リンク33,33の基端とロックブラケット43の前端間に一対のスプリング46,46が張設されており、このスプリング46,46の弾発力で前部リンク33,33が起立する方向に付勢される。
【0024】
ピン38で連結された2枚の板体よりなる後部リンク39の後端がピン40でシートベース27に枢支され、その後部リンク39の前端がピン41でロックブラケット43の後端に枢支される。後部リンク39はスプリング42の弾発力によって起立する方向に付勢される。
【0025】
前部シートクッション4は、物入れとして使用する容器351 を内蔵したクッションベース35と、そのクッションベース35の前端にピン36で開閉自在に枢支されたクッション37とから構成される。
【0026】
而して、前部シートクッション4は前部リンク33,33及び後部リンク39によって昇降自在に支持され、スプリング42,46,46によって上昇方向に付勢される。
【0027】
ロックブラケット43の下面にスライドピース47が前後摺動自在に支持される。即ち、スライドピース47に前後方向に延びる左右一対の長孔471 ,471 が形成されており、この長孔471 ,471 を貫通するガイドピン48,48がロックブラケット43を貫通してクッションベース35に螺入される。スライドピース47はロックブラケット43との間に張設したスプリング49によって後方に付勢されており、前記長孔471 ,471 の前端がガイドピン48,48に当接する。
【0028】
スライドピース47の前端にレバー50がピン51で枢支される。レバー50はスライドピース47に引かれて後方に付勢されており、ピン51の後上方に形成した支点部502 がロックブラケット43の前端面に当接している。従って、レバー50に指を掛けて上方に引くと、前記支点部502 を中心にしてピン51が前方に引かれ、スライドピース47が長孔471 ,471 の範囲内でスプリング49を引き延ばしながらロックブラケット43に対して前方にスライドする。
【0029】
スライドピース47の左右後端にはロック爪472 ,472 が形成されており、このロック爪472 ,472 が係合可能な下降位置用ロックピン52,52が左右の前部リンク33,33に設けられる。左右の前部リンク33,33間に架設したピン53にロックバー54が枢支されており、このロックバー54はスプリング55によって付勢される。ロックバー54に設けた上昇位置用ロックピン56が係合可能なロック爪433 がロックブラケット43の下面に突設されるとともに、スライドピース47の左右後端に上昇位置用ロックピン56に当接可能な山形のカム473 ,473 が下向きに形成される。
【0030】
而して、前部シートクッション4が図9に示す下降位置にあるとき、スライドピース47に形成したロック爪472 ,472 が前部リンク33,33に設けた下降位置用ロックピン52,52の下側に係合し、これによりスプリング46,46の弾発力による前部リンク33,33の起立が規制される。このとき、前部リンク33,33の後端に形成したストッパ部331 ,331 がストッパアーム34に係合することにより、シートクッション1cに座った乗員の体重が支持される。
【0031】
この状態からレバー50の前端を上方に引くと、スライドピース47がスプリング49に抗してロックブラケット43に対して前方にスライドし、ロック爪472 ,472 が下降位置用ロックピン52の下面を乗り越えて前方に離脱する。その結果、スプリング46,46で付勢された前部リンク33,33及びスプリング42で付勢された後部リンク39が起立し、前部シートクッション4を上昇させる。前部シートクッション4の上昇過程で、スプリング55で付勢されたロックバー54が起立し、その上昇位置用ロックピン56がスライドピース47のカム473 ,473 を乗り越えて前方に移動し、ロックブラケット43の下面に設けたロック爪433 の前面に係合する。
【0032】
上述のようにして前部シートクッション4が図11に示す上昇位置にロックされたとき、前部シートクッション4の後端は後部シートクッション5の前端に乗り上げ、これにより前部シートクッション4の後部に加わる下向きの荷重が支持される。また前部シートクッション4の前部に加わる下向きの荷重は、略鉛直姿勢に起立した前部リンク33,33によって支持される。
【0033】
而して、前部シートクッション4が上昇位置にロックされると、図12に示すように、その上面に子供を座らせて子供用シートとして使用することができ、また図13に示すように、右側シートSR 又は左側シートSL に座った乗員のアームレストとしても使用することができる。更に図14に示すように、前部シートクッション4の蓋体を構成するクッション37をピン38回りに前方に回動させれば、容器351 の内部空間に物品の出し入れを行うことができる。更にまた、前記クッション37の裏面にナビゲーションシステム57やオーディオシステムを設ければ、クッション37を開いてナビゲーションシステム57やオーディオシステムの操作を行うことができ、またクッション37を閉じればそれらを前部シートクッション4の内部に収納することができる。
【0034】
上昇位置にある前部シートクッション4を下降させるべく、レバー50の前端を上方に引いてスライドピース47を前方にスライドさせると、スライドピースのカム473 ,473 に上昇位置用ロックピン56を押圧されてロックバー54が揺動し、上昇位置用ロックピン56とロックブラケット43に設けたロック爪433 との係合が解除される。この状態で前部シートクッション4を下方に押圧すると、前部リンク33,33及び後部リンク39が倒伏して前部シートクッション4の下降を許容する。
【0035】
前部シートクッション4を更に押し下げると、やがてスライドピース47のロック爪472 ,472 が前部リンク33,33の下降位置用ロックピン52,52の下面に係合し、前部シートクッション4が下降位置にロックされる(図9参照)。
【0036】
上述したように、通常は大人用シートとして使用される中央シートSC のシートバック2C をアームレスト又は幼児用バスケットとして使用し、且つそのシートクッション1C をアームレスト又は子供用シートとして使用することが可能となるので、中央シートSC の汎用性を高めることができる。また、第1半体9及び第2半体10は中央シートSC のシートバック2C に設けられているため、それらを前後に揺動させても左右のフロントシートの乗員及び左右のリヤシートの乗員の邪魔になることはなく、居住性が損なわれる不具合がない。しかも、幼児用バスケット内に位置する幼児は左右に位置する乗員と対面し、左右公平に会話することが可能となって楽しさが増加する(図16参照)。
【0037】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0038】
例えば、実施例はそれぞれ独立した右側シートSR 、左側シートSL 及び中央シートSC を左右方向に並置しているが、本発明はシートクッションを共用したベンチシート或いはシートクッション及びシートバックを共用したベンチシートに対しても適用することができる。また、実施例ではフロントシートに本発明を適用しているが、前後に3列以上のシートを備えた車両では中間列のシートに対して本発明を適用することができ、また後方に空間がある車両ではリヤシートに対して本発明を適用することができる(図17参照)。
【0039】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に記載された発明によれば、シートの略中央にあたる部分のシートバックを前方に揺動させてアームレストとして使用し、更にこのシートバックの第1半体に対して第2半体を前方に開くことにより幼児用バスケットとして使用することができる。またシートの略中央にあたる部分のシートクッションは、前側の前部シートクッション及び後側の後部シートクッションに2分割されていると共に、その前部シートクッションは、後部シートクッションの前側に連なる下降位置と、後端が後部シートクッションの前端と重なり合う上昇位置との間を昇降機構により昇降自在に支持されていて、この前部シートクッションを前記下降位置まで下降させれば大人用シートとして使用可能であり、またこの前部シートクッションを前記上昇位置まで上昇させればアームレスト及び子供用シートの何れにも使用することができる。また特に前部シートクッションは、これが上昇位置にあるときには、その前部シートクッションの後端の下部が後部シートクッションの前端上面に直接乗り上げるようにして上下に重なり合うので、前部シートクッションの後部に加わる下向きの荷重を後部シートクッションで支持させることができる。
【0040】
このようにして通常は大人用シートとして使用される中央シートにアームレスト、幼児用バスケット、子供用シートとしての機能を持たせて汎用性を高めることができる。
【0041】
また請求項2に記載された発明によれば、シートクッションが物品を収納する容器と、この容器の上面開口を開閉する蓋体とを備えているので、シートクッションに物入れとしての機能を持たせることができる。
【0042】
また請求項3に記載された発明によれば、蓋体の裏面にナビゲーションシステム又はオーディオシステムを装着したので、蓋体を開くことによりナビゲーションシステムやオーディオシステムを操作することができ、また蓋体を閉じることによりそれらをシートクッション内に収納することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両の前部シートの斜視図
【図2】図1の2−2線矢視図
【図3】シートバックをアームレストとして使用する状態を示す図
【図4】シートバックを幼児用バスケットとして使用する状態を示す図
【図5】ヘッドレストの分解斜視図
【図6】ヘッドレストの変形例を示す図
【図7】ヘッドレストの他の変形例を示す図
【図8】ヘッドレストの更に他の変形例を示す図
【図9】図2の9部拡大図(シートクッションの下降状態)
【図10】昇降機構の分解斜視図
【図11】シートクッションの上昇状態を示す図
【図12】シートクッションを子供用シートとして使用する状態を示す図
【図13】シートクッションをアームレストとして使用する状態を示す図
【図14】シートクッションを物入れとして使用する状態を示す図
【図15】作用の説明図
【図16】作用の説明図
【図17】本発明を後席に適用した実施例の説明図
【符号の説明】
SL 左側シート(シート)
SR 右側シート(シート)
SC 中央シート(シート)
1C シートクッション
2C シートバック
4 前部シートクッション
5 後部シートクッション
9 第1半体
10 第2半体
25 昇降機構
351 容器
37 クッション(蓋体)
57 ナビゲーションシステム
Claims (3)
- 左右方向に並んで複数人掛けが可能なシート(SL ,SC ,SR )の略中央にあたる部分(SC )に、シートクッション(1C )と、このシートクッション(1C )の後端に前後揺動自在に枢支されたシートバック(2C )とを備えてなる車両用多機能シートにおいて、
上端において相互に開閉自在に枢支された前側の第1半体(9)及び後側の第2半体(10)から構成したシートバック(2C )を前記第1半体(9)の下端においてシートクッション(1C )の後端に前後揺動自在に枢支し、前記シートバック(2C )をシートクッション(1C )の上面に重なるように前方に揺動させてアームレストとして使用し、また前方に揺動させたシートバック(2C )の第2半体(10)を第1半体(9)に対して前方に開いて幼児用バスケットとして使用し、更にシートクッション(1C )は、前側の前部シートクッション(4)及び後側の後部シートクッション(5)に2分割され、その前部シートクッション(4)は、後部シートクッション(5)の前側に連なる下降位置と、後端の下部が後部シートクッション(5)の前端上面に直接乗り上げて上下に重なり合う上昇位置との間を昇降機構(25)により昇降自在に支持されていて、該前部シートクッション(4)を前記下降位置まで下降させれば大人用シートとして使用可能であり、また前記上昇位置まで上昇させればアームレスト及び子供用シートの何れにも使用可能であり、前部シートクッション(4)が前記上昇位置にあるときは、該前部シートクッション(4)の後部に加わる下向き荷重が後部シートクッション(5)で支持されることを特徴とする車両用多機能シート。 - 前記シートクッション(1C )が、物品を収納する容器(351 )と、この容器(351 )の上面開口を開閉する蓋体(37)とを備えたことを特徴とする、請求項1記載の車両用多機能シート。
- 前記蓋体(37)の裏面にナビゲーションシステム(57)又はオーディオシステムを装着したことを特徴とする、請求項2記載の車両用多機能シート。
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